JP4242084B2 - 複合シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシートに関し、電子部品の包装容器は該シートの好適な用途の一例である。
【0002】
【従来の技術】
IC等の電子部品の包装形態としてインジェクショントレー、真空成形トレー、マガジン、キャリアテープ(エンボスキャリアテープ)などが使用されている。これらの包装容器には静電気によるIC等の電子部品の破壊を防止するために(1)包装容器の表面に帯電防止剤を塗布する方法、(2)導電性塗料を塗布する方法、(3)帯電防止剤を分散する方法、(4)導電性フィラーを分散させる方法等が実施されている(特開昭57−78349等参照)。中でも(4)の方法はよく利用されている。導電性フィラーとしては(a)金属微粉末、(b)カーボンファイバー、(c)カーボンブラックなどが用いられている(特開昭60−8362等参照)。このうち、(c)カーボンブラックは混練条件等の検討により均一に分散させることが可能であり、安定した表面抵抗率が得られやすいことから一般的に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は導電性を付与するために必要なカーボンブラック等の導電性フィラーを練り込む手間を省き、コスト面及び作業面において有利な複合シートを得るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は基材層の少なくとも片面に、導電性塗料を塗布した導電性フィルムを積層してなる複合シート及びそれを用いた電子部品包装容器である。
【0005】
基材層は熱可塑性樹脂を好適に用いることができる、単層若しくは複層であっても良い。熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、例えばポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびこれらのアロイ系樹脂等を用いることができ、好ましくはポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂のいずれか一以上である。
【0006】
基材層には熱可塑性樹脂の発泡シートを用いることが出来る。発泡シートの熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂の何れかを主成分とするものを好適に用いることができる。これらの樹脂はそのまま使用することもできるし、架橋して用いることもできる。発泡シートの製造に使用する発泡剤の種類としては化学発泡剤と物理発泡剤がある。化学発泡剤としては、重曹とクエン酸の混合物が好適に用いられ、発生する発泡ガスは炭酸ガスである。物理発泡剤としては炭酸ガス、ブタン、窒素ガス等が例示されるが、安全性の面で炭酸ガスが好適に用いられる。発泡シートには他の樹脂成分を改質剤として添加することも可能であり、また、必要に応じて滑剤、可塑剤、酸化防止剤等の加工助剤、無機フィラーの各種添加剤を添加することが可能である。発泡シートの密度は180kgm-3以上850kgm-3未満であることが好ましく、更に300kgm-3以上600kgm-3未満であることが好ましい。密度が180kgm-3より低い場合、発泡セルの独立気泡率が低下し、容器を成形した場合に成形品の表面外観が低下する。密度が850kgm-3以上であると軽量性が低下する。独立気泡率は40%以上であることが好ましい。独立気泡率が40%より低いと成形品の強度が低下すると共に表面外観が悪くなる。基材層に発泡シートを用いた複合シートはトレーとして好適に使用することができる。
【0007】
基材層の厚みは、100μm以上3000μm以下であることが好ましい。基材層厚みが100μm以下であると、成形品の強度が得られず、3000μm以上であると成形が困難となる。
【0008】
導電性フィルムはフィルムに導電性塗料を塗布したものである、すなわちフィルムに導電性塗料を塗布し乾燥、硬化等をさせることにより導電性塗料の皮膜、塗膜あるいは層を形成させたものである。
導電性塗料は導電材料にを加え溶剤で分散させたものが用いられる。導電材料とは導電性の材料であって、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の導電性フィラー、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子が挙げられる。バインダーとは樹脂成分であって、例えばアクリル系、ウレタン系樹脂等を用いることができる。導電性塗料にはこれらの主成分以外に添加物として分散材、可塑剤等を適宜使用しても良い。
【0009】
フィルムは熱可塑性樹脂からなるものであれば特に限定されないが、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルムが易成形という点で好ましい。これらの二軸延伸フィルムも好適に使用できる。フィルムの厚みは特に限定されず、3μm以上100μm以下の範囲であれば良い。
【0010】
導電性塗料の塗工方法は特に限定されず公知の方法が使用できる、例えばグラビアコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法等があげられる。塗布面にコロナ処理を行ったり、別のコーティング剤でプライマー処理等を行っても差し支えない。導電性塗料の厚みは、フィルムの厚みに対して0.1μm〜30μmが望ましい。厚みが0.1μ以下であると所定に表面抵抗値が得られず、30μm以上であるとコスト面で不利である。
【0011】
上記の基材層に導電性フィルムをラミネートすることにより複合シートを得ることができる。この時、導電性フィルムの導電性塗料を塗布した面は基材層に接合する側であっても、複合シートの表面側のどちらでも良い。ラミネート方法としては公知の方法を用いることができる、例えば、ウェットラミネート法、ドライラミネート法、無溶剤ラミネート法、押出コート・ラミネート法がある。
【0012】
複合シートの表面の固有抵抗値は、導電性フィルムの導電性塗料を塗布した面を表面側にすると、102〜1012Ωの値を得ることができる。この範囲の固有抵抗値であると、IC等の電子部品を包装する時に、静電気による破壊を防ぐことができる。
また、導電性フィルムの導電性塗料を塗布した面を基材層に接合すると、表面抵抗値は1012Ωより高い抵抗値を示すことがあるが、静電減衰の値は、基材層のみからなるシートに比べると優れている。ここでいう静電減衰の値とは、試料に5000Vの電圧を印加したときに帯電圧が1%以下となるまでに要する時間のことである。
この値が短いほど、導電性に優れたシートであるといえる。
【0013】
上記の方法で得られた複合シートは、圧空成形、真空成形、熱板成形により加工することが可能であり、真空成形トレー、マガジン、キャリアテープ(エンボスキャリアテープともいう)として、電子部品包装容器に用いることができる。
【0014】
【実施例】
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
基材層用としてABS樹脂(デンカABS GR−1000 電気化学)を使用し、φ40mm押出機(L/D=26)及び500mm幅のTダイを全体の肉厚が300μmとなるような単層基材層を得た。
導電性塗料として、アクリル樹脂、カーボンブラック及び溶剤(トルエン/メチルエチルケトン/酢酸エチルからなる混合溶剤)を重量比で30:6:64の割合で配合し、分散剤、可塑剤、酸化防止剤を適宜加えた後にボールミルで30分間混合し作製した。この導電性塗料をグラビアコート法により厚さ16μの二軸延伸ポリプロピレンフィルムに塗布し導電性フィルムを得た。得られたフィルムの導電塗工層の厚みは4μであった。得られた導電性フィルムの塗工面と基材層をアクリル系接着剤を用いてドライラミネート法により複合シートを得た。得られたシートを27mm幅にスリットし、圧空成形機(EDG社製)にて、24mm幅のエンボスキャリアシートを成形した。
【0015】
実施例2
実施例1と同様の方法で、基材層と導電性フィルムを作製し、得られた導電性フィルムの非塗工面と基材層をアクリル系接着剤を用いてドライラミネート法により複合シートを得た。得られたシートを27mm幅にスリットし、圧空成形機(EDG社製)にて、24mm幅のエンボスキャリアシートを成形した。
【0016】
以上の作製したシートに対して次に示す評価を行なった。
(表面層の固有抵抗値)
三菱油化社ハイレスターMCPテスターを用いて、JIS‐K7194に準拠し、表面層の固有抵抗値を求めた。
(静電減衰)
ETC社製Static Decay Meterを用いて、MIL−B−81705Cに従って、静電減衰時間を測定した。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】
本発明の複合シートは導電性を付与するために必要なカーボンブラック等の導電性フィラーを練り込む手間を省き、コスト面及び作業面において有利な複合シートを得ることができる。
Claims (3)
- 100〜3000μmの厚みの熱可塑性樹脂からなる基材層の少なくとも片面に、3〜16μmの厚みの二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、厚み0.1〜30μmに導電性塗料を塗布した側の面の表面固有抵抗値が102〜1012Ωの導電性二軸延伸ポリプロピレンフィルムを、導電性塗料を塗布した面を基材層側にして基材層に積層してなる静電減衰性の良好なキャリアテープ用複合シート。
- 基材層がABS系樹脂である請求項1に記載のキャリアテープ用複合シート。
- 請求項1又は請求項2に記載の複合シートを圧空成形したキャリアテープ。
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