JP4241830B2 - 音処理装置、音処理方法、音処理プログラムおよび音処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

音処理装置、音処理方法、音処理プログラムおよび音処理プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

本願は、音処理装置の技術分野に関する。
背景技術
従来から、入力された原音に対して何らかの処理を施して音を変化させる機械であるいわゆるエフェクタという機械が知られている。エフェクタには、入力された原音に位相差を持たせ、または時間差を持たせた音を元の原音に加算した後に出力させることにより、出力音を揺らせて空間的的な広がりや奥行きを聴取者に感じさせる効果を創出するいわゆるモジュレーション系エフェクタ等の様々なエフェクタが知られている。
しかし、上述したエフェクタによる効果音の繰り返しは、エフェクタに入力される音とは無関係にエフェクタ内部の独立した回路構成を利用していた。したがって、エフェクタに入力される音が変化してしまうと、エフェクタによる効果音の始まりタイミングと入力される音のテンポやリズム等の拍子とが一致しなくなり、聴取者にとって不快な効果音や心地よくない効果音と感じる不用な効果音となってしまっていた。
具体的には、CD(Compact Disc)等の音楽が流れるダンスホールにおいて、ディスクジョッキーがエフェクタを使用して効果音を発生させることにより、聴取者は様々な刺激のある音を聴取しながら、様々なステップを音楽に合わせて踏むことができる。しかし、CD等の回転数を変化させて曲調を変化させた場合または音源を変える等の、音源に変化を与える操作を行うと、エフェクタの効果音が聴取者にとって予期せぬタイミング等で発生する。そのため、聴取者は不快な感覚を持つので、ディスクジョッキーは、音のテンポやリズム等の拍子と効果音の発生のタイミングがずれていないかを耳で聞いて確認しながら、次の効果音の選択または音源変更等の次の操作準備をしなければならないという煩わしい作業をしなければならなかった。
そこで、本願は、ディスクジョッキー等のユーザが煩わしい作業をすることがないように、音源に合わせて効果音を自動的に発生させることができる音処理装置を提供することにある。
本発明の音処理装置は、変調される音信号と同期した、少なくとも1つ以上の新たな同期音信号を生成する同期音生成手段と、前記生成された同期音信号の属性を示す拍子を検出するパラメータ検出手段と、前記検出された拍子に基づいて、変換信号を生成する変換信号生成手段と、前記生成された変換信号に基づいて、前記音信号を変調する変調手段と、前記変調される音信号と、前記生成される同期音と、の開始時間差の設定に用いられる時間差設定手段とを備え、前記同期音生成手段は、前記時間差設定手段によって設定される少なくとも2つ以上の時間差に基づいて、少なくとも2つ以上の時間差を持った前記同期音を生成し、前記変換信号生成手段には、前記検出された拍子部分の前記同期音信号の音量レベルを検出する音量レベル検出手段と、前記音量レベル検出手段の入力信号の振幅を大きくしたり小さくしたりする検出感度設定手段と、を含み、前記変調手段は、前記検出された音量レベルに基づいて、前記変調される音信号の変調態様を変化させることを特徴とする。
この構成によれば、変調される音の拍子の間隔が一定でない場合や、変調される音の拍子の間隔が徐々に長くなる場合や短くなる場合であったとしても、変調される音の拍子と同期して、変調される音が変調され、効果音が発生するようになる。
具体的には、上記構成によりCD再生装置等の情報再生装置で再生された楽曲などの音に効果音を付加するタイミングが一定となることより、CD再生装置等の情報再生装置で再生された楽曲などの音の拍子およびリズムに変動があった場合にも、拍子の発生後一定時間内に効果音が生成されるため、聴取者は違和感を感ぜずに、楽曲等の音の効果音を楽しむことができる。
また、ディスクジョッキーにとっても、効果音が聴取者にとって違和感なく連続して発生するので、効果音の発生タイミングを微調整するなどの煩わしい作業を行うことがなくなる。また、次に再生させるべきCD等の情報記録媒体の選択や、次に発生させるべき効果音の選択に集中することができるようになり、ディスクジョッキーにとって非常に操作性のよい音処理装置を提供できるようになる。
この構成によれば、変調される音の拍子に同期して複数の同期音を発生させ、複数の同期音に基づいて、変調手段によって複数の効果音を発生させることができる。その結果、一つの拍子に対して多彩なパターンの効果音を楽しむことが可能になる。
また、時間差は、時間差値が入力されることによって設定されることができるほか、ディスクジョッキーが拍子を手で叩いて入力することにより、自動的に変調される音の拍子からの時間差が設定されることも可能である。この場合には、ディスクジョッキーの感覚により、即興的に効果音を発生させることができる。さらに、この音処理装置は、その場の雰囲気やCDプレーヤー等の情報再生装置から出力されている音に合わせて多彩な効果音を、変調される音の拍子にあわせて発生させることができるので、変調される音の拍子に合わせて、聴取者は刺激的な効果音を楽しむことが可能となる。
さらに、ディスクジョッキーは、効果音が拍子とずれることを心配する必要がないので、次の効果音を発生する準備や次に再生されるべき音を時間的に余裕をもって選択することができるようになる。
本発明の音処理装置において、前記変調手段は、前記検出された音量レベルに基づいて、前記変調される音信号を時間遅延させて時間遅延信号を生成する時間遅延手段と、前記時間遅延された時間遅延信号の利得を変化させる利得変化手段と、前記利得変化された時間遅延信号と、前記変調される音信号とを加算し、前記加算された信号を前記時間遅延手段に帰還して入力する第1の加算手段と、前記時間遅延された時間遅延信号と、前記変調される音信号とを加算し、前記加算された信号を出力する第2の加算手段とを備える。
この構成によれば、変調される音の拍子に同期した一以上の独特のうねりをもった効果音を発生させることができる。その結果、一つの拍子に対して多彩な時間差を持つ音の効果音を楽しむことが可能になる。
また、ディスクジョッキーの感覚により、時間差設定手段の一例としての遅延時間設定部によって即興的に効果音を発生させることができる。さらに、この音処理装置は、その場の雰囲気やCDプレーヤー等の情報再生装置から出力されている音に合わせて多彩な効果音を、変調される音の拍子にあわせて発生させることができるので、変調される音の拍子に合わせて、聴取者は刺激的な効果音を楽しむことが可能となる。
さらに、ディスクジョッキーは、効果音が拍子とずれることを心配する必要がないので、次の効果音を発生する準備や次に再生されるべき音を時間的に余裕をもって選択することができるようになる。
具体的には、従来は、単純な三角波形や三角関数であるサイン波形の音量レベルに基づいて変調の態様を決めていたために、決まったパターンに基づいた変調度合いによる効果音のみしか聴取者は楽しむことができなかった。しかし、この実施形態の構成によれば、変調される音の波形は、自在に変化するため、変調の態様も予期せぬパターンとなり、ユーザは様々なパターンの効果音を楽しむことが可能となる。
例えば、ディスクジョッキーが音処理装置を用いて、ダンスホール等の踊り場所において様々な効果音を発生することができるので、ユーザは様々な踊りかたを楽しむことが可能となる。
本発明の音処理装置において、前記変調手段は、前記検出された音量レベルに基づいて、前記変調される音信号を位相遅延させて位相遅延信号を生成する位相遅延手段と、前記位相遅延された位相遅延信号の利得を変化させる利得変化手段と、前記利得変化された位相遅延信号と、前記変調される音信号とを加算し、前記加算された信号を前記位相遅延手段に帰還入力する第1の加算手段と、前記位相遅延手段によって位相遅延された位相遅延信号と、前記変調される音信号とを加算し、前記加算された信号を出力する第2の加算手段とを備える。
この構成によれば、変調される音の拍子に同期した一以上の独特のうねりをもった高周波数成分が強調された音を発生させることができる。その結果、一つの拍子に対して多彩な時間差を持つ音の効果音を楽しむことが可能になる。
また、ディスクジョッキーの感覚により、遅延時間設定部4によって即興的に効果音を発生させることができる。さらに、この音処理装置は、その場の雰囲気やCDプレーヤー等の情報再生装置から出力されている音に合わせて多彩な効果音を、変調される音の拍子にあわせて発生させることができるので、変調される音の拍子に合わせて、聴取者は刺激的な効果音を楽しむことが可能となる。
さらに、ディスクジョッキーは、効果音が拍子とずれることを心配する必要がないので、次の効果音を発生する準備や次に再生されるべき音を時間的に余裕をもって選択することができるようになる。
本発明の音処理装置において、前記変調手段は、少なくとも1つ以上の遮断周波数を有する特定周波数帯域通過手段であって、前記検出された音量レベルに基づいて、いずれかの前記遮断周波数の値を変化させる特定周波数帯域通過手段と、前記特定周波数帯域通過手段を通過した通過信号と、前記変調される音信号とを加算し、前記加算された信号を前記特定周波数帯域通過手段に帰還入力する加算手段とを備える。
この構成によれば、変調される音の拍子に同期して低周波数成分の遮断周波数が変化するので独特な音を発生させることができる。その結果、一つの拍子に対して多彩な時間差を持つ効果音を楽しむことが可能になる。
また、ディスクジョッキーの感覚により、時間差設定手段によって即興的に効果音を発生させることができる。さらに、この音処理装置は、その場の雰囲気やCDプレーヤー等の情報再生装置から出力されている音に合わせて多彩な効果音を、変調される音の拍子にあわせて発生させることができるので、変調される音の拍子に合わせて、聴取者は刺激的な効果音を楽しむことが可能となる。
さらに、ディスクジョッキーは、効果音が拍子とずれることを心配する必要がないので、次の効果音を発生する準備や次に再生されるべき音を時間的に余裕をもって選択することができるようになる。
本発明の音処理方法は、変調される音信号と同期した、少なくとも1つ以上の新たな同期音信号を生成する同期音生成工程と、前記生成された同期音信号の属性を示す拍子を検出するパラメータ検出工程と、前記検出された拍子に基づいて、変換信号を生成する変換信号生成工程と、前記生成された変換信号に基づいて、前記音信号を変調する変調工程と、前記変調される音信号と、前記生成される同期音と、の開始時間差の設定に用いられる時間差設定工程とを備え、前記同期音生成工程は、前記時間差設定工程によって設定される少なくとも2つ以上の時間差に基づいて、少なくとも2つ以上の時間差を持った前記同期音を生成し、前記変換信号生成工程には、前記検出された拍子部分の前記同期音信号の音量レベルを検出する音量レベル検出工程と、前記音量レベル検出工程の入力信号の振幅を大きくしたり小さくしたりする検出感度設定工程と、を含み、前記変調工程は、前記検出された音量レベルに基づいて、前記変調される音信号の変調態様を変化させることを特徴とする
この構成によれば、変調される音の拍子の間隔が一定でない場合や、変調される音の拍子の間隔が徐々に長くなる場合や短くなる場合であったとしても、変調される音の拍子と同期して、変調される音が変調され、効果音が発生するようになる。
具体的には、上記構成によりCD再生装置等の情報再生装置で再生された楽曲などの音に効果音を付加するタイミングが一定となることより、CD再生装置等の情報再生装置で再生された楽曲などの音の拍子およびリズムに変動があった場合にも、拍子の発生後一定時間内に効果音が生成されるため、聴取者は違和感を感ぜずに、楽曲等の音の効果音を楽しむことができる。
また、ディスクジョッキーにとっても、効果音が聴取者にとって違和感なく連続して発生するので、効果音の発生タイミングを微調整するなどの煩わしい作業を行うことがなくなる。また、次に再生させるべきCD等の情報記録媒体の選択や、次に発生させるべき効果音の選択に集中することができるようになり、ディスクジョッキーにとって非常に操作性のよい音処理装置を提供できるようになる。
本発明の音処理プログラムは、変調される音を変調する音処理装置に含まれるコンピュータを、変調される音信号と同期した、少なくとも1つ以上の新たな同期音信号を生成する同期音生成手段と、前記生成された同期音信号の属性を示す拍子を検出するパラメータ検出手段と、前記検出された拍子に基づいて、変換信号を生成する変換信号生成手段と、前記生成された変換信号に基づいて、前記音信号を変調する変調手段と、前記変調される音信号と、前記生成される同期音と、の開始時間差の設定に用いられる時間差設定手段、として機能させ、前記同期音生成手段は、前記時間差設定手段によって設定される少なくとも2つ以上の時間差に基づいて、少なくとも2つ以上の時間差を持った前記同期音を生成する手段として機能させ、前記変換信号生成手段は、前記検出された拍子部分の前記同期音信号の音量レベルを検出する音量レベル検出手段、前記音量レベル検出手段の入力信号の振幅を大きくしたり小さくしたりする検出感度設定手段として機能させ、前記変調手段は、前記検出された音量レベルに基づいて、前記変調される音信号の変調態様を変化させる機能を有することを特徴とする。
この構成によれば、変調される音の拍子の間隔が一定でない場合や、変調される音の拍子の間隔が徐々に長くなる場合や短くなる場合であったとしても、変調される音の拍子と同期して、変調される音が変調され、効果音が発生するようになる。
具体的には、上記構成によりCD再生装置等の情報再生装置で再生された楽曲などの音に効果音を付加するタイミングが一定となることより、CD再生装置等の情報再生装置で再生された楽曲などの音の拍子およびリズムに変動があった場合にも、拍子の発生後一定時間内に効果音が生成されるため、聴取者は違和感を感ぜずに、楽曲等の音の効果音を楽しむことができる。
また、ディスクジョッキーにとっても、効果音が聴取者にとって違和感なく連続して発生するので、効果音の発生タイミングを微調整するなどの煩わしい作業を行うことがなくなる。また、次に再生させるべきCD等の情報記録媒体の選択や、次に発生させるべき効果音の選択に集中することができるようになり、ディスクジョッキーにとって非常に操作性のよい音処理装置を提供できるようになる。
各実施形態の音処理装置の概要構成を示すブロック図である。 加算信号Sdaの波形を模式的にあらわした図である。 制御信号Sdmの波形を模式的にあらわした図である。 第1実施形態の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の信号変換の様子をあらわした図である。 第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態の構成を示すブロック図である。 第2実施形態の信号変換の様子をあらわした図である。 第2実施形態の動作を示すフローチャートである。 第3実施形態の構成を示すブロック図である。 第3実施形態の信号変換の様子をあらわした図である。 第3実施形態の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1、2、3、9 … 遅延部
4 … 遅延時間設定部
5、11、13 … 加算部
6 … パラメータ検出部
7 … 強度調整部
8 … 信号変換部
10 … レゾナンス量設定部
12 … バッファ部
DB、DB1、DB2、DB3 … 遅延部
MB、MB1、MB2、MB3 … 変調部
次に、本願に最適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、以下の実施形態は、ディスコホールまたはダンスホール等の遊興施設で、お客を踊らせて楽しませるために拡声される音楽に変化を加えるなどしながら、次々と音楽をかけていく職業であるいわゆるディスクジョッキーが操作するCDまたはDVD(Digital Versatile Disc)エフェクタに対して本願の音処理装置を適用した場合の実施形態である。
また、第1の実施形態においては、複数の遅延時間を設定できるいわゆるタップディレイ回路と、入力された音にわずかに遅れた音を加えて、その遅延時間を変化させることで独特のうねりの効果音を得るいわゆるフランジャーとを組み合わせた装置に本願を適用した場合について説明する。第2の実施形態においては、いわゆるタップディレイ回路と、音の位相を変化させ、音に回転感を与える効果音を発生させるいわゆるフェイザーとを組み合わせた装置に本願を適用した場合について説明する。第3の実施形態においては、いわゆるタップディレイ回路と、入力音の一部の周波数帯域の音を変化させながら通過させるフィルター回路とを組み合わせた装置に本願を適用した場合について説明する。
(I)全体構成及び動作
始めに、各実施形態に係る音処理装置の全体構成について、図1乃至図3を用いて説明する。なお、図1は、各実施形態に係る音処理装置の概要構成例を示すブロック図である。図2は、後述する加算信号Sdaの波形の概要を模式的にあらわした図であり、図3は、後述する制御信号Sdmの波形の概要を模式的にあらわした図である。
各実施形態に係わる音処理装置Sは、図1に示すように、入力信号SiとしてCDの再生信号、DVDの再生信号またはアナログレコードの再生信号等の音信号が入力されるようになっている。音処理装置Sは、これらの入力信号Siの取得を行った後に、入力信号Siに対して所定の音響効果を表す信号処理を行うようになっている。そして、所定の音響効果を表す信号処理が行われた出力信号Soは、複数のスピーカからなるスピーカシステム(図示せず)によって、信号処理された音を各スピーカに拡声し、聴取者に対して独特の音響効果が表された音を提供し、楽しく、刺激的な、独特のリズムを音場空間に提供するようになっている。
たとえば、ディスコやダンスホール等の遊興施設において、CD、DVDまたはアナログレコードから再生される音に対して独創的な音響効果を演出するいわゆるディスクジョッキーが、この音処理装置を使用することができる。この場合、この音処理装置によって創造される音響効果はいわゆるエフェクタとして機能し、ディスコやダンスホール等の遊興施設において、音楽に合わせて踊っているものに、よりよい独特の音響効果が表された音を提供し、より従来のエフェクタよりもより楽しく、刺激的な、独特のリズムを音場空間に提供するようになっている。
この音処理装置Sは、記録メディアなどの音源を再生することにより、または、有線放送などの外部から音源を取得することにより、入力信号Siを獲得し、入力信号Siを予め定められた時間だけ遅延させる遅延部1,2,3と、予め定められた遅延されるべき時間を複数設定するための遅延時間設定部4と、それぞれ異なる遅延時間を有する遅延信号Sd1o、Sd2o、Sd3oを加算する加算部5と、加算信号Sdaからその属性を示すパラメータ成分を検出するパラメータ検出部6と、検出された検出信号Sdeを基にして変調部MBを制御する制御信号Sdmを生成する信号変換部8と、信号変換部8における信号変換の強度が設定される強度調整部7と、信号変換部8によって生成された制御信号Sdmを基にして入力信号を変調する変調部MBとから構成される。
なお、変調部MBから出力された出力信号Soは、図示しない電力増幅器等を介してスピーカ、ヘッドフォン等の拡声器によって、入力信号Siに効果音が付加された音として聴取者、すなわちディスクジョッキー又はダンスを楽しむ者に提供される。
入力信号Siは、例えば、CDまたはDVDなどのメディア再生装置またはテレビジョン放送を受信する受信装置から出力される音情報に関する信号である。
遅延部1には、入力信号Siと、遅延時間設定部4において遅延部1用に設定された遅延時間をあらわす遅延時間信号Sd1とが入力される。入力信号Siは、遅延時間信号Sd1によってあらわされる遅延時間d1だけ遅延部1において時間遅延される。その結果、入力信号Siに対して遅延時間d1だけ遅延された遅延信号Sid1が遅延部1から出力される。出力された遅延信号Sid1は加算部5に入力される。
遅延部2には、入力信号Siと、遅延時間設定部4において遅延部2用に設定された遅延時間をあらわす遅延時間信号Sd2とが入力される。入力信号Siは、遅延時間信号Sd2によってあらわされる遅延時間d2だけ遅延部2において時間遅延される。その結果、入力信号Siに対して遅延時間d2だけ遅延された遅延信号Sid2が遅延部2から出力される。出力された遅延信号Sid2は加算部5に入力される。
遅延部3には、入力信号Siと、遅延時間設定部4において遅延部3用に設定された遅延時間をあらわす遅延時間信号Sd3とが入力される。入力信号Siは、遅延時間信号Sd3によってあらわされる遅延時間d3だけ遅延部3において時間遅延される。その結果、入力信号Siに対して遅延時間d3だけ遅延された遅延信号Sid3が遅延部3から出力される。出力された遅延信号Sid3は加算部5に入力される。
遅延時間設定部4は、いわゆるディスクジョッキー等のユーザ操作に基づいて各遅延部1、2、3における遅延されるべき遅延時間が設定される部分である。ユーザが遅延時間d1、d2、d3を遅延時間設定部4に数値として入力することが可能である。
また、遅延時間の設定方法は遅延時間を数値で入力する以外の方法で設定することも可能である。たとえば、ユーザが入力信号Siから発生する音を試聴しながら、当該音にあわせて遅延時間設定部4を操作して遅延時間を設定することも可能である。
例えば、ユーザが当該音を聞きながらリズムの先頭部分で遅延時間設定部4を操作すると、遅延時間設定時間の計測が遅延時間設定部4内部で開始される。ディスクジョッキーがリズムに合わせて遅延時間設定部4を再度操作すると、最初にユーザが遅延時間設定部4を操作した時からの経過時間が遅延時間d1となる。さらに、ユーザがリズムに合わせて次に遅延時間設定部4を操作すると、最初にユーザが遅延時間設定部4を操作した時からの経過時間が遅延時間d2となる。さらに、ユーザがリズムに合わせて次に遅延時間設定部4を操作すると、最初にユーザが遅延時間設定部4を操作した時からの経過時間が遅延時間d3となる。最初にユーザが遅延時間設定部4を操作した時から、何回操作するまでを遅延時間として設定するかは、遅延時間設定部4に数値として入力することができる。また遅延時間d1、d2、d3の値をクリアして、あらたに遅延時間を設定することも、遅延時間設定部4を操作することにより可能である。
加算部5には、遅延部1、遅延部2および遅延部3から出力された遅延信号Sid1、遅延信号Sid2および遅延信号Sid3が入力される。入力された各遅延信号は、加算部5によって加算され、加算部5は加算信号Sdaを出力する。
図2に加算信号Sdaを模式的にあらわした信号波形を示す。図2は、横軸に時間があらわされ、縦軸に信号の振幅の大きさである音の大きさがあらわされている。入力信号Siは、時間軸の原点OとT1のタイミングで遅延部1、2、3に入力されているものとする。
遅延信号Sd1は、入力信号Siが遅延部1に入力されたタイミングである時間軸の原点OおよびT1のタイミングから遅延時間設定部4において設定された遅延時間d1が経過した後に、発生するとともに信号の大きさが大きくなっていく様子があらわされている。遅延信号Sd1の波形形状は入力信号Siと同一である。また、遅延信号Sd2は、入力信号Siが遅延部2に入力されたタイミングである時間軸の原点OとT1のタイミングから遅延時間設定部4において設定された遅延時間d2が経過した後に、発生するとともに信号の振幅が大きくなっていく様子があらわされている。遅延信号Sd2の波形形状も入力信号Siと同一である。さらに、遅延信号Sd3は、入力信号Siが遅延部3に入力されたタイミングである時間軸の原点OとT1のタイミングから遅延時間設定部4において設定された遅延時間d3が経過した後に、発生するとともに信号の大きさが大きくなっていく様子があらわされている。遅延信号Sd3の波形形状も入力信号Siと同一である。
図2にあらわされたように、加算部5から出力された加算信号Sdaは、遅延信号Sd1、Sd2およびSd3が遅延時間設定部4において設定された遅延時間d1、d2、d3だけ遅れて、繰り返しあらわれる信号となる。
パラメータ検出部6には、加算信号Sdaが入力される。加算信号Sdaは、パラメータ検出部内6において、加算信号Sdaのパラメータ成分が検出され、当該パラメータ成分がパラメータ信号Sdeとして出力される。
具体的には、パラメータ検出部6内にはLPF(Low Pass Filter)等のフィルター類が設けられており、原音となる入力信号Siの低周波数成分を主成分とするバスドラムなどの拍子をあらわす信号が変化信号Sdeとして出力される。したがって、低周波数成分を主成分とする変化信号Sdeには、入力信号Si中の主に拍子をあらわす成分がより多く含まれることになる。聴取者がディスコやダンスホール等の遊興施設で踊る場合には、低周波数成分をより多く含むバスドラムなどの音を拍子としてステップを踏んでいることが多い。そのために、パラメータ検出部6によって検出された拍子を基にして、後述する効果音を発生させることによって、聴取者は違和感をなくステップをふみながら効果音を楽しむことができるようになるのである。
信号変換部8には、パラメータ検出部6から出力されたパラメータ信号Sdeが入力される。信号変換部8は、パラメータ信号Sdeと、強度調整部7から出力されて変調強度をあらわす強度調整信号Ssとを基に変調部MBを制御するための制御信号Sdmを生成する。
具体的には、信号変換部8は、入力されたパラメータ信号Sdeの振幅レベルの絶対値│Sde│を検出したのちに、変調部MBの変調方式に合わせた制御信号Sdmを生成する。図3に、入力されたパラメータ信号Sdeの振幅レベルの絶対値信号である│Sde│信号をあらわす。この信号は図2における加算信号Sda信号の包絡線のうち、図2における時間軸の上側の包絡線をあらわした信号である。信号変換部8において、│Sde│信号が生成される。
そして、信号変換部8は強度調整部7から出力される強度調整信号7に基いて、│Sde│信号の振幅の大きさを変化させる。
具体的には、信号変換部8は、強度調整部7に入力される値が大きい場合には、│Sde│信号の振幅の大きさを大きくし、強度調整部7に入力される値が小さい場合には、│Sde│信号の振幅の大きさを小さくする。│Sde│信号の振幅の大きさが大きい場合には、制御信号Sdmの変化が大きくなり、変調部8における変調の度合いが大きくなる。また、│Sde│信号の振幅の大きさが小さい場合には、制御信号Sdmの変化は小さくなり、変調部8における変調の度合いが小さくなる。
強度調整部7に入力される値は、数値で入力される場合のほか、連続して変化するボリューム等の可変抵抗器によって入力されることも可能である。
たとえば、円筒状のオーディオ用のつまみにより強度調整部7が形成されている場合、このつまみが右に回転させられるとき(時計方向)には、強度調整部7に入力される値が大きくなるものとして、強度調整部7から出力される強度調整信号Ssを大きくなるように変化させる。その結果、信号変換部8において、│Sde│信号の振幅の大きさは、円筒状のオーディオ用つまみの回転位置に応じて徐々に大きく変化するように制御される。円筒状のオーディオ用のつまみが左に回転させられるとき(反時計方向)には、強度調整部7に入力される値が小さくなるものとして、強度調整部7から出力される強度調整信号Ssを小さくなるように変化させる。その結果、信号変換部8において、│Sde│信号の振幅の大きさは、円筒状のオーディオ用つまみの回転位置に応じて徐々に小さく変化するように制御される。
変調部MBには、信号変換部8から出力された制御信号Sdmと入力信号Siとが入力される。変調部MBにおいて、入力信号Siは、制御信号Sdmにもとづいてあらかじめ定められている変調方式によって変調される。変調された信号は出力信号Soとして、変調部MBから出力される。
出力信号Soは、加算部5によって加算された、入力信号Siに同期した遅延信号Sid1、Sid2、Sid3が信号変換部8に入力されるタイミングを基準に、変調部MBで変調されている。すなわち、入力信号Siのリズムに合わせて、入力信号Siが変調され、音処理装置Sのエフェクタとしての機能が発揮された効果音である出力信号Soが音処理装置Sから出力されるのである。出力装置Sから出力された出力信号Soは、図示しない電力増幅装置に入力を介して、図示しないスピーカに接続されて聴取者に、効果音として提供される。
このように音処理装置Sによれば、変調される入力信号Siの拍子の間隔が一定でない場合や、変調される入力信号Siの拍子の間隔が徐々に長くなる場合や短くなる場合であったとしても、変調される音の拍子と同期して、変調される音が変調され、効果音が発生するようになる。
具体的には、上記構成によりCD再生装置やDVD再生装置等の情報再生装置で再生された楽曲などの音に効果音を付加するタイミングが一定となることにより、CD再生装置等の情報再生装置で再生された楽曲などの音の拍子およびリズムに変動があった場合にも、拍子の発生後一定時間内に効果音が生成されるため、聴取者は違和感を感ぜずに、楽曲等の音の効果音を楽しむことができる。
また、ディスクジョッキーにとっても、効果音が聴取者にとって違和感なく連続して発生するので、効果音の発生タイミングを微調整するなどの煩わしい作業を行うことがなくなる。また、次に再生させるべきCD等の情報記録媒体の選択や、次に発生させるべき効果音の選択に集中することができるようになり、ディスクジョッキーにとって非常に操作性のよい音処理装置Sを提供できるようになる。
(II)本願の第1の実施形態
次に、図4乃至図6を用いて、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、複数の遅延時間を設定できる遅延部DBとしてのいわゆるタップディレイ回路と、入力された音にわずかに遅れた音を加えて、その遅延時間を変化させることで独特のうねりの効果音を得るいわゆるフランジャーとを組み合わせた装置に本願を適用した場合の実施形態である。
図4は第1の実施形態のブロック図であり、図5は第1の実施形態における変調方法をあらわす図であり、図6は第1の実施形態の動作をあらわすフローチャートである。
図4の第1の実施形態において、図1の全体構成及び動作と重複する部分は同一符号を付し、説明を省略する。
次に本実施形態において特有の変調部MB1について説明する。変調部MB1は、遅延部9と、レゾナンス量設定部10と、加算部11と、バッファ部12と、加算部13とを設けて構成される。
遅延部9は、信号変換部8からの制御信号Sdmを制御信号として入力し、制御信号Sdmの信号レベルに応じて、入力される信号である信号Si11を遅延させ、信号Si9として出力する。
制御信号Sdmと信号Si11の遅延時間との関係を図5に示す。横軸は時間軸をあらわし、縦軸は遅延部9に入力される信号Si11が遅延部9において遅延する時間をあらわしている。図5においてあらわされている波形Sdm1は、制御信号Sdmの波形と相似となっている。
具体的に、信号Si11が遅延部9において遅延される方法を説明する。時間t1における遅延時間は0msなので、信号Si11は遅延部9で遅延されることなく遅延部9の出力信号Si9として出力される。また、時間t2における遅延時間dm2は縦軸の遅延時間より20msに設定されていることがわかる。これは、時間t2において、信号Si11が遅延部9において20ms遅延した後に信号Si9として出力されることをあらわしている。さらに、また、時間t3における遅延時間dm3は5msに設定されている。これは、時間t3において、信号Si11が遅延部9において5ms遅延した後に信号Si9として出力されることをあらわしている。
図5であらわされるように、制御信号Sdmの振幅レベルに比例して、遅延部9に入力された信号Si11が連続的に遅延していき、遅延時間の経過後に信号Si9として出力される。
レゾナンス量設定部10は、遅延部9の出力である信号Si9を入力し、信号Si9をユーザが設定したゲインコントロール値に基いて利得を調整し、利得調整された信号を信号Si10として出力する。
例えば、円筒状のオーディオ用のつまみによりレゾナンス量設定部10が構成されている場合に、このつまみがユーザによって右に回転される場合(時計方向)には、つまみが回転される前に比べて振幅が大きい信号である信号Si10が出力される。また、このつまみがユーザによって左に回転される場合(反時計方向)には、つまみが回転される前に比べて振幅が小さい信号である信号Si10が出力される。
加算部11は、入力信号Siと等価であるバッファ部12の出力信号である信号Si12と、入力信号Siが遅延部9で時間遅延された後にレゾナンス量設定部10で利得調整された信号Si10とを加算し、出力信号として信号Si12を出力する。
バッファ部12は入力抵抗が大きく、出力抵抗が小さくなるように構成されている。バッファ部12には入力信号Siが入力され、信号Si12が出力される。バッファ部12において、インピーダンス変化が行われ、入力信号Siの入力インピーダンスは大きくいが、信号Si12の出力インピーダンスは小さくなる。その結果、バッファ部12の次段にあたる加算部11において、入力信号Siを効率よく加算することができるようになっている。なお、バッファ部12の前後において波形の変化は起こらない。
加算部13は、遅延部9から出力された信号Si9と、入力信号Siとを加算して出力信号Soとして出力する。
この出力は、入力信号Siと遅延部9によって入力信号Siが遅延された信号Si9とが加算されることで干渉が生じ周波数に細かい山と谷が発生し、ゆっくりとした信号変化が生じる。この結果、出力信号Soをスピーカ等の拡声器を介して聴衆した場合には、ジェット機の通過音がうねりをもったような効果音が得られる。
また、入力信号Siに信号Si9が加算されているので、入力信号Siの拍子と同期した、遅延時間設定部4において設定された時間の経過後に、効果音が拡声されることになる。
図6は第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
ステップS1において、第1の実施形態の音処理装置S1に入力される信号である入力信号Siが入力される。
ステップS2において、遅延時間設定部4において設定された遅延時間に基づいて、入力信号Siを遅延する。遅延時間d1だけ遅延された遅延信号Sd10が遅延部1から出力され、遅延時間d2だけ遅延された遅延信号Sd20が遅延部2から出力され、遅延時間d3だけ遅延された遅延信号Sd30が遅延部3から出力される。
ステップS3において、ステップS3において発生した遅延信号Sd10、遅延信号Sd20および遅延信号Sd30が加算部5において加算される。加算された信号は加算信号Sdaとして出力される。
ステップS4において、加算信号Sdaに含まれる信号成分のうち、おもに比較的低周波数成分を多く含むパラメータ信号Sdeを拍子検出部14において検出する。
ステップS5において、パラメータ信号Sdeから、パラメータ信号Sdeの絶対値である│Sde│を信号変換部8で検出したのちに、その検出信号を制御信号Sdmとして信号検出部8から出力する。
ステップS6において、遅延部9は制御信号Sdmの振幅レベルに応じて、遅延部9に入力される信号Si11を遅延させて、遅延部9から信号Si9として出力する。
ステップS7において、加算部13は、遅延部9から出力される遅延信号である信号Si9と、音処理装置S1に入力される入力信号Siを加算して、音処理装置S1から出力信号Soを出力する。出力信号Soは、スピーカ等の拡声器(図示せず。)を介して聴衆した場合には、ジェット機の通過音がうねりをもったような効果音として聴取される。
ステップS8において、レゾナンス量設定部10は、遅延部9から出力された信号Si9を、利得調整する。利得調整された信号は、レゾナンス量設定部10から信号Si10として出力される。
ステップS9において、バッファ部12から出力された信号Si12と、レゾナンス量設定部10から出力された信号Si10とを加算部11が加算し、信号Si11として遅延部9に出力する。
ステップS10において、バッファ部10に入力される入力信号Siの有無が判断される。入力信号Siがない場合には、処理が終了する。入力信号Siがある場合には、ステップS6に戻る。
本実施形態のS1によれば、音量レベル検出手段の一例である信号変換部8によって検出された音量レベルに基づいて、変調される音に時間遅延が発生する。また、時間遅延された変調される音が、第1の加算手段の一例である加算器13によって、時間遅延が発生していない変調される音に加算される。時間遅延は、音量レベルに基づいて発生するので、変調される音の拍子と同期した一定時間間隔毎に、変調される音と時間遅延した変調される音が加算される。このときの時間遅延量は、音量レベルに基づいて変化するので、加算された出力音は独特のうねりをもった効果音が出力されることになる。
したがって、この音処理装置S1によれば、変調される音の拍子に同期した一以上の独特のうねりをもった効果音を発生させることができる。その結果、一つの拍子に対して多彩な時間差を持つ音の効果音を楽しむことが可能になる。
また、ディスクジョッキーの感覚により、時間差設定手段の一例としての遅延時間設定部4によって即興的に効果音を発生させることができる。さらに、この音処理装置は、その場の雰囲気やCDプレーヤー等の情報再生装置から出力されている音に合わせて多彩な効果音を、変調される音の拍子にあわせて発生させることができるので、変調される音の拍子に合わせて、聴取者は刺激的な効果音を楽しむことが可能となる。
さらに、ディスクジョッキーは、効果音が拍子とずれることを心配する必要がないので、次の効果音を発生する準備や次に再生されるべき音を時間的に余裕をもって選択することができるようになる。
具体的には、従来は、単純な三角波形や三角関数であるサイン波形の音量レベルに基づいて変調の態様を決めていたために、決まったパターンに基づいた変調度合いによる効果音のみしか聴取者は楽しむことができなかった。しかし、この実施形態の構成によれば、変調される音の波形は、自在に変化するため、変調の態様も予期せぬパターンとなり、ユーザは様々なパターンの効果音を楽しむことが可能となる。
例えば、ディスクジョッキーが音処理装置を用いて、ダンスホール等の踊り場所において様々な効果音を発生することができるので、ユーザは様々な踊りかたを楽しむことが可能となる。
本実施形態においては、遅延時間設定部4において遅延される遅延時間および遅延部の数が3個の場合について説明したが、本実施形態は3個に限られるわけではなく、遅延時間設定部4において遅延される遅延時間および遅延部の数は、3個に限定されるわけではなく任意の数を用いて構成することができる。
(III)本願の第2の実施形態
次に、図7乃至図9を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、複数の遅延時間を設定できる遅延部DBとしてのいわゆるタップディレイ回路と、入力された音に対して位相が変化した音を加えて、その位相を変化させることで独特のうねりの効果音を得るいわゆるフェイザーとを組み合わせた装置に本願を適用した場合の実施形態である。
図7は第2の実施形態のブロック図であり、図8は第2の実施形態における変調方法をあらわす図であり、図9は第2の実施形態の動作をあらわすフローチャートである。
図7の第2の実施形態において、図1の全体構成及び動作と重複する部分は同一符号を付し、説明を省略する。
次に第2の実施形態に特有の変調部MB2は、レゾナンス量設定部10と、加算部11と、バッファ部12と、加算部13と、APF(All Pass Filter)部16と、を設けて構成される。APF部16は、すべての周波数範囲の信号を通過させ,位相だけを変化させる目的で使われるフィルター回路である。APF部16は、信号変換部8からの制御信号Sdmを制御信号として入力し、制御信号Sdmの信号レベルに応じて、入力される信号である信号Si15の位相遅延量を変化させ、信号Si13として出力する。
制御信号Sdmと信号Si13の位相遅延量との関係を図8に示す。横軸は時間軸をあらわす。縦軸は位相角(2πで360度をあらわす。)をあらわし、APF部16に入力される信号Si15がAPF部16において位相遅延する角度をあらわしている。図5においてあらわされている波形Sdm2は、制御信号Sdmと相似波形となっている。
具体的に、信号Si15がAPF部16において位相遅延される方法を説明する。時間t4における位相は0なので、信号Si15はAPF部16で位相遅延されることなく、入力された信号Si15がそのままAPF部16の信号Si13として出力される。また、時間t5における位相遅延量pm2は縦軸の位相角度より3・π/10に設定されていることがわかる。これは、時間t5において、信号Si15がAPF部16において3・π/10位相遅延した後に信号Si13として出力されることをあらわしている。さらに、また、時間t6における位相遅延量pm3は1・π/10に設定されている。これは、時間t6において、信号Si15がAPF部16において1・π/10位相遅延した後に信号Si13として出力されることをあらわしている。
図8であらわされるように、制御信号Sdmの振幅レベルに比例して、APF部16に入力された信号Si15が連続的に位相遅延していき、当該位相遅延の後に信号Si13として出力される。
レゾナンス量設定部10は、APF部16の出力である信号Si13を入力し、信号Si13をユーザが設定したゲインコントロール値に基づいて利得を調整し、利得調整された信号を信号Si14として出力する。
例えば、円筒状のオーディオ用のつまみによりレゾナンス量設定部10が構成されている場合に、このつまみがユーザによって右に回転される場合(時計方向)には、つまみが回転される前に比べて振幅が大きい信号である信号Si14が出力される。また、このつまみがユーザによって左に回転される場合(反時計方向)には、つまみが回転される前に比べて振幅が小さい信号である信号Si14が出力される。
加算部11は、入力信号Siと等価であるバッファ部12の出力信号である信号Si12と、入力信号SiがAPF部16で位相遅延された後にレゾナンス量設定部10で利得調整された信号Si14とを加算し、出力信号として信号Si15を出力する。
加算部13は、遅延部9から出力された信号Si9と、入力信号Siとを加算して出力信号Soとして出力する。
この出力は、入力信号SiとAPF部16によって入力信号Siが位相遅延された信号Si13とが加算されることで干渉が生じ周波数に細かい山と谷が発生し、ゆっくりとした信号変化が生じる。この結果、出力信号Soをスピーカ等の拡声器を介して聴衆した場合には、独特のうねりをもったような効果音が得られる。
また、入力信号Siに信号Si13が加算されているので、入力信号Siの拍子と同期した、遅延時間設定部4において設定された時間の経過後に、効果音が拡声されることになる。
図8は第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。
ステップS21において、第2の実施形態の音処理装置S2に入力される信号である入力信号Siが入力される。
ステップS22において、遅延時間設定部4において設定された遅延時間に基づいて、入力信号Siを遅延する。遅延時間d1だけ遅延された遅延信号Sd10が遅延部1から出力され、遅延時間d2だけ遅延された遅延信号Sd20が遅延部2から出力され、遅延時間d3だけ遅延された遅延信号Sd30が遅延部3から出力される。
ステップS23において、ステップS22において発生した遅延信号Sd10、遅延信号Sd20および遅延信号Sd30が加算部5において加算される。加算された信号は加算信号Sdaとして出力される。
ステップS24において、加算信号Sdaに含まれる信号成分のうち、おもに比較的低周波数成分を多く含むパラメータ信号Sdeを拍子検出部14において検出する。
ステップS25において、パラメータ信号Sdeから、パラメータ信号Sdeの絶対値である│Sde│を信号変換部8で検出したのちに、さらに信号検出部8において│Sde│の包絡線を検出する。その検出信号を制御信号Sdmとして信号検出部8から出力する。
ステップS26において、APF部16は制御信号Sdmの振幅レベルに応じて、APF部16に入力される信号Si15を位相遅延させて、APF部16から信号Si13として出力する。
ステップS27において、加算部13は、APF部16から出力される位相遅延信号である信号Si13と、音処理装置S2に入力される入力信号Siを加算して、音処理装置S2から出力信号Soを出力する。出力信号Soは、スピーカ等の拡声器(図示せず。)を介して聴衆した場合には、独特のうねりをもったような効果音として聴取される。
ステップS28において、レゾナンス量設定部10は、APF部16から出力された信号Si13を、利得調整する。利得調整された信号は、レゾナンス量設定部10から信号Si14として出力される。
ステップS29において、バッファ部12から出力された信号Si12と、レゾナンス量設定部10から出力された信号Si14とを加算部11が加算し、信号Si15としてAPF部16に出力する。
ステップS30において、バッファ部10に入力される入力信号Siの有無が判断される。入力信号Siがない場合には、処理が終了する。入力信号Siがある場合には、ステップS26に戻る。
本実施形態の音処理装置S2によれば、変調される音の拍子に同期した一以上の独特のうねりをもった高周波数成分が強調された音を発生させることができる。その結果、一つの拍子に対して多彩な時間差を持つ音の効果音を楽しむことが可能になる。
また、ディスクジョッキーの感覚により、遅延時間設定部4によって即興的に効果音を発生させることができる。さらに、この音処理装置は、その場の雰囲気やCDプレーヤー等の情報再生装置から出力されている音に合わせて多彩な効果音を、変調される音の拍子にあわせて発生させることができるので、変調される音の拍子に合わせて、聴取者は刺激的な効果音を楽しむことが可能となる。
さらに、ディスクジョッキーは、効果音が拍子とずれることを心配する必要がないので、次の効果音を発生する準備や次に再生されるべき音を時間的に余裕をもって選択することができるようになる。
(IV)本願の第3の実施形態
次に、図10および図11を用いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、複数の遅延時間を設定できる遅延部DBとしてのいわゆるタップディレイ回路と、入力された音に対して低域通過周波数が変化した音を加えて、その低域通過周波数の遮断周波数を変化させることで独特の効果音を得るいわゆるフィルター回路とを組み合わせた装置に本願を適用した場合の実施形態をあらわしている。
図10は第3の実施形態のブロック図であり、図9は第3の実施形態の動作をあらわすフローチャートである。
図10の第3の実施形態において、図1の全体構成及び動作と重複する部分は同一符号を付し、説明を省略する。
変調部MB2は、レゾナンス量設定部10、加算部11、バッファ部12、加算部13、フィルター部15とを設けて構成される。
フィルター部15は、低域の周波数範囲の信号を通過させるいわゆるLPF回路である。フィルター部15は、信号変換部8からの制御信号Sdmを制御信号として入力し、制御信号Sdmの信号レベルに応じて、入力される信号である信号Si18の低域遮断周波数を変化させ、当該低域遮断周波数以下の低域周波数成分を信号Si16として出力する。
制御信号Sdmと信号Si18の低域遮断周波数との関係を図11に示す。横軸は時間軸をあらわす。縦軸は遮断周波数(Hz)をあらわし、フィルター部15に入力される信号Si18がフィルター部15を通過する低周波数成分の上限近傍の周波数を意味する。図11においてあらわされている波形Sdm3は、制御信号Sdmと相似波形となっている。
具体的に、図11を用いてフィルター部15が信号Si18の低域遮断周波数を変化させる方法を説明する。時間t7における遮断周波数はfm1Hzなので、信号Si18の周波数成分のうちfm1周波数近辺以下にあたる周波数成分はフィルター部15をそのまま通過する。しかし、信号Si18の周波数成分のうちfm1周波数近辺以上にあたる周波数はフィルター部15で大きく減衰する。
また、時間t8における低域遮断周波数はfm2に設定されていることがわかる。これは、時間t8における信号Si18の周波数成分のうちfm2周波数近辺以下にあたる周波数成分はフィルター部15をそのまま通過することをあらわしている。しかし、信号Si18の周波数成分のうちfm2周波数近辺以上にあたる周波数はフィルター部15で大きく減衰することになる。
さらに、時間t9における低域遮断周波数はfm3に設定されていることがわかる。これは、時間t9における信号Si18の周波数成分のうちfm3周波数近辺以下にあたる周波数成分はフィルター部15をそのまま通過することをあらわしている。しかし、信号Si18の周波数成分のうちfm3周波数近辺以上にあたる周波数はフィルター部15で大きく減衰することになる。
図11であらわされるように、制御信号Sdmの振幅レベルに比例して、フィルター部15に入力された信号Si15の低域遮断周波数が連続的に変化していき、当該低域遮断周波数よりも低い周波数成分が信号Si13として出力される。
図12は第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。
ステップS41において、第3の実施形態の音処理装置S3に入力される信号である入力信号Siが入力される。
ステップS42において、遅延時間設定部4において設定された遅延時間に基づいて、入力信号Siを遅延する。遅延時間d1だけ遅延された遅延信号Sd10が遅延部1から出力され、遅延時間d2だけ遅延された遅延信号Sd20が遅延部2から出力され、遅延時間d3だけ遅延された遅延信号Sd30が遅延部3から出力される。
ステップS43において、ステップS42において発生した遅延信号Sd10、遅延信号Sd20および遅延信号Sd30が加算部5において加算される。加算された信号は加算信号Sdaとして出力される。
ステップS44において、加算信号Sdaに含まれる信号成分のうち、おもに比較的低周波数成分を多く含むパラメータ信号Sdeを拍子検出部14において検出する。
ステップS45において、パラメータ信号Sdeから、パラメータ信号Sdeの絶対値である│Sde│を信号変換部8で検出したのちに、さらに信号検出部8において│Sde│の包絡線を検出する。その検出信号を制御信号Sdmとして信号検出部8から出力する。
ステップS46において、フィルター部15は制御信号Sdmの振幅レベルに応じて、フィルター部15に入力される信号Si18の低周波数成分が通過する上限周波数を変化させて、当該周波数成分をフィルター部15から信号Si16として出力する。
ステップS47において、フィルター部15から出力された信号Si16を音処理装置S3から出力される出力信号Soとして出力する。出力信号Soは、スピーカ等の拡声器(図示せず。)を介して聴衆した場合には、独特の低周波数のうねりをもった効果音として聴取される。
ステップS48において、レゾナンス量設定部10は、フィルター部15から出力された信号Si16を、利得調整する。利得調整された信号は、レゾナンス量設定部10から信号Si17として出力される。
ステップS49において、バッファ部12から出力された信号Si12と、レゾナンス量設定部10から出力された信号Si17とを加算部11が加算し、信号Si18としてフィルター部15に出力する。
ステップS50において、バッファ部10に入力される入力信号Siの有無が判断される。入力信号Siがない場合には、処理が終了する。入力信号Siがある場合には、ステップS46に戻る。
この音処理装置S3によれば、変調される音の拍子に同期して低周波数成分の遮断周波数が変化するので独特な音を発生させることができる。その結果、一つの拍子に対して多彩な時間差を持つ効果音を楽しむことが可能になる。
また、ディスクジョッキーの感覚により、時間差設定手段によって即興的に効果音を発生させることができる。さらに、この音処理装置は、その場の雰囲気やCDプレーヤー等の情報再生装置から出力されている音に合わせて多彩な効果音を、変調される音の拍子にあわせて発生させることができるので、変調される音の拍子に合わせて、聴取者は刺激的な効果音を楽しむことが可能となる。
さらに、ディスクジョッキーは、効果音が拍子とずれることを心配する必要がないので、次の効果音を発生する準備や次に再生されるべき音を時間的に余裕をもって選択することができるようになる。
以上述べてきたように本願によれば、CD再生装置等で再生された楽曲などの音が、変調される音として、遅延部4に入力される。変調される音の拍子が拍子検出部14によって検出され、その拍子のタイミングに基づいて、信号変換部8によって変換信号が生成される。この変換信号は変調部MBを制御するための制御信号であり、この変換信号の変化に基づいて、変調部MBに入力されるCD再生装置等で再生された楽曲などの音が変調される。すなわち、変調されるタイミングが、変調される音と同期をとって変調される。変調された音は効果音として出力される。
この構成によれば、変調される音の拍子の間隔が一定でない場合や、変調される音の拍子の間隔が徐々に長くなる場合や短くなる場合であったとしても、変調される音の拍子と同期して、変調される音が変調され、効果音が発生するようになる。
具体的には、上記構成によりCD再生装置等の情報再生装置で再生された楽曲などの音に効果音を付加するタイミングが一定となることより、CD再生装置等の情報再生装置で再生された楽曲などの音の拍子およびリズムに変動があった場合にも、拍子の発生後一定時間内に効果音が生成されるため、聴取者は違和感を感ぜずに、楽曲等の音の効果音を楽しむことができる。
また、ディスクジョッキーにとっても、効果音が聴取者にとって違和感なく連続して発生するので、効果音の発生タイミングを微調整するなどの煩わしい作業を行うことがなくなる。また、次に再生させるべきCD等の情報記録媒体の選択や、次に発生させるべき効果音の選択に集中することができるようになり、ディスクジョッキーにとって非常に操作性のよい音処理装置を提供できるようになる。
また、本願によれば、拍子検出部14によって検出された、変調される音と同期した音が音量レベル検出手段に入力される。その後、信号変換部8によって変調される音の波形が検出される。そして、変調部MBは、信号変換部8によって検出された波形のレベルが小さい部分に対応して、変調される音の変調の態様を小さくする。また、変調部MBは、信号変換部8によって検出された波形のレベルが大きい部分に対応して、変調される音の変調の態様を大きくする。
従来は、単純な三角波形や三角関数であるサイン波形の音量レベルに基づいて変調の態様を決めていたために、決まったパターンに基づいた変調度合いによる効果音のみしか聴取者は楽しむことができなかった。
しかし、この構成によれば、変調される音の波形は、自在に変化するため、変調の態様も予期せぬパターンとなり、ユーザは様々なパターンの効果音を楽しむことが可能となる。
例えば、ディスクジョッキーが音処理装置を用いて、ダンスホール等の踊り場所において様々な効果音を発生することができるので、ユーザは様々な踊りかたを楽しむことが可能となる。
さらに、本願によれば変調される音信号と、遅延部DBによって生成される同期音までの時間差を、遅延時間設定部4によって自由に設定でるようになる。また、この同期音は一つに限られるわけではなく複数時間差をもつ同期音を発生させることが可能となる。
この構成によれば、変調される音の拍子に同期して複数の同期音を発生させ、複数の同期音に基いて、変調手段によって複数の効果音を発生させることができる。その結果、一つの拍子に対して多彩なパターンの効果音を楽しむことが可能になる。
また、時間差は、時間差値が入力されることによって設定されることができるほか、ディスクジョッキーが拍子を手で叩いて入力することにより、自動的に変調される音の拍子からの時間差が設定されることも可能である。この場合には、ディスクジョッキーの感覚により、即興的に効果音を発生させることができる。さらに、この音処理装置は、その場の雰囲気やCDプレーヤー等の情報再生装置から出力されている音に合わせて多彩な効果音を、変調される音の拍子にあわせて発生させることができるので、変調される音の拍子に合わせて、聴取者は刺激的な効果音を楽しむことが可能となる。
さらに、ディスクジョッキーは、効果音が拍子とずれることを心配する必要がないので、次の効果音を発生する準備や次に再生されるべき音を時間的に余裕をもって選択することができるようになる。
さらに本願によれば、信号変換部8によって検出された音量レベルに基いて、変調される音に時間遅延が発生する。また、時間遅延された変調される音が、加算部11によって、時間遅延が発生していない変調される音に加算される。時間遅延は、音量レベルに基いて発生するので、変調される音の拍子と同期した一定時間間隔毎に、変調される音と時間遅延した変調される音が加算される。このときの時間遅延量は、音量レベルに基いて変化するので、加算された出力音は独特のうねりをもった高周波数成分が強調された音が出力されることになる。
この構成によれば、変調される音の拍子に同期した一以上の独特のうねりをもった高周波数成分が強調された音を発生させることができる。その結果、一つの拍子に対して多彩な時間差を持つ音の効果音を楽しむことが可能になる。
また、ディスクジョッキーの感覚により、時間差設定手段によって即興的に効果音を発生させることができる。さらに、この音処理装置は、その場の雰囲気やCDプレーヤー等の情報再生装置から出力されている音に合わせて多彩な効果音を、変調される音の拍子にあわせて発生させることができるので、変調される音の拍子に合わせて、聴取者は刺激的な効果音を楽しむことが可能となる。
さらに、ディスクジョッキーは、効果音が拍子とずれることを心配する必要がないので、次の効果音を発生する準備や次に再生されるべき音を時間的に余裕をもって選択することができるようになる。
さらに本願によれば、信号変換部8によって検出された音量レベルに基づいて、変調される音に位相遅延が発生する。また、位相遅延された変調される音が、加算部11によって、位相遅延が発生していない変調される音に加算される。位相遅延は、音量レベルに基づいて発生するので、変調される音の拍子と同期した一定時間間隔毎に、変調される音と位相遅延した変調される音が加算される。このときの位相遅延量は、音量レベルに基いて変化するので、加算された出力音は独特のうねりをもった高周波数成分が強調された音が出力されることになる。
したがって、この音処理装置によれば、変調される音の拍子に同期した一以上の独特のうねりをもった高周波数成分が強調された音を発生させることができる。その結果、一つの拍子に対して多彩な時間差を持つ音の効果音を楽しむことが可能になる。
さらに、本願によれば、信号変換部8によって検出された音量レベルに基いて、変調される音の通過周波数が特定周波数帯域通過手段によって変化する。また、特定周波数帯域のみが通過した変調される音が、加算部11によって、変調される音である原音に加算される。特定周波数帯域は、音量レベルに基づいて変化するので、加算された音は、低音から高音までの独特のうねるような効果音を出力することになる。
したがって、この音処理装置によれば、変調される音の拍子に同期した高周波数成分と低い周波数成分との間を往復する一以上の独特な音を発生させることができる。その結果、一つの拍子に対して多彩な時間差を持つ効果音を楽しむことが可能になる。
また、図6、図9および図12のフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスクに予め記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して予め記録しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等により読み出して実行することにより、当該汎用のマイクロコンピュータ等を実施形態に係わるCPUとして機能させることも可能である。

Claims (7)

  1. 変調される音信号と同期した、少なくとも1つ以上の新たな同期音信号を生成する同期音生成手段と、
    前記生成された同期音信号の属性を示す拍子を検出するパラメータ検出手段と、
    前記検出された拍子に基づいて、変換信号を生成する変換信号生成手段と、
    前記生成された変換信号に基づいて、前記音信号を変調する変調手段と、
    前記変調される音信号と、前記生成される同期音と、の開始時間差の設定に用いられる時間差設定手段と、
    を備え、
    前記同期音生成手段は、前記時間差設定手段によって設定される少なくとも2つ以上の時間差に基づいて、少なくとも2つ以上の時間差を持った前記同期音を生成し
    前記変換信号生成手段には、前記検出された拍子部分の前記同期音信号の音量レベルを検出する音量レベル検出手段と、
    前記音量レベル検出手段の入力信号の振幅を大きくしたり小さくしたりする検出感度設定手段と、
    を含み、
    前記変調手段は、前記検出された音量レベルに基づいて、前記変調される音信号の変調態様を変化させることを特徴とする音処理装置。
  2. 請求項1に記載の音処理装置において、
    前記変調手段は、
    前記検出された音量レベルに基づいて、前記変調される音信号を時間遅延させて時間遅延信号を生成する時間遅延手段と、
    前記時間遅延された時間遅延信号の利得を変化させる利得変化手段と、
    前記利得変化された時間遅延信号と、前記変調される音信号とを加算し、前記加算された信号を前記時間遅延手段に帰還して入力する第 1 の加算手段と、
    前記時間遅延された時間遅延信号と、前記変調される音信号とを加算し、前記加算された信号を出力する第 2 の加算手段と、
    を備えることを特徴とする音処理装置。
  3. 請求項1に記載の音処理装置において、
    前記変調手段は、
    前記検出された音量レベルに基づいて、前記変調される音信号を位相遅延させて位相遅延信号を生成する位相遅延手段と、
    前記位相遅延された位相遅延信号の利得を変化させる利得変化手段と、
    前記利得変化された位相遅延信号と、前記変調される音信号とを加算し、前記加算された信号を前記位相遅延手段に帰還入力する第 1 の加算手段と、
    前記位相遅延手段によって位相遅延された位相遅延信号と、前記変調される音信号とを加算し、前記加算された信号を出力する第 2 の加算手段と、
    を備えることを特徴とする音処理装置。
  4. 請求項1に記載の音処理装置において、
    前記変調手段は、
    少なくとも 1 つ以上の遮断周波数を有する特定周波数帯域通過手段であって、前記検出された音量レベルに基づいて、いずれかの前記遮断周波数の値を変化させる特定周波数帯域通過手段と、
    前記特定周波数帯域通過手段を通過した通過信号と、前記変調される音信号とを加算し、前記加算された信号を前記特定周波数帯域通過手段に帰還入力する加算手段と、
    を備えることを特徴とする音処理装置。
  5. 変調される音信号と同期した、少なくとも 1 つ以上の新たな同期音信号を生成する同期音生成工程と、
    前記生成された同期音信号の属性を示す拍子を検出するパラメータ検出工程と、
    前記検出された拍子に基づいて、変換信号を生成する変換信号生成工程と、
    前記生成された変換信号に基づいて、前記音信号を変調する変調工程と、
    前記変調される音信号と、前記生成される同期音と、の開始時間差の設定に用いられる時間差設定工程と、
    を備え、
    前記同期音生成工程は、前記時間差設定工程によって設定される少なくとも2つ以上の時間差に基づいて、少なくとも2つ以上の時間差を持った前記同期音を生成し、
    前記変換信号生成工程には、前記検出された拍子部分の前記同期音信号の音量レベルを検出する音量レベル検出工程と、
    前記音量レベル検出工程の入力信号の振幅を大きくしたり小さくしたりする検出感度設定工程と、
    を含み、
    前記変調工程は、前記検出された音量レベルに基づいて、前記変調される音信号の変調態様を変化させることを特徴とする音処理方法。
  6. 変調される音を変調する音処理装置に含まれるコンピュータを、
    変調される音信号と同期した、少なくとも 1 つ以上の新たな同期音信号を生成する同期音生成手段と、
    前記生成された同期音信号の属性を示す拍子を検出するパラメータ検出手段と、
    前記検出された拍子に基づいて、変換信号を生成する変換信号生成手段と、
    前記生成された変換信号に基づいて、前記音信号を変調する変調手段と、
    前記変調される音信号と、前記生成される同期音と、の開始時間差の設定に用いられる時間差設定手段、
    として機能させ、
    前記同期音生成手段は、前記時間差設定手段によって設定される少なくとも 1 つ以上の時間差に基づいて、少なくとも 1 つ以上の時間差を持った前記同期音を生成する手段として機能させ、
    前記同期音生成手段は、前記時間差設定手段によって設定される少なくとも2つ以上の時間差に基づいて、少なくとも2つ以上の時間差を持った前記同期音を生成し、
    前記変換信号生成手段は、前記検出された拍子部分の前記同期音信号の音量レベルを検出する音量レベル検出手段、前記音量レベル検出手段の入力信号の振幅を大きくしたり小さくしたりする検出感度設定手段として機能させ、
    前記変調手段は、前記検出された音量レベルに基づいて、前記変調される音信号の変調態様を変化させる機能を有することを特徴とする音処理プログラム。
  7. 請求項6に記載の音処理プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な情報記録媒体。
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