JPH0731676Y2 - 体感音響装置 - Google Patents

体感音響装置

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JPH0731676Y2
JPH0731676Y2 JP3509490U JP3509490U JPH0731676Y2 JP H0731676 Y2 JPH0731676 Y2 JP H0731676Y2 JP 3509490 U JP3509490 U JP 3509490U JP 3509490 U JP3509490 U JP 3509490U JP H0731676 Y2 JPH0731676 Y2 JP H0731676Y2
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、音楽などの聴覚信号に同期をとって椅子等の
人体載置物に振動を発生させるための体感音響装置に関
するものである。
(従来の技術) 音楽の鑑賞をするには、コンサートホールに出向いて実
際の演奏を聴くのに越したことはない。しかしながら普
段の生活においては、音響装置等からの再生音楽を聴く
場合の方がはるかに多い。コンサートホールにおいては
音の反響その他で独特の雰囲気がかもしだされるので、
感動や陶酔感に充分な満足を得ることができるが、再生
音楽となると、レコード(最近ではCD)あるいはテープ
に記録された信号を忠実に再生しただけでは、必ずしも
満足感を得ることができず、何らかの手段を講ずる必要
がでてくる。イコライザ等を接続して鑑賞者の好みに合
った音響特性にするなども、このための一つの工夫であ
る。
再生音楽も原音楽に忠実に再生するのが良いことは言う
までもない。しかしながら実際に再生音楽を聴く立場に
なると、自分の好みを加味したものとし、これによって
満足感を得ることになるので、音楽再生の観点から考察
すると好ましいものではない。本考案者はこの点につい
て永年に亘る研究の結果、聴覚を通じて鑑賞する音楽は
なるべく原音に忠実なものとしても、音楽中の低音成分
を身体に振動として与えることにより、鑑賞者に充分な
満足感を与え得ることを見出し、体感音響装置として確
立した技術を得ている。
このようにして出現した体感音響装置の初期のものを従
来例として説明する。第7図において1はプレーヤ、ア
ンプ、スピーカシステム等のオーディオ機器であって、
その出力側には、このオーディオ機器1による振動と音
響心理のダイナミックレンジの違いを補正するレベル圧
縮回路部2が接続され、その出力側には遮断周波数を15
0ヘルツ程度にしたローパスフィルタ3と電力増幅器4
を介して振動ユニット5が接続されている。振動ユニッ
ト5は人体載置物である椅子6に取付けられている。
このような構成の従来の体感音響装置は、オーディオ機
器1の出力信号のうちの150ヘルツ程度以下の信号で振
動ユニット5が作動して振動を発生し、この振動が椅子
6に腰掛けた人に伝達されることになる。これにより音
楽にあっては、聴覚を通じての感動が身体に受けた振動
で大きく強調されることになり、充分に大きなリズム
感、重低音感やエネルギ感などが得られ、音楽の感動や
陶酔感が倍加されることになる。またドキュメンタリ音
にあっては迫力や臨場感が倍加されることになる。この
ことは、最近のポピュラー音楽(歌謡曲、ロック、ポッ
プス等)では、バスドラムやエレキベースが多用されて
おり、これらの楽器が充分な低音を含んでいるので、上
述した装置で充分なリズム感、重低音感、快よい陶酔感
や生理的快感をもたらし、申し分のない効果が得られる
ということになる。
しかしながら、音楽を演奏する楽器がアコースティック
なもの(電気、電子楽器でないもの)であるときには、
上述した装置においては、必ずしも充分な効果が得られ
ないことがある。すなわち、従来から存在する弦楽器や
管楽器(場合によっては打楽器も)等、この種の楽器
は、譜面の音階上は充分な低域が発生することになって
いても、その発生音のスペクトルを分析してみると基本
波成分のレベルはきわめて小さく、基本波周波数の整数
倍の高調波が高いレベルで発生しており、鑑賞者はその
ような音を聴いてその基本波の音であると認識している
のが実情であるからである(この分野の理論について
は、昭和25年8月1日:誠文堂新光社刊「音楽工学」第
6章等参照)。このように鑑賞者の聴覚的には充分な低
音に感じられる音域であっても、この成分を信号として
取出してその信号で振動ユニットを振動させようとする
と、低域不足により、これが充分に機能しないのであ
る。
そこでこの問題を解決する手段として、ローパスフィル
タの遮断周波数を高くすることが考えられ、試みられた
が、次に述べる理由により思わしい効果を得ることがで
きなかった。
人体載置物、たとえばシート等ではウレタンなどの
クッション材を使用するが、これがメカニカルハイカッ
トフィルタとして作用し、周波数が高くなると振動の減
衰が大きくなり、振動をあまり伝えないことになる。シ
ートの構造物、衣服、人体の脂肪等も、同様の傾向を有
している。
生理的に高い周波数の振動ほど感じにくくなるし、
快くない。このため振動を強くして無理に感ずるように
しても不快感を伴ないやすく、低音振動のような生理的
快感や陶酔感は得られないばかりか、シートからの発音
が急激に増加する等の逆効果が増大する。
振動効率の悪い成分が増える分だけ電力増幅器を高
出力にしなければならない。
高出力にした分だけ振動ユニットの耐入力電力を高
くする必要がある。
上記,項に記載した事項により、コストアップ
となる。
多くの実験の結果、聴覚心理と振動心理のダイナミック
レンジの違いとともに、周波数レンジにも多くの違いの
あることがわかった。すなわち、聴覚においては、レベ
ル差(強弱)、周波数差(音程、ピッチ)とも、その弁
別能力はかなり高いが、体感振動として捉える場合にあ
っては、周波数差の弁別能力は劣り、振動からピッチや
音程を識別することも不可能に近かった。また耳で聴い
ている周波数と振動として感じている周波数とが少し位
ずれていても、音と振動の強弱が相似であれば、あまり
不自然感を覚えないことも確認された。
そこで考えられるのが第8図の回路である。この回路で
は、電力増幅器4の入力側を電圧制御増幅器7を介して
低域周波数源(たとえば50ヘルツの商用電源)8に接続
し、電圧制御増幅器7の制御を、レベル圧縮回路部2の
出力信号から検波回路9で取出した包絡線信号で行なう
ようにしている。すなわち、50ヘルツの信号を電圧制御
増幅器7により包絡線信号で振幅変調するのである。
このようにすれば、入力音声信号の強弱に相似の50ヘル
ツの信号が得られることになる。しかしながらこの信号
で体感振動を発生させ、体感音響装置として実験してみ
ると、音と振動の一体感に乏しく不自然な感じが強い
し、リズム感なども不明瞭であった。一応は音楽に同期
はしていても、50ヘルツで「ブーブー」振動しているだ
けの感が強く、音楽マッサージではあっても、体感音響
装置とは言い難いものであった。いかに振動における周
波数差の弁別能力が劣るとはいっても、弁別能力がゼロ
でないことも、この実験で確認された。また、音楽の強
弱の包絡線もフルレンジではかなり連続波的になり易
く、リズム感やアタック感が少なくなり、50ヘルツの
「ブーブー」振動となってしまうことも実験的に認めら
れた。
そこで本考案者によって考案され、既に実用新案登録出
願がなされているものが第9図の回路である。これを、
第7図、第8図と同一の部分には同一の符号を付して説
明する。この回路では、レベル圧縮回路部の後段に、20
ヘルツから150ヘルツ程度を通過周波数とするバンドパ
スフィルタ10が接続されている。他は第8図のものと同
様である。なお、このバンドパスフィルタ10は、実質的
には、150ヘルツ程度以上をカットするローパスフィル
タでもよく、実験的にはfc100ヘルツ、オクターブ/−1
2dBのローパスフィルタで好結果を得ている。
この回路では、バンドパスフィルタ10により、音声信号
は20ヘルツから150ヘルツ程度のもののみ選択され、こ
れを低域周波数源8の50ヘルツに代表させ、その強弱を
音声信号の包絡線に合わせることになる作動をする。こ
れにより、体感音響装置として良好に作用することが実
験的に確認されている。上述のようにfc(遮断周波数)
を100ヘルツ、オクターブ/−12dBにして好結果を得ら
れたのは、周波数が高くなると生理的に振動感が低下す
るので、50ヘルツ信号で置き換えた場合は、ローパスフ
ィルタの遮断周波数を低めにすることにより、生理的特
性の補償をしたことになるためと考えられる。
このように第9図に示す回路のものは、体感音響装置と
しては充分な性能を発揮するので何の問題もないのであ
るが、ただ一つ、振動ユニットの取付部に音が出た場
合、その音に問題が生ずることになる。もとより、体感
音響装置にあっては、音は極力発生しないような構造と
するものである。しかしながら、およそ振動体が存在す
る以上、音を絶対に出さないということは無理なことで
あって、どうしてもあるレベルの音は発生してしまうの
である。
この音を観察すると、第9図の回路の場合、振動ユニッ
トを振動させるのは、あくまで50ヘルツであり、しかも
その周波数に固定されているので、次のような不都合が
生ずるのである。すなわち、スピーカに与えられるオー
ディオ信号は、いろいろな周波数が時々刻々と変化する
のであるが、振動ユニットは上述のように50ヘルツに固
定されているので、これらの周波数間に関連性がなくな
り、音楽として放射される音と体感振動として付随的に
発せられる音とは、不協和な音となってしまい、不都合
を生ずるのである。
そこでこの不都合を解決するものとして案出されたもの
が第10図に示すものであり、その変形例(従来回路との
切替えを可能としたもの)が第11図に示されるものであ
る。この回路では、体感音響装置の構成を、オーディオ
機器1の出力信号から一定値の低域周波数以下の信号を
通過させるフィルタ11と、このフィルタ11の出力信号に
同期回路12により同期発振する同期発振回路である自走
マルチバイブレータ13と、この自走マルチバイブレータ
13の出力信号を遮断周波数を80ヘルツにしたローパスフ
ィルタ14を介して受け、電力増幅器4を介して振動ユニ
ットに供給する電圧制御増幅器7と、前記フィルタ11の
出力信号から包絡線信号を取出しこの包絡線信号で前記
電圧制御増幅器7の制御を行なう検波回路9とを備えた
ものを案出して、実用新案登録出願が成されている(実
開昭61-57691号公報参照)。
このような構成とすれば、同期発振回路としての自走マ
ルチバイブレータ13の性質上、振動ユニットに加えられ
る電流の周波数は、音響機器からスピーカに加えられる
音声信号にある比例関係をもった周波数として適応し、
あるいはそれの分周波として適応することになる。すな
わち、一定値の低域周波数以下の信号を通過させるフイ
ルタの出力信号から取出した包絡線信号で電圧制御増幅
器を制御することにより、電圧制御増幅器の出力側に接
続された振動ユニットは、音楽成分がアコースティック
な楽器音であって、実際には振動ユニットを振動させる
には高過ぎる周波数の音を発しているときでも、その周
波数の中で出力レベルが高くなったとき、その瞬間に合
致させて振動ユニットの駆動ができることになるのであ
る。このため振動ユニットは音楽にマッチした振動を発
生することになるし、またこのとき、振動ユニットがた
とえ発音しても、それは協和音ということになる。なお
第11図の回路は、第10の回路と第7図の回路を切替スイ
ッチ15によって切替えて使用できるようにしたものであ
る。
(考案が解決しようとする課題) 以上説明したもののうち、第10図および第11図に示した
ものにあっては、同期発振回路としての自走マルチバイ
ブレータ13がスピーカに加えられる音声信号に同期した
周波数の電流を発振するので、この電流を処理して振動
ユニットに加えた場合、聴覚を通じての音楽鑑賞と体感
とがマッチし、一応の効果を認めることができることに
なる。しかしながら、さらに欲を出せば、体感が完全に
聴覚を通じてのものに合致していないという問題があ
る。これは、鑑賞する音楽の種類によっては何の問題も
ないが、他の種類の音楽(特に楽器の独奏ものや静かな
種類の音楽等)にあっては、少なからず違和感を感ずる
ことがあるものである。本考案はこの点に鑑みて成され
たものであり、より自然に体感を感ずることができるよ
うにした体感音響装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本考案は、上記課題を解決するための手段として、音響
機器の出力を電圧制御ローパスフィルタに通して低周波
成分を取り出し、該出力信号をエンベローブパラメータ
検出回路を通して包絡線を検出し、該検出した信号で電
圧制御増幅器を制御し、該電圧制御増幅器の出力で振動
ユニットを駆動する体感音響装置において、 前記電圧制御ローパスフィルタの出力端に、信号を一定
レベルの矩形波に変えるレベルコンバータと該レベルコ
ンバータの出力信号を積分処理する積分回路と該積分回
路の出力信号を直流に変換するAC-DC変換器とで構成す
る周波数・電圧変換器と、同期信号回路とを接続し、前
記周波数・電圧変換器の出力信号を基にして発振する電
圧制御発振器の制御端に前記同期信号回路の出力信号を
入力し、前記電圧制御発振器の出力信号を前記電圧制御
増幅器に入力したことを特徴とする。
(作用) 上記の構成とすることにより、電圧制御ローパスフィル
タを通った音響機器の出力周波数に対応して周波数・電
圧変換器が直流電圧を出力し、出力電圧の大きさに比例
する周波数が電圧制御発振器から出力される。このよう
にして出力する電圧制御発振器の出力信号は音響機器か
らの信号に同期され、電圧制御増幅器に入力される。そ
して、エンベロープパラメータ検出回路で検出した包絡
線の信号で制御された電圧制御増幅器の出力信号が、振
動ユニットを駆動する。このように同一の音響機器から
の信号を利用して振動ユニットを振動させるので、スピ
ーカ音に対する振動ユニットの振動が整合する。
(実施例) 以下、本考案の一実施例を第1図について説明する。20
は入力端子であり、図示しない音響機器から、スピーカ
を駆動するための音声信号を分割して受けるものであ
る。この入力端子20には電圧制御ローパスフィルタ(VC
F)21が接続され、入力信号に応じて100ないし400ヘル
ツ以下の信号を通過させるようになっている。すなわ
ち、入力信号に低域成分が少ないときにはカット周波数
が高くなり(400ヘルツに近くなる)、低域成分が多く
なるとカット周波数が低くなる(100ヘルツに近くな
る)ようにしてある。
電圧制御ローパスフィルタ21の後段にはレベル圧縮回路
22が接続されている。このレベル圧縮回路22は、振動ユ
ニットによる振動と聴覚によるスピーカ音響のダイナミ
ックレンジとを可及的に適合させるために設けられるも
のであるが、必ずしも設けなくても良いものである。し
かしながら、広範な種類あるいはレベルを有する入力信
号に対応するには設けた方がよいものであり、さらに音
楽等の入力信号の基本波成分の周波数パラメータを検出
するには有用なものである。
レベル圧縮回路22の後段には、その出力信号を一定レベ
ルの矩形波に変えるレベルコンパレータ23が接続されて
おり、その出力側には、このレベルコンパレータ23の出
力信号を積分処理する積分回路24とこの積分回路24の出
力信号から直流成分を得るAC-DC変換器25が順次接続さ
れている。レベルコンパレータ23からAC-DC変換器25に
至る回路が、本考案のもっとも大きな特徴部分となる周
波数・電圧変換回路26を構成する。この周波数・電圧変
換回路26のうちのAC-DC変換器25の後段には電圧制御発
振器27が接続されると共に、この電圧制御発振器27には
周波数圧縮補正回路28が接続されている。
電圧制御発振器27の後段には電圧制御増幅器29ならびに
ローパスフィルタ30を順次介して出力増幅器31が接続さ
れ、出力増幅器31には出力端子32が接続されている。出
力端子32には振動ユニット(図示しないが第7図に示す
ものと同様のもの)が接続される。レベル圧縮回路22の
後段には、前述のレベルコンパレータ23のほかに同期信
号回路33とエンペロープパラメータ検出回路34とが接続
され、同期信号回路33の出力側は電圧制御発振器27の制
御端子27aに、またエンペロープパラメータ検出回路34
の出力側は電圧制御増幅器29の制御端子29aに接続され
ている。同期信号回路33は電圧制御発振器27に同期信号
を送るものであり、エンペロープパラメータ検出回路34
は音声信号中の包絡線信号を検出し、この信号で電圧制
御増幅器29の増幅度制御を行うものである。
上記構成において、周波数・電圧変換回路26と同期信号
回路33とは周波数パラメータ検出回路35を構成する。な
お、このうちの積分回路24の特性はミラー積分とするの
がよい。これにより、周波数が低いと高レベルとなり、
周波数が高いと低レベルとなることになる。また周波数
圧縮補正回路28は、電圧制御発振器27にバイアス電圧を
与えるものである。これは、電圧制御発振器27の作動は
入力側の電圧と出力側の周波数とが比例関係にあり、こ
のままでは周波数圧縮がされないので、比例関係を抑制
して周波数圧縮ができるようにするために設けられたも
のである。
このように構成されたこの体感音響装置は次のように作
用する。入力端子20に音声信号が入ると、電圧制御ロー
パスフィルタ21は100ないし400ヘルツの範囲内で入力信
号に応じた周波数のを決め、それ以下の信号を通過させ
る。レベル圧縮回路22は、振動ユニットによる振動と聴
覚によるスピーカ音響のダイナミックレンジとを可及的
に適合させるために設けられるものであり、入力電圧の
レベルを圧縮する作用をする。レベル圧縮回路22の出力
信号は、レベルコンパレータ23と積分回路24およびAC-D
C変換器25によって形成される周波数・電圧変換回路26
で、入力信号の周波数に一定の関係を持つ電圧に変換さ
れる。この過程は、入力端子20に加えられる正弦波に類
似した波形の信号がレベルコンパレータ23によって矩形
波に変換され、これが積分回路24によって三角波にな
り、次にAC-DC変換器25によって直流になって電圧制御
発振器27に加えられる(後述する第2図、第3図の説明
参照)。
電圧制御発振器27は入力された電圧に対応した周波数の
信号を発振出力する。電圧制御発振器27がこのように作
動するとき、同期信号回路33によって同期がとられ、発
振周波数は入力される音声信号にマッチしたものとな
る。前述のように電圧制御発振器27には周波数圧縮補正
回路28が接続されており、電圧制御発振器27にバイアス
電圧を与えるようになっている。これは、電圧制御発振
器27は入力側の電圧と出力側の周波数とが比例関係にあ
り、このままでは周波数圧縮がされないので、周波数圧
縮がされるような制御を行なうためのものである。
電圧制御発振器27の出力信号を増幅する電圧制御増幅器
29は、エンベロープパラメータ検出回路34からエンベロ
ープ信号を受けるので、入力端子20に入力される信号の
音楽にマッチした同期で増幅することになる。電圧制御
発振器27の出力信号は一般的に矩形波であるので、これ
を増幅したままでは振動ユニットを駆動するのに適さな
いことになる。そこで電圧制御増幅器29の出力信号をロ
ーパスフィルタ30を通して高調波成分のカットをし、正
弦波に近い波形にする。電圧制御発振器27の出力波形が
正弦波であれば、ローパスフィルタ30は不要となる。ロ
ーパスフィルタ30を通った信号は出力増幅器31で電力増
幅され、出力端子32に出力され、ここに接続された振動
ユニット(図示せず)を駆動する。
第2図および第3図は、本考案に係る周波数・電圧変換
回路26の各部の動作波形を示すものである。このうち第
2図は入力信号が正弦波の場合であり、第3図は音楽信
号の場合の一例である。これらの図においては入力端
子20に加えられる信号の波形、はこれがレベルコンパ
レータ23によって矩形波に変換されたところ、は積分
回路24によって三角波となったところ、さらにはAC-D
C変換器25によって直流となったところを示している。
これを説明すると、第2図の場合は、入力信号が奇麗な
正弦波であるから矩形波も三角波も整然としたものとな
っているが、第3図の音楽信号では正弦波に細かい波a
(実際の楽器音では、さらに多くの波が出るのが普通)
があるので、矩形波にも三角波にもこの影響が出る。し
かしながら、の直流になるとこの影響は現れない。周
波数・電圧変換回路26をこのような構成とせず、従来一
般的に用いられているワンショットマルチバイブレータ
18を採用した第12図に示すような回路とした場合には、
音楽信号中に上記のような細かい波aが生じたとき、こ
れも一つの信号変化として捉えてしまうことになるか
ら、電圧制御発振器27の発振周波数が基本波周波数に対
して、その分だけ高くなってしまうが(波aが一つなら
2倍になる)、積分回路24の出力信号を直流信号に変換
する本考案の回路では、そのようなことがなく、基本波
周波数に対して、大きな誤差を生じないことになる。
第4図および第5図に示すものは、本考案に係る体感音
響装置の周波数圧縮特性例である。まず第4図のものは
リニア領域が1:1(1度音程)のものであって、25ない
し55ヘルツがリニア領域、55ないし500ヘルツが圧縮領
域である。第5図のものはリニア領域が1:0.75(4度音
程低い)の場合であって、30ないし70ヘルツがリニア領
域であり、70ないし500ヘルツが圧縮領域である。これ
ら周波数が高い領域の圧縮特性は、音楽の種類や鑑賞者
の好みを勘案して、違和感を感じない程度に圧縮するよ
う、適宜設定するのがよい。
第6図に示すものは本考案の他の実施例であり、上述し
た本考案に係る装置と従来装置とを併存させたものであ
る。この回路においては、入力側をレベル圧縮回路22に
接続した、遮断周波数を150ヘルツ程度に設定したロー
パスフィルタ36からの信号と、本考案回路のローパスフ
ィルタ30からの信号を切替スイッチ37により切替えるよ
うにしてある。これにより、音楽の種類、特性、好みな
どにより両者を適宜選択することができることになる。
このようにこの回路は、その大半が第1図の回路と同一
であるため、第1図と同一の構成部品には同一の符号を
付して、その部分の説明は省略する。この回路では、優
れた効果を持つ本考案の装置と、これとは異なった微妙
な味を有する従来装置とを、適宜選択して使用すること
ができることになる。
以上説明した実施例においては、すべての回路をアナロ
グ回路で構成したが、本考案はこれに限られるものでは
なく、同様の作動を得るために、入力信号を一旦A/D変
換し、ディジタル技術によって同様の効果を得ることも
できる。
(考案の効果) 本考案は、以上説明したように構成されたものであり、
電圧制御ローパスフィルタを通した信号をレベルコンバ
ータと積分回路とを有する周波数・電圧変換器によって
精確な直流制御電圧に変換し、この出力電圧で電圧制御
発振器を働かせて発振出力を得るようにしている。この
ため、振動ユニットを駆動する信号の周波数、振幅はす
べて音響機器からの信号から作り出されたものであり、
スピーカ音と振動とが、より自然に近い状態で整合し、
スピーカ音と同時に振動を体感する効果が増大になるも
のである。
また、従来の周波数−電圧変換回路が第12図に示すよう
にレベルコンバータ17とワンショットマルチバイブレー
タ18ならびにその出力信号を積分処理する積分回路から
構成されていたのに対し、本考案においては、入力信号
を一定レベルの矩形波にし、さらに積分することによっ
て雑音を取り除く処理を行うので、従来の回路では検出
しにくかった音声信号(特に音楽信号)からの基本波パ
ラメータを検出し易くしたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例の回路図、第2図および第3
図は第1図の回路中の要部の作動を説明するためのグラ
フ、第4図および第5図は周波数圧縮特性の二つの例を
示すグラフ、第6図は本考案の他の実施例の回路図、第
7図は従来の体感音響装置の回路図、第8図および第9
図は第7図のものを改良した回路を示す回路図、第10図
は従来の改良回路を示す回路図、第11図は第10図のもの
の変形例を示す回路図、第12図は従来の周波数・電圧変
換回路を示す回路図である。 20……入力端子 23……レベルコンパレータ 24……積分回路 25……AC-DC変換器 26……周波数・電圧変換回路 27……電圧制御発振器 27a,29a……制御端子 29……電圧制御増幅器 31……出力増幅器 32……出力端子 33……同期信号回路 34……エンペロープパラメータ検出回路 35……周波数パラメータ検出回路

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】音響機器の出力を電圧制御ローパスフィル
    タに通して低周波成分を取り出し、該出力信号をエンベ
    ローブパラメータ検出回路を通して包絡線を検出し、該
    検出した信号で電圧制御増幅器を制御し、該電圧制御増
    幅器の出力で振動ユニットを駆動する体感音響装置にお
    いて、 前記電圧制御ローパスフィルタの出力端に、信号を一定
    レベルの矩形波に変えるレベルコンバータと該レベルコ
    ンバータの出力信号を積分処理する積分回路と該積分回
    路の出力信号を直流に変換するAC-DC変換器とで構成す
    る周波数・電圧変換器と、同期信号回路とを接続し、前
    記周波数・電圧変換器の出力信号を基にして発振する電
    圧制御発振器の制御端に前記同期信号回路の出力信号を
    入力し、前記電圧制御発振器の出力信号を前記電圧制御
    増幅器に入力したことを特徴とする体感音響装置。
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