JP4358519B2 - マイクロフォン用イコライザシステム - Google Patents

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Description

発明の背景
(発明の分野)
本発明は、コンサートまたはレコーディング用の楽器、具体的にはアコースティック楽器のマイクロフォン・ピックアップ及び電気的増幅に関するものである。
(背景技術)
楽器が発する音を電子的に再生するためのピックアップには、大きく分けて圧力及び振動の2つのタイプがある。圧力ピックアップまたは圧力マイクロフォンは、空気中の音圧変動に応答して振動する隔膜を有する。隔膜の振動は電気信号に変換される。人間の耳も同じように機能する隔膜を有するので、楽器から最適の距離に配置される良質な圧力型マイクロフォンの音響応答は、所定の部屋の中において楽器の音に近い。ただし、圧力型マイクロフォンは、アイソレーション、配置及びフィードバックの点で問題を呈する。
アイソレーションの問題は、望ましい音源(増幅したい一つ又は複数の楽器)及び望ましくない音源(例えば、咳または別個に増幅したい別の楽器)の両方から発せられる音をピックアップすることから生じる。アイソレーションの問題を最小限に抑えるための従来の方法は、マイクロフォンをピックアップ対象の楽器に近接して配置すること、及び不要な方向からの音を受け入れなくするいわゆる指向性マイクロフォンを使用することであった。
音は逆2乗法則により放射状に広がるので、マイクロフォンを楽器のより近くに動かすと、他の音源の音に比べて選ばれた楽器からの音の振幅を増すことによってアイソレーションの問題が小さくなる。ただし、この解決法は配置の問題を大きくする。楽器は、バイオリンの弦、共鳴箱及び前面及び裏面など様々な部分から音を発する。楽器を聴く通常の距離では、楽器の特徴的な音は各部分から発せられる音の融合体である。
楽器に近接するエリア(特に1フィート位の範囲内)の異なる地点では、全く異なる音が生じ、聴き手はそのほとんどまたは全てを不自然と感じるだろう。極端に近い(数インチ以下)場合、音の差は誇張されるので、1つの地点の音は別の地点の音と全く異なり、何の楽器を聴いているのか分からなくなることがある。また、楽器が静止しておらず、ミュージシャンが抱えている場合(ギター、バイオリン、フルートなど)、演奏者の通常の小さい動きでもダイナミックレベル(音量)及び音質に思わぬ望ましくない変化を生じる。
フィードバックは、アイソレーション及び配置の問題から生じる特殊な状況であり、典型的には演奏者が演奏者の方向に向けられたモニタスピーカを聴くことによって自身の演奏を聴くライブ・タイプの演奏中に生じる。これにより、モニタスピーカは、最初に音をピックアップするために使用されるマイクロフォンにも向けられる。これにより、スピーカ増幅器を飽和状態まで駆動する正のフィードバック・ループを形成し、大きな唸りが生じる可能性がある。フィードバックの通常の補正は指向性マイクロフォンを使用することであるが、これはあまり役立たない。最後の手段として、楽器自体に取付けられる振動ピックアップが使用されてきた。この種のピックアップは、取付けられている場所における楽器の振動(接触ピックアップ)あるいは弦楽器の金属弦の振動(磁気誘導ピックアップ)を感知する。上記のピックアップはモニタ・スピーカまたはその他の楽器によって生じる空気中の音に応答しないので、フィードバック及びアイソレーションの問題は大幅に減少する。また、この種のピックアップは楽器に取付けられ楽器と一緒に移動するので、演奏者の動きによって生じる音量及び音質の変化の問題も排除される。
しかし、接触ピックアップまたは誘導ピックアップを使用することの欠点は、非常に忠実度が低くなることである。例えば、バイオリンの弦または響板の振動は、楽器の周りの空気の振動とは全く異なる。しかし、楽器の「アコースティック・サウンド」として定義されるものは、上述の通り、その楽器のすべての部分の振動の和に応答して空気中に生じる振動として耳が聞くものである。従って、これらの変換器は自身の音を持つ新たな電気楽器(特に電気ギター及び電気ベース)を開発する上では非常の効果的であった。しかし、その能力は、アコースティック楽器の音を高い忠実度で再生する点では限界がある。
上記の理由から、アコースティック楽器によるライブ音楽を電的に変換しフィルタリングするために現在行われていることは、単一の楽器または一群の楽器の近くでこれに向けてセットされる高品質の(単数または複数の)指向性マイクロフォンを使用することである。上記のマイクロフォンは、特定のケーブルを通じて特定の前置増幅器に信号を送る(前置増幅器は、時にはマイクロフォンに電力を送る)。前置増幅器は、汎用イコライザ及びミキシング回路に接続される。例えば、ロックバンドにおいて典型的なドラム・セット(5つのドラム、1つのハイハット、2つのシンバル)の場合、各ドラム及びハイハットごとにドラムのすぐ近くのスタンドに1つずつ指向性マイクロフォンが据え付けられ、ステレオ効果のため及びシンバルの音をピックアップするために2つの「オーバーヘッド」指向性マイクロフォンが設置される。2つのオーバーヘッド・マイクロフォンは、大きな金属ハムをピックアップしないようにするためにシンバルから少なくとも30.5cm(1フィート)程度離さなければならない。ギターの場合には、上記のマイクロフォンのうち1つか2つを30.5cm(1フィート)から91.5cm(3フィート)離れた距離に配置してもよい。
前述の通り、同じ種類の楽器の従来の「アコースティック」形式によって発せられる音とは異なるタイプの音を生み出すために、個々の楽器(典型的にはギター)に直接ピックアップ装置を取付けることも一般的である。この種のピックアップは、ギターの響板など楽器のある部分の振動を感知する。この種のピックアップの例は、Nylenの米国特許第4,051,761号、Oliverの第4,143,575号、Yamagamiの第4,423,654号、Dugasの第4,481,854号、Barcusの第4,837,836号、Riboloffの第5,136,918号及びMcClishの第5,206,449号において説明されている。アコースティック楽器またはいわゆる電気または電子楽器に取付けられる上記の振動感知ピックアップからの増幅された音は、アコースティック楽器によって発せられ楽器から離れて据え付けられる圧力式マイクロフォンが感知する音とはそもそも異なるものである。そのため、振動ピックアップは、アコースティック楽器の音を高い忠実度で電子的に再生するためには適さない。
従来例では、空気圧装置以外の変換器を含む比較的忠実度の低いマイクロフォンについて言及しているが、以下の発明の要約及び詳細な説明において示した方法及び実施形態を用いると、どのような装置の品質も大幅に改良することができる。さらに、センサ・タイプを組み合わせることによって一定の利点を得ることができる。
特定の目的にために楽器に直接小型感圧マイクロフォンを取付けることはすでに提案されている。例えば、1989年6月6日にBarcusに発行された米国特許第4,837,836号は、楽器一般の音をピックアップするために従来の据え置き型マイクロフォンを使用することの欠点に対処し、さらにまたアコーディオンまたはハーモニカに近接して標準サイズのマイクロフォンを保持するか直接これに小型マイクロフォンを取付けることの欠点に対処している。これらの欠点には、近くのスピーカからのフィードバック、及びアコーディオン及びハーモニカの細長いリード・バンクの局部から生じる音の望ましくない強調、すなわちその音のリードがマイクロフォンが取付けられる場所の付近にあることによる音量の増大が含まれる。
先行技術の配置の欠点を克服するために、Barcusは、小型圧力式マイクロフォン・カプセルが埋め込まれるピックアップ・モジュールを提供している。このモジュールは、相対する側を向く開放端の間に伸びる細長く狭い音の案内路を有し、マイクロフォンの音響感知表面は案内路の中央部と連絡する。狭い音の案内路は、マイクロフォン用の2葉方向感知パターンを形成していて、このモジュールがハーモニカまたはアコーディオンの細長いリード・バンクの中央に取付けられるときに、全ての音により均等に応答する。Barcusは、また、このモジュールは他の楽器に使用することができ、特にフィードバック、望ましくない室内空間の音のピックアップ及びドラム前面に据えられる従来のマイクロフォンに生じる臨場感の欠如を防止するためにドラムの皮の縁近くでドラムの皮に取付けることができる、とも示唆している。
特徴的な周波数帯域(各音源によって異なる)を説明するためにしばしば使われる主観的用語である臨場感の欠如については、本発明者は注目していなかった。しかし、本発明者が多様な形状を使って行った試験において、マイクロフォンの周りの空洞の形状によって、強い不自然な(そして不快な)可聴周波数ピークが生じることに気が付いた。このような形状のマイクロフォンの囲いは、楽器の音響を再生するためになされる努力によって解決される以上の問題を必ず付加する。Barcusの特許は、周波数応答の改良を示すように見えるグラフを含んでいるが、これは、単に音の間の音量の均等性の改良を示しているにすぎない。本発明者のテスト結果は、高忠実度の基準に比較すると各音の周波数応答がひどく劣化することを示している。
1993年11月16日にObaその他に発行された米国特許第5,262,586号は、アコースティック楽器によって発せられる音を修正するためのアコースティック楽器用サウンド・コントローラを開示している。ピアノを使った例において、(1)弦の駒及び振動止めに取付けられる振動センサ、(2)弦に近接する電磁ピックアップ・ユニット及び(3)響板に取付けられるマイクロフォン、を有する検出ユニットの出力はデジタル処理装置に送られる。音の大きさ、遅延、等化及び位相差を制御するためのさまざまなタイプのセンサによって作動されるプロセッサは、その出力を、ピアノの響板及びケースボードに取付けられる振動アクチュエータに送る。アクチュエータが付加的な振動を生成して修正された質のアコースティック・サウンドを生成するように、パラメータ決定手段は各種プロセッサを調整する。このように、Obaその他は、楽器を演奏することによって発生する音及び振動を振動ユニットに送り、振動ユニットが楽器の音響出力を改めるように、楽器の内部に取付けられる数種のピックアップの1つとしてマイクロフォンを使っている。Obaその他は、未修正の出力を記録または増幅するように楽器の音響出力に応答して電子信号を生成するためには、これらのマイクロフォンを使っていない。従って、先行技術の装置のどれも、アコースティック楽器の音の電子的再生において遭遇するマイクロフォンのアイソレーション及び配置の問題に対して高い忠実度の解決法を提供していない。現在、個別の場合に、音響技術者が高度な設備を使うことによって慎重に調整しない限り成功しない。
(発明の要約)
本発明は、独奏または合奏楽器に使用されるシステム(マイクロフォン、取付けメカニズム及び関連前置増幅器、イコライザ及びプロセッサ)を設計するための方法、及びこの方法によって設計されるシステムを提供する。このシステムの主要な特徴は、楽器の近く、楽器に直接またはその内部に配置される1つまたはそれ以上のマイクロフォンを使用することである。例えば、マイクロフォンを楽器に直接にまたはその中に永久的に取付けるか、特定の楽器のために設計されるクリップを使って楽器に一時的に取付けることができる。実現可能でありかつ望ましい場合にはマイクロフォンをスタンドで支えることもできる。適切な品質のどのようなマイクロフォンでも差し支えないが、小型マクロフォンは(特に楽器に取付けられる場合)2つの利点を持つ。第一に、正確に配置するのがより容易であり、通常のマイクロフォンが適合しない場所で機能する。第二に、非固定(例えば手持ち)楽器と一緒に動くので、マイクロフォンに対して相対的に楽器が動くときに生ずる音質の不要な変化を防ぐ。本明細書において使用される場合、「マイクロフォン」という用語は空気圧センサ、振動センサ及び磁気センサなど多様な装置を含むことが、当業者には分かるであろう。マイクロフォンは、また、光センサ及び熱センサまたは上記のセンサの組み合わせなど、他のタイプのセンサも含むことができる。
このシステムは、少なくとも1つのマイクロフォンとタンデム接続されこれに近接して(8メートル未満で、3メートルから6メートルまでが望ましい)配置される適切に設計されたマイクロフォン前置増幅器を含むことができる。マイクロフォン前置増幅器は、(必要であれば)マイクロフォンにDC電力を送るとともに、マイクロフォンからの音声信号を受信して最初に増幅する。
このシステムのもう1つの特徴は、各タイプの楽器用に、特に各タイプの楽器の予め選ばれた最適のマイクロフォン設置場所用に「カスタムメイド」(”tailor made”)されるイコライザ・ユニットである。イコライザは、従来のローパス・フィルタ、ハイパス・フィルタ、バンドパス・フィルタ及び(または)ノッチ・フィルタまたはその他のプロセッサを適宜含むことができる。4つまたはそれ以上の調節可能なフィルタを有し、各フィルタごとに最高3つの制御装置(合計で12あるいはそれ以上のノブ)を有する従来の汎用イコライザと異なり、このユニットは、通常の聴取地点での楽器の音とマイクロフォン取付け地点での音の間の差を補正するために必要な最小限の数及びタイプのフィルタしか持たない。各フィルタの制御は、個々の楽器の間の変化に十分な融通性を持たせられる最小限の有効範囲に制限することができる。
各イコライザは、前置増幅器と結合して小型の軽量パッケージにすることができ、これを演奏者に近接して据え付けることができる。これによって、個々のミュージシャンは、マスタ・イコライザ・コンソールで複雑な複数の調整を行う熟練した音響技師の必要なく、自身の望ましい「音」を得ることができる。
システムの上記の特徴は、バンドまたはオーケストラ用の音声入力設備のコストを著しく削減し、コンサートまたはレコーディング・セッションのための設備のセットアップに必要とされる時間を大幅に短縮する。また、ミュージシャンまたはその他の者によって、現在は音響技術者しか達成できないことが遂行できるようになる。
本明細書において使用される場合、「楽器の基準音」とは、取付けられるマイクロフォン及びカスタムメイドイコライザによって音質の点で再生することが望まれる楽器が発する音を意味する。単純な形態においては、それは演奏され通常の環境で聴かれる楽器の音を意味する(ただし、一般的に音響に対する部屋の影響を除いて)。例えば、ギター奏者が快適で乾燥した(反響しない)防音室においてギターを演奏する場合、「楽器の基準音」は、その部屋における良好な/通常の聴取位置における音響シグナチャーとなる。第二の基準方法は、高品質の基準マクロフォンがこの音をピックアップするためにいつ使われるかであり、第三の基準方法は、マイクロフォン信号が高品質記憶装置(デジタル・テープ・レコーダなど)にいつ記録されるかである。
マイクロフォン基準を使用する場合、基準マイクロフォンが楽器の最適の音質をピックアップできるようにするために、聴取場所を楽器から十分な距離離すことが望ましい(一般的に言って、楽器からの距離は楽器の幅に等しい)。この地点は、室内の音を避けなければならない。部屋自体が、マイクロフォンが受け取る音への関与を最小限に抑えるように作られなければならない。これを一般的な専門用語で言えば、マイクはミッドフィールド・ポジションに配置され、部屋は乾燥しているまたは音が消される(字義的には「音をそぐ」)、となる。無響室は設計過程の特定の局面を容易にし、ことによるとより正確にするので、無響室が理想的な部屋である。ただし、この種の部屋はまれであり、非常にコスト高であり、この方法にとって必要ではない。
特に、本発明は、選ばれたタイプのアコースティック楽器を高い忠実度で再生するためのシステムを設計するため、及びこのシステムの実施形態を提供するための方法を提供する。この方法は、下記のステップを含む、
(1) アコースティック楽器に近接して第一のマイクロフォンを設置する、
(2) 第一のマイクロフォンによってピックアップされる音を発するために楽器を演奏し、その楽器の基準音を演奏する、
(3) 第一のマイクロフォンによってピックアップされる楽器の音を楽器の基準音と比較する、
(4) マイクロフォンによってピックアップされる音と楽器の基準音の間の差を補償するためにカスタムメイドのイコライザを設計する。
本発明の方法はさらに下記のステップを含むことができる、
楽器の演奏を妨げない複数の取付け位置に第一のマイクロフォンを順次配置することによって、ステップ1における取付け位置を選択する、
楽器の基準音を発するために楽器を演奏する、
各取付け位置において第一のマイクロフォンによってピックアップされる音と楽器の基準音を比較する、
増幅されたマイクロフォンの音が楽器の基準音にもっとも近い取付け位置を選択する。
第一のマイクロフォンによってピックアップされる音と楽器の基準音とを比較するステップは直接2つの音を聴くことによって行うことができるが、この方法の望ましい実施形態は下記のステップを含む、
(1)アコースティック楽器に近接して第一のマイクロフォンを配置する、
(2)アコースティック楽器の適切な聴取場所(上述の通り通常はミッドフィールド)に高品質の第二の基準マイクロフォンを配置する、
(3)第二の基準マイクロフォンによってピックアップされる楽器の基準音を発するために楽器を演奏する、
(4)それぞれ第一及び第二のマイクロフォンによってピックアップされる楽器の音の第一及び第二の録音を同時に行う、
(5)第一と第二の録音の聴覚的差を判定するために第一の録音と第二の録音を比較する、
(6)第一の録音と第二の録音の差を補償するために第一のマイクロフォン用のカスタムメイドイコライザを設計する。
本発明の方法は、さらに、ステップ(6)において設計されるイコライザのセクションの調整範囲を判定するために同じタイプの様々な楽器を使って上記のステップ(1)から(5)までを反復するステップを含めることができる。
第一の録音と第二の録音を同時に行う第四のステップは、デジタル録音媒体またはその他の高品質録音媒体への多重トラック録音を含むことが望ましい。
第一の録音と第二の録音を比較する第五のステップは、第一及び第二の録音の音波波形を表示し分析するステップ、他方の波形に実質的に一致するように第一の波形及び第二の波形のうち一方を等化するステップ、及びステップ(6)において第一のマイクロフォン用のカスタムメイドイコライザを設計するために等化値を使用するステップ、を含むことが望ましい。
本発明は、また、アコースティック楽器の音を高い忠実度で電子的に再生するためのシステムを提供する。このシステムは下記のものを備える、
マイクロフォン素子(単数または複数)、
適切で有利な場合には、マイクロフォン取付け装置、
入力側がマイクロフォンに結合されているイコライザ、イコライザは予め決められた最小数の電子フィルタ回路、制御装置を含み、制御範囲は、予め選択されたタイプの楽器の該当基準音と比較してそのタイプのアコースティック楽器の音のマイクロフォン素子による電子的再生との差を補償するために最適化される。
取付け装置は、取り外し可能にマイクロフォンを楽器に取付けるための装置を含むことができ、この装置は、楽器が発する音の改変を防止しまたはこれを最小限に抑え、演奏者が楽器を障害なしに演奏できるようにするために、特定の楽器の予め決められた場所に取付けられるように特に設計される。
イコライザは、楽器のタイプに応じて1つまたはそれ以上のタイプの電子フィルタを備えることができる。例えば、アコースティック・ギター用のカスタムメイドイコライザは、1つのハイパス・フィルタ及び2つのノッチ(バンド除去)フィルタを有する。トムトム・ドラムのイコライザは、1つのハイパス・フィルタ及び1つのローパス・フィルタを有する。バス・ドラムのイコライザは、3つのハイパス・フィルタ及び1つのローパス・フィルタ、合計5つの制御装置を有する。ハイハット及びシンバルのイコライザは、単一のノッチ・フィルタと(ただし、3つの制御装置と)直列の1つのハイパス・フィルタしか持たない。
楽器の空洞の口を覆うこと(例えばギターの孔またはバイオリンの孔を覆うこと)は、増幅システムからの音響的フィードバックを減少するのに役立つことは技術上既知である。上記の口は、一般に(また、本明細書において)響孔と呼ばれる。例えば、多くのギターに見られる丸い孔を覆うための各種のプラグ及びカバーは、楽器店で市販されている。これは、特に低周波数領域において楽器の音に大きな影響を持ち、楽器の音色のバランスを甚だしく変える。楽器のアコースティック・サウンドの点で、一般的に言ってこれは演奏者にとってまたは聴衆にとって好ましくない。
楽器内部に変換器を配置すること、及び楽器の本体は直接音響システム・エネルギーのほとんどから変換器を遮蔽するので、変換器を楽器の外側に配置する場合と比較して楽器の中に変換器を配置すると近くの音響増幅システムからの音響的フィードバックを減少するのに役立つことは、技術上既知である。ギター及びドラム内部に配置するための各種の変換装置が楽器店で市販されている。しかし、楽器内部の音は、たとえ最適に選択された変換器設置場所でも、通常、楽器の通常の音である楽器外部の音より著しく劣る。
楽器の響孔を覆うことによって加えられる変化は、一般的に言って、楽器の外側にある装置または聴き手にとっての楽器の音質を下げるが、本発明の他の特徴と一緒に使われる場合、変換器の適切な設計及び配置とともにこの変更を加えて、楽器内部に最適に配置される変換器の出力を明確に改良することができる。また、響孔が覆われない場合の同じ内部変換器と比べて、または響孔にカバーを付けた場合でも楽器外部に配置される同様の変換器と比べて、響孔の被覆は、内部変換器からのフィードバックへの抵抗を著しく増大する。
楽器内部の音響特性は同じ楽器の外部の音響特性と非常に異なることは技術上既知である。密閉されたまたは部分的に密閉された多様な囲い内部の波動の力学については、標準的物理の教科書において説明されている。ここで重要なのは、この種の空間内部における複合的反射であり、複合的反射は、例えば音を発するスピーカ・コーンを押したり引いたりすることによりスピーカ・コーンの動きに影響を与える可能性がある。従って、ラウドスピーカ・キャビネットの構造において、一般的スピーカ・キャビネットの内面の少なくとも半分(1側面、上面または下面、及び裏面)の内部は、反射がスピーカ・コーンに達するのを妨げるために吸音材で被覆されることが多い。
楽器構造において、内部反射は、一般に楽器が発する音の一部であると想定され、楽器の設計においては本来的に見込まれていることが多い。そうであっても、例えばバス・ドラムの内部には、聴き手及びドラム内部あるいは外部に配置されるマイクロフォンが知覚するドラムの音を変えるために、布、ピロウなどを配置することが一般的である。また、このために、楽器内部の一定の部分をフェルトなどの吸音材で覆うか、楽器内部の空間の一部に適切な材料を充填することも可能である。上記の材料は永久的に楽器に取付けるか、または有利な場所にフェルトまたはその他の適切な材料を単に置くことができる。
ある楽器または楽器のタイプにおいて被覆され(または)充填されるエリアのサイズ及び配置は、変換器の配置場所の変化に伴って変化し、任意の状況または状況の組み合わせでの実験、その測定または分析によって決定することができる。選ばれた小さいエリアを被覆することで有益な結果が得られることが多く、大きなエリアを被覆しても通常の聴取位置において楽器の音に対する影響はわずかである可能性あるので、楽器の演奏者にとって反対すべきことではないかも知れない。
本発明は、これらの技術を使って改良することができる。また、システムの他の多くの局面と同様、上記の改良には一貫性を見出すことができ、この一貫性は命令または装置としてユーザーにとって有益となりうる。本発明を延長すれば、必要であれば本発明の実施なしに使用される場合もっと劣る音になることと引き換えに、本発明に使用するのに特に適する音響特性を有する既知のまたは全く新しいタイプの楽器を設計し組み立てることになるだろう。
本発明の上記の及びその他の特徴及び利点は、望ましい実施形態の詳細な説明と関連して図面に示されている。
[詳細な説明]
本発明に従えば、マイクロフォン・アセンブリは、Bruel及びKjaerが製造するDPA4060型マイクロフォンなど全指向性または単一指向性マイクロフォンなどのマイクロフォンを含む。マイクロフォン素子は、アコースティック楽器の外面またはその中の予め決められた点にマイクロフォン・アセンブリを一時的に取付けることができるようにするためにクリップまたはハウジングに取付けることができる。必要な場合には他の一時的取付け措置を講じることができる。クリップまたはその他の取付け装置は、マイクロフォンが取付けられる楽器構造の質量負荷を最小限に抑えるように選択される。場合によっては、適切な手段によって特定の楽器に永久的にマイクロフォン・アセンブリを取付けることが好ましい場合がある。楽器にマイクロフォンを取付ける代わりに、マイクロフォンを楽器に近接して配置することができる。
図1を参照すると、本発明の1つの実施形態に従って構成されるイコライザ・システムの全体ブロック図が示されている。ブロック10は、下に説明される楽器などの楽器を表している。楽器10が発する音は、(例えば、楽器に取付けられる)マイクロフォン11によってピックアップされる。マイクロフォン11によってピックアップされた音はマイク電源(必要な場合には)及び増幅器12及び専用プロセッサ13(例えば下に説明する特性のイコライザ)に送られる。専用プロセッサ13の出力は、その後記録装置、拡声(PA)システム、スピーカ・システムなど適切な出力装置14に送られる。
特定のタイプのアコースティック楽器用にカスタムメイドマイクロフォン及びイコライザ・システムを設計するための本発明の方法を実施する際、第一のステップは、マイクロフォンを楽器に近接して配置することである。その代わりに、マイクロフォンを選ばれたタイプの楽器の外面または内部のある位置に取付けることができる。取付け位置は、楽器から離れた通常の聴取場所で聞くときまたは感知するときの楽器の音響シグナチャーとできる限り異ならない空中音響シグナチャーを感知することを考慮して予め選択される。「聴取場所」という用語は、聴取者のいる場所、または増幅のために音をピックアップするための基準マイクロフォンの設置場所のうちいずれかを意味する。
通常の聴取場所を構成するものには、どの程度の(もしあれば)「室内音」(すなわち、残響音)が望ましいかが含まれる。楽器の音は各部屋によって異なり、1つの部屋の場所によってもかなり変化する。音響技術者は、楽器の音が室内音によって増強される場所を「ファー・フィールド」と呼び、楽器の音が実質的に室内音の影響を受けない場所を「ミッド・フィールド」または「ニア・フィールド」と呼ぶ。
レコーディングまたは放送の状況によっては、カーネギー・ホールなど非常に優れた音響環境における合奏またはオーケストラの場合、音響補強が必要とされない限り、室内音を含めるためにファー・フィールドにマイクロフォンを使用すると、すばらしい結果を生じる可能性がある。ただし、聴取場所の選び方が悪いと室内音が全くない場合より悪い結果となる可能性があるので、室内効果は望ましくない場合のほうが多い。無響室においては、または厚いカーテンまたはカーペットが施された部屋においてでも、残響音は基本的に排除されて、聴取場所に関係なく室内音はない。無響室に費用をかけることなくアコースティック楽器の音に対する室内音の効果を排除するために、音響補強及び録音・放送業界の両方において、ミッド・フィールドと呼ばれるところに配置される単一指向性マイクロフォンを使用することが一般標準になってきている。マイクロフォンは楽器全体の自然の音を捉えるのに十分な距離離れて、しかも室内音を避けるためにできるだけ近くに配置される。この距離は、一般的に言って、その楽器または楽器のグループの平均寸法にほぼ等しい。
単一指向性マイクロフォンは、不要な方向から来る音の一部を受け入れないだけであり、一部の不要な音は楽器の背後から来るので、ミッド・フィールドの聴取位置でも、かなりの量の室内音及びその他の音がピックアップされる可能性がある。これを排除するために、マイクロフォンは、楽器から約0cm(0インチ)から30.5cm(12インチ)離れたニア・フィールドに配置される。これは「近接マイク」として知られる。これは、音のエネルギーに対する音源からの距離の逆自乗の関係のために、室内音またはその他の音に対する楽器の音の比を大幅に増大する。ただし、近接マイクは、聴き手が慣れている音より不自然な音を生じる。楽器を演奏するミュージシャンの耳でさえ、ほとんどの場合近接マイクより遠い。近接マイク音の性質を改良するためには、通常、各種の処理設備が必要とされる。本発明は、以下に示す通り、これを改良しこれを最適化する。ただし、楽器によっては、特にドラムセット・コンポーネント及び特定のボーカル・スタイルの場合、これらの楽器のもっとも一般的な聴取体験は近接マイク録音または演奏によるので、「近接マイク」の音は一般音楽標準になってきている。近接マイクがさらに広く使用されるようになると、他の楽器はこのように定義される「音」を持つことになるかも知れない。
ほとんどの場合、設備及び音響特性の点で専門的なレコーディング・スタジオに匹敵する試聴室を持つことが望ましい。下記の設備リストは例として示されている、
単一指向性ダイナミック基準マイクロフォン(RefMic1)−Sennheiser Model MD441スーパーカージオイド・ダイナミック、
単一指向性コンデンサ基準マイクロフォン(RefMic2)−Neumann K150ハイパーカージオイド・コンデンサ、
全指向性ダイナミック基準マイクロフォン(RefMic3)−Sennheiser Model MD211ダイナミック、
マイクロフォン前置増幅器(Mic Preamp1)−John Hardy Model M1、
マイクロフォン前置増幅器(Mic Preamp2)−Symetrix Model 201、
パラメトリック・イコライザ(EQ1)−Orban Model 621B(4帯域/チャネル)、
パラメトリック・イコライザ(EQ2)−Symetrix Model SX201(3帯域/チャネル)、
グラフィック・イコライザ(EQ3)−DOD Model R−231(1/3オクターブ/帯域、31帯域/チャネル)、
モニタ増幅器(Amp)−Macintosh Model 6200
小型ニアフィールド・モニタ・スピーカ(Spkr1)−Rogers Model LS3/5A、BBCニアフィールド基準ゲージ
大型モニタ・スピーカ(Spkr2)−UREI Model 359 Room Equalizerによって部屋にあわせて調整されるTannoy Dual−Concentric 12インチ、
ミキサ(Mxr)−Hill Model B3 24x8x2(5532の演算増幅器を使用)
多重チャネル・オーディオ・テープ・レコーダ−48kHzで作動されるAlesis Digital Audio Tape(ADAT)多重チャネル・レコーダ、
リアルタイム・アナライザ(RTA)−較正済みマイクロフォン(ANSIクラスS1.11−1971)を持つAudio Control Model SA−3050A 1/3オクターブ。
上記のリストは、完全なものではなく、各ケースにおいて製造者及び型式の選択は排他的であることを意図していない。匹敵する質のまたはより良い質の他の型及び型式を使用することができる。
基準マイクロフォンの選択は、聴取場所の選択に応じて変わる。ただし、コンデンサ・マイクロフォン(RefMic2)といくつかのダイナミック・マイクロフォン(RefMic1)とを繰り返し比較した結果、ほとんど大きな差は示さず、通常、RefMic 1を使用すれば十分である。
発明の要約において述べた通り、「楽器の基準音」とは、取付けられたマイクロフォン及びカスタムメイドイコライザによって音質の点で再生されることが望まれる楽器が発する音を意味する。しかし、楽器が発する音の質または性質は、部屋によって、またある部屋における楽器及び聴き手の位置によって異なる。従って、比較の基準として使用される「基準」音は、主観的選択を伴う(これは全ての音楽再生に関して言えることである)が、この主観性は、最小限の残響音またはその他の音の成分しかない部屋において楽器から適切な距離(通常ミッド・フィールド)に配置される高品質の(通常、指向性)マイクロフォンを使用することによって最小限に抑えられる。無響室(めったに使えないが)はこの目的のために理想的な場所である。
第一のマイクロフォンによってピックアップする音及び基準音を発するために楽器を演奏するステップは、楽器の全範囲を代表する音楽的音を発するために熟練したミュージシャンが一貫した音量と音質で適宜一連の音符、コード及びフレーズを演奏することを要求する。ミュージシャンが演奏するとき、各音符及びコードの音は第一のマイクロフォンによってピックアップされる。第一のマイクロフォンは、適切な前置増幅器(例えばMic Preamp1またはMic Preamp2)、従来の専門的な高品質のイコライザ(例えば、EQ1、EQ2またはEQ3)及び増幅器(Amp)を通じてモニタ・ラウドスピーカ(例えば、Spkr1またはSpkr2)または希望する場合にはヘッドフォンに結合することができる。ミュージシャンは、比較ステップの可能ないくつかの方法のうちどれが実施されるかに応じて第一のマイクロフォンによってピックアップされる対応する音と同時にあるいはこれと交互に、基準音を発する。上に説明した通り、基準音は、聴取場所において聞かれる楽器のアコースティック・サウンドでもよいし、平均的「理想的」アコースティック・サウンドに近い、聴取場所において基準マイクロフォンによってピックアップされる音でも良い(比較のために、第一のマイクロフォンに使用されるのと同様の増幅設備及び等化設備を通じて処理することができる)。
第一のマイクロフォンによってピックアップされる楽器の音を楽器の基準音と比較するステップは、いくつかの方法で行うことができる。各方法において、一方の音を他方の音に一致させるために、熟練した音響技術者またはこれと同等の訓練を受けた者が2つの音を比較して、フィルタ、イコライザなどを調整することが望ましい。音響工学の分野においては、熟練した技術者または音響技師は少なくとも現在入手できる音響テスト設備と同じ程度に類似音の音響シグナチャーを聞き分けることができることは、よく知られている。下記の「音響技術者用ハンドブック−新音響百科事典」第二版、Glen Ballou編(1991年、H.W.Sams and Co.,Div. Of Macmillan, Carnel IN)の記事からの抜粋は、このことを明らかにしている、
(253ページ)F. Miller、「所有する最良のテスト設備は自身の耳と優れた判断力である」
(501ページ)C. Hendrickson、「一部のユーザーまたは音響設備の評価者は、実際、音楽または音声信号を入力とするラウドスピーカの音質を聴くだけで判断を下すことができる。これは、実際、学習可能な技術及び領域である」
(1408ページ)D. & C. Davis、「入手可能なもっとも高度なアナライザすなわち訓練された耳−脳神経系を使いながらオーディエンス・エリアを歩くと、最良のエリアと最悪のエリアが決まる。次に、基準に使うために最良のエリアで(設備を使って)測定し、修正のために最悪のエリアで測定する。技術者があるシチュエーションに対して測定マイクロフォンをどの位置に配置するかを見ていれば、彼の履歴書より事を明らかにする」
ここでは、分析及び/又は設計例は、人間のオペレータ/技師のために記述されているが、分析及び設計の両方に、コンピュータ又はその他の機械を援用することができる。このような機械は、直接人間が関与することなく分析及び/又は設計を達成することもできる。例えば、本明細書によると、訓練された技師がそれを行なう必要なく、このようなシステムの販売拠点で特定の個々の楽器(ここで述べられているような比較的一般的な楽器タイプではなく)に合わせて唯一のイコライザシステムを微調整するように機械を設計することができる。
比較ステップを最も単純に行う場合、第1のマイクロフォンによりモニター拡声器又はイヤホンのいずれかに対し送られた音響信号を、聴取場所にあるイコライザに常駐する音響技術者によって聴覚的に受けとられた音と直接的かつ同時に比較することができる。特定の音符又は和音を反復的に演奏する間、技術者は、イコライザを調整して、第1のマイクロフォンからの音を直接聞いた基準音と一致するようにする。
このような音を比較する方法の利点は、基準音が、電子形態へ及び電子形態からの変換により影響されていない、楽器から聴取場所まで伝送された真のアコースティックサウンドであるという点にある。しかしながら、この方法にもいくつかの欠点がある。これらの欠点としては、以下のものが含まれる。
2つの音を合わせて演奏した場合、それらは単一の組合さった音を生成し、かくして互いに影響し合い、そのため2つの同時音を比較し等化することはほぼ不可能である。それらは一度に一つずつ聴取されなくてはならず、このことはすなわち、聴取されている音と「覚えている」音と比較することを意味する。これは前後に往復する直接的比較よりもはるかに不精確である。
一部の利用分野については、楽器から聴取場所に送られた純粋なアコースティックサウンドと異なる基準音を提供することが望ましいかもしれない。ドラムセットの音及び或る種のボーカルスタイルの音は、電子的修正プロセスを組合せたマイクロフォンの設置が音楽的に受入れられた音標準である一般的な例である。
従って、2つの音を比較する好ましいやり方は、第2の基準マイクロフォンが聴取場所に設置されている状態で、楽器のアコースティックサウンドをピックアップすると同時に録音することである。完全な記録を得るためには、楽器は、代表的な音楽の抜粋に沿って、その全範囲を網羅する一連の音符及び和音を演奏されなくてはならない。このプロセス全体は、同じタイプの複数の楽器で反復され、個々の楽器の差が確実に考慮され、最終的設計パラメータ内で確実に機能するようにする。基準マイクロフォンの出力は、補償済みの基準音を作り出すように調整される従来のスタジオ品質のミキサー又はイコライザバンクの中を通過させることもできる。ここで、補償済みの基準音は、増幅器及びモニタースピーカー又はヘッドホンに供給されたときに、楽器の直接的未増幅サウンドと同一であるか、又は可能なかぎりそれに近いか、又異なる場合には一般的演奏において望まれる基準音に近い音響出力を生成するものである。第1のマイクロフォンのためのイコライザは、次に、第1のマイクロフォンからの音を基準音と適合したものにするべく、楽器の連続した演奏を通して調整され得る。
第1のマイクロフォンのためのイコライザの設定値は、このとき、最終ステップでカスタムメイドのイコライザを設計するためのデータを提供する。代替的には、第2のマイクロフォンのためのイコライザの初期設定値を書き留めた後、技師はそのイコライザを調整して基準音を第1のマイクロフォンからの音と適合させることができる。このとき第2のイコライザの設定値の変化は、本発明のカスタムメイドのイコライザを設計するためのデータを提供する。以下でさらに説明するように、この調整は、自動的にでも行なうことができる。
第2の基準マイクロフォンの使用も同様に、比較ステップのさらなる改善を可能にする。第1のマイクロフォンからの音及び基準音は両方共電子形態に変換されてしまっていることから、これらを、マルチチャンネルテープレコーダ(例えばADAT)の別々のトラック上に同時に記録することができる。これには2つの利点がある。第1に、テストデータ(音符、和音及び楽節)は1回しか演奏する必要がなく、その後、イコライザ制御機構に対し調整が行なわれるにつれて、テープから何度も同じ形で反復させることができる。こうして、確実に同じ音が毎回比較されていることになる。第2に、第1のマイクロフォンからの音及び基準音は、分離され逐次的に再生され得、そのため音を比較する作業ははるかに容易になる。音響周波数スペクトルのハイエンド又はローエンドを通して差異が比較的均等であるか否か又はそれらが単数又は複数の比較的狭い周波数範囲にあるか否かに応じて、適切なハイパス、ローパス、バンドパス又はノッチフィルタ回路を選択し組合せることができ、選択されたタイプの楽器用としてカスタムメイドするべき所望のイコライザを達成するため有能な技師が成分値を決定することができる。
図2A及び2Bは、サウンドホールに対し特殊クリップ(図示せず)により小型マイクロフォンアセンブリが取付けられたアコースティックギターに適用された場合の上述の設計プロセスの結果を示している。これらの図面のイコライザにおいては、入力利得回路60がハイパスフィルタ回路70に接続され、このハイパスフィルタ回路が今度は、並列の2つのバンド除去フィルタ回路110及び210に供給を行ない、これらの回路は最後に出力アンプ回路310に接続する。フィルタは、従来の一般的な標準的回路であることから、その動作についてのさらなる説明は全く不要である。
図3は、バスドラム用の、本発明の方法で設計されたカスタムメイドのイコライザのブロック図を示す、バスドラム上の選択された場所に取付けられたマイクロフォン(図示せず)からの出力は、16Hzから160Hzまでの調整可能なより低い周波数ロールオフをもつハイパスフィルタ32まで、プリアンプ(図示せず)を通して供給されることになる。この回路は、このタイプのドラムからの音の強い低周波数成分をカットオフできるようにする。そなければ増幅器システムを飽和させることになり得る。ハイパスフィルタ32から、信号は(10KHzで低周波数ロールオフをもつ)ハイパスフィルタ33、(160Hzと12KHzの間で調整可能な低周波数ロールオフをもつ)ハイパスフィルタ34、そして(31.5〜500Hzの範囲の調整可能な高周波数ロールオフをもつ)ローパスフィルタ35を通過する。「DRY」とラベル付けされたブロック36は、もとの音との比較を可能にするためのフィルタ33−35のまわりの選択可能なバイパス経路を示す。
図4は、スネアドラムのためにカスタムメイドされたイコライザのブロック図である。このイコライザは同様に、(160Hzと16Hzの間の調整可能な低周波数ロールオフを伴う)ハイパスフィルタ43及び(40〜2KHzの間に調整可能な低周波数ロールオフをもつ)ローパスフィルタ44へと導く調整可能な低周波数フィルタを伴うハイパスフィルタ42を有している。図3のバスドラムイコライザの場合と同様に、バイパス「DRY」経路45が存在する。
図5は、タムタムのためのカスタムメイドイコライザを例示している。これはハイパスフィルタ53(3.15KHzでの固定低周波数ロールオフをもつ)及びローパスフィルタ54(40Hzと2KHzの間の調整可能な高周波数ロールオフをもつ)及びを有する単純な回路である。前述のドラムイコライザの場合と同様、バイパス「DRY」経路55が存在する。
特定のタイプのアコースティック楽器のためにカスタムメイドされたイコライザの前述の例は、この楽器に近接して設置された又は直接取付けられたマイクロフォンと組合わされたとき、これらの楽器の高忠実度音響再生を提供するための本発明の単純ひいては安価な解決法を実証する。
カスタムメイドされたイコライザシステムがもつさらなる利点は、望ましくない音の除去の大幅な増大という点にあり、これはマイクロフォンの指向性特性が急激に増加することと機能的に等価である。同様に、この増大は、音に対し付加的な着色(coloration)(不精確さ)を加えることなく達成される。この着色は、指向性マイクロフォンにとって、特にマイクロフォンの指向性が極度に高い場合、非常に一般的なものである。これは、指向性マイクロフォンが、非常に複雑で予測不可能である位相キャンセルを用いて動作しているからである。「軸外」応答(望ましくない方向からの音)は特に厄介である。本発明の1実施形態に従ったカスタムメイドのフィルタ要素の配置は、通常可能であるよりもはるかに楽器に近いスポットから自然な音を生成できるようにする。このため、距離とエネルギーの間の逆二乗関係によって、指向性マイクロフォンが位相キャンセルにより実現する不要な音に対する必要な音の比率を著しく増加する。この増加は、付加的な位相キャンセルが全く無い状態で発生し、従ってマイクロフォンが使用されている時つねに起こる着色は一定にとどまる。
本発明の方法のさらなる利点は、それが、これまで実現不可能であった状況下での無指向性マイクロフォンの使用を可能にするという点にある。無指向性マイクロフォンが類似の品質の指向性マイクロフォンに比べて本質的に小さく、より精確でかつ製造し易いことから、これは有利なことである。無指向性マイクロフォンを用いる場合でさえ、本発明の方法により提供された除去量は数多くの状況下で、より一層指向性の高いマイクロフォンにより提供されるものと同等である。又はそれ以上である。無指向性マイクロフォンは本質的により自然に聞こえ、(位相キャンセル無し)、かつ著しく小さくすることができる(無指向性マイクロフォンは、指向性マイクロフォンが所望のキャンセルを提供するために使用するハウジングを必要としない)ため、システムは、無指向性マイクロフォンで以下のような有利な効果を有する。
1− システムは、マイクロフォンを楽器に対しより近く設置できるようにする。
2− 該設置により、望ましくない音の除去は増大する。
3− 望ましくない音の除去の増大は、指向性マイクロフォンのニーズを減らすか又は無くし、かくして無指向性マイクロフォンの使用を可能にする。
4− 無指向性マイクロフォンは、指向性マイクロフォンより小さく作ることができ、楽器に対しさらに近く設置できることになる。
5− 新しい設置は、望ましくない音の除去のさらなる増大を提供する。
同様に、非常に近接した範囲で、無指向性マイクロフォンは、単一指向性マイクロフォンに比べてより精確なアコースティックシグネチュアをピックアップする確率が高い(これは、無指向性マイクロフォンが近距離で楽器をより良く「理解する」からである)、マイクロフォンを楽器に対しより近く設置できることから、本発明のカスタムメイドの等化システムを伴う無指向性マイクロフォンの信号対雑音比は、楽器から遠く離れて設置されたマイクロフォンよりも高い。
本発明の方法を自動的に達成するシステム(特にデジタル式のもの)を構築することが可能である。必要とされるハードウェアは、特定の楽器さらには楽器タイプに特定的ではない(マイクロフォン及び取付け機構を除く)。この方法の実施形態には、次のステップが含まれる。
1− 2台のマイクロフォンを設置する(Mic1=楽器の上又は近くのシステムマイクロフォン、Mic2=前述の通りの基準場所にある基準マイクロフォン)。
2− 楽器の基準音を演奏する。
3− プロセッサに、両方のマイクロフォンからの信号を(例えば高速フーリエ変換を介して)比較させる。
4− プロセッサに、デジタルフィルタアルゴリズム(例えばFIR)を新規作成させてMic1信号をMic2信号と整合させ、該アルゴリズムを記憶させる。
5− 異なる基準音でステップ2、3及び4を反復する(そして各アルゴリズムを記憶する)。
6− プロセッサに、アルゴリズムを最終アルゴリズム(例えばFIR)へと「平均化」させる。
7− 最終アルゴリズムを、デジタル信号プロセッサ(DSP)といったような実時間プロセッサに適用する。
以上のステップは、特定の個々の楽器に適用可能である。ユーザーがこれを行なう必要性をなくすため、同じタイプの複数の異なる楽器(例えば複数のバイオリン)を用い、ステップ1〜7を反復して、複数の平均化されたアルゴリズムの結果を(ステップ6で)記憶することができる。複数のアルゴリズムの結果を、複合最終アルゴリズムへと「平均化」することができ、特定の楽器に該システムをカスタマイズするのに必要な努力に関心のないユーザーはこれを規格品として(「オフザシェルフ」で使用することができる。該方法の実験時バージョンによって決定されたものと同じ数及び範囲の制御機構を提供することが有用であることから、これらの制御機構はユーザーが好みに合わせていずれかのバージョンを同調させることができるようにすることになる。これらのアルゴリズムをランさせるのに必要とされるハードウェアは、特定の楽器さらには楽器タイプに特定的なものではない(マイクロフォン及び取付け機構以外)。必要なことは、最も手動的な同調制御機構(例えばデータホイールであるノブなど)を必要としうる楽器のために充分な制御機構が存在するということだけである。かくして、異なる楽器及び楽器タイプのためのさまざまなソフトウェア(例えばプログラム、データセットなど)、さらには楽器又は楽器タイプのための異なる基準音を、適切な媒体(ROM、デイスケットなど)上で供給することができる。本発明の上述のシステムは、アルゴリズムが上述のステップの中にある通りに導出されたか又は本明細書の他の方法を用いて導出されるフィルタ要素を模倣するべく1つのアルゴリズムが(別途)新規作成されるかとは無関係に、方法を実現するものである。
結果の精度及び使用の容易さの両方にとって、バンドパスフィルタ又はバンド除去フィルタの両方の2つの側面を別々に調整できることが有利である。これは数多くの状況において、バンドパス又はバンド除去フィルタの2つの「側面」の設置について行なう選択が独立したものであるからである。
例えば、音響作品内のバンドパスフィルタの場合、低周波数音(例えばハム)の除去を開始することを選択した場合と、高周波数音(例えばヒス)の除去を開始したい場合とは全く無関係である。単一パラメータのバンドパスフィルタは必要とされる形状を作り出す一方で、あらゆる単一の制御機構が両側面に効果を発揮させることになる、一方の制御機構における変化をもう一方の制御機構内での同時の適切な変化で相殺することによってのみ、セットされた一方の側面は定常にとどまることになり、従ってもう一方の側面は独立して調整可能である。実際には、これは不可能である。一部の入手可能なイコライザは、直列で別々のローパスフィルタとハイパスフィルタを提供することによってこれを可能にする。図6は、直列のローパスとハイパスの標準的な組合せがいかにしてバンドパス転送機能を生み出すかを示している。
標準的には、フィードバックリンギングといったような比較的狭い範囲又は単一の周波数を無くするために、バンド除去フィルタが用いられる。それは、広く浅い範囲を低減させるためにも用いられる。大部分のケースにおいて、該除去は概念的に中心周波数のまわりに置かれる。しかしながら、大量のミッドレンジ周波数が除去される場合には、1つの禁止帯域ではなくむしろ2つの通過帯域を考慮することが望ましい。一例としては、大きく2つの部分から成る音をもつスネアドラムが挙げられる。第1の部分は1KHz未満近辺のかなり低いスキン・アンド・シェル共鳴(スネアが「オフ」状態のドラムの音)であり、第2の部分は、ボトムスキンに対してビリツキを生じるメタルスネアのおそらくは4KHzより高いハイエンドである。これら2つの独立した帯域パラメトリックバンド除去フィルタ下で同調させようとすると、上述のバンドパスフィルタの場合と同じ相互依存性の問題が生じる。この場合、1つの信号を整形する上で、別々の高及び低周波数制御機構がより有用である。図7は、容易に制御されるノッチ機能を作り出すためにいかにしてローパス及びハイパスを並列で用いることができるかを示している。
この配置がもつ付加的な利点は、別々の利得制御機構を各々のフィルタに付加でき、かくしてハイパス及びローパスバンドのバランスを変動させることができるようになっている、という点にある。図8は、ハイエンドのスネアービリツキサウンドをより多く強調するようにスネアドラムと同調させた状況を示している。これは、パラメトリックイコライザではきわめて困難であるか又は不可能である。
ここで図4に戻ると、スネアドラムのために設計されたフィルタ内でのこの配置の一例を含むブロック図が示されている。要素43は、音量制御機構を伴う同調可能なハイパスフィルタである。それは、同調可能なローパスフィルタ44(別々の音量制御機構は示されていない)と直列に示されている。このための概略図は、単純な模範的回路の組合せでありかくしてここで詳細には示さない。これは、2つの別々のチャンネルに原信号を送り次にチャンネル1上の同調可能なハイパスフィルタ、チャンネル2上の同調可能なローパスフィルタを使用し、次に結果を混合することにより、一部のミキシングコンソール上で模倣され得る。これは非常にわずらわしいプロセスであり、ユーザーが試行しようとするにはまずアコースティック信号の性質を充分に理解することが必要となる。本発明の1実施形態に従うと、この回路は、これらの問題のいずれかを予め理解する必要なく、これらのより優れた結果を得るべくユーザーに教示する。
確かに一部のデジタルイコライザ(特に高度なコンピュータプログラム及びシンセサイザー・ワークステーション上の)は、フィルタ又はフィルタ組合せの事実上全ての形状の「ドローイング」を可能にする。しかしながら、これらは、任意の状況についての要素の任意の適切な組合せ及び制御の使用を「教示」せず、かくしてここで達成されているものを特定的に暗示していない。この発明のデジタル的な実施においては、いかなる状況が要求されようともユーザーに対する「プリセットされたもの」の一部として、適切な制御パラメータと共にこの特殊なフィルタ組合せを利用することが可能となる。
上述のように、本発明のさらなる利点は、本発明により可能となった近接マイク設定によって得られる信号対雑音比の大幅な増大にある。電気機器(マイクロフォン、増幅器、イコライザなど)の雑音レベル(固有雑音)は一定である。該方法は、その他の方法に比べ音源により近いところにマイクロフォンを設置できるようにするため、コンポーネントの雑音が一定にとどまる一方で信号レベルは顕著に高くなる。これは、大幅に改善された信号対雑音比を生み出す。特に、それによって、その他の方法を用いて通常許容されるものよりも、はるかに高い雑音レベルをもち得るマイクロフォン及び付随するマイクロフォンプリアンプ(及びその他の付随する電子部品)の使用が可能となる。こうして、マイクロフォン自体をより小型にかつより低価格で作ることが可能となり(より低価格でかつ恐らくはマイクロフォンカプセル自体の中に内含させる必要のある電子部品は少なくなる)、本書で説明した全ての機器について仕様を比較的厳格でないものにすることができる。
本発明の1つの実施形態に従って設計されたイコライザ・システムの全体ブロック図である。 アコースティック・ギターに取付けられる小型マイクロフォン用イコライザの全体ブロック図である。 図2Aの回路の略図である。 本発明の1つの実施形態に従ってバス・ドラム用に設計されたイコライザ回路のブロック図である。 本発明の1つの実施形態に従ってスネア・ドラム用に設計されたイコライザ回路のブロック図である。 本発明の1つの実施形態に従ってタムタム用に設計されたイコライザ回路のブロック図である。 技術上既知の通りローパス・フィルタ及びハイパス・フィルタを直列に結合する方法を示す図式図である。 本発明の1つの実施形態に従ってローパス・フィルタ及びハイパス・フィルタを並列に結合する方法を示す図式図である。 ローパス・フィルタ及びハイパス・フィルタを並列に結合する本発明の第二の実施形態の図式図である。

Claims (25)

  1. 選択されたタイプのアコースティック楽器の音の高忠実度再生用システムを提供するための方法であって、
    (1)前記アコースティック楽器に近接する選択された場所に第1のマイクロフォンを設置するステップと、
    (2)前記アコースティック楽器から離隔した聴取場所に第2の基準マイクロフォンを位置づけするステップであって、前記第1および第2のマイクロフォンは、空気圧センサ、振動センサ、磁気センサ、光センサ及び熱センサのうちの少なくとも1つを含むステップと、
    (3)前記第1のマイクロフォンによりピックアップされる音を生成し、前記第2の基準マイクロフォンによりピックアップされる楽器の基準音を生成するべく、楽器を演奏するステップと、
    (4)それぞれの第1及び第2のマイクロフォンによってピックアップされる楽器の音の第1及び2の同時録音を行なうステップと、
    (5)録音間の音響差を決定するべく前記第1及び第2の録音を比較するステップと、
    (6)前記第1の録音と前記第2の録音の差を補償するために必要な範囲に制限された制御機構を有するフィルタを備える前記第1のマイクロフォンのためのイコライザを設計するステップと、
    を有する方法。
  2. 複数のアコースティック楽器の音の高忠実度再生用システムを提供するための方法であって、
    (1)前記複数のアコースティック楽器のうちの第1のものに近接した選択された場所に第1のマイクロフォンを設置するステップと、
    (2)前記アコースティック楽器のうちの第1のものから離れて選択された場所に第2のマイクロフォンを設置するステップであって、前記第1及び第2のマイクロフォンが、空気圧センサ、振動センサ、磁気センサ、光センサ及び熱センサのうちの少なくとも1つを有するステップと、
    (3)前記第1及び第2のマイクロフォンが直接ピックアップする音を生成するべく前記アコースティック楽器のうちの前記第1のものを演奏するステップと、
    (4)前記第1及び第2のマイクロフォンからの信号をプロセッサで比較するステップと、
    (5)前記第1のマイクロフォンからの信号前記第2のマイクロフォンからの信号整合させるべく前記プロセッサで前記第1のマイクロフォンのための第1のデジタルフィルタアルゴリズムを新規作成するステップと、
    を有する方法。
  3. 前記比較ステップが、コンピュータにより自動的に実施される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記楽器の内部キャビティへの少なくとも1つの開口部が少なくとも部分的に被覆されている、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記楽器の内部キャビティの少なくとも一部分が、楽器から発する音に影響を及ぼすように少なくとも部分的に、材料で充てんされているか又は被覆されているかの少なくとも1つの状態にある、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記カスタムメイドのイコライザで最適化されるべく前記楽器を設計すること及び構築することのうちのいずれか1つのステップをさらに有する、請求項1又は2に記載の方法。
  7. 選択されたタイプのアコースティック楽器の音の高忠実度再生用システムを提供するための方法であって、
    (1)空気圧センサ、振動センサ、磁気センサ、光センサ及び熱センサのうちの少なくとも1つを有する第1のマイクロフォンを、アコースティック楽器に近接する選択された場所に設置するステップと、
    (2)前記第1のマイクロフォンがピックアップする音を生成するように前記アコースティック楽器を演奏するステップと、
    (3)前記アコースティック楽器の基準音を演奏するステップと、
    (4)前記アコースティック楽器から直接得られる前記基準音と第1のマイクロフォンがピックアップする楽器の音とを比較するステップと、
    (5)前記第1のマイクロフォンがピックアップする音と前記アコースティック楽器から直接得られる前記基準音の間の差異を補償するために必要な範囲に制限された制御機構を有するフィルタを備える第1のマイクロフォンのためのイコライザを設計するステップと、
    を有し、
    前記設置ステップにおいて、前記第1のマイクロフォンがアコースティック楽器に取付けられている、方法。
  8. 前記第1のマイクロフォンがピックアップした音と前記楽器の基準音を比較するステップが、2つの音を直接聴取することによって行なわれる、請求項7に記載の方法。
  9. 選択されたタイプのアコースティック楽器の音の高忠実度再生用システムを提供するための方法であって、
    (1)空気圧センサ、振動センサ、磁気センサ、光センサ及び熱センサのうちの少なくとも1つを有する第1のマイクロフォンを、アコースティック楽器に近接する選択された場所に設置するステップと、
    (2)前記第1のマイクロフォンがピックアップする音を生成するように前記アコースティック楽器を演奏するステップと、
    (3)前記アコースティック楽器の基準音を演奏するステップと、
    (4)前記アコースティック楽器から直接得られる前記基準音と第1のマイクロフォンがピックアップする楽器の音とを比較するステップと、
    (5)前記第1のマイクロフォンがピックアップする音と前記アコースティック楽器から直接得られる前記基準音の間の差異を補償するために必要な範囲に制限された制御機構を有するフィルタを備える第1のマイクロフォンのためのイコライザを設計するステップと、
    を有し、
    前記ステップ(5)で設計されたイコライザの複数のセクションについて調整範囲を決定するべく同じタイプの異なる楽器を使用してステップ(1)〜(4)を反復するステップをさらに有する、方法。
  10. 前記設置ステップにおいて、前記第1のマイクロフォンがアコースティック楽器に取付けられている、請求項1に記載の方法。
  11. ステップ(2)における聴取場所が、その部位に位置づけされた時点で楽器の最適な音質を基準マイクロフォンがピックアップできるようにするのに充分な距離だけ楽器から離隔されている、請求項110のいずれか1項に記載の方法。
  12. ステップ(6)で設計されたイコライザの複数のセクションについて調整範囲を決定するべく同じタイプの異なる楽器を用いてステップ(1)〜(5)を反復するステップをさらに有する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記第1及び第2の録音を同時に行なう第4のステップが好ましくは、マルチトラック録音媒体の別々のトラック上で録音を行なうステップを有する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記第1及び第2の録音を比較する第5のステップが、前記第1及び第2の録音の音波波形を表示し分析するステップ、もう一方の波形に実質的に適合するように前記第1及び第2の波形のうちの一方を等化するステップ、及びステップ(6)で前記第1のマイクロフォンのための前記カスタムメイドのイコライザを設計するように等化値を使用するステップ、のうちの少なくとも1つを有する、請求項1に記載の方法。
  15. (6)ステップ(3)において異なる音でステップ(1)〜(5)を反復するステップをさらに有する、請求項2に記載の方法。
  16. (6)前記第2のデジタルファイルアルゴリズムを新規作成するべく前記アコースティック楽器のうちの第2のものについてステップ(1)〜(5)を反復するステップと、
    (7)前記第1及び第2のデジタルファイルアルゴリズムの結果を平均し、新しいデジタルアルゴリズムを新規作成するステップと、
    をさらに有する、請求項2に記載の方法。
  17. (8)前記アコースティック楽器のうちの第3のものに近接して設置された第3のマイクロフォンに対して前記平均化したデジタルファイルアルゴリズムを適用するステップをさらに有する、請求項16に記載の方法。
  18. 複数のアコースティック楽器の音の高忠実度電子再生用システムであって、
    前記アコースティック楽器のうちの少なくとも1つのものに近接して設置された第1のマイクロフォンと、
    前記アコースティック楽器のうちの前記第1のものから離れた選択された場所に設置された第2のマイクロフォンとを備え、前記第1及び第2のマイクロフォンが空気圧センサ、振動センサ、磁気センサ、光センサ及び熱センサのうちの少なくとも1つを有し、
    前記第1及び第2のマイクロフォンに結合され、前記第1及び第2のマイクロフォンからの信号を比較するように適合され、かつ前記第1及び第2のマイクロフォンからの信号を整合させるべく前記第1のマイクロフォンのデジタルファイルアルゴリズムを新規作成するように適合されたプロセッサと、
    を備えるシステム。
  19. 前記楽器の内部キャビティへの少なくとも1つの開口部が少なくとも部分的に被覆されている、請求項18に記載のシステム。
  20. 前記該楽器の内部キャビティの少なくとも一部分が、該楽器から発する音に影響を及ぼすように少なくとも部分的に、材料で充てんされているか又は被覆されているかの少なくとも1つの状態にある、請求項18に記載のシステム。
  21. 前記楽器の設計及び構築のうちの少なくとも1つがイコライザとの使用のため少なくとも部分的に最適化されている、請求項18に記載のシステム。
  22. アコースティック楽器の音の高忠実度の電子的再生用システムであって、
    予め選択されたタイプのアコースティック楽器に近接して設置され、空気圧センサ、振動センサ、磁気センサ、光センサ及び熱センサのうちの少なくとも1つを有するマイクロフォン要素と、
    前記マイクロフォン要素に結合された入力端を有し、かつ予め定められた最小数の電子フィルタ回路及び制御機構の特定の配置を有するイコライザであって、前記予め選択されたタイプのアコースティック楽器から直接得られる基準音と比較された、前記マイクロフォン要素に入力される前記予め選択されたタイプのアコースティック楽器音の前記マイクロフォン要素による前記電子的再生における差異を補償するため最適化された制御範囲を前記制御機構が有するイコライザとを備え、
    マイクロフォン要素がさらに、楽器上の予め選択された場所に取付けられる、システム。
  23. アコースティック楽器の音の高忠実度の電子的再生用システムであって、
    予め選択されたタイプのアコースティック楽器に近接して設置され、空気圧センサ、振動センサ、磁気センサ、光センサ及び熱センサのうちの少なくとも1つを有するマイクロフォン要素と、
    前記マイクロフォン要素に結合された入力端を有し、かつ予め定められた最小数の電子フィルタ回路及び制御機構の特定の配置を有するイコライザであって、前記予め選択されたタイプのアコースティック楽器から直接得られる基準音と比較された、前記マイクロフォン要素に入力される前記予め選択されたタイプのアコースティック楽器音の前記マイクロフォン要素による前記電子的再生における差異を補償するため最適化された制御範囲を前記制御機構が有するイコライザとを備え、
    前記イコライザが少なくとも1つのデジタルフィルタを備える、システム。
  24. 前記プロセッサが、前記アコースティック楽器の前記第1のものと、前記アコースティック楽器の第2のもののためにデジタルファイルアルゴリズムを平均化するようにさらに適合されている、請求項23に記載のシステム。
  25. 第3のタイプの前記アコースティック楽器に近接して設置された第3のマイクロフォンと、
    前記第3のマイクロフォンに結合され、前記デジタルフィルタアルゴリズムの結果を新しいデジタルアルゴリズムへと平均化し、前記第3のマイクロフォンからの信号に対して前記平均化されたデジタルファイルアルゴリズムを適用するように適合されたデジタル信号プロセッサと、
    をさらに有する、請求項23に記載のシステム。
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