JP4241652B2 - 光記録媒体の製造方法及びその装置 - Google Patents
光記録媒体の製造方法及びその装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4241652B2 JP4241652B2 JP2005077730A JP2005077730A JP4241652B2 JP 4241652 B2 JP4241652 B2 JP 4241652B2 JP 2005077730 A JP2005077730 A JP 2005077730A JP 2005077730 A JP2005077730 A JP 2005077730A JP 4241652 B2 JP4241652 B2 JP 4241652B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- recording medium
- optical recording
- dye
- coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
Description
図において、100は従来のスピンコート装置で、このスピンコート装置100は、色素塗布液付与装置11、スピナーヘッド装置13、飛散防止壁15、そして排気装置18から構成されている。
色素塗布液付与装置11は図示していない加圧タンクと吐出量調整用バルブから送液されるノズル12を備え、色素塗布液はこのノズル12を通してその所定量がディスク状基板1の表面上に滴下される。
スピナーヘッド装置13は、ノズル12の下方に配置されており、着脱可能な固定具14により、ディスク状基板1が水平に保持されると共に、駆動モータにより軸回転が可能とされている。スピナーヘッド装置13により水平に保持された状態で回転している基板1上に、ノズル12から滴下した色素塗布液は、基板1の表面上を外周側に流延する。そして余分の塗布液は基板の外周縁部で振り切られ、その外側に放出され、次いで塗膜が乾燥されることにより、基板表面上に塗膜が形成される。
飛散防止壁15は、基板1の外周縁部から外側に放出された余分の塗布液が周辺に飛散するのを防止するために設けられており、上部に開口16が形成されるようにスピナーヘッド装置13の周囲に配置されている。なお、飛散防止壁を介して集められた余分の塗布液はドレイン17を通して回収されるようになっている。
排気装置18は上記飛散防止壁の上方に形成された開口16から取り入れた空気を基板表面上に流通させた後、スピナーヘッド装置13の下方から排気できるようにされており、排気量調節弁及び排気ファン19を含み、排気量の調整によって塗膜の乾燥条件を変更することができる。
そこで、本出願人はできるだけ色素塗布液を少なくしてスピン塗布を行なう実験を繰り返したところ、色素塗布液を少なくすると色素塗布液が基板に着き難くなるという現象が生じることに気がついた。
この濡れ性低下は大量の色素塗布液を用いて基板にスピン塗布を行なっていた従来方法では全く考えられない現象であり、少ない色素塗布液でスピン塗布を行うに至って初めて生じた現象である。
また、スピン塗布の初期にのみ荷電するようにして、スピンコーティング時には既に徐電していることを特徴としている。
このように色素塗布液に電荷を付与することで最初の液滴の基板への塗りつき性が改善され、さらに塗りつく初期に一定範囲の電圧をかけていることで、塗布ムラも抑制できる。また、スピンコーティング時には徐電していることで帯電による塗布ムラも抑制できる。
図において、10は本発明のスピンコート装置で、このスピンコート装置10は、従来装置と同じく、色素塗布液付与装置11、スピナーヘッド装置13、飛散防止壁15、そして排気装置18から構成され、さらに本発明により、(1)吐出ノズル12に0.5kV〜5.0kV(又は−0.5kV〜−5.0kV)の範囲内の所定電位を印加していること、(2)テーブル14aがアースされていること、(3)基板1の表面へイオン風を吹き付けるイオン風発生器40を備えたこと、の3点が加えられている。
色素塗布液付与装置11、スピナーヘッド装置13、飛散防止壁15、そして排気装置18については、従来装置で説明したので重複説明は省略する。
ディスク(円盤状透明樹脂基板、以後「基板」)1を図1のスピナーヘッド装置の固定具14のテーブル14aにより水平に保持し、テーブル14aはゆっくり(低速度で)回転し始める(図2(a))。所定の低速回転になったら(時点t1)、色素塗布液が吐出ノズル12を通して基板1上の内周側に滴下される。このとき、本発明により塗布液付与装置11のノズル12には、0.5kV〜5.0kV(又は−0.5kV〜−5.0kV)の電位が印加されており、一方、基板を載置するテーブルは本発明によりアース電位に落とされているので、ノズル12から吐出した色素塗布液は電荷が帯電した状態で空中を飛翔することとなり、帯電状態の色素塗布液の液滴は基板1との間の大きな電位差によって基板1への吸引力が働き、勢いよく基板1に衝突する。この衝突によって液滴の表面被膜が破れて基板1に確実に着弾することができることとなる。最初の液滴が基板に確実にくっついてしまえば、後続の液滴は同じ液同士の付着力により最初の液滴の上や周囲に容易にくっつくことができるようになるので、その後は少量の色素塗布液であっても確実に基板に塗り着くことができる。
低速回転時(t1−t2)に塗布液が塗布された基板部位の単位面積当たりの荷電値は、塗布液が荷電されているので高電荷量(クーロン)を呈するが、高速回転(t2−t5)になると、同じ量の塗布液が広範囲に拡散されるので単位面積当たりの荷電値は激減する。これに加えて、基板表面に本発明により除電イオンが送られて中和されるので、単位当たりの荷電量は限りなく0に近づく。
このように、基板1上に滴下された塗布液は、スピナーヘッド装置13の高速回転により基板表面上を外周方向に流延し、そのとき基板1の表面は既に除電されているので、塗膜ムラは生じなくなり、均一な塗布膜を形成しながら基板の外周縁部に到達することとなる。
この除電器40は交流コロナ放電によって正負両極性イオンを発生させるバータイプの除電器であり、円筒状の絶縁体41と、円筒状絶縁体41の内部に収納されている導線42と、円筒状絶縁体41上に一列に並べて設けられた複数の針端電極43と、円筒状絶縁体41をその両端において支持する絶縁物からなる一対のフランジ44と、一対のフランジ44を連結している導電体からなる接地アングル45とを備えている。導線42と針端電極43とは絶縁体41を介して電気的に絶縁されている。また、接地アングル45はアースされている。
この除電器40の使用時には、導線42と針端電極43には交流電源から交流高電圧が加えられることによって、針端電極43に交流コロナ放電が起こり、針端電極43から正負両極性のイオンが発生する。このイオンを基板に与えることで電荷を電気的に中和させることができ、基板の電荷を中和して除去することにより、塗布ムラが発生しなくなる。
基板材料としては、例えば、ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独または二種以上を適宜併用することができる。好ましくは、2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤である。なお、塗布液中には、所望により退色防止剤や結合剤を添加してもよいし、更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、そして潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
実施例1〜4は次のように行った。
〈実施例1〉
実施例1として、スピンコートにて0.8cc/枚という僅かな量を塗布し、塗布初期に0.5kVの電圧をノズルに対して付与し、初期(一次)回転の低速時は500rpm、除電風(イオン風)を付与しながら高速時の二次回転は3000rpmに加速させた。
〈実施例2〉
実施例2は、スピンコートにて1.5cc/枚塗布し、塗布初期の電圧を実施例1よりも1桁増加して5kVの電圧をノズルに対して付与し、初期回転は700rpm、除電風(イオン風)を付与しながら2800rpmに加速させた。
〈実施例3〉
実施例3は、スピンコートにて1.5cc/枚塗布し、実施例1とは逆に負の電圧−0.5kVをノズルに対して塗布初期に付与した。初期回転は700rpm、除電風(イオン風)を付与しながら2500rpmに加速させた。
〈実施例4〉
実施例4は、実施例1と同じ僅かな量の0.8cc/枚をスピンコートにて塗布し、塗布初期に実施例1と同じ高電圧で、しかも実施例3と同じ負電圧を−5kVの電圧をノズルに対して付与した。初期回転は500rpm、除電風(イオン風)を付与しながら2800rpmに加速させた。
〈比較例1〉
比較例1は、実施例1と同じことを同じ条件で行い、もちろん除電風による除電も行った。ただし、実施例1とは異なって、ノズルに電位は付与しなかった。
〈比較例2〉
比較例2は、実施例1と同じことを同じ条件で行い、もちろん3kVの電圧をノズルに対して付与した。ただし、実施例1とは異なって、除電は行わなかった。
〈比較例3〉
比較例3は、実施例1と同じことを同じ条件で行い、除電も行ったし、電圧もノズルに対して付与した。ただし、ノズルに対して与える電圧を実施例1の.5Vでも、実施例2の5.0Vでもなく、もっと大きな6.0kVと過大電圧にした点が実施例と異なる。
実験結果は表1のようになった。
実施例1〜4では、いずれも帯電ムラがなく、塗りつきも良好であり、総合判定はOKであった。
一方、比較例1については、実施例1〜4および比較例2と3ではすべてノズルに電位を付与していたので塗りつきは良好であったが、ノズルに電位を付与しなかった比較例1だけが塗りつき不良となった。
除電風(イオン風)を付与しなかった比較例2では、帯電ムラが発生した。
また、6kVといった過大電圧をノズルに対して付与した比較例3では、帯電ムラが発生した。
上記実験結果から判ったことは、まず、±0.5kV(実施例1、3)〜±5.0kVの電圧(実施例2、4)を一次回転中にかけることで塗布性が改善されるということである。これによって塗布時のエア同伴を抑制するために静電気力を用いることで0.8gといった少量でも塗布が可能となる(実施例1、4)ことが判った。このように電圧をかけないと塗りつきが良くない(比較例1)が、逆にかけすぎる(比較例3)と(塗りつきは良くなるものの)、次の除電効果が及ばずに帯電ムラが生じてしまうので、上限値は±5.0kVの電圧(実施例2、4)であることも判った。
荷電はあくまでもノズル側であって、基板の帯電はできるだけ抑制するのがよく、したがってスピン前に除電風(イオン風)を付与して帯電除去をするのが良く、除電しないと除電ムラがでてしまう(比較例2)ことが裏付けられた。
10 本発明のスピンコート装置
11 色素塗布液付与装置
12 吐出ノズル
13 スピナーヘッド装置
14 固定具
14a テーブル
15 飛散防止壁
18 排気装置
40 イオン風発生器(除電器)
41 円筒状絶縁体
42 導線
43 針端電極
44 フランジ
45 接地アングル
Claims (8)
- 吐出ノズルから被塗布基板上に色素塗布液を吐出し、スピンコートで前記色素塗布液を前記基板上に拡げて色素記録層を形成する塗布工程を有する光記録媒体の製造方法において、前記吐出ノズルから吐出する前記色素塗布液に帯電圧を与えたことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
- 前記帯電圧が0.5kV〜5.0kV、又は−0.5kV〜−5.0kVであることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体の製造方法。
- 前記吐出ノズルに前記帯電圧を印加したことを特徴とする請求項2記載の光記録媒体の製造方法。
- スピンの回転数を低速回転の第一の段階と高速回転の第二の段階の複数設定とし、前記第一の段階から前記第二の段階に移る際に前記基板に対して除電を行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光記録媒体の製造方法。
- 前記徐電は前記基板表面へイオン風を吹き付けることにより行うことを特徴とする請求項4記載の光記録媒体の製造方法。
- 色素塗布液を被塗布基板の塗布面に吐出する吐出ノズルと、前記被塗布基板を載置するテーブルとを備えた光記録媒体の製造装置において、
前記吐出ノズルに0.5kV〜5.0kV、又は−0.5kV〜−5.0kVの範囲内の所定電位が印加されていることを特徴とする光記録媒体の製造装置。 - 前記テーブルがアースされていることを特徴とする請求項6記載の光記録媒体の製造装置。
- 前記基板表面へイオン風を吹き付けるイオン風発生器を備えたことを特徴とする請求項6又は7記載の光記録媒体の製造装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005077730A JP4241652B2 (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | 光記録媒体の製造方法及びその装置 |
TW095108891A TW200639858A (en) | 2005-03-17 | 2006-03-16 | Optical recording media and producing method thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005077730A JP4241652B2 (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | 光記録媒体の製造方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006260691A JP2006260691A (ja) | 2006-09-28 |
JP4241652B2 true JP4241652B2 (ja) | 2009-03-18 |
Family
ID=37099743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005077730A Expired - Fee Related JP4241652B2 (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | 光記録媒体の製造方法及びその装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4241652B2 (ja) |
TW (1) | TW200639858A (ja) |
-
2005
- 2005-03-17 JP JP2005077730A patent/JP4241652B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2006
- 2006-03-16 TW TW095108891A patent/TW200639858A/zh unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW200639858A (en) | 2006-11-16 |
JP2006260691A (ja) | 2006-09-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7303633B2 (en) | Apparatus for producing optical information recording medium | |
JP4241652B2 (ja) | 光記録媒体の製造方法及びその装置 | |
JP3840355B2 (ja) | 光情報記録媒体の製造方法 | |
US6821459B1 (en) | Information-recording medium and method for producing the same | |
JP3987651B2 (ja) | 光情報記録媒体の製造方法 | |
JP3698919B2 (ja) | 光情報記録媒体の製造方法及び色素系光ディスクの色素塗布方法 | |
EP0920920B1 (en) | Spin-coating apparatus for preparing optical discs | |
JP2671141B2 (ja) | 情報記録媒体およびその製造方法 | |
JP2001184732A (ja) | 光情報記録媒体の製造方法 | |
JP2663009B2 (ja) | 情報記録媒体およびその製造方法 | |
JP2000339783A (ja) | 光ディスクの円盤状基板表面の塗布膜の形成方法 | |
JP3844884B2 (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP3718076B2 (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP2000315339A (ja) | 記録媒体の製造方法 | |
JP2000315337A (ja) | 記録媒体の製造方法 | |
JPH1133469A (ja) | スピンコート装置 | |
JP2769912B2 (ja) | 情報記録媒体及びその製造方法 | |
JP4226706B2 (ja) | 光ディスク用集積器 | |
JP3735474B2 (ja) | 情報記録媒体の製造方法 | |
JP2000070824A (ja) | 光情報記録媒体製造用塗布液の再生方法、再生塗布液、およびこの再生塗布液を利用した光情報記録媒体の製造方法 | |
JP3665687B2 (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP2001110099A (ja) | 情報記録媒体の製造方法 | |
JP2002032937A (ja) | 光情報記録媒体及びその製造方法 | |
JP2006323914A (ja) | 光情報記録媒体の製造方法及び光情報記録媒体 | |
JP2001110100A (ja) | 情報記録媒体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20061127 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070305 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071108 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071115 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20071122 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081126 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081203 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081222 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |