JP4241652B2 - 光記録媒体の製造方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スピン塗布による光記録媒体(光ディスク)の製造に関し、特に色素等の低粘度液を少量基板に塗布するスピンコートに関する。
従来から、レーザー光により情報の記録が可能な光記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクの1つに追記型CD(所謂CD−R)があり、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる色素記録層、金等の金属からなる反射層、さらに樹脂製の保護層(カバー層)がこの順に積層したものである。
そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行われ、色素記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)によりその部分の光学的特性が変化することにより情報が記録される。
一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光をCD−Rに照射することにより行われ、色素記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化していない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
近年、記録密度のより高い光記録媒体が求められている。このような要望に対して、追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rの半分以下(0.74〜0.8μm)という狭い溝幅で形成された透明な円盤状基板上に、通常、有機色素を含有する色素記録層、反射層、および保護層をこの順に積層したディスク2枚を色素記録層を内側にして貼り合わせた構造、あるいはこのディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを色素記録層を内側にして貼り合わせた構造を有している。そして、このDVD−Rへの情報の記録および再生は、可視レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することにより行われており、CD−Rより高密度の記録が可能である。
光ディスクへの色素記録層は、従来から知られているように、スピンコート法で行われている。これは回転している基板の内周側に塗布液を滴下し、遠心力により該塗布液を外周側に流延させて塗膜を形成させると共に、その余分の塗布液を基板の外周縁部から振り切り、その周囲に放出させ、次いで、塗膜から溶媒を乾燥除去することからなる薄膜形成法である。
図4は従来のスピンコート装置の断面模式図を示すものである。
図において、100は従来のスピンコート装置で、このスピンコート装置100は、色素塗布液付与装置11、スピナーヘッド装置13、飛散防止壁15、そして排気装置18から構成されている。
色素塗布液付与装置11は図示していない加圧タンクと吐出量調整用バルブから送液されるノズル12を備え、色素塗布液はこのノズル12を通してその所定量がディスク状基板1の表面上に滴下される。
スピナーヘッド装置13は、ノズル12の下方に配置されており、着脱可能な固定具14により、ディスク状基板1が水平に保持されると共に、駆動モータにより軸回転が可能とされている。スピナーヘッド装置13により水平に保持された状態で回転している基板1上に、ノズル12から滴下した色素塗布液は、基板1の表面上を外周側に流延する。そして余分の塗布液は基板の外周縁部で振り切られ、その外側に放出され、次いで塗膜が乾燥されることにより、基板表面上に塗膜が形成される。
飛散防止壁15は、基板1の外周縁部から外側に放出された余分の塗布液が周辺に飛散するのを防止するために設けられており、上部に開口16が形成されるようにスピナーヘッド装置13の周囲に配置されている。なお、飛散防止壁を介して集められた余分の塗布液はドレイン17を通して回収されるようになっている。
排気装置18は上記飛散防止壁の上方に形成された開口16から取り入れた空気を基板表面上に流通させた後、スピナーヘッド装置13の下方から排気できるようにされており、排気量調節弁及び排気ファン19を含み、排気量の調整によって塗膜の乾燥条件を変更することができる。
このようなスピンコート装置100において、その色素記録層形成の際に生ずる塗布欠陥を低減し、低エラーレートの光記録媒体を製造できるようにするために、基板1の上に低い帯電圧を与える技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2003−217193号公報
特許文献1記載の発明は、色素記録層形成の際に生ずる塗布欠陥を低減し、低エラーレートの光記録媒体を製造できるようにするために、基板上に色素記録層を形成する色素記録層形成工程の直前における基板表面の帯電圧を−1kV〜+1kVに押さえるもので、その帯電圧は帯電防止剤の基板への添加や基板表面へイオン風を吹き付けることにより帯電を±1kV以下に押さえるようにしている。
ところで、その色素塗布液が高価であり、色素塗布液コストの低減、およびスピンによる剰余液回収時の負荷を減らすためにも、スピン塗布量を少なくする要求が出てきた。
そこで、本出願人はできるだけ色素塗布液を少なくしてスピン塗布を行なう実験を繰り返したところ、色素塗布液を少なくすると色素塗布液が基板に着き難くなるという現象が生じることに気がついた。
そこで、その理由を解明したところ、最初の液滴が基板に着地する際に、塗布液量が少ないために濡れ性が低下し、液滴のまま基板1の上を転ってしまうため、うまく基板1に塗り着かないのである、ということが判った。
この濡れ性低下は大量の色素塗布液を用いて基板にスピン塗布を行なっていた従来方法では全く考えられない現象であり、少ない色素塗布液でスピン塗布を行うに至って初めて生じた現象である。
本発明は以上の従来の問題点に鑑みてなされたものであり、少量の色素塗布液であっても確実に基板に塗り着くことのできる高塗りつき性の塗布方法およびその装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明は光記録媒体の製造方法に係り、吐出ノズルから被塗布基板上に色素塗布液を吐出し、スピンコートで前記色素塗布液を前記基板上に拡げて色素記録層を形成する塗布工程を有する光記録媒体の製造方法において、前記吐出ノズルから吐出する前記色素塗布液に帯電圧を与えたことを特徴としている。
請求項2記載の発明は請求項1記載の光記録媒体の製造方法において、前記帯電圧が0.5kV〜5.0kV、又は−0.5kV〜−5.0kVであることを特徴としている。
請求項3記載の発明は請求項2記載の光記録媒体の製造方法において、前記吐出ノズルに前記帯電圧を印加したことを特徴としている。
請求項4記載の発明は請求項1〜3のいずれか1項記載の光記録媒体の製造方法において、スピンの回転数を低速回転の第一の段階と高速回転の第二の段階の複数設定とし、前記第一の段階から前記第二の段階に移る際に前記基板に対して除電を行なうことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の光記録媒体の製造方法において、前記徐電を前記基板表面へイオン風を吹き付けることにより行うことを特徴としている。
請求項6記載の発明は光記録媒体の製造装置に係り、色素塗布液を被塗布基板の塗布面に吐出する吐出ノズルと、前記被塗布基板を載置するテーブルとを備えた光記録媒体の製造装置において、前記吐出ノズルに0.5kV〜5.0kV、又は−0.5kV〜−5.0kVの範囲内の所定電位が印加されていることを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の光記録媒体の製造装置において、前記テーブルがアースされていることを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載の光記録媒体の製造装置において、前記基板表面へイオン風を吹き付けるイオン風発生器を備えたことを特徴としている。
特許文献1記載の発明は色素をスピン塗布する際にムラを押さえるため、基板の帯電を低くするようにしているものであるが、一方、本発明は上記のように、スピン塗布するときの色素塗布液に0.5〜5.0kVの範囲の帯電をさせるものであり、かつ基板は帯電させないようにアースしているのが特許文献1との相違点である。
また、スピン塗布の初期にのみ荷電するようにして、スピンコーティング時には既に徐電していることを特徴としている。
このように色素塗布液に電荷を付与することで最初の液滴の基板への塗りつき性が改善され、さらに塗りつく初期に一定範囲の電圧をかけていることで、塗布ムラも抑制できる。また、スピンコーティング時には徐電していることで帯電による塗布ムラも抑制できる。
図1は本発明に係るスピンコート装置の断面模式図を示すものである。
図において、10は本発明のスピンコート装置で、このスピンコート装置10は、従来装置と同じく、色素塗布液付与装置11、スピナーヘッド装置13、飛散防止壁15、そして排気装置18から構成され、さらに本発明により、(1)吐出ノズル12に0.5kV〜5.0kV(又は−0.5kV〜−5.0kV)の範囲内の所定電位を印加していること、(2)テーブル14aがアースされていること、(3)基板1の表面へイオン風を吹き付けるイオン風発生器40を備えたこと、の3点が加えられている。
色素塗布液付与装置11、スピナーヘッド装置13、飛散防止壁15、そして排気装置18については、従来装置で説明したので重複説明は省略する。
次に、本発明のスピンコート装置10の動作について図2を用いて説明する。
ディスク(円盤状透明樹脂基板、以後「基板」)1を図1のスピナーヘッド装置の固定具14のテーブル14aにより水平に保持し、テーブル14aはゆっくり(低速度で)回転し始める(図2(a))。所定の低速回転になったら(時点t1)、色素塗布液が吐出ノズル12を通して基板1上の内周側に滴下される。このとき、本発明により塗布液付与装置11のノズル12には、0.5kV〜5.0kV(又は−0.5kV〜−5.0kV)の電位が印加されており、一方、基板を載置するテーブルは本発明によりアース電位に落とされているので、ノズル12から吐出した色素塗布液は電荷が帯電した状態で空中を飛翔することとなり、帯電状態の色素塗布液の液滴は基板1との間の大きな電位差によって基板1への吸引力が働き、勢いよく基板1に衝突する。この衝突によって液滴の表面被膜が破れて基板1に確実に着弾することができることとなる。最初の液滴が基板に確実にくっついてしまえば、後続の液滴は同じ液同士の付着力により最初の液滴の上や周囲に容易にくっつくことができるようになるので、その後は少量の色素塗布液であっても確実に基板に塗り着くことができる。
このようにして、低速回転中に色素塗布液が吐出ノズル12を通して基板1上の内周側に滴下され、基板1の内周側を1周分色素塗布液が吐出されたら(時刻t2)、吐出は終了し(図2(b))、次に駆動モータによってスピナーヘッド装置13は高速回転に移る(図2(a)のt2−t3)。これと同時に(図2(ca)のt2−t5)、基板1の表面に向けてイオン風を吹き付けることで、基板1の表面の除電を行なう。
図2(d)は、塗布液が塗布された基板の単位面積当たりの荷電量を示す線図である。
低速回転時(t1−t2)に塗布液が塗布された基板部位の単位面積当たりの荷電値は、塗布液が荷電されているので高電荷量(クーロン)を呈するが、高速回転(t2−t5)になると、同じ量の塗布液が広範囲に拡散されるので単位面積当たりの荷電値は激減する。これに加えて、基板表面に本発明により除電イオンが送られて中和されるので、単位当たりの荷電量は限りなく0に近づく。
このように、基板1上に滴下された塗布液は、スピナーヘッド装置13の高速回転により基板表面上を外周方向に流延し、そのとき基板1の表面は既に除電されているので、塗膜ムラは生じなくなり、均一な塗布膜を形成しながら基板の外周縁部に到達することとなる。
本発明によると、吐出ノズル12に所定電位を印加し、テーブル14aをアースすることで高塗りつき性の塗布が可能となり、高速回転時に基板1の表面の除電をすることで塗膜ムラが生じなくなり、均一な塗布膜が形成される。
図3は本発明で使用する除電器の一例を示す斜視図である。
この除電器40は交流コロナ放電によって正負両極性イオンを発生させるバータイプの除電器であり、円筒状の絶縁体41と、円筒状絶縁体41の内部に収納されている導線42と、円筒状絶縁体41上に一列に並べて設けられた複数の針端電極43と、円筒状絶縁体41をその両端において支持する絶縁物からなる一対のフランジ44と、一対のフランジ44を連結している導電体からなる接地アングル45とを備えている。導線42と針端電極43とは絶縁体41を介して電気的に絶縁されている。また、接地アングル45はアースされている。
この除電器40の使用時には、導線42と針端電極43には交流電源から交流高電圧が加えられることによって、針端電極43に交流コロナ放電が起こり、針端電極43から正負両極性のイオンが発生する。このイオンを基板に与えることで電荷を電気的に中和させることができ、基板の電荷を中和して除去することにより、塗布ムラが発生しなくなる。
光ディスクとしては、基板1上に本発明の方法で塗布形成される色素記録層、反射層、保護層がこの順に積層された構成の光ディスクが一般的である。
基板材料としては、例えば、ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
色素記録層に用いる色素は特に限定されない。使用可能な色素の例としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これらの色素のうちでは、シアニン色素、フタロシアニン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オキソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好ましい。
色素記録層を形成するための塗布液の溶剤の例としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独または二種以上を適宜併用することができる。好ましくは、2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤である。なお、塗布液中には、所望により退色防止剤や結合剤を添加してもよいし、更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、そして潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
退色防止剤の代表的な例としては、ニトロソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平2−300288号、同3−224793号、及び同4−146189号等の各公報に記載されている。
結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。結合剤を使用する場合に、結合剤の使用量は、色素100重量部に対して、一般に20重量部以下であり、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。
なお、色素記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法を利用して基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲、好ましくは0.01〜10μmの範囲で設けられる。
その後、色素記録層の上には特に情報の再生時における反射率の向上の目的で反射層が設けられる。反射層の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組み合わせて用いてもよい。または合金として用いてもよい。特に好ましくはAu、Agもしくはその合金である。反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10〜800nmの範囲、好ましくは20〜500nmの範囲、更に好ましくは50〜300nmの範囲で設けられる。
保護層は、色素記録層などを物理的および化学的に保護する目的で反射層の上に設けられる。保護層は、基板の色素記録層が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けることもできる。保護層で使用される材料としては、例えば、SiO、SiO2 、MgF2 、SnO2 、Si3 N4 等の無機物質、及び熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、そしてUV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上及び/または基板上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲で設けられる。
なお、上記の光ディスクの製造に際して、下塗層、あるいは保護層などの塗布型の層を形成する場合においても色素記録層と同様にして、本発明のスピンコート装置を用いることができる。
以下に本発明の実施例及び比較例を記載する。
実施例1〜4は次のように行った。
〈実施例1〉
実施例1として、スピンコートにて0.8cc/枚という僅かな量を塗布し、塗布初期に0.5kVの電圧をノズルに対して付与し、初期(一次)回転の低速時は500rpm、除電風(イオン風)を付与しながら高速時の二次回転は3000rpmに加速させた。
〈実施例2〉
実施例2は、スピンコートにて1.5cc/枚塗布し、塗布初期の電圧を実施例1よりも1桁増加して5kVの電圧をノズルに対して付与し、初期回転は700rpm、除電風(イオン風)を付与しながら2800rpmに加速させた。
〈実施例3〉
実施例3は、スピンコートにて1.5cc/枚塗布し、実施例1とは逆に負の電圧−0.5kVをノズルに対して塗布初期に付与した。初期回転は700rpm、除電風(イオン風)を付与しながら2500rpmに加速させた。
〈実施例4〉
実施例4は、実施例1と同じ僅かな量の0.8cc/枚をスピンコートにて塗布し、塗布初期に実施例1と同じ高電圧で、しかも実施例3と同じ負電圧を−5kVの電圧をノズルに対して付与した。初期回転は500rpm、除電風(イオン風)を付与しながら2800rpmに加速させた。
これに対して、比較例1〜3は次のように行った。
〈比較例1〉
比較例1は、実施例1と同じことを同じ条件で行い、もちろん除電風による除電も行った。ただし、実施例1とは異なって、ノズルに電位は付与しなかった。
〈比較例2〉
比較例2は、実施例1と同じことを同じ条件で行い、もちろん3kVの電圧をノズルに対して付与した。ただし、実施例1とは異なって、除電は行わなかった。
〈比較例3〉
比較例3は、実施例1と同じことを同じ条件で行い、除電も行ったし、電圧もノズルに対して付与した。ただし、ノズルに対して与える電圧を実施例1の.5Vでも、実施例2の5.0Vでもなく、もっと大きな6.0kVと過大電圧にした点が実施例と異なる。
実験結果は表1のようになった。
Figure 0004241652
〈実験結果〉
実施例1〜4では、いずれも帯電ムラがなく、塗りつきも良好であり、総合判定はOKであった。
一方、比較例1については、実施例1〜4および比較例2と3ではすべてノズルに電位を付与していたので塗りつきは良好であったが、ノズルに電位を付与しなかった比較例1だけが塗りつき不良となった。
除電風(イオン風)を付与しなかった比較例2では、帯電ムラが発生した。
また、6kVといった過大電圧をノズルに対して付与した比較例3では、帯電ムラが発生した。
〈実験結果から判ったこと〉
上記実験結果から判ったことは、まず、±0.5kV(実施例1、3)〜±5.0kVの電圧(実施例2、4)を一次回転中にかけることで塗布性が改善されるということである。これによって塗布時のエア同伴を抑制するために静電気力を用いることで0.8gといった少量でも塗布が可能となる(実施例1、4)ことが判った。このように電圧をかけないと塗りつきが良くない(比較例1)が、逆にかけすぎる(比較例3)と(塗りつきは良くなるものの)、次の除電効果が及ばずに帯電ムラが生じてしまうので、上限値は±5.0kVの電圧(実施例2、4)であることも判った。
荷電はあくまでもノズル側であって、基板の帯電はできるだけ抑制するのがよく、したがってスピン前に除電風(イオン風)を付与して帯電除去をするのが良く、除電しないと除電ムラがでてしまう(比較例2)ことが裏付けられた。
以上のことから、本発明により、少量の色素塗布液であっても確実に基板に塗り着くことのできる高塗りつき性の塗布方法およびその装置が得られた。
本発明に係るスピンコート装置の断面模式図を示すものである。 本発明のスピンコート装置の動作を説明する線図である。 本発明で使用する除電器の一例を示す斜視図である。 従来のスピンコート装置の断面模式図を示すものである。
符号の説明
1 基板
10 本発明のスピンコート装置
11 色素塗布液付与装置
12 吐出ノズル
13 スピナーヘッド装置
14 固定具
14a テーブル
15 飛散防止壁
18 排気装置
40 イオン風発生器(除電器)
41 円筒状絶縁体
42 導線
43 針端電極
44 フランジ
45 接地アングル

Claims (8)

  1. 吐出ノズルから被塗布基板上に色素塗布液を吐出し、スピンコートで前記色素塗布液を前記基板上に拡げて色素記録層を形成する塗布工程を有する光記録媒体の製造方法において、前記吐出ノズルから吐出する前記色素塗布液に帯電圧を与えたことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 前記帯電圧が0.5kV〜5.0kV、又は−0.5kV〜−5.0kVであることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体の製造方法。
  3. 前記吐出ノズルに前記帯電圧を印加したことを特徴とする請求項2記載の光記録媒体の製造方法。
  4. スピンの回転数を低速回転の第一の段階と高速回転の第二の段階の複数設定とし、前記第一の段階から前記第二の段階に移る際に前記基板に対して除電を行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光記録媒体の製造方法。
  5. 前記徐電は前記基板表面へイオン風を吹き付けることにより行うことを特徴とする請求項4記載の光記録媒体の製造方法。
  6. 色素塗布液を被塗布基板の塗布面に吐出する吐出ノズルと、前記被塗布基板を載置するテーブルとを備えた光記録媒体の製造装置において、
    前記吐出ノズルに0.5kV〜5.0kV、又は−0.5kV〜−5.0kVの範囲内の所定電位が印加されていることを特徴とする光記録媒体の製造装置。
  7. 前記テーブルがアースされていることを特徴とする請求項6記載の光記録媒体の製造装置。
  8. 前記基板表面へイオン風を吹き付けるイオン風発生器を備えたことを特徴とする請求項6又は7記載の光記録媒体の製造装置。
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