JP2002032937A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体及びその製造方法

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JP2002032937A
JP2002032937A JP2000214271A JP2000214271A JP2002032937A JP 2002032937 A JP2002032937 A JP 2002032937A JP 2000214271 A JP2000214271 A JP 2000214271A JP 2000214271 A JP2000214271 A JP 2000214271A JP 2002032937 A JP2002032937 A JP 2002032937A
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substrate
outer peripheral
cleaning
dye
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JP2000214271A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
Koichi Kawai
晃一 河合
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】洗浄により外周縁部の色素記録層を除去して外
周縁部に非記録領域を備えた色素記録層を形成する際
に、洗浄液の飛沫が飛散して色素記録層上へ付着するの
を防止し、非記録領域を効率良く洗浄して、保存安定性
及び記録再生特性に優れる光情報記録媒体を製造する。 【解決手段】円盤状樹脂基板の表面に色素記録層を塗布
し、外周縁部に洗浄液を吹き付けて、該外周縁部の色素
記録層を除去し、前記色素記録層上に反射層を形成し、
前記色素記録層が除去されて基板が露出された外周縁部
に洗浄液を吹き付けて洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体及
びその製造方法に関し、特に円盤状樹脂基板の外周縁部
に非記録領域を備えた光情報記録媒体とその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザ光により1回限りの情報の
記録が可能な追記型光情報記録媒体(光ディスク)はC
D−Rと称され、広く知られている。これらCD−R
は、射出成形等により基板上にピットを形成して情報を
記録していた従来のCDに比べて、少量のCDを手頃な
価格でしかも迅速に作製することができる、という利点
を有しており、最近のパーソナルコンピュータの普及に
伴ってその需要も増大している。このCD−R型の光情
報記録媒体の代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有
機色素からなる記録層、金などの金属からなる反射層、
さらに樹脂製の保護層をこの順に積層したものである。
そしてこの光ディスクへの情報の記録は、近赤外域のレ
ーザ光(通常は780nm付近の波長のレーザ光)を光
ディスクに照射することにより行われ、色素記録層の照
射部分がその光を吸収して局所的に発熱変形(例えば、
ピットなどの生成)することにより情報が記録される。
一方、情報の再生は、通常、記録用のレーザ光と同じ波
長のレーザ光を光ディスクに照射して、色素記録層が発
熱変形した部位(記録部分)と変形していない部位(未
記録部分)との反射率の違いを検出することにより行わ
れている。
【0003】また、最近では、CD−Rより高密度の記
録が可能な媒体として、追記型デジタル・ビデオ・ディ
スク(DVD−R)も実用化されている。このDVD−
Rは、通常、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記
録層、反射層、及び保護層をこの順に積層したディスク
2枚を記録層を内側にして貼り合わせた構造、あるいは
このディスクと同じ形状の円盤状保護基板を外側にして
貼り合わせた構造を有しており、透明な円盤状基板に
は、記録時に照射されるレーザ光をトラッキングするた
めの案内溝(プレグルーブ)が、CD−Rの半分以下
(0.74〜0.8μm)という狭い溝幅で形成されて
いる。
【0004】上記のCD−RやDVD−Rでは、外周縁
部は色素記録層が設けられていない非記録領域とされて
いる。これは色素記録層を反射層で覆うことにより外観
を良くし、保護層と基板とを直接接着して密着性を高め
るためである。色素記録層は色素溶液を基板表面にスピ
ンコートして乾燥することにより形成されるが、スピン
コータはその特性上、基板の内周側ではある程度限定し
た位置から塗布を開始することができるが、外周側の塗
布範囲を制御することは難しい。このため非記録領域
は、色素記録層を一度表面全面に形成し、外周縁部にあ
る色素記録層を洗浄液を吹き付けて除去することにより
形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、洗浄効
率を上げるため洗浄液を強く吹き付けると、図7(A)
に示すように、洗浄液の飛沫が飛散して色素記録層上に
付着し、記録や再生を行う場合に付着部分でエラーが発
生する、という問題があった。
【0006】一方、図7(B)に示すように、外周縁部
を残して色素溶液を基板表面にスピンコートして乾燥す
ることにより非記録領域を備えた色素記録層を予め形成
し、色素記録層上に反射層を形成した後に洗浄を行う場
合には、洗浄液の飛沫が飛散して色素記録層上へ付着す
るのを防止することができるが、上述の通りスピンコー
タの特性上外周側の塗布範囲を制御することは難しいの
で、本来基板と反射層とが密着する部分に色素記録層が
はみ出し、基板と反射層との密着性が悪くなる。このよ
うに基板と反射層との密着性が悪くなると、外部から色
素記録層内に水分や酸素が侵入し記録媒体の保存安定性
が低下する、という問題がある。
【0007】本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成さ
れたものであり、本発明の目的は、洗浄により外周縁部
の色素記録層を除去して外周縁部に非記録領域を備えた
色素記録層を形成する際に、洗浄液の飛沫が飛散して色
素記録層上へ付着するのを防止し、非記録領域を効率良
く洗浄して、保存安定性及び記録再生特性に優れる光情
報記録媒体を製造することができる光情報記録媒体の製
造方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、本発明の光情報記録
媒体の製造方法により製造された保存安定性及び記録再
生特性に優れる光情報記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、請求項1に記載の光情報記録媒体の製造方法は、円
盤状樹脂基板の表面に色素記録層を塗布し、外周縁部に
洗浄液を吹き付けて該外周縁部の色素記録層を除去し、
前記色素記録層上に反射層を形成し、前記色素記録層が
除去されて基板が露出された外周縁部に洗浄液を吹き付
けて洗浄して、光情報記録媒体を製造することを特徴と
する。
【0010】本発明の製造方法では、円盤状樹脂基板の
表面に色素記録層を塗布し、色素記録層に飛沫が付着し
ないように外周縁部に洗浄液を吹き付けて外周縁部の色
素記録層を除去するので、洗浄液の飛沫が飛散して色素
記録層上へ付着するのを防止することができ、記録再生
特性に優れる光情報記録媒体を製造することができる。
また、外周縁部の色素記録層を除去した後に色素記録層
上に反射層を形成し、反射層形成後に色素記録層が除去
されて基板が露出された外周縁部に洗浄液を吹き付けて
洗浄するので、非記録領域を効率良く洗浄することがで
き、保存安定性に優れる光情報記録媒体を製造すること
ができる。
【0011】請求項2に記載の光情報記録媒体は、請求
項1に記載の製造方法により製造された光情報記録媒体
であることを特徴とする。上述した通り、本発明の製造
方法により製造された光情報記録媒体は保存安定性及び
記録再生特性に優れている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
光情報記録媒体及びその製造方法の実施の形態について
詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の光情報記録媒体の製造方
法に使用する光ディスク製造用スピンコート装置の断面
模式図を示すものである。また、図2は、光ディスク製
造用スピンコート装置に備え付けられた洗浄装置21及
び洗浄排液回収装置24の拡大断面模式図を示すもので
ある。図1に示すように、スピンコート装置10は、塗
布液付与装置11、スピナーヘッド装置13、飛散防止
壁15、排気装置19、洗浄装置21、そして洗浄排液
回収装置24から構成されている。
【0014】塗布液付与装置11は加圧タンク(図示な
し)及び吐出量調整用バルブ(図示なし)を含むノズル
12からなり、塗布液はこのノズル12を通してその所
定量が円盤状樹脂基板1の表面上に滴下されるようにな
っている。なお、この塗布液付与装置11はハンドリン
グ機構(図示なし)により、待機位置から基板1の上方
の所定の位置に移動できるように構成されている。スピ
ナーヘッド装置13は、上記塗布液付与装置11の下方
に配置されており、着脱可能な固定具14により、基板
1が水平に保持されると共に、駆動モータ(図示なし)
により軸回転が可能とされている。スピナーヘッドによ
り水平に保持された状態の基板1上に、上記の塗布液付
与装置11のノズル12から滴下した塗布液は、基板の
回転によって基板表面上を外周側に塗膜を形成しながら
流延する。そして余分の塗布液は基板の外周縁部で振り
切られ、その外側に放出され、次いで塗膜が乾燥される
ことにより、基板表面上に塗膜が形成される。飛散防止
壁15は、基板の外周縁部から外側に放出された余分の
塗布液(塗布排液)が周辺に飛散するのを防止するため
に設けられており、上部には開口16が形成されるよう
にスピナーヘッド装置13の周囲に配置されている。
【0015】なお、飛散防止壁15及びその下方に配置
された受け皿17を介して集められた塗布排液は塗布排
液回収用ドレイン18を通して回収されるようになって
いる。排気装置19は上記飛散防止壁の上方に形成され
た開口16から取り入れた空気を基板表面上に流通させ
た後、スピナーヘッド装置13の下方から排気できるよ
うにされており、排気量調節弁(図示なし)及び排気フ
ァン20を含み、排気量(排気風速)の調整によって塗
膜の乾燥条件を変更することができる。
【0016】洗浄装置21は、加圧タンク(図示なし)
及び吐出量調整用バルブ(図示なし)を含む二つのノズ
ル22、23から構成されている。洗浄液はこの二つの
ノズルを通して基板上の色素記録層の外周縁部に所定の
圧力で吹き付けられるようになっている。二本のノズル
22、23は、洗浄液がぞれぞれ独立に吐出可能にされ
ており、洗浄は、この上のノズル22と下のノズル23
を用いて同時にあるいは単独に行うことができる。そし
て洗浄装置21は前記塗布液付与装置と同様に、ハンド
リング機構(図示なし)により、待機位置から洗浄時に
所定の位置に移動できるように構成され、更に洗浄液の
吐出方向を変更できるように構成されている。
【0017】二本のノズル22、23の先端部は、洗浄
液が斜め上方から基板に吹き付けられるように折り曲げ
られている。飛沫が飛散するのを防止するために、ノズ
ル先端部と基板法線との成す角度は60度以下が好まし
く、10〜45度がより好ましい。ノズルの吐出口から
基板までの距離は0.3〜5.0mmが好ましく、0.
5〜3.0mmがより好ましく、0.7〜2.0mmが
特に好ましい。ノズルの直径は、洗浄液を安定に吐出す
るため0.1〜0.8mmとするのが好ましく、0.2
〜0.6mmがより好ましい。
【0018】なお、上記洗浄装置は上下の2本のノズル
が備えられた例であるが、1本のノズルのみを備えた洗
浄装置を利用してもよい。但し、1本のノズルが備えら
れた洗浄装置を利用する場合であっても1本のノズルで
基板(塗膜)の外周縁部の上方と下方の2方向から洗浄
液を吐出可能となるようにハンドリング機構よってノズ
ルが移動できるように工夫されていることが好ましい。
また、更に多くのノズルを備えた洗浄装置を利用するこ
ともできるが、ノズルの本数が増えることにより洗浄液
の使用量が多くなり、洗浄液の吐出開始時などに飛沫が
飛散する確率が高くなるのでノズルの本数は1〜4本が
好ましく、1〜2本がより好ましい。また、後述するよ
うに本発明の製造方法は2つの洗浄工程を含んでいるの
で、各工程毎にノズルの直径やノズルの本数を変えても
よい。
【0019】洗浄排液回収装置24には、洗浄後の液
(洗浄液と該洗浄液によって除去された色素含有成分)
を回収するために、該液が飛散する方向と対向するよう
に配置された洗浄排液回収口25を有する洗浄排液回収
用ドレイン26が含まれる。そして図1及び図2に見ら
れるように、洗浄排液回収装置24は、そのドレイン2
6が塗布排液回収用ドレイン18内に収容された状態で
独立に配置されている。従って洗浄後の液(洗浄排液)
は、洗浄排液回収口25で集められ、ドレイン26を通
して塗布排液とは別々に回収される。なお、このような
構成においては、例えば、洗浄排液回収装置24に上下
移動が可能な機構が導入されていることが好ましい。こ
のような機構により、色素記録層の形成時には、洗浄排
液回収装置24を下方の待機位置に移動させることによ
って、飛散した余分の色素含有塗布液などの塗布排液の
回収を洗浄排液回収装置24に妨げられることなく、行
うことができる。
【0020】次に、上記の洗浄装置及び洗浄排液回収装
置が備えられたスピンコート装置(図1)に本発明の製
造方法を適用して光ディスクを製造する場合について説
明する。図6(A)〜(D)は光ディスクを製造工程を
示す工程図である。
【0021】光ディスクとしては、図3に示されるよう
な、円盤状透明樹脂基板1上に、色素記録層2、反射層
3及び保護層4がこの順に積層させてなる構成の光ディ
スク(CD−R型の光ディスク)30が一般的であるた
め、この光ディスクを例にして、以下にその製造法を詳
述する。なお、DVD−R型の光ディスクも同様に製造
することができる。
【0022】基板材料としては、例えばポリカーボネー
ト;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹
脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよび
ポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれ
らを併用してもよい。使用する基板材料は、代表的な構
成例の光ディスクで示したように透明であることが好ま
しい。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価
格などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0023】なお、基板上には、トラッキング用の案内
溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグル
ーブ)が形成されていることが好ましい。このプレグル
ーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形あ
るいは押出成形する際に直接基板上に形成されることが
好ましい。プレグルーブの深さは0.01〜0.3μm
の範囲にあることが好ましく、またその半値幅は、0.
2〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。
【0024】また、色素記録層が設けられる側の基板表
面には、平面性の改善、接着力の向上および色素記録層
の変質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよい。
下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレー
ト、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無
水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メ
チロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共
重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロ
ース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およ
びシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げること
ができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解また
は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコ
ート、ディップコート、エクストルージョンコートなど
の塗布法を利用して基板表面に塗布することにより形成
することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜
20μmの範囲、好ましくは0.01〜10μmの範囲
で設けられる。
【0025】図6(A)に示すように、上記の材料から
なる円盤状樹脂基板上には、本発明のスピンコート装置
を用いて色素記録層が設けられる。なお、この色素記録
層の形成時には、洗浄装置及び洗浄排液回収装置は、前
述したそれぞれハンドリング機構(図示なし)により待
機位置にある。従って、色素記録層の形成には支障とは
ならない。まず、円盤状透明樹脂基板1を、例えば、図
1に示されるスピナーヘッド装置13に装着する。基板
1は、固定具14により水平に保持される。次に、加圧
式タンク(図示なし)から供給された塗布液は、吐出量
調整用バルブ(図示なし)によって所定量が調整され、
基板上の内周側にノズルを通して滴下される。なお、塗
布液としては色素を適当な溶剤に溶解した色素溶液が用
いられる。塗布液中の色素の濃度は一般に0.01〜1
5重量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜10重量%
の範囲、特に好ましくは0.5〜5重量%の範囲、最も
好ましくは0.5〜3重量%の範囲にある。
【0026】駆動モータによってスピナーヘッド装置1
3は高速回転が可能である。基板上に滴下された塗布液
は、スピナーヘッド装置13の回転により、基板表面上
を外周方向に流延し、塗膜を形成しながら基板の外周縁
部に到達する。外周縁部に達した余分の塗布液は、更に
遠心力により振り切られ、基板の周囲に飛散する。飛散
した余分の塗布液は飛散防止壁15に衝突し、更にその
下方に設けられた受け皿17に集められた後、塗布排液
回収用ドレイン18を通して回収される。図4は、基板
の外周縁部に到達した余分の塗布液(矢印で示す)が遠
心力により基板から振り切られ、基板の周囲に飛散し、
飛散防止壁に衝突する状態を模式的に示す図である。図
のように、余分の塗布液は基板の全方位(周囲)に放出
される。塗膜の乾燥は、前述したように排気装置を用い
ることにより塗膜形成過程及び塗膜形成後に行なわれ
る。塗膜(色素記録層)の厚みは、一般に20〜500
nmの範囲で、好ましくは50〜300nmの範囲で設
けられる。
【0027】色素記録層に用いる色素は特に限定されな
い。使用可能な色素の例としては、シアニン色素、フタ
ロシアニン色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリ
ウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、
スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色
素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、イン
ドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェ
ニルメタン系色素、メロシアニン系色素、オキソノール
系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素及びニト
ロソ化合物を挙げることができる。これらの色素のうち
では、シアニン色素、フタロシアニン系色素、アズレニ
ウム系色素、スクワリリウム系色素、オキソノール系色
素及びイミダゾキノキサリン系色素が好ましい。
【0028】色素記録層を形成するための塗布液の溶剤
の例としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなど
のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、
メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタ
ン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素
化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シク
ロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチ
ルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,
3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶
剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを
挙げることができる。上記溶剤は使用する色素の溶解性
を考慮して単独または二種以上を適宜併用することがで
きる。好ましくは、2,2,3,3−テトラフロロプロ
パノールなどのフッ素系溶剤である。なお、塗布液中に
は、所望により退色防止剤や結合剤を添加してもよい
し、更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、そして潤滑
剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0029】退色防止剤の代表的な例としては、ニトロ
ソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩
を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平
2−300288号、同3−224793号、及び同4
−146189号等の各公報に記載されている。
【0030】結合剤の例としては、ゼラチン、セルロー
ス誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機
高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・
ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポ
キシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・
ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物な
どの合成有機高分子を挙げることができる。結合剤を使
用する場合に、結合剤の使用量は、色素100重量部に
対して、一般に色素100重量部に対して0.2〜20
重量部、好ましくは、0.5〜10重量部、更に好まし
くは1〜5重量部である。
【0031】次に、図6(B)に示すように、上記のよ
うに形成された色素記録層の外周縁部を中心に、洗浄装
置のノズルから洗浄液を吹き付けることによって色素記
録層の外周縁部を洗浄除去する。洗浄装置21と洗浄排
液回収装置24とをハンドリング機構(図示なし)によ
りそれぞれ図1に示すような所定の位置に移動させ、ノ
ズル22、23の先端部を外周側に向けてノズル先端部
と基板外周接線とが所定角度を成すように配置する。ノ
ズル先端部と基板外周接線との成す角度は、60度以下
とすることが好ましく、10〜45度がより好ましい。
この操作は、色素記録層が乾燥終了する前に行われ、乾
燥終了後、所定時間以内に洗浄が開始される。即ち、ス
ピナーヘッド装置13の回転を継続させながら、加圧式
タンク(図示なし)及び吐出量調整用バルブ(図示な
し)によって吐出量及び吐出圧力が調整された洗浄液
を、色素記録層上に飛沫が付着しないように、二つのノ
ズル22、23を通して色素記録層の外周縁部に斜め上
方から吹き付ける。図5は、吹き付けられた洗浄液(矢
印で示す)が遠心力により基板1から洗浄排液回収装置
24に向かって飛散している状態を模式的に示す図であ
る。洗浄液は色素記録層の外周縁部の所定の位置におい
て吹き付けられ、また洗浄時のスピナーヘッド装置の回
転数は一般に高速に設定されているために、図5に示す
ように、洗浄後の液(洗浄排液)はほぼ一定の方向に飛
散する。従って、この方向に対向するように洗浄排液回
収装置24を配置することによって、色素を含む洗浄液
(洗浄排液)を該装置を介して回収することができる。
【0032】なお、色素記録層の外周縁部の洗浄に際し
ては、上記のように、二つのノズル22、23を同時に
操作して、色素記録層を形成後、基板の表面側と裏面側
との洗浄を同時に行っても良い。あるいはまた、まず、
色素記録層を形成後、基板の裏面側(基板の側面の一部
を含む)のみの洗浄を行い、次に、後述する反射層を形
成した後に基板の記録層の表面側の外周縁部の洗浄を行
うこともできる。
【0033】色素記録層の外周縁部を洗浄するために用
いられる洗浄液(溶剤)としては、特に制限はないが、
例えば、ジアセトンアルコール、ジブチルエーテル、
2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールを
挙げることができ、特にジアセトンアルコールが好まし
い。これらの溶剤は、特にシアニン系色素記録層を洗浄
する場合に効果的であり、またこれらの溶剤で洗浄後、
長期間保存しても基板を傷めにくいとの利点がある。
【0034】外周縁部の洗浄は、洗浄効率を向上するた
めに、色素記録層を成膜した後1秒以上経過後4時間以
内に行なうことが好ましく、5秒以上経過後2時間以内
に行なうことがより好ましい。
【0035】洗浄液の吐出時間は、0.1〜1.0秒が
好ましく、0.2〜0.8秒がより好ましく、0.3〜
0.6秒が特に好ましい。洗浄液の吐出量は、0.2〜
3.0mlが好ましく、0.4〜2.0mlがより好ま
しく、0.6〜1.5mlが特に好ましい。洗浄液の吐
出圧力は、飛沫が飛散しないように、0.3〜3.0k
g/cm2とすることが好ましく、0.5〜2.0kg
/cm2がより好ましく、0.7〜1.7kg/cm2
特に好ましい。なお、吐出圧力はノズルの直径に応じて
調整することができ、ノズルの直径と吐出圧力との積が
0.2〜2.4mm・kg/cm2とすることが好まし
く、0.3〜1.0mm・kg/cm2がより好まし
く、0.4〜0.6mm・kg/cm2が特に好まし
い。
【0036】洗浄液の吐出開始時のスピナーヘッド装置
の回転数は、飛沫が色素記録層側に飛散しないように3
000〜10000rpmの範囲とする。好ましくは3
000〜8000rpmの範囲であり、より好ましく3
000〜6000rpmの範囲である。また、洗浄液を
振り切る際のスピナーヘッド装置の回転数は、3000
〜10000rpmの範囲が好ましく、4000〜80
00rpmの範囲がより好ましく、5000〜7000
rpmの範囲が特に好ましい。
【0037】次に、図6(C)に示すように、色素記録
層の上には特に情報の再生時における反射率の向上の目
的で反射層が設けられる。反射層の材料である光反射性
物質はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その
例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、
Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、C
o、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、A
g、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、G
e、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金
属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これら
のうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、A
g、Au、Al及びステンレス鋼である。これらの物質
は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組み合わ
せて用いてもよい。または合金として用いてもよい。特
に好ましくはAu、Agもしくはその合金である。反射
層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリン
グまたはイオンプレーティングすることにより記録層の
上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的に
は10〜800nmの範囲、好ましくは20〜500n
mの範囲、更に好ましくは50〜300nmの範囲で設
けられる。
【0038】次に、上記のように反射層を形成した後、
色素記録層が除去されて基板が露出された外周縁部(非
記録領域)を中心に、洗浄装置のノズルから洗浄液を吹
き付けることによって洗浄する。非記録領域の洗浄は、
色素記録層の外周縁部を洗浄除去する場合と略同様にし
て行なうことができる。
【0039】色素記録層の外周縁部を洗浄除去する場合
には、ノズル22、23の先端部を外周側に向けて配置
したが、非記録領域を洗浄する場合には内周側に向けて
ノズル先端部と基板外周接線とが所定角度を成すように
配置するのが好ましい。ノズル22、23の先端部を内
周側に向けて配置することにより、基板と反射層の境界
部分まで確実に洗浄することができる。なお、ノズル先
端部と基板外周接線との成す角度は、60度以下とする
ことが好ましく、10〜45度がより好ましい。
【0040】また、洗浄液の吐出開始時のスピナーヘッ
ド装置の回転数は、外周端部に付着した色素記録層材料
を確実に洗浄するため、3000rpm以下の範囲であ
り、かつ色素記録層の外周縁部を洗浄除去する場合の吐
出開始時のスピナーヘッド装置の回転数の50%以下と
なるようにするのが好ましい。
【0041】次に、図6(D)に示すように、色素記録
層などを物理的および化学的に保護する目的で反射層の
上に保護層が設けられる。保護層は、基板の色素記録層
が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的
で設けることもできる。保護層で使用される材料として
は、例えば、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、S
34等の無機物質、及び熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、そしてUV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることが
できる。
【0042】保護層は、例えば、プラスチックの押出加
工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上及び/
または基板上にラミネートすることにより形成すること
ができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等
の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解し
て塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥す
ることによっても形成することができる。UV硬化性樹
脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して
塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照
射して硬化させることによっても形成することができ
る。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止
剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加して
もよい。保護層は一般には0.1〜100μmの範囲の
厚みで設けられる。
【0043】なお、上記の光ディスクの製造に際して、
下塗層、あるいは保護層などの塗布型の層を形成する場
合においても色素記録層の形成の場合と同様にして、本
発明のスピンコート装置を用いることができる。
【0044】
【実施例】(実施例1)射出成形により表面にスパイラ
ル状のプリグルーブ(トラックピッチ:1.6μm、プ
リグルーブ幅:0.4μm、プリグルーブの深さ:0.
16μm)が形成されたポリカーボネート基板(直径:
120mm、厚さ:1.2mm、帝人(株)製、商品
名:パンライトAD5503)を得た。下記に示すイン
ドレニン色素(A)2.65g、退色防止剤(B)0.
265g、及び結合剤(モートン社製、商品名:CA−
139)0.133gを、2,2,3,3−テトラフル
オロプロパノール100mlに、超音波振動機(180
0W)を用いて10時間かけて溶解し、記録層形成用塗
布液を調製した。
【0045】
【化1】
【0046】この塗布液を、上記のポリカーボネート基
板のプリグルーブ側の表面に、回転数を300rpm〜
4000rpmまで変化させながらスピンコートにより
全面に塗布し、乾燥して、色素記録層(厚さ(プリグル
ーブ内):約200nm)を形成した。色素記録層の形
成条件は、雰囲気の温度、湿度:23℃、50%RH、
塗布液の温度:23℃、基板の温度:23℃、排気風
速:0.1m/秒であった。下記表1に示す洗浄条件下
で、ジアセトンプロパノールを用いてこの色素記録層の
外周縁部を洗浄して除去し、非記録領域を形成した(第
1の洗浄工程)。
【0047】
【表1】
【0048】次に、色素記録層上に、Agをスパッタし
て膜厚150nmの反射層を形成した。上記表1に示す
洗浄条件下で、ジアセトンプロパノールを用いて非記録
領域を洗浄した(第2の洗浄工程)。
【0049】更に反射層上に、UV硬化性樹脂(商品
名:SD−318、大日本インキ化学工業(株)製)を
回転数を50rpm〜5000rpmまで変化させなが
らスピンコートにより塗布した。塗布後、その上から高
圧水銀灯により紫外線を照射して硬化させ、厚さ8μm
の保護層を形成した。
【0050】以上の工程により、基板、色素記録層、光
反射層及び保護層からなるCD−R型の光情報記録媒体
(CD−Rディスク)を作製した。得られたCD−Rデ
ィスクについて、評価機「OMT2000」(パルステ
ック社製)を用いて、80℃85%RH100時間の保
存性試験の前後で記録再生特性を評価した結果、このC
D−Rディスクは保存安定性及び記録再生特性に優れて
いた。 (比較例1)第2の洗浄工程を省略した以外は、実施例
1と同様にしてCD−Rディスクを作製した。非記録領
域を十分に洗浄することができず、非記録領域に色素が
残存していることが目視で確認された。 (比較例2)第2の洗浄工程を省略し、第1の洗浄工程
の洗浄液の吐出量を2倍にした以外は、実施例1と同様
にしてCD−Rディスクを作製した。飛沫の飛散を十分
に防止することができず、実施例1と同様にして評価を
行ったが外周部において記録エラーが発生した。 (比較例3)第1の洗浄工程を省略した以外は、実施例
1と同様にしてCD−Rディスクを作製した。反射層と
基板との間に色素が残存していることが目視で確認され
た。 (比較例4)第1の洗浄工程を省略し、第2の洗浄工程
の洗浄液の吐出量を2倍にした以外は、実施例1と同様
にしてCD−Rディスクを作製した。実施例1と同様に
して評価を行ったが、80℃85%RH100時間の保
存性試験後に外周部において記録エラーが発生した。
【0051】
【発明の効果】本発明の光情報記録媒体の製造方法は、
洗浄により外周縁部の色素記録層を除去して外周縁部に
非記録領域を備えた色素記録層を形成する際に、洗浄液
の飛沫が飛散して色素記録層上へ付着するのを防止し、
非記録領域を効率良く洗浄して、保存安定性及び記録再
生特性に優れる光情報記録媒体を製造することができ
る、という効果を奏する。
【0052】また、本発明の光情報記録媒体は、保存安
定性及び記録再生特性に優れる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態で使用するスピンコート装置の断
面模式図である。
【図2】本実施の形態で使用する洗浄装置及び洗浄排液
回収装置の拡大断面模式図である。
【図3】一般的なCD−Rディスクの構成を示す断面模
式図である。
【図4】塗布液が振り切られる様子を模式的に示す図で
ある。
【図5】塗布液が振り切られる様子を模式的に示す図で
ある。
【図6】(A)〜(D)は光ディスクを製造工程を示す
工程図である。
【図7】従来の色素記録層の外周縁部の洗浄工程を説明
する図である。
【符号の説明】
1 円盤状透明樹脂基板 2 色素記録層 3 反射層 4 保護層 10 スピンコート装置 21 洗浄装置 22、23 ノズル 24 洗浄排液回収装置 30 光ディスク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円盤状樹脂基板の表面に色素記録層を塗布
    し、 外周縁部に洗浄液を吹き付けて該外周縁部の色素記録層
    を除去し、 前記色素記録層上に反射層を形成し、 前記色素記録層が除去されて基板が露出された外周縁部
    に洗浄液を吹き付けて洗浄して、 光情報記録媒体を製造する光情報記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造方法により製造され
    た光情報記録媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011230051A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Tokyo Electron Ltd レジスト塗布装置、これを備える塗布現像システム、およびレジスト塗布方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011230051A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Tokyo Electron Ltd レジスト塗布装置、これを備える塗布現像システム、およびレジスト塗布方法

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