JP2000339783A - 光ディスクの円盤状基板表面の塗布膜の形成方法 - Google Patents

光ディスクの円盤状基板表面の塗布膜の形成方法

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JP2000339783A
JP2000339783A JP11143598A JP14359899A JP2000339783A JP 2000339783 A JP2000339783 A JP 2000339783A JP 11143598 A JP11143598 A JP 11143598A JP 14359899 A JP14359899 A JP 14359899A JP 2000339783 A JP2000339783 A JP 2000339783A
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gas
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disc
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Seiji Ishizuka
誠治 石塚
Yoshinobu Katagiri
良伸 片桐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスクの基板表面に膜厚変動の少ない塗
布膜(特に色素記録層)を、比較的短時間で形成するこ
とを可能にする。 【解決手段】 スピンコート装置を用い、スピナーヘッ
ドの上面に光ディスクの円盤状基板を置き、気体導入部
から気体排出部に気体を流通させながら、回転するスピ
ナーヘッドの上面近傍にノズル口を移動させたディスペ
ンスノズルから塗布液を基板の表面上に連続的に供給し
て基板の表面で放射状に流延させ、ノズルからの塗布液
の供給を停止する一方、スピナーヘッドの回転を塗布液
が乾燥するまで継続することからなる光ディスクの円盤
状基板表面の塗布膜形成方法であって、気体導入部から
気体排出部への気体の流通を、ディスペンスノズルから
の塗布液の円盤状基板表面への供給開始時には相対的に
高速で行ない、一方、ディスペンスノズルからの塗布液
の円盤状基板表面への供給停止後は相対的に低速で行な
うことを特徴とする塗布膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
情報の記録及び再生を行なうことが可能な追記型の光デ
ィスクの円盤状基板表面の塗布膜の形成方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な追記型の光情報記録媒体(光ディス
ク)が実用化されている。このような光ディスクの代表
的なものとしては、例えば、円盤状透明樹脂基板上に、
色素記録層、反射層、そして保護層がこの順に積層され
た構成のCD−R型の光ディスクや、円盤状透明樹脂基
板上に、色素記録層、反射層、そして所望により設けら
れる保護層からなる積層体と円盤状透明樹脂基板(保護
基板)とを記録層が内側となるように接着剤で貼り合わ
せた構成のDVD−R型の光ディスク、あるいは上記二
枚の積層体をそれらの記録層がぞれぞれ内側となるよう
に接着剤で貼り合わせた構成のDVD−R型の光ディス
クがある。
【0003】光ディスクの色素記録層の形成は、一般に
色素溶液からなる塗布液を円盤状透明樹脂基板上にスピ
ンコート法を利用して塗布することにより行なわれる。
スピンコート法は、一般に、塗布液付与装置(ディスペ
ンスノズル)、スピナーヘッド、飛散防止壁、そして排
気装置から構成されてなるスピンコート装置を用いて下
記のような方法により実施される。
【0004】まず、スピナーヘッド上に円盤状透明樹脂
基板を載置し、次いでスピナーヘッドを駆動モータによ
り回転させながら、該基板の内周側に、塗布液付与装置
のノズルから塗布液を供給する。基板上に供給された塗
布液は遠心力により外周側に放射状に流延し、塗布膜を
形成する。そして余分の塗布液は基板の外周縁部から振
り切られ、その周囲に放出され、次いでスピナーヘッド
の周囲に配置した飛散防止壁を介して回収される。スピ
ンコート操作の間、飛散防止壁の上方に設けた開口部
(気体導入部)から空気などの乾燥気体を導入し、その
気体を該塗布膜上に流通させ、スピンコート装置の下方
から排気する。この気体の流通によって、塗布膜から溶
媒が除去され、塗布膜は乾燥される。従来においては、
塗布膜の膜厚の変動は、気体の流通速度の変動と相関す
ると考えられていたため、塗布液の供給開始から塗布膜
乾燥終了まで、一定の流通速度(風速)で塗布膜上に気
体を流通させるのが一般的であった。
【0005】すなわち、良好な記録再生特性を得るため
には、光ディスクの色素記録層は、その内周側から外周
側まで均一な厚さで形成されていることが好ましいこと
は当然である。一方、色素記録層の層厚は、塗布液の粘
度、基板の回転速度、あるいは塗布膜上を流通する空気
の速度(風速)などの各種の設定条件によって決まると
されている。従って、これらの設定条件を適正に制御す
ることによって、内周側から外周側まで均一な厚さの色
素記録層を形成することができる。例えば、特開平8−
31026号公報には、色素溶液の表面張力および塗布
時の基板の回転数、及び塗布時の基板の回転数と色素溶
液の粘度の積をそれぞれ特定の範囲となるように設定す
ることにより、均一な厚みの色素記録層を実現した記録
層の形成法が提案されている。
【0006】また特開平9−94516号公報には、前
記のような構成のスピンコート装置において、塗布液飛
散防止壁の上方に形成された開口の直径と、フォトレジ
スト層が露光される領域の外径とを略等しくなるように
設定することにより、フォトレジスト層の膜厚が内周部
から外周部にかけて厚くなるように変化させて形成する
円盤状基板表面へのフォトレジスト層の形成方法が提案
されている。この方法を利用することにより、フォトレ
ジスト溶液の濃度や基板の回転数を変化させることな
く、排気風量を調整することのみでフォトレジスト層の
内外周の膜厚を任意の値にできるとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、追記型光
ディスクの製造に際して、スピンコート法を利用して円
盤状基板の内周側から外周側まで均一な膜厚を持つ色素
記録層を形成するための条件の検討のために、塗布膜上
に流通させる風速の影響について検討を行なったとこ
と、スピンコートの実施に際して、基板や気体の温度を
低温に維持し、かつ塗布膜の乾燥のための気体の流通速
度を低速にすることによって基板の内周側から外周側ま
で均一な膜厚を有する色素記録層が形成されることが確
認された。
【0008】しかしながら、気体の流通速度の低速化や
基板や風速の低温化は、乾燥速度の低下を引き起こすた
め、スピンコート操作の開始から終了までの操作時間が
長くなる結果となり、スピンコート操作の生産性が低下
することになり、光ディスクの工業的な生産のためには
不利となる。
【0009】なお、追記型光ディスクの製造に際して
は、基板表面に樹脂下塗り層を塗布により予め設けた
り、あるいは色素記録層の上に金属反射層を設けた上
に、同じく塗布により樹脂保護層を設けたりする場合が
あるが、このような樹脂塗布層の形成に際しても、上記
の色素記録層の形成に際して発生する問題と同様な問題
がある。
【0010】従って、本発明の主な目的は、追記型光デ
ィスクの製造に際して、均一な膜厚の色素記録層を短時
間で形成することを可能にする光ディスクの円盤状基板
表面の塗布膜の形成方法を提供することにある。
【0011】本発明はまた、追記型光ディスクの製造に
際して、均一な膜厚の下塗り層や保護層などの樹脂塗布
層を短時間で形成することを可能にする光ディスクの円
盤状基板表面の塗布膜の形成方法を提供することも、そ
の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、中央部で軸支
され、光ディスクの円盤状基板を上面に載置した状態で
回転するスピナーヘッドを内蔵し、気体導入部をスピナ
ーヘッドの上方側に、そして気体排出部を下方側に有
し、かつ所定の操作によってノズル口がスピナーヘッド
の上面の近傍に移動可能なディスペンスノズルを備えた
光ディスクの塗布膜形成装置を用い、スピナーヘッドの
上面に光ディスクの円盤状基板を載置した後、気体導入
部から気体排出部に気体を流通させながら、回転下にあ
るスピナーヘッドの上面近傍にノズル口を移動させたデ
ィスペンスノズルから塗布液を円盤状基板の表面上に連
続的に供給して塗布液を円盤状基板の表面上で放射状に
流延させ、ディスペンスノズルからの塗布液の供給を停
止する一方、スピナーヘッドの回転を円盤状基板上の塗
布液が乾燥するまで継続することからなる光ディスクの
円盤状基板表面に塗布膜を形成する方法であって、気体
導入部から気体排出部への気体の流通を、ディスペンス
ノズルからの塗布液の円盤状基板表面への供給開始時に
は相対的に高い速度で行ない、一方、ディスペンスノズ
ルからの塗布液の円盤状基板表面への供給停止後は相対
的に低い速度で行なうことを特徴とする、光ディスクの
円盤状基板表面の塗布膜の形成方法にある。
【0013】次に、本発明の好ましい実施の態様を記載
する。 (1)気体導入部から気体排出部への気体の流通速度の
変更を、流通の停止により行なう。 (2)気体導入部から気体排出部への気体の流通速度の
変更を、ディスペンスノズルからの塗布液の円盤状基板
表面への供給停止と同時に行なう。 (3)ディスペンスノズルからの塗布液の円盤状基板表
面への供給停止と同時に気体導入部から気体排出部への
気体の流通を停止する。
【0014】(4)ディスペンスノズルからの塗布液の
円盤状基板表面への供給開始における気体導入部から気
体排出部への気体の流通を、気体排出部における気体の
流通速度が2〜10m/秒の範囲にあるような条件にて
実施する。 (5)塗布液として、レーザ光により物性の変化が発生
する色素の溶液を用いて色素記録層を形成する。 (6)スピンコート操作における塗布液の乾燥を、温度
が20℃〜30℃の範囲で、湿度が35〜45%RHの
範囲の空気の流通により行なう。 (7)色素記録層形成用の塗布液として、色素の濃度が
0.1〜10重量%(更に好ましくは0.5〜5重量
%、特に0.5〜3重量%)の範囲にある色素溶液を用
いる。
【0015】
【発明の実施に形態】本発明の光ディスクの円盤状基板
表面の塗布膜の形成方法について、添付図面を参照しな
がら、以下に詳しく説明する。
【0016】本発明の円盤状基板表面の塗布膜の形成に
際して有利に用いることのできる光ディスクの塗布膜形
成装置(スピンコート装置)の構成を図1に示す。この
スピンコート装置は、図1に示されているように、中央
部で軸支され、光ディスクの円盤状基板11を上面に載
置した状態で回転するスピナーヘッド12を内蔵し、気
体導入部13をスピナーヘッド12の上方側に、そして
気体排出部14を下方側に有し、かつ所定の操作によっ
てノズル口がスピナーヘッド12の上面の近傍に移動可
能なディスペンスノズル15を備えている。
【0017】スピナーヘッド12の周囲には、回転して
いる円盤状基板11の外周側端部から放出される塗布液
の飛散を防止するための塗布液飛散防止壁16が設けら
れ、塗布液飛散防止壁16の下側には、放出された塗布
液を回収するためのドレイン17が設けられる。
【0018】スピナーヘッド12の下側には、気体導入
部13から導入された空気などの気体を気体排出部14
に導くための排気ダクト18が設けられている。また、
気体排出部14は、途中に排気量調節弁19が設けら
れ、必要に応じて、排気量調節弁19を操作することに
よって、排気量調節弁19に付設された外気導入管20
より空気を導入して、排気量を調節することができるよ
うにされている。この排気量の調節により、スピンコー
ト装置内を流通する空気などの乾燥用気体の流速が調節
される。また、必要により、排気量調節弁19を操作し
て、排気量をゼロにすることもできる。
【0019】次に、図1に示した構成を有するスピンコ
ート装置を用いた円盤状基板表面の色素記録層の形成方
法を説明する。
【0020】光ディスクの円盤状基板は透明であること
が好ましく、その透明な円盤状基板の基板材料として
は、例えばポリカーボネート、ポリメチルメタクリレー
ト等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重
合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファ
スポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げること
ができる。所望により、これらの樹脂をを併用してもよ
い。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格
などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0021】基板上には、トラッキング用の案内溝また
はアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブ)
が形成されていることが好ましい。このプレグルーブ
は、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形あるい
は押出成形する際に直接基板上に形成されることが好ま
しい。プレグルーブの深さは0.01〜0.3μmの範
囲にあることが好ましく、またその半値幅は、0.2〜
0.9μmの範囲にあることが好ましい。
【0022】色素記録層が設けられる側の基板表面に
は、平面性の改善、接着力の向上、および記録層の変質
防止などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層
の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、ア
クリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロー
ルアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合
体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロー
ス、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質、及びシラ
ンカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができ
る。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散
して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、
ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布
法を利用して基板表面に塗布することにより形成するこ
とができる。下塗層をスピンコートにより形成する場合
には、本発明に従う塗布乾燥パターンを利用することが
できる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの
範囲、好ましくは0.01〜10μmの範囲で設けられ
る。
【0023】色素記録層に用いる色素は特に限定されな
い。使用可能な色素の例としては、シアニン色素、フタ
ロシアニン色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリ
ウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、
スクワリリウム系色素、NiあるいはCrなどの金属錯
塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色
素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、
トリフェニルメタン系色素、メロシアニン系色素、オキ
ソノール系色素、アミニウム系色素、ジインモニウム系
色素、及びニトロソ化合物を挙げることができる。これ
らの色素のうちでは、シアニン色素、フタロシアニン系
色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オ
キソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好
ましい。
【0024】色素記録層を形成するための塗布液の溶剤
の例としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなど
のエステル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、
メチルイソブチルケトンなどのケトン、ジクロルメタ
ン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素
化炭化水素、ジメチルホルムアミドなどのアミド、シク
ロヘキサンなどの炭化水素、テトラヒドロフラン、エチ
ルエーテル、ジオキサンなどのエーテル、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、ジアセトンアルコールなどのアルコール、2,2,
3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶
剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを
挙げることができる。これらの溶剤は使用する色素の溶
解性を考慮して、単独または二種以上を適宜併用するこ
とができる。好ましくは、2,2,3,3−テトラフロ
ロプロパノールなどのフッ素系溶剤である。なお、塗布
液中には、所望により退色防止剤や結合剤を添加しても
よいし、更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、そして
潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよ
い。
【0025】退色防止剤の代表的な例としては、ニトロ
ソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩
を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平
2−300288号、同3−224793号、及び同4
−146189号等の各公報に記載されている。
【0026】本発明の光ディスクの円盤状基板表面の塗
布膜の形成方法によれば、ディスク状基板上には、図1
に示したようなスピンコート装置を用いて、下記の方法
により色素記録層が設けられる。
【0027】まず、円盤状基板11をスピナーヘッド1
2の表面に水平に装着する。次に、色素記録層形成のた
めの塗布液供給用のディスペンスノズル15を、そのノ
ズル先端(ノズル口)が円盤状基板11の内周上方の所
定位置に位置するように移動させる。塗布液としては、
色素および退色防止剤などの添加剤を適当な溶剤に溶解
した色素溶液が用いられる。塗布液中の色素の濃度は通
常、0.01〜15重量%の範囲、好ましくは0.1〜
10重量%の範囲、特に好ましくは0.5〜5重量%の
範囲、最も好ましくは0.5〜3重量%の範囲にある。
【0028】駆動モータ(図示なし)によってスピナー
ヘッド12は高速回転し、同時に基板11も高速回転す
る。そして、その回転状態の基板11上に、ディスペン
スノズル15のノズル口より塗布液を滴下供給する。塗
布液は、スピナーヘッド12の高速回転により、基板1
1の表面上を外周方向に放射状に流延し、塗布膜を形成
しながら基板11の外周縁部に到達する。外周縁部に達
した余分の塗布液は、更に遠心力により振り切られ、基
板縁部の周囲に飛散する。飛散した余分の塗布液は、飛
散防止壁16に衝突し、更にその下方に設けられた受け
皿に集められた後、ドレイン17を通して回収される。
【0029】塗布膜の乾燥は、その塗布膜の表面上を移
動する空気などの気体により溶媒を蒸発気化させること
により行なう。この気体は、図1に示された気体導入部
13(開口部)よりスピンコート装置内に取り込まれ、
気体排出部14から排出される。気体としては通常、細
かい塵を除去した空気が用いられる。空気は乾燥してい
ることが好ましい。また、空気の代わりに不活性な窒素
ガスなどを用いることができる。気体導入部13から気
体排出部14へと流通する塗布膜乾燥用気体は、従来で
は、予め決定した一定の速度により移動させて乾燥操作
を行なうことが一般的であった。
【0030】本発明の光ディスクの円盤状基板表面の塗
布膜の形成方法では、スピンコート装置内での塗布膜乾
燥用気体の流通速度を、ディスペンスノズルからの塗布
液の円盤状基板表面への供給開始時には相対的に高い速
度にて行ない、一方、ディスペンスノズルからの塗布液
の円盤状基板表面への供給停止後は相対的に低い速度に
て行なうことを特徴とする。すなわち、塗布膜の表面上
を流れる気体の流通速度を高めると塗布層の外周側の厚
みが高くなる傾向があり、一方、気体の流通速度を低く
すると塗布層の厚みの均一性が高くなるが、生産効率が
低下するという問題があるが、本発明の塗布膜の形成方
法では、塗布液供給の開始時には、相対的に高い速度で
気体を移動させて塗布膜の乾燥を促進し、一方、塗布液
供給の最終段階、あるいは塗布液供給の停止後に、気体
の移動速度を低下させて塗布膜の外周側端部での厚みの
増加を抑制するようにしている。好ましいのは、塗布液
供給の最終段階、あるいは塗布液供給の停止後に、排気
量調節弁(図1の19)などを利用して、気体の排気を
停止することにより、気体の移動速度を実質的にゼロ、
あるいはそれに近い移動速度とすることである。なお、
気体の移動速度は、連続的に低下させてもよく、あるい
は段階的に低下させてもよい。流通させる気体は、温度
が20〜30℃(特に25〜30℃)の範囲で、湿度が
35〜45%RHの範囲にあることが好ましい。
【0031】上記の本発明の方法に従って、光ディスク
の円盤状基板表面の色素記録層を形成することによっ
て、比較的短い時間で層厚が均一な色素記録層を得るこ
とができる。色素記録層の平均層厚(グルーブ内の層
厚)は通常、20〜500μm程度の範囲から選ばれ
る。
【0032】色素記録層の上には一般に、特に情報の再
生時における反射率の向上の目的で反射層が設けられ
る。反射層の材料である光反射性物質はレーザ光に対す
る反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、S
e、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、M
o、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、
Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、A
l、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、S
n、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を
挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、
Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステン
レス鋼である。これらの物質は単独で用いてもよいし、
あるいは二種以上の組み合わせて用いてもよい。または
合金として用いてもよい。特に好ましくはAu、Agも
しくはその合金である。反射層は、例えば、上記光反射
性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティ
ングすることにより記録層の上に形成することができ
る。反射層の層厚は、一般的には10〜800nmの範
囲、好ましくは20〜500nmの範囲、更に好ましく
は50〜300nmの範囲で設けられる。
【0033】保護層は、色素記録層などを物理的および
化学的に保護する目的で反射層の上に設けられる。保護
層は、基板の色素記録層が設けられていない側にも耐傷
性、耐湿性を高める目的で設けることもできる。保護層
で使用される材料としては、例えば、SiO、SiO
2 、MgF2 、SnO2 、Si34 等の無機物質、及
び熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、そしてUV硬化性樹脂
等の有機物質を挙げることができる。
【0034】保護層は、例えば、プラスチックの押出加
工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上及び/
または基板上にラミネートすることにより形成すること
ができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等
の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解し
て塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥す
ることによっても形成することができる。UV硬化性樹
脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して
塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照
射して硬化させることによっても形成することができ
る。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止
剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加して
もよい。保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの
範囲で設けられる。なお、保護層を塗布形成する場合に
おいて、本発明の方法に従う塗布乾燥パターンを利用す
ることにより、層厚の均一性が高い保護層が得られる。
【0035】
【実施例】[比較例1]
【0036】
【化1】
【0037】上記の構造式で示されるシアニン色素、そ
して退色防止剤を2,2,3,3−テトラフルオロプロ
パノールに溶解し、色素記録層形成用塗布液を調製し
た。塗布液の濃度は2.65%重量/体積とした。
【0038】この塗布液を、表面にスパイラル状のプレ
グルーブ(トラックピッチ:1.6μm、プレグルーブ
幅:0.5μm、プレグルーブの深さ:0.17μm)
が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直
径:120mm、厚さ:1.2mm、帝人(株)製、商
品名:パンライトAD5503)のそのプレグルーブ側
の表面に、図1に示した構成のスピンコート装置を用い
て、そのスピナーヘッドの回転数を300rpm〜20
00rpmまで変化させながら通常の方法によって塗布
し、色素記録層(グルーブ内の平均厚さ:約200n
m)を形成した。なお、基板表面への塗布液(色素溶
液)の滴下は、基板に供給された塗布液が基板の外周側
端部に接する直前に停止した。色素記録層の形成は下記
の条件で、空気を基板上の塗布層の表面上に流通させな
がら行なった。
【0039】 流通空気の温度、湿度:23℃、40%RH 塗布液の温度:23℃ 基板の温度:23℃ 排気風速:0.8m/秒
【0040】上記の方法により基板上に形成された色素
記録層の層厚の内周側から外周側への変動を図2に示
す。図2から、色素記録層の層厚の内周側から外周側へ
の変動が少なく、層厚の均一性が高いことがわかる。
【0041】[比較例2]比較例1において、排気風速
を7.0m/秒に上げて、スピンコート内を流通する空
気の流速を高めたこと以外は同様にして、基板の上に色
素記録層を形成した。基板上への塗布液の滴下開始から
色素記録層の乾燥完了までの時間は、比較例1における
操作の72%に短縮されたが、図2に示すように、形成
された色素記録層の層厚の内周側から外周側への変動
(増加)が大きく、色素記録層の層厚の均一性が大きく
低下していることがわかる。
【0042】[実施例1]比較例1において、基板表面
への塗布液の滴下開始時に、排気風速を7.0m/秒に
設定して、スピンコート内を流通する空気の流速を高
め、その後、塗布液の滴下停止と共に気体の排出を停止
したこと以外は同様にして、基板の上に色素記録層を形
成した。基板上への塗布液の滴下開始から色素記録層の
乾燥完了までの時間は、比較例1における操作の85%
に短縮された。上記の方法により基板上に形成された色
素記録層の層厚の内周側から外周側への変動を図2に示
す。図2から、色素記録層の層厚の内周側から外周側へ
の変動が少なく、比較例1の場合と同様に層厚の均一性
が高いことがわかる。
【0043】[実施例2]比較例1において、スピンコ
ート内を流通する空気の温度を27℃とし、基板表面へ
の塗布液の滴下開始時に、排気風速を7.0m/秒に設
定して、スピンコート内を流通する空気の流速を高め、
その後、塗布液の滴下停止と共に気体の排出を停止した
こと以外は同様にして、基板の上に色素記録層を形成し
た。基板上への塗布液の滴下開始から色素記録層の乾燥
完了までの時間は、比較例1における操作の60%に短
縮された。上記の方法により基板上に形成された色素記
録層の層厚の内周側から外周側への変動を図2に示す。
図2から、色素記録層の層厚の内周側から外周側への変
動が少なく、比較例1の場合と同様に層厚の均一性が高
いことがわかる。
【0044】なお、図1に示した構成を有するスピンコ
ート装置を用いた上記実施例1〜2と同様な実験によ
り、気体排出部における気体の流通速度が2〜10m/
秒の範囲にあることが望ましいことが確認された。
【0045】
【発明の効果】光ディスクの円盤状基板表面の塗布膜の
形成方法を利用することにより、光ディスクの基板表面
に膜厚変動の少ない塗布膜(特に色素記録層)を、比較
的短時間で形成することが可能になる。従って、本発明
の光ディスクの円盤状基板表面の塗布膜の形成方法は、
工業的な追記型光ディスクの製造に有利に利用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の光ディスクの円盤状基板表面
の塗布膜の形成方法の実施に有利に利用することができ
るスピンコート装置の構成を示す断面図である。
【図2】図2は、実施例1〜2及び比較例1〜2の操作
により円盤状基板表面に形成された色素記録層の基板内
周側から外周側への層厚の変動を示すグラフである。
【符号の説明】
11 円盤状基板 12 スピナーヘッド 13 気体導入部 14 気体排出部 15 ディスペンスノズル 16 塗布液飛散防止壁 17 塗布液回収用ドレイン 18 排気ダクト 19 排気量調節弁 20 外気導入管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AB17 AC08 BH00 EA05 4D075 AC64 DC21 EA60 4F042 AA07 EB24 5D121 AA01 EE22 5F046 JA07 JA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部で軸支され、光ディスクの円盤状
    基板を上面に載置した状態で回転するスピナーヘッドを
    内蔵し、気体導入部をスピナーヘッドの上方側に、そし
    て気体排出部を下方側に有し、かつ所定の操作によって
    ノズル口がスピナーヘッドの上面の近傍に移動可能なデ
    ィスペンスノズルを備えた光ディスクの塗布膜形成装置
    を用い、スピナーヘッドの上面に光ディスクの円盤状基
    板を載置した後、気体導入部から気体排出部に気体を流
    通させながら、回転下にあるスピナーヘッドの上面近傍
    にノズル口を移動させたディスペンスノズルから塗布液
    を円盤状基板の表面上に連続的に供給して塗布液を円盤
    状基板の表面上で放射状に流延させ、ディスペンスノズ
    ルからの塗布液の供給を停止する一方、スピナーヘッド
    の回転を円盤状基板上の塗布液が乾燥するまで継続する
    ことからなる光ディスクの円盤状基板表面に塗布膜を形
    成する方法であって、気体導入部から気体排出部への気
    体の流通を、ディスペンスノズルからの塗布液の円盤状
    基板表面への供給開始時には相対的に高い速度で行な
    い、一方、ディスペンスノズルからの塗布液の円盤状基
    板表面への供給停止後は相対的に低い速度で行なうこと
    を特徴とする、光ディスクの円盤状基板表面の塗布膜の
    形成方法。
  2. 【請求項2】 気体導入部から気体排出部への気体の流
    通速度の変更を、流通の停止により行なうことを特徴と
    する、請求項1に記載の光ディスクの円盤状基板表面の
    塗布膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 気体導入部から気体排出部への気体の流
    通速度の変更を、ディスペンスノズルからの塗布液の円
    盤状基板表面への供給停止と同時に行なうことを特徴と
    する、請求項1に記載の光ディスクの円盤状基板表面の
    塗布膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 ディスペンスノズルからの塗布液の円盤
    状基板表面への供給停止と同時に気体導入部から気体排
    出部への気体の流通を停止することを特徴とする、請求
    項3に記載の光ディスクの円盤状基板表面の塗布膜の形
    成方法。
  5. 【請求項5】 ディスペンスノズルからの塗布液の円盤
    状基板表面への供給開始における気体導入部から気体排
    出部への気体の流通を、気体排出部における気体の流通
    速度が2〜10m/秒の範囲にあるような条件にて実施
    することを特徴とする、請求項1乃至4のうちのいずれ
    かの項に記載の光ディスクの円盤状基板表面の塗布膜の
    形成方法。
  6. 【請求項6】 塗布液がレーザ光により物性の変化が発
    生する色素の溶液であることを特徴とする、請求項1乃
    至5のうちのいずれかの項に記載の光ディスクの円盤状
    基板表面の塗布膜の形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009151918A (ja) * 2007-11-30 2009-07-09 Mitsubishi Kagaku Media Co Ltd 情報記録媒体及び情報記録媒体の製造方法
JP2017050575A (ja) * 2016-12-15 2017-03-09 東京エレクトロン株式会社 基板乾燥方法及び基板処理装置
JP2017050576A (ja) * 2016-12-15 2017-03-09 東京エレクトロン株式会社 基板乾燥方法及び基板処理装置

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