JP4241306B2 - 衝突防止制御システム - Google Patents

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本発明は、軌道上を走行する複数の搬送台車の衝突を防止するために搬送台車の走行を制御する衝突防止制御システムに関するものである。
半導体製造、液晶製造、FAなどの製造プロセスにおいて、製造過程の品物をプロセスに従い装置から装置に搬送する搬送手段としては、天井より懸垂された軌道上を走行してFOUP(Front Opening Unified Pod)を搬送するOHT(Over head Hoist Transport)、OHS(Over Head Shuttle)、床上を自立走行する搬送台車を用いた搬送システムなど、軌道上を走行する搬送台車による無人搬送システムが主流となっている。
これらの無人搬送システムにおいて、搬送台車の走行する軌道は、製造装置の配置と整合を採って敷設される。また、軌道は、閉ループにて形成され、必要に応じて、分岐・合流が設けられる。そして、軌道を走行する台車の走行方向は、通常、一方通行である。即ち、軌道の合流点においては、複数のルートから走行して来た搬送台車が1つのルートに合流することになるので、複数のルートから搬送台車が同時に合流点に到達すると、当然衝突がおこる。従って、搬送台車を軌道上で走行させる無人搬送システムでは、従来から、合流点を含む合流領域に於ける衝突防止技術が開発されている。
従来の衝突防止技術として、例えば、軌道に1本の導電線(通信線)を敷設し、無人搬送車(搬送台車)に起電力を誘起させる誘導信号発信器と誘導信号受信器を搭載し、複数の無人搬送車の合流領域での衝突を防止する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1の技術では、合流領域に到達した無人搬送車は、誘導信号受信器により信号を受信しなかった場合に前進して合流領域を走行する間に誘導信号発信器により信号を発信するとともに、誘導信号受信器により信号を受信した場合に合流領域への走行を停止することにより、複数の無人搬送車の合流領域での衝突を防止している。
また、軌道の両側に2本の導電線(通信線)を敷設し、無人車(搬送台車)の両側に送受信器を搭載し、複数の無人車が合流領域内へ同時に進入した場合にも,衝突を防止するべく適切な制御を行う技術が特許文献2に記載されている。特許文献2の技術では、2本の導電線のそれぞれにおいて、一方の流入路の無人車に搭載された送信手段と他方の流入路の無人車に搭載された受信手段との間で信号を送受信できるよう構成することにより、自車の検知信号の送信と他車の検知信号の受信とを並行して行うようにし、合流領域に到達した無人車は、受信手段により信号を受信しなかった場合に前進して合流領域を走行する間に送信手段により信号を発信するとともに、受信手段により信号を受信した場合に合流領域への走行を停止することにより、複数の無人車の合流領域での衝突を防止している。また、同時に合流領域に複数の無人車が到達した場合は、あらかじめ流入路に優先順位を設けておき、優先軌道上の無人車を優先させて進入させるように構成されている。
実開平2−95404号公報 特開平10−301626号公報
しかしながら、従来の技術では、搬送台車が発信する信号は全て同じものであり、通信線が単線の場合、受信した信号が、自車が発信する信号であるか他車が発信する信号であるかを判断することができない。従って、特許文献1では、自車が信号を発信している場合には信号の受信をしないようにしている。かかる場合、合流領域に同時に搬送台車が進入した場合は、信号の受信ができず、衝突してしまうという問題がある。
一方、特許文献2では、通信線を単線とせず、軌道に対して通信線を右側と左側の2本設け、それぞれの搬送台車が受信用の通信線と送信用の通信線とを使い分けることができるように構成している。しかし、このような構成の場合、合流領域が複数の軌道により形成されていたり、軌道の追加工事が施されたりすると、通信線の敷設が煩雑となるという問題がある。
更に、無人搬送システムの軌道は、通常、様々な理由で追加工事を施されることが多い。そして、このような追加工事の際に、不注意により、軌道上の合流領域に敷設された通信線に損傷を与え、場合によっては通信線を断線させてしまうトラブルが少なからず発生する。かかる場合、特許文献1または特許文献2の技術では、断線など導電線に不具合が発生していた場合には、先に合流領域に進入した搬送台車から発信された信号を後から合流領域に進入した搬送台車が受信することができず、搬送台車同士が衝突してしまう可能性がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、合流領域に敷設された通信線が単線の場合においても、更にその通信線に不具合が生じた場合においても、搬送台車同士の衝突を回避することができる衝突防止制御システムを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び効果
上記課題を解決するために、本発明に係る衝突防止制御システムは、搬送台車が走行する軌道内の複数の流入ルートが合流する合流点を含む所定の合流領域に、単線のループ状に敷設された通信手段と、前記搬送台車に設置され、前記合流領域内において前記通信手段に対して流入ルートを示す固有の識別信号を送信する送信手段と、前記搬送台車に設置され、前記合流領域内において前記通信手段から前記識別信号を受信する受信手段と、前記搬送台車に設置され、前記受信手段で受信した前記識別信号を分析して走行を制御する制御手段と、前記軌道を走行する全ての搬送台車への搬送指令や位置の管理等の搬送システムの運行管理や運行制御を行う運行制御装置と、前記搬送台車に設置され、前記運行制御装置との間で通信を行う台車側通信手段と、を備える衝突防止制御システムであって、前記制御手段は、自己の流入ルートと異なる流入ルートを示す前記識別信号を前記受信手段で検知している間は走行を停止するとともに、自己が送信した前記識別信号を自己の前記受信手段で検知しなかった場合は前記通信手段に異常があると判断し、自己の走行を停止し、前記軌道を走行する全ての搬送台車の走行を停止するように前記台車側通信手段を介して前記運行制御装置に対して指令を出すことを特徴とする。
これにより、単線のループ状に敷設された通信手段上で、自己の流入ルートと異なる流入ルートを示す識別信号を受信手段で検知することにより、合流領域に進入した搬送台車は他の流入ルートから進入した搬送台車が合流領域に既に存在することを確認することになる。そして、他の流入ルートから進入した先行する搬送台車が存在する場合は合流領域を通過するのを待ち、他の流入ルートから進入した先行する搬送台車が存在しない場合は自己の搭載する発信手段で通信手段に自己の流入ルートを示す識別信号を発信しながら走行することにより、合流領域における搬送台車同士の衝突を回避することができる。尚、走行する流入ルートが同一の流入ルートである場合は、複数の搬送台車の走行が可能である。また、断線など通信手段に異常がある場合は、通信手段が合流領域にループ状に敷設された単線であることから、自己の送信手段で送信した識別信号が自己の受信手段で受信できなくなり、通信手段の異常を容易に認識することができる。そして、異常が検知された時点で自己の走行を即時停止させることで衝突を回避することが可能となる。そして、異常が検知された時点で走行する全ての搬送台車を即時停止させることで衝突を回避することが可能となる。
また、前記識別信号として、流入ルート毎に異なる、交流波形信号、パルス周波数波形信号、複数ビットからなるデジタル通信信号のいずれか一つまたはこれら2つ以上の組み合わせを用いることが好ましい。
これにより、流入ルート毎に異なる、交流波形信号(流入ルート毎に周波数と電圧のいずれか一方または双方が異なる信号)、パルス周波数波形信号(流入ルート毎に周波数が異なる信号)、複数ビットからなるデジタル通信信号(流入ルート毎に異なる複数ビットからなるデジタル通信方式の信号)のいずれか一つの信号またはこれら2つ以上を任意に組み合わせた信号を識別信号として用いることから、双方向通信においても混線することなく、自己の流入ルートと異なる流入ルートを判別することができる。
また、前記通信手段は、前記合流領域内の各流入ルートの始めから終わりまで敷設されて信号を送信するための送信側通信線と、当該合流領域内の各流入ルートの始めから短めに敷設されて信号を受信するための受信側通信線とから構成されて、当該送信側通信線と当該受信側通信線とで前記通信手段として単線のループ状に敷設され、前記送信手段は、前記合流領域内において前記送信側通信線と電磁結合されて前記送信側通信線に対して流入ルートを示す固有の識別信号を送信し、前記受信手段は、前記合流領域内において前記受信側通信線と電磁結合されて前記受信側通信線から前記識別信号を受信すると共に、前記送信手段と前記受信手段との機能を備えて進行する流入ルートに合わせて前記送信手段と前記受信手段との機能を切り替える送受信器として構成されることが好ましい。
これにより、単線のループ状に敷設された通信手段を実現すると共に、通信手段上で自己の流入ルートと異なる流入ルートを示す識別信号を検知する受信手段と、通信手段に自己の流入ルートを示す識別信号を発信する送信手段を実現することができる。
また、前記通信手段に、当該通信手段のインダクタンスをほぼ補償する程度の容量を有するコンデンサを直列に接続することが好ましい。 これにより、単線の通信手段の長さの増大に伴い増加するインピーダンスの増加を低減し、識別信号の信号レベルの低下を防ぐことができる。
また、前記送信手段及び前記受信手段は、共にE型フェライトコアにコイルが挿入されて構成されて、当該各E型フェライトコアの連続平面部にネジ止めされた導電性金属で形成されるブラケットにネジ止めされる導線と当該各E型フェライトコアとは電気的に導通短絡されると共に、当該各導線の他端はコンデンサの両端に接続されることが好ましい。
これにより、送信手段と受信手段を搬送台車上に近接して載置することにより発生する相互の空中を伝播する電磁界誘導干渉によるノイズを解消することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の実施形態を、図1〜図8に基づいて説明する。
尚、本実施形態においては、半導体製品製造施設において、半導体基板や液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の処理対象物を搬送する無人搬送システムに適用した場合について説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態に係る衝突防止制御システムについて説明する。図1は、衝突防止制御システムの構成を示す図であり、OHT搬送システムの軌道における合流領域全体の上面図である。
図1に示すように、後述するOHT搬送システムの軌道には、軌道Aと軌道Cを含む合流域(流入ルート)Pa、軌道Bと軌道Cを含む合流域(流入ルート)Pbとが形成されており、PaとPbを合せた領域が、軌道Aと軌道Bが軌道Cに合流する合流点を含む合流領域を構成している。また、本実施の形態では、軌道A、軌道Bを、それぞれ、OHT搬送台車(以下、「搬送台車」と略する。)1a、1bが走行するケースを想定する。合流域Paには、送信側通信線5aと受信側通信線6aが敷設され、合流域Pbには、送信側通信線5bと受信側通信線6bが敷設される。送信側通信線5a、5b、受信側通信線6a、6bは、1本のループ状導電線により、通信線7(通信手段)を構成している。尚、送信側通信線5a、5bは、合流領域内で信号を送信し続けるため、合流領域内の各合流域の始めから終わりまで敷設され、受信側通信線6a、6bは、信号の受信にのみ用いられるため、合流領域内の各合流域に対して短めに敷設される。また、軌道A、B上には、それぞれ、誘導線制御有効マーク12a、12b、送信点マーク14a、14b、停止点マーク13a、13bが設けられており、軌道C上には、誘導線制御無効マーク15が設けられる。
また、図1に示すように、搬送台車1aには、右側誘導信号送受信器2a(受信手段・送信手段)と左側誘導信号送受信器3a(受信手段・送信手段)が搭載され、合流域Paでは、右側誘導信号送受信器2aが送信側通信線5aと電磁結合され、左側誘導信号送受信器3aが受信側通信線6aと電磁結合される。また、搬送台車1bには、右側誘導信号送受信器2bと左側誘導信号送受信器3bが搭載され、合流域Pbでは、左側誘導信号送受信器3bが送信側通信線5bと電磁結合され、右側誘導信号送受信器2bが受信側通信線6bと電磁結合される。尚、搬送台車1aの右側誘導信号送受信器2aと左側誘導信号送受信器3a、及び、搬送台車1bの右側誘導信号送受信器2と左側誘導信号送受信器3bは、それぞれ、進行する合流域に合わせて送信器(送信手段)と受信器(受信手段)との機能を切り替えるように構成される。図1においては、搬送台車1aは、右側誘導信号送受信器2aが送信器、左側誘導信号送受信器3aが受信器であり、搬送台車1bは、右側誘導信号送受信器2bが受信器、左側誘導信号送受信器3bが送信器である。
そして、搬送台車1a、1bには、それぞれ、マーク読取り器4a、4bが搭載され、軌道A、B上の誘導線制御有効マーク12a、12b、送信点マーク14a、14b、停止点マーク13a、13b、軌道C上の誘導線制御無効マーク15を読み取るように構成される。更に、搬送台車1a、1bには、それぞれ、制御部8a、8b(制御手段)が設けられ、後述する衝突防止制御システム11の処理(図5参照)に基づいて、右側誘導信号送受信器2a、2b又は左側誘導信号送受信器3a、3bで信号を発信又は受信・分析して運行を制御したり、マーク読取り器4a、4bで読み取ったマークにより運行を制御したりする他、後述するFOUPの移載作業についての制御も行う。
本実施形態に係る衝突防止制御システム11は、以上に説明した通信線7、搬送台車1aの右側誘導信号送受信器2aと左側誘導信号送受信器3a、搬送台車1bの右側誘導信号送受信器2bと左側誘導信号送受信器3b、搬送台車1a及び搬送台車1bに搭載された制御部8a、8bから構成される。
ここで、図6及び図7に基づいて、通信線についてより詳細に説明する。図6は、通信線の構成を示す図である。図7は、コンデンサの容量Cをパラメータとして、通信線の受信信号レベルの実測値を測定した結果を示す図である。
図6に示すように、通信線7はループに形成され、このループの中間にコンデンサ21が直結される。一般に、通信線7は長さが長くなる程、インダクタンスが増加しインピーダンスが増えて、誘導電流が流れにくくなり、送信器(図1に示す搬送台車1a、1bの右側誘導信号送受信器2a、2b又は左側誘導信号送受信器3a、3bのいずれか一方)で送信した信号に対して、受信器(図1に示す搬送台車1a、1bの右側誘導信号送受信器2a、2b又は左側誘導信号送受信器3a、3bのいずれかもう一方)で受信できる信号レベルも低くなる。従って、インダクタンスの増加の補償には、通信線7にコンデンサ21の直結することが有効である。
通信線7のインダクタンスLを補償するコンデンサ21の容量Cは、送信器の信号周波数をfとすると、一般的に、次式で表せる。
C=1/(2πf)2/L ・・・ (式1)
以下、図7に基づいて、コンデンサ21の容量Cをパラメータとして、実際に通信線7の受信信号レベルの実測値を測定した結果について説明する。尚、コンデンサ21の容量Cの設定値と通信線7の回路条件は、以下のように設定した。
容量Cの設定値:0、0.15、0.225、0.3、0.45μF
回路条件 L(インダクタンス):13.78μH
R(電気抵抗):1.54Ω
Z(インピーダンス):8.97Ω
送信器の信号周波数:94kHz
図7に示すように、受信信号レベルは、コンデンサ21の容量Cが0.225μF近傍で最大値となることが確認される。即ち、この受信信号レベル最大の得られた条件でインピーダンスZは最小になったと言え、この値近傍の容量値のコンデンサ21を設置することが好ましい。
ここで、図9に基づいて、制御部についてより詳細に説明する。図9は、搬送台車の制御部について説明したブロック図である。
図9に示すように、制御部8には、マーク読取部80と、識別信号受信部81と、識別信号送信部82と、識別信号分析部83と、識別信号形成部84と、走行部85a及び停止部85bとからなる走行制御部・停止部85と、が含まれる。尚、図9において、制御部8は図1における制御部8a及び8bに相当し、マーク読取り器4は図1におけるマーク読取り器4a及び4bに相当し、右側誘導信号送受信器2は図1における右側誘導信号送受信器2a及び2bに相当し、左側誘導信号送受信器3は図1における左側誘導信号送受信器3a及び3bに相当する。
マーク読取り部80は、マーク読取り器4で読み取ったマークを識別信号受信部81、識別信号送信部82、識別信号形成部84、走行制御部・停止部85に出力する。
識別信号受信部81は、マーク読取り部80で読み取った誘導線制御有効マークに基づいて、通信線7上の識別信号を右側誘導信号送受信器2又は左側誘導信号送受信器3で受信し、受信した識別信号を識別信号分析部83に出力する。
識別信号送信部82は、識別信号形成部84で形成した識別信号を右側誘導信号送受信器2又は左側誘導信号送受信器3で発信し、また、マーク読取り部80で読み取った誘導線制御無効マークに基づいて発信を停止する。
識別信号分析部83は、識別信号受信部81で受信した識別信号を分析し、識別信号形成部84、走行制御部・停止部85、台車側通信部(後述する1次側電源)50を介して運行制御装置33(図3参照)に出力する。尚、識別信号分析部83において、他の合流域の識別信号の有無及び自車の合流域の識別信号の有無の分析は、受信した識別信号が自車の合流域の識別信号と一致するか否かで判断する。
識別信号形成部84は、マーク読取り部80で読み取った送信点マークと識別信号分析部83での他の合流域の識別信号無しとの分析結果に基づいて、自己の合流域を意味する識別信号を形成し、識別信号送信部82に出力する。
走行制御部・停止部85は、運行制御装置33(図3参照)から台車側通信部50を介して入力された指令に基づいて走行機構60に対する制御を行う。その他に、識別信号分析部83での他の合流域の識別信号無しとの分析結果、或いは、自車の合流域の識別信号有りとの分析結果に基づいて、走行部85aで搬送台車1の走行を引き続き行う。また、マーク読取り部80で読み取った停止点マークと識別信号分析部83での他の合流域の識別信号有りとの分析結果、或いは、自車の合流域の識別信号無しとの分析結果に基づいて、停止部85bで搬送台車の走行を停止する。尚、走行機構60は、後述するリニアモータなどから構成され、搬送台車1を走行させるための機構である。
尚、制御部8は、その他に、OHT台車位置調製機構41、懸架装置42、キャリア把持機構43に対する制御も行う。
次に、図2に基づいて、本実施形態が適用されるOHT搬送システムについて説明する。図2は、OHT搬送システムの構成を示す断面図である。
図2に示すように、搬送台車1(図1における搬送台車1a及び1bに相当)は、天井54に懸垂状態に取り付けられた軌道40上を走行するように構成されている。搬送台車1には、非接触給電1次側電源線(以下、「1次側電源」と略する。)50と、非接触給電2次側鉄心49(以下、「2次側鉄心」と略する。)と、が設けられており、非接触給方式で電力供給がなされる。具体的には、1次側電源50には高周波電力が印加され、2次側鉄心49に巻回されたコイルに1次側の高周波電力が誘導され非接触で電力伝達が行われるように構成されている。尚、搬送台車1に必要な電力はすべてこの非接触給電で賄われる。
搬送台車1のリニアモータは、軌道40に敷設されリニアモータの固定子となる2次側永久磁石46とリニアモータを構成する1次側積層鉄心47とにより構成される。走行に必要なリニアモータに供給される電力は、まず、2次側鉄心49に巻回されたコイルに誘導された高周波電流が全波整流により直流電流に変換され、さらに、電源コントローラによりPWM方式の3相交流電流に変換されて、リニアモータを構成する1次側積層鉄心47に供給される。リニアモータを構成する1次側積層鉄心47にPWM方式で作られた3相交流電流が供給されると、1次側積層鉄心47には直線状に移動する進行磁界が発生し、1次側積層鉄心47と対向配置されている2次側永久磁石46との間の磁気作用で1次側積層鉄心47に推進力が発生する。以上により、1次側積層鉄心47と2次側永久磁石46との間は一定間隔に保持され発生する推進力により、搬送台車1が軌道40上を走行する。尚、非接触給電を構成する1次側電源50は後述する運行制御装置33の通信部35と搬送台車1との通信(台車側通信部)としても使われる。
搬送台車1には、走行ローラ52、走行軌道に設けられた分岐用ガイド51、分岐ローラ53が設けられており、軌道分岐部では左右に配置された分岐用ガイド51のいずれか一方を分岐ローラ53が選択することで軌道40が選択され、走行ローラ52で軌道40を走行するように構成される。具体的には、通常、搬送台車1は後述するシステムコントローラの指令を受けて目的ポイントまで走行する。途中分岐部がある部位では、軌道40に敷設された左右分岐用ガイド51のいずれか一方を分岐ローラ53で選択する方法で、ルートを選択する。
また、搬送台車1には、右側送受信トランス18(図1に示す右側誘導信号送受信器2a及び2bに相当)と左側送受信トランス19(図1に示す左側誘導信号送受信器3a及び3bに相当)とが構成されており、後述する軌道40の合流領域に敷設された通信線7、即ち、送信側通信線5(図1に示す送信側通信線5a及び5bに相当)及び受信側通信線6(図1に示す受信側通信線6a及び6bに相当)に電磁結合される。
ここで、図8及び表1に基づいて、右側送受信トランスと左側送受信トランスについてより詳細に説明する。図8は、右側送受信トランスと左側送受信トランスの構成について説明した図である。表1は、右側送受信トランスと左側送受信トランスとの間のコンデンサの有無で、空中を伝播する干渉ノイズの低減率を測定した結果について説明した図である。
図8に示すように、右側送受信トランス18と左側送受信トランス19は同一物であり、それぞれ、E形フェライトコア25にコイル26が挿入されている。また、E形フェライトコア25の連続平面部には導電性の金属で形成された取付けブラケット24がネジ止めされ、これらブラケット24には導線22がネジ止めされている。右側送受信トランス18と左側送受信トランス19の導線22とフェライトコア25とは電気的に導通短絡されている。そして、それぞれの導線22の他端はコンデンサ23の両極に接続されている。
以下、表1に基づいて、右側送受信トランス18と左側送受信トランス19との間のコンデンサ23の有無で、空中を伝播する干渉ノイズの低減率を測定した結果について説明する。尚、空中を伝播して通信線7に誘起され受信器に検出される電圧を干渉ノイズ電圧として検出する方法で測定を行ったが、通信線7と、右側送受信トランス18、左側送受信トランス19の状態により測定結果が変化するため、測定は以下の条件で行った。
E型コアサイズ:60mm(W)×15mm(D)×40mm(H)
コイルターン数:104
トランス間距離:190mm(中心間)
コンデンサ容量:100PF
発信電圧波高値:330V(Sin波、最大波高値−最小波高値)
発信周波数:94kHz
また、通信線の状態として次の4条件を設定した。
条件1: 軌道の両側に通信線あり
条件2: 送信側通信線あり、受信側軌道切れ目
条件3: 送信側のみ通信線あり
条件4: 軌道の両側ともに通信線なし
Figure 0004241306
表1の実測結果から、右側送受信トランス18と左側送受信トランス19との間にコンデンサ23を設けることにより、空中を伝播する干渉ノイズを電圧レベル値で約60〜80%カットできることが確認できる。即ち、右側送受信トランス18又は左側送受信トランス19のいずれか一方の送信器から発信される電磁界が空中を伝播して右側送受信トランス18又は左側送受信トランス19のいずれかもう一方の受信器に影響を与える干渉ノイズを回避できたと言える。
更に、図2に示すように、搬送台車1には、OHT台車位置調整機構41と、懸垂ベルト巻き上げ機能を有する懸垂装置42と、懸垂ベルト43と、懸垂ベルト43の先端に設けられたキャリア把持機構44と、キャリア把持機構44の先端部に設けられたFOUPを把持するためのフィンガー45と、が備えられている。搬送台車1は、位置調整機構41で位置合わせし、懸垂装置42にて懸垂ベルト43を巻上げ、または巻きもどしすることによりフィンガー45でFOUPを把持または把持なしの状態でキャリア把持機構44を上下させる。そして、OHT搬送システムには、半導体製造装置57と半導体製造装置57のFOUP入出ポート58とが設けられており、FOUP入出ポート58を中継点として、半導体製造装置57内部へのシリコンウエハの取込みと取り出しが行われる。
具体的には、搬送台車1は目的地に到達後、FOUPの移載作業を行う。例えば、FOUPフランジ56をフィンガー45で把持し走行して来た搬送台車1が目的地で搭載しているFOUP55をFOUP入出ポート58に降ろす場合、搬送台車1はまず移載位置に到着停止し、位置調整機構41で正確に位置合わせを行い、次いで、最上部まで巻き上げられた懸垂ベルト43を逐次巻き降ろし、FOUPを半導体製造装置57のFOUP入出ポート58まで下ろす。FOUP底面がポート面に接触すると、ポート台に取り付けられた図示していないリミットスイッチが作動する。ポート台のリミットスイッチでFOUPの着地を検知した後、把持機構44はフィンガー45を開放しFOUPをFOUP入出ポート台58上に載置する。FOUP積み下ろし作業終了後、搬送台車1は懸垂ベルト43を巻上げ、把持機構44が最上部に到達した時点で、次の指令に従って次ぎの目的地に向かう。
次に、図3に基づいて、本実施形態が適用されるOHT搬送システムの運行制御の構成について説明する。図3は、OHT搬送システムの運行制御の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、運行制御装置33は、運行管理部34と、通信部35と、台車監視部36と、優先台車決定部37とからなる。運行管理部34は、ネットワーク38を介して半導体工場の生産管理システムを司るシステムコントローラ39とOHT搬送システムの運行管理に必要な情報のやり取りを行うものである。通信部35は、前述した1次側電源50を介して個々の搬送台車1と通信するためのものである。具体的には、各搬送台車1への搬送指令、搬送台車1からの搬送台車位置や、作業進捗報告が非接触給電1次側電線50を介して伝達される。台車監視部36は、合流領域10における搬送台車1同士の衝突を防止するための監視を行うためのものである。優先台車決定部37は、合流領域10に同時に進入する搬送台車1の優先順位を決定するものである。
次に、図3〜図5に基づいて、本実施形態に係る衝突防止制御システムの処理について説明する。
図4は、図3における合流領域の詳細説明図である。尚、図4において、図1と同一部位には同一記号を用い、その説明を省略する。また、図4における搬送台車1cの右側誘導信号送受信器2c、左側誘導信号送受信器3c、マーク読み取り器4c、制御部8cは、搬送台車1bの右側誘導信号送受信器2b、左側誘導信号送受信器3b、マーク読み取り器4b、制御部8bと同様であり、その説明を省略する。
図5は、本実施形態に係る衝突防止制御システムの処理について説明したフローチャートである。尚、図5で説明する衝突防止制御システムの処理は、搬送台車1a、1b、1cのそれぞれに搭載されている制御部8a、8b、8cにより行われるものである。
図3に示すように、本実施の形態の例では、以下のような状況を示している。まず、システムコントローラ39は搬送台車1bにストッカ59から半導体製造装置57にFOUPを搬送するよう指令出した。この指令は、ネットワーク38を介して運行制御装置33の運行管理部34に伝達され、さらに通信部35を経て搬送台車1bに伝達される。搬送台車1bは、この指令を受け、ストッカ59から半導体製造装置57に向かう途中、合流領域10に差し掛かり、合流領域10に進入した所である。一方、搬送台車1bから少し遅れて、搬送台車1aが、システムコントローラ39の指令を受けて合流領域10に進入しようとしている。さらに、搬送台車1bの後に続いて、搬送台車1cが、システムコントローラ39の指令を受けて合流領域10に進入しようとしている。
図4及び図5に示すように、まず、搬送台車1bが軌道Bを矢視方向に走行し、合流領域10内の合流域Pbに差し掛かる。そして、搬送台車1bは自車に搭載されているマーク読取り器4bで軌道Bに設置されている最初のマークとなる誘導線制御有効マーク12bを読取り(ステップS1)、合流領域10内の合流域Pbに侵入したことを認知する。そして、自車に搭載している右側誘導信号送受信器2bを作動させ(ステップS2)、受信側通信線6bに乗っている信号波形を検出・分析する(ステップS3)。続けて、誘導線制御有効マーク12bに近接して設けられている送信点マーク14bをマーク読取り器4bで読み取り(ステップS4)、ステップS3で分析した結果、他の合流域の搬送台車が送信する信号波形があるかどうかを判断する(ステップS5)。ここでは、受信した信号波形が自己の合流域Pbの信号波形と一致しないものであるかどうかで判断する。
本実施形態では他の合流域である合流域Paに搬送台車はなく、搬送台車1bが検出できる信号波形の分析結果は、他の合流域である合流域Paの搬送台車が送信する信号波形はない、即ち、他の合流域である合流域Paから合流領域10へ進入した先入車が存在しないということを意味するものである(ステップS5:NO)ので、左側誘導信号送信器3bで自車の合流域である合流域Pbを意味する信号を送信側通信線5bに乗せて送信を開始する(ステップS8)。尚、合流域Pbを意味する信号には交流波形信号(合流域毎に周波数と電圧のいずれか一方または双方が異なる信号)、パルス周波数波形信号(合流域毎に周波数が異なる信号)、複数ビットからなるデジタル通信信号(合流域毎に異なる複数ビットからなるデジタル通信方式の信号)、又は、これら2つ以上を任意に組み合わせた信号の中から必要に応じて選定する。
この時、搬送台車1bは、ステップS2において既に自車に搭載している右側誘導信号送受信器2bを作動させているので、受信側通信線6bに乗せられている信号波形を検出できる。つまり、自車が搭載する左側誘導信号送信器3bで発信する信号を自車に搭載する右側誘導信号送受信器2bで受信することができる。従って、搬送台車1bは、自車に搭載する右側誘導信号送受信器2bで、受信側通信線6bに乗っている信号波形を検出・分析し(ステップS9)、自車が搭載する左側誘導信号送信器3bで発信する信号を自車に搭載する右側誘導信号送受信器2bで受信できたかどうかが判断される(ステップS10)。ここでは、受信した信号波形が自己の合流域Pbの信号波形と一致するものであるかどうかで判断する。
搬送台車1bは、右側誘導信号送受信器2bの受信信号の分析結果、自車の発信する信号が検出できなかった場合(ステップS10:NO)、通信線7は断線などの異常ありと判断し、走行を即時停止すると共に、運行管理部34を介して全ての搬送台車に対して停止するように指令を出し(ステップS11)、処理を終了する。これにより、通信線7の断線により無制御状態に陥ることに起因する衝突事故は回避できる。一方、搬送台車1bは、右側誘導信号送受信器2bの受信信号の分析結果、自車の発信する信号が検出できた場合(ステップS10:YES)、通信線7が断線していないと判断し、合流域Pbの通過が完了するまで走行を継続させる(ステップS12)。そして、搬送台車1bは合流域Pbの終端部の軌道Cにおいて、マーク読取り器4bで誘導線制御無効マーク15読み取る(ステップS13)。即ち、誘導線制御無効マーク15は合流領域10を通過し終えたことを意味するマークであるので、搬送台車1bは左側誘導信号送受信器3bによる送信側通信線5bへの送信を停止させて(ステップS14)、処理を終了し、合流領域10を右方向に直進する。
次に、搬送台車1aは、搬送台車1bに遅れて合流領域10に侵入する。搬送台車1aは合流領域10内の合流域Paに差し掛かり、自車に搭載されているマーク読取り器4aで軌道Aに設置されている最初のマークとなる誘導線制御有効マーク12aを読取り(ステップS1)、合流領域10の合流域Paに侵入したことを認知する。そして、自車に搭載している左側誘導信号送受信器3aを作動させ(ステップS2)、受信側通信線6aに乗せられている信号波形を検出・分析する(ステップS3)。続けて、誘導線制御有効マーク12aに近接して設けられている送信点マーク14aをマーク読取り器4aで読み取り(ステップS4)、ステップS3で分析した結果、他の合流域の搬送台車が送信する信号波形があるかどうかを判断する(ステップS5)。ここでは、受信した信号波形が自己の合流域Paの信号波形と一致しないものであるかどうかで判断する。
本実施形態では他の合流域である合流域Pbの搬送台車は搬送台車1bがあり、搬送台車1aが検出できる信号波形の分析結果は、他の合流域の搬送台車が送信する信号波形はある、即ち、他の合流域から合流領域10へ進入した先入車が存在することを意味するものであるから(ステップS5:YES)、搬送台車1aは停止点マーク13aで停止する(ステップS6)。そして、搬送台車1aは停止状態で左側誘導信号送受信器3aを作動させ続け、受信側通信線6aに乗せられている信号波形の検出・分析を継続させる(ステップS7)。尚、本実施の形態では、この停止期間中、搬送台車1bは合流域Pbの終端部に向かい走行を続けるが、搬送台車1bが合流域Pbを通過し終えない内に、搬送台車1cが合流域Pbに侵入を開始する。この時、搬送台車1aは停止点マーク13aに停止したままである。
合流域Pbに進入した搬送台車1cは、基本的には、上述した先行する搬送台車1bと同様の動作を行う。即ち、まず、自車に搭載されているマーク読取り器4cで軌道Bに設置された最初のマークとなる誘導線制御有効マーク12bを読取り(ステップS1)、合流領域10の合流域Pbに侵入したことを認知する。そして、自車に搭載している右側誘導信号送受信器2cを作動させ(ステップS2)、受信側通信線6bに乗せられている信号波形を検出・分析する(ステップS3)。続けて、誘導線制御有効マーク12bに近接して設けられている送信点マーク14bをマーク読取り器4cで読み取り(ステップS4)、ステップS3で分析した結果、他の合流域の搬送台車が送信する信号波形があるかどうかを判断する(ステップS5)。ここでは、受信した信号波形が自己の合流域Pbの信号波形と一致しないものであるかどうかで判断する。
本実施形態では他の合流域である合流域Paに搬送台車はなく、搬送台車1cが検出できる信号波形の分析結果は、他の合流域である合流域Paの搬送台車が送信する信号波形はない、即ち、他の合流域である合流域Paから合流領域10へ進入した先入車が存在しないということを意味するものである(ステップS5:NO)ので、左側誘導信号送信器3cで自車の合流域である合流域Pbを意味する信号を送信側通信線5bに乗せて送信を開始する(ステップS8)。尚、搬送台車1bがまだ合流域Pbに存在し自己の合流域Pbを示す信号波形を発信していたとしても、搬送台車1cで受信した信号波形が自己の合流域Pbの信号波形と一致するため、他の合流域の搬送台車が送信する信号波形がないものと判断して、搬送台車1cは合流域Pbに進入することが可能となる。
この時、搬送台車1cは、ステップS2において既に自車に搭載している誘導信号受信器2cを作動させているので、通信線6bに乗せられている信号波形を検出できる。つまり、自車が搭載する左側誘導信号送信器3cで発信する信号を自車に搭載する右側誘導信号送受信器2cで受信することができる。従って、搬送台車1cは、自車に搭載する右側誘導信号送受信器2cで、受信側通信線6bに乗っている信号波形を検出・分析し(ステップS9)、自車が搭載する左側誘導信号送信器3cで発信する信号を自車に搭載する右側誘導信号送受信器2cで受信できたかどうかが判断される(ステップS10)。ここでは、受信した信号波形が自己の合流域Pbの信号波形と一致するものであるかどうかで判断する。
搬送台車1cは、右側誘導信号送受信器2cの受信信号の分析結果、自車の発信する信号が検出できなかった場合(ステップS10:NO)、通信線7は断線などの異常ありと判断し、走行を即時停止すると共に、運行管理部34を介して全ての搬送台車に対して停止するように指令を出し(ステップS11)、処理を終了する。これにより、通信線7の断線により無制御状態に陥ることに起因する衝突事故は回避できる。一方、搬送台車1cは、右側誘導信号送受信器2cの受信信号の分析結果、自車の発信する信号が検出できた場合(ステップS10:YES)、通信線7が断線していないと判断し、合流域Pbの通過が完了するまで走行を継続させる(ステップS12)。尚、搬送台車1bがまだ合流域Pbに存在し自己の合流域Pbを示す信号波形を発信していると、当該信号波形が搬送台車1cで受信した信号波形が自己の合流域Pbの信号波形と一致するため、搬送台車1bが搭載する左側誘導信号送信器3bで発信する信号を自車が搭載する左側誘導信号送信器3cで発信する信号として、自車に搭載する右側誘導信号送受信器2cで受信できたと判断する場合も考えられるが、かかる場合も、通信線7は断線などの異常はないと考えられるので問題はない。そして、搬送台車1cは合流域Pbの終端部の軌道Cにおいて、マーク読取り器4cで誘導線制御無効マーク15読み取る(ステップS13)。即ち、誘導線制御無効マーク15は合流領域10を通過し終えたことを意味するマークであるので、搬送台車1cは左側誘導信号送受信器3cによる送信側通信線5bへの送信を停止させて(ステップS14)、処理を終了し、合流領域10を右方向に直進する。
一方、ステップS5〜S7の処理を反復しながら、停止点マーク13aに停止したままでの搬送台車1aは、搬送台車1cの合流域Pbを通過して左側誘導信号送受信器3cが停止されると、始めて、搬送台車1aが検出できる信号波形の分析結果が、他の合流域である合流域Pbの搬送台車が送信する信号波形はなし、即ち、他の合流域である合流域Pbから合流領域10へ進入した先入車が存在しないことを意味するものとなる(ステップS5:NO)。そして、搬送台車1aは、直ちに、停止点マーク13aを発進して合流域Paを右方向に進み、同時に右側誘導信号送信器2aで自車の合流域である合流域Paを意味する信号を送信側通信線5aに乗せて送信を開始する(ステップS8)。尚、合流域Paを意味する信号には交流波形信号(合流域毎に周波数と電圧のいずれか一方または双方が異なる信号)、パルス周波数波形信号(合流域毎に周波数が異なる信号)、複数ビットからなるデジタル通信信号(合流域毎に異なる複数ビットからなるデジタル通信方式の信号)、又は、これら2つ以上を任意に組み合わせた信号の中から必要に応じて選定する。
この時、搬送台車1aは、ステップS2において既に自車に搭載している左側誘導信号送受信器3aを作動させているので、受信側通信線6aに乗せられている信号波形を検出できる。つまり、自車が搭載する右側誘導信号送信器2aで発信する信号を自車に搭載する左側誘導信号送受信器3aで受信することができる。従って、搬送台車1aは、自車に搭載する左側誘導信号送受信器3aで、受信側通信線6aに乗っている信号波形を検出・分析し(ステップS9)、自車が搭載する右側誘導信号送信器2aで発信する信号を自車に搭載する左側誘導信号送受信器3aで受信できたかどうかが判断される(ステップS10)。ここでは、受信した信号波形が自己の合流域Paの信号波形と一致するものであるかどうかで判断する。
搬送台車1aは、左側誘導信号送受信器3aの受信信号の分析結果、自車の発信する信号が検出できなかった場合(ステップS10:NO)、通信線7は断線などの異常ありと判断し、走行を即時停止すると共に、運行管理部34を介して全ての搬送台車に対して停止するように指令を出し(ステップS11)、処理を終了する。これにより、通信線7の断線により無制御状態に陥ることに起因する衝突事故は回避できる。一方、搬送台車1aは、左側誘導信号送受信器3aの受信信号の分析結果、自車の発信する信号が検出できた場合(ステップS10:YES)、通信線7が断線していないと判断し、合流域Paの通過が完了するまで走行を継続させる(ステップS12)。そして、搬送台車1aは合流域Paの終端部の軌道Cにおいて、マーク読取り器4aで誘導線制御無効マーク15読み取る(ステップS13)。即ち、誘導線制御無効マーク15は合流領域10を通過し終えたことを意味するマークであるので、搬送台車1aは右側誘導信号送受信器2aによる送信側通信線5aへの送信を停止させて(ステップS14)、処理を終了し、合流領域10を右方向にさらに直進する。
このように、本実施形態に係る衝突防止制御システム11では、図1に示すように、ループ状に敷設された単線の通信線7上で、自己の合流域Paと異なる合流域Pbを示す識別信号を左側誘導信号送受信器3aで検知することにより、合流領域10に進入した搬送台車1aは他の合流域から進入した搬送台車1bが合流領域10に既に存在することを確認することになる。そして、他の合流域Pbから進入した先行する搬送台車1bが存在する場合は、先行した搬送台車1bが合流領域10を通過するのを待つ。そして、他の合流域Pbから進入した先行する搬送台車1b及びその後に他の合流域Pbから進入した搬送台車1cが存在しなくなると、自己の搭載する右側誘導信号送受信器2aで通信線7に自己の合流域Paを示す識別信号を発信しながら走行することにより、合流領域10における搬送台車1a、1b、1c同士の衝突を回避することができる。尚、搬送台車1b、1cは、走行する軌道が同一であり、合流域Pbの複数での走行が可能である。
また、合流域Pa又は合流域Pbを示す識別信号は、合流域毎に異なる交流波形信号(合流域毎に周波数と電圧のいずれか一方または双方が異なる信号)、パルス周波数波形信号(合流域毎に周波数が異なる信号)、複数ビットからなるデジタル通信信号(合流域毎に異なる複数ビットからなるデジタル通信方式の信号)のいずれか一つの信号またはこれら2つ以上を任意に組み合わせた信号を識別信号として用いることから、双方向通信においても混線することなく、自己の合流域と異なる合流域を判別することができる。
また、図1に示すように、断線など通信線7に異常がある場合は、通信線7が合流領域10にループ状に敷設された単線であることから、自己の送信器(右側誘導信号送受信器2a、左側誘導信号送受信器3b、左側誘導信号送受信器3c)で送信した識別信号が自己の受信器(左側誘導信号送受信器3a、右側誘導信号送受信器2b、右側誘導信号送受信器2c)で受信できなくなり、通信線7の異常を容易に認識することができる。そして、異常が検知された時点で走行する全ての搬送台車1a、1b、1cを即時停止させることで衝突を回避することが可能となる。
また、図6に示すように、通信線7上に通信線7のインダクタンスをほぼ補償する程度の容量を有するコンデンサ21を直列に設けることにより、単線の通信線7の長さの増大に伴い増加するインピーダンスの増加を低減し、識別信号の信号レベルの低下を防ぐことができる。
また、図8に示すように、右側送受信トランス18と左側送受信トランス19とを電気的に短絡する導線22を敷設し、導線22にコンデンサ23を設けることにより、右側送受信トランス18と左側送受信トランス19を搬送台車1上に近接して載置することにより発生する相互の空中を伝播する電磁界誘導干渉によるノイズを解消することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな変更が可能なものである。
上述の実施形態では、本発明である衝突防止制御システムを、半導体製品製造施設における、半導体基板や液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の処理対象物を搬送する搬送システムに適用しているが、それに限らない。例えば、工程内や工程間において処理対象物を搬送して処理を加えながら最終製品とする施設の搬送システムに加えて、電子部品や機械部品、化学品、食品、書類等の荷物を搬送する全業種の搬送システムに適用することができる。
衝突防止制御システムの構成を示す図であり、OHT搬送システムの軌道における合流領域全体の上面図である。 OHT搬送システムの構成を示す断面図である。 OHT搬送システムの運行制御の構成を示すブロック図である。 図3における合流領域の詳細説明図である。 本実施形態に係る衝突防止制御システムの処理について説明したフローチャートである。 通信線の構成を示す図である。 コンデンサの容量Cをパラメータとして、通信線の受信信号レベルの実測値を測定した結果を示す図である。 右側送受信トランスと左側送受信トランスの構成について説明した図である。 搬送台車の制御部について説明したブロック図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c 搬送台車
2、2a、2b、2c 右側誘導信号送受信器(送信器又は受信器)
3、3a、3b、3c 左側誘導信号送受信器(送信器又は受信器)
5a、5b 送信側通信線
6a、6b 受信側通信線
7 通信線
8、8a、8b、8c 制御部
10 合流領域
11 衝突防止制御システム
18 右側送受信トランス
19 左側送受信トランス
21 コンデンサ
23 コンデンサ
40 軌道

Claims (5)

  1. 搬送台車が走行する軌道内の複数の流入ルートが合流する合流点を含む所定の合流領域に、単線のループ状に敷設された通信手段と、
    前記搬送台車に設置され、前記合流領域内において前記通信手段に対して流入ルートを示す固有の識別信号を送信する送信手段と、
    前記搬送台車に設置され、前記合流領域内において前記通信手段から前記識別信号を受信する受信手段と、
    前記搬送台車に設置され、前記受信手段で受信した前記識別信号を分析して走行を制御する制御手段と、
    前記軌道を走行する全ての搬送台車への搬送指令や位置の管理等の搬送システムの運行管理や運行制御を行う運行制御装置と、
    前記搬送台車に設置され、前記運行制御装置との間で通信を行う台車側通信手段と、
    を備える衝突防止制御システムであって、
    前記制御手段は、自己の流入ルートと異なる流入ルートを示す前記識別信号を前記受信手段で検知している間は走行を停止するとともに、自己が送信した前記識別信号を自己の前記受信手段で検知しなかった場合は前記通信手段に異常があると判断し、自己の走行を停止し、前記軌道を走行する全ての搬送台車の走行を停止するように前記台車側通信手段を介して前記運行制御装置に対して指令を出すことを特徴とする衝突防止制御システム。
  2. 前記識別信号として、流入ルート毎に異なる、交流波形信号、パルス周波数波形信号、複数ビットからなるデジタル通信信号のいずれか一つまたはこれら2つ以上の組み合わせを用いることを特徴とする請求項1に記載の衝突防止制御システム。
  3. 前記通信手段は、前記合流領域内の各流入ルートの始めから終わりまで敷設されて信号を送信するための送信側通信線と、当該合流領域内の各流入ルートの始めから短めに敷設されて信号を受信するための受信側通信線とから構成されて、当該送信側通信線と当該受信側通信線とで前記通信手段として単線のループ状に敷設され、
    前記送信手段は、前記合流領域内において前記送信側通信線と電磁結合されて前記送信側通信線に対して流入ルートを示す固有の識別信号を送信し、前記受信手段は、前記合流領域内において前記受信側通信線と電磁結合されて前記受信側通信線から前記識別信号を受信すると共に、前記送信手段と前記受信手段との機能を備えて進行する流入ルートに合わせて前記送信手段と前記受信手段との機能を切り替える送受信器として構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の衝突防止制御システム。
  4. 前記通信手段に、当該通信手段のインダクタンスをほぼ補償する程度の容量を有するコンデンサを直列に接続することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の衝突防止制御システム。
  5. 前記送信手段及び前記受信手段は、共にE型フェライトコアにコイルが挿入されて構成されて、当該各E型フェライトコアの連続平面部にネジ止めされた導電性金属で形成されるブラケットにネジ止めされる導線と当該各E型フェライトコアとは電気的に導通短絡されると共に、当該各導線の他端はコンデンサの両端に接続されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の衝突防止制御システム。
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