JP4239354B2 - 電気錫めっき鋼板のラミナーフローノズル、冷却装置および冷却方法 - Google Patents

電気錫めっき鋼板のラミナーフローノズル、冷却装置および冷却方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4239354B2
JP4239354B2 JP2000098661A JP2000098661A JP4239354B2 JP 4239354 B2 JP4239354 B2 JP 4239354B2 JP 2000098661 A JP2000098661 A JP 2000098661A JP 2000098661 A JP2000098661 A JP 2000098661A JP 4239354 B2 JP4239354 B2 JP 4239354B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin
cooling water
plated steel
steel sheet
cooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000098661A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001288594A (ja
Inventor
尚稔 龍
利裕 菊地
敏明 天笠
慶 結城
文男 青木
茂樹 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2000098661A priority Critical patent/JP4239354B2/ja
Publication of JP2001288594A publication Critical patent/JP2001288594A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4239354B2 publication Critical patent/JP4239354B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理(錫めっき層溶融処理)後の冷却装置に係り、とくにリフロー処理後の急冷に際し発生するクエンチステンインの防止に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板表面に電気的に錫めっきを施した電気錫めっき鋼板は、缶用材料として利用されることが多いが、通常、めっき表面は光沢を有することが要求されている。しかし、単に電気めっきしただけでは、所望の光沢を得ることができないため、通常は、電気錫めっき後に加熱して錫めっき層の表面を溶融したのち、ただちに急冷することにより、表面の錫酸化物の形成を防止し、良好な金属光沢を有する鋼板表面外観を得ている。
【0003】
しかし、この急冷時に、溶融した錫が部分的に凝集したり、あるいは冷却の不均一に起因して、鋼板表面にあたかも水滴が付着したような、クエンチステインと呼ばれる汚れ模様が発生する場合がある。
このようなクエンチステインを防止する方法として、例えば、特開昭50-74532号公報には、リフローされた金属板がクエンチタンクに入る前の位置において、ミストを噴霧する第1段の冷却と、クエンチタンク内で、高圧大容量の液中スプレーによる第2段の冷却を行うクエンチステインを防止する方法が提案されている。また、特開昭50-75131号公報には、リフローされた金属板がクエンチタンクに入る前の位置において、高圧水を案内板に沿わせてスプレーする第1段の冷却と、クエンチタンク内で、高圧大容量の液中スプレーによる第2段の冷却を行うクエンチステインを防止する方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、特開昭50-74532号公報、特開昭50-75131号公報に記載された技術では、ライン速度、鋼板板厚、めっき厚の変化に対応して冷却条件を調整することが難しく、クエンチステインを防止できない場合があるという問題があった。
また、実開平2-94257 号公報には、電気錫めっきのリフロー設備が提案されている。この電気錫めっきのリフロー設備では、錫層溶融部の保熱炉の出側に非酸化性ガスの吹出し口を設けて、錫層の酸化を防止し光沢のあるぶりきを製造できるとしている。しかしながら、実開平2-94257 号公報に記載された設備では、冷却能に限界がありクエンチステインの防止は困難である。
【0005】
また、特開平4-88193 号公報には、クエンチ処理時のクエンチタンクの水温を50〜75℃の一定範囲内に保持して、クエンチ処理を行うことにより経時変化に伴う酸化錫の生成を防止する方法が開示されている。しかしながら、特開平4-88193 号公報に記載された技術では、操業条件の変化に対する応答性が悪く、また鋼板温度やタンク内の冷却水の攪拌状態により位置による温度差が生じ、適切なクエンチ条件が満足されないため、クエンチステインを完全には防止できないという問題があった。
【0006】
また、特開平7-243084号公報には、錫層の溶融装置の出側に冷却前の鋼板温度を測定する温度測定装置と、冷却水の温度測定装置と、冷却水温制御装置と、冷却水を鋼板表面に噴射させる回動可能なクエンチスプレーと、鋼板温度と冷却水の飽和温度の差を一定範囲とするようにスプレーの噴射水量、水温、噴射角度を制御する記憶制御装置とからなるクエンチステイン防止装置が開示されている。このクエンチステイン防止装置を用いて、鋼板温度と冷却水の飽和温度の差を一定範囲となるように、スプレーの噴射水量、水温、噴射角度を制御してクエンチステインを防止できるとしている。しかしながら、特開平7-243084号公報に記載された技術では、連続ラインにおいてライン速度、鋼板板厚、めっき厚の変化に対応して冷却用タンク内の水温を変化させる必要があり、その追従性に問題が残されていた。
【0007】
また、特開平8-176888号公報には、クエンチタンク内にめっき鋼板と対向する一対の冷却水用スプレイノズルを配置し、スプレイノズル冷却水流量調整弁、スプレイノズル冷却水温度調節装置によりライン速度、鋼板板厚、めっき厚に対応して、スプレイノズル冷却水流量、スプレイノズル冷却水温度を制御するめっき鋼板の冷却方法が開示されている。さらに、特開平9-157890号公報には、冷却水用スプレイノズルを複数段とし、スプレイノズル群を囲みジャケットを配設した錫めっき鋼板の冷却装置が開示されている。また、特開平9-263991号公報には、クエンチタンク内にめっき鋼板と対向する一対の冷却水用スプレイノズルと、スプレイノズルの外側に仕切り板、を配設した電気錫めっき鋼帯の冷却装置が開示され、仕切り板を配置することにより周囲の水の回り込みを防止しクエンチステインが防止できるとしている。
【0008】
しかしながら、特開平8-176888号公報、特開平9-157890号公報、特開平9-263991号公報に記載された技術によってもなお、幅方向に均一な冷却ができずクエンチステインが発生するという問題があった。
また、特開平9-279389号公報には、クエンチステイン防止に適したスプレーノズルが提案されている。このスプレイノズルは、噴射口の上面を鋼板に対し30〜75度傾斜した平面とし、噴射口の上面に隣接するノズルの上面が鋼板に対し噴射口の上面以上の角度とするものである。これにより、鋼板を冷却した冷却水の流動が円滑となり、クエンチステインの発生が防止できるとしている。
【0009】
【発明の解決しようとする課題】
しかし、特開平9-279389号公報に記載されたスプレイノズルを使用しても、鋼板に冷却水を噴射するため、鋼板に対し冷却水が滞留する個所が必然的に発生し、鋼板全面にわたり均一冷却となり難くクエンチステインの発生が完全には防止できないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理後の急冷に際し発生するクエンチステインの発生を防止し、さらにリフロー処理の処理速度を向上できる、錫めっき鋼板の冷却装置および錫めっき鋼板の冷却方法を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するために、リフロー処理後にクエンチタンク冷却水内で行うスプレーノズルによる冷却水噴射に際して、生じる噴流の動きを詳細に検討した。その結果、スプレーノズルにより冷却水を噴射すると、図3に示すように、噴射された冷却水は鋼板に衝突したのち、下降流および上昇流を形成する。上昇流は、冷却水液面を上昇させるため、冷却水の流れが留る、冷却水滞留点が発生する。このため、鋼板表面では水蒸気膜が形成され膜沸騰となり、他の個所にくらべ冷却が遅れ、クエンチステインを発生させていることが判明した。また、噴流は乱流となり、鋼板の幅方向の冷却も不均一となることを知見した。
【0012】
このようなことから、本発明者らは、スプレーノズルによる冷却水噴射に代えて、クエンチタンク内で鋼板を冷却する前に、鋼板の搬送方向に沿うラミナーフローの冷却水で予め鋼板を冷却することが、クエンチステインの発生を防止するのにもっとも有効であるという知見を得た。
本発明は、このような知見に基づいて、さらに検討を加え完成されたものである。
【0013】
すなわち、第1の本発明は、連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理後の錫めっき鋼板を冷却するノズルであって、冷却水を供給するヘッダーと、錫めっき鋼板に相対する側に該錫めっき鋼板の幅方向に延びた開口部を有し該ヘッダーから供給された冷却水を溜める冷却水箱と、該冷却水箱内で前記ヘッダーと前記開口部との間に、上端を冷却水箱内冷却水の液面より高くなるように前記開口部下端水準より突出し、下端を冷却水が連通可能に配設した堰と、前記冷却箱の外側に前記開口部下端に接して前記鋼板の搬送方向と所定の角度をなす傾斜を有するように配設されたフラップと、を有し、前記開口部を介し前記フラップからラミナーフローの冷却水を噴流することを特徴とする錫めっき鋼板のラミナーフローノズルである。
【0014】
また、第2の本発明は、連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理後の錫めっき鋼板の冷却装置であって、クエンチタンクと、錫めっき鋼板の導入側で、かつ前記クエンチタンクの冷却水液面より上側の、前記錫めっき鋼板の表裏面にそれぞれ相対する位置に移動可能に配設された一対の、前記ラミナーフローノズルと、を有することを特徴とする錫めっき鋼板の冷却装置であり、また、第2の本発明では、さらに前記クエンチタンクの冷却水内で、前記錫めっき鋼板の表裏面にそれぞれ相対する位置に配設された少なくとも一対のスプレーノズルを有することが好ましく、また、第2の本発明では、前記ラミナーフローノズルおよび/または前記スプレーノズルの上流配管系統に冷却水流量調節装置および冷却水温度調節装置を配設するのが好ましい。
【0015】
また、第3の本発明は、連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理後の錫めっき鋼板をクエンチタンクで冷却するにあたり、前記錫めっき鋼板がクエンチタンクの冷却水に入る前の所定の位置で、前記錫めっき鋼板の表裏面全幅にわたり前記第1の本発明のラミナーフローノズルからのラミナーフローの冷却水を該錫めっき鋼板の搬送方向に流して、該錫めっき鋼板を冷却したのち、該錫めっき鋼板を前記クエンチタンクの冷却水に浸漬し、冷却することを特徴とする錫めっき鋼板の冷却方法である。また、第3の本発明では、前記浸漬したのち、さらに該クエンチタンクの冷却水内で前記錫めっき鋼板の表裏面にスプレーノズルによる冷却水噴射を行いながら、冷却することが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明のクエンチステイン防止用ラミナーフローノズルについて説明する。本発明のクエンチステイン防止用ラミナーフローノズルは、連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理後の錫めっき鋼板を冷却するノズルであり、その好適な1実施例を図1に示す。
【0017】
クエンチステイン防止用ラミナーフローノズル1は、ヘッダー2と、冷却水箱3と、堰4と、フラップ5とを有する。
ヘッダー2は冷却水を供給するための配管であり、冷却水を冷却水箱に供給するための供給口2aを有する。供給口2aは、複数の単孔としても、スリット状としてもよく、所定量の冷却水を冷却水箱に供給できればどんな形状でもよい。
【0018】
冷却水箱3は、ヘッダー2から供給された冷却水を溜める役割を有し、所定の水位、水量が確保できる容積があればその形状は問わない。また、冷却水箱3には、錫めっき鋼板10に相対する側に開口部3aを有する。開口部3aは、冷却水箱3の底部から所定以上の高さの位置に、相対する錫めっき鋼板の幅方向に延びた形状を有する。この開口部3aから冷却水をオーバーフローさせる。
【0019】
また、冷却水箱3内には、ヘッダー2と開口部3aとの間に堰4が配設される。堰4は、上端が冷却水箱内冷却水の液面より高くなるように、上端を前記開口部下端水準より突出して、かつ下端を冷却水が連通可能なように配設される。この堰4により、供給口2aから供給された冷却水は、その液面の波立ちを防止され、開口部3aからオーバーフローして、ラミナーフロー(層状流)となることができる。また、ヘッダー2からの冷却水供給量を変化し、開口部3aからオーバーフローする冷却水高さを変化して、ラミナーフロー(層状流)の流量を変化することができる。しかし、ヘッダー2からの冷却水供給量はラミナーフロー(層状流)となる範囲内とすることが肝要となる。冷却水の供給量が過剰にすると液面が乱れラミナーフローとならず、乱流となる。
【0020】
フラップ5は、冷却箱3の外側に開口部3a下端に接して配設される。フラップ5の形状は特に限定する必要はないが、開口部3aからオーバーフローした冷却水がラミナーフロー(層状流)を維持して流れることができる形状とするのが好ましい。そのために、鋼板の搬送方向と90゜以下の所定の角度を有すること、すなわち、水平方向より下向きの滑らかな傾斜を有することが肝要となる。傾斜の程度はラミナーフロー(層状流)が維持でき、鋼板の衝突時に上昇流を生じなければよく、とくに限定する必要はない。
【0021】
上記した構成のラミナーフローノズルを、本発明では、連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理後の錫めっき鋼板の冷却装置に使用する。
本発明の錫めっき鋼板の冷却装置の構成の一例を図2に示す。
冷却装置は、クエンチタンク11と、上記したラミナーフローの冷却水が供給できるクエンチステイン防止用ラミナーフローノズル1a、1bと、あるいはさらにスプレーノズル12a 、12b と、錫めっき鋼板を反転させるシンクロール15とで構成される。
【0022】
クエンチタンク11は、錫めっき鋼板10を冷却する冷却水を蓄えるタンクで、タンク内に鋼板反転用のシンクロール15を備える。
本発明の冷却装置は、錫めっき鋼板10の導入側で、かつクエンチタンク11の冷却水液面より上側に、上記したラミナーフローの冷却が可能な一対のクエンチステイン防止用ラミナーフローノズル1a、1bを配設する。ノズル1a、1bは、錫めっき鋼板10の表裏面にそれぞれ相対する位置に配設される。なお、クエンチステイン防止用ノズルは、搬送される錫めっき鋼板との相対距離、クエンチタンク冷却水液面からの高さを自由に設定可能な移動手段を付設され、移動可能とされる。
【0023】
また、本発明では、クエンチタンク11の冷却水内に少なくとも一対のスプレーノズル12a 、12b を配設するのが好ましい。スプレーノズル12a 、12b は、錫めっき鋼板の表裏面にそれぞれ相対する位置に配設される。配設されるスプレーノズルは、より冷却能を高めるために複数段としてもよい。
また、スプレーノズル12a 、12b は、錫めっき鋼板の全幅を均一に冷却可能とするスリットノズルとし、高圧大容量の噴流を噴射可能なノズルとするのが好ましい。スプレーノズルをクエンチタンク内の冷却水中に設けることにより、単に冷却水中への浸漬より冷却能が向上する。例えば、錫めっきの目付量が多い場合に、スプレーノズル12a 、12b を作動させるのが好ましく、これにより、冷却速度を大きくとることができる。
【0024】
さらに、スプレーノズル12a 、12b を囲み、かつクエンチタンク内の冷却水液面に突出して、仕切り板を付設してもよい。仕切り板により、周囲の冷却水が回り込むのを防止することができ、均一な冷却が可能となる。
また、本発明の冷却装置では、ラミナーフローノズル1a、1bおよび/またはスプレーノズル12a 、12b の上流配管系統に冷却水流量調節装置および冷却水温度調節装置を配設するのが好ましい。錫めっき鋼板を冷却するに際し、クエンチステインの発生に冷却水の温度が大きく影響するのは周知のことであり、当然に、錫めっき鋼板の冷却装置には冷却水の温度を調節する調節装置が設けられる。冷却水流量調節装置は、冷却水流量調整弁13a 、13b 、13c 、13d 、および制御装置16とからなる。また、冷却水温度調節装置は冷却水温度調節器14a 、14b と制御装置16とからなる。冷却水の温度を測定する測温計17a 、17b がそれぞれの配管系に付設されるのはいうまでもない。
【0025】
なお、本発明の冷却装置でも、クエンチタンク11内の冷却水を循環するポンプPが付設されるのはいうまでもない。
本発明では、上記した冷却装置を用い、連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理後の錫めっき鋼板を冷却する。
連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理は、例えば図4に示すように行われる。電気錫めっきを施された鋼板は、コンダクタロール18a 、18b 間で通電加熱され保熱炉19内で鋼板表面の錫が溶融(リフロー)し、ついでクエンチタンク11内で急冷される。
【0026】
本発明では、クエンチタンク11で冷却するにあたり、錫めっき鋼板10がクエンチタンク11の冷却水に入る前の所定の位置で、ラミナーフローノズルを用いて、冷却する。ラミナーフローノズルによる冷却は、錫めっき鋼板10の表裏面全幅にわたり、ノズルからのラミナーフローの冷却水を錫めっき鋼板10に当て、鋼板の搬送方向にしかも鋼板に沿って冷却水を流し、冷却する。錫めっき鋼板10に沿って冷却水が流れるように、ラミナーフローノズルの角度を調整するのが好ましい。
【0027】
ラミナーフローの冷却水を錫めっき鋼板表裏面に当てる所定の位置は、できるだけ低くするのが好ましいが、めっき目付量によって好適位置が異なり、クエンチタンク冷却水の液面から上方に100 mm以内、より好ましくは5mm以上とするのが好ましい。
その後、錫めっき鋼板はクエンチタンク11の冷却水に浸漬される。
【0028】
これにより、冷却水が滞留する個所の発生がなく、また、クエンチタンク内の冷却水液面の上昇もなく、均一な冷却が可能となる。また、ラミナーフローの冷却とすることにより、鋼板幅方向の冷却水量のムラもなく、幅方向の冷却の不均一もなくなる。
また、本発明では、錫めっき鋼板10がクエンチタンク11内の冷却水に浸漬したのち、冷却水内で錫めっき鋼板10の表裏面にスプレーノズル12a 、12b による冷却水噴射を行いながら、冷却するのが好ましい。これにより、厚目付の錫めっき鋼板の場合にも、冷却能が不足するということはなくなる。クエンチタンク11内の冷却水中で行う冷却水噴射は、冷却能を高める目的から、高圧大容量のスリットノズルを用いるのが好ましい。なお、冷却水噴射は複数段のスプレーノズルを付設して行ってもよい。
【0029】
クエンチステイン発生防止の観点からは、使用する冷却水を適正な温度(50〜90℃)に調整して冷却するのが好ましい。
ラミナーフローの冷却と、スプレーノズルによる冷却を組み合わせることにより、使用する冷却水の温度を大幅に変えることなく、めっき厚が異なる鋼板のリフロー処理処理後の冷却が可能となり、また、鋼板の搬送速度を大きくして、錫めっき鋼板のリフロー処理が可能となり、リフロー処理の生産性が向上する。
【0030】
【実施例】
電気錫めっきラインにおいて、電気錫めっきを施された鋼板(板厚:0.2 mm、板幅:900 mm、目付量:#100 (11.2g/m2)、#25(2.8g/m2 )、#8(0.9g/m2 ))を、コンダクタロール間で通電加熱し、鋼板表面の錫を溶融(リフロー)させた。ついで、図2の冷却装置を用いて、錫めっき鋼板を冷却した。
【0031】
まず、錫めっき鋼板がクエンチタンクに浸漬する前に、本発明のラミナーフローノズル(図1)を用いて、錫めっき鋼板を冷却した。ラミナーフローノズルと鋼板との距離位置、冷却水液面レベルからの高さは、移動手段により予め調整した。
ラミナーフローノズルによる冷却では、ノズルからの噴流方向を鋼板搬送方向に対し50°とした。また、ラミナーフローの冷却水が、クエンチタンク内の冷却水液面レベルより5〜40mm上方の位置で、錫めっき鋼板の表裏面に幅方向全域にわたり当たるように調整した。
【0032】
その後、錫めっき鋼板をクエンチタンク冷却水内に浸漬し、同時にスリットノズル(スリット幅:1.5 mm)により鋼板表裏面に冷却水を噴射した。
なお、クエンチタンク冷却水内での冷却水噴射のみを用いた例を従来例とした。
また、冷却水の温度は50〜80℃とした。また、搬送速度は、スリットノズルのみによる冷却(従来例)時(200m/min)を1とする比で示した。
【0033】
冷却後、クエンチステインの発生状況を目視で観察し、表1に示した。
【0034】
【表1】
Figure 0004239354
【0035】
本発明例は、クエンチステインの発生は皆無であり、めっき目付量が多い鋼板で搬送速度を大きくしても、クエンチステインの発生はみられない。一方、従来例では、冷却水温度を変化させてもクエンチステインの発生が認められた。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理後の急冷に際しクエンチステインの発生を防止でき、さらにリフロー処理の処理速度が向上でき、生産性が向上し、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクエンチステイン防止用ノズルの概略を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の錫めっき鋼板の冷却装置の一実施例を示す概略説明図である。
【図3】従来のスプレーノズルを用いた冷却水噴射時の噴流の動きを模式的に示す説明図である。
【図4】連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理の概要を示す説明図である。
【符号の説明】
1、1a、1b クエンチステイン防止用ラミナーフローノズル
2 ヘッダー
3 冷却水箱
3a 開口部
4 堰
5 フラップ
10 錫めっき鋼板
11 クエンチタンク
12a 、12b スプレーノズル
13a 、13b 、13c 、13d 冷却水流量制御弁
14a 、14b 冷却水温度調節器
15 シンクロール
16 制御装置
17a 、17b 測温計
18a 、18b コンダクタロール
19 保熱炉(マッフル炉)
20 デフレクタロール

Claims (6)

  1. 連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理後の錫めっき鋼板を冷却するノズルであって、冷却水を供給するヘッダーと、錫めっき鋼板に相対する側に該錫めっき鋼板の幅方向に延びた開口部を有し該ヘッダーから供給された冷却水を溜める冷却水箱と、該冷却水箱内で前記ヘッダーと前記開口部との間に、上端を冷却水箱内冷却水の液面より高くなるように前記開口部下端水準より突出し、下端を冷却水が連通可能に配設した堰と、前記冷却水箱の外側に前記開口部下端に接して前記錫めっき鋼板の搬送方向と所定の角度をなす傾斜を有するように配設されたフラップと、を有し、前記開口部を介し前記フラップからラミナーフローの冷却水を噴流することを特徴とする錫めっき鋼板のラミナーフローノズル。
  2. 連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理後の錫めっき鋼板の冷却装置であって、クエンチタンクと、錫めっき鋼板の導入側で、かつ前記クエンチタンクの冷却水液面より上側に、前記錫めっき鋼板の表裏面にそれぞれ相対する位置に移動可能に配設された一対の、請求項1に記載のラミナーフローノズルと、を有することを特徴とする錫めっき鋼板の冷却装置。
  3. さらに前記クエンチタンクの冷却水内で、前記錫めっき鋼板の表裏面にそれぞれ相対する位置に配設された少なくとも一対のスプレーノズルを有することを特徴とする請求項2に記載の錫めっき鋼板の冷却装置。
  4. 前記ラミナーフローノズルおよび/または前記スプレーノズルの上流配管系統に冷却水流量調節装置および冷却水温度調節装置を配設したことを特徴とする請求項2または3に記載の錫めっき鋼板の冷却装置。
  5. 連続電気錫めっきラインにおけるリフロー処理後の錫めっき鋼板をクエンチタンクで冷却するにあたり、前記錫めっき鋼板がクエンチタンクの冷却水に入る前の所定の位置で、前記錫めっき鋼板の表裏面全幅にわたり請求項1に記載のラミナーフローノズルからのラミナーフローの冷却水を該錫めっき鋼板の搬送方向に該錫めっき鋼板に沿って流し、該錫めっき鋼板を冷却したのち、該錫めっき鋼板を前記クエンチタンクの冷却水に浸漬し、冷却することを特徴とする錫めっき鋼板の冷却方法。
  6. 前記浸漬したのち、さらに前記クエンチタンクの冷却水内で前記錫めっき鋼板の表裏面にスプレーノズルによる冷却水噴射を行いながら、冷却することを特徴とする請求項5に記載の錫めっき鋼板の冷却方法。
JP2000098661A 2000-03-31 2000-03-31 電気錫めっき鋼板のラミナーフローノズル、冷却装置および冷却方法 Expired - Fee Related JP4239354B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000098661A JP4239354B2 (ja) 2000-03-31 2000-03-31 電気錫めっき鋼板のラミナーフローノズル、冷却装置および冷却方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000098661A JP4239354B2 (ja) 2000-03-31 2000-03-31 電気錫めっき鋼板のラミナーフローノズル、冷却装置および冷却方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001288594A JP2001288594A (ja) 2001-10-19
JP4239354B2 true JP4239354B2 (ja) 2009-03-18

Family

ID=18613120

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000098661A Expired - Fee Related JP4239354B2 (ja) 2000-03-31 2000-03-31 電気錫めっき鋼板のラミナーフローノズル、冷却装置および冷却方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4239354B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5690434B1 (ja) * 2014-08-07 2015-03-25 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 電気錫めっき鋼板のリフロー処理設備における冷却装置および冷却方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS549976B2 (ja) * 1973-11-06 1979-04-28 Nippon Kokan Kk
JPS51126934A (en) * 1975-04-30 1976-11-05 Nippon Kokan Kk Method of preventing quenchhstain of tin plated steel strip
JPS5864322A (ja) * 1981-10-13 1983-04-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 帯状鋼板の冷却方法及び装置
JPS5871339A (ja) * 1981-10-23 1983-04-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 帯状鋼板の冷却方法および装置
JPS6078876U (ja) * 1983-11-04 1985-06-01 三菱電機株式会社 リフロ−錫めつき法の冷却装置
JPS61150712A (ja) * 1984-12-25 1986-07-09 Nippon Kokan Kk <Nkk> フラツトラミナ−ノズルヘツダ
JPH078373B2 (ja) * 1986-12-29 1995-02-01 石川島播磨重工業株式会社 金属板の冷却装置
JP3129634B2 (ja) * 1995-07-04 2001-01-31 住友金属工業株式会社 スリットラミナー冷却装置
JP3284934B2 (ja) * 1997-08-11 2002-05-27 日本鋼管株式会社 高温金属板の冷却装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001288594A (ja) 2001-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0921208B1 (en) Method for cooling strip material
US3607366A (en) Removal of excess molten metal coatings by gas blast without ripple formations on coated surfaces
KR910004610B1 (ko) 용융도금에 의한 비 시효 아연도금 강철 스트립의 제조방법
US4971842A (en) Method for controlling the thickness of an intermetallic layer on a continuous steel product in a continuous hot-dip galvanizing process
AU604862B2 (en) A method for controlling the thickness of an intermetallic layer on a continuous steel product in a continuous hot-dip galvanizing process
JP4239354B2 (ja) 電気錫めっき鋼板のラミナーフローノズル、冷却装置および冷却方法
US4052234A (en) Method for continuously quenching electrolytic tin-plated steel strip
JPH0681093A (ja) ストリップの溶融金属メッキ設備
JP3617473B2 (ja) 溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法
KR101048167B1 (ko) 우수한 표면품질을 제공하는 연속용융도금장치 및 이를 이용한 제조방법
JP3915615B2 (ja) 電気錫めっき鋼板リフロー処理冷却用ノズル、冷却装置および冷却方法
JPH09157890A (ja) 錫めっき鋼板の冷却装置
JP5690434B1 (ja) 電気錫めっき鋼板のリフロー処理設備における冷却装置および冷却方法
JPH03287752A (ja) 鋼帯の連続溶融めっき装置
JP2850539B2 (ja) 高圧溶融金属供給装置
JPH10265930A (ja) 連続溶融めっきにおける溶融金属付着量の調整方法およびその装置
JPH08176888A (ja) めっき鋼板の冷却方法および装置
JPH07243084A (ja) 電気錫めっき鋼板のクエンチステイン防止装置
JPS5937345B2 (ja) 溶融金属メッキ方法
JPH0718491A (ja) 鋼ストリップの電解方法
JPH09263991A (ja) 電気錫めっき鋼帯の冷却装置
KR800000533B1 (ko) 강대의 연속 피복장치(鋼帶의 連續 被覆裝置)
JPS6059057A (ja) 差厚片面合金化処理鋼板の製造方法
JPH04285195A (ja) 錫めっきのクエンチステインの防止方法
JP2018080364A (ja) 鋼板の冷却方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080909

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081215

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4239354

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees