JPH0718491A - 鋼ストリップの電解方法 - Google Patents

鋼ストリップの電解方法

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JPH0718491A
JPH0718491A JP19177793A JP19177793A JPH0718491A JP H0718491 A JPH0718491 A JP H0718491A JP 19177793 A JP19177793 A JP 19177793A JP 19177793 A JP19177793 A JP 19177793A JP H0718491 A JPH0718491 A JP H0718491A
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JP
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steel strip
electrolytic treatment
electrolytic
roll
treatment tank
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JP19177793A
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Takahiro Kariyasu
隆博 刈安
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電極4aと4bとの間を通過した後電解液3aから
出た鋼ストリップ1に対して、電解液3aの液面7aと通電
ロール5bとの間において、スプレイノズル8a,9aから電
解液3aと同一の成分組成を有する電解液が吹き付けられ
る。更に、電極4cと4dとの間を通過した後、電解液3bか
ら出た鋼ストリップ1に対して、電解液3bの液面7bと通
電ロール5cとの間において、スプレイノズル8b,9b から
電解液3bと同一の成分組成を有する電解液が吹き付けら
れる。かくして、液面7a,7b から出た、鋼ストリップ1
の表面に適性な濡れ状態が与えられ、そして、鋼ストリ
ップ1の表面の温度が下がる。 【効果】 鋼ストリップの表面に形成された電解被膜の
外観不良および熱歪み、絞りマークの発生が防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼ストリップの電解
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼ストリップに連続的に電解処理を行う
ための方法として、例えば、図4に示すような構造を有
する竪型電解処理装置を使用する方法が知られている。
この従来の竪型電解処理装置は、電解処理液(以下、
「電解液」という)3を収容するための竪型の電解処理
槽(以下、「電解槽」という)2と、鋼ストリップ1を
電解槽2a内に下方に向かって実質的に垂直に導き、そし
て、鋼ストリップ1に通電するための、電解槽2aの鋼ス
トリップ入側の上方に配置された通電ロール5aと、電解
槽2a内に導かれた鋼ストリップ1の移動方向を、上方に
向かって反転させるための、電解槽2a内に配置されたシ
ンクロール6aと、鋼ストリップ1を電解槽2a外に上方に
向かって実質的に垂直に導き、鋼ストリップ1の移動方
向を下方に向かって反転させ、電解槽2b内に下方に向か
って実質的に垂直に導き、そして、鋼ストリップ1に通
電するための、電解槽2aの鋼ストリップ出側即ち電解槽
2bの鋼ストリップ入側の上方に配置された通電ロール5b
と、電解槽2b内に導かれた鋼ストリップ1の移動方向
を、上方に向かって反転させるための、電解槽2b内に配
置されたシンクロール6bと、鋼ストリップ1を電解槽2b
外に上方に向かって実質的に垂直に導き、そして、鋼ス
トリップ1に通電するための、電解槽2bの鋼ストリップ
出側の上方に配置された通電ロール5cと、電解槽2a内で
通電ロール5bとシンクロール6aとの間を移動する鋼スト
リップ1および電解槽2b内で通電ロール5cとシンクロー
ル6bとの間を移動する鋼ストリップ1を間にして鋼スト
リップ1に近接して配置された1対の電極4とからなっ
ている。
【0003】鋼ストリップ1は、通電ロール5a,5b,5c、
シンクロール6a,6b によって案内されながら、電解槽2
a,2b に収容された電解液3a,3b 内を通って、下方にま
たは上方に向かって移動し、そして、電極4の間を通過
する間に、鋼ストリップ1の両表面が電解処理される。
【0004】通常、竪型電解処理装置の電解液3a,3b の
液面レベル7は、適性なレベルに管理されている。そし
て、電解液3a,3b から出た鋼ストリップ1は、通電ロー
ル5b,5c に達するまでの区間において空気に曝される状
態にある。また、電解処理槽2は、複数個配置される場
合が多く、複数個の電解槽2の電解液は、各々成分組成
を同一とする場合もあり、また、別種の場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような装置に
おいて、鋼ストリップが電解槽nにおいて電解処理を施
こされた後、電解槽(n+1)で続いて電解処理を施さ
れる場合、次のような問題点があった。前記被膜と次の
電解槽(n+1)における電解処理によって前記被膜の
上に析出する上層被膜との密着性が低下し、被膜に割れ
等が発生し、および被膜が付着した後の鋼ストリップの
表面外観が悪くなる等の問題点である。
【0006】本発明者らは、鋭意研究を行った結果、上
記の問題点が電解槽n内の電解液から出て次の電解槽
(n+1)内の電解液に装入するまでの間に鋼ストリッ
プ1の表面に形成された電解被膜に生じる乾燥と、電解
処理時に鋼ストリップに発生するジュール熱に起因する
ことを発見した。
【0007】特に、ジュール熱の発生によって、電解処
理槽間の鋼帯の乾燥がより促進されることになる上、鋼
ストリップに熱歪みを生じさせられることから、通電量
を多くした場合には前記熱歪みも増大し、鋼ストリップ
にいわゆる「絞りマーク」が発生する原因となることを
発見した。
【0008】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであって、電解処理槽間の鋼ストリップの乾燥
とジュール熱による発熱を有効に抑制しうる垂直型電気
めっき装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、電解処理槽
に収容された電解液内を鋼ストリップを通過させなが
ら、前記電解液の外に配置された通電ロールを介して前
記鋼ストリップと前記鋼ストリップに近接して前記電解
液内に配置された電極との間に通電して、前記鋼ストリ
ップの少なくとも1つの表面上に電解被膜を形成する鋼
ストリップの電解方法において、前記電解液から前記通
電ロールまでの間を通過する前記鋼ストリップに対し
て、前記電解液と同一の成分組成を有する電解液を吹き
付けることに特徴を有するものである。
【0010】電解液の吹き付けは、鋼ストリップの片面
または両面の何れかに限定する必要はなく、また、その
吹き付け位置は、電解液と通電ロールとの間であれば、
特に制約はない。更に、吹き付けに使用するスプレーノ
ズル等の数に特に制約はないが、鋼ストリップ幅方向に
一様に吹き付けることが可能な数を確保することが望ま
しい。
【0011】電解液の吹き付け量については、前述した
課題を解決するために、経験的に決めていく値である
が、通電ロールの最上部での鋼ストリップの表面温度、
鋼ストリップへの通電量、鋼ストリップの移動速度およ
び鋼ストリップの表面の濡れ具合に応じて、吹き付け電
解液の液量を制御すれば、無駄のない吹き付け量による
吹き付けを実施できる。
【0012】電解液は、溶媒とめっき液の両者を含むも
のである。この溶媒とは、めっきするイオン(主に金属
イオン)を含まない液のことをいい、希硫酸液、アルカ
リ液、プロセスラインの前処理で行うアルカリ電解脱
脂、電解酸洗液をいう。また、めっき液とは、溶媒にめ
っきするイオンを溶かした液のことをいい、公知の硫酸
浴、塩化浴ベースの金属めっき液、フェロスタン浴によ
る錫めっき液、電気クロムめっき液をいう。
【0013】
【作用】電解槽内の電解液から通電ロールまでの間の空
気中を通過する鋼ストリップに対して、直前に通過した
前記電解液と同一の成分組成を有する電解液を吹き付け
る。これにより、鋼ストリップの表面に形成された電解
被膜の表面が、電解槽n内の電解液から出た後に、新た
に吹き付けられた電解液で濡らされるため、前記被膜の
表面が濡れた状態で維持され、更に、吹き付ける電解液
量を適性な値に管理すれば、前記被膜の表面の濡れた状
態は、次の電解槽(n+1)内の電解液に鋼ストリップ
が到達するまで維持される。
【0014】従って、次の電解槽(n+1)の電解処理
で析出される上層電解被膜と電解槽nで形成された現有
電解下層被膜との密着性が低下せず、また、被膜の割れ
等の発生が著しく減少し、美麗な外観を呈する電解被膜
が形成される。
【0015】通電によって昇温した鋼ストリップに対し
て、新たな電解液が吹き付けられることにより、鋼スト
リップが冷却され、熱歪みの発生を抑制することがで
き、また、いわゆる、絞りマークを発生させずに通電量
を増大させることができる。
【0016】
【実施例】次に、この発明の方法を図面を参照しながら
実施例に基づいて説明する。図1は竪型電解処理装置を
使用したこの発明の方法の最も基本的な実施例を示す概
略垂直断面図である。図1に示すように、竪型電解処理
装置は、電解液3a,3b を収容するための竪型の電解槽2
a,2b と、鋼ストリップ1を電解槽2a内に下方に向かっ
て実質的に垂直に導き、そして、鋼ストリップ1に通電
するための、電解槽2aの鋼ストリップ入側の上方に配置
された通電ロール5aと、電解槽2a内に導かれた鋼ストリ
ップ1の移動方向を、上方に向かって反転させるため
の、電解槽2a内に配置されたシンクロール6aと、鋼スト
リップ1を電解槽2a外に上方に向かって実質的に垂直に
導き、鋼ストリップ1の移動方向を下方に向かって反転
させ、電解槽2b内に下方に向かって実質的に垂直に導
き、そして、鋼ストリップ1に通電するための、電解槽
2aの鋼ストリップ出側即ち電解槽2bの鋼ストリップ入側
の上方に配置された通電ロール5bと、電解槽2b内に導か
れた鋼ストリップ1の移動方向を、上方に向かって反転
させるための、電解槽2b内に配置されたシンクロール6b
と、鋼ストリップ1を電解槽2b外に上方に向かって実質
的に垂直に導き、そして、鋼ストリップ1に通電するた
めの、電解槽2bの鋼ストリップ出側の上方に配置された
通電ロール5cと、通電ロール5bとシンクロール6aとの間
において、鋼ストリップ1を間にして鋼ストリップ1に
近接して、電解槽2a内に配置された1対の電極4a,4b
と、通電ロール5cとシンクロール6bとの間において、鋼
ストリップ1を間にして鋼ストリップ1に近接して、電
解槽2b内に配置された1対の電極4c,4d と、電解槽2a内
で上方に向かって移動する鋼ストリップ1の電解液3aの
液面7aから通電ロール5bまでの間において鋼ストリップ
1を間にして配置された、1対のノズルを有する、スプ
レイノズル9aおよびスプレイノズル9aの下方のスプレイ
ノズル8aと、電解槽2b内で上方に向かって移動する鋼ス
トリップ1の電解液3bの液面7bから通電ロール5cまでの
間において鋼ストリップ1を間にして配置された、1対
のノズルを有する、スプレイノズル9bおよびスプレイノ
ズル9bの下方のスプレイノズル8bとからなっている。
【0017】各スプレイノズル8a,8b.9a,9b を構成する
1対のノズルの各々は、鋼ストリップ1の幅方向に複数
個配置されている。また、この鋼ストリップ1の幅方向
へのノズル配置は、各ノズルから吹き付けられる電解液
が、鋼ストリップ1の表面上の幅方向のどの部分にもか
かるような間隔にすることが望ましい。
【0018】スプレイノズル8a,8b.9a,9b の各々から、
電解液3a,3b と同一の成分組成を有する電解液が、鋼ス
トリップ1の表面に対して吹き付けられる。スプレイノ
ズル8a,8b.9a,9b を構成する1対のノズル相互の間隔、
ならびに、スプレイノズル8aと9aおよび8bと9bとの間の
間隔は、自在に変化し得る構造となっている。
【0019】更に、電解槽2内の電解液3をスプレイノ
ズル8および9に供給することにより、吹き付けに使用
する構成とし、電解槽2からスプレイノズル8a,8b.9a,9
b の各々に電解液3を供給する配管(図示せず)の途中
には、鋼ストリップ1に吹き付けるための電解液の通過
量を制御する流量調整弁(図示せず)が配置されてお
り、通電ロール5a,5b,5cの最上部の位置での鋼ストリッ
プ1の表面温度の計測結果、通電ロール5および電極4
への通電量、ならびに、鋼ストリップ1の移動速度に応
じて、鋼ストリップの表面が濡れた状態を維持可能な最
適な量になるように前記配管における電解液の通過量を
コントロールできるようになっている。電解液は、原則
として、鋼ストリップの表面温度が高い程、通電ロール
5および電極4への通電量が高い程、鋼ストリップの移
動速度が高い程、その通過量を高くする。
【0020】ここで、電解処理の実施にあたっては、電
極4a,4b,4c,4d の各々は、通電ロール5a,5b,5cの各々と
反対極の電位に維持されている。
【0021】鋼ストリップ1は、通電ロール5a,5b,5c、
シンクロール6a,6b によって案内されながら、電解槽2
a,2b 内の電解液3a,3b を通って、下方にまたは上方に
向かって移動し、そして、電極4aと4bおよび4cと4dとの
間を通過する間に、鋼ストリップ1の両表面が電解処理
される。電極4aと4bとの間を通過した後、電解液3aから
出た鋼ストリップ1に対して、電解液3aの液面7aと通電
ロール5bとの間において、スプレイノズル8a,9a から電
解液3aと同一の成分組成を有する電解液が吹き付けられ
る。更に、電極4cと4dとの間を通過した後、電解液3bか
ら出た鋼ストリップ1に対して、電解液3bの液面7bと通
電ロール5cとの間において、スプレイノズル8b,9b から
電解液3bと同一の成分組成を有する電解液が吹き付けら
れる。かくして、液面7からでた鋼ストリップ1の表面
に適性な濡れ状態が与えることができ、および、鋼スト
リップ1の表面の温度を下げることができる。
【0022】次に、図1に示す装置を使用して、鋼スト
リップに対してスプレイノズルからの電解液の吹き付け
を使用した本発明範囲内の電解処理を施こした。比較の
ため、スプレイノズルからの電解液の吹き付けなしによ
る本発明範囲外の従来の電解処理も行った。そして、鋼
ストリップにおける絞りマークの発生について調べた。
図2は鋼ストリップへの通電量(Q)と通電ロール最上
部での鋼ストリップの温度(T)との関係および、絞り
マークの発生状況を示すグラフである。電解処理条件
は、次に示す通りであった。 鋼ストリップサイズ:板厚;0.2mm 、板幅;870mm 鋼ストリップ移動速度:200m/min 吹き付けた電解液の温度:40〜50℃(電解槽内に収
容された電解液と実質的に同じ温度)、電解液として、
電気クロムめっき液を用いた 電解液の吹き付け量:全スプレイノズルの合計で16
m3/h スプレイノズルの各々から発射された電解液の鋼ス
トリップ表面上での吹き付け幅:12mmまたは40mm 電解液の液面からのスプレイノズルの高さ:スプレ
イノズル9a,9b ;360mm、スプレイノズル8a,8b ;210mm
【0023】図2から明らかなように、本発明方法によ
る電解液の吹き付けを行った本発明例においては、電解
液の吹き付けを行わなかった従来の方法による比較例よ
りも、吹き付けた電解液の冷却効果により、鋼ストリッ
プの温度が低く押さえられており、更に、濡れ状態の維
持作用によって鋼ストリップの乾燥防止および熱歪みの
抑制に効果を発揮した。即ち、電解液を吹き付けない比
較例においては、鋼ストリップの温度(T)が、下記に
示すT1 を超える領域で鋼ストリップに絞りマークが発
生したのに比べて、本発明方法によれば、鋼ストリップ
の通電量を最大値にした場合でも、鋼ストリップの温度
(T)はT1 を超えることはなく、鋼ストリップに絞り
マークは発生しなかった。T1 :或るサイズを有する鋼
ストリップに通電した際に、ジュール熱による絞りマー
クが発生しない通電ロール最上部での鋼ストリップ表面
の限界温度。なお、実施例においては、T1 は80℃であ
った。
【0024】図3は通電ロール最上部での鋼ストリップ
の温度(T)と電解処理後の鋼ストリップの表面外観の
美麗さランクとの関係を示すグラフである。美麗さラン
ク(R)の評価は、通常、電解処理後の鋼ストリップの
表面を、検査担当者が目視判定によって行うものであ
り、この判定方法で充分に判定可能である。図3におい
て美麗さランク(R)は、縦軸の上方へ向かうほど良く
なる。
【0025】図3から明らかなように、鋼ストリップの
温度(T)が或る温度R3 を超えて上昇するに従って、
鋼ストリップの表面上に形成された電解被膜面に割れ等
が発生するため、電解処理後の鋼ストリップ表面外観の
美麗さランク(R)は低下し、鋼ストリップの温度
(T)が下記に示す温度T2 を超えた領域で、電解処理
後の鋼ストリップは製品としての表面外観を維持でき
ず、製品化は不可能となる。鋼ストリップの温度(T)
は、鋼ストリップの温度が表面外観の美麗さランク
(R)に悪影響を及ぼさない範囲である下記に示す温度
3 以下に維持すべきであり、本発明方法による電解液
の吹き付けにより、それは容易に達成される。T2 :或
るサイズを有する鋼ストリップの通電ロール最上部にお
ける鋼ストリップ表面の温度で、鋼ストリップ表面に電
解液を吹き付けた場合、この温度以下であれば、鋼スト
リップ表面は濡れた状態に維持され、鋼ストリップの表
面上に形成された電解被膜面に割れ等が発生せず、電解
処理後の鋼ストリップの表面外観が製品として確保でき
るレベルを呈する。T3 :T2 と同じであるが、この温
度以下であれば、電解処理後の鋼ストリップの表面外観
はT2 よりもより良好なランクの美麗さに確保される。
なお、実施例においては、鋼ストリップのサイズ、板厚
0.2mm 、板幅870mm に対して、T2 =120 ℃、そして、
3 =80℃であった。
【0026】このように、本発明方法による電解液の吹
き付けにより、通電ロール最上部での鋼ストリップ表面
の温度を下げることができ、電解処理後の鋼ストリップ
の表面外観の美麗さランクを、製品レベルに確保するこ
とができる。
【0027】上述した実施例は、竪型電解処理装置を使
用した場合について述べたが、この発明の方法は、横型
電解処理装置およびラジアル型電解処理装置を使用して
も、同様に実施することができる。即ち、ラジアル型メ
ッキセルを用いた場合、通電ロールで通電後、電解液を
出た時点で電解液を吹き付けることで、鋼帯の乾燥を防
止し、表面外見の悪化を抑制できる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、電解槽内に収容された電解液から通電ロールまでの
間において、空気に曝される鋼ストリップに前記電解液
と同一の成分組成を有する電解液を吹き付けるように構
成したので、鋼ストリップの表面に形成された電解被膜
の表面が濡れた状態に維持されるため、電解被膜の密着
性が向上し、電解被膜の割れ等が防止され、電解処理後
の鋼ストリップの表面外観の美麗さランクを製品化可能
なレベルに確保できるとともに、吹き付けられた電解液
によって、通電のために昇温された鋼ストリップが冷却
されて熱歪み、絞りマークの等の抑制に著しい効果が発
揮され、更に、本発明による電解液の吹き付けに使用さ
れる装置は、吹き付けノズル、吹き付け用ポンプ、配管
等により極めて簡易に構成でき、設置場所に多くのスペ
ースを要しないため、新設する連続電解装置はもとよ
り、既設の前記装置にも取り付けることができ、設備コ
スト面でも有利であり、かくして、工業上有用な効果が
もたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】竪型電解処理装置を使用したこの発明の方法の
実施例を示す概略垂直断面図である。
【図2】鋼ストリップへの通電量(Q)と通電ロール最
上部での鋼ストリップの温度(T)との関係、および、
絞りマークの発生状況を示すグラフである。
【図3】通電ロール最上部での鋼ストリップの温度
(T)と電解処理後の鋼ストリップの表面外観の美麗さ
ランク(R)との関係を示すグラフである。
【図4】従来の竪型電解処理装置の1例を示す概略垂直
断面図である。
【符号の説明】
1 鋼ストリップ 2 電解処理槽 2a 電解処理槽の第n槽目(n=1,2,─) 2b 電解処理槽の第(n+1)槽目 3 電解液 3a 電解処理槽第n槽目に収容された電解液 3b 電解処理槽第(n+1)槽目に収容された電解液 4 電極 4a 電解処理槽第n槽目の電解処理槽内面側電極 4b 電解処理槽第n槽目の電解処理槽外面側電極 4c 電解処理槽第(n+1)槽目の電解処理槽内面側
電極 4d 電解処理槽第(n+1)槽目の電解処理槽外面側
電極 5 通電ロール 5a 電解処理槽第n槽目の入側に配置される通電ロー
ル 5b 電解処理槽第n槽目の出側(電解処理槽第(n+
1)槽目の入側)に配置される通電ロール 5c 電解処理槽第(n+1)槽目の出側に配置される
通電ロール 6 シンクロール 6a 電解処理槽第n槽目内のシンクロール 6b 電解処理槽第(n+1)槽目内のシンクロール 7 電解液の液面 7a 電解処理槽第n槽目に収容された電解液の液面 7b 電解処理槽第(n+1)槽目に収容された電解液
の液面 8 電解液吹き付けスプレーノズル(下段) 8a 電解処理槽第n槽目に配置されるスプレーノズル 8b 電解処理槽第(n+1)槽目に配置されるスプレ
ーノズル 9 電解液吹き付けスプレーノズル(上段) 9a 電解処理槽第n槽目に配置されるスプレーノズル 9b 電解処理槽第(n+1)槽目に配置されるスプレ
ーノズル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解処理槽に収容された電解処理液内を
    鋼ストリップを通過させながら、前記電解処理液の外に
    配置された通電ロールを介して前記鋼ストリップと前記
    鋼ストリップに近接して前記電解処理液内に配置された
    電極との間に通電して、前記鋼ストリップの少なくとも
    1つの表面上に電解被膜を形成する鋼ストリップの電解
    方法において、前記電解処理液から前記通電ロールまで
    の間を通過する前記鋼ストリップに対して、前記電解処
    理液と同一の成分組成を有する電解処理液を吹き付ける
    ことを特徴とする鋼ストリップの電解方法。
  2. 【請求項2】 電解処理液を収容するための竪型電解処
    理槽と、鋼ストリップを前記竪型電解処理槽内に下方に
    向かって実質的に垂直に導き、そして、前記鋼ストリッ
    プに通電するための、前記竪型電解処理槽の鋼ストリッ
    プ入側の上方に配置された通電ロールと、前記竪型電解
    処理槽内に導かれた前記鋼ストリップの移動方向を、上
    方に向かって反転させるための、前記竪型電解処理槽内
    に配置されたシンクロールと、前記鋼ストリップを前記
    竪型電解処理槽外に上方に向かって実質的に垂直に導
    き、そして、前記鋼ストリップに通電するための、前記
    竪型電解処理槽の鋼ストリップ出側の上方に配置された
    通電ロールと、前記通電ロールと前記シンクロールとの
    間において、前記鋼ストリップに近接して、前記竪型電
    解処理槽内に配置された電極とを備える竪型電解処理装
    置を使用し、前記電解処理液の液面から前記通電ロール
    までの間を通過する前記鋼ストリップに対して、前記電
    解処理液と同一の成分組成を有する電解処理液を吹き付
    ける請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記通電ロール上部における前記鋼スト
    リップの表面温度、前記鋼ストリップへの通電量および
    前記鋼ストリップの移動速度に応じて、前記鋼ストリッ
    プに吹き付ける前記電解処理液の液量を制御する請求項
    1記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009138213A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Jfe Steel Corp 電気めっき装置及び電気めっき方法
JP2011246754A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 金属化樹脂フィルム基板の製造方法
KR20160043210A (ko) * 2014-10-10 2016-04-21 재단법인 포항산업과학연구원 수평셀 전기도금장치 및 수평셀 전기도금방법

Cited By (3)

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