JP4237508B2 - 差動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラネタリギヤ機構を有する差動装置に関し、詳しくはプラネタリギヤ機構の入力側、或は出力側の何れかの要素に作用するトルクに応じて差動制限トルクを発生させ、更に前後輪の一方がスリップした場合には差動制限トルクを積極的に制御するようにした差動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、差動装置を備えたフルタイムの4輪駆動車として、トルク配分制御可能な差動制限機構を付設し、種々の走行条件で差動制限トルクにより前後輪へのトルク配分を最適に可変制御して、操縦性や安定性等の向上を図る車両が提案されている。
【0003】
例えば特開平6−320973号公報には、変速機にて所定に変速された出力をプラネタリギヤ式差動装置を介して前後輪にトルク配分するに際し、差動装置に併設されている差動制限機構により、走行条件に応じて差動制限トルクを発生させて前後輪のトルク配分を、電子的に可変制御する技術が開示されている。
【0004】
この先行技術に開示されているプラネタリギヤ式差動装置は、通常走行においては後輪偏重のトルク配分を行い、例えば低μ路を走行中において後輪のスリップ状態を検知した場合には、そのスリップの発生状況に応じて差動制限機構を電子制御することで、トルク配分の大きい後輪から前輪側へトルク移動させて、後輪のスリップを抑制するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−320973号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した公報に開示されている差動装置では、車輪速、前後加速度等、入力されるパラメータに変化が起きない限り、差動制限機構が動作せず、しかも入力されるパラメータ以外の要素で車両に変化が生じた場合には、対応することができないという問題がある。
【0007】
これに対処するに、車両の挙動を検出するセンサ類を充実させ、各センサ類にて検出したパラメータに基づいて差動制限機構をより緻密に制御することも考えられるが、構造及び制御系が複雑化し、製品コストが高くなる問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、構造を複雑化することなく、良好な運転性能を得ることができ、しかも製品コストの高騰を抑制することのできる差動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、エンジンからの駆動トルクを入力軸を介してプラネタリギヤ機構に伝達し、該プラネタリギヤ機構を介して第1の出力軸と第2の出力軸とに対してトルク配分する差動装置において、上記入力軸と上記第1の出力軸と上記第2の出力軸との何れかに連設する第1の回転部材と、上記入力軸と上記第1の出力軸と上記第2の出力軸のうち上記第1の回転部材を除く何れかの軸に連設する第2の回転部材と、上記第1の回転部材と上記第2の回転部材との間に介装したクラッチ部材と、上記クラッチ部材を一方から押圧すると共に上記第1の回転部材に連設する第1のプレッシャプレートと、上記クラッチ部材を他方から押圧する第2のプレッシャプレートと、上記第2のプレッシャプレートに連設すると共に該第2のプレッシャプレートに押圧力を発生させる電子制御型差動制限手段とを備え、上記第1の回転部材を入力側回転部材と出力側回転部材とに二分割すると共に、上記出力側回転部材を軸方向へスライド自在に設け、上記入力側回転部材と上記出力側回転部材との対向面にドグを設けると共に該ドグの噛合面をカム面とし、走行時の抵抗によって生じるトルクにて上記カム面に発生する軸方向への押圧力で上記第1のプレッシャプレートを介して上記クラッチ部材を締結動作させることを特徴とする。
【0010】
この場合、好ましい態様としては、上記第1の回転部材が上記入力軸にプラネタリピニオン軸を介して連設するリングギヤ部材であることを特徴とする。
【0011】
他の好ましい態様としては、上記第1の回転部材が上記入力軸にプラネタリピニオン軸を介して連設するサンギヤ軸であることを特徴とする。
【0012】
別の好ましい態様としては、上記電子制御型差動制限手段は、前後輪の一方がスリップした場合に上記第2のプレッシャプレートに対して押圧力を発生させ、該押圧力で上記クラッチ部材を締結動作させることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1〜図6は本発明の第1実施の形態を示し、図1は差動装置の軸方向に沿った断面側面図、図2はリングギヤ部材の要部側面図、図3は差動制限トルクの特性を示す説明図である。尚、以下の説明では、エンジントルクを前後輪へ配分するいわゆるセンタデファレンシャル装置に、本実施の形態による差動装置1Aを採用した場合を例示して説明する。又、伝達トルクを説明するに際しては、便宜的に、図面左側を前輪(前)側、右側を後輪(後)側として説明する。
【0014】
この差動装置1Aはプラネタリギヤ式であり、円筒状のデフケース2の前端に入力軸3がプラネタリキャリア4を介して一体結合されている。尚、この入力軸3は、トランスミッションの出力軸(図示せず)が結合される。
【0015】
又、デフケース2の内部には第2の回転部材としてのサンギヤ軸5が、デフケース2と同軸上に配設されており、このサンギヤ軸5の前端に、第1の出力軸であるフロントドライブ軸(図示せず)が一体結合される。
【0016】
更に、デフケース2の内周に、第1の回転部材であるリングギヤ部材6が、デフケース2に対して相対摺動自在に支持されている。このリングギヤ部材6は円筒状に形成されており、前方へ開口する入力側の開口端がプラネタリキャリア4の内側面に対し、ニードルベアリング或はワッシャ等の軸受け部材7を介して当接されている。
【0017】
一方、サンギヤ軸5に対して、後方から、第2の出力軸であるリヤドライブ軸8が同軸上に挿通され、このリヤドライブ軸8の先端部が、サンギヤ軸5の内周に軸受け21を介して相対回転自在に軸支されている。又、このリヤドライブ軸8の後部にボス部8bが突設され、このボス部8bに軸受け9が嵌合されている。この軸受け9は、図示しないトランスミッションケースにボス部8bを回動自在に軸支させるためのものである。
【0018】
尚、このリヤドライブ軸8に形成されているリヤドライブギヤ8cは、リダクションギヤ(図示せず)を介して、後輪側へ延出されているトランスファ軸に連設されており、このトランスファ軸がプロペラ軸及びリヤデフ装置を介して後輪軸に連設される。
【0019】
リングギヤ部材6とサンギヤ軸5との後方へ延出された端部に、クラッチ部材としての湿式多板クラッチ10が配設されている。この湿式多板クラッチ10は、リングギヤ部材6の延出部に形成されているクラッチドラム20と、サンギヤ軸5の延出部に形成されているクラッチハブ22と、このクラッチドラム20とクラッチハブ22との間に、所定間隔を開けて交互に配設されているドライブプレート10a,10bとを有している。
【0020】
更に、リングギヤ部材6の中途には、湿式多板クラッチ10の交互に配列されたプレート10a,10bを前方から後方へ押圧する、第1のプレッシャプレートとしての前側プレッシャプレート6dが突設されている。又、所定に配列されたプレート10a,10bの後端面に、第2のプレッシャプレートとしての後側プレッシャプレート30が対設されている。この後側プレッシャプレート30の外周が、リングギヤ部材6に形成されているクラッチドラム20にスプライン嵌合され、又、ボス部30aがリヤドライブ軸8にスプライン嵌合されている。
【0021】
更に、サンギヤ軸5の外周とリングギヤ部材6の内周との間にブラネタリピニオン軸11が介装されており、このブラネタリピニオン軸11に形成されているプラネタリピニオン11aが、サンギヤ軸5に形成されているサンギヤ5bと、リングギヤ部材6に形成されているリングギヤ6cとに噛合されている。又、このプラネタリピニオン軸11の両端が、互いにの対抗するプラネタリキャリア4,12に軸受けを介して回動自在に支持されている。尚、この両プラネタリキャリア4,12は、プラネタリピニオン軸11と干渉しない部位で、連結部材を介して一体的に結合されている。
【0022】
一方、リングギヤ部材6は、入力側回転部材としての入力側リングギヤ部材6aと、出力側回転部材としての出力側リングギヤ部材6bとに二分割されている。入力側リングギヤ部材6aにプラネタリピニオン11aに噛合するリングギヤ6cが形成されており、出力側リングギヤ部材6bに前側プレッシャプレート6d、及びクラッチドラム20が形成されている。
【0023】
出力側リングギヤ部材6bは、デフケース2の内周に支持されて軸方向へのスライドが許容されている。又、この入力側リングギヤ部材6aと出力側リングギヤ部材6bとの対向面間にドグ15が設けらている。
【0024】
図2に示すように、ドグ15は、入力側リングギヤ部材6aの端面の円周上にに一定の間隔で形成されている入力側ドグ歯13と、この入力側ドグ歯13に噛合すると共に、出力側リングギヤ部材6bの端面の円周上に一定間隔で形成されている出力側ドグ歯14とで構成されている。尚、図においては、前進走行時の回転方向を紙面上方から下方への流れとして示す。
【0025】
又、この各ドグ歯13,14の噛合面に、ドライブ走行時に係合するドライブ側カム面13a,14aと、コースト走行時に係合するコースト側カム面13b,14bとが形成されている。尚、ドライブ側カム面13a,14aの傾斜角θ1とコースト側カム面13b,14bの傾斜角θ2とは、ドライブ走行時とコース走行時とに応じて各々最適な差動制限トルクを得ることができるような値に設定されている。
【0026】
一方、湿式多板クラッチ10の後方に、電子制御型差動制限手段としての電子制御型差動制限装置31が配設されている。尚、この電子制御型差動制限装置31の構成については、本出願人が先に提出した特開平6−320973号公報に詳述されている。
【0027】
この電子制御型差動制限装置31の構成について簡単に説明する。この電子制御型差動制限装置31は、電磁コイル32を収容する電磁石33を有し、又、この電磁石33の前方に、その外周をデフケース2の後端部にスプライン嵌合された装置側プレッシャプレート34が対設されており、この電磁石33と装置側プレッシャプレート34との間に、クラッチプレート35が配設されている。
【0028】
このクラッチプレート35はドライブプレートとドリブンプレートとを所定間隔を開けて交互に配設されて構成されており、ドライブプレートの外周がデフケース2の内周にスプライン嵌合され、一方、ドリブンプレートの内周がクラッチハブ36にスプライン嵌合されている。尚、符号38は電磁石33を軸受けを介して支持するドラムであり、このドラム38はリヤドライブ軸8に軸受けを介して回動自在に支持されている。
【0029】
クラッチハブ36は、後側プレッシャプレート30のボス部30aに回転自在で、且つ軸方向への移動が規制された状態で外装されている。
【0030】
又、このクラッチハブ36と後側プレッシャプレート30との間にカムボール37が介装されている。クラッチハブ36と後側プレッシャプレート30との対向面には、カムボール37を収容するカム溝が形成されており、クラッチハブ36と後側プレッシャプレート30との間に差回転が生じると、後側プレッシャプレート30を前方へ押圧するような押圧力が発生する。
【0031】
そして、図示しない制御ユニットから電磁石33に収容されている電磁コイル32に対して制御電流を通電すると、電磁石33が励磁されて、装置側プレッシャプレート34が吸引され、装置側プレッシャプレート34と電磁石33との間に介装されているクラッチプレート35が、制御電流値に応じた押圧力で締結される。
【0032】
尚、制御ユニットでは、各車輪の回転速度を検出する車輪速センサや、前後加速度センサ等、車両の挙動を検出するセンサ類で検出した値に基づいて、後側プレッシャプレート30に対する押圧力を設定する。
【0033】
次に、このような構成による本実施の形態の作用について説明する。
前進走行時において、変速機にて所定に変速されて出力軸から出力される駆動トルクは、この出力軸に結合されている差動装置1Aの入力軸3に入力され、この入力軸3に連設するプラネタリキャリア4,12を介して、このプラネタリキャリア4,12に支持されているプラネタリピニオン軸11を公転させる。
【0034】
このプラネタリピニオン軸11に形成されているプラネタリピニオン11aは、サンギヤ軸5に形成されているサンギヤ5bとリングギヤ部材6に形成されているリングギヤ6cとに噛合されている。又、サンギヤ軸5がフロントドライブ軸(図示せず)に結合され、一方、リングギヤ部材6の出力側が後側プレッシャプレート30を介してリヤドライブ軸8にスプライン嵌合されている。
【0035】
従って、変速機から出力された駆動トルクは、このプラネタリピニオン軸11により、サンギヤ軸5側とリングギヤ部材6側とに、サンギヤ5bとリングギヤ6cとのギヤ比で決定される配分比率(例えば、前輪4:後輪6)で配分され、前後輪へ伝達されてて4輪駆動走行が行われる。
【0036】
ところで、リングギヤ部材6の入力側リングギヤ部材6aには、プラネタリギヤによって所定に配分された駆動トルクが伝達されており、一方、出力側リングギヤ部材6bには、走行時の抵抗(走行抵抗、加速抵抗等)によって生じるトルクが印加されているため、この両者の分割面に設けたドグ15のドグ歯13,14に形成されているドライブ側カム面13a,14a間には、図2に示すように、回転方向に作用する回転トルクTFと軸方向に作用する押圧力TSとが発生する。
【0037】
この場合、入力側リングギヤ部材6aの入力側端面は、プラネタリキャリア4の内側面に軸受け部材7を介して当接されて軸方向への移動が規制されているため、ドライブ側カム面13a,14a間に発生した押圧力TSにて、出力側リングギヤ部材6bが後方へ押圧移動される。その結果、この出力側リングギヤ部材6bに一体形成されている前側プレッシャプレート6dが、湿式多板クラッチ10の、交互に配設されているドライブプレート10aとドリブンプレート10bとを後側プレッシャプレート30に押し付け、湿式多板クラッチ10に差動制限トルク(クラッチ締結力)を発生させる。
【0038】
すると、リヤドライブ軸8に後側プレッシャプレート30を介して直結されている出力側リングギヤ部材6bとサンギヤ軸2に一体形成されているクラッチハブ22との間に、湿式多板クラッチ10を介してトルク経路がバイパス形成される。
【0039】
その結果、フロントドライブ軸に連結されているサンギヤ軸5とリヤドライブ軸8との間で、この両者の回転数NF,NRの大きい方から小さい方へ、湿式多板クラッチ10にて形成されたトルク経路を介して、一定割合のトルク移動が行われる。尚、湿式多板クラッチ10に発生する差動制限トルク(クラッチ締結力)は、各プレート10a,10bの枚数に応じて適宜設定することが可能で、更にドグ歯13,14に形成されているドライブ側カム面13a,14aの傾斜角θ1の角度を調整することで、個別的な微調整が可能である。
【0040】
一方、コースト走行においては、後輪側からの駆動トルクがリヤドライブ軸8、後側プレッシャプレート30を介して出力側リングギヤ部材6bに印加されるため、出力側リングギヤ部材6bに形成されている出力側ドグ歯14のコースト側カム面14bが、入力側リングギヤ部材6aの入力側ドグ歯13に形成されているコースト側カム面13bを押圧する。
【0041】
すると、入力側リングギヤ部材6aからの反作用により、出力側リングギヤ部材6bが押圧力TSにて押圧され、上述と同様、湿式多板クラッチ10に差動制限トルク(クラッチ締結力)が発生し、リヤドライブ軸8とサンギヤ軸5との間にトルク経路がバイパス形成される。
【0042】
その結果、リヤドライブ軸8とサンギヤ軸5との間で、この両者の回転数NR,NFの大きい方から小さい方へトルク経路を介して、一定割合のトルク移動が行われる。尚、この場合も、ドグ歯14,13に形成されているコースト側カム面14b,13bの傾斜角θ2の角度を調整することで、最適な差動制限トルク(クラッチ締結力)を個別に設定することが可能である。
【0043】
次に、図4〜図5を用いて、前輪側回転数NFと後輪側回転数NRとの関係から、前輪側へ伝達される駆動トルク(以下「前輪側伝達トルクTF」と称する)と、後輪側へ伝達される駆動トルク(以下「後輪側伝達トルクTR」と称する)の変化について説明する。
【0044】
先ず、駆動トルクがほとんど作用していない場合、すなわち、例えば、実走行ではカーブに進入する際にアクセルペダルを放した場合等の状態では、互いに噛合しているドグ15のドグ歯13,14に作用するトルクが減少するため、軸方向への押圧力TSが減少し、湿式多板クラッチ10は開放状態となる。
【0045】
その結果、リヤドライブ軸8に対しては、後側プレッシャプレート30からのみ駆動力が伝達されることになる。そのため、カーブへの進入の際にステアリングを操作して旋回しようとするときに差動制限トルクが発生しないため、前後輪の回転差がなめらかに吸収されるようになりスムースな旋回ができる。
【0046】
次に、図4に示すように、駆動トルクが作用しながら前輪側回転数NFと後輪側回転数NRとが等しい状態から、前輪側回転数NFが後輪側回転数NRよりも大きくなろうとする状態、すなわち、実走行ではカーブに進入した後、アクセルペダルを踏込んで加速した場合に生じるアンダーステア等の状態では、アクセルペダルの踏込み量の応じたトルクが噛合しているドグ歯13、14に作用することで、入力側リングギヤ部材6aに形成されている入力側ドグ歯13のドライブ側カム面13aが、出力側リングギヤ部材6bの出力側ドグ歯14に形成されているドライブ側カム面14aを押圧するため、軸方向への押圧力TSが発生し、この押圧力TSによって、湿式多板クラッチ10に差動制限トルク(クラッチ締結力)が発生し、湿式多板クラッチ10を介してサンギヤ軸5とリヤドライブ軸8との間にトルク経路がバイパス形成される。
【0047】
すると、図4に中線で示す矢印のように、サンギヤ軸5に入力された駆動トルクの一部が、湿式多板クラッチ10を介してリヤドライブ軸8側へ伝達されるため、このリヤドライブ軸8には、リングギヤ部材6を介して入力される駆動トルク(細線の矢印で示す)と、上述したサンギヤ軸5から入力される駆動トルク(中線の矢印で示す)とが合算された伝達トルクTR(太線の矢印で示す)が入力される。
【0048】
その結果、アンダーステア等の状態では、前輪側へ伝達される駆動トルクが減少するためアンダーステアが抑制でき、良好なハンドル操作を行うことが可能となる。
【0049】
又、図5に示すように、駆動トルクが作用しながら前輪側回転数NFと後輪側回転数NRとが等しい状態から、後輪側回転数NRが前輪側回転数NFよりも大きくなろうとする状態、すなわち、カーブを加速走行中に、後輪が横滑りした場合等の状態では、アクセルペダルの踏込み量に応じたトルクがドク15のドグ歯13、14に作用することで、入力側リングギヤ部材6aに形成されている入力側ドグ歯13のドライブ側カム面13aが、出力側リングギヤ部材6bの出力側ドグ歯14に形成されているドライブ側カム面14aを押圧して軸方向への押圧力TSが発生する。
【0050】
すると、この押圧力TSによって、湿式多板クラッチ10が締結されて、デフケース2とリヤドライブ軸8との間にトルク経路がバイパス形成され、図5に中線で示す矢印のように、出力側リングギヤ部材6bに入力された駆動トルクの一部が、当該トルク経路を経てサンギヤ軸5に入力される。
【0051】
その結果、サンギヤ軸5には、プラネタリピニオン軸11から入力される駆動トルク(細線の矢印で示す)と、湿式多板クラッチ10を介して出力側リングギヤ部材6b側から入力される駆動トルク(中線で示す)とが合算された伝達トルクTF(太線の矢印で示す)が入力される。
【0052】
従って、例えばカーブを走行中に後輪が横滑りする場合等の状態では、後輪側伝達トルクTRが低減されるため、横滑りが抑制されて良好な走行性を得ることができる。
【0053】
ところで、雪路等の低μ路の路面での発進及び走行の際に前後輪の一方がスリップした場合には、ドグ15のカム面13a,13b(13b,14b)に、走行時の抵抗(走行抵抗、加速抵抗等)によって生じるトルクは小さいため、軸方向への押圧力TSは小さく差動制限がほとんど行われないために、路面のグリップ力が著しく低下してしまう。
【0054】
そのため、各車輪の回転速度を検出する車輪速センサで検出した車輪速に基づき、車輪のスリップを検出した場合は、電子制御型差動制限装置31を動作させて、湿式多板クラッチ10を締結動作させて、前後輪の差動を積極的に制限する。
【0055】
すると、例えば、後輪がスリップしている場合(TR≒0、且つNR>0)、図6に、白抜きの矢印で示すように、後輪側の駆動トルクが、湿式多板クラッチ10を介して、サンギヤ軸5側へ伝達されるため、後輪のスリップが抑制される。
【0056】
一方、前輪がスリップしている場合(TF≒0、且つNF>0)は、図6に、ハッチングの矢印で示すように、前輪側の駆動トルクが、湿式多板クラッチ10を介して、リヤドライブ軸8側へ伝達されるため、前輪のスリップが抑制される。
【0057】
このように、本実施の形態では、ドグ15にて湿式多板クラッチ10を動作させることのできない領域は、電子制御型差動制限装置31を作動させて積極的に差動制限することで、雪路等の低μ路の路面での発進及びを走行の際にも、スリップが抑制されて良好な走行性能を得ることができる。
【0058】
次に、図3に示す特性図を用いて、前輪側回転数NF及び後輪側回転数NRと、前輪側伝達トルクTF及び後輪側伝達トルクTRとの関係を説明する。
【0059】
前輪側回転数NFと後輪側回転数NRとの回転数が等く湿式多板クラッチ10によるトルク伝達が行われない場合、図の中央に実線で示すように、プラネタリギヤにより設定されるトルク配分で、前輪側伝達トルクTFと後輪側伝達トルクTRとが設定される。
【0060】
一方、前輪側回転数NFが後輪側回転数NRよりも大きくなろうとする状態では、湿式多板クラッチ10が締結動作されるため、その差動が制限されると共に、前輪側へ伝達される駆動トルクの一部が後輪側へ伝達されて、後輪側伝達トルクTRが大きくなる。
【0061】
又、後輪側回転数NRが前輪側回転数NFよりも大きくなろうとする状態においても、湿式多板クラッチ10が締結動作されるため、その差動が制限されると共に、後輪側へ伝達される駆動トルクの一部が前輪側へ伝達されて、前輪側伝達トルクTFが大きくなる。
【0062】
更に、湿式多板クラッチ10の締結力の限界を超えて前輪または後輪がスリップする領域、及び前輪側伝達トルクTFと後輪側伝達トルクTRが小さくドク15のカム面13a,14a(13b,14b)による差動制限力が小さい領域で前輪または後輪がスリップする領域では、図の一点鎖線で示すように、電子制御型差動制限装置31の動作領域を設定し、当該領域で湿式多板クラッチ10を締結動作させることで、例えば低μ路の路面での発進時及びを走行時のスリップの発生を抑制することができる。
【0063】
このように、ドグ15では前後輪の差動を制限しきれない領域は、電子制御型差動制限装置31を動作させて、差動を積極的に制限することで、低μ路の路面での発進及びを走行する際のスリップを抑制することができる。
【0064】
又、ドグ15は、前輪側回転数NFと後輪側回転数NRとの間に差回転が発生しようとする瞬間に動作し、ドグ15のカム面13a,14a(13b,14b)に押圧力TSが発生して湿式多板クラッチ10に差動制限トルク(クラッチ締結力)を発生させることができるため、電子制御型差動制限装置31の制御動作に比し応答性がよく、電子制御型差動制限装置31では制御しきれない領域を補完することができ、全体として良好な走行性能を得ることができる。
【0065】
又、ドグ15の各ドグ歯13,14に形成したカム面13a,14a(13b,14b)によって差動制限トルクを発生させるようにしたので、特殊なギヤを必要とせず、製造が容易となり、製品コストの低減を実現することができる。
【0066】
更に、差動制限トルクを発生させるための押付力を、各ドグ歯13,14に形成したカム面13a,13b(13b,14b)の傾斜角θ1(θ2)にて機種毎に容易に設定することができるため、優れた汎用性を得ることができる。
【0067】
又、差動制限トルクをドライブ走行時とコースト走行時とで異なる特性に設定することができるため、例えば、ドグ15のドグ歯13,14に形成されているコースト側カム面13b,14bの傾斜角θ2を0°とし、コース走行時は差動制限を行わないようにするなど、各車両の走行特性に応じて、差動制限特性を自在に設定することが可能となり、設計の自由度を増すことができる。
【0068】
更に、ドグ15と電子制御型差動制限装置31とで湿式多板クラッチ10を共用化したので、部品点数の削減、構造の簡素化が図れると共に、差動装置1A全体の小型化を実現することが出来る。
【0069】
又、ドグ15及び電子制御型差動制限装置31により湿式多板クラッチ10を締結動作させるようにしたので、プラネタリギヤ機構自体は、特殊なギヤを使用する必要がなく、標準的なギヤで構成することができるため、製品コストの低減を図ることができる。
【0070】
又、図7に本発明の第2実施の形態による差動装置の軸方向に沿った断面側面図を示す。
上述した第1実施の形態に示す差動装置1Aでは、前側プレッシャプレート6dを入力側リングギヤ部材6aに形成したが、本実施の形態で示す差動装置1Bでは、第1のプレッシャプレートとしての前側プレッシャプレート43を、第1の回転部材としてのサンギヤ軸41に形成したものである。更に、サンギヤ軸41を入力側回転部材としての入力側サンギヤ軸41aと出力側回転部材としての出力側サンギヤ軸41bとに二分割し、この両者の対向面間に、第1実施の形態と同様の構成を有するドグ15を設けると共に、この出力側サンギヤ軸41bに前側プレッシャプレート43を突設したものである。
【0071】
より詳しくは、出力側サンギヤ軸41bの内周が、フロントドライブ軸(図示せず)に結合するフロントエクステンション軸45の外周にスプライン嵌合されている。又、このフロントエクステンション軸45の後部に、リヤドライブ軸8の先端部が軸受け21を介して支持されている。
【0072】
更に、入力側サンギヤ軸41aに設けられているサンギヤ41cと、その外周に配設されている第2の回転部材としてのリングギヤ部材6に形成されているリングギヤ6cとの間に介装されているプラネタリピニオン軸11の両端部が、入力軸3に一体のプラネタリキャリア4と、入力側サンギヤ軸41aの外周に配設されているプラネタリキャリア44とに軸受けを介して回動自在に支持されている。
【0073】
又、出力側サンギヤ軸41bの後部にクラッチハブ42が形成されており、このクラッチハブ42とリングギヤ部材6に形成されているクラッチドラム20との間に、湿式多板クラッチ10が介装されている。更に、この湿式多板クラッチ10の前面に対設する前側プレッシャプレート43が、サンギヤ軸41の外周に突設されている。尚、電子制御型差動制限装置31の構成は、第1実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0074】
このような構成では、入力側サンギヤ軸41aの前端が、軸受け部材7を介してプラネタリキャリア4の内周面に回動自在支持されて軸方向への移動が規制されているため、走行時の抵抗(走行抵抗、加速抵抗等)によって生じるトルクが出力側サンギヤ軸41bに印加されると、入力側サンギヤ軸41aと出力側サンギヤ軸41bとの分割面に設けたドグ15のドグ歯13,14に形成されているドライブ側カム面13a,14a間には、軸方向に作用する押圧力TSとが発生するため、この押圧力TSで、湿式多板クラッチ10に差動制限トルク(クラッチ締結力)を発生させて、前後輪の差動を制限すると共に、出力側サンギヤ軸41bとリヤドライブ軸8との間にトルク経路をバイパス形成する。
【0075】
その結果、出力側サンギヤ軸41bとリヤドライブ軸8との間で、この両者の回転数NF,NRの大きい方から小さい方へトルク経路を経て、一定割合のトルク移動が行われ、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。尚、電子制御型差動制限装置31の動作は第1実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0076】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、構造を複雑化することなく、良好な運転性能を得ることができる。
【0077】
又、ドグと電子制御型差動制限手段とでクラッチ部材を共用化しているため、部品点数の削減、構造の簡素化を図ることができると共に、差動装置全体の小型化を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態による差動装置の軸方向に沿った断面側面図
【図2】同、リングギヤ部材の要部側面図
【図3】同、差動制限トルクの特性を示す説明図
【図4】同、駆動トルクが作用しながら前輪側回転数が後輪側回転数よりも大きくなろうとする場合の前後輪へのトルク伝達経路を示す説明図
【図5】同、駆動トルクが作用しながら後輪側回転数が前輪側回転数よりも大きくなろうとする場合の前後輪へのトルク伝達経路を示す説明図
【図6】同、差動制限装置が動作したときの前後輪へのトルク伝達経路を示す説明図
【図7】第2実施の形態による差動装置の軸方向に沿った断面側面図
【符号の説明】
1A,1B 差動装置
3 入力軸
5 サンギヤ軸
6 リングギヤ部材
6a 入力側リングギヤ部材
6b 出力側リングギヤ部材
6c,43 前側プレッシャプレート
8 リヤドライブ軸
10 湿式多板クラッチ
13,14 ドグ歯
13a,14a ドライブ側カム面
13b,14b コースト側カム面
15 ドグ
30 後側プレッシャプレート
31 電子制御型差動制限装置
41 サンギヤ軸
41a 入力側サンギヤ軸
41b 出力側サンギヤ軸

Claims (4)

  1. エンジンからの駆動トルクを入力軸を介してプラネタリギヤ機構に伝達し、該プラネタリギヤ機構を介して第1の出力軸と第2の出力軸とに対してトルク配分する差動装置において、
    上記入力軸と上記第1の出力軸と上記第2の出力軸との何れかに連設する第1の回転部材と、
    上記入力軸と上記第1の出力軸と上記第2の出力軸のうち上記第1の回転部材を除く何れかの軸に連設する第2の回転部材と、
    上記第1の回転部材と上記第2の回転部材との間に介装したクラッチ部材と、
    上記クラッチ部材を一方から押圧すると共に上記第1の回転部材に連設する第1のプレッシャプレートと、
    上記クラッチ部材を他方から押圧する第2のプレッシャプレートと、
    上記第2のプレッシャプレートに連設すると共に該第2のプレッシャプレートに押圧力を発生させる電子制御型差動制限手段と、
    を備え、
    上記第1の回転部材を入力側回転部材と出力側回転部材とに二分割すると共に、
    上記出力側回転部材を軸方向へスライド自在に設け、
    上記入力側回転部材と上記出力側回転部材との対向面にドグを設けると共に該ドグの噛合面をカム面とし、
    走行時の抵抗によって生じるトルクにて上記カム面に発生する軸方向への押圧力で上記第1のプレッシャプレートを介して上記クラッチ部材を締結動作させることを特徴とする差動装置。
  2. 上記第1の回転部材が上記入力軸にプラネタリピニオン軸を介して連設するリングギヤ部材であることを特徴とする請求項1記載の差動装置。
  3. 上記第1の回転部材が上記入力軸にプラネタリピニオン軸を介して連設するサンギヤ軸であることを特徴とする請求項1記載の差動装置。
  4. 上記電子制御型差動制限手段は、前後輪の一方がスリップした場合に上記第2のプレッシャプレートに対して押圧力を発生させ、該押圧力で上記クラッチ部材を締結動作させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の差動装置。
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