JP2005054829A - 動力伝達装置及びセンターディファレンシャル装置 - Google Patents

動力伝達装置及びセンターディファレンシャル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】構成の簡素化及びコンパクト化が得られる動力伝達装置を提供することにある。
【解決手段】入力軸1と出力軸2が同軸上に配置され、入力軸1と出力軸2の間に摩擦係合部10を架設する一方、入力軸1及び出力軸2と同軸上に超音波モータ21を配置し、かつ超音波モータ21のロータ25の内周にプレッシャプレート26をスプライン嵌合し、超音波モータ21の回転トルクを受けて回転するプレッシャプレート26とモータケース22との相対回転でプレッシャプレート26に軸方向のスラスト力を付与するカム機構30と設け、プレッシャプレート26のスラスト力によって摩擦係合部10の作動を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力伝達装置及びこの動力伝達装置を用いたセンターディファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、4輪駆動車は、エンジンからの動力を、変速機によって変速し、この変速された出力をセンターディファレンシャル装置によってフロントディファレンシャル装置とリヤディファレンシャル装置にトルク配分して伝動し、更にフロントディファレンシャル装置から前輪に伝動する一方、リヤディファレンシャル装置から後輪に伝動するように構成されている。
【0003】
更に、操縦性や走行安定性を向上させるために、車両の走行条件に応じてセンターディファレンシャル装置の差動機構による差動を制限してフロントディファレンシャル装置及びリヤディファレンシャル装置へのトルク配分を制御する差動制限機構が設けられている。
【0004】
このような動力伝達装置は、例えば図11に示すように、エンジンからの駆動力がセンターディファレンシャル装置によって一対の中空軸101と102に配分され、一方の中空軸101の回転がフロントディファレンシャル装置に伝達され、他方の中空軸102の回転がリングギヤ103から動力伝達系を介してリヤディファレンシャル装置に伝達される。中空軸101と102の間には、中空軸101に設けられたクラッチハブ104aと中空軸102に設けられたクラッチドラム104bの間に多数の摩擦係合プレート104cが配置された多板クラッチ104が架設配置されている。
【0005】
一方、この多板クラッチ104を作動させる駆動装置は、モータ105の出力軸に2種類のギヤ歯106a、106bを備えたギヤ106が取り付けられ、ギヤ歯106a、106bにそれぞれギヤ107、108が噛み合い、これらギヤ107、108に中空軸109、111がスプライン嵌合している。中空軸109及び111には対向するフランジ部110、112が設けられ、一方のフランジ部110は中空軸102に連設されたカバー115にベアリング114を介して支持され、かつ他方のフランジ部110にベアリング116を介在して押圧部材117が設けられている。フランジ部110及び112には、図12に断面図を示すようにローラ113を介して対向するカム面110a、112aが形成されている。なお、ギヤ106のギヤ歯106aとギヤ107、ギヤ歯106bとギヤ108のギヤ列のギヤ比は僅かに異なって設定されている。
【0006】
モータ105が回転すると、このギヤ比が僅かに異なることから、中空軸109と111は僅かな相対回転を伴いながら回転しようとする。このためカム面110a、112aとローラ113によるカム機構によりフランジ部110にスラスト力が発生し、移動するフランジ部110によってベアリング116を介して押圧部材117により摩擦係合プレート104cを押圧して多板クラッチ104を締結する。この多板クラッチ104の締結により中空軸101と102の相対回転が規制されてセンターディファレンシャル装置による差動を制限する(特許文献1参照)。
【0007】
また、他の動力伝達装置としては、図13に示すように差動機構がリヤディファレンシャル装置のデフケース121に固定されたピニオンシャフト122に回転自在に支持されたピニオンギヤ123に噛み合った一対のサイドギヤ124、125によって構成され、エンジンからの動力はリングギヤ126からデフケース121を回転させ、デフケース121に設けられたピニオンシャフト122及びピニオンギヤ123を介してサイドギヤ124と125にトルク配分し、車軸127、128から左右の車輪に伝達される。
【0008】
一方、差動制限機構は、デフケース121と車軸128との間に架設された多板クラッチ130を有している。多板クラッチ130を作動する駆動部は、モータ132の出力軸に2種類の入力ギヤ133と134が取り付けられ、これら入力ギヤ133、134に出力ギヤ135、136が噛み合い、入力ギヤ133と出力ギヤ135のギヤ列と入力ギヤ134と出力ギヤ136のギヤ列のギヤ比が僅かに異なっている。出力ギヤ135と136には、図14に断面図を示すようにそれぞれカム面137、138が形成され、カム面137と138の間にボール139が配置されている。
【0009】
そして、モータ132が回転すると、これらのギヤ列のギヤ比は僅かに異なることから、出力ギヤ135と136は僅かな相対回転を伴いながら回転する。このためカム面137、138とボール139によるカム機構により出力ギヤ135にスラスト力が発生し、移動する出力ギヤ135によって押圧部材140を介して摩擦係合プレート131を押圧して多板クラッチ130を締結する。この多板クラッチ130の締結によりデフケース121と車軸128の相対回転が規制されて差動機構の差動が制限される。(特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特公平8−19971号公報
【特許文献2】
特開平11−270652公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載の動力伝達装置によると、エンジンからの動力をセンターディファレンシャル装置によって中空軸101と102に配分し、多板クラッチ104の締結によってセンターディファレンシャル装置による差動を制限してフロントディファレンシャル装置及びリヤディファレンシャル装置へ伝達するトルク配分を制御することができる。
【0012】
しかし、多板クラッチ104を作動させる駆動部は、比較的大きなモータ105の出力軸に2種類のギヤ歯106a、106bを備えたギヤ106が取り付けられ、それぞれのギヤ歯106a、106bに噛み合うギヤ107、108にスプライン嵌合した中空軸109及び111にローラ113を介して対向するカム面110a、112aを有するフランジ部110、112が設けられることから、その構成が複雑でかつ大型で大きな設置スペースを要し、センターディファレンシャルケース内に配置することが困難であり、センターディファレンシャルケースの外部に配設することから、センターディファレンシャル装置全体の大型化及び重量の増大を招き、搭載性に影響すると共に燃費の低下が懸念される。
【0013】
また、特許文献2に記載の動力伝達装置によると、デフケース121と車軸128との間に設けられた多板クラッチ130の締結によってリヤディファレンシャル装置の差動を制限して左右の車輪に伝達するトルク配分が制御できる。
【0014】
しかし、多板クラッチ130を作動する駆動装置は、比較的大きなモータ132の出力軸に2種類の入力ギヤ133、134を取り付け、入力ギヤ133、134に噛み合う出力ギヤ135、136に形成されたカム面137と138の間にボール139を配置し、出力ギヤ135のスラスト力によって多板クラッチ130を締結してデフケース121と車軸128の差動を制限することから、その構成が複雑でかつ大型で大きな設置スペースを要し、リヤディファレンシャル装置内に配置することが困難である。また、フロントディファレンシャル装置やセンターディファレンシャル装置等に用いられる動力伝達装置に本装置を転用した場合にも同様の不具合が生じ、その動力伝達装置を用いたセンターディファレンシャル装置にあってはセンターディファレンシャル装置の大型化及び重量が増加して搭載性及び燃費の低下が懸念される。
【0015】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、構成の簡素化及びコンパクト化が得られる動力伝達装置及びセンターディファレンシャル装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の動力伝達装置の発明は、同軸上に配置された第1軸と第2軸とのトルク伝達を制御する動力伝達装置において、上記第1軸と第2軸の間に架設配置された摩擦係合部と、上記第1軸及び第2軸と同軸上に配置された超音波モータの回転トルクを受けて作動するカム機構によるスラスト力で上記摩擦係合部を制御する駆動部とを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項1の発明によると、比較的小型で低速高トルクで回転する超音波モータを第1軸及び第2軸と同軸上に配置し、超音波モータの回転トルクを受けて作動するカム機構によるスラスト力で上記摩擦係合部を制御することから、ギヤ列等の減速機構を用いることなく超音波モータによって直接的に摩擦係合部の制御ができ、動力伝達装置の構成の簡素化が得られると共にコンパクト化及び軽量化が得られる。この動力伝達装置のコンパクト化によりトランスミッションケースやディファレンシャル装置等のケース内に容易に配置でき、トランスミッション装置やディファレンシャル装置等の構成の簡素化及びコンパクト化が可能になり、これらの車両搭載性が向上する。
【0018】
請求項2に記載の動力伝達装置の発明は、同軸上に配置された第1軸と第2軸とのトルク伝達を制御する動力伝達装置において、上記第1軸に設けられたクラッチドラムの内周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートと上記第2軸に設けられたクラッチハブの外周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートとが交互に配置された摩擦係合部と、上記第1軸及び第2軸と同軸上に配置された超音波モータと、軸方向移動可能でかつ相対回転が規制されて上記超音波モータのロータに支持されたプレッシャプレートと、上記超音波モータの回転トルクを受けて回転する上記プレッシャプレートと上記超音波モータのモータケースとの相対回転で上記プレッシャプレートに軸方向のスラスト力を付与するカム機構とを備え、上記プレッシャプレートのスラスト力によって上記交互に配置された摩擦係合プレート間を圧接させて上記摩擦係合部を制御することを特徴とする。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1の発明をより具体化したもので、摩擦係合部を多板クラッチによって構成し、超音波モータのモータケースとプレッシャプレートとの相対回転によってプレッシャプレートにスラスト力を付与するカム機構を備えることにより、ギヤ列等の減速機構を用いることなくモータケースとプレッシャプレートによる簡単な構成でカム機構を形成できる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項2の動力伝達装置において、上記プレッシャプレート及びモータケースは、互いに対向する側面を有し、上記カム機構は、上記プレッシャプレートの側面に形成されプレッシャプレートの一回転方向に移行するに従って漸次深くなるボール溝と、該ボール溝と対向して上記モータケースの側面に形成され上記プレッシャプレートの一回転方向に移行するに従って漸次浅くなるボール溝と、上記プレッシャプレートに形成されたボール溝とモータケースに形成されたボール溝との間に嵌合配置されたボールとを備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明によると、プレッシャプレート及び超音波モータのモータケースの各対向する側面に形成したボール溝と、この対向するボール溝の間に嵌合するボールとによる簡単な構成でカム機構を形成することができる。
【0022】
請求項4に記載の動力伝達装置の発明は、同軸上に配置された第1軸と第2軸とのトルク伝達を制御する動力伝達装置において、上記第1軸に設けられたクラッチドラムの内周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートと上記第2軸に設けられたクラッチハブの外周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートとが交互に配置された摩擦係合部と、上記第1軸及び第2軸と同軸上に配置された超音波モータと、軸方向移動可能でかつ相対回転が規制されて上記超音波モータのモータケースに支持されたプレッシャプレートと、上記超音波モータのロータと上記プレッシャプレートの相対回転による回転トルクを受けて上記プレッシャプレートに上記軸方向のスラスト力を付与するカム機構とを備え、上記プレッシャプレートのスラスト力によって上記交互に配置された摩擦係合プレート間を圧接させて上記摩擦係合部を制御することを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載の発明によると、摩擦係合部を多板クラッチによって構成し、プレッシャプレートと超音波モータのロータとの相対回転によってプレッシャプレートにスラスト力を付与するカム機構を備えることにより、ギヤ列等の減速機構を用いることなく直接的にロータとプレッシャプレートによる簡単な構成でカム機構を形成できる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項4の動力伝達装置において、上記プレッシャプレート及びロータは、互いに対向する側面を有し、上記カム機構は、上記プレッシャプレートの側面に形成されロータの一回転方向に移行するに従って漸次深くなるボール溝と、該ボール溝と対向して上記ロータの側面に形成され該ロータの一回転方向に移行するに従って漸次浅くなるボール溝と、上記プレッシャプレートに形成されたボール溝とロータに形成されたボール溝との間に嵌合配置されたボールとを備えたことを特徴とする。
【0025】
請求項5の発明によると、プレッシャプレート及びロータの対向する側面に形成したボール溝と、この対向するボール溝の間に嵌合するボールとによる簡単な構成でカム機構を形成することができる。
【0026】
請求項6に記載のセンターディファレンシャル装置の発明は、第1軸によって変速機から入力された変速出力を第2軸及び第3軸にトルク配分する差動機構及び差動制限機構を備えたセンターディファレンシャル装置において、上記差動制限機構は、上記作動機構によってトルク分配された動力を上記第3軸に伝達する部材と上記第2軸との間に架設配置された摩擦係合部と、上記第2軸と同軸上に配置された超音波モータの回転トルクを受けて作動するカム機構によるスラスト力で上記摩擦係合部を制御する駆動部とを備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項6の発明によると、比較的小型で低速高トルクで回転する超音波モータを第2軸と同軸上に配置し、超音波モータの回転トルクを受けて作動するカム機構によるスラスト力で摩擦係合部を制御することによって、ギヤ列等の減速機構を用いることなく直接的に摩擦係合部の制御ができ、差動制限機構の構成の簡素化が得られると共にコンパクト化及び軽量化が得られる。この差動制限装置のコンパクト化によりトランスミッションケース内に配置することが容易になり、トランスミッション装置の簡素化及びコンパクト化が可能になり、トランスミッション装置の車両搭載性が向上する。
【0028】
請求項7に記載のディファレンシャル装置の発明は、変速機からの変速出力が入力される第1軸と第2軸が同軸上に配置され、上記第1軸に設けられた第1サンギヤと、上記第2軸に設けられた第2サンギヤと、該第1サンギヤ及び第2サンギヤに各噛合するピニオン部材の第1ピニオン及び第2ピニオンと、第3軸への出力側となるキャリヤと、該キャリヤに取付支持されて上記ピニオン部材を軸支するピニオン軸とを備えたプラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル装置において、上記キャリヤと第2軸との間に架設配置された摩擦係合部と、上記第2軸と同軸上に配置された超音波モータの回転トルクを受けて作動するカム機構によるスラスト力で上記摩擦係合部を制御する駆動部とを備えたことを特徴とする。
【0029】
請求項7の発明によると、プラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル装置において、キャリヤと第2軸との間に摩擦係合部を架設し、比較的小型で低速高トルクで回転する超音波モータを第2軸と同軸上に配置し、超音波モータの回転トルクを受けて作動するカム機構によるスラスト力で摩擦係合部を制御することによって、ギヤ列等の減速機構を用いることなく直接的に摩擦係合部の制御ができ、差動制限機構の構成の簡素化が得られると共にコンパクト化及び軽量化が得られる。この差動制限装置のコンパクト化によりトランスミッションケース内に駆動装置を配置することが容易になり、トランスミッション装置の簡素化及びコンパクト化が可能になり、トランスミッション装置の車両搭載性が向上する。
【0030】
請求項8に記載のディファレンシャル装置の発明は、変速機からの変速出力が入力される第1軸と第2軸が同軸上に配置され、上記第1軸に設けられた第1サンギヤと、上記第2軸に設けられた第2サンギヤと、該第1サンギヤ及び第2サンギヤに各噛合するピニオン部材の第1ピニオン及び第2ピニオンと、第3軸への出力側となるキャリヤと、該キャリヤに取付支持されて上記ピニオン部材を軸支するピニオン軸とを備えたプラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル装置において、上記キャリヤに設けられたクラッチドラムの内周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートと上記第2軸に設けられたクラッチハブの外周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートとが交互に配置された摩擦係合部と、上記第2軸と同軸上に配置された超音波モータと、軸方向移動可能でかつ相対回転が規制されて上記超音波モータのロータに支持されるプレッシャプレートと、上記超音波モータの回転トルクを受けて回転する上記プレッシャプレートと上記超音波モータのモータケースとの相対回転で上記プレッシャプレートに上記軸方向のスラスト力を付与するカム機構とを備え、上記プレッシャプレートのスラスト力によって上記交互に配置された摩擦係合プレート間を圧接させて上記摩擦係合部を制御することを特徴とする。
【0031】
請求項8の発明によると、摩擦係合手段を多板クラッチによって構成し、プレッシャプレートと超音波モータのモータケースとプレッシャプレートとの相対回転によってプレッシャプレートにスラスト力を付与するカム機構を備えることにより、ギヤ列等の減速機構を用いることなく直接的にモータケースとプレッシャプレートによる簡単な構成でカム機構が形成できる。
【0032】
請求項9に記載の発明は、請求項8のセンターディファレンシャル装置において、上記プレッシャプレート及びモータケースは、互いに対向する側面を有し、上記カム機構は、上記プレッシャプレートの側面に形成されプレッシャプレートの一回転方向に移行するに従って漸次深くなるボール溝と、該ボール溝と対向して上記モータケースの側面に形成され上記プレッシャプレートの一回転方向に移行するに従って漸次浅くなるボール溝と、上記プレッシャプレートに形成されたボール溝とモータケースに形成されたボール溝との間に嵌合配置されたボールとを備えたことを特徴とする。
【0033】
請求項9の発明によると、プレッシャプレート及びモータケースの対向する側面に形成したボール溝と、この対向するボール溝の間に嵌合するボールとによる簡単な構成でカム機構を形成することができる。
【0034】
【実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0035】
(第1実施の形態)
本発明による動力伝達装置の第1実施の形態を図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本実施の形態における動力伝達装置を模式的に示す要部断面図である。
【0036】
例えば、トランスミッションケースやデファレンシャルキャリヤ等のケース、本実施の形態ではトランスミッションケース内に、第1軸となる入力軸1と第2軸となる出力軸2が回転中心軸線aに沿って同軸上で回転自在に配置され、入力軸1と出力軸2との間にトルク伝達する動力伝達装置3が配設されている。
【0037】
動力伝達装置3は、入力軸1と出力軸2との間に架設された摩擦係合部となる多板クラッチ部10及び多板クラッチ部10を作動させる駆動部20によって構成されている。
【0038】
多板クラッチ部10は、クラッチドラム11及びクラッチハブ15を有している。クラッチドラム11は比較的小径で円筒状の基端部12と、この基端部12に段部を介して一体形成された比較的大径円筒状のドラム部13が一体形成された円筒状で、基端部12がベアリング14を介在して出力軸2の端部に回転自在に支持されている。基端部12の内周には、軸方向に延びて入力軸1の端部にスプライン嵌合する複数のスプライン溝12aが形成され、ドラム部13の内周には軸方向に延びる複数のスプライン溝13aが形成されている。更に、スプライン13aに一方の摩擦係合プレートである複数のドライブプレート18の外周に形成されたスプライン歯が軸方向に移動可能にスプライン嵌合している。
【0039】
クラッチハブ15は、出力軸2の外周に形成されて軸方向に延びる複数のスプライン溝16によって形成され、出力軸2にフランジ状のストッパ17が形成されている。スプライン溝16にドライブプレート18と交互に配置された他方の摩擦係合プレートである複数のドリブンプレート19の内周に形成されたスプライン歯が軸方向に移動可能にスプライン嵌合している。
【0040】
駆動部20は、超音波モータ21を備えている。超音波モータ21は図示しないトランスミッションケースに固設されたモータケース22及びこのモータケース22に支持された環状のステータ24とロータ25を有している。
【0041】
モータケース22は、外周22aがトランスミッションケースに回転が阻止された状態で設けられ、中央部にベアリング23を介して出力軸2を回転自在に支持する貫通孔22bが穿設されたほぼ円板状であって、回転中心軸線aを中心とする環状のステータ収容部22dが凹設されている。更に、ステータ収容部22dの外周に沿って、多板クラッチ部10側に突出して先端縁が回転中心軸線a側に折曲形成された断面L字状で連続する円筒状のロータガイド部22eが一体形成されている。
【0042】
ステータ収容部22d内に、圧電素子と弾性体によって形成された振動子本環が一体に貼合わせた環状のステータ24が配置され、更に、ロータガイド部22e内に環状で内周に軸方向に延びる複数のスプライン溝25aが形成されたロータ25がステータ24の振動子本環に加圧接触した状態で配置されている。このステータ24の圧電素子に高周波電圧を印加して圧電素子を励振させると、振動子本環に屈曲運動が生じ、そのロータ25と接触する端面に横波と縦波の合成された屈曲進行波が形成され、その端面に加圧接触したロータ25が比較的低速高トルクで回転駆動される。
【0043】
更に、駆動部20には、中央部に出力軸2が貫通する貫通孔26aが開口し外周に突出形成されたスプライン歯がロータ25のスプライン溝25aにスプライン嵌合して軸方向に移動自在でロータ25との相対回転が規制された円板状のプレッシャプレート26が配置されている。更に、このプレッシャプレート26にドラム部13のスプライン溝13aに外周がスプライン嵌合する環状の押圧部材28が、ベアリング29を介在して設けられている。
【0044】
相対向するモータケース22とプレッシャプレート26に、超音波モータ21の回転トルクを受けて作動するカム機構30が形成されている。カム機構30は、対向するプレッシャプレート26及びモータケース22の側面26cと22cに対向して形成されたカム面となるボール溝31、32と、これらボール溝31と32の間に転動可能に嵌合する転動子となるボール33によって形成される。ボール溝31は、回転中心軸線aを中心とする円周方向に延在する円弧状で、図2に断面図を示すようにロータ25の一回転方向である正回転方向に移行するに従って側面26cから漸次深くなる傾斜範囲31aと、この傾斜範囲31aの最深側端部に連続して形成されたボール33の移動を規制する移動規制部31bを有している。一方、ボール溝32は、ロータ25の逆回転方向に移行するに従って側面22cから漸次深くなる傾斜範囲32aと、この傾斜範囲32aの最深側端部に連続して形成されたボール33の移動を規制する移動規制部32bを有している。
【0045】
次に、このように構成された動力伝達装置の作動について説明する。
【0046】
図1は、入力軸1と出力軸2との間に架設された動力伝達部3の多板クラッチ部10が締結解除された状態を示し、クラッチドラム11とクラッチハブ15との間に交互に配置された複数のドライブプレート18とドリブンプレート19の圧接が解除された状態で、回転する入力軸1の出力トルクが出力軸2に動力伝達されることはない。
【0047】
この多板クラッチ部10の締結が解除された状態におけるカム機構30は、図2に示すようにボール33がプレッシャプレート26の側面26cに形成されたボール溝31の最深部とモータケース22の側面22cに形成されたボール溝32の最深部の間に嵌合して移動規制部31bと32bに挟持された締結解除位置に保持されている。ここで、超音波モータ21は、ロータ25がステータ24に加圧接触された状態で配置されて、ロータ25とステータ24が強く密着することから、電源を切った状態でもロータ25の保持力が維持されてロータ25の回転が有効的に阻止され、ロータ25にスプライン嵌合されたプレッシャプレート26が回転することなく締結解除位置に保持される。
【0048】
一方、多板クラッチ部10の締結が解除された状態から、超音波モータ21のステータ24に高周波電圧を印加してロータ25を正回転すると、この回転トルクによってロータ25にスプライン嵌合したプレッシャプレート26が図3に示すようにロータ25と同回転方向の締結方向Fに僅かに回転する。このためモータケース22に形成したボール溝31の傾斜範囲31aと、プレッシャプレート26に形成されたボール溝32の傾斜範囲32aと、ボール33によって形成されるカム機構30によってプレッシャプレート26にスラスト力Pが付与され、スラスト力Pによってプレッシャプレート26が多板クラッチ部10側に移動する。この移動するプレッシャプレート26によってベアリング29を介して押圧部材28が多板クラッチ部10のドライブプレート18とドリブンプレート19を押圧し、ストッパ17と協働してドライブプレート18とドリブンプレート19を圧接させて摩擦係合し、多板クラッチ部10が締結する。多板クラッチ部10の締結によって入力軸1と出力軸2の相対回転が規制されて入力軸1から多板クラッチ部10を介して出力軸2にトルク伝達される。この締結した後に電源を切った状態においてもロータ25とステータ24が強く密着してロータ25の保持力が維持され、ロータ25にスプライン嵌合保持されたプレッシャ26の回転が阻止されて締結状態が保持される。
【0049】
また、多板クラッチ部10が締結した状態から、超音波モータ21のステータ24に高周波電圧を印加してロータ25を逆回転すること、この回転トルクによりロータ25にスプライン嵌合したプレッシャプレート26が図3に示す締結位置からロータ25の逆回転方向と同方向の締結解除方向Rに僅かに回転する。このためカム機構30のボール溝31の傾斜範囲31a、ボール溝32の傾斜範囲32a及びボール33によってプレッシャプレート26が多板クラッチ部10から離れる側に移動し、プレッシャプレート26にベアリング29を介して支持された押圧部材28による多板クラッチ部10のドライブプレート18とドリブンプレート19の摩擦係合が解除されて多板クラッチ部10の締結が解除される。しかる後、図2に示すようにボール33がボール溝31の最深部とボール溝32の最深部の間に位置して移動規制部31bと32bに挟持した締結解除位置に達したときに電源を切る。ここで、電源を切った状態でもロータ25の保持力が維持されロータ25の回転が有効的に規制され、ロータ25にスプライン嵌合保持されたプレッシャ26の回転が阻止されてこの締結解除位置に保持される。
【0050】
また、超音波モータ21のステータ24の回転量を種々可変制御することによって、カム機構30によるプレッシャプレート26の移動量を可変制御して多板クラッチ部10のドライブプレート18とドリブンプレート19の圧接力、即ち摩擦力が制御でき、入力軸1と出力軸2の相対回転を制御して入力軸1から出力軸2への伝達トルクを制御することができる。
【0051】
従って、このように構成された本実施の形態による動力伝達装置によると、多板クラッチ部10の作動を制御する駆動部20が、比較的小型でかつロータ25が低速高トルクで回転する超音波モータ21を使用することにより、ギヤ列等の減速機構を用いることなく直接的にモータケース22の側面22c及びロータ25にスプライン嵌合するプレッシャプレート26の側面26cに形成されたボール溝31と32の間に嵌合するボール33による簡単な構成でカム機構30が形成でき、動力伝達装置3の構成の簡素化が得られると共にコンパクト化及び軽量化が得られ、駆動部20を含む動力伝達装置3をトランスミッションケース内に容易に配設することが可能になり、トランスミッション装置の構成が簡素化されると共にコンパクト化が得られ、その車両搭載性が向上し、かつ燃費の向上が期待できる。
【0052】
また、駆動部20のコンパクト化に伴い、多板クラッチ部10の載置スペースの確保が容易になり、多板クラッチ部10のドライブプレート18及びドリブンプレート19を増加することが可能になり、多板クラッチ部10による伝達トルクを増大することができる。また、電源を切った状態においてもロータ25の保持力が維持されることから、電源を切った状態で多板クラッチ部10の締結及び締結解除状態が保持でき、制御の簡素化及び搭載バッテリ等への負担を軽減することができる。
【0053】
なお、カム機構30は、プレッシャプレート26の及びモータケース22に形成されるボール溝31、32に代えて側面26c、22cに傾斜する平面状のカム面を形成し、かつボール33に代えてローラを用いることもできる。
【0054】
(第2実施の形態)
本発明による動力伝達装置の第2実施の形態を図4乃至図6を参照して説明する。なお、図4乃至図6において上記図1乃至図3と対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明は省略する。
【0055】
図4は本実施の形態による動力伝達装置を模式的に示す要部断面図である。動力伝達装置3の多板クラッチ部10は第1実施の形態と同様であり、多板クラッチ10を作動させる駆動部40を主に説明する。
【0056】
駆動部40は、超音波モータ41を備え、超音波モータ41はトランスミッションケースに固設されたモータケース42、モータケース42に支持された環状のステータ44及び環状のロータ45を有している。
【0057】
モータケース42は、外周42aがトランスミッションケースに回転が阻止されて設けられ、かつ中央部に出力軸2が貫通する貫通孔42bが穿設されたほぼ円板状であって、その多板クラッチ部10側の側面42cに貫通孔42bに沿って回転中心軸線aを中心とする環状のステータ収容部42dが凹設されている。更に、ステータ収容部42dの外周に沿って突出して先端縁が回転中心軸線a側に折曲形成された断面L字状で連続する円筒状のロータガイド部42eが形成され、ロータガイド部42eの先端内周に軸方向に延びる複数のスプライン溝42fが形成されている。
【0058】
ステータ収容部42d内に環状のステータ44が配置されている。更に、内周部45aがベアリング43を介して出力軸2に回転自在に支持されたロータ45の外周部45bが、ロータガイド部42e内にステータ44に加圧接触された状態で配置されている。
【0059】
中央部に出力軸2が貫通する貫通孔46aが開口し、外周に突出形成されたスプライン歯がモータケース42のスプライン溝42fが軸方向移動可能にスプライン嵌合するプレッシャプレート46が、モータケース42に対する相対回転が規制されて配設されている。
【0060】
相対向するロータ45及びプレッシャプレート46の間に、超音波モータ41の回転トルクを受けて作動するカム機構47が形成されている。カム機構47は、対向するロータ45の側面45cとプレッシャプレート46の側面46cに、互いに対向して形成されたカム面となるボール溝48、49と、これらボール溝48と49の間に転動可能に嵌合配置されたボール33によって形成される。
【0061】
ボール溝49は、回転中心軸線aを中心とする円周方向に延在する円弧状で図5に断面図を示すように、ロータ45の一回転方向である正回転方向に移行するに従って側面46cから漸次深くなる傾斜範囲49aと傾斜範囲49aの最深側端部に連続してボール33の移動を規制する移動規制部49bを有している。一方、ボール溝48は、ロータ45の逆回転方向に移行するに従って側面45cから漸次深くなる傾斜範囲48aと傾斜範囲48aの最深側端部に連続して形成されてボール33の移動を規制する移動規制部48bを有している。
【0062】
次に、このように構成された動力伝達装置の作動について説明する。
【0063】
図4は、動力伝達装置3の多板クラッチ部10が締結解除された状態を示し、入力軸1の回転トルクが出力軸2に伝達されることはない。
【0064】
この解除状態では、カム機構47は、図5に示すようにボール33がボール溝48の最深部とボール溝49の最深部の間で嵌合し、かつ移動規制部48bと49bに挟持された締結解除位置に保持されている。
【0065】
この締結が解除された状態から、超音波モータ41のロータ45を正回転すると、この回転トルクで締結方向Fに回転するロータ45によって、図6に示すようにカム機構47のボール溝48の傾斜範囲48a、ボール溝49の傾斜範囲49a及びボール33によってプレッシャプレート46にスラスト力Pが付与され、プレッシャプレート46が多板クラッチ部10側に移動する。プレッシャプレート46の移動によりベアリング29を介して押圧部材28がドライブプレート18とドリブンプレート19を圧接させて多板クラッチ部10を締結する。
【0066】
また、多板クラッチ部10が締結された状態から、超音波モータ41のロータ45を締結解除方向Rとなる逆回転すると、この回転トルクによりロータ45に形成されたボール溝48の傾斜範囲48a、プレッシャプレート46に形成されたボール溝49の傾斜範囲49aとボール33によってプレッシャプレート46が多板クラッチ部10から離れる側に移動し、プレッシャプレート46に支持された押圧部材28による多板クラッチ部10のドライブプレート18とドリブンプレート19の圧接が解除されて多板クラッチ部10の締結が解除される。
【0067】
また、超音波モータ41のロータ45の回転量を種々可変制御することによって、カム機構47によるプレッシャプレート46の移動量を可変制御して多板クラッチ部10のドライブプレート18とドリブンプレート19の圧接力、即ち摩擦力が制御でき、入力軸1と出力軸2の相対回転を制御して入力軸1から出力軸2への伝達トルクを制御することができる。
【0068】
従って、このように構成された本実施の形態による動力伝達装置によると、多板クラッチ部10の作動を制御する駆動部40が、比較的小型でかつロータ45が低速高トルクで回転する超音波モータ41を使用することにより、ギヤ列等の減速機構を用いることなく直接的にロータ45の側面45c及びプレッシャプレート46の側面46cに形成されたボール溝48と49の間に嵌合するボール33による簡単な構成でカム機構40が形成でき、動力伝達装置3の構成の簡素化が得られると共にコンパクト化及び軽量化が得られ、駆動部40を含む動力伝達装置3をトランスミッションケース内に容易に配設することが可能になり、トランスミッション装置の構成が簡素化されると共にコンパクト化が得られ、その車両搭載性が向上し、かつ燃費の向上が期待できる。
【0069】
また、駆動部40のコンパクト化に伴い、多板クラッチ部10の設置スペースの確保が容易になり、多板クラッチ部10のドライブプレート18及びドリブンプレート19を増加することが可能になり、多板クラッチ部10による伝達トルクを増大することができる。
【0070】
なお、上記実施の形態では、カム機構47は、プレッシャプレート46及びロータ45に形成されるボール溝48、49に代えて側面46c、45cに傾斜する平面状のカム面を形成し、かつボール33に代えてローラを用いることもできる。
【0071】
(第3実施の形態)
本発明によるセンターディファレンシャル装置の実施の形態を図7乃至図10を参照して説明する。
【0072】
図7は、プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置の断面図であり、図8は図7のA部拡大図である。
【0073】
付号51は変速機からトルク伝達される第1軸となる入力軸であり、入力軸51と、プロペラ軸を介してリヤディファレンシャル装置に動力伝達する第2軸となるリヤドライブ軸52がブッシュ53a及びスラストベアリング53bを介して同軸上で回転自在に嵌合し、回転中心軸線a上にリヤドライブ軸52がボールベアリング54を介してトランスミッションケース50に回転自在に支持されている。リダクションギヤ55がブッシュ56を介して入力軸51に回転自在に嵌合し、これらリダクションギヤ55と入力軸51がボールベアリング57を介してトランスミッションケース50に支持されている。これら入力軸51と、出力軸52と、リダクションギヤ55との間に差動機構60及び差動制限機構70が同軸上に配設されている。なお、リダクションギヤ55はフロントディファレンシャル装置に動力伝達する第3軸となるフロントドライブ軸58に設けられたリダクションギヤ59に噛み合っている。
【0074】
差動機構60は、入力軸51に大径の第1サンギヤ61が形成され、リヤドライブ軸52に小径の第2サンギヤ62が形成され、この第1サンギヤ61に小径の第1ピニオン63aが噛み合い、第2サンギヤ62に大径の第2ピニオン63bが噛み合い、これら第1ピニオン63aと第2ピニオン63bが単一のピニオン部材63に形成されている。
【0075】
キャリヤ64の一方の支持プレート65がリヤドライブ軸52にボールベアリング68を介して取り付けられ、他方の支持プレート66がリダクションギヤ55に一体結合されると共に、支持プレート65と66との間にピニオン軸67が架設され、このピニオン軸67にニードルベアリング69を介してピニオン部材63が軸支されている。また、第1サンギヤ61と第1ピニオン63a及び第2サンギヤ62と第2ピニオン63bの噛み合い点に作用する分離荷重と接線荷重との合成力を第1ピニオン63a、第2ピニオン63b及びピニオン部材63の軸受部となるニードルベアリング69に作用させて摩擦力が生じるように設定されている。
【0076】
かかるリングギヤのない複合プラネタリギヤを用いた差動機構60は、第1サンギヤ61、第2サンギヤ62の歯数を適切に設定することで差動機能を有し、かつ第1サンギヤ61と第1ピニオン63a、第2サンギヤ62と第2ピニオン63bの各噛み合い半径を適切に設定することで、第2サンギヤ62からリヤドライブ軸52と、フロントドライブ軸58への動力伝達部材となるキャリヤ64からフロントドライブ軸58への基準トルク配分をリヤドライブ軸52側に偏重した不等トルク配分とすることができる。
【0077】
差動制限機構70は、差動機構60のキャリヤ64とリヤドライブ52の間に架設された摩擦係合部となる多板クラッチ部71と駆動部80によって構成されている。
【0078】
多板クラッチ部71は、差動機構60のキャリヤ64の一方の支持プレート65に結合する円筒状のクラッチドラム72及び基端がベアリング54と68の間においてリヤドライブ軸52にスプライン嵌合するクラッチハブ73を有している。クラッチドラム72の内周には軸方向に延びる複数のスプライン溝72aが形成され、スプライン溝72aに一方の摩擦係合プレートである複数のドライブプレート75の外周に形成されたスプライン歯が軸方向に移動可能にスプライン嵌合している。クラッチハブ73の外周に軸方向に延びる複数のスプライン溝73aが形成され、スプライン溝73aにドライブプレート75と交互に配置されて他方の摩擦係合プレートである複数のドリブンプレート76の内周に形成されたスプライン歯が軸方向に移動可能にスプライン嵌合している。
【0079】
駆動部80は、超音波モータ81を備え、超音波モータ81はトランスミッションケース50に固設されたモータケース82、モータケース82に支持された環状のステータ84及び環状のロータ85を有している。
【0080】
モータケース82は、外周82aがトランスミッションケース50に回転が阻止されて設けられ中央部に貫通孔82bが穿設されたほぼ円板状であって、その側面82cに回転中心軸線aを中心とする環状のステータ収容部82dが凹設されている。更に、ステータ収容部82dの外周に沿って多板クラッチ部70側に突出して先端縁が回転中心軸線a側に折曲形成された断面L字状で連続する円筒状のロータガイド部82eが一体形成されている。
【0081】
ステータ収容部82d内に、環状のステータ84が配置され、ロータガイド部82e内に環状で内周に軸方向に延びる複数のスプライン溝85aが形成されたロータ85がステータ84に加圧接触された状態で配置されている。このステータ84に高周波電圧を印加して圧電素子を励振させると、ステータ84に屈曲運動が生じ、その端面に加圧接触したロータ85が比較的低速高トルクで回転駆動する。
【0082】
更に、駆動部80には、中央部に貫通孔86aが開口し外周に突出形成されたスプライン歯がロータ85のスプライン溝85aに軸方向移動自在にスプライン嵌合してロータ85との相対回転が規制された円板状のプレッシャプレート86が配置されている。更に、このプレッシャプレート86に、ベアリング89を介在してクラッチドラム72のスプライン溝72aに外周がスプライン嵌合する環状の押圧部材88が設けられている。
【0083】
相対向するモータケース82とプレッシャプレート86の間に、超音波モータ81の回転トルクを受けて作動するカム機構90が形成されている。
【0084】
カム機構90は、プレッシャプレート86及びモータケース82の側面86cと82cに対向して形成されたカム面となるボール溝91、92と、これらボール溝91と92の間に嵌合する転動子となるボール93によって形成される。
【0085】
プレッシャプレート86に形成されるボール溝91は、回転中心軸線aを中心とする円周方向に延在する円弧状で、図9に断面図を示すようにロータ85の一回転方向である正回転方向に移行するに従って側面86cから漸次深くなる傾斜範囲91aと、この傾斜範囲91aの最深側端部に連続してボール93の移動を規制する移動規制部91bを有している。一方、モータケース82に形成されるボール溝92は、ロータ85の逆回転方向に移行するに従って側面82cから漸次深くなる傾斜範囲92aと、この傾斜範囲92aの最深側端部に連続してボール93の移動を規制する移動規制部91bを有している。
【0086】
次に、このように構成されたセンターディファレンシャル装置の作動について説明する。
【0087】
図7及び図8は、差動制限機構70の多板クラッチ部71が締結解除された状態を示し、クラッチドラム72とクラッチハブ73との間に交互に配置された複数のドライブプレート75及びドリブンプレート76の摩擦係合プレートは圧接が解除された状態でかつ、カム機構90は、図9に示すようにボール93がボール溝91の最深部とボール溝92の最深部の間で嵌合して移動規制部91bと92bに挟持した締結解除位置に保持されている。
【0088】
この状態において、変速機から入力軸51に伝動された変速動力は、差動機構60の第1サンギヤ61に入力され、第1ピニオン63aを介してピニオン部材63に伝動される。ここで差動機構60は各歯車諸元により前後輪へのトルクを配分し、キャリヤ64からリダクションギヤ55、59等を介してフロントドライブ軸58に伝達され、フロントディファレンシャル装置から前輪に伝動される。また、第2サンギヤ62からリヤドライブ軸52、プロペラシャフト、リヤディファレンシャル装置を介して後輪に伝動される。
【0089】
前後輪に差回転が発生すると、第1サンギヤ61と第1ピニオン63a及び第2サンギヤ62と第2ピニオン63bの噛み合い点に作用する分離荷重と接線荷重との合成力を第1ピニオン63a、第2ピニオン63b及びピニオン部材63の軸受部となるニードルベアリング69に作用して摩擦力が発生し、この摩擦力によって差動制限トルクを発生させて走破性及び走行安定性を図る。
【0090】
更に、前後輪の差回転が予め設定された閾値に達したときには、その検知に従って、超音波モータ81のステータ84に印加してロータ85を正回転し、その回転トルクによってロータ85にスプライン嵌合したプレッシャプレート86を図9から図10に示すようにロータ85の回転と同方向の締結方向Fに僅かに回転する。このプレッシャプレート86の回転により、ボール溝91の傾斜範囲91aと、ボール溝92の傾斜範囲92aと、ボール93によって形成されるカム機構90によってプレッシャプレート86にスラスト力Pが付与され、プレッシャプレート86が多板クラッチ部71側に移動する。この移動するプレッシャプレート86によってベアリング89を介して押圧部材88が押動して多板クラッチ部71のドライブプレート75とドリブンプレート76の摩擦係合プレートを圧接させてクラッチドラム72とクラッチハブ73の差動を制限して多板クラッチ部71を締結し、この締結後に電源を切る。多板クラッチ部71の締結によってキャリヤ64とリヤドライブ軸52の差動回転が制限されてリヤドライブ軸51及びフロントドライブ軸58が直結状態となり、入力軸51からの動力は前後輪に車体荷重配分に応じてトルク配分され、走破性及び走行安定性が確保できる。即ち差動制限機構70が差動制限クラッチ(LSDクラッチ)として機能する。
【0091】
一方、多板クラッチ部71が締結された状態から、超音波モータ81のステータ84に高周波電圧を印加してロータ85を逆回転すること、この回転トルクによってロータ85にスプライン嵌合したプレッシャプレート86が図10に示す締結位置から図9に示す締結解除方向Rに向かって回転する。このためカム機構90のプレッシャプレート86に形成されたボール溝91の傾斜範囲91a、モータケース82に形成されたボール溝92の傾斜範囲92a及びボール93によってプレッシャプレート96が多板クラッチ部71から離れる方向に移動し、プレッシャプレート86にベアリング89を介して支持された押圧部材88による多板クラッチ部71のドライブプレート75とドリブンプレート76の圧接が解除されて多板クラッチ部71の締結が解除される。図9に示すようにボール93がボール溝91の最深部とボール溝92の最深部の間に位置して移動規制部91bと92bに挟持した締結解除位置に達したときに電源を切る。ここで、電源を切った状態でもロータ85の保持力が維持され、ロータ85にスプライン嵌合保持されたプレッシャ86の回転が阻止されてこの締結解除位置に保持される。
【0092】
また、前後輪の差回転に応じて超音波モータ81のステータ84の回転量を種々可変制御することによって、カム機構90によるプレッシャプレート86の移動量に応じた多板クラッチ部71のドライブプレート75とドリブンプレート76の圧接力が制御でき、走行状態に応じた差動制限トルクを確保してより走行状態に応じた前後輪へのトルク配分が可能になり、走破性、走行安定性、操縦性を更に向上させることもできる。
【0093】
従って、このように構成された本実施の形態によると、多板クラッチ部71の作動を制御する駆動部80が、比較的小型でかつロータ85が低速高トルクで回転する超音波モータ81を使用することにより、ギヤ列等の減速機構を用いることなく直接的にモータケース82の側面82cとロータ85にスプライン嵌合するプレッシャプレート86の側面86cに形成されたボール溝91および92と、ボール溝91と92の間に嵌合配置されたボール93とによる簡単な構成でカム機構90を形成することができる。よって、駆動部80の構成の簡素化が得られると共に小型化及び軽量化が得られ、駆動部80をトランスミッションケース50内に容易に配設することが可能になり、トランスミッション装置の構成の簡素化及びコンパクト化が得られ、トランスミッション装置の車両搭載性が向上すると共に燃費の向上が期待できる。
【0094】
また、駆動部80のコンパクト化に伴い、多板クラッチ部72の搭載スペースの確保が容易になり、多板クラッチ部71のドライブプレート75及びドリブンプレート76のクラッチプレートを増加することが可能になり、多板クラッチ部71による差動制限トルクを増大することができる。
【0095】
なお、上記実施の形態では、カム機構90は、プレッシャプレート86の及びモータケース82に形成されるボール溝91、92に代えて側面96c、92cに傾斜する平面状のカム面を形成し、かつボール93に代えてローラを用いることもできる。
【0096】
【発明の効果】
本発明の動力伝達装置によると、比較的小型で低速高トルクで回転する超音波モータの回転トルクを受けて作動するカム機構によるスラスト力で摩擦係合部の作動を制御することによって、ギヤ列等の減速機構を用いることなく直接的に摩擦係合部の作動制御ができ、動力伝達装置の構成の簡素化が得られると共に小型軽量化が得られる。
【0097】
また、本発明によるセンターディファレンシャル装置によると、比較的小型で低速高トルクで回転する超音波モータの回転トルクを受けて作動するカム機構によるスラスト力で差動機構の差動を制御することによって、ギヤ列等の減速機構を用いることなく直接的に差動機構の差動制御ができ、差動制限機構の構成の簡素化が得られると共にコンパクト化及び軽量化が得られる。この差動制限装置のコンパクト化によりトランスミッションケース内に配置することが容易になり、トランスミッションの構成の簡素化及びコンパクト化が可能になり、トランスミッションの車両搭載性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1実施の形態の動力伝達装置を模式的に示す要部断面図である。
【図2】同じく、カム機構の作動を説明する断面図である。
【図3】同じく、カム機構の作動を説明する断面図である。
【図4】本発明における第2実施の形態の動力伝達装置を模式的に示す要部断面図である。
【図5】同じく、カム機構の作動を説明する断面図である。
【図6】同じく、カム機構の作動を説明する断面図である。
【図7】本発明における第3実施の形態のセンターディファレンシャル装置を示す断面図である。
【図8】図7のA部拡大図である。
【図9】同じく、カム機構の作動を説明する断面図である。
【図10】同じく、カム機構の作動を説明する断面図である。
【図11】従来の動力伝達装置の概略を示す断面図である。
【図12】同じく、作動状態を示す説明図である。
【図13】従来の動力伝達装置の概略を示す断面図である。
【図14】同じく、作動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 入力軸(第1軸)
2 出力軸(第2軸)
3 動力伝達装置
10 多板クラッチ部(摩擦係合部)
11 クラッチドラム
13a スプライン溝
15 クラッチハブ
18 ドライブプレート(摩擦係合プレート)
19 ドリブンプレート(摩擦係合プレート)
20 駆動部
21 超音波モータ
22 モータケース
22c 側面
24 ステータ
25 ロータ
26 プレッシャプレート
26c 側面
30 カム機構
31 ボール溝
32 ボール溝
33 ボール
40 駆動部
41 超音波モータ
42 モータケース
42c 側面
44 ステータ
45 ロータ
46 プレッシャプレート
46c 側面
47 カム機構
48 ボール溝
49 ボール溝
50 トランスミッションケース
51 入力軸(第1軸)
52 リヤドライブ軸(第2軸)
58 フロントドライブ軸(第3軸)
60 差動機構
61 第1サンギヤ
62 第2サンギヤ
63 ピニオン部材
63a 第1ピニオン
63b 第2ピニオン
64 キャリヤ
65 支持プレート
66 支持プレート
67 ピニオン軸
70 差動制限機構
71 多板クラッチ部(摩擦係合部)
72 クラッチドラム
72a スプライン溝
73 クラッチハブ
75 ドライブプレート(摩擦係合プレート)
76 ドリブンプレート(摩擦係合プレート))
80 駆動部
81 超音波モータ
82 モータケース
82c 側面
84 ステータ
85 ロータ
86 プレッシャプレート
90 カム機構
91 ボール溝
92 ボール溝
93 ボール

Claims (9)

  1. 同軸上に配置された第1軸と第2軸とのトルク伝達を制御する動力伝達装置において、
    上記第1軸と第2軸の間に架設配置された摩擦係合部と、
    上記第1軸及び第2軸と同軸上に配置された超音波モータの回転トルクを受けて作動するカム機構によるスラスト力で上記摩擦係合部を制御する駆動部とを備えたことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 同軸上に配置された第1軸と第2軸とのトルク伝達を制御する動力伝達装置において、
    上記第1軸に設けられたクラッチドラムの内周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートと上記第2軸に設けられたクラッチハブの外周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートとが交互に配置された摩擦係合部と、
    上記第1軸及び第2軸と同軸上に配置された超音波モータと、
    軸方向移動可能でかつ相対回転が規制されて上記超音波モータのロータに支持されたプレッシャプレートと、
    上記超音波モータの回転トルクを受けて回転する上記プレッシャプレートと上記超音波モータのモータケースとの相対回転で上記プレッシャプレートに軸方向のスラスト力を付与するカム機構とを備え、
    上記プレッシャプレートのスラスト力によって上記交互に配置された摩擦係合プレート間を圧接させて上記摩擦係合部を制御することを特徴とする動力伝達装置。
  3. 上記プレッシャプレート及びモータケースは、互いに対向する側面を有し、
    上記カム機構は、
    上記プレッシャプレートの側面に形成されプレッシャプレートの一回転方向に移行するに従って漸次深くなるボール溝と、
    該ボール溝と対向して上記モータケースの側面に形成され上記プレッシャプレートの一回転方向に移行するに従って漸次浅くなるボール溝と、
    上記プレッシャプレートに形成されたボール溝とモータケースに形成されたボール溝との間に嵌合配置されたボールとを備えたことを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 同軸上に配置された第1軸と第2軸とのトルク伝達を制御する動力伝達装置において、
    上記第1軸に設けられたクラッチドラムの内周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートと上記第2軸に設けられたクラッチハブの外周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートとが交互に配置された摩擦係合部と、
    上記第1軸及び第2軸と同軸上に配置された超音波モータと、
    軸方向移動可能でかつ相対回転が規制されて上記超音波モータのモータケースに支持されたプレッシャプレートと、
    上記超音波モータのロータと上記プレッシャプレートの相対回転による回転トルクを受けて上記プレッシャプレートに上記軸方向のスラスト力を付与するカム機構とを備え、
    上記プレッシャプレートのスラスト力によって上記交互に配置された摩擦係合プレート間を圧接させて上記摩擦係合部を制御することを特徴とする動力伝達装置。
  5. 上記プレッシャプレート及びロータは、互いに対向する側面を有し、
    上記カム機構は、
    上記プレッシャプレートの側面に形成されロータの一回転方向に移行するに従って漸次深くなるボール溝と、
    該ボール溝と対向して上記ロータの側面に形成され該ロータの一回転方向に移行するに従って漸次浅くなるボール溝と、
    上記プレッシャプレートに形成されたボール溝とロータに形成されたボール溝との間に嵌合配置されたボールとを備えたことを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。
  6. 第1軸によって変速機から入力された変速出力を第2軸及び第3軸にトルク配分する差動機構及び差動制限機構を備えたセンターディファレンシャル装置において、
    上記差動制限機構は、
    上記作動機構によってトルク分配された動力を上記第3軸に伝達する部材と上記第2軸との間に架設配置された摩擦係合部と、
    上記第2軸と同軸上に配置された超音波モータの回転トルクを受けて作動するカム機構によるスラスト力で上記摩擦係合部を制御する駆動部とを備えたことを特徴とするセンターディファレンシャル装置。
  7. 変速機からの変速出力が入力される第1軸と第2軸が同軸上に配置され、上記第1軸に設けられた第1サンギヤと、上記第2軸に設けられた第2サンギヤと、該第1サンギヤ及び第2サンギヤに各噛合するピニオン部材の第1ピニオン及び第2ピニオンと、第3軸への出力側となるキャリヤと、該キャリヤに取付支持されて上記ピニオン部材を軸支するピニオン軸とを備えたプラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル装置において、
    上記キャリヤと第2軸との間に架設配置された摩擦係合部と、
    上記第2軸と同軸上に配置された超音波モータの回転トルクを受けて作動するカム機構によるスラスト力で上記摩擦係合部を制御する駆動部とを備えたことを特徴とするセンターディファレンシャル装置。
  8. 変速機からの変速出力が入力される第1軸と第2軸が同軸上に配置され、上記第1軸に設けられた第1サンギヤと、上記第2軸に設けられた第2サンギヤと、該第1サンギヤ及び第2サンギヤに各噛合するピニオン部材の第1ピニオン及び第2ピニオンと、第3軸への出力側となるキャリヤと、該キャリヤに取付支持されて上記ピニオン部材を軸支するピニオン軸とを備えたプラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル装置において、
    上記キャリヤに設けられたクラッチドラムの内周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートと上記第2軸に設けられたクラッチハブの外周に形成されたスプライン溝にスプライン嵌合する摩擦係合プレートとが交互に配置された摩擦係合部と、
    上記第2軸と同軸上に配置された超音波モータと、
    軸方向移動可能でかつ相対回転が規制されて上記超音波モータのロータに支持されるプレッシャプレートと、
    上記超音波モータの回転トルクを受けて回転する上記プレッシャプレートと上記超音波モータのモータケースとの相対回転で上記プレッシャプレートに上記軸方向のスラスト力を付与するカム機構とを備え、
    上記プレッシャプレートのスラスト力によって上記交互に配置された摩擦係合プレート間を圧接させて上記摩擦係合部を制御することを特徴とするセンターディファレンシャル装置。
  9. 上記プレッシャプレート及びモータケースは、互いに対向する側面を有し、
    上記カム機構は、
    上記プレッシャプレートの側面に形成されプレッシャプレートの一回転方向に移行するに従って漸次深くなるボール溝と、
    該ボール溝と対向して上記モータケースの側面に形成され上記プレッシャプレートの一回転方向に移行するに従って漸次浅くなるボール溝と、
    上記プレッシャプレートに形成されたボール溝とモータケースに形成されたボール溝との間に嵌合配置されたボールとを備えたことを特徴とする請求項8に記載のセンターディファレンシャル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105235504A (zh) * 2015-10-13 2016-01-13 柳超 一种基于飞轮储能的汽车启动节能系统
WO2019019755A1 (zh) * 2017-07-25 2019-01-31 顺德职业技术学院 全新超声波螺纹副
EP3686452A4 (en) * 2017-09-20 2021-05-12 NTN Corporation CLUTCH UNIT

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