JP2004125050A - 変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】変速機の軸受に加えられるアキシャル荷重を軽減することにより、変速機の動力伝達効率を向上させ、変速機の小型化や低コスト化を図る。
【解決手段】駆動輪に連結される終減速大歯車48に噛み合う終減速小歯車49が固定された前輪駆動軸16を有し、前輪出力軸26に固定された駆動はすば歯車27に噛み合って前輪駆動軸16に装着され、終減速小歯車49からのアキシャル荷重に対して逆方向のアキシャル荷重を発生させる従動はすば歯車28を有する。前輪駆動軸16と従動はすば歯車28との間には、逆方向のアキシャル荷重を前輪駆動軸16に伝達する荷重伝達部材47を設け、従動はすば歯車28を逆方向のアキシャル荷重を受け止めることのない軸受によって支持する。これにより、終減速小歯車49から発生するアキシャル荷重を、従動はすば歯車28から発生する逆方向のアキシャル荷重により打ち消すことができる。
【選択図】 図2
【解決手段】駆動輪に連結される終減速大歯車48に噛み合う終減速小歯車49が固定された前輪駆動軸16を有し、前輪出力軸26に固定された駆動はすば歯車27に噛み合って前輪駆動軸16に装着され、終減速小歯車49からのアキシャル荷重に対して逆方向のアキシャル荷重を発生させる従動はすば歯車28を有する。前輪駆動軸16と従動はすば歯車28との間には、逆方向のアキシャル荷重を前輪駆動軸16に伝達する荷重伝達部材47を設け、従動はすば歯車28を逆方向のアキシャル荷重を受け止めることのない軸受によって支持する。これにより、終減速小歯車49から発生するアキシャル荷重を、従動はすば歯車28から発生する逆方向のアキシャル荷重により打ち消すことができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンの駆動力を走行条件に必要な駆動力に変換して駆動輪に伝達する変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの駆動力を駆動輪に伝達する動力伝達系には変速機が設けられており、この変速機を介してエンジンの駆動力は走行条件に応じた駆動力に変換される。このような変速機としては、運転者が変速操作を行う手動変速機や、自動的に変速操作が行われる自動変速機がある。
【0003】
手動変速機は相互に平行となる回転軸を有しており、一方の回転軸に設けられる駆動歯車と、これに噛み合うように他方の回転軸に設けられる従動歯車とからなる複数の歯車列を有している。これらの歯車列によって複数の変速段が設定され、動力を伝達する歯車列を選択することにより、走行に適した変速段を選択することができる。
【0004】
自動変速機は複数の変速比を形成する歯車列と、この歯車列のうち動力伝達を行う歯車列の切り換えを行う切換機構とを有しており、歯車列の形態によって、1軸上での変速を可能とする遊星歯車式と、手動変速機と同様に平行軸上での変速を可能とする平行軸式とがある。また、自動変速機として変速比を無段階に制御する無段変速機がある。この無段変速機にあっては、ベルトまたはチェーンと可変溝幅プーリとにより変速が行われるベルトドライブ式と、2つのディスクとパワーローラとにより変速が行われるトロイダル式とがある。
【0005】
また、4輪駆動車に適用する変速機も開発されている(たとえば、特許文献1参照。)。図5は4輪駆動車に適用される従来の変速機の一部を示す断面図である。エンジン出力はトルクコンバータと遊星歯車式の変速機構とを介して出力軸100に伝達される。出力軸100はセンタデファレンシャル装置101を介して、出力軸100の同軸上に設けられる後輪駆動軸102と、出力軸100に平行に設けられる前輪駆動軸103とに連結されている。出力軸100の駆動力はセンタデファレンシャル装置101を介して前輪と後輪とに分配される。前輪には前輪駆動軸103とフロントデファレンシャル装置104とを介して伝達され、後輪には後輪駆動軸102とリヤデファレンシャル装置とを介して伝達される。
【0006】
前輪駆動軸103の一端にはセンタデファレンシャル装置101側の駆動歯車105に噛み合う従動歯車106が設けられ、前輪駆動軸103の他端にはフロントデファレンシャル装置104の終減速大歯車107に噛み合う終減速小歯車108が設けられている。駆動歯車105と従動歯車106との噛み合いにより、出力軸100とこれに平行となる前輪駆動軸103とは連結され、終減速大歯車107と終減速小歯車108との噛み合いにより前輪駆動軸103と前輪とが連結される。
【0007】
ここで、図5に示すように、前輪駆動軸103の一端に設けられる従動歯車106は片持ち支持されている。この片持ち支持は簡易な構造を有するため変速機を小型化することもできるが、前輪駆動軸103の曲げ剛性が充分に確保されない場合には、前輪駆動軸103の曲げ振動により従動歯車106が傾動するおそれがあり、傾動によって歯車の噛み合い音が発生するという問題がある。また、噛み合い音の発生を防止するため前輪駆動軸103の曲げ剛性を高めることは、前輪駆動軸103の大型化つまり変速機の大型化を招くことになる。
【0008】
そこで、従動歯車の両側を支持するようにした変速機も開発されている。この変速機の従動歯車は両側をラジアル軸受によって支持され、前輪駆動軸の一端と従動歯車とはアキシャル方向に摺動自在となるようにスプライン結合される。これにより、従動歯車の傾動を防ぐとともに、フロントデファレンシャル装置から発生するアキシャル荷重の従動歯車に対する伝達が回避されるため、歯車の噛み合い精度が確保されて噛み合い音の発生が回避される。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−221255号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前輪駆動軸が従動歯車に対してアキシャル方向に摺動自在であるため、終減速大歯車と終減速小歯車との間で発生するアキシャル荷重の大部分を、終減速小歯車に隣接する円すいころ軸受が受けることになる。従って、円すいころ軸受の回転抵抗が増加して動力伝達効率の悪化を招くおそれがあるとともに、荷重容量の大きな円すいころ軸受を用いる必要があった。
【0011】
動力伝達効率の悪化は車両の動力性能を低下させるだけでなく燃費の悪化を招くことになり、荷重容量の大きな軸受を用いることは変速機の大型化や高コスト化を招くことにもなっていた。
【0012】
本発明の目的は、変速機の軸受に加えられるアキシャル荷重を軽減することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、変速機の動力伝達効率を向上させ、変速機の小型化や低コスト化を図ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の変速機は、エンジンの駆動力を走行条件に必要な駆動力に変換して変速出力軸に出力するとともに変換された駆動力を駆動輪に伝達する変速機であって、前記駆動輪に連結される終減速大歯車に噛み合う終減速小歯車が固定された駆動軸と、前記変速出力軸に固定された駆動はすば歯車に噛み合って前記駆動軸に装着され、前記終減速小歯車から前記駆動軸に加えられるアキシャル荷重に対して逆方向のアキシャル荷重を発生させる従動はすば歯車と、前記駆動軸と前記従動はすば歯車との間に設けられ、前記逆方向のアキシャル荷重を前記駆動軸に伝達する荷重伝達部材と、前記従動はすば歯車の前記逆方向のアキシャル荷重を受け止めることなく前記従動はすば歯車を回転自在に支持する軸受とを有することを特徴とする。
【0015】
これにより、終減速小歯車から駆動軸に伝達されるアキシャル荷重を、これに対して逆方向に従動はすば歯車から発生するアキシャル荷重により打ち消すことができ、駆動軸に作用するアキシャル荷重を軽減することができる。このため、駆動軸を支持する軸受に加えられるアキシャル荷重を軽減することができ、軸受の回転抵抗の低減によって変速機の動力伝達効率を向上させ、車両の燃費を向上させることができる。また、軸受の回転抵抗の低減に伴って変速機潤滑油の温度上昇も抑制することができる。
【0016】
また、軸受に対するアキシャル荷重の軽減により、軸受の耐荷重容量を低く設定することができるため、小型の軸受を適用することができる。従って、変速機の重量やコストを低減することができる。
【0017】
本発明の変速機は、前記軸受は前記エンジンによる前記駆動輪の前進走行駆動時には前記従動はすば歯車の前記逆方向のアキシャル荷重を受け止めず、エンジンブレーキ時には前記従動はすば歯車に発生するアキシャル荷重を受け止めつつ前記従動はすば歯車を回転自在に支持することを特徴とする。
【0018】
これにより、大きな駆動力が伝達されるエンジン駆動の前進走行時には、終減速小歯車から駆動軸に伝達されるアキシャル荷重を、従動はすば歯車から発生するアキシャル荷重によって前記駆動輪のエンジン駆動時にのみ打ち消すことができ、エンジンブレーキ時には従動はすば歯車から逆方向に発生するアキシャル荷重を従動はすば歯車を支持する軸受によって受け止めることができる。従って、駆動はすば歯車と従動はすば歯車との噛み合い精度を高く維持することができ、噛み合い音の発生を回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施の形態である変速機として遊星歯車式の自動変速機10を示すスケルトン図である。この自動変速機10はエンジン11に連結される入力軸12と、遊星歯車式の変速機構13を介して入力軸12に連結される出力軸14とを有しており、出力軸14はセンタデファレンシャル装置15を介して駆動軸である前輪駆動軸16と後輪駆動軸17とに連結されている。前輪駆動軸16と後輪駆動軸17とは駆動輪としての図示しない前輪と後輪とにそれぞれ連結される。このようにエンジン11と駆動輪とは動力的に連結されており、エンジン11の駆動力が走行条件に必要な駆動力に変換されて駆動輪に伝達される。入力軸12、出力軸14、前輪駆動軸16および後輪駆動軸17は車両の進行方向を向いてケース18内に組み込まれており、この自動変速機10は縦置きに配置される4輪駆動車に適用される。
【0021】
エンジン11のクランク軸19にはトルクコンバータ20が連結され、トルクコンバータ20のタービン軸21には入力軸12の一端が連結されている。入力軸12の他端には複数の遊星歯車列やクラッチおよびブレーキ等からなる変速機構13が連結されており、この変速機構13はクラッチやブレーキの係合および解放によって動力伝達径路を切り換え、エンジン11からの駆動力を走行に必要な駆動力に変換する。変速機構13には出力軸14の一端が連結されており変換された駆動力は出力軸14に伝達される。
【0022】
出力軸14と出力軸14の同心上に設けられる後輪駆動軸17との間には、前輪と後輪とに駆動力を分配するセンタデファレンシャル装置15が装着されている。このセンタデファレンシャル装置15は複合遊星歯車式であり、出力軸14の他端には第1サンギヤ22が固定され、後輪駆動軸17には第2サンギヤ23が固定される。第1サンギヤ22と第2サンギヤ23との径方向外方には、第1サンギヤ22と第2サンギヤ23とに噛み合う一体型のピニオンギヤ24が複数配置されており、ピニオンギヤ24はキャリア25に回転自在に支持されている。キャリア25の端部には変速出力軸である前輪出力軸26が設けられ、この前輪出力軸26には駆動はすば歯車27が固定されている。この駆動はすば歯車27に噛み合うように従動はすば歯車28が設けられ、駆動力は従動はすば歯車28から前輪駆動軸16を経て前輪を駆動するフロントデファレンシャル装置29に伝達される。
【0023】
このような構成により、変速機構13を経て変換された駆動力が第1サンギヤ22に入力されると、一体型のピニオンギヤ24を介して第2サンギヤ23と一体型のピニオンギヤ24を支持しているキャリア25とに動力が分配され、前輪および後輪を共に駆動することができる。このとき一体型のピニオンギヤ24の回転により前輪と後輪との回転差は差動吸収される。
【0024】
また、後輪駆動軸17には差動制限クラッチハブ30が固定され、キャリア25の端部には差動制限クラッチドラム31が固定されている。差動制限クラッチハブ30と差動制限クラッチドラム31との間には、複数枚の摩擦プレート32が装着され、差動制限クラッチ33が構成されている。これにより前輪または後輪がスリップして大きな差動回転が生じたときは、差動制限クラッチ33が締結されて差動回転が抑制される。
【0025】
なお、図示する変速機は4輪駆動車に適用されるため、駆動はすば歯車27はキャリア25に設けられる前輪出力軸26に固定されているが、前輪駆動車用の変速機であれば、出力軸14が前輪出力軸26として機能するため出力軸14に駆動はすば歯車27が固定される。
【0026】
図2は本発明の一実施の形態である変速機の前輪駆動軸16の近傍を示す断面図である。図2に示すように、駆動はすば歯車27に噛み合って設けられる従動はすば歯車28の中心部には、貫通孔40が形成される中空の軸部41が設けられている。この軸部41の両端にはそれぞれ軸受42,43が装着されており、2つの軸受42,43を介して従動はすば歯車28はケース18に対し回転自在に支持されている。
【0027】
貫通孔40の一端側はスプライン孔44に形成されており、これに結合するスプライン軸45が前輪駆動軸16の一端に形成されている。スプライン孔44とスプライン軸45との間にはスプライン軸45を軸方向に摺動可能とする程度の隙間が設けられる。また、貫通孔40の他端側にはスナップリング46が装着されており、スプライン軸45の端面とスナップリング46との間には略筒状の荷重伝達部材47が挿入されている。荷重伝達部材47はその一端面がスナップリング46に当接するように設置されるとともに、荷重伝達部材47の他端面はスプライン軸45の端面と接触自在となっている。
【0028】
また、前輪駆動軸16の他端にはフロントデファレンシャル装置29の終減速大歯車48に噛み合う終減速小歯車49が固定されており、前輪駆動軸16を介して従動はすば歯車28の駆動力は終減速大歯車48に伝達される。終減速大歯車48はフロントデファレンシャル装置29を構成するデファレンシャルケース50や図示しない差動歯車等を介して、駆動輪としての前輪に駆動力を伝達するアクスル軸51に連結されている。従って、終減速大歯車48に伝達された駆動力は、フロントデファレンシャル装置29により左右の前輪に分配されて伝達される。
【0029】
このような構造により、前輪に駆動力を分配するセンタデファレンシャル装置15からの駆動力は、駆動はすば歯車27、従動はすば歯車28、前輪駆動軸16およびフロントデファレンシャル装置29を経て左右の前輪に伝達されることになる。
【0030】
図3は駆動はすば歯車27からフロントデファレンシャル装置29までの動力伝達部材群を示す斜視図である。以下、図2および図3に基づいてエンジン11による前輪の駆動時における各部材の作動状態を説明する。なお、図2および図3に示す矢印は各歯車の回転方向と、歯車の噛み合いにより発生する荷重の方向とを示している。
【0031】
前輪を前進方向に駆動する時には、エンジン11からの駆動力は変速機構13を介して出力軸14を矢印Aで示す方向に回転させるように伝達される。出力軸14の駆動力はセンタデファレンシャル装置15を介して前輪出力軸26に伝達され、矢印Aと同一の方向に駆動はすば歯車27を回転駆動する。次いで、駆動はすば歯車27に噛み合う従動はすば歯車28を介して前輪駆動軸16は矢印Bで示す方向に回転駆動される。矢印B方向に回転駆動される終減速小歯車49は、終減速大歯車48を矢印Cで示す方向に回転駆動し、前進方向に回転させる駆動力をアクスル軸51を介して前輪に伝達する。
【0032】
図3に示すように、終減速大歯車48と終減速小歯車49とは噛み合ってハイポイド歯車を構成している。ハイポイド歯車とは食い違う軸間において駆動力を伝達する円錐状の歯車であり、前輪駆動軸16やアクスル軸51の配置を比較的自由に設定することができるため、変速機に用いられることが多い歯車である。
【0033】
しかしながら、ハイポイド歯車は噛み合いにより、ハイポイド歯車を支持する回転軸に対して軸方向の荷重、つまりアキシャル荷重を発生させる。エンジン駆動の前進走行の場合には、終減速小歯車49を支持する前輪駆動軸16に対して矢印Dで示す方向にアキシャル荷重が生じることになる。このため、前輪駆動軸16をケース18に対して回転自在に支持する軸受52としては、アキシャル荷重を支持するため複列円すいころ軸受52が用いられている。複列円すいころ軸受52が用いられるのは、前進駆動時だけでなく後退駆動時やエンジンブレーキ時に逆方向のアキシャル荷重が、前輪駆動軸16に加えられるためである。
【0034】
また、駆動および従動はすば歯車27,28には、終減速大歯車48と終減速小歯車49との噛み合いにより前輪駆動軸16に矢印D方向に加えられるアキシャル荷重に対して、逆方向つまり矢印Dに対向する矢印Eに向けてアキシャル荷重を発生させるように歯筋が形成されている。さらに、従動はすば歯車28を回転自在に支持する2つの軸受42,43の外輪42a,43aは、逆方向のアキシャル荷重が加えられる向きにはケース18に対して位置決め固定されておらず、従動はすば歯車28に掛かるラジアル荷重のみを支持するように装着されている。そして、2つの軸受42,43のうち変速機の後方側に装着される軸受43の外輪43aは、軸受43の後方に形成されるケース18に当接するように装着されている。
【0035】
駆動はすば歯車27と従動はすば歯車28との噛み合いにより発生する逆方向のアキシャル荷重は、従動はすば歯車28からスナップリング46を経て荷重伝達部材47に伝達される。このとき、逆方向のアキシャル荷重が発生する向きに2つの軸受42,43は位置決め固定されていないため、この荷重は軸受42,43によって受け止められることはなく、荷重伝達部材47を介して前輪駆動軸16に矢印E方向に伝達される。
【0036】
従って、前輪駆動軸16の矢印D方向に伝達されるアキシャル荷重は、これに対向するように矢印E方向に伝達されるアキシャル荷重によって打ち消され、残ったアキシャル荷重のみが複列円すいころ軸受52に伝達されることになる。つまり複列円すいころ軸受52に加えられるアキシャル荷重を軽減することができる。
【0037】
また、従動はすば歯車28を支持する軸受43の外輪43aは、軸受43の後方に形成されるケース18によって位置決めされるため、エンジンブレーキ時や後退走行時において、軸受43は駆動はすば歯車27と従動はすば歯車28との噛み合いにより発生するアキシャル荷重を受け止めることができる。これにより、駆動はすば歯車27と従動はすば歯車28との噛み合い精度は高く維持され、噛み合い音を軽減することができる。
【0038】
図4は本発明の他の実施の形態である変速機の前輪駆動軸16の近傍を示す断面図である。図4は図2に対して従動はすば歯車28周辺の構造が異なる変速機を示している。なお、図2に示す部材や矢印と同一の部材や矢印については同一の符号を付している。図4に示すように、従動はすば歯車28の中心部には、貫通孔53が形成された中空の軸部54が設けられている。この軸部54の両端にはそれぞれ軸受42,43が装着されており、2つの軸受42,43を介して従動はすば歯車28はケース18に対し回転自在に支持されている。
【0039】
貫通孔53の一端側には前輪駆動軸16のスプライン軸55が結合するスプライン孔44が形成されており、貫通孔53の他端側には貫通孔53が拡大されたフランジ収容孔56が形成されている。貫通孔53の他端側からは、一端にフランジ部57が形成される略筒状の荷重伝達部材58が挿入されている。荷重伝達部材58はフランジ部57がフランジ収容孔56の係止端59に接触する状態まで挿入され、フランジ収容孔56に装着されるスナップリング46によって軸方向に固定される。また、スプライン軸55の端部には雄ねじ部60が形成され、これにねじ結合するように荷重伝達部材47には雌ねじ部61が形成され、従動はすば歯車28と前輪駆動軸16とはスプライン軸55と荷重伝達部材58とを介して軸方向に一体となって連結されている。
【0040】
以下、エンジン11により前輪を前進方向に駆動する時のアキシャル荷重伝達状況について説明する。図2の変速機と同様に、駆動および従動はすば歯車27,28には、終減速大歯車48と終減速小歯車49との噛み合いにより前進駆動時に矢印D方向に向けて前輪駆動軸16に加えられるアキシャル荷重に対して、逆方向つまり矢印Dに対向する矢印Eに向けてアキシャル荷重を発生させるように歯筋が形成されている。さらに、従動はすば歯車28を回転自在に支持する2つの軸受42,43の外輪42a,43aは、いずれも軸方向にはケース18に対して位置決め固定されておらず、従動はすば歯車28に掛かるラジアル荷重のみを支持するように装着されている。
【0041】
駆動はすば歯車27と従動はすば歯車28との噛み合いにより発生する逆方向のアキシャル荷重は、従動はすば歯車28からスナップリング46を経て荷重伝達部材58に伝達される。このとき、逆方向のアキシャル荷重が発生する向きに2つの軸受42,43は位置決め固定されていないため、この荷重は軸受42,43によって受け止められることはなく、荷重伝達部材58を介して前輪駆動軸16に矢印E方向に伝達される。
【0042】
従って、図2に示す変速機と同様に、前輪駆動軸16に矢印D方向に伝達されるアキシャル荷重は、これに対向して矢印E方向に伝達されるアキシャル荷重によって打ち消され、残ったアキシャル荷重のみが複列円すいころ軸受52に伝達されることになる。つまり複列円すいころ軸受52に加えられるアキシャル荷重を軽減することができる。
【0043】
次いで、エンジンブレーキの作動時や後退走行時におけるアキシャル荷重の伝達状況について説明する。エンジンブレーキ時にはエンジン11側から駆動輪に駆動力が伝達されるのではなく、駆動輪側からエンジン11に向けて駆動力が伝達される。また、後退走行時には前輪駆動軸16等の回転が逆転することになる。これらの状況下において、終減速大歯車48と終減速小歯車49との噛み合いにより発生して前輪駆動軸16に伝達されるアキシャル荷重は、図4に矢印D2で示すように、エンジン駆動の前進走行時とは逆向きの方向に加えられる。
【0044】
このとき、従動はすば歯車28と駆動はすば歯車27との噛み合いにより発生するアキシャル荷重も同様に、前進駆動時とは逆向きの方向に発生する。ここで、従動はすば歯車28と前輪駆動軸16とは荷重伝達部材58によって軸方向に一体となって連結されており、従動はすば歯車28を回転自在に支持する2つの軸受42,43は軸方向に位置決め固定されていないため、従動はすば歯車28と駆動はすば歯車27との噛み合いにより発生するアキシャル荷重は、軸受によって受け止められることなく荷重伝達部材58を介して前輪駆動軸16に矢印E2で示す方向に伝達される。
【0045】
従って、前輪駆動軸16に矢印D2方向に伝達されるアキシャル荷重は、これと逆方向となる矢印E2方向に伝達されるアキシャル荷重によって打ち消され、残ったアキシャル荷重のみが複列円すいころ軸受52に伝達されることになる。つまり、エンジン駆動の前進走行時に加えてエンジンブレーキ時および後退走行時にも複列円すいころ軸受52に加えられるアキシャル荷重を軽減することができる。これにより、幅広い領域で複列円すいころ軸受52に対するアキシャル荷重を軽減することができる。
【0046】
これまで説明したように、複列円すいころ軸受52に対するアキシャル荷重を軽減することができるため、軸受52の回転抵抗の低減に伴って変速機の動力伝達効率を向上させ、車両の燃費を向上させることができる。また、軸受52の回転抵抗の低減に伴って変速機潤滑油の温度上昇も抑制することができる。
【0047】
また、軸受52に対するアキシャル荷重の軽減により、軸受52の耐荷重容量を低く設定することができるため、小型の軸受を適用することができる。これにより、変速機の重量やコストを低減することができ、軸受52の配置スペースも少なくすることができる。さらに、軸受重量の低減により軸受52の慣性トルクを減少させることができる。
【0048】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、変速機としては遊星歯車式の自動変速機10に限られることなく、平行軸式の自動変速機であっても良く、ベルトドライブ式やトロイダル式の無段変速機であっても良い。また、手動変速機に適用しても良いことはいうまでもない。さらに、変速機としては4輪駆動車用の変速機であっても良く、前輪または後輪駆動車用の変速機であっても良い。
【0049】
また、駆動軸16と従動はすば歯車28との間でアキシャル荷重を伝達するために、中空円筒状の荷重伝達部材47,58が用いられているが、荷重伝達部材47の形状としては、中空や円筒に限られるものではない。また、図2に示す変速機にあっては、荷重伝達部材47を従動はすば歯車28または前輪駆動軸16のいずれか一方に固定しても良く、一体に形成しても良い。さらに、図4に示す変速機にあっては、従動はすば歯車28と前輪駆動軸16とを荷重伝達部材58を介して軸方向に一体に連結しているが、従動はすば歯車28と荷重伝達部材58とを一体に形成し、前輪駆動軸16の雄ねじを省略して軸部を延出することにより軸端部をスナップリングで固定するようにしても良い。
【0050】
さらに、従動はすば歯車28を回転自在に支持する軸受42,43は、図示するラジアル玉軸受に限定されることはなく、ころ軸受や円すいころ軸受であっても良く、アンギュラ玉軸受等であっても良いことはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】
本発明の変速機によれば、終減速小歯車から駆動軸に伝達されるアキシャル荷重を、これに対して逆方向に従動はすば歯車から発生するアキシャル荷重により打ち消すことができ、駆動軸に作用するアキシャル荷重を軽減することができる。このため、駆動軸を支持する軸受に加えられるアキシャル荷重を軽減することができ、軸受の回転抵抗の低減によって変速機の動力伝達効率を向上させ、車両の燃費を向上させることができる。また、軸受の回転抵抗の低減に伴って変速機潤滑油の温度上昇も抑制することができる。
【0052】
また、軸受に対するアキシャル荷重の軽減により、軸受の耐荷重容量を低く設定することができるため、小型の軸受を適用することができる。従って、変速機の重量やコストを低減することができる。
【0053】
本発明の変速機によれば、終減速小歯車から駆動軸に伝達されるアキシャル荷重を、従動はすば歯車から発生するアキシャル荷重によって前記駆動輪の駆動時にのみ打ち消す場合には、エンジンブレーキ時に従動はすば歯車から逆方向に発生するアキシャル荷重を従動はすば歯車を支持する軸受によって受け止めることができる。従って、駆動はすば歯車と従動はすば歯車との噛み合い精度を高く維持することができ、噛み合い音の発生を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊星歯車式の自動変速機を示すスケルトン図である。
【図2】本発明の一実施の形態である変速機の前輪駆動軸の近傍を示す断面図である。
【図3】駆動はすば歯車からフロントデファレンシャル装置までの動力伝達部材群を示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施の形態である変速機の前輪駆動軸の近傍を示す断面図である。
【図5】従来の変速機の前輪駆動軸の近傍を示す断面図である。
【符号の説明】
10 自動変速機(変速機)
11 エンジン
16 前輪駆動軸(駆動軸)
26 前輪出力軸(変速出力軸)
27 駆動はすば歯車
28 従動はすば歯車
42,43 軸受
47 荷重伝達部材
48 終減速大歯車
49 終減速小歯車
58 荷重伝達部材
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンの駆動力を走行条件に必要な駆動力に変換して駆動輪に伝達する変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの駆動力を駆動輪に伝達する動力伝達系には変速機が設けられており、この変速機を介してエンジンの駆動力は走行条件に応じた駆動力に変換される。このような変速機としては、運転者が変速操作を行う手動変速機や、自動的に変速操作が行われる自動変速機がある。
【0003】
手動変速機は相互に平行となる回転軸を有しており、一方の回転軸に設けられる駆動歯車と、これに噛み合うように他方の回転軸に設けられる従動歯車とからなる複数の歯車列を有している。これらの歯車列によって複数の変速段が設定され、動力を伝達する歯車列を選択することにより、走行に適した変速段を選択することができる。
【0004】
自動変速機は複数の変速比を形成する歯車列と、この歯車列のうち動力伝達を行う歯車列の切り換えを行う切換機構とを有しており、歯車列の形態によって、1軸上での変速を可能とする遊星歯車式と、手動変速機と同様に平行軸上での変速を可能とする平行軸式とがある。また、自動変速機として変速比を無段階に制御する無段変速機がある。この無段変速機にあっては、ベルトまたはチェーンと可変溝幅プーリとにより変速が行われるベルトドライブ式と、2つのディスクとパワーローラとにより変速が行われるトロイダル式とがある。
【0005】
また、4輪駆動車に適用する変速機も開発されている(たとえば、特許文献1参照。)。図5は4輪駆動車に適用される従来の変速機の一部を示す断面図である。エンジン出力はトルクコンバータと遊星歯車式の変速機構とを介して出力軸100に伝達される。出力軸100はセンタデファレンシャル装置101を介して、出力軸100の同軸上に設けられる後輪駆動軸102と、出力軸100に平行に設けられる前輪駆動軸103とに連結されている。出力軸100の駆動力はセンタデファレンシャル装置101を介して前輪と後輪とに分配される。前輪には前輪駆動軸103とフロントデファレンシャル装置104とを介して伝達され、後輪には後輪駆動軸102とリヤデファレンシャル装置とを介して伝達される。
【0006】
前輪駆動軸103の一端にはセンタデファレンシャル装置101側の駆動歯車105に噛み合う従動歯車106が設けられ、前輪駆動軸103の他端にはフロントデファレンシャル装置104の終減速大歯車107に噛み合う終減速小歯車108が設けられている。駆動歯車105と従動歯車106との噛み合いにより、出力軸100とこれに平行となる前輪駆動軸103とは連結され、終減速大歯車107と終減速小歯車108との噛み合いにより前輪駆動軸103と前輪とが連結される。
【0007】
ここで、図5に示すように、前輪駆動軸103の一端に設けられる従動歯車106は片持ち支持されている。この片持ち支持は簡易な構造を有するため変速機を小型化することもできるが、前輪駆動軸103の曲げ剛性が充分に確保されない場合には、前輪駆動軸103の曲げ振動により従動歯車106が傾動するおそれがあり、傾動によって歯車の噛み合い音が発生するという問題がある。また、噛み合い音の発生を防止するため前輪駆動軸103の曲げ剛性を高めることは、前輪駆動軸103の大型化つまり変速機の大型化を招くことになる。
【0008】
そこで、従動歯車の両側を支持するようにした変速機も開発されている。この変速機の従動歯車は両側をラジアル軸受によって支持され、前輪駆動軸の一端と従動歯車とはアキシャル方向に摺動自在となるようにスプライン結合される。これにより、従動歯車の傾動を防ぐとともに、フロントデファレンシャル装置から発生するアキシャル荷重の従動歯車に対する伝達が回避されるため、歯車の噛み合い精度が確保されて噛み合い音の発生が回避される。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−221255号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前輪駆動軸が従動歯車に対してアキシャル方向に摺動自在であるため、終減速大歯車と終減速小歯車との間で発生するアキシャル荷重の大部分を、終減速小歯車に隣接する円すいころ軸受が受けることになる。従って、円すいころ軸受の回転抵抗が増加して動力伝達効率の悪化を招くおそれがあるとともに、荷重容量の大きな円すいころ軸受を用いる必要があった。
【0011】
動力伝達効率の悪化は車両の動力性能を低下させるだけでなく燃費の悪化を招くことになり、荷重容量の大きな軸受を用いることは変速機の大型化や高コスト化を招くことにもなっていた。
【0012】
本発明の目的は、変速機の軸受に加えられるアキシャル荷重を軽減することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、変速機の動力伝達効率を向上させ、変速機の小型化や低コスト化を図ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の変速機は、エンジンの駆動力を走行条件に必要な駆動力に変換して変速出力軸に出力するとともに変換された駆動力を駆動輪に伝達する変速機であって、前記駆動輪に連結される終減速大歯車に噛み合う終減速小歯車が固定された駆動軸と、前記変速出力軸に固定された駆動はすば歯車に噛み合って前記駆動軸に装着され、前記終減速小歯車から前記駆動軸に加えられるアキシャル荷重に対して逆方向のアキシャル荷重を発生させる従動はすば歯車と、前記駆動軸と前記従動はすば歯車との間に設けられ、前記逆方向のアキシャル荷重を前記駆動軸に伝達する荷重伝達部材と、前記従動はすば歯車の前記逆方向のアキシャル荷重を受け止めることなく前記従動はすば歯車を回転自在に支持する軸受とを有することを特徴とする。
【0015】
これにより、終減速小歯車から駆動軸に伝達されるアキシャル荷重を、これに対して逆方向に従動はすば歯車から発生するアキシャル荷重により打ち消すことができ、駆動軸に作用するアキシャル荷重を軽減することができる。このため、駆動軸を支持する軸受に加えられるアキシャル荷重を軽減することができ、軸受の回転抵抗の低減によって変速機の動力伝達効率を向上させ、車両の燃費を向上させることができる。また、軸受の回転抵抗の低減に伴って変速機潤滑油の温度上昇も抑制することができる。
【0016】
また、軸受に対するアキシャル荷重の軽減により、軸受の耐荷重容量を低く設定することができるため、小型の軸受を適用することができる。従って、変速機の重量やコストを低減することができる。
【0017】
本発明の変速機は、前記軸受は前記エンジンによる前記駆動輪の前進走行駆動時には前記従動はすば歯車の前記逆方向のアキシャル荷重を受け止めず、エンジンブレーキ時には前記従動はすば歯車に発生するアキシャル荷重を受け止めつつ前記従動はすば歯車を回転自在に支持することを特徴とする。
【0018】
これにより、大きな駆動力が伝達されるエンジン駆動の前進走行時には、終減速小歯車から駆動軸に伝達されるアキシャル荷重を、従動はすば歯車から発生するアキシャル荷重によって前記駆動輪のエンジン駆動時にのみ打ち消すことができ、エンジンブレーキ時には従動はすば歯車から逆方向に発生するアキシャル荷重を従動はすば歯車を支持する軸受によって受け止めることができる。従って、駆動はすば歯車と従動はすば歯車との噛み合い精度を高く維持することができ、噛み合い音の発生を回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施の形態である変速機として遊星歯車式の自動変速機10を示すスケルトン図である。この自動変速機10はエンジン11に連結される入力軸12と、遊星歯車式の変速機構13を介して入力軸12に連結される出力軸14とを有しており、出力軸14はセンタデファレンシャル装置15を介して駆動軸である前輪駆動軸16と後輪駆動軸17とに連結されている。前輪駆動軸16と後輪駆動軸17とは駆動輪としての図示しない前輪と後輪とにそれぞれ連結される。このようにエンジン11と駆動輪とは動力的に連結されており、エンジン11の駆動力が走行条件に必要な駆動力に変換されて駆動輪に伝達される。入力軸12、出力軸14、前輪駆動軸16および後輪駆動軸17は車両の進行方向を向いてケース18内に組み込まれており、この自動変速機10は縦置きに配置される4輪駆動車に適用される。
【0021】
エンジン11のクランク軸19にはトルクコンバータ20が連結され、トルクコンバータ20のタービン軸21には入力軸12の一端が連結されている。入力軸12の他端には複数の遊星歯車列やクラッチおよびブレーキ等からなる変速機構13が連結されており、この変速機構13はクラッチやブレーキの係合および解放によって動力伝達径路を切り換え、エンジン11からの駆動力を走行に必要な駆動力に変換する。変速機構13には出力軸14の一端が連結されており変換された駆動力は出力軸14に伝達される。
【0022】
出力軸14と出力軸14の同心上に設けられる後輪駆動軸17との間には、前輪と後輪とに駆動力を分配するセンタデファレンシャル装置15が装着されている。このセンタデファレンシャル装置15は複合遊星歯車式であり、出力軸14の他端には第1サンギヤ22が固定され、後輪駆動軸17には第2サンギヤ23が固定される。第1サンギヤ22と第2サンギヤ23との径方向外方には、第1サンギヤ22と第2サンギヤ23とに噛み合う一体型のピニオンギヤ24が複数配置されており、ピニオンギヤ24はキャリア25に回転自在に支持されている。キャリア25の端部には変速出力軸である前輪出力軸26が設けられ、この前輪出力軸26には駆動はすば歯車27が固定されている。この駆動はすば歯車27に噛み合うように従動はすば歯車28が設けられ、駆動力は従動はすば歯車28から前輪駆動軸16を経て前輪を駆動するフロントデファレンシャル装置29に伝達される。
【0023】
このような構成により、変速機構13を経て変換された駆動力が第1サンギヤ22に入力されると、一体型のピニオンギヤ24を介して第2サンギヤ23と一体型のピニオンギヤ24を支持しているキャリア25とに動力が分配され、前輪および後輪を共に駆動することができる。このとき一体型のピニオンギヤ24の回転により前輪と後輪との回転差は差動吸収される。
【0024】
また、後輪駆動軸17には差動制限クラッチハブ30が固定され、キャリア25の端部には差動制限クラッチドラム31が固定されている。差動制限クラッチハブ30と差動制限クラッチドラム31との間には、複数枚の摩擦プレート32が装着され、差動制限クラッチ33が構成されている。これにより前輪または後輪がスリップして大きな差動回転が生じたときは、差動制限クラッチ33が締結されて差動回転が抑制される。
【0025】
なお、図示する変速機は4輪駆動車に適用されるため、駆動はすば歯車27はキャリア25に設けられる前輪出力軸26に固定されているが、前輪駆動車用の変速機であれば、出力軸14が前輪出力軸26として機能するため出力軸14に駆動はすば歯車27が固定される。
【0026】
図2は本発明の一実施の形態である変速機の前輪駆動軸16の近傍を示す断面図である。図2に示すように、駆動はすば歯車27に噛み合って設けられる従動はすば歯車28の中心部には、貫通孔40が形成される中空の軸部41が設けられている。この軸部41の両端にはそれぞれ軸受42,43が装着されており、2つの軸受42,43を介して従動はすば歯車28はケース18に対し回転自在に支持されている。
【0027】
貫通孔40の一端側はスプライン孔44に形成されており、これに結合するスプライン軸45が前輪駆動軸16の一端に形成されている。スプライン孔44とスプライン軸45との間にはスプライン軸45を軸方向に摺動可能とする程度の隙間が設けられる。また、貫通孔40の他端側にはスナップリング46が装着されており、スプライン軸45の端面とスナップリング46との間には略筒状の荷重伝達部材47が挿入されている。荷重伝達部材47はその一端面がスナップリング46に当接するように設置されるとともに、荷重伝達部材47の他端面はスプライン軸45の端面と接触自在となっている。
【0028】
また、前輪駆動軸16の他端にはフロントデファレンシャル装置29の終減速大歯車48に噛み合う終減速小歯車49が固定されており、前輪駆動軸16を介して従動はすば歯車28の駆動力は終減速大歯車48に伝達される。終減速大歯車48はフロントデファレンシャル装置29を構成するデファレンシャルケース50や図示しない差動歯車等を介して、駆動輪としての前輪に駆動力を伝達するアクスル軸51に連結されている。従って、終減速大歯車48に伝達された駆動力は、フロントデファレンシャル装置29により左右の前輪に分配されて伝達される。
【0029】
このような構造により、前輪に駆動力を分配するセンタデファレンシャル装置15からの駆動力は、駆動はすば歯車27、従動はすば歯車28、前輪駆動軸16およびフロントデファレンシャル装置29を経て左右の前輪に伝達されることになる。
【0030】
図3は駆動はすば歯車27からフロントデファレンシャル装置29までの動力伝達部材群を示す斜視図である。以下、図2および図3に基づいてエンジン11による前輪の駆動時における各部材の作動状態を説明する。なお、図2および図3に示す矢印は各歯車の回転方向と、歯車の噛み合いにより発生する荷重の方向とを示している。
【0031】
前輪を前進方向に駆動する時には、エンジン11からの駆動力は変速機構13を介して出力軸14を矢印Aで示す方向に回転させるように伝達される。出力軸14の駆動力はセンタデファレンシャル装置15を介して前輪出力軸26に伝達され、矢印Aと同一の方向に駆動はすば歯車27を回転駆動する。次いで、駆動はすば歯車27に噛み合う従動はすば歯車28を介して前輪駆動軸16は矢印Bで示す方向に回転駆動される。矢印B方向に回転駆動される終減速小歯車49は、終減速大歯車48を矢印Cで示す方向に回転駆動し、前進方向に回転させる駆動力をアクスル軸51を介して前輪に伝達する。
【0032】
図3に示すように、終減速大歯車48と終減速小歯車49とは噛み合ってハイポイド歯車を構成している。ハイポイド歯車とは食い違う軸間において駆動力を伝達する円錐状の歯車であり、前輪駆動軸16やアクスル軸51の配置を比較的自由に設定することができるため、変速機に用いられることが多い歯車である。
【0033】
しかしながら、ハイポイド歯車は噛み合いにより、ハイポイド歯車を支持する回転軸に対して軸方向の荷重、つまりアキシャル荷重を発生させる。エンジン駆動の前進走行の場合には、終減速小歯車49を支持する前輪駆動軸16に対して矢印Dで示す方向にアキシャル荷重が生じることになる。このため、前輪駆動軸16をケース18に対して回転自在に支持する軸受52としては、アキシャル荷重を支持するため複列円すいころ軸受52が用いられている。複列円すいころ軸受52が用いられるのは、前進駆動時だけでなく後退駆動時やエンジンブレーキ時に逆方向のアキシャル荷重が、前輪駆動軸16に加えられるためである。
【0034】
また、駆動および従動はすば歯車27,28には、終減速大歯車48と終減速小歯車49との噛み合いにより前輪駆動軸16に矢印D方向に加えられるアキシャル荷重に対して、逆方向つまり矢印Dに対向する矢印Eに向けてアキシャル荷重を発生させるように歯筋が形成されている。さらに、従動はすば歯車28を回転自在に支持する2つの軸受42,43の外輪42a,43aは、逆方向のアキシャル荷重が加えられる向きにはケース18に対して位置決め固定されておらず、従動はすば歯車28に掛かるラジアル荷重のみを支持するように装着されている。そして、2つの軸受42,43のうち変速機の後方側に装着される軸受43の外輪43aは、軸受43の後方に形成されるケース18に当接するように装着されている。
【0035】
駆動はすば歯車27と従動はすば歯車28との噛み合いにより発生する逆方向のアキシャル荷重は、従動はすば歯車28からスナップリング46を経て荷重伝達部材47に伝達される。このとき、逆方向のアキシャル荷重が発生する向きに2つの軸受42,43は位置決め固定されていないため、この荷重は軸受42,43によって受け止められることはなく、荷重伝達部材47を介して前輪駆動軸16に矢印E方向に伝達される。
【0036】
従って、前輪駆動軸16の矢印D方向に伝達されるアキシャル荷重は、これに対向するように矢印E方向に伝達されるアキシャル荷重によって打ち消され、残ったアキシャル荷重のみが複列円すいころ軸受52に伝達されることになる。つまり複列円すいころ軸受52に加えられるアキシャル荷重を軽減することができる。
【0037】
また、従動はすば歯車28を支持する軸受43の外輪43aは、軸受43の後方に形成されるケース18によって位置決めされるため、エンジンブレーキ時や後退走行時において、軸受43は駆動はすば歯車27と従動はすば歯車28との噛み合いにより発生するアキシャル荷重を受け止めることができる。これにより、駆動はすば歯車27と従動はすば歯車28との噛み合い精度は高く維持され、噛み合い音を軽減することができる。
【0038】
図4は本発明の他の実施の形態である変速機の前輪駆動軸16の近傍を示す断面図である。図4は図2に対して従動はすば歯車28周辺の構造が異なる変速機を示している。なお、図2に示す部材や矢印と同一の部材や矢印については同一の符号を付している。図4に示すように、従動はすば歯車28の中心部には、貫通孔53が形成された中空の軸部54が設けられている。この軸部54の両端にはそれぞれ軸受42,43が装着されており、2つの軸受42,43を介して従動はすば歯車28はケース18に対し回転自在に支持されている。
【0039】
貫通孔53の一端側には前輪駆動軸16のスプライン軸55が結合するスプライン孔44が形成されており、貫通孔53の他端側には貫通孔53が拡大されたフランジ収容孔56が形成されている。貫通孔53の他端側からは、一端にフランジ部57が形成される略筒状の荷重伝達部材58が挿入されている。荷重伝達部材58はフランジ部57がフランジ収容孔56の係止端59に接触する状態まで挿入され、フランジ収容孔56に装着されるスナップリング46によって軸方向に固定される。また、スプライン軸55の端部には雄ねじ部60が形成され、これにねじ結合するように荷重伝達部材47には雌ねじ部61が形成され、従動はすば歯車28と前輪駆動軸16とはスプライン軸55と荷重伝達部材58とを介して軸方向に一体となって連結されている。
【0040】
以下、エンジン11により前輪を前進方向に駆動する時のアキシャル荷重伝達状況について説明する。図2の変速機と同様に、駆動および従動はすば歯車27,28には、終減速大歯車48と終減速小歯車49との噛み合いにより前進駆動時に矢印D方向に向けて前輪駆動軸16に加えられるアキシャル荷重に対して、逆方向つまり矢印Dに対向する矢印Eに向けてアキシャル荷重を発生させるように歯筋が形成されている。さらに、従動はすば歯車28を回転自在に支持する2つの軸受42,43の外輪42a,43aは、いずれも軸方向にはケース18に対して位置決め固定されておらず、従動はすば歯車28に掛かるラジアル荷重のみを支持するように装着されている。
【0041】
駆動はすば歯車27と従動はすば歯車28との噛み合いにより発生する逆方向のアキシャル荷重は、従動はすば歯車28からスナップリング46を経て荷重伝達部材58に伝達される。このとき、逆方向のアキシャル荷重が発生する向きに2つの軸受42,43は位置決め固定されていないため、この荷重は軸受42,43によって受け止められることはなく、荷重伝達部材58を介して前輪駆動軸16に矢印E方向に伝達される。
【0042】
従って、図2に示す変速機と同様に、前輪駆動軸16に矢印D方向に伝達されるアキシャル荷重は、これに対向して矢印E方向に伝達されるアキシャル荷重によって打ち消され、残ったアキシャル荷重のみが複列円すいころ軸受52に伝達されることになる。つまり複列円すいころ軸受52に加えられるアキシャル荷重を軽減することができる。
【0043】
次いで、エンジンブレーキの作動時や後退走行時におけるアキシャル荷重の伝達状況について説明する。エンジンブレーキ時にはエンジン11側から駆動輪に駆動力が伝達されるのではなく、駆動輪側からエンジン11に向けて駆動力が伝達される。また、後退走行時には前輪駆動軸16等の回転が逆転することになる。これらの状況下において、終減速大歯車48と終減速小歯車49との噛み合いにより発生して前輪駆動軸16に伝達されるアキシャル荷重は、図4に矢印D2で示すように、エンジン駆動の前進走行時とは逆向きの方向に加えられる。
【0044】
このとき、従動はすば歯車28と駆動はすば歯車27との噛み合いにより発生するアキシャル荷重も同様に、前進駆動時とは逆向きの方向に発生する。ここで、従動はすば歯車28と前輪駆動軸16とは荷重伝達部材58によって軸方向に一体となって連結されており、従動はすば歯車28を回転自在に支持する2つの軸受42,43は軸方向に位置決め固定されていないため、従動はすば歯車28と駆動はすば歯車27との噛み合いにより発生するアキシャル荷重は、軸受によって受け止められることなく荷重伝達部材58を介して前輪駆動軸16に矢印E2で示す方向に伝達される。
【0045】
従って、前輪駆動軸16に矢印D2方向に伝達されるアキシャル荷重は、これと逆方向となる矢印E2方向に伝達されるアキシャル荷重によって打ち消され、残ったアキシャル荷重のみが複列円すいころ軸受52に伝達されることになる。つまり、エンジン駆動の前進走行時に加えてエンジンブレーキ時および後退走行時にも複列円すいころ軸受52に加えられるアキシャル荷重を軽減することができる。これにより、幅広い領域で複列円すいころ軸受52に対するアキシャル荷重を軽減することができる。
【0046】
これまで説明したように、複列円すいころ軸受52に対するアキシャル荷重を軽減することができるため、軸受52の回転抵抗の低減に伴って変速機の動力伝達効率を向上させ、車両の燃費を向上させることができる。また、軸受52の回転抵抗の低減に伴って変速機潤滑油の温度上昇も抑制することができる。
【0047】
また、軸受52に対するアキシャル荷重の軽減により、軸受52の耐荷重容量を低く設定することができるため、小型の軸受を適用することができる。これにより、変速機の重量やコストを低減することができ、軸受52の配置スペースも少なくすることができる。さらに、軸受重量の低減により軸受52の慣性トルクを減少させることができる。
【0048】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、変速機としては遊星歯車式の自動変速機10に限られることなく、平行軸式の自動変速機であっても良く、ベルトドライブ式やトロイダル式の無段変速機であっても良い。また、手動変速機に適用しても良いことはいうまでもない。さらに、変速機としては4輪駆動車用の変速機であっても良く、前輪または後輪駆動車用の変速機であっても良い。
【0049】
また、駆動軸16と従動はすば歯車28との間でアキシャル荷重を伝達するために、中空円筒状の荷重伝達部材47,58が用いられているが、荷重伝達部材47の形状としては、中空や円筒に限られるものではない。また、図2に示す変速機にあっては、荷重伝達部材47を従動はすば歯車28または前輪駆動軸16のいずれか一方に固定しても良く、一体に形成しても良い。さらに、図4に示す変速機にあっては、従動はすば歯車28と前輪駆動軸16とを荷重伝達部材58を介して軸方向に一体に連結しているが、従動はすば歯車28と荷重伝達部材58とを一体に形成し、前輪駆動軸16の雄ねじを省略して軸部を延出することにより軸端部をスナップリングで固定するようにしても良い。
【0050】
さらに、従動はすば歯車28を回転自在に支持する軸受42,43は、図示するラジアル玉軸受に限定されることはなく、ころ軸受や円すいころ軸受であっても良く、アンギュラ玉軸受等であっても良いことはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】
本発明の変速機によれば、終減速小歯車から駆動軸に伝達されるアキシャル荷重を、これに対して逆方向に従動はすば歯車から発生するアキシャル荷重により打ち消すことができ、駆動軸に作用するアキシャル荷重を軽減することができる。このため、駆動軸を支持する軸受に加えられるアキシャル荷重を軽減することができ、軸受の回転抵抗の低減によって変速機の動力伝達効率を向上させ、車両の燃費を向上させることができる。また、軸受の回転抵抗の低減に伴って変速機潤滑油の温度上昇も抑制することができる。
【0052】
また、軸受に対するアキシャル荷重の軽減により、軸受の耐荷重容量を低く設定することができるため、小型の軸受を適用することができる。従って、変速機の重量やコストを低減することができる。
【0053】
本発明の変速機によれば、終減速小歯車から駆動軸に伝達されるアキシャル荷重を、従動はすば歯車から発生するアキシャル荷重によって前記駆動輪の駆動時にのみ打ち消す場合には、エンジンブレーキ時に従動はすば歯車から逆方向に発生するアキシャル荷重を従動はすば歯車を支持する軸受によって受け止めることができる。従って、駆動はすば歯車と従動はすば歯車との噛み合い精度を高く維持することができ、噛み合い音の発生を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊星歯車式の自動変速機を示すスケルトン図である。
【図2】本発明の一実施の形態である変速機の前輪駆動軸の近傍を示す断面図である。
【図3】駆動はすば歯車からフロントデファレンシャル装置までの動力伝達部材群を示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施の形態である変速機の前輪駆動軸の近傍を示す断面図である。
【図5】従来の変速機の前輪駆動軸の近傍を示す断面図である。
【符号の説明】
10 自動変速機(変速機)
11 エンジン
16 前輪駆動軸(駆動軸)
26 前輪出力軸(変速出力軸)
27 駆動はすば歯車
28 従動はすば歯車
42,43 軸受
47 荷重伝達部材
48 終減速大歯車
49 終減速小歯車
58 荷重伝達部材
Claims (2)
- エンジンの駆動力を走行条件に必要な駆動力に変換して変速出力軸に出力するとともに変換された駆動力を駆動輪に伝達する変速機であって、
前記駆動輪に連結される終減速大歯車に噛み合う終減速小歯車が固定された駆動軸と、
前記変速出力軸に固定された駆動はすば歯車に噛み合って前記駆動軸に装着され、前記終減速小歯車から前記駆動軸に加えられるアキシャル荷重に対して逆方向のアキシャル荷重を発生させる従動はすば歯車と、
前記駆動軸と前記従動はすば歯車との間に設けられ、前記逆方向のアキシャル荷重を前記駆動軸に伝達する荷重伝達部材と、
前記従動はすば歯車の前記逆方向のアキシャル荷重を受け止めることなく前記従動はすば歯車を回転自在に支持する軸受とを有することを特徴とする変速機。 - 請求項1記載の変速機において、前記軸受は前記エンジンによる前記駆動輪の駆動時には前記従動はすば歯車の前記逆方向のアキシャル荷重を受け止めず、エンジンブレーキ時には前記従動はすば歯車に発生するアキシャル荷重を受け止めつつ前記従動はすば歯車を回転自在に支持することを特徴とする変速機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013061046A (ja) * | 2011-09-14 | 2013-04-04 | Aisin Aw Co Ltd | 動力伝達装置 |
JP2017150500A (ja) * | 2016-02-22 | 2017-08-31 | 株式会社Subaru | 歯車装置 |
US10046765B2 (en) | 2013-11-19 | 2018-08-14 | Volvo Truck Corporation | Method to control an engine braking operation |
CN108801639A (zh) * | 2018-07-26 | 2018-11-13 | 索特传动设备有限公司 | 轴承试验工装及系统 |
-
2002
- 2002-10-02 JP JP2002289394A patent/JP2004125050A/ja active Pending
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