JP2017150500A - 歯車装置 - Google Patents

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【課題】片持ち支持されるギヤの倒れを抑制し、軽量化、及び、フリクションの低減を実現可能な歯車装置を提供する。【解決手段】歯車装置は、第1の軸受部材により軸支されて中心軸回りに回転可能な軸部材と、軸部材が挿入される軸方向孔を有する円筒部、及び、外周面に歯面を有して円筒部から径方向の外側に立ち上がる立上部を備えて、軸部材と一体に回転可能なギヤ部材と、ギヤ部材の円筒部の外周面を、立上部の立ち上がり位置よりも軸方向の一方側で軸支する第2の軸受部材と、を備え、円筒部の内周面のうちの立上部の立ち上がり位置よりも軸方向の他方側における内周面の少なくとも一部と軸部材の外周面との間の間隙である第1の間隙の大きさが、第2の軸受部材と円筒部の外周面との間の間隙である第2の間隙の大きさに近似する。【選択図】図5

Description

本発明は、歯車装置に関する。
例えば自動車に搭載されたエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する動力伝達系には変速機が設けられている。変速機は、エンジンの駆動力を、走行条件に応じた駆動力に変換して、駆動軸に伝達する。このような変速機としては、運転者により変速操作が行われる手動変速機や、自動で変速操作が行われる自動変速機がある。
手動変速機は、互いに平行な回転軸を有し、一方の回転軸に設けられる駆動ギヤと、当該駆動ギヤに噛み合うように他方の回転軸に設けられる従動ギヤとからなる複数の歯車列を有している。これらの歯車列によって複数の変速段が設定され、動力を伝達する歯車列を選択することにより、走行に適した変速段を形成することができる。自動変速機は、複数の変速比を形成する歯車列と、歯車列のうちから動力伝達を行う歯車列への切り換えを行う切換機構とを有する。歯車式の自動変速機には、1軸上で歯車列を変速可能とする遊星歯車式と、手動変速機と同様に平行軸上で歯車列を変速可能とする平行軸式とがある。
また、変速機には、4輪駆動車に適用される変速機も知られている。かかる変速機は、後輪駆動軸と前輪駆動軸とを有し、エンジン出力が伝達される出力軸は、センタデファレンシャル装置を介して、出力軸の同軸上に設けられた後輪駆動軸と、出力軸に平行に設けられた前輪駆動軸とに連結される。これにより、エンジンの駆動力は、センタデファレンシャル装置を介して前輪と後輪とに分配される。前輪には、前輪駆動軸とフロントデファレンシャル装置とを介してエンジンの駆動力が伝達され、後輪には、後輪駆動軸とリアデファレンシャル装置とを介してエンジンの駆動力が伝達される。
前輪駆動軸の一端にはセンタデファレンシャル装置側の駆動ギヤに噛み合う従動ギヤが設けられ、前輪駆動軸の他端にはフロントデファレンシャル装置の終減速大歯車に噛み合う終減速小歯車が設けられている。駆動ギヤと従動ギヤとの噛み合いにより、出力軸と、出力軸に平行な前輪駆動軸とが連結され、終減速大歯車と終減速小歯車との噛み合いにより、前輪駆動軸と前輪とが連結される(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−222435号公報
ここで、一端に従動ギヤが設けられる前輪駆動軸は、軸受部材により片持ち支持されており、前輪駆動軸の曲げ剛性が十分に確保されない場合には、前輪駆動軸の曲げ変形により従動ギヤが傾動するおそれがある。従動ギヤも軸受部材により軸支されるが、簡易な構造で、かつ、変速機の小型化に有効な片持ち支持構造とされる場合が多く、従動ギヤが傾動しやすくなっている。従動ギヤが傾動すると、駆動ギヤと従動ギヤとの噛み合い部分においてギヤ音が発生するおそれがある。これに対して、従動ギヤの傾動を防ぐために、従動ギヤの軸方向両側を軸受で支持させようとすると、新たな軸受が必要となって、質量やフリクションが増加することになる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、片持ち支持されるギヤの倒れを抑制し、軽量化、及び、フリクションの低減を実現可能な、新規かつ改良された歯車装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1の軸受部材により軸支されて中心軸回りに回転可能な軸部材と、軸部材が挿入される軸方向孔を有する円筒部、及び、外周面に歯面を有して円筒部から径方向の外側に立ち上がる立上部を備えて、軸部材と一体に回転可能なギヤ部材と、ギヤ部材の円筒部の外周面を、立上部の立ち上がり位置よりも軸方向の一方側で軸支する第2の軸受部材と、を備え、円筒部の内周面のうちの立上部の立ち上がり位置よりも軸方向の他方側における内周面の少なくとも一部と軸部材の外周面との間の間隙である第1の間隙の大きさが、第2の軸受部材と円筒部の外周面との間の間隙である第2の間隙の大きさに近似する、歯車装置が提供される。
円筒部の内周面のうちの立上部の立ち上がり位置よりも軸方向の一方側における内周面と軸部材の外周面との間の間隙である第3の間隙の大きさが、第1の間隙及び第2の間隙の大きさよりも大きくてもよい。
第1の間隙と第2の間隙との差が第2の間隙の設計公差の範囲内であってもよい。
円筒部には、軸方向の他方側から軸部材が挿入されてもよい。
第2の軸受部材が、ニードルベアリングであってもよい。
歯車装置が自動車の変速機であり、軸部材が前輪駆動軸としてのハイポイドシャフトであり、ギヤ部材が自動車の前輪の駆動力を伝達する駆動ギヤに噛み合う従動ギヤであってもよい。
以上説明したように本発明によれば、片持ち支持されるギヤの倒れを抑制し、歯車装置の軽量化、及び、フリクションの低減を実現することができる。
本発明の実施の形態にかかる歯車装置としての自動変速機の一部を示す説明図である。 従来の従動ギヤの保持構造を示す説明図である。 従来の保持構造における従動ギヤにギヤ荷重が入力された様子を示す説明図である。 同実施形態にかかる従動ギヤの保持構造を示す説明図である。 同実施形態にかかる保持構造における従動ギヤにギヤ荷重が入力された様子を示す説明図である。 同実施形態にかかる保持構造と従来の保持構造との各部のクリアランスを示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.変速機の概要>
まず、本発明を適用可能な歯車装置としての変速機の一例について簡単に説明する。歯車装置は、例えば、エンジンの駆動力を、車両の走行に適した駆動力に変換しつつ、前輪及び後輪に分配して伝達する変速機に適用可能である。かかる変速機は、トルクコンバータを介してエンジンのクランク軸に連結される入力軸と、遊星歯車式の変速機構を介して入力軸に連結される出力軸とを有する。出力軸は、センタデファレンシャル装置を介して、駆動軸である前輪駆動軸と後輪駆動軸とに連結されている。前輪駆動軸は前輪に連結され、後輪駆動軸は後輪に連結される。入力軸、出力軸、前輪駆動軸及び後輪駆動軸は、車長方向に沿って図示しないケース内に組み込まれ、自動変速機は、例えば変速機が縦置きに配置される4輪駆動車に適用される。
なお、変速機は、前輪駆動車用の変速機であってもよく、この場合、後輪駆動軸は省略され、前輪駆動軸は、センタデファレンシャル装置を介さずに出力軸に連結される。
図1は、本実施形態にかかる変速機のうちの前輪駆動軸10の近傍を示す断面図である。図1に示すように、変速機は、例えばセンタデファレンシャル装置のキャリアに設けられる前輪出力軸61に固定された駆動はすば歯車60を備える。駆動はすば歯車60には、従動はすば歯車20が噛み合っている。従動はすば歯車20が、本発明のギヤ部材に相当する。
従動はすば歯車20の中心部には、軸方向孔27が形成された中空の円筒部21が設けられている。また、従動はすば歯車20は、円筒部21の外周面から径方向の外側に立ち上がる立上部23を有しており、立上部23の外周面に歯面25が形成されている。従動はすば歯車20の円筒部21の外周面のうち、立上部23の立ち上がり位置よりも軸方向の一方側(図1の右側)の外周面は、ニードルベアリング30により軸支されている。ニードルベアリング30は、本発明の第2の軸受部材に相当する。
従動はすば歯車20の円筒部21の軸方向孔27には、ハイポイドシャフトである前輪駆動軸10の一端側が挿入される。軸方向孔27の一部はスプライン孔53として形成されており、前輪駆動軸10の一部は、スプライン孔53に結合するスプライン軸13として形成されている。つまり、従動はすば歯車20と前輪駆動軸10とはスプライン結合され、一体に回転可能になっている。前輪駆動軸10は、中心軸周りに回転可能に、第1の軸受部材40により軸支されている。第1の軸受部材40としては、例えば、円錐ころ軸受が用いられる。
前輪駆動軸10の他端には、フロントデファレンシャル装置80の終減速大歯車81に噛み合う終減速小歯車11が設けられており、前輪駆動軸10を介して、従動はすば歯車20の駆動力は終減速大歯車81に伝達される。終減速大歯車81は、フロントデファレンシャル装置80を構成するデファレンシャルケースや差動ギヤ等を介して、駆動輪としての前輪に駆動力を伝達するアクスル軸70に連結されている。したがって、終減速大歯車81に伝達された駆動力は、フロントデファレンシャル装置80により、左右の前輪に分配されて伝達される。
かかる構造により、前輪に駆動力を分配するセンタデファレンシャル装置からの駆動力は、駆動はすば歯車60、従動はすば歯車20、前輪駆動軸10及びフロントデファレンシャル装置80を経て、左右の前輪に伝達される。
図1に示した変速機は、変速用のギヤやプーリを備えておらず、前輪駆動軸10の軸方向長さが比較的短くされた変速機である。このため、片持ち支持された前輪駆動軸10の倒れが生じた場合には、倒れ量が大きくなりやすい。また、前輪駆動軸10又は従動はすば歯車20の周囲に、第1の軸受部材40及びニードルベアリング30以外のさらに別の軸受部材を設けることが特に困難になっている。したがって、本実施形態にかかる変速機は、従動はすば歯車20の傾きを抑制可能な保持構造を採用する必要性が特に高いと言える。
<2.従動はすば歯車の保持構造>
次に、従動はすば歯車20の保持構造について詳細に説明する。以下、従来例による保持構造の概略を説明した後に、本実施形態による保持構造を説明する。
(2−1.従来例による保持構造)
図2は、従来例による従動はすば歯車20の保持構造を説明するための模式図である。前輪駆動軸10の一端側は、所定の径方向クリアランスを有して、従動はすば歯車20の円筒部21の軸方向孔27内に挿入されている。従来例による従動はすば歯車20の保持構造では、前輪駆動軸10と従動はすば歯車20との同軸性が確保されるように、従動はすば歯車20の円筒部21の両端側に、軸方向孔27の内周面と前輪駆動軸10の外周面との間の径方向クリアランスを小さくした狭小クリアランスC1´,C3´が設けられる。
立上部23の立ち上がり位置よりも一方側(図の右側)で、外周面がニードルベアリング30により軸支されている端部における、軸方向孔27の内周面と前輪駆動軸10の外周面との間の狭小クリアランスC3´が、本発明における第3の間隙に対応するクリアランスである。また、立上部23の立ち上がり位置よりも他方側(図の左側)の端部における、軸方向孔27の内周面と前輪駆動軸10の外周面との間の狭小クリアランスC1´が、本発明における第1の間隙に対応するクリアランスである。これらの狭小クリアランスC1´,C3´は、ニードルベアリング30と円筒部21の外周面との間の狭小クリアランスC2よりも小さく設定される。狭小クリアランスC2は、本発明における第2の間隙に対応するクリアランスである。
具体的に、ニードルベアリング30は、従動はすば歯車20の外周面との接触面積を比較的広く確保することができ、受ける荷重を分散させやすいことから、例えばボールベアリングと比較して小型の軸受とすることができる。一方、ニードルベアリング30は、やや複雑な構造となるために、設計上の公差を小さくすることが難しいことで知られている。このため、ニードルベアリング30と、従動はすば歯車20の円筒部21の外周面との間の狭小クリアランスC2を小さくすることが比較的困難であり、狭小クリアランスC2の大きさは、狭小クリアランスC1´,C3´の大きさよりも大きくなっていた。これらの狭小クリアランスC1´,C2,C3´の大きさを一例として示せば、狭小クリアランスC1´,C3´の大きさは、約10〜20μmに設計され、狭小クリアランスC2の大きさは、約50〜60μmに設計されていた。
図3は、従来例による従動はすば歯車20の保持構造の従動はすば歯車20に対してギヤ荷重が入力されたときの様子を示す模式図である。図3に示すように、このような従来例による従動はすば歯車20の保持構造では、従動はすば歯車20に対してギヤ荷重が与えられた場合、当該ギヤ荷重をニードルベアリング30で受けにくく、前輪駆動軸10のみで受ける状態となり得る。前輪駆動軸10は、終減速小歯車11側の第1の軸受部材40によって片持ち支持されており、従動はすば歯車20を介してギヤ荷重を受けたときに前輪駆動軸10が撓み、従動はすば歯車20が傾きやすくなっていた。その結果、駆動はすば歯車60と従動はすば歯車20との噛み合い部分においてギヤ音が生じたり、さらには、変速機としての信頼性が低下するおそれがあった。
なお、図1に示したように、変速機の大きさを変えずに、変速機の内部に、ニードルベアリング30に比べて大きいボールベアリングを配置するスペースを確保することは難しく、従動はすば歯車20を両持ち支持する構成とすることは容易ではない。また、従動はすば歯車20を両持ち支持させるために軸受を追加することは、生産コストの増大や、変速機の質量の増大を招くことにもなる。
(2−2.本実施形態による保持構造)
図4は、本実施形態による従動はすば歯車20の保持構造を説明するための模式図である。本実施形態による従動はすば歯車20の保持構造では、まず、外周面がニードルベアリング30により軸支されている端部における、軸方向孔27の内周面と前輪駆動軸10の外周面との間の狭小クリアランスC3´が削除されている。つまり、ニードルベアリング30により軸支されている端部における、軸方向孔27の内周面と前輪駆動軸10の外周面との間のクリアランスC3は大きく拡大され、もはや狭小クリアランスとはなっていない。
また、本実施形態による従動はすば歯車20の保持構造では、ニードルベアリング30により軸支された端部とは反対側の端部における、軸方向孔27の内周面と前輪駆動軸10の外周面との間の狭小クリアランスC1は、従来例による従動はすば歯車20の保持構造の狭小クリアランスC1´に比べて拡大されている。拡大された狭小クリアランスC1は、ニードルベアリング30と円筒部21の外周面との間の狭小クリアランスC2に近似させられている。つまり、上述のとおり、狭小クリアランスC2は設計上の限界に近い間隔(小ささ)で形成されており、狭小クリアランスC1の大きさは、かかる狭小クリアランスC2の大きさまで拡大されている。望ましくは、狭小クリアランスC1の大きさと狭小クリアランスC2の大きさとが一致することではあるが、少なくとも、狭小クリアランスC1の大きさと狭小クリアランスC2の大きさとの差は、狭小クリアランスC2の設計公差の範囲内に収められる。これらの狭小クリアランスC1,C2及びクリアランスC3の大きさを一例として示せば、狭小クリアランスC1,C2の大きさは、約50〜60μmに設計され、クリアランスC3の大きさは、約100μmに設計される。
図5は、本実施形態による従動はすば歯車20の保持構造の従動はすば歯車20に対してギヤ荷重が入力されたときの様子を示す模式図である。図5に示すように、本実施形態による従動はすば歯車20の保持構造では、狭小クリアランスC1と狭小クリアランスC2とが同等の大きさに設計されていることにより、従動はすば歯車20に対してギヤ荷重が与えられた場合、従動はすば歯車20は軸方向の両端側で支持されて、倒れが抑制される。具体的に、従動はすば歯車20にギヤ荷重が入力された場合、従動はすば歯車20のうち、前輪駆動軸10を軸支する第1の軸受部材40から離れた端部の円筒部21の外周面は、ニードルベアリング30に当接し、支持される。
また、従動はすば歯車20のうち、第1の軸受部材40側の端部の軸方向孔27の内周面は、前輪駆動軸10に当接し、支持される。狭小クリアランスC1の大きさと狭小クリアランスC2の大きさとは近似することから、従動はすば歯車20は大きく倒れることなく支持され得る。このとき、ギヤ荷重の入力側とは反対側では、前輪駆動軸10と従動はすば歯車20との間の隙間が拡大するが、従動はすば歯車20と前輪駆動軸10とは、第1の軸受部材40に近い位置で当接しているために、前輪駆動軸10の撓みが生じにくくなる。したがって、従動はすば歯車20の倒れが抑制される。
図6は、上記の従来例による従動はすば歯車20の保持構造のクリアランスと、本実施形態による従動はすば歯車20の保持構造のクリアランスとの違いを説明するために示す図である。図6は、クリアランス中心を基準として、それぞれ第1の間隙(狭小クリアランスC1,C1´)、第2の間隙(狭小クリアランスC2)、及び第3の間隙(クリアランスC3、狭小クリアランスC3´)の大きさを示している。点線が従来例による従動はすば歯車20の保持構造のクリアランスを示し、実線が本実施形態による従動はすば歯車20の保持構造のクリアランスを示す。
図6に示すように、従来例による従動はすば歯車20の保持構造と本実施形態による従動はすば歯車20の保持構造とを比較すると、ニードルベアリング30と円筒部21の外周面との間の狭小クリアランスC2の大きさは変更されていない。つまり、従来例による従動はすば歯車20の保持構造及び本実施形態による従動はすば歯車20の保持構造のいずれも、設計上の限界に近い小ささで狭小クリアランスC2が形成されている。これに対して、ニードルベアリング30により軸支される端部とは反対側の端部における、軸方向孔27の内周面と前輪駆動軸10の外周面との間の狭小クリアランスC1は、従来例の場合と比べて拡大され、狭小クリアランスC2と同等の大きさとされている。また、ニードルベアリング30により軸支される端部側における、軸方向孔27の内周面と前輪駆動軸10の外周面との間のクリアランスC3は、従来例による狭小クリアランスC3の大きさから大きく拡大されている。
その結果、従来例による従動はすば歯車20の保持構造では、従動はすば歯車20にギヤ荷重が入力された場合に、従動はすば歯車20の円筒部21の軸が傾くのに対し(破線)、本実施形態にかかる従動はすば歯車20の保持構造では、従動はすば歯車20は、狭小クリアランスC1及び狭小クリアランスC2により、円筒部21の軸が傾くことなく支持される(実線)。
したがって、駆動はすば歯車60と従動はすば歯車20との噛み合い部分におけるギヤ音の発生が抑制され、信頼性を向上させることができる。また、軸受部材を追加することがないために、質量の増加や生産コストの上昇を生じさせることなく、従動はすば歯車20の傾きを抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記の実施形態では、ギヤ部材及び軸部材として、変速機における従動はすば歯車20及び前輪駆動軸10を例に採って説明したが、本発明はかかる例に限定されない。片持ち式に第1の軸受部材に支持される軸部材と、当該軸部材に一体回転可能に保持されて第2の軸受部材に片持ち式に支持されるギヤ部材とを備える構造であれば、本発明を適用し得る。
また、上記の実施形態では、従動はすば歯車20の円筒部21のうち、前輪駆動軸10を片持ち式に軸支する第1の軸受部材40が配置された端部における、軸方向孔27の内周面と前輪駆動軸10の外周面との間を狭小クリアランスC1とし、反体側の端部における、円筒部21の外周面とニードルベアリング30との間を狭小クリアランスC2として、2つの狭小クリアランスC1,C2の大きさが近似していたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、第1の軸受部材40が配置された端部側にニードルベアリングを配置し、狭小クリアランスC1,C2を形成する端部を入れ替えてもよい。この場合、上記実施形態にかかる従動はすば歯車20の保持構造に比べて、従動はすば歯車20の倒れの抑制効果は小さくなるものの、従来例による従動はすば歯車20の保持構造に比べて、従動はすば歯車20の倒れを抑制することができる。
10 前輪駆動軸(ハイポイドシャフト)
11 終減速小歯車
20 従動はすば歯車(ギヤ部材)
21 円筒部
23 立上部
25 歯面
27 軸方向孔
30 ニードルベアリング(第2の軸受部材)
40 第1の軸受部材
60 駆動はすば歯車
80 フロントデファレンシャル装置
81 終減速大歯車

Claims (6)

  1. 第1の軸受部材により軸支されて中心軸回りに回転可能な軸部材と、
    前記軸部材が挿入される軸方向孔を有する円筒部、及び、外周面に歯面を有して前記円筒部から径方向の外側に立ち上がる立上部を備えて、前記軸部材と一体に回転可能なギヤ部材と、
    前記ギヤ部材の前記円筒部の外周面を、前記立上部の立ち上がり位置よりも軸方向の一方側で軸支する第2の軸受部材と、を備え、
    前記円筒部の内周面のうちの前記立上部の立ち上がり位置よりも前記軸方向の他方側における内周面の少なくとも一部と前記軸部材の外周面との間の間隙である第1の間隙の大きさが、前記第2の軸受部材と前記円筒部の外周面との間の間隙である第2の間隙の大きさに近似する、歯車装置。
  2. 前記円筒部の前記内周面のうちの前記立上部の立ち上がり位置よりも前記軸方向の一方側における内周面と前記軸部材の外周面との間の間隙である第3の間隙の大きさが、前記第1の間隙及び前記第2の間隙の大きさよりも大きい、請求項1に記載の歯車装置。
  3. 前記第1の間隙と前記第2の間隙との差が前記第2の間隙の設計公差の範囲内である、請求項1又は2に記載の歯車装置。
  4. 前記円筒部には、前記軸方向の他方側から前記軸部材が挿入される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯車装置。
  5. 前記第2の軸受部材が、ニードルベアリングである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯車装置。
  6. 前記歯車装置が自動車の変速機であり、
    前記軸部材が前輪駆動軸としてのハイポイドシャフトであり、
    前記ギヤ部材が前記自動車の前輪への駆動力を伝達する駆動ギヤに噛み合う従動ギヤである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯車装置。
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