JP2012127446A - 変速機 - Google Patents

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Tsuneaki Ishikawa
統章 石川
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Abstract

【課題】変速機に入力された過大なトルクを緩衝する変速機を提供する。
【解決手段】第1の回転軸(21)からの回転によって回転する歯車(30)と、歯車(30)よりも小径の第1のスプライン(35b)が形成され、歯車(30)と同軸に回転可能なドッグクラッチ(35)と、第1のスプライン(35b)と噛合する第2のスプライン(45a)を備え、歯車(30)の回転を第2の回転軸(22)に伝達する回転部材(40)と、を備える変速機において、ドッグクラッチ(35)は、バネ(52)の付勢力によって歯車(30)に係止され、歯車(30)にバネ(52)の付勢力を上回るトルクが入力されたときは、ドッグクラッチ(35)が歯車(30)と相対回転する。
【選択図】図1

Description

本発明は、変速機に過大なトルクが入力されたときに、これを緩衝する変速機に関する。
車両に搭載される変速機は、複数の歯車から構成され、これら歯車の噛み合いを変更することによって、エンジンの回転を変速し、車軸側へと伝達する。
歯車の噛合いの変更方法として、同期機構のスリーブがシンクロリングを乗り越えてクラッチギヤに接触させることにより変速を行うもの(特許文献1参照)が知られている。
特開2006−161877号公報
エンジン等からの駆動力源から過大なトルクが入力されたとき、たとえば、停止状態からクラッチを衝撃的に繋いだ場合には、歯車等の伝達系に過大なトルクが加わり、歯車が破損する等の問題が生じ得る。このような不具合を防ぐために、歯車や回転軸等を、過大なトルクに耐えうるように、強度の安全代のため十分な余裕をもって設計する必要がある。そのため、これら歯車や回転軸等の重量やサイズが増加するという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、過大なトルクを緩衝する構造を備えることにより、重量及びサイズの増加を抑制できる変速機を提供することを目的とする。
本発明は、第1の回転軸からの回転によって回転する歯車と、歯車よりも小径の第1のスプラインが形成され、歯車と同軸に回転可能なドッグクラッチと、第1のスプラインと噛合する第2のスプラインを備え、歯車の回転を第2の回転軸に伝達する回転部材と、を備える変速機において、ドッグクラッチは、バネの付勢力によって歯車に係止され、歯車にバネの付勢力を上回るトルクが入力されたときは、ドッグクラッチが歯車と相対回転することを特徴とする。
本発明によると、変速機に過大なトルクが入力されたときに、歯車とドッグクラッチとが相対回転してトルクが第1の回転軸へと伝達されることを遮断して、過大なトルクを緩衝することができる。これにより、変速機を構成する歯車等の部品の強度を抑えて設計することができるので、変速機の重量及びサイズの増加を抑制できる。
本発明の実施形態の変速機の断面図である。 本発明の実施形態の第1歯車及びドッグクラッチの説明図である。 本発明の実施形態の第1歯車及びドッグクラッチの説明図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態の変速機2の断面図である。
変速機2は、入力軸及び出力軸を兼ねるメインシャフト21が備えられる。メインシャフト21には、メインシャフト21に固定されてメインシャフト21と共に回転する、又は、ベアリングを介して自由回転する複数の歯車が装着されている。
変速機2は、メインシャフト21と平行に設けられたカウンタシャフト22を備えている。メインシャフト21に装着された歯車と、カウンタシャフト22に装着された歯車との噛み合わせを変更することによって、変速が実行される。
メインシャフト21には、第1歯車30が、ニードルベアリング31を介して回転自在に装着されている。また、メインシャフト21には、回転部材としてのリング40がスプライン嵌合により装着されている。これら第1歯車30とリング40とは隣接して装着されている。
第1歯車30の内周側にはドッグクラッチ35が装着されている。ドッグクラッチ35は、第1歯車30と共に回転するように構成されているが、後述するように第1歯車30に対して相対回転可能に構成される。
リング40の外周には、円環状のスリーブ45がスプラインにより装着されている。スリーブ45は、リング40と共に回転するように構成されている。また、スリーブ45は、スプライン上をメインシャフト21の軸方向に摺動可能に構成されている。
スリーブ45の外周には、外周側に開口する溝45aが形成されている。溝45aには、シフトフォーク60が係合する。シフトフォーク60は、シフトノブとロッド又はワイヤー等により、リンケージ部品と繋がるシフター61によって動作されて、スリーブ45をメインシャフト21の軸方向に摺動させる。
スリーブ45の内周側にはスプライン45bが形成されている。スプライン45bは、ドッグクラッチ35の外周側に形成されたスプライン35bと噛合可能に構成されている。
シフター61が、シフトフォーク60をメインシャフト21の軸方向リア側(図1の右側)に移動させることによって、スリーブ45がリング40の外周をメインシャフト21の軸方向リア側に摺動する。これにより、スリーブ45の内周側に形成されたスプライン45bと、ドッグクラッチ35の外周側に形成されたスプライン35bとが噛合して、第1歯車30とリング40とが固定される。
この結果、カウンタシャフト22に噛合して回転する第1歯車30の回転が、ドッグクラッチ35、スリーブ45を介してリング40に伝達する。リング40はメインシャフト21のリア側に回転を伝達する。この状態で、図示しないエンジンの回転が変速機2から出力されて、車両が走行可能となる。
また、シフター61が、シフトフォーク60をメインシャフト21の軸方向フロント側(図1の左側)に移動させることによって、スリーブ45がリング40の外周をメインシャフト21の軸方向フロント側に摺動する。これにより、スリーブ45とドッグクラッチ35との噛合が解放され、第1歯車30とリング40とが回転自在となる。
この結果、カウンタシャフト22に噛合して回転する第1歯車30の回転が、リング40に伝達されなくなる。この状態では、エンジンの回転が変速機2から出力されず、車両は走行しない。
なお、本実施形態の変速機2において、ドッグクラッチ35とスリーブ45とが噛合して第1歯車30によって回転を出力する場合は、他の歯車の組み合わせによる変速比と比較して大きな変速比となるように構成されており、例えば、2速段など、車両を発進するときに用いられる発進段を構成する。
次に、このように構成された第1歯車30及びドッグクラッチ35について説明する。
前述のように、第1歯車30は、発進段を構成する歯車であり、エンジンからの大きなトルクが入力される。特にクラッチを衝撃的に繋いだときなどには、通常時にエンジンから出力されるトルクよりも大きなトルクが入力される。
変速機2は、このような大きなトルクが入力された場合にも破壊しないように、歯車や回転軸等の構成部品の強度に十分な安全性を持たせる必要がある。そのため、重量が増し、サイズが大型化していた。
そこで、本発明の実施形態は、次に説明するような特徴的な構成によって、過大なトルクが入力されたときにも、歯車等の破損を防止する。
図2は、第1歯車30及びドッグクラッチ35をメインシャフト21の軸方向フロント側から観察したときの説明図である。
第1歯車30の外周側にはギヤ30aが形成されている。そして、ギヤ30aよりも内周側に、円環状のドッグクラッチ35が装着されている。ドッグクラッチ35の外周側にはスプライン35bが形成されている。
ドッグクラッチ35は、後述するように、バネ52の付勢力によって第1歯車30に係止され、第1歯車30と共に回転する一方、過大なトルクが入力されたときには、メインシャフト21を軸として第1歯車30とで相対回転可能に構成されている。
図3は、第1歯車30及びドッグクラッチ35の断面図である。図3(A)は、第1歯車30は、メインシャフト21の軸方向に切断した断面図であり図3(B)は、第1歯車30をメインシャフト21の軸と平行な面(A−A面)で切断した断面図である。
第1歯車30のリング40に向かう面に環状の溝32が形成されており、この溝32にドッグクラッチ35が装着されている。溝32には、ドッグクラッチ35がリング40側へと移動することを規制する円環状のストッパ38が装着されている。
ドッグクラッチ35と第1歯車30との間には、ローラ51及びバネ52が装着されている。なお、図2に示したように、ローラ51及びバネ52の組は、周方向に4カ所備えられている。
第1歯車30の溝32には、バネ52が挿入される孔32aが形成されている。また、ドッグクラッチ35の第1歯車30に対向する面には、ローラ51が係止されるV字形状の溝35cが形成されている。
バネ52が孔32aに挿入され、バネ52の一端にローラ51が乗せられた状態で第1歯車30にドッグクラッチ35が装着される。ドッグクラッチ35は、バネ52の付勢力によってローラ51が溝35c側に押圧される。ローラ51は、一方がドッグクラッチ35の溝35cに係止され、他方が第1歯車30の孔32aに係止される。従って、ドッグクラッチ35は、ローラ51を介して第1歯車30に固定され、第1歯車30と共に回転する。
一方、ドッグクラッチ35とスリーブ45とが噛合している場合において、第1歯車30及びドッグクラッチ35に過大なトルクが入力された場合は、ドッグクラッチ35の溝35cの傾斜面がローラ51を孔32aの底側に押圧する。そして、入力されたトルクがバネ52の付勢力を上回ったときに、バネ52が縮退してローラ51が溝35cを乗り越えて、ドッグクラッチ35が第1歯車30に対して相対回転する。
ドッグクラッチ35は、第1歯車30に対して90°回転した後に隣接する溝35cにローラ51がはまり込み、バネ52の付勢力により係止する。
このとき、入力されたトルクが引き続きバネ52の付勢力を上回っている場合は、ローラ51が再び溝35cを乗り越えて、ドッグクラッチ35は、さらに第1歯車30に対して90°回転した後に隣接する溝35cにローラ51がバネ52の付勢力により係止する。
このように、第1歯車30とドッグクラッチ35とが一時的に相対回転することによって、その間は変速機2に入力されたトルクが第1歯車以降に伝達することを遮断する。これにより、変速機2に入力された過大なトルクを緩衝することができる。なお、バネ52のバネ定数、及び、バネ52、ローラ51の数は、遮断するべきトルクの大きさに応じて適宜決めうるものである。
以上のように、本発明の実施形態の変速機2は、第1歯車30と、第1歯車30と共に回転するドッグクラッチ35と、ドッグクラッチ35のスプライン35bに嵌合したときに第1歯車30の回転をリング40に伝達するスリーブ45とから構成される変速機構において、第1歯車30とドッグクラッチ35との間に、過大なトルクが入力されたときにこれらを相対回転させるトルク緩衝機構を備えた。
トルク緩衝機構は、ローラ51及びバネ52からなり、入力されたトルクがバネ52の付勢力を上回ったときに、第1歯車30とドッグクラッチ35とが相対回転することによって、変速機2に入力された過大なトルクを緩衝することができるので、変速機2を構成する歯車等の部品が過大なトルクによって破損することを防止することができる。
そして、変速機2に入力される過大なトルクを緩衝することができることによって、変速機2を構成する動力伝達系の歯車等の部品の強度を下げることが可能となるので、変速機2の小型化及び軽量化が可能となる。
また、トルク緩衝機構を備える第1歯車30及びドッグクラッチ35は、変速機2において発進段を構成する歯車群であり、車両の発進時等、短期間のみ使用される歯車である。従って、トルク緩衝機構によって入力トルクが遮断される状態は短期間であるので、燃費や運転性に与える影響は少ない。なお、第1歯車30及びドッグクラッチ35により構成される発進段は、2速に限られず、車両を発進するときに用いられるギヤ、(例えばLOW(1速)、2速、リバースギヤ)であればよい。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
2 変速機
30 第1歯車
32 溝
32a 孔
35 ドッグクラッチ
35b スプライン
35c 溝
40 リング(回転部材)
45 スリーブ
45a スプライン
51 ローラ
52 バネ

Claims (4)

  1. 第1の回転軸からの回転によって回転する歯車と、
    前記歯車よりも小径の第1のスプラインが形成され、前記歯車と同軸に回転可能なドッグクラッチと、
    前記第1のスプラインと噛合する第2のスプラインを有し、前記歯車の回転を第2の回転軸に伝達する回転部材と、を備える変速機において、
    前記ドッグクラッチは、バネの付勢力によって前記歯車に係止され、
    前記歯車に前記バネの付勢力を上回るトルクが入力されたときは、前記ドッグクラッチが前記歯車と相対回転することを特徴とする変速機。
  2. 前記歯車には、前記バネを固定するバネ孔が形成されており、
    前記ドッグクラッチに形成された溝部に、前記バネによって押圧されるローラが係止されることを特徴とする請求項1に記載の変速機。
  3. 前記バネ及び前記ローラは、前記歯車と前記ドッグクラッチとの間に、周方向に複数設けられることを特徴とする請求項2に記載の変速機。
  4. 前記歯車及び前記ドッグクラッチは、前記変速機における発進段を構成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014035022A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Fuji Heavy Ind Ltd 変速機
CN112628372A (zh) * 2020-12-16 2021-04-09 西南大学 电动汽车纵向驱动自适应锥度离合自动变速系统

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