JP2008196681A - 軸受構造および変速機 - Google Patents

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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C35/00Rigid support of bearing units; Housings, e.g. caps, covers
    • F16C35/04Rigid support of bearing units; Housings, e.g. caps, covers in the case of ball or roller bearings
    • F16C35/06Mounting or dismounting of ball or roller bearings; Fixing them onto shaft or in housing
    • F16C35/07Fixing them on the shaft or housing with interposition of an element
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Abstract

【課題】軸受部材を回転軸から抜け難くして、回転軸を安定して軸支することができる軸受構造およびその軸受構造を備えた変速機を提供すること。
【解決手段】インプットシャフト32をハウジング31に回転自在に支持するボールベアリング71を備え、大径部32aの近傍に位置して大径部32aの外周部に取付けられたフォースドライブギア36により、インナーレース74に軸方向荷重が作用する軸受構造であって、ボールベアリング71のインナーレース74と小径部32bの間にカラー部材75を介装し、カラー部材75が、筒状部76および筒状部76の軸方向端部に放射外方に延在して一体的に形成され、フォースドライブギア36の軸方向荷重を受けるフランジ部77を有し、フランジ部77が、インプットシャフト32の大径部32aの軸方向端面に当接するとともにインナーレース74の軸方向端面との間に隙間が形成され、筒状部76が、インプットシャフト32の小径部32bとインナーレース74の間に圧入嵌合して配置される。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸受構造および変速機に関し、特に、車両の手動変速機等に設けられた回転軸を支持体に回転自在に支持する軸受構造およびその軸受構造を備えた変速機に関する。
一般に、車両の手動変速機等にあっては、車両の走行状態に応じてエンジンの回転速度および回転トルクを変換して駆動輪に伝えるようになっており、クラッチを介してエンジン側に接続されるインプットシャフトと駆動輪側に連結されるアウトプットシャフトを複数の歯車機構を介して連結し、歯車機構の連結位置を可変することによって変速比を可変するようになっている。
従来のこの種の手動変速機としては、図9に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。図9において、手動変速機1は、クラッチを介してエンジンの出力が伝達される回転自在なインプットシャフト2と、インプットシャフト2に取付けられたファーストドライブギア3、セカンドドライブギア4、サードドライブギア5、フォースドライブギア6、フィフスドライブギア7およびリバースドライブギア8とを備えている。
ファーストドライブギア3およびセカンドドライブギア4はインプットシャフト2に固定されており、インプットシャフト2と共に回転する。
また、サードドライブギア5、フォースドライブギア6およびフィフスドライブギア7はインプットシャフト2に対して空転可能であり、所定のシンクロ機構のハブスリーブ9、10をスライドさせることでインプットシャフト2に結合したときに、インプットシャフト2と共に回転するようになっている。
また、アウトプットシャフト11にはファーストドリブンギア12、セカンドドリブンギア13、サードドリブンギア14、フォースドリブンギア15およびフィフスドリブンギア16および出力ギア17が設けられている。
出力ギア17、サードドリブンギア14、フォースドリブンギア15はアウトプットシャフト11に固定されており、アウトプットシャフト11と共に回転するようになっている。
また、ファーストドリブンギア12、セカンドドリブンギア13はアウトプットシャフト11に対して空転可能であり、ハブスリーブ18をスライドさせることによってアウトプットシャフト11に噛み合ったときに、アウトプットシャフト11と共に回転するようになっている。
また、ファーストドライブギア3、セカンドドライブギア4、サードドライブギア5、フォースドライブギア6、フィフスドライブギア7、ファーストドリブンギア12、セカンドドリブンギア13、サードドリブンギア14、フォースドリブンギア15およびフィフスドリブンギア16は、はすば歯車から構成されており、各ドライブギア3〜7と各ドリブンギア12〜16とは、インプットシャフト2およびアウトプットシャフト11の軸方向に対して45°のねじれ角で噛み合っている。
また、出力ギア17は差動装置のリングギア19と噛み合っており、リングギア19はデフケース20に固定され、デフケース20とリングギア19が共に回転する。デフケース20にはピニオンシャフト21によりピニオンギア22が自転可能かつ公転可能に保持されており、ピニオンギア22は1対のサイドギア23と噛み合っている。
また、サイドギア23にはスプラインにより出力部材24が接続されており、出力部材24から出力された回転力は図示しないドライブシャフトを通じて駆動輪に伝達されることにより、車輪が回転する。
一方、インプットシャフト2およびアウトプットシャフト11はボールベアリング25を介して手動変速機1のハウジング29に回転自在に取付けられている。このボールベアリング25は、図10に示すように、ハウジング29に固定されたアウターレース26と、ボール部材27を介してインプットシャフト2の外周部に圧入されるインナーレース28とを備えている。
ところで、このような構成を有する手動変速機1に設けられた軸受構造にあっては、インプットシャフト2およびアウトプットシャフト11が軸方向の一方側に移動するのを規制するために、インプットシャフト2およびアウトプットシャフト11をボールベアリング25によって位置決めするようにしている。
ここで、インプットシャフト2およびアウトプットシャフト11の軸受構造は共通の構成を有するため、図10ではインプットシャフト2の軸受構造についてのみの説明を行う。
図10において、インプットシャフト2は、外周部にフォースドライブギア6が設けられた大径部2aと、大径部2aに連続し、外周部にインナーレース28が圧入される小径部2bとを備えており、インプットシャフト2の大径部2aの軸方向端面をインナーレース28に当接させることにより、インプットシャフト2が軸方向の一方側に移動するのを規制するようにしている。
特開2006−177490号公報
しかしながら、このような従来の手動変速機1に設けられた軸受構造にあっては、インプットシャフト2の大径部2aの外周部に対し、はすば歯車から構成されるフォースドライブギア6がインプットシャフト2の放射外方に位置していることから、フォースドライブギア6とフォースドリブンギア15の噛み合いによってフォースドライブギア6の軸方向荷重がインナーレース28に加わってしまうため、インナーレース28が小径部2bから抜け易くなってしまうという問題があった。
以下、インナーレース28が抜け易くなる理由を具体的に説明する。インナーレース28に加わる荷重分布、またはインナーレース28の内周部とインプットシャフト2の小径部2bの外周部の圧入代が周方向に均一でない場合に、フォースドライブギア6から軸方向に入力される荷重が相対的に高い部位、または圧入代が小さい部位を起点としたモーメントM1が発生する。
例えば、図11(a)(b)において、インナーレース28に加わる周方向の荷重分布が高い部位、または小径部2bの圧入代が小さい部位をインナーレース28および小径部2bの下方とし、この部位を起点Aとすると、この起点Aに対してインプットシャフト2の中心軸を挟んだ反対側の部位、すなわち、インナーレース28および小径部2bの上部側の圧入面がインナーレース28に加わる周方向の荷重分布が相対的に低い部位、または小径部2bの圧入代が大きい部位となる。
このため、フォースドライブギア6からインナーレース28に加わる軸方向の荷重F1によって、インナーレース28が起点Aを中心にインプットシャフト2の軸方向外方に抜け出ようとするモーメントM1が発生する。
そして、このモーメントM1のモーメントアームL1は、起点Aからインナーレース28におけるフォースドライブギア6の軸方向荷重の入力部Bまでの距離となり、このモーメントM1は、F1×L1(以下、式1という)となる。
このとき、この起点Aに対してインプットシャフト2の中心軸を挟んだ反対側の部位におけるインナーレース28および小径部2bの圧入面Cを、起点Aからのモーメントの作用面とすると、この圧入面Cの摩擦力によってインナーレース28がインプットシャフト2の小径部2bから抜け出るのを阻止する方向F2に摩擦抵抗側のモーメントM2が発生する。
ここで、インナーレース28および小径部2bの圧入面Cの軸方向の摩擦荷重をF2とし、起点Aから圧入面CまでのモーメントアームをL2とすると、インナーレース28の摩擦抵抗側のモーメントM2は、F2×L2(以下、式2という)となる。
但し、摩擦荷重F2は、インナーレース28および小径部2bの圧入面の摩擦係数をμ、インナーレース28および小径部2bの圧入面Cの面圧をP、インナーレース28および小径部2bの圧入面Cの面積をSとしたときに、μ×P×Sとなる。
上述した式1と式2の関係から明らかなように、摩擦荷重F2が加わるモーメントアームL2の方に比べて軸方向の荷重F1が加わるモーメントアームL1が大きいため、モーメントM1>M2となる。
したがって、インナーレース28がインプットシャフト2の小径部2bから抜け出る方向に作用する力が大きくなり、インナーレース28が小径部2bから抜け出てしまうおそれがあった。この結果、インナーレース28およびアウターレース26が軸方向にずれてしまい、インナーレース28がインプットシャフト2をアウターレース26に安定して軸支することができないおそれがある。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、軸受部材を回転軸から抜け難くして、回転軸を安定して軸支することができる軸受構造およびその軸受構造を備えた変速機を提供することを目的とする。
本発明に係る軸受構造は、(1)大径部および前記大径部に連続し、前記大径部よりも小径に形成された小径部を有する回転軸を支持体に回転自在に支持する軸受部材を備え、前記大径部の近傍に位置して前記大径部の外周部に取付けられた外装部材により、前記軸受部材に軸方向荷重が作用する軸受構造であって、前記軸受部材と前記回転軸の小径部の間にカラー部材を介装し、前記カラー部材が、筒状部および前記筒状部の回転軸方向端部に放射外方に延在して一体的に形成され、前記外装部材の軸方向荷重を受けるフランジ部を有し、前記フランジ部が、前記回転軸の大径部の回転軸方向端面に当接するとともに前記軸受部材の回転軸方向端面との間に隙間が形成され、前記筒状部が、前記回転軸の小径部と前記軸受部材の間に圧入嵌合して配置されたものから構成されている。
この構成により、軸受部材に加わる周方向の荷重分布、または軸受部材と回転軸の小径部の圧入代が周方向に均一でない場合に、外装部材から軸受部材に入力される回転軸方向の入力荷重が相対的に高い部位、または圧入代が小さい部位を起点としたモーメントが発生したときの軸受部材の抜け方向の入力荷重を、フランジ部から筒状部の外周部と軸受部材の内周部の圧入面に伝達することができる。
このとき、軸受部材の内周部と筒状部の外周部との圧入面の摩擦力によって、軸受部材が筒状部から抜け出るのを阻止する摩擦抵抗側のモーメントが発生するが、この摩擦抵抗側のモーメントアームと軸受部材の抜け方向の入力荷重のモーメントアームを等しくすることができ、軸受部材が回転軸の小径部から抜け難くすることができる。
このため、回転軸をフランジ部に当接させて軸方向に移動するのを防止することができ、軸受部材によって回転軸を安定して軸支することができる。
また、本発明に係る軸受構造は、上記(1)において、(2)前記フランジ部の基部にスペーサ部を一体的に形成し、前記軸受部材の回転軸方向端面に前記スペーサ部を当接させるようにしたものから構成されている。
この構成により、軸受部材を小径部に圧入するときに、軸受部材をスペーサ部に当接させることにより、フランジ部と軸受部材の間に隙間を容易に確保することができ、カラー部材の圧入作業の作業性を向上させることができる。
また、本発明に係る軸受構造は、上記(1)において、(3)前記フランジ部の基部と前記軸受部材の回転軸方向端面の間にスペーサを介装し、前記軸受部材の回転軸方向端面に前記スペーサを当接させるようにしたものから構成されている。
この構成により、フランジ部と軸受部材の間にスペーサを介装したので、軸受部材を小径部に圧入するときに、軸受部材をスペーサに当接させることにより、フランジ部と軸受部材の間に隙間を容易に確保することができ、カラー部材の圧入作業の作業性を向上させることができる。
また、本発明に係る軸受構造は、(4)大径部および前記大径部に連続し、前記大径部よりも小径に形成された小径部を有する回転軸を支持体に回転自在に支持する軸受部材を備え、前記大径部の近傍に位置して前記大径部の外周部に取付けられた外装部材により、前記軸受部材に軸方向荷重が作用する軸受構造であって、前記軸受部材と前記回転軸の小径部の間にカラー部材およびブッシュ部材を介装し、前記カラー部材が、筒状部および前記筒状部の回転軸方向一端部に放射外方に延在して一体的に形成されたフランジ部を有し、前記フランジ部が、前記回転軸の大径部の回転軸方向端面に当接するとともに前記軸受部材の回転軸方向端面との間に隙間が形成され、前記筒状部が、前記回転軸の小径部と前記軸受部材との間に圧入嵌合して配置され、前記ブッシュ部材が、環状部および前記環状部に回転軸方向に延在して一体的に形成され、前記環状部の内径よりも大きい内径を有する突出部を有し、前記環状部が、前記回転軸の小径部と前記軸受部材との間に圧入嵌合されるとともに、前記筒状部の回転軸方向他端部に当接するように配置され、前記突出部が、前記フランジ部の端面の方向に延在して前記筒状部の外周部との間に間隙を形成する内周部および前記軸受部材の内周部に圧入嵌合される外周部を有するものから構成されている。
この構成により、軸受部材に加わる周方向の荷重分布、または軸受部材と小径部の圧入代が周方向に均一でない場合に、外装部材から軸受部材に入力される回転軸方向の入力荷重が相対的に高い部位、または圧入代が小さい部位を起点としたモーメントが発生したときの軸受部材の抜け方向の入力荷重を、軸受部材の内周部と環状部および突出部の外周部との圧入面に対して回転軸の中心軸側に位置するブッシュ部材の環状部とカラー部材の筒状部の回転軸方向他端部との当接面に伝達することができる。
このとき、軸受部材の内周部と環状部および突出部の外周部の圧入面の摩擦力によって軸受部材が環状部から抜け出るのを阻止する摩擦抵抗側のモーメントが発生するが、この摩擦抵抗側のモーメントアームに対して軸受部材の抜け方向の入力荷重のモーメントアームを、その起点を同じくしてその先端を回転軸の中心側に設定することができ、すなわち、軸受部材の抜け方向の入力荷重のモーメントアーム長を小さくすることができ、軸受部材を回転軸の小径部からより一層抜け難くすることができる。
このため、回転軸をフランジ部に当接させて軸方向に移動するのをより一層防止することができ、軸受部材によって回転軸をより一層安定して軸支することができる。
また、本発明に係る軸受構造は、上記(4)において、(5)前記ブッシュ部材の突出部の内周部に形成された第1係合部と、前記カラー部材の筒状部の外周部に形成され、前記第1係合部と前記回転軸の周方向において係合する第2係合部とを有するものから構成されている。
この構成により、カラー部材とブッシュ部材が回転軸の周方向に相対的に移動するのを防止することができ、カラー部材とブッシュ部材が磨耗により損傷するのを防止することができる。
また、本発明に係る軸受構造は、上記(4)または(5)において、(6)前記突出部の回転軸方向長さを、前記筒状部の回転軸方向長さよりも短くしたものから構成されている。
この構成により、ブッシュ部材の突出部とカラー部材のフランジ部の間に隙間を形成することができるため、フランジ部に加わった軸受部材の抜け側の荷重が、カラー部材の筒状部よりも放射外方に位置するブッシュ部材の突出部に伝達するのを防止し、ブッシュ部材の突出部よりも回転軸の中心軸側に位置するブッシュ部材の環状部とカラー部材の筒状部の回転軸方向他端部との当接面に伝達することができる。
この結果、摩擦抵抗側のモーメントアームに対して軸受部材の抜け方向の入力荷重のモーメントアームを、その起点を同じくしてその先端を回転軸の中心側に設定することができ、すなわち、軸受部材の抜け方向の入力荷重のモーメントアーム長を小さくすることができ、軸受部材を回転軸の小径部からより一層抜け難くすることができる。
また、本発明に係る変速機は、上記(1)〜(6)の何れかの軸受構造を有する変速機であって、(7)前記回転軸の前記大径部の外周部に取付けられ、前記回転軸方向に対して所定角度傾斜するねじれ角を有する第1変速歯車と、前記回転軸方向に対して所定角度傾斜するねじれ角を有し、前記第1変速歯車に噛合する第2変速歯車とを備え、前記外装部材が前記第1変速歯車から構成される。
この構成により、回転軸の放射外方に位置する第1変速歯車に第2変速歯車から駆動力が伝達されたときに、第1変速歯車からフランジ部に軸受部材の抜け方向の入力荷重が加わった場合に、この入力荷重を、フランジ部から筒状部の外周部と軸受部材の内周部の圧入面、またはブッシュ部材の環状部とカラー部材の筒状部の回転軸方向他端部との当接面に伝達することができる。
この結果、回転軸をフランジ部に当接させて軸方向に移動するのを防止することができ、第1変速歯車と第2変速歯車の噛合状態を維持しつつ軸受部材によって回転軸を安定して軸支することができる。このため、変速機を円滑に動作させることができる。
本発明によれば、軸受部材を回転軸から抜け難くして、回転軸を安定して軸支することができる軸受構造およびその軸受構造を備えた変速機を提供することができる。
以下、本発明に係る軸受構造および変速機の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図4は本発明に係る軸受構造および変速機の第1の実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1は手動変速機を示す図である。図1において、手動変速機30は、支持体としてのハウジング31に収納された回転軸としてのインプットシャフト32と、インプットシャフト32に取付けられたファーストドライブギア33、セカンドドライブギア34、サードドライブギア35、フォースドライブギア36、フィフスドライブギア37およびリバースドライブア38とを備えている。
ファーストドライブギア33およびセカンドドライブギア34はインプットシャフト32に固定されており、インプットシャフト32と共に回転するようになっている。
また、サードドライブギア35、フォースドライブギア36およびフィフスドライブギア37はインプットシャフト32に対して空転可能となっており、所定のシンクロ機構のハブスリーブ39、40をインプットシャフト32の軸方向(以下、単に軸方向という)にスライドさせることにより、インプットシャフト32と結合してインプットシャフト32と共に回転する。
また、インプットシャフト32はクラッチを介してエンジンに連結されており、インプットシャフト32はエンジンからの駆動力によって回転する。
また、回転軸としてのアウトプットシャフト41はインプットシャフト32と略平行に延在しており、このアウトプットシャフト41にはファーストドリブンギア42、セカンドドリブンギア43、サードドリブンギア44、フォースドリブンギア45およびフィフスドリブンギア46および出力ギア47が設けられている。
出力ギア47、サードドリブンギア44、フォースドリブンギア45はアウトプットシャフト41に固定されており、アウトプットシャフト41と共に回転する。
また、ファーストドリブンギア42、セカンドドリブンギア43はアウトプットシャフト41に対して空転可能であり、ハブスリーブ48を軸方向にスライドさせることでアウトプットシャフト41に噛み合ってアウトプットシャフト41と共に回転するようになっている。
また、ハブスリーブ48の外周にはリバースドリブンギア49が取付けられており、リバースドライブギア38とリバースドリブンギア49の間にはリバースアイドラギア50が介装されている。
このリバースアイドラギア50は、車両の前進走行時においては、リバースドライブギア38およびリバースドリブンギア49の何れにも噛み合っていない。また、車両の後退時には、リバースアイドラギア50はリバースドライブギア38およびリバースドリブンギア49に噛み合い、インプットシャフト32の回転がリバースドライブギア38、リバースアイドラギア50およびリバースドリブンギア49を経由してアウトプットシャフト41に伝達される。
また、ファーストドライブギア33とファーストドリブンギア42が1速を構成し、セカンドドライブギア34とセカンドドリブンギア43が2速を構成し、サードドライブギア35とサードドリブンギア44が3速を構成し、フォースドライブギア36とフォースドリブンギア45が4速を構成し、フィフスドライブギア37とフィフスドリブンギア46が5速を構成している。
また、ファーストドライブギア33、セカンドドライブギア34、サードドライブギア35、フォースドライブギア36、フィフスドライブギア37、リバースドライブギア38、ファーストドリブンギア42、セカンドドリブンギア43、サードドリブンギア44、フォースドリブンギア45およびフィフスドリブンギア46は、はすば歯車から構成されており、各ドライブギア33〜38と各ドリブンギア42〜46とは、インプットシャフト32およびアウトプットシャフト41の軸方向に対して所定角度である45°のねじれ角で噛み合っている。なお、本実施の形態では、フォースドライブギア36が外装部材を構成している。
また、フォークシャフト51は、シフトフォーク52およびシフトフォーク53によって5速用のシンクロ機構のハブスリーブ40とリバースアイドラギア50とに接続されており、その長手方向にスライドすることにより、ハブスリーブ40が5速用のシンクロ機構を作動させてフィフスドライブギア37をインプットシャフト32に接続するか、またはリバースアイドラギア50をリバースドライブギア38およびリバースドリブンギア49に噛み合わせる。
また、フォークシャフト54は、シフトフォーク55により3速および4速用のシンクロ機構のハブスリーブ39に接続されており、フォークシャフト54を長手方向にスライドさせることでハブスリーブ39が3速または4速用のシンクロ機構を作動させる。これにより、サードドライブギア35またはフォースドライブギア36の何れかがインプットシャフト32と共に回転する。
フォークシャフト56は、シフトフォーク57により1速および2速用のシンクロ機構のハブスリーブ48に接続されており、フォークシャフト56が長手方向にスライドすると、ハブスリーブ48が1速または2速用のシンクロ機構に噛み合う。これによりファーストドリブンギア42またはセカンドドリブンギギア43の何れかがアウトプットシャフト41と共に回転する。
また、出力ギア47は差動装置のリングギア58と噛み合っており、このリングギア58はデフケース59に固定され、デフケース59とリングギア58が共に回転するようになっている。
また、デフケース59にはピニオンシャフト60によりピニオンギア61が自転可能かつ公転可能に保持されており、ピニオンギア61は1対のサイドギア62と噛み合っている。このサイドギア62にはスプラインにより出力部材63が接続されており、出力部材63から出力された回転力はドライブシャフトを通じて車輪に伝達される。
一方、インプットシャフト32およびアウトプットシャフト41は軸受部材としてのボールベアリング71を介して手動変速機30のハウジング31に回転自在に取付けられており、このボールベアリング71はインプットシャフト32およびアウトプットシャフト41の小径部に圧入嵌合されている。
図2はインプットシャフト32およびアウトプットシャフト41の軸受構造を示す図であり、この軸受構造はインプットシャフト32およびアウトプットシャフト41のそれぞれ共通の構成であるため、本実施の形態では、インプットシャフト32の軸受構造についてのみ説明する。
図2において、インプットシャフト32は、大径部32aと大径部32aに連続し、大径部32aよりも小径に形成された小径部32bを有しており、この小径部32bがボールベアリング71を介してハウジング31に回転自在に支持されている。
ボールベアリング71はハウジング31に固定されたアウターレース72と、ボール部材73を介して連結されたインナーレース74とを備えており、アウターレース72の外周部はハウジング31に圧入されており、軸方向端部がハウジング31に当接することにより、軸方向に位置決めされている。
また、インナーレース74とインプットシャフト32の小径部32bの間にはカラー部材75が介装されており、インプットシャフト32の小径部32bはカラー部材75を介してインナーレース74に圧入されている。
このカラー部材75は、図3に示すように筒状部76およびフランジ部77を備えており、フランジ部77は筒状部76の軸方向端部に放射外方に延在して筒状部76に一体的に形成されている。また、フランジ部77の近傍にはフォースドライブギア36が設けられており、フォースドライブギア36とフォースドリブンギア45との噛み合いにより、フランジ部77にはフォースドライブギア36から図1中左側に軸方向荷重が加わるようになっている。
この筒状部76はインプットシャフト32の小径部32bを囲むようにして小径部32bの周方向に設けられており、インプットシャフト32の小径部32bとインナーレース74の間に圧入嵌合されている。
また、フランジ部77は軸方向一端面がインプットシャフト32の大径部32aの軸方向端面に当接しており、軸方向他端面がインナーレース74の軸方向端面との間に隙間を有して離隔している。
また、インプットシャフト32の大径部32aの外周部には第1変速歯車としてのフォースドライブギア36が設けられており、フォースドライブギア36はフランジ部77の近傍に位置し、図1に示すように第2変速歯車としてアウトプットシャフト41の外周部に設けられたフォースドリブンギア45に噛合可能になっている。
なお、フォースドライブギア36はニードルベアリング78を介してインプットシャフト32に回転自在に支持されており、同様にサードドライブギア35、フォースドライブギア36およびフィフスドライブギア37もニードルベアリングを介してインプットシャフト32に回転自在に支持されている。
このような構成を有する軸受構造にあっては、インプットシャフト32の小径部32bにカラー部材75を圧入した後、カラー部材75の外周部をボールベアリング71のインナーレース74の内周部に圧入することにより、筒状部76をインプットシャフト32の小径部32bとインナーレース74の間に嵌合するようにしている。
また、フランジ部77にインプットシャフト32の大径部32aの軸方向端面を当接させることにより、インプットシャフト32の軸方向の移動をフランジ部77によって規制し、各ドライブギア33〜37と各ドリブンギア42〜46の噛み合いが軸方向にずれてしまうのを防止して、各ドライブギア33〜37と各ドリブンギア42〜46の噛み合いを確実に行うことができるようにしている。
ところで、フランジ部77の近傍に位置するフォースドライブギア36は軸方向に対して45°のねじれ角を有するはすば歯車から構成されているため、フォースドライブギア36とフォースドリブンギア45が噛合してフォースドライブギア36とフォースドリブンギア45がインプットシャフト32と共に回転するときに、フォースドライブギア36とフォースドリブンギア45との噛み合いによってフォースドライブギア36が図1中、左方向に荷重を受けることがあり、この際にフォースドライブギア36がフランジ部77の軸方向一端面を押圧する。
ここで、インナーレース74に加わる荷重分布、またはインナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の圧入代が周方向に均一でない場合には、フォースドライブギア36から入力される荷重が相対的に高い部位、または圧入代が小さい部位を起点としたモーメントM3が発生する。
例えば、図4に示すように、インナーレース74に加わる周方向の荷重分布が高い部位、またはインナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の圧入代が小さい部位を、インナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の下方とし、この部位を起点A1とすると、この起点A1に対してインプットシャフト32の中心軸を挟んだ反対側の部位、すなわち、インナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の上部側の圧入面がインナーレース74に加わる周方向の荷重分布が相対的に低い部位、またはインナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の圧入代が大きい部位となる。
本実施の形態では、フォースドライブギア36から軸方向荷重を受けるフランジ部77が、インプットシャフト32の大径部32aの軸方向端面に当接するとともにインナーレース74の軸方向端面との間に隙間を形成し、筒状部76が、インプットシャフト32の小径部32bとインナーレース74の間に圧入嵌合して配置されるので、フランジ部77に入力された荷重F3がインナーレース74の内周部と筒状部76の外周部の圧入面に荷重F4として伝達されることになる。
このため、インナーレース74の内周部と筒状部76の外周部の圧入面への入力荷重F4は、図11(a)(b)で示す従来例のように、起点Aからインナーレース28におけるフォースドライブギア6の軸方向荷重の入力部Bまでの距離とならずに、図4に示すようにインプットシャフト32の中心軸側になる。そして、このモーメントアームは、起点A1からインナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の圧入面までの距離Lとなり、インナーレース74の抜け側のモーメントM3は、F4×L(以下、式3という)となる。
また、このとき、起点A1に対してインプットシャフト32の中心軸を挟んだ反対側の部位におけるインナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の圧入面C1を起点A1からのモーメントの作用面とすると、この圧入面C1の摩擦力によってインナーレース74がカラー部材75から抜け出るのを阻止する方向F5に摩擦抵抗側のモーメントM4が発生する。
ここで、インナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の圧入面の軸方向の摩擦荷重をF5とし、起点A1から圧入面C1までの距離をモーメントアームLとすると、インナーレース74の抜け側のモーメントM4は、F5×L(以下、式4という)となる。
但し、摩擦荷重F5は、インナーレース28および小径部2bの圧入面C1の摩擦係数をμ1、インナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の圧入面の面圧C1をP1、インナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の圧入面C1の面積をS1としたときに、μ1×P1×S1となる。
上述した式3と式4の関係から明らかなように、インナーレース74の抜け側の荷重F4が加わるモーメントアームLと摩擦荷重F5が加わるモーメントアームLは等しいため、従来に比べてインナーレース74の抜け側に発生するモーメントM3が小さくなり、インナーレース74がインプットシャフト32の小径部32bから抜け出てしまうのを抑制することができる。
なお、インナーレース74に加わる周方向の荷重分布が高い部位、またはインナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の圧入代が小さい部位は、インナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の周方向の任意の部位であれば、この部位を起点A1とすると、この起点A1に対してインプットシャフト32の中心軸を挟んだ反対側の部位の圧入面がインナーレース74に加わる周方向の荷重分布が相対的に低い部位、またはインナーレース74の内周部とカラー部材75の外周部の圧入代が大きい部位となる。
この場合でも、上述したような理由でインナーレース74の抜け側の入力荷重F4が加わるモーメントアームLと摩擦荷重F5が加わるモーメントアームLの長さを等しくすることができる。
このように本実施の形態では、インプットシャフト32の小径部32bとインナーレース74の間にカラー部材75を介装し、このカラー部材75のフランジ部77をインプットシャフト32の大径部32aの軸方向端面に当接させるとともにインナーレース74の軸方向端面との間に隙間を形成し、カラー部材75の筒状部76をインプットシャフト32の小径部32bとインナーレース74の間に圧入嵌合して配置したので、インナーレース74の抜け方向の入力荷重F3を、フランジ部77から筒状部76の外周部とインナーレース74の内周部の圧入面に入力荷重F4として伝達することができる。
このため、インナーレース74がインプットシャフト32の小径部32bから抜け出るのを阻止する摩擦抵抗側のモーメントM4のモーメントアームLと、インナーレース74の抜け方向側のモーメントM3のモーメントアームLを等しくすることができ、インナーレース74をインプットシャフト32の小径部32bから抜け難くすることができる。
このため、インナーレース74とアウターレース72がボール部材73を介して軸方向にずれてしまうのを防止して、インプットシャフト32をフランジ部77に当接させて軸方向に移動するのを防止することができる。
このため、各ドライブギア33〜37と各ドリブンギア42〜46の噛合状態を維持しつつ、ボールベアリング71によってインプットシャフト32を安定して軸支することができる。この結果、手動変速機30を円滑に動作させることができる。
(第2の実施の形態)
図5、図6は本発明に係る軸受構造および変速機の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図5において、フランジ部77の基部にはスペーサ部77aが一体的に形成されており、このスペーサ部77aは筒状部76から放射外方に延在している。このスペーサ部77aはインナーレース74の軸方向端面に当接するようになっており、カラー部材75がインプットシャフト32の小径部32bに圧入されたときに、フランジ部77とインプットシャフト32の大径部32aの間に隙間が確保される。
ここで、インナーレース74の内周部と筒状部76の外周部の圧入面に対して、インプットシャフト32の大径部32aよりも放射外方にフォースドライブギア36からの荷重が入力しないようにするために、カラー部材75の外周部をインナーレース74の内周部に圧入する際に、フランジ部77とインナーレース74の間に隙間を形成する必要がある。しかしながら、この圧入作業においては、一定の隙間を確保するためにカラー部材75の圧入作業が面倒なものになってしまうことが考えられる。
本実施の形態では、カラー部材75をインプットシャフト32の小径部32bに圧入するときに、インナーレース74をスペーサ部77aに当接させることにより、フランジ部77とインナーレース74の間に隙間を容易に確保することができ、カラー部材75の圧入作業の作業性を向上させることができる。
なお、実施の形態では、フランジ部77の基部にスペーサ部77aを一体的に形成しているが、図6に示すように、フランジ部77の基部とインナーレース74の軸方向端面の間に環状のスペーサ81を介装し、インナーレース74の軸方向端面にスペーサ81を当接させるようにしても良い。
このようにしても、インナーレース74をインプットシャフト32の小径部32bに圧入するときに、インナーレース74をスペーサ81に当接させることにより、フランジ部77とインナーレース74の間に隙間を容易に確保することができ、カラー部材75の圧入作業の作業性を向上させることができる。
(第3の実施の形態)
図7、図8は本発明に係る軸受構造および変速機の第3の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
本実施の形態では、図7に示すように、カラー部材75の軸方向にブッシュ部材91が対向して設置されており、このブッシュ部材91は、インプットシャフト32の小径部32bを囲むようにして設けられた環状部92と、環状部92に軸方向に延在して一体的に形成され、環状部92の内径よりも大きい内径を有する突出部93とを備えている。
また、環状部92は、インプットシャフト32の小径部32bとインナーレース74との間に圧入嵌合して配置されるとともに、インナーレース74とインプットシャフト32の小径部32bとの間でカラー部材75の筒状部76の軸方向他端部の当接面76aに当接する当接面92aを有している。
また、突出部93は、環状部92からフランジ部77の軸方向他端面の方向に延在してカラー部材75の筒状部76の外周部76bとの間に間隙を形成する内周部93aと、インナーレース74の内周部が圧入嵌合される外周部93bとを備えており、突出部93の軸方向長さは筒状部76の軸方向長さよりも短く形成されている。
また、図8に示すように、突出部93の内周部93aには第1係合部としてのスプライン94が形成されているとともに、筒状部76の外周部76bにはスプライン94と係合する第2係合部としてのスプライン95が形成されており、突出部93および筒状部76はスプライン94、95を介してインプットシャフト32の周方向に係合されている。
本実施の形態では、インナーレース74に加わる周方向の荷重分布、またはインナーレース74とブッシュ部材91の圧入代が周方向に均一でない場合に、フォースドライブギア36からインナーレース74に入力される軸方向の入力荷重が相対的に高い部位、または圧入代が小さい部位を起点としたモーメントが発生したときのインナーレース74の抜け方向の入力荷重F6を、ブッシュ部材91の環状部92の当接面92aとカラー部材75の筒状部76の当接面76aに入力荷重F7として伝達することができる。
このとき、インナーレース74の内周部とカラー部材75および突出部76の外周部との圧入面C1の摩擦力によってインナーレース74がブッシュ部材91から抜け出るのを阻止する方向F5に摩擦抵抗側のモーメントが発生する。
本実施の形態では、摩擦抵抗側に生じるモーメントアームLに対してインナーレース74の抜け方向の入力荷重F6のモーメントアームL3を、その起点を同じくしてその先端をインプットシャフト32の中心側に設定することができる。
すなわち、インナーレース74の内周部と環状部76および突出部77の外周部との圧入面C1に対して、インプットシャフト32の中心軸側に位置する環状部92の当接面92aと筒状部76の当接面76aに入力荷重F7として伝達することができ、インナーレース74の抜け方向の入力荷重F6のモーメントアーム長L3を小さくすることができる。
このため、インナーレース74とアウターレース72が軸方向にずれてしまうのをより一層防止して、インプットシャフト32の大径部32aをフランジ部77に当接させて軸方向に移動するのをより一層防止することができ、ボールベアリング71によって回転軸をより一層安定して軸支することができる。
また、本実施の形態では、カラー部材75の突出部93の内周部93aにスプライン94を形成するとともに、ブッシュ部材91の筒状部76の外周部76bにスプライン94と係合するスプライン95を形成したので、カラー部材75とブッシュ部材91がインプットシャフト32の周方向に相対的に移動するのを防止することができ、カラー部材75とブッシュ部材91が磨耗により損傷するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、ブッシュ部材91の突出部93の軸方向長さを筒状部76の軸方向長さよりも短く形成したので、突出部93とフランジ部77の間に隙間を形成することができる。
このため、フランジ部77に加わったインナーレース74の抜け側の荷重F7が、カラー部材75の筒状部76よりも放射外方に位置するブッシュ部材91の突出部93に伝達されてしまうのを防止して、ブッシュ部材91の突出部93よりもインプットシャフト32の中心軸側に位置する環状部92の当接面92aと筒状部76の当接面76aに伝達することができる。
したがって、摩擦抵抗側に生じるモーメントアームLに対してインナーレース74の抜け方向の入力荷重F6のモーメントアームL3を、その起点を同じくしてその先端をインプットシャフト32の中心側に設定することができ、すなわち、インナーレース74の抜け方向の入力荷重F6のモーメントアーム長L3を小さくすることができ、インナーレース74がブッシュ部材91から抜け難くすることができる。この結果、ボールベアリング91をインプットシャフト32の小径部32bからより一層抜け難くすることができる。
なお、上記各実施の形態では、本発明の軸受構造を手動変速機30に適用しているが、少なくとも回転軸の軸方向の移動を規制するようにして回転軸を支持体に回転自在に支持するとともに、大径部の近傍に位置して大径部の外周部に取付けられた外装部材により、軸受部材に軸方向荷重が作用する軸受構造であれば、その他の如何なる装置に適用することができることは言うまでもない。また、外装部材としては、フォースドライブギア36に限らず、回転軸の大径部の外周部に取付けられ、軸受部材に軸方向荷重を作用する部材であれば、如何なる部材であっても良い。
また、本実施の形態では、軸受部材としてボールベアリング71を用いているが、インプットシャフト32やアウトプットシャフト41が軸方向に移動するのを規制する構成を有する軸受であれば、その他の軸受部材を用いても良い。
以上のように、本発明に係る軸受構造および変速機は、軸受部材を回転軸から抜け難くして、回転軸を安定して軸支することができるという効果を有し、車両の手動変速機等に設けられた回転軸を支持体に回転自在に支持する軸受構造およびその軸受構造を備えた変速機等として有用である。
本発明に係る軸受構造および変速機の第1の実施の形態を示す図であり、変速機の断面図である。 本発明に係る軸受構造および変速機の第1の実施の形態の軸受構造の断面図である。 本発明に係る軸受構造および変速機の第1の実施の形態のカラー部材の斜視図である。 本発明に係る軸受構造および変速機の第1の実施の形態のインナーレースに加わる軸受構造の入力荷重の方向とモーメントの方向を示す図である。 本発明に係る軸受構造および変速機の第2の実施の形態の軸受構造の断面図である。 本発明に係る軸受構造および変速機の第2の実施の形態の他の形状の軸受構造の断面図である。 本発明に係る軸受構造および変速機の第3の実施の形態の軸受構造の断面図である。 本発明に係る軸受構造および変速機の第3の実施の形態のカラー部材と一部を断面で示すブッシュ部材の斜視図である。 従来の変速機の断面図である。 従来の変速機に用いられる軸受構造の断面図である。 (a)は従来のボールベアリングのインナーレースに加わるモーメントのモーメントアームを示す図、(b)はそのインナーレースに加わるモーメントの方向を示す図である。
符号の説明
30 手動変速機(変速機)
32 インプットシャフト(回転軸)
32a 大径部
32b 小径部
36 フォースドライブギア(第1変速歯車、外装部材)
45 フォースドリブンギア(第2変速歯車)
75 カラー部材
76 筒状部
77 フランジ部
77a スペーサ部
81 スペーサ
91 ブッシュ部材
92 環状部
93 突出部
94 スプライン(第1係合部材)
95 スプライン(第2係合部材)

Claims (7)

  1. 大径部および前記大径部に連続し、前記大径部よりも小径に形成された小径部を有する回転軸を支持体に回転自在に支持する軸受部材を備え、前記大径部の近傍に位置して前記大径部の外周部に取付けられた外装部材により、前記軸受部材に軸方向荷重が作用する軸受構造であって、
    前記軸受部材と前記回転軸の小径部の間にカラー部材を介装し、
    前記カラー部材が、筒状部および前記筒状部の回転軸方向端部に放射外方に延在して一体的に形成され、前記外装部材の軸方向荷重を受けるフランジ部を有し、
    前記フランジ部が、前記回転軸の大径部の回転軸方向端面に当接するとともに前記軸受部材の回転軸方向端面との間に隙間が形成され、
    前記筒状部が、前記回転軸の小径部と前記軸受部材の間に圧入嵌合して配置されたことを特徴とする軸受構造。
  2. 前記フランジ部の基部にスペーサ部を一体的に形成し、前記軸受部材の回転軸方向端面に前記スペーサ部を当接させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の軸受構造。
  3. 前記フランジ部の基部と前記軸受部材の回転軸方向端面の間にスペーサを介装し、前記軸受部材の回転軸方向端面に前記スペーサを当接させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の軸受構造。
  4. 大径部および前記大径部に連続し、前記大径部よりも小径に形成された小径部を有する回転軸を支持体に回転自在に支持する軸受部材を備え、前記大径部の近傍に位置して前記大径部の外周部に取付けられた外装部材により、前記軸受部材に軸方向荷重が作用する軸受構造であって、
    前記軸受部材と前記回転軸の小径部の間にカラー部材およびブッシュ部材を介装し、
    前記カラー部材が、筒状部および前記筒状部の回転軸方向一端部に放射外方に延在して一体的に形成され、前記外装部材の軸方向荷重を受けるフランジ部を有し、
    前記フランジ部が、前記回転軸の大径部の回転軸方向端面に当接するとともに前記軸受部材の回転軸方向端面との間に隙間が形成され、
    前記筒状部が、前記回転軸の小径部と前記軸受部材との間に圧入嵌合して配置され、
    前記ブッシュ部材が、環状部および前記環状部に回転軸方向に延在して一体的に形成され、前記環状部の内径よりも大きい内径を有する突出部を有し、
    前記環状部が、前記回転軸の小径部と前記軸受部材との間に圧入嵌合されるとともに、前記筒状部の回転軸方向他端部に当接するように配置され、
    前記突出部が、前記フランジ部の端面の方向に延在して前記筒状部の外周部との間に間隙を形成する内周部および前記軸受部材の内周部に圧入嵌合される外周部を有することを特徴とする軸受構造。
  5. 前記ブッシュ部材の突出部の内周部に形成された第1係合部と、前記カラー部材の筒状部の外周部に形成され、前記第1係合部と前記回転軸の周方向において係合する第2係合部とを有することを特徴とする請求項4に記載の軸受構造。
  6. 前記突出部の回転軸方向長さを、前記筒状部の回転軸方向長さよりも短くしたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の軸受構造。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の軸受構造を有する変速機であって、
    回転軸の前記大径部の外周部に取付けられ、前記回転軸方向に対して所定角度傾斜するねじれ角を有する第1変速歯車と、前記回転軸方向に対して所定角度傾斜するねじれ角を有し、前記第1変速歯車に噛合する第2変速歯車とを備え、前記外装部材が前記第1変速歯車から構成されることを特徴とする変速機。
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