JP4236751B2 - 医療用粘着テープ若しくはシート、並びに救急絆創膏 - Google Patents

医療用粘着テープ若しくはシート、並びに救急絆創膏 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医療用粘着テープ若しくはシート、並びに救急絆創膏に関する。具体的には、医療用途における貼付用品、特に巻絆、サージカルテープ、絆創膏、パップ剤、ドレッシング材、創傷保護剤、経皮吸収薬剤等の分野に用途があり、特に皮膚への刺激を受けやすい老人、乳幼児、病弱な人への使用に好適な医療用粘着テープ若しくはシート、並びに救急絆創膏に関する。
【0002】
【従来の技術】
救急絆創膏、サージカルテープなどの各種医療用粘着テープ若しくはシートに用いられる支持基材用のフィルムとして、従来よりカレンダー法やゾルキャスト法により作成された可塑化ポリ塩化ビニルを主成分としたフィルムが数多く使用されてきた。
【0003】
この可塑化ポリ塩化ビニルを主成分とした支持基材用フィルムは、引張初期においては高い応力を示すが、時間の経過と共に急激に応力緩和が起きるという特性を有している。この応力緩和は塩化ビニルフィルムの可塑性に伴うものである。このような特性を有する支持基材用フィルムを用いた粘着テープ(シート)を皮膚に貼付した場合には、貼付後次第に引張応力が緩和され、皮膚への負担が軽減される結果となる。このように、可塑化ポリ塩化ビニルを主成分とした支持基材用フィルムを用いることにより、貼付時にはほど良い応力によって貼付作業性が確保されると共に、その後の応力緩和により引っ張り感がなくなり、物理的な皮膚刺激が軽減される。これにより、操作性と低刺激性の両面性を確保できる。
【0004】
しかしながら、上記可塑化ポリ塩化ビニルを用いた場合には、多量の可塑剤を含有するため、当該フィルムから粘着剤層へ可塑剤が移行する結果、粘着力の低下や凝集力の低下を導き、粘着剤が変質する、あるいは粘着剤が流動し、貼付部位周辺部が汚れる等の欠点があった。
【0005】
また、当該フィルムは塩素を含有しており、近年環境問題の観点からその後処理について対策が求められている。
【0006】
このため、医療用途に限らず、塩化ビニルに替わる材料として、柔軟で、かつ伸縮性を有する熱可塑性樹脂の開発が積極的に行われ、オレフィン系樹脂やエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)系樹脂あるいはエラストマー系等樹脂において、数々の熱可塑性樹脂の商品化がなされている。
【0007】
具体的に挙げて言えば、例えばエチレンメタクリレート(EMA)系樹脂、非晶質ポリアルファオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)系樹脂、オレフィン系EMAブレンド物、ポリウレタン系樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)系樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)系樹脂などが挙げられる。中でもエラスチックな非塩素系材料として熱可塑性エラストマー(TPE)樹脂が、上記目的を達成する有力な候補として近年盛んに検討されてきている。
【0008】
熱可塑性エラストマー樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー(SBS)等のスチレン系熱可塑性エラストマー(SBC)がまず開発されており、その後塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)やオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、エステル系(TREE)などのエンプラ系TPEなどが開発されてきている。特に、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、耐候性、価格の面でポストポリ塩化ビニルに最も近い位置にあるものである。
【0009】
また、近年では傷が付きにくいように改良されたTPOが開発されており、新規な高ブレンドタイプの水素添加スチレンブタジエンゴム(水素添加SBR)をブレンドしたポリプロピレン系アロイが挙げられる。
【0010】
しかしながら、塩化ビニル樹脂の代替として挙げられるこれらの各種樹脂において、医療用の用途としては上記熱可塑性エラストマーの一部が、輸液バックや人工透析用廃液バック、輸液チューブなど一部の領域においてのみ利用されているに過ぎない。
【0011】
一方、上記した非晶質ポリアルファオレフィン系樹脂などの軟質オレフィン等も塩化ビニル樹脂の代替フィルムとして医療用の支持基材用フィルムにその適用が試みられているが、次に述べる点で最適なものであるとは言えない。
【0012】
すなわち、どのような強さの張力や伸びに対しても低応力であり、医療現場における貼付時の操作性が非常に悪かったり、あるいは、変形時の応力が逆に高すぎて、貼付中に皮膚へ絶えず張力が掛かるため、物理的刺激が強くなるという問題があった。
【0013】
このように、これまでの脱塩化ビニル系樹脂をそのまま医療用粘着テープ(シート)の支持基材用フィルムとして用いるだけでは、貼付時の操作性と皮膚刺激性の相反する性質を十分に満足できなかった。
【0014】
このような観点から、塩化ビニル系樹脂と同様の応力緩和性を有する医療用粘着テープの支持基材用フィルムとして、本来工業用途としての素材である熱可塑性エラストマーを改良したものが、次に示すように数多く提案されてきている。
【0015】
これまでのオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ポリプロピレン(PP)をハードセグメントとして、エチレンプロピレンゴム(EPR)をソフトセグメントとするブレンド系熱可塑性エラストマーが中心であったが、一般的な単純ブレンド物であるPP/EPRでは、塩素系熱可塑性エラストマー(TPVC)に比べて圧縮永久歪みに劣る。そこで、PP/EPRブレンド時にEPRを架橋させながらPP中に僅かながら分散させることにより圧縮永久歪みを改良した動的架橋オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)が、まずポリ塩化ビニル樹脂の代替樹脂として検討されている。
【0016】
このような重合段階で直接生産可能なオレフィン系熱可塑性エラストマー(リアクターTPO)として、例えば、Rexene社のFPO(Flexible Poly Olefins)、Montell Polyolefins社製のキャタロイ(Catalloy)樹脂や、徳山曹達社製のPER樹脂が挙げられる。
【0017】
キャタロイ樹脂は、重合段階でオレフィン系樹脂にエチレンプロピレンゴムをアロイ化させた樹脂であって、他の柔軟性樹脂(PVCやPE系樹脂など)に比べ、耐熱性や引き裂き、突き刺し強度に優れた特性を有している。これは、ポリオレフィンの重合リアクターでのアロイ化を可能にした重合プロセス技術により得られ、多段の気相重合リアクターからなり、おのおの独立に重合が行われ、それぞれのリアクターで得られたポリマーがアロイ化された状態で最終製品として取り出される。この方法においては、重合段階で合成ゴム(エチレンプロピレンゴム)がブレンドされ、押出機等によるブレンドに比べてはるかに高いゴム含量のものが得られる。このような樹脂では、EPR相が三次元的に連続したマトリックスを形成し、PP結晶ラメラがその中に分散している相構造をとっている。この結果、ポリオレフィンの高弾性とゴムの柔軟性とを緊密に調和させることが可能となり、高い初期弾性力と迅速な応力緩和性を有するようになる。
【0018】
また、非晶質性のオレフィン系樹脂として、宇部興産(株)製のAPAO樹脂及びCAP樹脂がある。これらの樹脂は従来のオレフィン系樹脂に比べて、柔軟性、耐熱性が優れており、また、比較的応力緩和性に優れたものである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したキャタロイ樹脂や非晶質ポリアルファオレフィン系樹脂を用いた場合においても、事実上初期応力が高すぎて貼付直後の引っ張り感が強い場合がある。また、一定以上緩和した後には緩和傾向が極端に鈍くなってしまい、応力緩和による柔軟化に限界が認められる傾向がある。特に、皮膚への小さな負荷でもそれが持続的に残存してしまうと、使用者によっては明確な皮膚刺激として現れることがあった。
【0020】
さらに、風合いが悪く、医療用粘着テープや救急絆創膏に用いた場合には、見た目にも悪いものとなってしまう。
【0021】
本発明は上記欠点に鑑みてなされたものであって、ポリ塩化ビニル樹脂製の支持基材用フィルムの代替をなすものとして、適度な柔軟性と応力緩和性を有すると共に風合いのよい支持基材を用いることにより、屈曲部などの貼付に適した医療用粘着テープ(シート)及び救急絆創膏を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の医療用粘着テ−プ若しくはシートは、支持基材上に粘着剤層を直接若しくは間接的に積層してなる医療用粘着テープ若しくはシートであって、前記支持基材が熱可塑性樹脂100重量部に対しケイ酸化合物25〜150重量部を含有してなる組成物からなることを特徴としている。なお、本発明の粘着テープ若しくはシートにあっては、幅広のシート状物及び幅狭のテープ状物のいずれをも含む概念で用いられるものである。また、本発明の医療用粘着テープ若しくはシートには、延伸処理により多孔質化された支持基材を用いたテープ若しくはシートは含まれない。
【0023】
本発明において、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマー(TPE)及び/又は熱可塑性プラストマーとのブレンド物、ポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマー及び/又は熱可塑性プラストマーとの共重合物が用いられる。この中でも、柔軟で、かつ伸縮性を有するものが好ましく用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独若しくは2種以上を適宜混合して用いることもできる。
【0024】
当該熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−プロピレンブロック共重合体などのスチレン系熱可塑性エラストマー(SBC)、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−1−ブチレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)、フッ素系熱可塑性エラストマー、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0025】
また、熱可塑性プラストマーとしては、これらの熱可塑性エラストマーと同様な材質からなるものが挙げられ、上記熱可塑性エラストマーの製造条件を変更して得られるプラストマーを用いることができる。
【0026】
さらにポリプロピレン系樹脂を単独で用いたり、ポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマー及び/又はプラストマーとのブレンド物あるいはポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマー及び/又はプラストマーとの共重合物を用いる場合には、非晶質性若しくは低結晶性のポリオレフィン系樹脂(プロピレン系ポリオレフィン)とするのが特に好ましい。このように樹脂中の結晶質部分の割合を従来のポリプロピレン系樹脂に比べて大幅に減らすようにしたポリオレフィン系樹脂とすることにより、応力緩和性や柔軟性をより一層高めることができる。また、このような非晶質性若しくは低結晶性のポリオレフィン系樹脂を用いることにより、多量のケイ酸化合物を配合できる点でも有利なものとなる。
【0027】
これらの非晶質性若しくは低結晶性ポリオレフィン系樹脂は1種のみならず2種以上を適宜混合して用いることも可能である。すなわち、非晶質性若しくは低結晶性のポリプロピレン系樹脂を単独で用いてもよく、非晶質性若しくは低結晶性のポリプロピレン系樹脂に熱可塑性エラストマー及び/又はプラストマーをブレンドして用いてもよく、あるいは非晶質性若しくは低結晶性であるポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマー及び/又はプラストマーとの共重合物を単独若しくは他の樹脂等とブレンドして用いることもできる。
【0028】
また非晶質性若しくは低結晶性ポリオレフィン系樹脂の割合は、支持基材用フィルムの形成材料全重量に対し、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上となるように設定するのがよい。30重量%よりも少ない場合には、期待する応力緩和性や柔軟性を得ることが困難になる。
【0029】
このような非晶質性若しくは低結晶質性ポリオレフィン系樹脂を得る具体的な製造方法としては、いくつかの方法が提案されており、例えば、特開平4−224809号公報に記載された方法が挙げられる。ここでは、チタン担持型触媒として、三酸化チタンと塩化マグネシウムを共粉砕し、オルトチタン酸n−ブチル、2−エチル−1−ヘキサノール、p−トルイル酸エチル、四塩化ケイ素、フタル酸ジイソブチル等で処理した球状で平均粒径15μmのものが使用され、アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウム等のアルキルアルミニウムを用い、さらに重合槽において電子供与体としてケイ素化合物、特にジフェニルジメトキシシランを添加し、またヨウ化エチルも添加されている。
【0030】
本発明にあっては、これらの非晶質性若しくは低結晶性ポリオレフィン系樹脂に、弾性率、伸び等を適宜調整する為、結晶性のポリプロピレン系樹脂をブレンド若しくは共重合させてもよい。
【0031】
また本発明においては、非晶質性若しくは低結晶性ポリオレフィン系樹脂及び/又は結晶性ポリプロピレン系樹脂として、変性したものを使用することができる。当該変性樹脂としては、上記非晶質性若しくは低結晶性ポリオレフィン又は結晶性ポリプロピレンを、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、エタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸及び/又はそれらのエステル、酸無水物、金属塩等、これらの誘導体を用いて変性したものが用いられる。
【0032】
また、これら非晶質性又は低結晶性ポリオレフィン系樹脂と結晶性ポリプロピレン系樹脂をブレンドする場合には、非晶質性又は低結晶性ポリオレフィン系樹脂を30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%となるように調整するのがよい。非晶質性又は低結晶性ポリオレフィン系樹脂が30重量%未満では、得られた支持基材用フィルムが降伏点を有するようになり、本発明の用途には適さなくなる。
【0033】
また、結晶性ポリプロピレンに軟質フィルムの特徴を出すためには、融点が150℃以下のプロピレン系ランダム共重合体を用いるのが好ましい。
【0034】
本発明の医療用粘着テープ若しくはテープに使用される支持基材は、上記した熱可塑性樹脂100重量部に対しケイ酸化合物25〜150重量部を含有する組成物からなる。
【0035】
ここでケイ酸化合物とは、ケイ酸を含有する無機化合物を意味し、具体的には、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ケイソウ土、シリカ、カオリン、ベントナイト、パーライト、活性白土、マイカ、タルク、クレー、アスベスト、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ等が挙げられる。
【0036】
この中で、ゼオライト及びタルクは、他のケイ酸化合物に比べ、軟質プロピレン系フィルムの剛性を上げることなく応力緩和性を向上させることができ、しかもケイ酸化合物の配合調整を容易に行える点でメリットがある。
【0037】
ゼオライトは、一般に三次元骨格構造を有するアルミノシリケートの総称であって、一般式として、xM2/nO・Al23・ySiO2・zH2Oで表される。ここで、Mはイオン交換可能なイオンを表し、通常は1価又は多価の金属イオンである。nはイオン交換可能なイオン(金属イオン)の原子価である。また、x及びyはそれぞれ金属酸化物、シリカのモル系数、zは結晶水のモル数を表している。
【0038】
本発明においては、天然ゼオライトや合成ゼオライトを問わず用いることができ、例えば、天然ゼオライトとしてはモルデナイト(モルデン沸石)やエリオナイト(毛沸石)、クリノブチロライト、チャバザイト(斜方沸石)などが挙げられる。合成ゼオライトとしてはA型ゼオライトやX型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、オメガ型ゼオライトなどが挙げられる。また、これらのうちから選ばれた少なくとも1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0039】
これらの内、合成ゼオライトは純度が高く、粒子の均一性に優れる点でより効果的であり、一方天然ゼオライトは不純物が多いものの低価格であって、経済性に優れている。これらのゼオライトは、使用目的等に応じて適宜選択して用いればよく、またそれらを混合して用いることもできる。
【0040】
またケイ酸化合物の粒径としても特に制限されるものではないが、平均粒径0.5〜150μm、さらに望ましくは0.5〜35μmのものが好適に用いられる。150μmよりも大きな粒径を有するケイ酸化合物を用いた場合には、得られた支持基材用フィルムにいわゆるフィッシュ・アイ現象が増加するため、商品価値が低下する。この点、上記範囲内にある粒径のものを用いた場合には、表面に斑点の目立たない支持基材用フィルムを得ることができる。特に、ゼオライト粒子を用いる場合には、同様の理由から30μm以下の粒径のものを用いるのが好ましい。
【0041】
上記支持基材は、上記熱可塑性樹脂とケイ酸化合物とを混合して得られるものであるが、これらの混合物に所望により、各種の添加剤や充填剤を加えることができる。例えば、添加剤としては、耐熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難然剤、顔料又は染料が挙げられ、充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、クレー等などの各種無機有機の充填剤が挙げられる。
【0042】
特に、熱や空気中酸素及び光による障害に対する安定性を挙げるため、とりわけ、カーボンブラックや2,2−チオ−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート並びに他の種々の公知のアミン安定剤及びフェノール安定剤を添加するのが好ましい。
【0043】
また上記混合物には、種々の高分子系の相溶化剤や樹脂改良剤を用いることで、樹脂同士の相溶化性を高めるだけでなく、ケイ酸化合物と樹脂間の相溶性を高め、ケイ酸化合物による支持基材用フィルムの耐衝撃性や延伸性、柔軟性、透明性等の悪化を防止することができる。
【0044】
このような高分子相溶化剤(若しくは樹脂改良剤)として、具体的には、スチレン−ブタジエンゴムの水素添加物又はそのマレイン化物、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合物、エチレン−メタクリル酸グリシジルエステル共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトエチレンポリプロピレンゴム、アクリル酸グラフトポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル/エチレン−プロピレン−ジエン/ポリオレフィン系グラフト共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体の金属塩、塩素化パラフィンなどが挙げられる。
【0045】
これらの相溶化剤(樹脂改良剤)は、通常フィルム形成用樹脂組成物全体量に対して、0.1〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%を添加することができる。0.1重量%未満であれば支持基材用フィルムの成形性や延伸性、透明性、柔軟性の何れかが顕著に損なわれる。また、40重量%を越えると、得られたフィルムの耐熱性あるいは支持基材としての操作性、耐ブロッキング性の低下が明瞭に認められるようになる。ちなみに、前記極性基含有エチレン共重合体を上記配合可能量の範囲で添加した場合にも、ポリプレピレン本来の耐熱性は損なわれず、120〜130℃で30分以上加熱しても、得られたフィルムの収縮。変形、変色等の変質は認められなかった。
【0046】
支持基材用フィルムは、上記各成分を混合して成形されるが、この時の調整方法としては特に制限されるものではなく、従来から公知の種々の混練機、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等の各種混練機、あるいは一軸若しくは二軸押出機等を用いて加熱溶融混練して、通常ペレット状若しくは塊状のものに一旦形成される。
【0047】
この樹脂ペレット若しくは塊を使用して次いでフィルム状に加工される訳であるが、フィルム成形にあってもその方法は特に限定されるものではなく、従来から公知であるTダイ法、インフレーション法、カレンダー法、圧延法等により所定の厚みに成形することができる。また、必要に応じてアニール処理を施すことにしてもよい。もちろん、樹脂ペレットとすることなく、上記樹脂組成物を混練して、樹脂ペレットを経ることなく直ちにフィルム状に加工するなど一貫製造することができるのは言うまでもない。
【0048】
支持基材用フィルムの厚さとしても特に限定されるものではなく、使用目的に応じて適宜設定される。一般的には約2〜1000μmの範囲に成形される。2μm未満では、いわゆる腰が足りなくなったり、取り扱いが困難になる。また、1000μmを越えると、柔軟性に欠ける。
【0049】
このとき、引張試験機のチャック間距離を20mm、サンプル幅を20mmとし、300mm/minの速度で長手方向に10%伸長させた時、その伸長直後の引張応力が200〜2500g/mm2、好ましく300〜1600g/mm2の範囲となるように樹脂材料のグレード、配合比、フィルム厚み等を調整するようにする。上記引張応力が200g/mm2を下回ると、例えば巻絆を貼り付ける際に支持体が伸びきってしまい貼付時の操作性、風合い、さらには輸液チューブ等の皮膚への固定性など本発明の有益な特性が損なわれる。一方、2500g/mm2を越えると、柔軟性がなくなり、皮膚貼付時の密着性や皮膚への追従性、風合いなどが減じられる。なお、ここでいう長手方向とは、巻絆なら巻き方向、絆創膏なら通常長軸方向といった具合に、使用時に張力がかかりやすい方向を示す。但し、医療用ドレッシング材のように四方に張力がかかる可能性の大きい場合には、一方向に限定されるものではない。
【0050】
また、本発明の医療用粘着テープ(シート)における支持基材には、上記支持基材用フィルムを単層として用いるだけでなく、種々の特性を付加する目的で、必要に応じて積層フィルムに加工された積層体が用いられる。積層されるフィルムとしては、上記の支持基材用フィルムに限らず、これ以外の各種プラスチックフィルム若しくは不織布、多孔質膜等を挙げられる。また、積層する場合には、上記の支持基材用フィルムを単純積層するだけでなく、これ以外のフィルム等を交互に積層することが好ましく、このとき、積層体の片面若しくはその両面に、上記支持基材用フィルム以外のフィルム等が現れるようにするのが望ましい。
【0051】
このように上記支持基材用フィルムに異なる材質のフィルムを積層することによって、投錨性の付与(向上)、アンチブロッキング性の付与、粘着剤成分のブリードの防止等の機能を発揮するものである。これらの機能が効果的に発揮されるようにフィルムの厚さや積層する枚数を調整するのがよい。また、ケイ酸化合物は上記積層基材のいずれの層にも含有させることができる。
【0052】
このとき支持基材として応力緩和比を60%以下となるように調整するのが好ましい。このように応力緩和比を60%以下にすることにより、貼付後の引っ張り感を感じさせることがなくなる。さらに、刺激に対して敏感な人を考慮すれば、応力緩和比を40%以下となるように設定するのが望ましい。
【0053】
本発明に係る医療用粘着シートは、こうして得られた支持基材の片面若しくはその両面に粘着剤層が形成されてなることを特徴としている。
【0054】
粘着剤層に用いられる粘着剤としても特に限定されるものではないが、通常の医療用粘着シートに用いられるものであればよく、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤など適当な粘着剤を1種若しくは2種以上を用いることができる。
【0055】
特に皮膚への刺激性を考慮すればアクリル系粘着剤を用いるのが望ましく、また、本発明の支持基材にアクリル系粘着剤を用いた場合に、より一層応力緩和性が向上される。
【0056】
これらの粘着剤は、従来から公知の方法により、上記支持基材上に塗布され粘着剤層が形成される。このとき、粘着剤層の厚さとしても特に限定されるものではないが、概ね10〜200μm、好ましくは20〜100μmに形成するのがよい。
【0057】
さらに本発明の救急絆創膏は、上記支持基材の片面に形成された粘着剤層表面の中央域に、吸液性のパッドを備えたことを特徴としている。吸液性パッドとしては、従来から使用されている公知のものが用いられる。例えばガーゼや織布、不織布、脱脂綿と不織布との複合品、脱脂綿と編ネットとの複合品などを挙げることができる。
【0058】
また、その大きさは医療用粘着テープ等の大きさによっても異なるが、吸液性パッドの周囲に該粘着シートの粘着剤層が少なくとも2〜3mm程度露出されるような大きさに調整するのが好ましい。
【0059】
上記本発明の救急絆創膏は、粘着剤層の表面の汚染を防ぐために、使用するまで粘着剤層表面をセパレータにて被覆しておくことが好ましい。この場合、使用するセパレータは、オルガノシロキサン系ポリマーを含有する粘着剤層との離型性を良好とするため、シリコーン系の離型剤を用いたものを用いることが好適である。
【0060】
【実施例】
次に種々の支持基材を用いて実施例に係る医療用粘着シートを作製し、本発明の効果を確認した。なお、本発明は以下の実施例に限られるものでないのはいうまでもない。また、以下において、「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0061】
〔支持基材の作製〕
熱可塑性樹脂として、ホモポリプロピレン(homoPP)(商品名「グランドポリマ」、E101P、(株)グランドポリマー)、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂(EMMA)(商品名「アクリフト」、WD20、住友化学工業(株))、ポリイソプレンタイプのスチレン系エラストマー(SIS)(商品名「CarififlexTR」、TR1107、シェル化学(株))、低密度ポリエチレン(LDPE)(商品名「ペトレセン」、339、東ソー(株))、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(商品名「エバテート」、D2010F、住友化学(株))、エチレンプロピレンゴム(EPR)(商品名「JSREP」、EP01P、日本合成ゴム(株))、PP/EPR共重合体(商品名「Catalloy Adflex」、KS−021P、Montell-JPO(株))、同(KS−221P)、同(KS−353P)、非晶性ポリα−オレフィン(商品名「ウベタックAPAO」、UT2780、宇部興産(株))、APAO/PP混合物(商品名「CAP」、CAP350、宇部興産(株))、スチレン系熱可塑性エラストマー(商品名「ラバロン」、SJ4460N、三菱化成(株))、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(商品名「プリマロイ」、A1600、三菱化成(株))の計13種を用いた。
【0062】
また、ケイ酸化合物としては、シリカ(商品名「デンカ溶融シリカ」、FB−80、電気化学工業(株))、タルク(商品名「タルク」、MS−P、日本タルク(株))、同(商品名「ミクロエース」、L−1、日本タルク(株))、A型ゼオライト(商品名「シルトン」、DS、水澤化学工業(株))、A型ゼオライト(商品名「ゼオスター」、NA−100P、日本化学工業(株))、X型ゼオライト(商品名「ミズカライザー」、13Xパウダー、水澤化学工業(株))の計6種を用いた。
【0063】
また相溶化剤・樹脂改良剤として、、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体(商品名「ボンダイン」、AX−8390、アトケム(株))、溶液重合スチレンブタジエンゴム水素添加物(商品名「DYNARON」、CEBC6200P、日本合成ゴム(株))を用いた。
【0064】
比較例として、熱可塑性樹脂としては同じものを用いたが、無機フィラーとして、ケイ酸化合物の替わりに炭酸カルシウム(試薬特級、和光純薬工業(株))、マイカ(商品名「マイカ粉」、A−21、(株)山口雲母工業所)の計2種を用いた。
【0065】
これらの熱可塑性樹脂及びケイ酸化合物並びに相溶化剤・樹脂改良剤を、表1〜表5に示す配合比に従って、実施例1〜14,17〜27並びに比較例1〜10,12〜17の支持基材用フィルムを作製した。
【0066】
また支持基材用フィルムは、20lの加圧ニーダを用いて、缶体温度を125℃に加温してから、ベースポリマー(熱可塑性樹脂)を投入し、缶体を徐々に加熱しながら缶体温度が170℃になるまで混練した。170℃に昇温後、その後ケイ酸化合物(若しくは無機フィラー)を投入して30分間混練した。さらに必要に応じて相溶化剤若しくは樹脂改良剤を投入し、そのままさらに30分間混練した。そして、必要に応じてペレット状にした。
【0067】
その後当該樹脂組成物(樹脂ペレット)を用い、以下に示す圧延成形法によって作製した。
【0068】
(圧延成形法)
圧縮成形機を用いて、上記樹脂組成物(樹脂ペレット)を150〜220℃の加熱温度、80kg/cm2のプレス圧条件下において約15分間プレスした。このとき、得られたフィルム厚が80〜100μmとなるように加熱温度、プレス圧を調整した。
【0069】
〔医療用粘着シートの作製〕
上記で得た実施例13及び20並びに比較例8の支持基材用フィルムを単層で支持基材として用い、その片面にアクリル酸とアクリル酸イソオクチルエステルからなるアクリル系樹脂(配合重量比5:95)を、粘着剤層の厚さが40μmとなるように塗布し、実施例及び比較例の医療用粘着シートを得た。
【0070】
〔救急絆創膏の作製〕
上記で得た医療用粘着シートを、19mm×72mmの大きさに裁断し、粘着剤層表面の中央域に12mm×20mmの大きさのガーゼパッドを設けて、実施例及び比較例の救急絆創膏を得た。
【0071】
〔支持基材の評価試験〕
上記で得た各種支持基材用フィルムを用いて、次に示す評価試験を行なった。なお試験用サンプルとして、上記フィルムを幅20mm、長さ20mmの大きさに裁断したものを用いた。また、引張試験機(オートグラフAGS−100D、島津製作所(株))を用いて、室温23℃、湿度65%RHの条件下で測定した。また、測定に先立ち、試験用サンプルを予め同じ条件下に30分以上放置した。その結果を表1〜表に示す。
【0072】
(初期応力)
引張試験機を用いて、引張速度300mm/minで延伸し、引張応力値の変化を測定し、伸び−応力曲線を求めた。その後当該伸び−応力曲線から引張初期における引張応力(モジュラス、単位g/20mm)を求めた。
【0073】
(破断時伸び率)
同上の試験条件で引張試験を行い、試験用サンプルが破断した際の伸び率(%)を測定した。
【0074】
(弾性率)
同上の試験条件で引張試験を行い、上記伸び−応力曲線において、伸びが0mmと2mmの2点間を結ぶ直線の傾き(g/mm2)を求めた。
【0075】
(応力緩和比)
引張試験機を用いて、引張速度300mm/minで、伸長率10%となるまで延伸して、時間経過による引張応力値の変化を測定し、次式により、応力緩和比(%)を測定した。
【0076】
応力緩和比(%)=(5分後引張応力/初期引張応力)×100
なお、初期引張応力は、引張開始直後から10%延伸するまでの最大引張応力値を示す。
【0077】
(応力半減時間)
引張試験機を用いて、引張速度300mm/minで、伸長率10%となるまで延伸して、時間経過による引張応力値の変化を測定し、応力緩和曲線を求めた。その後、上記初期引張応力が、半分になるまでの時間を当該応力緩和曲線より求めた。なお、引張開始時間を0時間とした。
【0078】
(白化性)
試験用サンプルを伸長率10%の状態で5分間延伸したときの白化の有無を目視で判定した。
【0079】
(耐熱性)
支持基材用フィルムを幅20mm、長さ50mmに裁断し、当該試験用サンプルを120℃、60分間、恒温器中で吊り下げて、試験用サンプルの変形や収縮の有無を確認した。
【0080】
〔医療用粘着シートの評価試験〕
実施例及び比較例の医療用粘着シートを、それぞれ5cm×5cm(25cm2)の大きさに裁断し、これを皮膚貼付用のサンプルとした。
【0081】
得られた皮膚貼付用サンプルを、健常人12名の下腕内側(かぶれやすい部位)及び肘(屈曲部位)に24時間貼付してもらい、貼付感、皮膚接着性、皮膚刺激性について、表6に示す5段階評価により評価した。なお、皮膚刺激性については、下腕内側のみで評価し、その結果を表6に示した。
【0082】
〔救急絆創膏の評価試験〕
実施例及び比較例の救急絆創膏を健常人12名の第2指、第2関節に8時間ラップ巻きにして通常の生活を送ってもらい、貼付感、皮膚接着性、皮膚刺激性について、表7に示す5段階評価により評価し、その結果を表7に示した。
【0083】
〔試験結果〕
表1〜表5から分かるように、実施例である各支持基材用フィルムにあっては、初期応力を大幅に増減することなく、応力緩和比が低下すると共に、応力半減時間も著しく低下させることができ、本発明の目的を達成することが確認された。
【0084】
また、表6及び表7からも分かるように、本発明の実施例である医療用粘着シート及び救急絆創膏にあっては、貼付感や皮膚接着性、皮膚刺激性のいずれについても、比較例より良好な評価を得ることができた。
【0085】
【表1】
Figure 0004236751
【0086】
【表2】
Figure 0004236751
【0087】
【表3】
Figure 0004236751
【0088】
【表4】
Figure 0004236751
【0089】
【表5】
Figure 0004236751
【0090】
【表6】
Figure 0004236751
【0091】
【表7】
Figure 0004236751
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、塩化ビニル樹脂の代替品として開発された従来の支持基材に比較して、比較的短い応力緩和時間で低応力域まで緩和することができる支持基材が得ることができる。従って、長時間貼付しても皮膚に対する物理的刺激が少なく、皮膚接着性や風合いのよい医療用粘着テープ若しくはシートを提供できる。
【0093】
これにより、支持基材として塩化ビニル樹脂製フィルムとしての代替品を用いた医療用の巻絆、絆創膏、救急絆創膏、ドレッシング材、パップ剤、経皮吸収製剤等を幅広く提供できる。
【0094】
また、ケイ酸化合物を配合しているので、耐熱性及び成形性の向上が図られる。この結果、高温による加熱処理が可能になり、生産速度が向上して低コストで提供できる。さらに、加熱滅菌処理が可能になるため、簡易な滅菌方法が適用可能になり、より医療現場に使い易い医療用粘着シートや救急絆創膏を提供できる。
【0095】
また、樹脂改良剤や相溶化剤を加えることにより、より一層ブロッキング性と粘着剤に対する投錨性の調整が容易になり、さらに使い勝ってがよく、糊残りの少ない医療用粘着シート若しくはテープ、救急絆創膏を提供できる。

Claims (7)

  1. 支持基材上に粘着剤層を直接若しくは間接的に積層してなる医療用粘着テープ若しくはシートであって、
    前記支持基材が、ポリプロピレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂とエラストマー及び/又はプラストマーのブレンド物、ポリプロピレン系樹脂とエラストマー及び/又はプラストマーの共重合物から選ばれる少なくとも1種である熱可塑性樹脂100重量部に対しケイ酸化合物25〜150重量部を含有してなる組成物からなることを特徴とする医療用粘着テープ若しくはシート(但し、延伸処理により多孔質化された支持基材を用いたテープ若しくはシートを除く。)。
  2. 前記ケイ酸化合物は、ゼオライト及び/又はタルクであることを特徴とする請求項1に記載の医療用粘着テープ若しくはシート。
  3. ポリプロピレン系樹脂、若しくはポリプロピレン系樹脂とエラストマー及び/又はプラストマーの共重合物が、非晶質性若しくは低結晶性であることを特徴とする請求項1記載の医療用粘着テープ若しくはシート。
  4. 支持基材の応力緩和比が、60%以下である請求項1記載の医療用粘着テープ若しくはシート。
  5. 支持基材中に、さらに樹脂改良剤を含有してなる請求項1記載の医療用粘着テープ若しくはシート。
  6. 樹脂改良剤が、スチレン−ブタジエンゴムの水素添加物又はそのマレイン化物、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合物、エチレン−メタクリル酸グリシジルエステル共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトエチレンポリプロピレンゴム、アクリル酸グラフトポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル/エチレン−プロピレン−ジエン/ポリオレフィン系グラフト共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体の金属塩、塩素化パラフィンから選ばれる少なくとも1種である請求項5記載の医療用粘着テープ若しくはシート。
  7. 請求項1記載の医療用粘着テープ若しくはシートにおける前記粘着剤層表面の中央域に、吸液性パッドを設けたことを特徴とする救急絆創膏。
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