JP4234939B2 - 環状アセチレン化合物及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な環状アセチレン化合物、その製造法及び該化合物を用いた表示素子用材料又は光学フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現代社会はその大部分を石油化学に支えられ、生活必需品から医療分野に至るまで化学から大きな恩恵を受けてきた。しかしながら、石油化学を中心とした化石燃料の大量消費や化学製品製造の際に生じる大量の廃棄物の排出については、これまで目を背けてきたことも事実であり、21世紀も人類が安全かつ快適に生活していくには、こうした問題の解決が重要である。
一方、近年、アセチレン化合物は有機材料として注目されており、表示材料や有機エレクトロニクス等の分野で大きく期待されている。例えば、フェニルアセチレンを繰り返し単位とするような化合物は、モレキュラーワイヤーを目指して研究されている(J.ORg.Chem. 64,2070(1999)、Pure&Appl.Chem. 68,145(1996)等)。しかし、このような直線性の高い化合物は合成の工程が長い、精製の効率が悪い等の課題がある。また多環系アセチレン化合物の効率的な合成法はあまり知られておらず、更に特異な立体電子的構造を有する環状アセチレンは、合成法そのものがほとんど知られていない。従来法で合成された多環系アセチレン有機材料は、大きな分子量分布を有することから、精密な有機エレクトロニクス用又はオプトエレクトロニクス用材料には適さない。更に、多環系アセチレン有機材料の精製には膨大なエネルギーの投入が必要であり、環境への負荷が大きい。このような問題を解決するために、効率的なアセチレン化合物の合成プロセスの確立が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表示素子用材料又は光学フィルム等に利用可能な新規な環状アセチレン化合物及びその製造法、更には、該化合物を用いた表示素子用材料又は光学フィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を加えた結果、ある種の環状アセチレン化合物が、従来の直線的なアセチレン系化合物ではみられない螺旋構造を示し、かつ容易に入手できる原料から簡易に合成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明によれば、式(1)で示される環状アセチレン化合物が提供される。
【化4】
(式(1)中、環Cはベンゼン環を表し、環Dはピリジン環を表す。2個の環Cを有する括弧で括った単位と2個の環Dを有する括弧で括った単位とは順不同で良い。s及びtは各々0〜10の整数であり、s+tは1〜10である。またXは式(2)を表す。尚、式(1)及び(2)中のバイナフチル基は絶対配置で表記していないが、(R)体、(S)体又はラセミ体のいずれの場合も含む。
【化5】
式(2)中、環Aはベンゼン環を表し、環Bはピリジン環を表す。2個の環Aを有する括弧で括った単位と2個の環Bを有する括弧で括った単位とは順不同で良い。n及びpは各々0〜10の整数で、n+pは1〜10である。)
【0006】
また本発明によれば、式(IM-1)で示される化合物と、式(IM-2)又は式(IM-3)で示される化合物とを、塩基存在下で反応させることを特徴とする式(1-1)で示される環状アセチレン化合物の製造法が提供される。
【化6】
(式中、環A、環B、環C、環D、n、p、s及びtは請求項1と同じ意味を表し、各式中のバイナフチル基は絶対配置で表記していないが、(R)体、(S)体又はラセミ体のいずれの場合も含む。またR1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を表す。)
更に本発明によれば、上記式(1)で示される環状アセチレン化合物の少なくとも1種を含む材料を用いた表示素子用材料又は光学フィルムが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明の環状アセチレン化合物は、上記式(1)で表される化合物である。式(1)において、環Cはベンゼン環を表し、環Dはピリジン環を表す。s及びtは各々0〜10の整数であり、s+tは1〜10である。またXは式(2)を表す。式(2)において、環Aはベンゼン環を表し、環Bはピリジン環を表す。n及びpは各々0〜10の整数で、n+pは1〜10である。尚、式(1)及び(2)中のバイナフチル基は絶対配置で表記していないが、(R)体、(S)体又はラセミ体のいずれの場合も含む。
式(1)において、2個の環Cを有する括弧で括った単位(以下、(C)単位という)と2個の環Dを有する括弧で括った単位(以下、(D)単位という)とは順不同で良い。また、式(2)において、2個の環Aを有する括弧で括った単位(以下、(A)単位という)と2個の環Bを有する括弧で括った単位(以下、(B)単位という)とは順不同で良い。ここで、順不同とは、(C)単位及び(D)単位、若しくは(A)単位及び(B)単位とが式(1)又は式(2)に示される繰り返し単位の順である必要はなく、後述する具体例に示されるとおり、ランダムで良いことを意味する。例えば、−(D)単位−(C)単位−、−(C)単位−(D)単位−(C)単位−、−(D)単位−(C)単位−(D)単位−、−(B)単位−(A)単位−、−(A)単位−(B)単位−(A)単位−、−(B)単位−(A)単位−(B)単位−等の順で良く、夫々の単位が2以上の繰り返し単位となっていても良い。
式(1)で示される環状アセチレン化合物としては、例えば、下記構造式で示される化合物等が挙げられる。下記具体例では、構造式中のバイナフチル基が(R)体の例を示すが、該バイナフチル基は、(R)体、(S)体又はラセミ体のいずれでも良く、好ましくは(R)体又は(S)体である。
【0008】
【化7】
【0009】
【化8】
【0010】
本発明の環状アセチレン化合物は、上記式(IM-1)で示される化合物(以下、化合物(IM-1)という)と、上記式(IM-2)で示される化合物(以下、化合物(IM-2)という)又は上記式(IM-3)で示される化合物(以下、化合物(IM-3)という)とを、塩基存在下で反応させる、本発明の製造法等により得ることができ、得られる環状アセチレン化合物(以下、化合物(1)という)は、上記式(1-1)で示すことができる。上記式(IM-1)、式(IM-2)、式(IM-3)又は式(1-1)において、環A、環B、環C、環D、n、p、s及びtは上記式(1)及び(2)と同じ意味を表し、各式中のバイナフチル基は絶対配置で表記していないが、(R)体、(S)体又はラセミ体のいずれの場合も含む。またR1は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を表す。また、式(IM-3)中に示されるようなNTsは、N-トシル基を示す。
【0011】
化合物(IM-1)と化合物(IM-2)とから化合物(1)を得る反応において、化合物(IM-2)の使用量は、化合物(IM-1)に対して、通常0.5〜3倍当量、好ましくは0.8〜1.2倍当量である。また、化合物(IM-1)と化合物(IM-3)とから化合物(1)を得る反応において、化合物(IM-1)の使用量は、化合物(IM-3)に対して、通常0.5〜3倍当量、好ましくは0.8〜1.2倍当量である。
化合物(IM-1)としては、例えば、下記構造式で示される化合物等が挙げられる。下記具体例では、構造式中のバイナフチル基が(R)体の例を示すが、該バイナフチル基は、(R)体、(S)体又はラセミ体のいずれでも良く、好ましくは(R)体又は(S)体である。
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】
【化11】
【0015】
化合物(IM-2)としては、例えば、下記構造式で示される化合物等が挙げられる。下記具体例では、構造式中のバイナフチル基が(R)体の例を示すが、該バイナフチル基は、(R)体、(S)体又はラセミ体のいずれでも良く、好ましくは(R)体又は(S)体である。
【0016】
【化12】
【0017】
【化13】
【0018】
【化14】
【0019】
化合物(IM-3)としては、例えば、上記化合物(IM-2)として具体的に挙げた構造式において、-CH2SO2R1を-CH2SO(=NTs)R1とした化合物等が挙げられる。
【0020】
本発明の製造法において、化合物(IM-1)と、化合物(IM-2)又は化合物(IM-3)とを塩基存在下で反応させる方法は、例えば、これらの化合物を、カルバニオン系の塩基等の存在下に反応させた後、反応物をリン酸クロライド化合物で処理し、次いで、アルコラート系の塩基等の存在下に反応させる方法等により行うことができる。前記反応に用いる溶媒は、反応により分解しないものであれば特に限定されず、例えばTHF、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒が好ましく挙げられる。溶媒の使用量は特に限定されない。
【0021】
前記最初に用いるカルバニオン系の塩基としては、例えば、ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム等が挙げられる。カルバニオン系塩基の使用量は、化合物(IM-2)又は化合物(IM-3)の使用量に対して1〜4倍当量が好ましい。
カルバニオン系の塩基の存在下における反応は、通常、室温付近、好ましくは−5〜40℃で、特に時間は限定されないが0.5〜5時間の条件で行うことができる。但し、各化合物を塩基に加える際の系の温度は、−78℃程度等の低温が好ましい。
【0022】
前記リン酸クロライド化合物としては、例えば、クロロリン酸ジメチルエステル、クロロリン酸ジブチルエステル、クロロリン酸ジフェニルエステル等が挙げられる。該リン酸クロライド化合物の使用量は、化合物(IM-2)又は化合物(IM-3)の使用量に対して1〜5倍当量が好ましい。
リン酸クロライド化合物による処理は、前記カルバニオン系の塩基の存在下における反応により得られた反応物にリン酸クロライド化合物を加え、特に時間は限定されないが0.5〜5時間混合する方法等により行うことができる。該混合は、通常、室温付近、好ましくは−5〜40℃で、特に時間は限定されないが0.5〜5時間の条件で行うことができる。但し、該リン酸クロライド化合物を反応物に加える際の温度は、−78℃程度等の低温が好ましい。
【0023】
前記リン酸クロライド化合物による処理後に用いるアルコラート系塩基としては、例えば、t-ブチルオキシカリウム、t-ブチルオキシナトリウム、ナトリウムエチラート、カリウムエチラート等が挙げられる。該アルコラート系塩基の使用量は、化合物(IM-2)又は化合物(IM-3)の使用量に対して10〜40倍当量が好ましい。
アルコラート系の塩基の存在下における反応は、通常、室温付近、好ましくは−5〜40℃で、特に時間は限定されないが1〜10時間の条件で行うことができる。但し、該塩基を加える際の系の温度は、−78℃程度等の低温が好ましい。
【0024】
本発明の表示素子用材料又は光学フィルムは、上記式(1)で示される環状アセチレン化合物の少なくとも1種からのみか、若しくは式(1)で示される環状アセチレン化合物の少なくとも1種と他の材料とを用いて公知の方法等により作製することができる。例えば、本発明の光学フィルムを作製するには、溶媒キャスト、スピンコート、押し出し延伸等、通常の高分子フィルムの作製にしたがって同様に行うことができ、他の要素を適宜付加させることも可能である。
前記他の材料成分は特に限定されないが、重合性の基を有するモノマー化合物の使用が好ましい。
【0025】
【実施例】
以下実施例により、本発明に関してより詳細に述べるが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化合物(8)1.05gを溶解したTHF25ml溶液を仕込んだ後、n-ブチルリチウム(BuLi)のへキサン溶液(1.39mol/l)1.99mlを−78℃で加え1時間攪拌した。その後、THF50mlに溶解した化合物(9a)705mgを−78℃で滴下し室温で更に1時間攪拌した。次いで、クロロリン酸ジエチルエステル(ClP(O)(OEt)2)0.44mlを−78℃で加え室温で1時間攪拌した。次いで、t-ブチルオキシカリウム(t-BuOK)3.81gを−78℃で加えて10分間攪拌し、その後室温で3時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチし反応物を酢酸エチルで抽出し溶媒を除去した。得られた粗生成物を、ヘキサン/ジクロロメタン=1/2を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(10a)を0.114g得た。化合物(10a)のNMRスペクトルデータ及びマススペクトルデータを以下に示す。また、以上の反応式を化15に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ6.73(d,J=7.7Hz,4H)、7.05(t,J=7.7Hz,4H)、7.25 (d,J=8.0Hz,4H)、7.27(d,J=7.7Hz,4H)、7.31(t,J=7.7Hz,4H)、7.47(t,J=8.0Hz,4H)、7.49(s,4H)、7.83(d,J=8.6Hz,4H)、7.92(d,J=8.0Hz,4H)、7.96(d,J=8.6Hz,4H).
13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ89.14(4 C≡)、89.74(4 C≡)、92.07(4 C≡)、121.45(4 C)、122.96(4 C)、123.58(4 C)、126.42(4 CH)、126.49(4 CH)、126.74(4 CH)、128.04(4 CH)、128.07(4 CH)、128.13(4 CH)、128.39(4 CH)、130.56(4 CH)、130.89(4 CH)、132.49(4 C)、132.96 (4 C)、134.86(4 CH)、139.95(4 C). MS:[M+]952、化合物(10a)は螺旋構造を示し、旋光度は[α]D 29.2=+81.2(C0.995, CHCl3)であった。[M]D=+773.9.
【0026】
【化15】
【0027】
前記化15に示される反応式中の化合物(8)は次のように合成した。この反応式を化16に示す。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化合物(11)913mg、化合物(12)2.35g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Ph3P)4Pd 174mg、ヨウ化銅(I)(CuI)29mg、ジイソプロピルアミン(i-Pr2NH)10ml及びトルエン50mlを仕込んだ。続いて、75℃で12時間攪拌後、室温に冷却しフィルターで固形分を除去した。ろ液を塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。反応物を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を、ジクロロメタンに2%酢酸エチルを加えた溶液を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(8)を1.68g得た。化合物(8)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ4.10(s,4H)、6.49(s,2H)、6.64(d,J=7.6Hz,2H)、6.82(d,J=7.6Hz,2H)、6.96(t,J=7.8Hz,2H)、7.28−7.36(m,8H)、7.47−7.50(m,4H)、7.53 (d,J=8.3Hz,4H)、7.72(d,J=8.6Hz,2H)、7.95(d,J=7.0Hz,2H)、7.97(d,J=8.3Hz, 2H); 13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ62.35(2 CH2)、90.03(2 C≡)、92.65(2 C≡)、121.28(2 C)、123.54 (2 C)、126.54(2 CH)、126.56(2 CH)、126.77(2 CH)、127.97(2 CH)、127.98(2 CH)、128.04(2 CH)、128.07(2 C)、128.13(2 CH)、128.40(4 CH)、128.81(4 CH)、130.05(2 CH)、131.35(2 CH)、132.49(2 C)、132.97(2 C)、133.40(2 CH)、133.69(2 CH)、137.53(2 C)、140.31(2 C).
【0028】
【化16】
【0029】
前記化15に示される反応式中の化合物(9a)は次のように合成した。この反応式を化17に示す。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化合物(11)493mg、化合物(13)873mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム92mg、ヨウ化銅(I)15mg、ジイソプロピルアミン5ml及びトルエン25mlを仕込んだ。次いで、75℃で15時間攪拌後、室温に冷却し、フィルターで固形分を除去した。ろ液を塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。反応物を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物をn-へキサン/ジクロロメタン=1/3を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(9a)を824mg得た。化合物(9a)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ6.99(d,J=7.7Hz,2H)、7.12(s,2H)、7.26(t,J=7.7Hz,2H)、7.35−7.42(m,4H)、7.53(t,J=7.3Hz,2H)、7.64(d,J=7.7Hz,2H)、7.79(d,J=8.5 Hz,2H)、8.00(d,J=8.3Hz,2H)、8.03(d,J=8.5Hz,2H)、9.81(s,2H); 13C-NMR(CD Cl3)125MHz:δ90.86(2 C≡)、92.14(2 C≡)、121.06(2 C)、124.16(2 C)、126.56(2 CH)、126.83(2 CH)、126.95(2 CH)、127.93(2 CH)、128.08(2 CH)、128.17(2 CH)、128.20(2 CH)、128.64(2 CH)、132.53(2 C)、132.91(2 CH)、133.13(2 C)、136.11(2 C)、136.43(2 CH)、140.66(2 C)、191.28 (2 CHO).
【0030】
【化17】
【0031】
前記化16及び化17に示される反応式中の化合物(11)、(12)及び(13)は次のように合成した。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、(ブロモメチル)トリフェニルホスフォニウムブロマイド4.19g、THF90ml及びt-ブチルオキシカリウム2.24gを−78℃で仕込み1時間攪拌した。(R)-2,2'-ジホルミル-1,1'-バイナフタレン1.24gのTHF溶液10mlを加え−78℃で30分間、0℃で2時間攪拌した。その後塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチし反応物を酢酸エチルで抽出、溶媒を除去した。得られた粗生成物を、ジクロロメタン/ヘキサン=1/4を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(11)を1.21g得た。化合物(11)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ2.80(s,2H)、7.14(d,J=8.3Hz,2H)、7.29(t,J=7.5Hz,2H)、7.49(t,J=7.5Hz,2H)、7.73(d,J=8.3Hz,2H)、7.92(dd,J=7.5,8.3Hz,4H); 13C-NMR (CDCl3)125MHz:δ80.70, 82.63, 120.35, 126.28, 126.69, 126.83, 128.00, 128.07, 128.86, 132.29, 133.07, 140.32.
【0032】
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、3-ブロモベンジルブロミド10.0g、ベンゼンスルホン酸塩7.88g及びDMF80mlを仕込み、75℃で24時間攪拌した。その後塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチし反応物を酢酸エチルで抽出、溶媒を除去し化合物(12)を11.6g得た。化合物(12)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ4.26(s,2H)、7.05(d,J=7.6Hz,1H)、7.15(t,J=7.8Hz,1H)、7.19(s,1H)、7.46(d,J=7.8Hz,1H)、7.47−7.51(m,2H)、7.62−7.66(m,3H); 13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ62.11(CH2)、122.32(C)、128.51(2 CH)、128.97(2 CH)、129.38(CH)、129.99(CH)、130.21(C)、131.82(CH)、133.61(CH)、133.92(CH)、137.51(C).
【0033】
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、3-ヨウ化ベンジルアルコール7g、二酸化マンガン10.4g及びピリジン30mlを仕込んだ。次いで、40℃で39時間攪拌後室温に冷却しフィルターで固形分を除去した。ろ液を水にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。続いて、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を、酢酸エチル/ヘキサン=1/4を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(13)を4.7g得た。化合物(13)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)300MHz:δ7.30(t,J=7.9Hz,1H)、7.85(dd,J=7.9,1.1Hz,1H)、7.96 (dd,J=7.9,1.1Hz,1H)、8.22(s,1H)、9.93(s,1H).
【0034】
実施例2
化合物(9a)の代わりに化合物(9b)を用いた以外は実施例1と同様の方法で化15に示される反応式に従って化合物(10b)を得た。化合物(10b)のNMRスペクトルデータ及びマススペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ6.65(d,J=7.6Hz,4H)、7.04(t,J=7.8Hz,4H)、7.12(s,4H)、7.26−7.35(m,14H)、7.43(d,J=8.3Hz,4H)、7.46(t,J=7.5Hz,4H)、7.70(s,2H)、7.84(d,J=8.3Hz,4H)、7.94(d,J=8.0Hz,4H)、8.01(d,J=8.6Hz,4H); 13C-NMR (CDCl3)125MHz:δ88.78(4 C≡)、89.19(4 C≡)、90.12(4 C≡)、92.68(4 C≡)、121.45(4 C)、122.85(4 C)、123.38(4 C)、123.50(4 C)、126.47(4 CH)、126.62 (4 CH)、126.84(4 CH)、128.05(4 CH)、128.09(8 CH)、128.13(4 CH)、128.46(2 CH)、130.80(4 CH)、131.08(4 CH)、131.25(4 CH)、132.58(4 C)、132.98(4 C)、134.42(4 CH)、134.68(2 CH)、140.41(4 C). MS:[M+]1152、化合物(10b)は螺旋構造を示し、旋光度は[α]D 28.1=+9.2(C1.000,CHCl3);[M]D=+106.1であった。
【0035】
前記化15に示される反応式中の化合物(9b)は次のように合成した。この反応式を化18に示す。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化合物(19)1.57g、化17の反応式に示される化合物(13)1.67g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム180mg、ヨウ化銅(I)30mg、ジイソプロピルアミン10ml及びトルエン50mlを仕込んだ。次いで、75℃で12時間攪拌後、室温に冷却しフィルターで固形分を除去した。ろ液を塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。反応物を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物をn-へキサン/ジクロロメタン=1/3を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(9b)を2.18g得た。化合物(9b)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ6.71(d,J=7.7Hz,2H)、6.94(s,2H)、7.10(t,J=7.8Hz,2H)、7.30(d,J=8.0Hz,2H)、7.34−7.40(m,4H)、7.51−7.55(m,4H)、7.75(d,J=7.7Hz, 2H)、7.79(d,J=8.6Hz,2H)、7.85(d,J=7.7Hz,2H)、7.99(d,J=8.0Hz,2H)、8.01(s, 2H)、8.02(d,J=8.0Hz,2H)、10.03(s,2H); 13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ88.11(2 C≡)、90.01(2 C≡)、90.18(2 C≡)、92.60(2 C≡)、121.31(2 C)、122.51(2 C)、123.52(2 C)、124.20(2 C)、126.56(2 CH)、126.67 (2 CH)、126.86(2 CH)、128.03(2 CH)、128.08(2 CH)、128.10(2 CH)、128.13(2 CH)、129.04(2 CH)、129.06(2 CH)、130.87(2 CH)、131.29(2 CH)、132.55(2 C)、132.73(2 CH)、133.05(2 C)、134.25(2 CH)、136.41(2 C)、136.95(2 CH)、140.44(2 C)、191.39(2 CHO).
【0036】
前記化合物(19)は次のように合成した。この反応式を化18に示す。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、亜硝酸ナトリウム水溶液15mlを仕込み、2-ヨードアニリン16.2gの35%濃塩酸溶液95mlを0℃で加えた。30分間攪拌後、炭酸カリウム81.8g、ジエチルアミン(Et2NH)60ml及び水300mlの混合液にあけた。反応液を室温まで暖め1時間攪拌した。反応物を酢酸エチルで抽出し溶媒を除去した。得られた粗生成物を、n-ヘキサン/酢酸エチル=15/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(15)を21.3g得た。化合物(15)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ1.25(bR,6H)、3.75(q,J=7.1Hz,4H)、7.03(t,J=7.8Hz,1H)、7.35(d,J=7.8Hz,1H)、7.42(d,J=7.8Hz,1H)、7.78(s,1H); 13C-NMR(CDCl3) 125MHz:δ11.13(Me)、14.31(Me)、41.15(CH2)、48.73(CH2)、94.46(C)、120.24 (CH)、128.75(CH)、130.15(CH)、133.45(CH)、152.36(C).
【0037】
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化合物(15)11.0g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.10g、ヨウ化銅(I)347mg、ジイソプロピルアミン15ml及びトルエン75mlを仕込んだ。トリメチルシリルアセチレン(≡―SiMe3)5.24gを50℃でゆっくり滴下し3時間攪拌した。反応終了後室温に冷却しろ過した。その後塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチし反応物を酢酸エチルで抽出、溶媒を除去した。得られた粗生成物を、n-ヘキサン/酢酸エチル=20/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(16)を9.73g得た。化合物(16)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ0.25(s,9H)、1.26(bR,6H)、3.75(q,J=7.1Hz,4H)、7.02−7.25(m,2H)、7.35−7.37(m,1H)、7.53(s,1H); 13C-NMR(CDC13)125MHz:δ−0.09(SiMe3)、12.45(Me)、13.32(Me)、41.05(CH2)、48.27(CH2)、93.17(C≡)、105.50(C≡)、120.98(CH)、123.31(C)、123.60(CH)、128.26(CH)、128.48(CH)、150.95(C).
【0038】
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内に、化合物(16)1.13gとヨウ化メチル(MeI)20mlをアルゴンガス雰囲気下で仕込み130℃で12時間保持した。反応溶液をろ過し溶媒を除去した。得られた粗生成物を、n-ヘキサン/酢酸エチル=20/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(17)を1.07g得た。化合物(17)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ0.24(s,9H)、7.02(t,J=7.8Hz,1H)、7.41(d,J=7.8Hz,1H)、7.64(d,J=7.8Hz,1H)、7.82(s,1H); 13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ−0.12(SiMe3)、93.53(C≡)、95.81(C≡)、103.16(C)、125.14(C)、129.62(CH)、130.91(CH)、137.39(CH)、140.46(CH).
【0039】
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化合物(11)690mg、化合物(17)1.73g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム133mg、ヨウ化銅(I)21mg、ジイソプロピルアミン5ml及びトルエン30mlを仕込んだ。75℃で15時間攪拌後、室温に冷却しろ過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を、n-ヘキサン/ジクロロメタン=4/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(18)を1.37g得た。化合物(18)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ0.26(s,18H)、6.66(d,J=7.8Hz,2H)、6.78(s,2H)、7.00(t,J=7.8Hz,2H)、7.20(d,J=7.8Hz,2H)、7.33(t,J=7.2Hz,2H)、7.38(d,J=8.3Hz,2H)、7.49(t,J=7.2Hz,2H)、7.74(d,J=8.3Hz,2H)、7.95(d,J=8.6Hz,2H)、7.97(d,J=8.6Hz,2H); 13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ−0.03(2SiMe3)、90.10(2 C≡)、92.84(2 C≡)、94.49 (2 C≡)、104.27(2 C≡)、121.35(2 C)、122.99(2 C)、123.27(2 C)、126.50(2 CH)、126.62(2 CH)、126.83(2 CH)、127.90(2 CH)、128.00(4 CH)、128.04(2 CH)、130.93(2 CH)、131.01(2 CH)、132.51(2 C)、132.98(2 C)、134.67(2 CH)、140.46(2 C).
【0040】
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化合物(18)1.36g、炭酸カリウム2.9g、THF30ml及びメタノ−ル(MeOH)30mlを仕込んだ。次いで、室温で12時間攪拌後、水にあけ酢酸エチルで反応物を抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を、n-ヘキサン/ジクロロメタン=1/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(19)を1.0g得た。化合物(19)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ3.01(s,2H)、6.70(dt,J=7.9,1.4Hz,2H)、6.86(s,2H)、7.02 (d,J=7.8Hz,2H)、7.23(d,t,J=7.9,1.4Hz,2H)、7.29−7.38(m,4H)、7.46−7.51(m, 2H)、7.76(d,J=8.3Hz,2H)、7.95(d,J=7.9Hz,2H)、7.98(d,J=8.3Hz,2H);13C-NMR (CDCl3)125MHz:δ77.85(2 C≡)、82.63(2 C≡)、90.19(2 C≡)、92.69(2 C≡)、121.21(2 C)、121.97(2 C)、123.24(2 C)、126.40(2 CH)、126.66(2 CH)、126.86(2 CH)、127.95(2 CH)、128.00(2 CH)、128.03(2 CH)、128.10(2 CH)、131.23(2 CH)、131.32(2 CH)、132.43(2 C)、132.92(2 C)、134.60(2 CH)、140.40(2 C).
【0041】
【化18】
【0042】
実施例3
化合物(9a)の代わりに化合物(9c)を用いた以外は実施例1と同様の方法で化15に示される反応式に従って化合物(10c)を得た。化合物(10c)のNMRスペクトルデータ及びマススペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ6.68(d,J=7.8Hz,4H)、7.00(s,4H)、7.07(t,J=7.8Hz,4H)、7.28(d,J=7.7Hz,4H)、7.30−7.36(m,12H)、7.46(d,J=7.7Hz,4H)、7.49−7.52(m, 8H)、7.71(s,4H)、7.78(d,J=8.6Hz,4H)、7.98(d,J=8.6Hz,4H)、8.00(d,J=8.6Hz, 4H); 13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ88.77(4 C≡)、89.15(4 C≡)、89.28(4 C≡)、90.09(4 C≡)、92.64(4 C≡)、121.44(4 C)、122.87(4 C)、123.36(4 C)、123.49(4 C)、123.54(4 C)、126.60(4 CH)、126.63(4 CH)、126.85(4 CH)、128.05(4 CH)、128.09(8 CH)、128.15(4 CH)、128.53(4 CH)、130.79(4 CH)、131.05(4 CH)、131.37(8 CH)、132.58(4 C)、133.06(4 C)、134.47(4 CH)、134.71(4 CH)、140.40(4 C); MS:[M+] 1352. 化合物(10c)は螺旋構造を示し、旋光度は[α]D 29.2=−70.47 (C0.990, CHC13); [M]D=−953.9.あった。
【0043】
前記化15に示される反応式中の化合物(9c)は次のように合成した。この反応式を化19に示す。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化19に示される反応式に従って製造した化合物(105)1.20g、m-ヨウ化ベンゾアルデヒド914mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム99mg、ヨウ化銅(I)16mg、ジイソプロピルアミン5ml及びトルエン25mlを仕込んだ。次いで、75℃で15時間攪拌後、室温に冷却しフィルターで固形分を除去した。ろ液を塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。反応物を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物をn-へキサン/ジクロロメタン=1/3を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(9c)を1.38g得た。化合物(9c)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ6.70(d,J=7.9Hz,2H)、6.92(s,2H)、7.08(t,J=7.8Hz,2H)、7.29(d,J=8.0Hz,2H)、7.34−7.41(m,6H)、7.48−7.54(m,8H)、7.70(s,2H)、7.77(d, J=7.6Hz,2H)、7.79(d,J=8.6Hz,2H)、7.85(d,J=7.6Hz,2H)、7.99(d,J=8.3Hz,2H)、8.01(d,J=8.6Hz,2H)、8.03(s,2H)、10.01(s,2H); 13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ88.47(2C≡)、88.64(2C≡)、88.29(2C≡)、89.92(2C≡)、90.11(2C≡)、92.69(2C≡)、121.31(2C)、122.74(2C)、122.95(2C)、123.41(2C)、123.44(2C)、124.04(2 C)、126.52(2 CH)、126.63(2 CH)、126.83(2 CH)、128.02(2 CH)、128.05(2 CH)、128.06(4 CH)、128.51(2 CH)、128.97(2 CH)、129.02(2 CH)、130.83(2 CH)、131.05(2 CH)、131.36(2 CH)、131.58(2 CH)、132.51(2 C)、132.81(2 CH)、133.00(2 C)、134.18(2 CH)、134.51(2 CH)、136.35(2 C)、136.97(2 CH)、140.40(2 C)、191.31(2 CHO).
【0044】
【化19】
【0045】
実施例4
実施例1で製造した化合物(10a)は、次に示す方法でも合成できる。この反応式を化20に示す。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、n-ブチルリチウムのへキサン溶液(1.39mol/l)0.81mlを、化合物(20)547mgを溶解したTHF溶液50mlに加え5分間攪拌した。その後化合物(9a)286mgを溶解したTHF溶液25mlを室温で20分間以上かけて滴下した。更に1時間攪拌し、クロロリン酸ジエチルエステル0.21mlを−78℃で加え室温で1時間攪拌した。その後t-ブチルオキシカリウム1.14gを−78℃で加えて10分間攪拌しその後室温で3時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチし反応物を酢酸エチルで抽出、溶媒を除去した。得られた粗生成物を、ヘキサン/ジクロロメタン=2/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(10a)を170mg得た。
【0046】
【化20】
【0047】
前記化20に示される反応式中の化合物(20)は次のように合成した。この反応式を化21に示す。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化16等の反応式に示される化合物(11)1.0g、化21に示される反応式に従って合成した化合物(23)3.8g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム191mg、ヨウ化銅(I)32mg、ジイソプロピルアミン10ml及びトルエン50mlを仕込んだ。次いで、75℃で12時間攪拌後、室温に冷却しフィルターで固形分を除去した。ろ液を塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。反応物を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を、ジクロロメタン/酢酸エチル=24/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(20)を2.73g得た。化合物(20)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ2.37(s,6H)、4.50−4.54(m,2H)、4.68−4.74(m,2H)、6.27−6.34(m,2H)、6.63−6.65(m,2H)、6.79(d,J=6.7Hz,2H)、6.94(t,J=7.6Hz,2H)、7.24(d,J=7.4Hz,4H)、7.29−7.34(m,8H)、7.45−7.52(m,8H)、7.71(dd,J=8.6,2.5 Hz,2H)、7.86(d,J=7.0Hz,2H)、7.87(d,J=7.4Hz,2H)、7.95(d,J=8.9Hz,2H)、 7.97 (d,J=8.9Hz,2H); 13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ21.21(Me)、63.77(CH2)、90.03(C≡)、90.04(C≡)、90.06(C≡)、90.08(C≡)、92.22(C≡)、92.24(C≡)、92.25(C≡)、120.88(C)、120.95 (C)、123.25(C)、126.23(CH)、126.27(CH)、126.34(C)、126.46(CH)、126.54(CH)、126.62(CH)、126.67(CH)、127.69(CH)、127.75(CH)、127.87(CH)、127.94(CH)、128.01(CH)、128.26(CH)、128.81(CH)、128.97(CH)、130.43(CH)、131.59(CH)、131.62(CH)、132.21(C)、132.75(C)、132.78(C)、133.70(CH)、133.75(CH)、134.12 (CH)、134.26(C)、140.07(C)、140.10(C)、140.12(C)、140.14(C)、140.60(C)、 140.63 (C)、142.50(C).
【0048】
【化21】
【0049】
実施例5
化合物(9a)の代わりに化合物(9b)を用いた以外は実施例4と同様の方法で化20に示される反応式に従って化合物(10b)を得た。
【0050】
実施例6
化合物(9a)の代わりに化合物(9d)を用いた以外は実施例4と同様の方法で化20に示される反応式に従って化合物(10d)を得た。化合物(10d)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)500MHz:δ6.67(d,J=7.8Hz,4H)、7.02(s,4H)、7.06(t,J=7.8Hz, 4H)、7.28(d,J=8.0Hz,4H)、7.31−7.37(m,14H)、7.45−7.52(m,16H)、7.70(s,4H)、7.74(s,2H)、7.80(d,J=8.6Hz,4H)、7.98(d,J=8.0Hz,4H)、8.01(d,J=8.6Hz,4H).
13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ88.76(4 C≡)、89.14(4 C≡)、89.17(4 C≡)、89.24 (4C≡)、90.07(4 C≡)、92.64(4 C≡)、121.42(4 C)、122.85(4 C)、123.32(4 C)、123.36(4 C)、123.43(4 C)、123.50(4 C)、126.57(4 CH)、126.64(4 CH)、126.85(4 CH)、128.06(4 CH)、128.10(8 CH)、128.14(4 CH)、128.52(4 CH)、128.55(2 CH)、130.81(4 CH)、131.07(4 CH)、131.36(8 CH)、131.45(4 CH)、132.56(4 C)、133.03(4 C)、134.40(4 CH)、134.70(4 CH)、134.74(2 CH)、140.38(4 C). MS:[M+]1553.
化合物(10d)は螺旋構造を示し、旋光度は[α]D 29.8=−69.22(C0.795,CHCl3).
[M]D=−1075.56であった。
【0051】
前記化20に示される反応式中の化合物(9d)は次のように合成した。この一連の反応式を化22に示す。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化22に示される反応により合成した化合物(102)0.75g、炭酸カリウム2.8g、THF20ml及びメタノール40mlを仕込み、室温で12時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。次いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を酢酸エチル/n-へキサン=5/95を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(106)を0.64g得た。化合物(106)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)300MHz:δ1.28(t,J=6.4Hz,6H)、3.09(s,1H)、3.78(q,J=7.1Hz, 4H)、7.28−7.33(m,4H)、7.39−7.45(m,1H)、7.51(d,J=7.7Hz,1H)、7.59(s,1H)、7.67(s,1H).
【0052】
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化18の反応式に示される化合物(17)1.8g、化合物(106)1.64g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム300mg、ヨウ化銅(I)48mg、ジイソプロピルアミン2ml及びトルエン20mlを仕込んだ。次いで、室温で16時間攪拌後、セライトでろ過した後フィルターで固形分を除去した。ろ液を塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。次いで、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を、酢酸エチル/n-ヘキサン=5/95を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(107)を2.1g得た。化合物(107)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)300MHz:δ0.26(s,9H)、1.23−1.30(m,6H)、3.72−4.16(m,4H)、7.00−7.90(m,12H).
【0053】
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内に、化合物(107)1.09gとヨウ化メチル25mlとを仕込み130℃で12時間保持した。反応溶液をろ過し溶媒を除去した。得られた粗生成物を、n-ヘキサン/酢酸エチル=15/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(108)を1.06g得た。化合物(108)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)500MHz:δ0.26(s,9H)、7.09(t,J=7.9Hz,1H)、7.29(t,J=7.8Hz, 1H)、7.34(t,J=7.8Hz,1H)、7.43(d,J=7.9Hz,1H)、7.44−7.50(m,4H)、7.65(s,1H)、7.67−7.69(m,2H)、7.90(s,1H); 13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ−0.09(SiMe3)、88.26(C≡)、88.95(C≡)、89.20(C≡)、93.69(C≡)、95.09(C≡)、104.05(C)、123.18(2 C)、123.46(C)、123.54(C)、125.06(C)、128.36(CH)、129.85(CH)、130.72(CH)、131.43(CH)、131.49(CH)、131.59(CH)、131.77(CH)、134.64(CH)、135.06(CH)、137.42(CH)、140.19(CH).
【0054】
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化16等に示される反応式中の化合物(11)248mg、化合物(108)1.03g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム46mg、ヨウ化銅(I)8mg、ジイソプロピルアミン2ml及びトルエン10mlを仕込んだ。次いで、75℃で12時間攪拌後、室温に戻してろ過した。ろ液を塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。反応物を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を、n-ヘキサン/ジクロロメタン=3/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(109)を713mg得た。化合物(109)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)500MHz:δ0.26(s,18H)、6.70(d,J=7.6Hz,2H)、6.90(s,2H)、7.09 (t,J=7.8Hz,2H)、7.25−7.31(m,4H)、7.33−7.44(m,8H)、7.47−7.48(m,6H)、7.53(t,J=7.5H,2H)、7.67(s,2H)、7.68(s,2H)、7.79(d,J=8.6H,2H)、7.99(d,J=8.6H,2H)、7.99(d,J=8.2H,2H)、8.02(d,J=8.6H,2H); 13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ−0.11(2 SiMe3)、88.78(2 C≡)、89.10(2 C≡)、89.13 (2 C≡)、89.23(2 C≡)、90.14(2 C≡)、92.77(2C≡)、92.77(2 C≡)、95.04(2 C≡)、104.10(2 C≡)、121.36(2 C)、122.81(2 C)、123.15(2 C)、123.28(2 C)、123.38(2 C)、123.41(2 C)、123.44(2 C)、126.53(2 CH)、126.64(2 CH)、126.84(2 CH)、128.04(4 CH)、128.09(4 CH)、128.32(2 CH)、128.45(2 CH)、130.85(2 CH)、131.00(2 CH)、131.34(4 CH)、131.46(2 CH)、131.66(2 CH)、132.53(2 C)、133.00(2 C)、134.23(2 CH)、134.48(2 CH)、134.95(2 CH)、140.42(2 C).
【0055】
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化合物(109)710mg、炭酸カリウム940mg、THF30ml及びメタノール30mlを仕込み、室温で6時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。これを無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物をn-へキサン/ジクロロメタン=3/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(110)を589mg得た。化合物(110)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)500MHz:δ3.09(s,2H)、6.70(d,J=7.6Hz,2H)、6.91(s,2H)、7.08(t, J=7.8Hz,2H)、7.28−7.40(m,10H)、7.45−7.53(m,10H)、7.45−7.53(m,10H)、7.67(s,2H)、7.68(s,2H)、7.79(d,J=8.3H,2H)、7.98(d,J=8.3H,2H)、8.01(d,J=8.6H,2H); 13C-NMR(CDCl3)125MHz:δ78.05(2 C≡)、82.68(2 C≡)、88.78(2 C≡)、89.00(2 C≡)、89.21(2 C≡)、89.26(2 C≡)、90.15(2 C≡)、92.78(2 C≡)、121.34(2 C)、122.43(2 C)、122.80(2 C)、123.20(2 C)、123.23(2 C)、123.36(2 C)、123.40(2 C)、126.51(2 CH)、126.63(2 CH)、126.84(2 CH)、128.03(4 CH)、128.09(4 CH)、128.37(2 CH)、128.43(2 CH)、130.85(2 CH)、131.01(2 CH)、131.34(2 CH)、131.38(2 CH)、131.76(2 CH)、131.87(2 CH)、132.52(2 C)、132.99(2 C)、134.21(2 CH)、134.48(2 CH)、135.00(2 CH)、140.40(2 C).
【0056】
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化合物(110)560mg、化17等に示される反応式中の化合物(13)332mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム36mg、ヨウ化銅(I)6mg、ジイソプロピルアミン5ml及びトルエン25mlを仕込んだ。次いで、75℃で15時間攪拌後、室温に戻してろ過した。ろ液を塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。反応物を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を、n-ヘキサン/ジクロロメタン=1/3を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(9d)を537mg得た。化合物(9d)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)500MHz:δ6.70(d,J=7.7Hz,2H)、6.91(s,2H)、7.08(t,J=7.8Hz, 2H)、7.29(d,J=7.6Hz,2H)、7.34−7.41(m,8H)、7.47−7.53(m,12H)、7.69(s,2H)、7.74(s,2H)、7.76(d,J=7.6H,2H)、7.79(d,J=8.6H,2H)、7.84(d,J=7.7H,2H)、7.99(d,J=8.3H,2H)、8.01(d,J=8.6H,2H)、8.02(s,2H)、10.01(s,2H); 13C-NMR (CDCl3)125MHz:δ88.50(2 C≡)、88.73(2 C≡)、89.03(2 C≡)、89.19(2 C≡)、89.24(2 C≡)、89.285(2 C≡)、90.10(2 C≡)、92.70(2 C≡)、121.23(2 C)、122.69(2 C)、122.88(2 C)、123.11(2 C)、123.24(2 C)、123.27(4 C)、123.87(2 CH)、126.40(2 CH)、126.57(2 CH)、126.77(2 CH)、131.54(2 CH)、132.43(2 C)、132.62(2 CH)、132.91(2 C)、134.08(2 CH)、134.38(2 CH)、134.46(2 CH)、136.21(2 C)、136.80(2 CH)、140.31(2 C)、191.06(2CHO).
【0057】
【化22】
【0058】
実施例7
実施例3で合成した化合物(10c)は、次に示す方法でも合成できる。この反応式を化23に示す。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化合物(26)285mgを溶解したTHF溶液50mlを仕込んだ後、n-ブチルリチウムのへキサン溶液(1.39 mol/l)0.43mlを加え15分間攪拌した。その後化合物(9b)196mgを溶解したTHF溶液20mlを室温で40分間以上かけて滴下した。更に15分間攪拌し、クロロリン酸ジエチルエステルを−78℃で0.10ml加え室温で2.5時間攪拌した。その後t-ブチルオキシカリウム337mgを−78℃で加えて10分間攪拌し、その後室温で12時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチし反応物を酢酸エチルで抽出、溶媒を除去した。得られた粗生成物を、ヘキサン/ジクロロメタン=2/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(10c)を103mg得た。
【0059】
【化23】
【0060】
前記化23に示される反応式中の化合物(26)は次のように合成した。この反応式を化24に示す。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化24に示される反応に従って合成した化合物(23)3.53g、化18に示される反応式中の化合物(19) 1.66g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム191mg、ヨウ化銅(I)32mg、ジイソプロピルアミン10ml及びトルエン50mlを仕込んだ。次いで、70℃で2時間攪拌後、室温に冷却しフィルターで固形分を除去した。ろ液を塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで反応物を抽出した。反応物を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を、ジクロロメタン/酢酸エチル=25/1を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(26)を2.56g得た。化合物(26)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ2.36(s,6H)、4.74,4.88(JAB=13.9Hz,4H)、6.65−8.05(m, 46H); 13C-NMR(75MHz,CDCl3)δ21.35, 63.99, 88.39, 89.29, 90.05, 92.53, 121.18, 122.56, 123.33, 123.42, 126.45, 126.61, 126.79, 126.90, 128.00, 128.01, 128.06, 128.54, 128.60, 129.07, 129.14, 130.75, 131.05, 131.10, 132.22, 132.42, 132.95, 134.03, 134.19, 134.36, 134.50, 140.33, 140.66, 142.70.
【0061】
【化24】
【0062】
実施例8
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化合物(20)141.2mgを溶解したTHF溶液30mlを仕込んだ。n-ブチルリチウムのへキサン溶液(1.39 mol/l)0.23mlを−78℃で加え10分間攪拌した。その後化合物(24)118mgのTHF溶液8mlを30分間以上かけて滴下した。更に15分攪拌し、クロロリン酸ジエチルエステルを−78℃で0.06ml加え、次いで−78℃で1.5時間攪拌した。更に、t-ブチルオキシカリウム337mgを−78℃で加え室温で2.5時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチし反応物を酢酸エチルで抽出、溶媒を除去した。得られた粗生成物を、ヘキサン/ジクロロメタン=1/2を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(25)を34.7mg得た。化合物(25)のNMRスペクトルデータ及びマススペクトルデータを以下に示す。この反応式を化25に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ6.70(dd,J=1.1,7.7Hz,4H)、7.04(t,J=7.7Hz,4H)、7.27−7.38(m,18H)、7.46(m,4H)、7.54(t,J=7.8Hz,4H)、7.88(d,J=8.4Hz,4H)、7.94(d, J=8.1Hz,4H)、8.03(d,J=8.4Hz,4H); 13C-NMR(CDCl3)75MHz:δ88.47, 88.61, 90.11, 92.36, 121.43, 122.03, 123.64, 126.21, 126.45, 126.61, 126.73, 128.03, 128.06, 128.18, 128.41, 131.18, 131.80, 132.52, 132.97, 134.70, 136.31, 140.18, 143.35; MS:[(M+H)+]1155. 化合物(25)は螺旋構造を示し、旋光度は[α]D 29.3=−58.80(C1.000, CHCl3); [M]D=−679.3であった。
【0063】
【化25】
【0064】
化25に示される反応式中の化合物(24)は次のように合成した。
撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内を窒素置換し、化18に示される反応式中の化合物(19)503mg、2-ブロモ-6-ホルミルピリジン410mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム116mg、ヨウ化銅(I)19mg、ジイソプロピルアミン0.5ml及びトルエン20mlを仕込んだ。次いで、65℃で20時間攪拌後、室温に冷却しフィルターで固形分を除去した。ろ液を濃縮し、得られた粗生成物を、ジクロロメタンを移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し化合物(24)を565mg得た。化合物(24)のNMRスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(δ)500MHz:δ10.11(s,2H)、8.02(d,J=8.4Hz,2H)、8.00(d,J=8.6Hz,2H)、7.83−7.95(m,4H)、7.79(d,J=8.6Hz,2H)、7.70(dd,J=1.9,7.4Hz,2H)、7.54(dd,J=2.2,6.0Hz,2H)、7.33−7.42(m,6H)、7.11(t,J=7.8Hz,2H)、7.04(s,2H)、6.74(dd,J=1.1,7.7Hz,2H); 13C-NMR(75MHz,CDCl3)δ192.35, 152.56, 143.35, 140.20, 137.05, 134.30, 132.83, 132.27, 131.68, 131.08, 130.87, 127.99(2C), 127.91, 127.85, 126.70, 126.55, 126.25, 123.29, 121.38, 120.96, 120.19.
【0065】
【発明の効果】
本発明の環状アセチレン化合物は、大きな分極率と螺旋構造を示すので、例えば、液晶素子や有機EL素子等のディスプレイに用いる光学フィルム材料として特に有用である。また本発明の製造法では、このような環状アセチレン化合物を、ステップ数が少なく、かつ容易に入手できる原料から合成することができる。
Claims (4)
- 式(1)で示される環状アセチレン化合物。
- 請求項1記載の化合物の少なくとも1種を含む材料を用いた表示素子用材料。
- 請求項1記載の化合物の少なくとも1種を含む材料を用いた光学フィルム。
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