JP4507621B2 - クアテルフェニル化合物、テルフェニル化合物及びそれらの製造方法 - Google Patents

クアテルフェニル化合物、テルフェニル化合物及びそれらの製造方法 Download PDF

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本発明は、クアテルフェニル化合物、テルフェニル化合物及びそれらの製造方法に関する。
o−位でベンゼン環が4つ連続して繋がる1,1’:2’,1”:2”,1’’’−クアテルフェニレン骨格(以下、場合により「オルトクアテルフェニレン骨格」という。)を有する化合物は、そのベンゼン環同士の立体反発からユニークなコンフォメーションを有しており、化学的、物理的に興味がもたれる物質である。このような化合物として、従来、4,4’’’−ジメチル−1,1’:2’,1”:2”,1’’’−クアテルフェニル(非特許文献1)や4,4’’’−ジメトキシ−1,1’:2’,1”:2”,1’’’−クアテルフェニル(非特許文献2)が知られていた。
Chemische Berichte、115巻7号2533ページ、1982年 Tetrahedron Letters、39巻49号9093ページ、1998年
しかしながら、オルトクアテルフェニレン骨格を有したジカルボン酸については報告例がなく、従来そのようなジカルボン酸が合成可能であるか不明であった。そこで、本発明は、オルトクアテルフェニレン骨格を有した特定構造のジカルボン酸及びその製造方法、並びにその製造方法に用いられる原料化合物を提供することを目的とする。
本発明が提供するオルトクアテルフェニレン骨格を有した新規ジカルボン酸は、下記一般式(2)及び(4)で表されるクアテルフェニル化合物である。
Figure 0004507621
[式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示す。]
Figure 0004507621
[式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
上記クアテルフェニル化合物は、ポリエステル・ポリアミドなどの縮合系高分子の合成原料として非常に有用性が高い。一般式(2)及び(4)で表されるクアテルフェニル化合物においては、−COOH基の置換位置は4位及び4’’’位、又は3位及び3’’’位が好ましい。このようなクアテルフェニル化合物を用いることにより、対称性の高い縮合系高分子を製造することができ好適である。
一般式(2)のクアテルフェニル化合物のうち、−COOH基の置換位置が4位及び4’’’位であるものを以下の一般式(i)に、−COOH基の置換位置が3位及び3’’’位であるものを以下の一般式(ii)に、それぞれ示す。また、一般式(4)のクアテルフェニル化合物のうち、−COOH基の置換位置が4位及び4’’’位であるものを以下の一般式(iii)に、−COOH基の置換位置が3位及び3’’’位であるものを以下の一般式(iv)に、それぞれ示す。なお、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38については上記と同義である。
Figure 0004507621
Figure 0004507621
一般式(4)で表されるクアテルフェニル化合物については、R21及びR31、R22及びR32、R23及びR33、R24及びR34、R25及びR35、R26及びR36、R27及びR37、R28及びR38は、それぞれ同一の基であることが好ましい。このようなクアテルフェニル化合物を用いた場合においても、対称性の高い縮合系高分子を製造することができる。
上記一般式(2)で表されるクアテルフェニル化合物を製造するための原料として、下記一般式(1)で表されるクアテルフェニル化合物(新規化学物質)を用いることができる。
Figure 0004507621
[式中、R、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示す。但し、R、R、R、R、R、R、R及びRの全てが水素原子である場合を除く。]
そして、下記一般式(1a)で表されるクアテルフェニル化合物をCrO又はKMnOで酸化する工程を備える製造方法により、上記一般式(2)で表されるクアテルフェニル化合物を得ることが可能である。なお、一般式(1a)の−CH基の置換位置と、得られる一般式(2)の−COOH基の置換位置は対応する。すなわち、−COOH基の置換位置が4位及び4’’’位である一般式(2)のクアテルフェニル化合物は、−CH基の置換位置が4位及び4’’’位である一般式(1a)のクアテルフェニル化合物から得られ、−COOH基の置換位置が3位及び3’’’位である一般式(2)のクアテルフェニル化合物は、−CH基の置換位置が3位及び3’’’位である一般式(1a)のクアテルフェニル化合物から得られる。
Figure 0004507621
[式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示す。]
この製造方法と同様の方法、すなわち、下記一般式(3)で表されるクアテルフェニル化合物をCrO又はKMnOで酸化する工程を備える製造方法により、上述した一般式(4)で表されるクアテルフェニル化合物を得ることができる。この場合も、一般式(3)の−CH基の置換位置と、得られる一般式(4)の−COOH基の置換位置は対応する。すなわち、−COOH基の置換位置が4位及び4’’’位である一般式(4)のクアテルフェニル化合物は、−CH基の置換位置が4位及び4’’’位である一般式(3)のクアテルフェニル化合物から得られ、−COOH基の置換位置が3位及び3’’’位である一般式(4)のクアテルフェニル化合物は、−CH基の置換位置が3位及び3’’’位である一般式(3)のクアテルフェニル化合物から得られる。
Figure 0004507621
[式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
一般式(3)で表されるクアテルフェニル化合物は新規化学物質であり、下記一般式(5)で表されるテルフェニル化合物と、下記一般式(5a)で表されるテルフェニル化合物とを、カップリング剤によりカップリングさせる工程を備える製造方法により製造することができる。
Figure 0004507621
[式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
上記一般式(5)で表されるテルフェニル化合物と、一般式(5a)で表されるテルフェニル化合物とを反応させた場合、通常、以下の一般式(3)、(3a)及び(3b)で表されるクアテルフェニル化合物の混合物が得られるが、単一成分のクアテルフェニル化合物を得る場合は、混合物から目的化合物を分離すればよい。尤も、R21及びR31、R22及びR32、R23及びR33、R24及びR34、R25及びR35、R26及びR36、R27及びR37、R28及びR38が、それぞれ同一の基であるテルフェニル化合物を用いることにより、混合物からの分離という問題を避けて容易に目的物質のクアテルフェニル化合物を得ることができる。
Figure 0004507621
Figure 0004507621
Figure 0004507621
上記一般式(5)で表されるテルフェニル化合物は新規化学物質であり、下記一般式(6)で表される化合物を、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム)の存在下、下記式(7)で表される化合物と反応させる工程を備える製造方法により製造することができる。なお、−CH基又は−COOH基の置換位置が4位及び4’’’位である一般式(3)又は(4)のクアテルフェニル化合物を得るためには、−CH基がp位である下記式(7)で表される化合物を用い、−CH基又は−COOH基の置換位置が3位及び3’’’位である一般式(3)又は(4)のクアテルフェニル化合物は、−CH基がm位である下記式(7)で表される化合物を用いる。
Figure 0004507621
[式中、Xは、−OSOCF基又はヨウ素原子を示し、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
なお、上記クアテルフェニル化合物及びその製造方法においては、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38がいずれも水素原子であることが好ましい。
本発明によれば、オルトクアテルフェニレン骨格を有した特定構造のジカルボン酸及びその製造方法、並びにその製造方法に用いられる原料を提供することが可能になる。
<一般式(1)及び(2)で表されるクアテルフェニル化合物>
一般式(1)及び(2)で表されるクアテルフェニル化合物において、R〜R又はR11〜R18としてのアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基がよく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。R〜R又はR11〜R18としてのアルコキシ基としても、炭素数1〜6のアルコキシ基がよく、炭素数1〜3のアルコキシ基がより好ましい。このように、炭素数の小さなアルキル基又はアルコキシ基とすることで、オルトクアテラフェニレン骨格のユニークなコンフォメーションの反映された分子の創製が可能となる。アルキル基の炭素数が多いと(例えば、炭素数が6を超す場合)、本来オルトクアテラフェニレン骨格の持っている特徴が発現し難くなる可能性がある。
一般式(1)及び(2)で表されるクアテルフェニル化合物において、R〜R又はR11〜R18は全て同一種の基であることが好ましく、同一種且つ同一炭素数の基であることが好ましい。一般式(1)における−CH基、一般式(2)における−COOH基の置換位置は、2〜4位、2’’’〜4’’’位の何れでもよいが、共に4位及び4’’’位、又は3位及び3’’’位であることが好ましい。このような構成にすることで、対象性の高い縮合系高分子の原料として利用することができる。
一般式(1)で表されるクアテルフェニル化合物は、例えば、下記一般式(8)で表される化合物を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(下記式(9)、Pd(PPh)の存在下、上述した式(7)で表される化合物と反応させることによって製造できる(鈴木カップリング反応)。
Figure 0004507621
[式中、Zは、−OSOCF基、ヨウ素原子又は臭素原子を示し、R、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基又はアルコキシ基を示す]
一般式(2)で表されるクアテルフェニル化合物は、一般式(1a)で表される上記クアテルフェニル化合物をCrO又はKMnOで酸化することにより得ることができるが、この酸化反応は液相で行うことが好ましい。液相で反応させる場合において、生成物である一般式(2)で表されるクアテルフェニル化合物の溶解性の高い溶剤(例えば、ピリジン)を用いることが好ましい。この反応における反応条件(反応温度等)は最終生成物であるクアテルフェニル化合物の構造に従って、適宜決定することができる。
以上をまとめて、一般式(2)で表されるクアテルフェニル化合物を得るための反応経路を示すと以下のようになる。但し、以下の反応経路においてZ、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は上記と同義である。また、Pd(0)はパラジウム触媒を意味する。
Figure 0004507621
上記反応経路を適用して、一般式(2)で表されるクアテルフェニル化合物の一種である1,1’:2’,1”:2”,1’’’−クアテルフェニル−4,4’’’−ジカルボン酸を合成する反応経路は以下のとおりである。なお、この反応経路では、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムをパラジウム触媒として用いている。
Figure 0004507621
<一般式(3)及び(4)で表されるクアテルフェニル化合物>
一般式(3)及び(4)で表されるクアテルフェニル化合物において、R21〜R28又はR31〜R38としてのアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基がよく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。R21〜R28又はR31〜R38としてのアルコキシ基としても、炭素数1〜6のアルコキシ基がよく、炭素数1〜3のアルコキシ基がより好ましい。このように、炭素数の小さなアルキル基又はアルコキシ基とすることで、オルトクアテラフェニレン骨格のユニークなコンフォメーションの反映された分子の創製が可能となる。アルキル基の炭素数が多いと(例えば、炭素数が6を超す場合)、本来オルトクアテラフェニレン骨格の持っている特徴が発現し難くなる可能性がある。
一般式(3)及び(4)で表されるクアテルフェニル化合物において、R21〜R28又はR31〜R38は全て同一種の基であることが好ましく、同一種且つ同一炭素数の基であることが好ましい。一般式(3)における−CH基、一般式(4)における−COOH基の置換位置は、2〜4位、2’’’〜4’’’位の何れでもよいが、共に4位及び4’’’位、又は3位及び3’’’位であることが好ましい。このような構成にすることで、対象性の高い縮合系高分子の原料として利用することができる。
一般式(4)で表されるクアテルフェニル化合物は、上述した一般式(3)で表されるクアテルフェニル化合物をCrO又はKMnOで酸化することにより得られ、一般式(3)で表されるクアテルフェニル化合物は、上述した一般式(5)で表されるテルフェニル化合物と一般式(5a)で表されるテルフェニル化合物とを、カップリング剤によりカップリングさせることにより得ることができる(R21及びR31、R22及びR32、R23及びR33、R24及びR34、R25及びR35、R26及びR36、R27及びR37、R28及びR38が、それぞれ同一の基であるテルフェニル化合物を用いる場合は、一般式(5)で表されるテルフェニル化合物のみを用いればよい。)。更に、一般式(5)で表されるテルフェニル化合物は、上述した一般式(6)で表される化合物を、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム)の存在下、上述した式(7)で表される化合物と反応させることにより得ることができる(鈴木カップリング反応)。なお、Xが−OSOCF基である一般式(6)で表される化合物については、下記一般式(10)で表される化合物を、例えばピリジン等の溶媒中で(CFSOOと反応させることにより製造できる(R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28については上記と同義)。
Figure 0004507621
CrO又はKMnOによる酸化の条件は、上述した一般式(1a)で表されるクアテルフェニル化合物の酸化の条件と同様に決定できる。一般式(5)で表されるテルフェニル化合物と一般式(5a)で表されるテルフェニル化合物とをカップリングさせる際に用いるカップリング剤としては、臭化ニッケル/亜鉛系(NiBr、Zn)が好ましく、トリフェニルホスフィン及びビピリジンを併用することが更に好ましい。この場合において、臭化ニッケル:ビピリジン:トリフェニルホスフィンのモル比が1:1:2になるようにするとよい。
以上をまとめて、一般式(4)で表されるクアテルフェニル化合物を得るための反応経路を示すと以下のようになる。但し、以下の反応経路においてX、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は上記と同義である。また、Pd(0)はパラジウム触媒を意味する。
Figure 0004507621
上記反応経路を適用して、一般式(4)で表されるクアテルフェニル化合物の一種である4’,5”−ジフェニル−1,1’:2’,1”:2”,1’’’−クアテルフェニル−4,4’’’−ジカルボン酸を合成する反応経路は以下のとおりである。なお、この反応経路では、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムをパラジウム触媒として用いている。
Figure 0004507621
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
窒素置換した二口ナスフラスコに精製した4,4’’’−ジメチル−1,1’:2’,1”:2”,1’’’−クアテルフェニル(110.1 mg, 0.3 mmol)、ピリジン(18.0 mL)、水(2.0 mL)を加えて100℃に加熱した。過マンガン酸カリウム(2.2g, 14.4mmol)をまず半分の量(1.1g)加え、残りは一時間毎に3回(366 mg)に分けて加え、48時間攪拌した。反応溶液を水で洗い、副生する二酸化マンガンをろ去した。得られたろ液を濃硫酸で酸性にした後、吸引ろ過を行うことで,生成物47mgを得た。この生成物をH−NMRで分析したところ、δ値は以下のとおりであり、生成物は以下の式(2a)で表される骨格を有する1,1’:2’,1”:2”,1’’’−クアテルフェニル−4,4’’’−ジカルボン酸であることが判明した。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6) : 6.66 (4H,d,J=8.1 Hz), 7.18−7.58(12H,m)ppm.
Figure 0004507621
(実施例2)
窒素置換した二口ナスフラスコに3−クロロ−2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビフェニル(1.75g, 5.2mmol)、トルエン(30.0mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(602.1mg, 0.53mmol)、2M炭酸カリウム水溶液(15.0mL)、エタノール(25.0mL)、p−トルイルホウ酸(1.37g, 6.3mmol)、塩化リチウム(456.8mg, 10.6mmol)を順次加えた。20時間還流させ、反応終了後、反応溶液を100mLの水に投入しトルエンで抽出した。有機層を1M水酸化カリウム溶液(3回)、水(3回)、飽和食塩水(3回)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し、粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液/ヘキサン:トルエン=9:1(体積比))で単離を行うことで生成物を得た(1.30g)。この生成物をH−NMRで分析したところ、δ値は以下のとおりであり、生成物は以下の式(5b)で表される骨格を有する2’−クロロ−4−メチル−1,1’:4’,1”−テルフェニルであることが判明した。なお、生成物は4.7mmolで収率は90%であった。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):2.43 (6H,s), 7.27 (4H,d,J = 8.1 Hz), 7.38−7.49 (12H,m), 7.53 (2H,d,J=8.1Hz), 7.62(4H,d,J=8.1Hz), 7.70 (2H,s)ppm.
Figure 0004507621
(実施例3)
減圧加熱乾燥し,窒素置換した二口ナスフラスコに臭化ニッケル、ビピリジン、トリフェニルホスフィンをモル比1:1:2の割合で加え、再度減圧加熱乾燥させた。そこに,実施例2により製造した2’−クロロ−4−メチル−1,1’:4’,1”−テルフェニル(695.0mg, 2.5mmol), N,N−ジメチルアセトアミド(5mL)を加え120℃に温めたところへ酢酸により活性化した亜鉛粉末を7.5mmol加えた。100℃で2時間攪拌した。反応終了後、クロロホルム(15mL)を加え、室温に戻しろ過した。得られた混合溶液を水(2回)、飽和食塩水(2回)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液/ヘキサン)より精製することで生成物を得た(1.04g)。この生成物をH−NMRで分析したところ、δ値は以下のとおりであり、生成物は以下の式(3a)で表される骨格を有する4,4’’’−ジメチル−4’,5”−ジフェニル−1,1’:2’,1”:2”,1’’’−クアテルフェニルであることが判明した。なお、生成物は2.15mmolで収率は86%であった。
1H−NMR(300 MHz, CDCl3):2.29 (6H,s), 6.67 (4H,d,J=8.0Hz), 6.88 (4H,d,J=8.0Hz), 7.29 (4H,d, J=8.0Hz), 7.36(2H,t,J=7.2Hz), 7.42 (4H,t,J=7.2 Hz), 7.55−7.58(4H,m), 7.69 (2H,s)ppm.
Figure 0004507621
(実施例4)
窒素置換した二口ナスフラスコに実施例3により製造した4,4’’’−ジメチル−4’,5”−ジフェニル−1,1’:2’,1”:2”,1’’’−クアテルフェニル(388.2mg, 0.8mmol)、ピリジン(36.0mL)、水(4.0mL)を加えて100℃に加熱した。過マンガン酸カリウム(6.0g, 38.4mmol)をまず半分の量(3.0g)加え、残りは一時間毎に3回(1.0g)に分けて加え入れ、その後、48時間攪拌した。反応溶液を水で洗い、二酸化マンガンをろ去した。得られたろ液を濃硫酸で酸性にした後、吸引ろ過を行い生成物を得た(47mg)。この生成物をH−NMRで分析したところ、δ値は以下のとおりであり、生成物は以下の式(4a)で表される骨格を有する4’,5”−ジフェニル−1,1’:2’,1”:2”,1’’’−クアテルフェニル−4,4’’’−ジカルボン酸であることが判明した。
1H−NMR(300 MHz, DMSO−d6):6.73 (4H,d, J=7.5 Hz), 7.31 (2H,d, J=7.8Hz), 7.39 (2H,d, J=7.5Hz), 7.47 (4H,t, J=7.5Hz), 7.71−7.75 (6H,m), 7.79 (2H,s)ppm.
Figure 0004507621
一般式(2)及び(4)で表されるクアテルフェニル化合物はH−NMRのケミカルシフトから、らせん構造をする剛直な分子であることが推測される。したがって、このような構造及び性質を利用することで、合成中間体として高誘電性液晶や非線形光学材料等への利用展開が期待される。また、一般式(1)及び(3)で表されるクアテルフェニル化合物は、それぞれ一般式(2)及び(4)で表されるクアテルフェニル化合物の原料化合物となり、一般式(5)で表されるテルフェニル化合物は一般式(3)で表されるクアテルフェニル化合物の原料化合物となる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(2)で表され、−COOH基の置換位置が4位及び4’’’位、又は3位及び3’’’位である、クアテルフェニル化合物。
    Figure 0004507621
    [式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示す。]
  2. 11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18がいずれも水素原子である請求項記載のクアテルフェニル化合物。
  3. 下記一般式(4)で表され、−COOH基の置換位置が4位及び4’’’位、又は3位及び3’’’位である、クアテルフェニル化合物。
    Figure 0004507621
    [式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
  4. 21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38が、それぞれ同一の基である請求項記載のクアテルフェニル化合物。
  5. 21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38がいずれも水素原子である請求項3又は4記載のクアテルフェニル化合物。
  6. 下記一般式(1a)で表され、−CH 基の置換位置が4位及び4’’’位、又は3位及び3’’’位であるクアテルフェニル化合物をCrO又はKMnOで酸化する工程を備える、下記一般式(2)で表され、−COOH基の置換位置が4位及び4’’’位、又は3位及び3’’’位であるクアテルフェニル化合物の製造方法。
    Figure 0004507621
    [式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を示す。]
  7. 下記一般式(3)で表され、−CH 基の置換位置が4位及び4’’’位、又は3位及び3’’’位であるクアテルフェニル化合物をCrO又はKMnOで酸化する工程を備える、下記一般式(4)で表され、−COOH基の置換位置が4位及び4’’’位、又は3位及び3’’’位であるクアテルフェニル化合物の製造方法。
    Figure 0004507621
    [式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
  8. 21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38が、それぞれ同一の基である請求項記載の製造方法。
  9. 21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38がいずれも水素原子である請求項7又は8記載の製造方法。
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