以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1、図2、及び図3は、本発明の移動物体検出フォトインタラプタの一実施形態を示す側面図、断面図、及び平面図である。本実施形態の移動物体検出フォトインタラプタ1では、リードフレーム2上に発光素子3及び受光チップ4を搭載し、発光素子3及び受光チップ4をそれぞれのワイヤー5を通じてリードフレーム2等に結線接続している。そして、透光性樹脂6、7をモールド成形して、発光素子3及び受光チップ4をそれぞれの透光性樹脂6、7内に封止し、更に遮光性樹脂ケース8をモールド成形して、各透光性樹脂6、7を遮光性樹脂ケース8内に封止し、リードフレーム2、発光素子3、及び受光チップ4等を遮光性樹脂ケース8により一体化している。更に、遮光性樹脂ケース8の片方の側壁8aにコネクタ9を固定し、また透光性樹脂ケース10を遮光性樹脂ケース8に被せて固定している。
遮光性樹脂ケース8は、その四方の側壁8aにより発光素子3及び受光チップ4を囲み、その隔壁8bにより発光素子3と受光チップ4間を遮っている。発光素子3及び受光チップ4は、遮光性樹脂ケース8のそれぞれの室8c、8dに配置された状態となっており、発光素子3から出射された光が受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bに直接入射することはなく、また受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bに外乱光が入射し難くなっている。
各透光性樹脂6、7の先端部は、それぞれのコリメートレンズ6a、7aとなっている。発光素子3は、その出射光が透光性樹脂6のコリメートレンズ6a及び透光性樹脂カバー10を通じて矢印方向Bに出射される。
また、受光チップ4には、第1及び第2受光素子4a、4bが搭載されており、移動物体11が移動物体検出フォトインタラプタ1の前方を移動しているときには、発光素子3から出射された光が移動物体11で矢印方向Cに反射され、この反射光が透光性樹脂カバー10及び透光性樹脂7のコリメートレンズ7aを通じて受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bの少なくとも1つに入射する。また、移動物体11が移動物体検出フォトインタラプタ1の前方に存在しないときには、発光素子3から出射された光が移動物体11で反射されず受光チップ4に入射しない。
コリメートレンズ6aは、発光素子3からの光を収束させて出射させ、またコリメートレンズ7aは、移動物体11からの反射光を収束させて受光チップ4に入射させる。コリメートレンズ6aにより発光素子3からの光が収束されると、発光素子3からの光の出射範囲が狭くなって、移動物体11上で光像が小さく明るく映る。また、コリメートレンズ7aにより移動物体11からの反射光が収束されると、移動物体11上の光像が受光チップ4もしくはその周辺上で小さく明るく映る。このため、受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bは、発光素子3から出射されて移動物体11で反射された光が入射しているときと該光が入射していないときとで、それらの検出出力が明確に変化することになり、該光を確実に検出することができる。
各コリメートレンズ6a、7aの光学特性は、受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bの受光領域面積に応じて設定されており、移動物体11からの反射光が十分な光量で受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bの受光領域に確実に入射する様にされている。
また、第1及び第2受光素子4a、4bは、それらの受光領域面積が同一であり、同一の光量を受光したときには同じレベルの検出出力を出力する。
ここで、受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bは、図4に示す様に受光チップ4上に並設され、図3に示す様に移動物体11の順方向Dに沿って配置されている。
図2及び図3に示す様に移動物体11が順方向Dに移動しているときには、まず移動物体11が受光チップ4の第1受光素子4aの前方に到達し、この後に移動物体11が受光チップ4の第2受光素子4bの前方に到達する。従って、発光素子3から出射された光は、まず第1受光素子4aの前方に到達した移動物体11で反射されて該第1受光素子4aに入射し、この後に第2受光素子4bの前方に到達した移動物体11で反射されて該第2受光素子4bに入射する。
更に、移動物体11は、受光チップ4の第1受光素子4aの前方を通り過ぎ、この後に受光チップ4の第2受光素子4bの前方を通り過ぎることになる。従って、まず移動物体11で反射されて第1受光素子4aに入射する光がなくなり、引き続いて移動物体11で反射されて第2受光素子4bに入射する光がなくなる。
図5は、移動物体11が順方向Dに移動して移動物体検出フォトインタラプタ1の前方を通過するときの、受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bの検出出力変化を示すグラフである。図5のグラフを参照すると、移動物体11が移動物体検出フォトインタラプタ1の前方に接近して来たときには、まず移動物体11からの反射光が第1受光素子4aに入射することから、第1受光素子4aの検出出力が上昇して行き、引き続いて移動物体11からの反射光が第2受光素子4bに入射することから、第2受光素子4bの検出出力が上昇して行く。
そして、移動物体11が移動物体検出フォトインタラプタ1前方を通過して離れて行くときには、まず移動物体11からの反射光が第1受光素子4aに入射しなくなって、第1受光素子4aの検出出力が下降して行き、引き続いて移動物体11からの反射光が第2受光素子4bに入射しなくなって、第2受光素子4bの出力が下降して行く。
尚、移動物体11が順方向Dとは逆方向に移動する場合は、まず移動物体11が受光チップ4の第2受光素子4bの前方を通過し、引き続いて移動物体11が受光チップ4の第1受光素子4aの前方を通過するので、第2受光素子4bの検出出力が上昇してから第1受光素子4aの検出出力が上昇し、更に第2受光素子4bの検出出力が下降してから第1受光素子4aの検出出力が下降することになる。
従って、受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bの検出出力変化を監視していれば、移動物体11の移動及び通過方向を検出することができる。
また、先に述べた様に各コリメートレンズ6a、7aは、発光素子3から出射されて移動物体11で反射された光が入射しているときと該光が入射していないときとで受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bの検出出力を明確に変化させるという作用をもたらす。これにより、第1及び第2受光素子4a、4bの検出出力の変化に基づく移動物体11の移動及び通過方向の検出精度が向上し、検出が容易になる。
更に、各コリメートレンズ6a、7aの光学特性を受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bの受光領域面積に応じて設定し、第1及び第2受光素子4a、4bの受光領域面積を同一にしているので、これによっても移動物体11の移動及び通過方向の検出精度が向上し、検出が容易になる。
図6は、本実施形態の移動物体検出フォトインタラプタ1の構成を示すブロック図である。本実施形態の移動物体検出フォトインタラプタ1は、発光素子3と、受光チップ4の第1及び第2受光素子4a、4bと、発光素子3を駆動制御すると共に、第1及び第2受光素子4a、4bの検出出力を演算処理する演算制御部30と、外部回路と接続されるコネクタ9とを備えている。演算制御部30は、ICチップである。このICチップ上に発光素子3及び受光チップ4等を選択的に搭載して集積しても構わない。
演算制御部30は、第1受光素子4aの検出信号を増幅する増幅回路31、DC成分除去用のコンデンサ32、第1コンパレータ33、第1同期検出回路34、第2受光素子4bの検出信号を増幅する増幅回路35、DC成分(主にノイズ成分)除去用のコンデンサ36、第2コンパレータ37、第2同期検出回路38、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号変化に対応する出力信号Jを出力する出力保持回路39、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SB及び出力保持回路39の保持信号Jを処理する出力判定回路41、出力判定回路41からの信号K及びLに基づく出力信号Voを出力する出力回路44、発光素子3を駆動制御する発光素子駆動回路42、及び発振器43を備えている。
演算制御部30は、コネクタ9を通じて電源電圧Vccを供給されて動作する。
発光素子3は、そのアノード側にコネクタ9を通じて電源電圧Vccを印加され、そのカソード側を発光素子駆動回路42に接続されている。発光素子駆動回路42は、発振器43からの発振信号を入力し、発振信号に同期して発光素子3のカソード側とアース間をオンオフさせて、発光素子3にパルス状信号SPを印加し、発振信号に同期して発光素子3を発光させ、発光素子3からパルス光を出射させる。
先に述べた様に第1及び第2受光素子4a、4bの前方で移動物体11が移動しているときには、発光素子3の光が移動物体11で反射されて第1及び第2受光素子4a、4bに入射する。第1及び第2受光素子4a、4bの検出出力は、図5に示す様に移動物体11からの反射光を受光して変化し、それらのDC成分を各コンデンサ32、36により除去されて、第1及び第2コンパレータ33、37に入力される。
第1コンパレータ33は、第1受光素子4aの検出出力を規定の閾値と比較して、検出出力が閾値以上のときにハイレベルとなり、検出出力が閾値未満のときにローレベルとなる2値化信号PDAを生成出力する。同様に、第2コンパレータ37も、第2受光素子4bの検出出力を閾値と比較して、2値化信号PDBを生成出力する。
第1同期検出回路34は、発振器43からの発振信号を入力し、発振信号に同期して第1コンパレータ33からの2値化信号をサンプリングし、発振信号に同期して2値化信号が2回以上連続的にハイレベルになると、その出力信号SAをローレベルからハイレベルに切り替えて維持し、発振信号に同期して2値化信号が2回以上連続的にローベルになると、その出力信号SAをハイレベルからローレベルに切り替えて維持する。同様に、第2同期検出回路38も、発振器43の発振信号に同期して第2コンパレータ37からの2値化信号をサンプリングし、発振信号に同期して2値化信号が2回以上連続的にハイベルになると、その出力信号SBをローレベルからハイレベルに切り替えて維持し、発振信号に同期して2値化信号が2回以上連続的にローベルになると、その出力信号SAをハイレベルからローレベルに切り替えて維持する。
従って、第1受光素子4aの検出出力は、第1コンパレータ33で2値化されてから、第1同期検出回路34により発光素子3の発光タイミングでサンプリングされ、この第1受光素子4aの検出出力が発光素子3の発光タイミングで2回以上連続的にハイベルになったときに第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルにされて維持される。同様に、第2受光素子4bの検出出力も、第2コンパレータ37で2値化されてから、第2同期検出回路38により発光素子3の発光タイミングでサンプリングされ、この第2受光素子4bの検出出力が発光素子3の発光タイミングで2回以上連続的にハイレベルになったときに第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルにされて維持される。
そして、第1受光素子4aの検出出力が発光素子3の発光タイミングで2回以上連続的にローレベルになったときに第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルに戻され、同様に第2受光素子4bの検出出力が発光素子3の発光タイミングで2回以上連続的にローレベルになったときに第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルに戻される。
出力保持回路39は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBの変化に応じて出力信号Jをハイレベル又はローレベルに設定する。具体的には、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBの変化に基づいて、1つ前の移動物体が順方向に通過したとみなすことができ、引き続いて今回の移動物体も順方向に通過したとみなすことができたときに、出力信号Jをハイレベルとし、それ以外のときは、出力信号Jをローレベルとする。
出力判定回路41は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBを入力すると共に、出力保持回路39の保持信号Jを入力し、これらの信号SA、SB、Jに基づいて移動物体11の通過を判定し、移動物体11が順方向に通過し始めたとき、出力信号Kをローレベルのパルスとして出力回路44へ出力し、順方向に通過し終えたとき、出力Lをローレベルのパルスとして出力回路44へ出力する。
出力回路44は、出力判定回路41の出力信号K、Lを入力し、これらの信号に基づいて出力信号Voのレベルを切り替える。
この出力判定回路41による移動物体11の順方向通過の判定は、移動物体11が跳ね返り等の異常な動作をしても、このときの跳ね返る距離にかかわらず、正確に行われる。従って、この出力回路44の出力信号Voがハイレベルとなった回数を計数すれば、移動物体11の計数を正確に行うことができる。
次に、図7乃至図13を参照しつつ、移動物体検出フォトインタラプタ1による移動物体11の検出動作を説明する。
図7は、移動物体検出フォトインタラプタ1の第1及び第2受光素子4a、4bに対する移動物体11の通過過程を示している。ここでは、第1及び第2受光素子4a、4b直前の通過位置Q1、第1受光素子4a前方だけを横切るの通過位置Q2、第1及び第2受光素子4a、4bを共に横切る通過位置Q3、第2受光素子4b前方だけを横切る通過位置Q4、及び第1及び第2受光素子4a、4b直後の通過位置Q5を、移動物体11が順方向Dに通過する様子を示している。
図8は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過したときの移動物体検出フォトインタラプタ1の動作を示すタイミングチャートであり、発光素子3の発光タイミングを示すパルス状信号SP、第1及び第2受光素子4a、4b前方における移動物体11の有無、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDB、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SB、出力保持回路39の出力信号J、出力判定回路41の出力信号K,L及び出力回路の出力信号Voを示している。
図8において、時点t0〜時点t1の期間は、図7における移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b直前の通過位置Q1にあるときの状態である。移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b直前にあるため、発光素子3のパルス光が移動物体11で反射されて第1及び第2受光素子4a、4bに入射することはなく、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBがローレベルであり、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBもローレベルである。また、最初の移動物体11であるため、出力保持回路39の保持信号Jは、ローレベルに設定されている。このとき、出力判定回路41は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBのローレベルに応じて出力信号K及びLをハイレベルに維持する。出力回路44は、出力信号K、Lがハイレベルのままのため、出力信号Voをローレベルに維持する。
図8において、時点t1〜時点t2の期間は、移動物体11が第1受光素子4a前方の通過位置Q2にあるときの状態である。移動物体11が第1受光素子4a前方だけを横切るため、発光素子3のパルス光が移動物体11で反射されて第1受光素子4aのみに入射し、第2受光素子4bに入射しない。移動物体11が第1受光素子4a前方に到達した直後は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが発光素子3の発光タイミングで2回以上連続的にハイレベルになってはいないので、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルに維持されている。また、第2同期検出回路38は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBがローレベルに維持されているから、出力信号SBをローレベルに維持する。出力保持回路39の出力信号Jは、ハイレベルのままである。このとき、出力判定回路41は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBがローレベルであるから、出力信号K及びLをハイレベルに維持する。また、出力回路44は、出力信号Voをローレベルに維持する。
図8において、時点t2〜時点t3の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方の通過位置Q3にあるときの状態である。移動物体11が第1受光素子4a前方を横切りながら第2受光素子4b前方に到達すると、発光素子3のパルス光が移動物体11で反射されて第1及び第2受光素子4a、4bに入射する。このため、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが発光素子3のパルス光に同期して共にハイレベルになる。第1同期検出回路34は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAを発光素子3の発光タイミングでサンプリングし、2値化信号PDAが2回連続してハイレベルになると、出力信号SAをハイレベルに切り替える。同様に、第2同期検出回路38は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBを発光素子3の発光タイミングでサンプリングし、2値化信号PDBが2回連続してハイレベルになると、出力信号SBをハイレベルに切り替える。出力保持回路39は、出力信号SAがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、出力信号SBがローレベルでありかつ出力信号SAがハイレベルであるため、出力信号SBがハイレベルになるまで出力信号Jをハイレベルにする。このとき、出力判定回路41は、保持信号Jがハイレベルになるのを受け、出力信号Kをローレベルに維持する。出力回路44は、出力信号Kがローレベルになるのに応答して、出力信号Voをハイレベルに切り替える。すなわち、出力信号SAがハイレベルの切り替わったとき、出力信号SBがローレベルであれば(移動物体が順方向に移動開始したならば)、出力判定回路41の出力信号Kがローレベルにされ、出力信号Voがハイレベルに切り替えられる。
図8において、時点t3〜時点t4の期間は、移動物体11が第2受光素子4b前方の通過位置Q4にあるときの状態である。移動物体11が第1受光素子4a前方を通過してしまい第2受光素子4b前方だけを横切るため、発光素子3のパルス光が移動物体11で反射されて第2受光素子4bのみに入射する。移動物体11が第1受光素子4a前方を通過した直後は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが発光素子3の発光タイミングで2回以上連続的にローレベルになってはいないので、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルに維持されている。第2同期検出回路38は、2値化信号PDBの周期的なハイレベルが維持されているので、出力信号SBをハイレベルに維持している。出力保持回路39の出力信号Jは、ローレベルのままである。このとき、出力判定回路41は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBのハイレベルに応じて出力信号K、Lをハイレベルに維持する。出力回路44は、出力判定回路41の出力信号K、Lがハイレベルに維持されているため、出力信号Voをハイレベルに維持する。
図8において、時点t4〜時点t5の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b直後の通過位置Q5にあるときの状態である。移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を通過すると、発光素子3のパルス光が移動物体11で反射されて第1及び第2受光素子4a、4bに入射することはなく、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBがローレベルとなる。第1同期検出回路34は、2値化信号PDAが発光素子3の発光タイミングで2回連続してローレベルになると、出力信号SAをローレベルに切り替える。同様に、第2同期検出回路38は、2値化信号PDBが発光素子3の発光タイミングで2回連続してローレベルになると、出力信号SBをローレベルに切り替える。出力保持回路39は、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルであるが、出力信号SAがローレベルであるため、出力信号Jをローレベルに維持する。また、出力判定回路41は、出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、出力信号SAがローレベルであるため、出力信号Lを1パルス分ローレベルにする( 移動物体の順方向への通過が終了したことを受け、出力信号Lを1パルス分ローレベルとする。)。出力回路44は、出力判定回路41の出力信号Lのローレベルを受け、出力信号Voをローレベルに切り替える。
以降同様に、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過する限りは、時点t0〜時点t5の期間の動作が繰り返され、移動物体11が通過する度に、出力回路44の出力信号Voがハイレベルになる。従って、出力信号Voがハイレベルとなった回数を計数すれば、移動物体11の個数を計数することができる。
尚、第1及び第2同期検出回路34、38は、受光素子の検出出力が発光素子3の発光タイミングで2回以上連続的にハイベルになったりローレベルになったときに、出力信号のレベルを切り替えているが、3回以上連続的にハイベルになったりローレベルになったときに、出力信号のレベルを切り替えても構わない。また、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号レベルの切り替えは、発光素子の発光タイミング開始時点で行われても、発光タイミング終了時点で行われても良い。更に、移動物体11が第2受光素子4b前方を通過しているか否かを示す該移動物体11の有無と第1同期検出回路34の出力信号SAが同時に変化しているが、これらに相関関係はない。
次に、図9のタイミングチャートを参照しつつ、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過した後、移動物体11が跳ね返され戻って来て第1及び第2受光素子4a、4b前方を逆方向に通過したときの動作を説明する。
尚、図9は、図8と同様に、パルス状信号SP、第1及び第2受光素子4a、4b前方での移動物体11の有無、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDB、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SB、出力保持回路39の出力信号J、出力判定回路41の出力信号K、L、及び出力回路44の出力信号Voを示している。
また、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過するときには、図8の時点t0〜時点t5の動作が同様になされるので、この動作の説明を省略し、移動物体11が跳ね返され戻って来た時点t5からの動作を説明する。
図9において、時点t5〜時点t6の期間は、移動物体11が跳ね返されて来て第2受光素子4b前方の通過位置Q4にあるときの状態である。移動物体11が第2受光素子4b前方だけを横切るため、発光素子3のパルス光が移動物体11で反射されて第2受光素子4bのみに入射し、第1受光素子4aに入射しない。移動物体11が第2受光素子4b前方に到達した直後は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBが発光素子3の発光タイミングで2回以上連続的にハイレベルになってはいないので、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルに維持されている。また、第1同期検出回路34は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAがローレベルに維持されているから、出力信号SAをローレベルに維持している。出力保持回路39は、第1同期検出回路34の出力信号SAが切り替わっていないため、出力信号Jをローレベルにしたままである。このとき、出力判定回路41は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBがローレベルであるから、出力信号K及びLをハイレベルに維持する。また、出力回路44は、出力信号K、Lがハイレベルのままなので出力信号Voをローレベルに維持する。
図9において、時点t6〜時点t7の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方の通過位置Q3にあるときの状態である。移動物体11が第2受光素子4b前方を横切りながら第1受光素子4a前方に到達すると、発光素子3のパルス光が移動物体11で反射されて第1及び第2受光素子4a、4bに入射する。このため、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが発光素子3のパルス光に同期して共にハイレベルになる。第2同期検出回路38は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBが発光素子3の発光タイミングで2回連続してハイレベルになると、出力信号SBをハイレベルに切り替える。引き続いて、第1同期検出回路34は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが発光素子3の発光タイミングで2回連続してハイレベルになると、出力信号SAをハイレベルに切り替える。 出力保持回路39は、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルであるため(逆方向へ通過したため)、出力信号Jをローレベルに維持する。出力判定回路41は、出力保持回路39の出力信号Jがローレベルに維持されているため、出力信号Kをハイレベルに維持する。また、出力判定回路41は、第2同期検出回路の出力信号SBがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路の出力信号SAがローレベルであるため、逆方向へ通過し始めたと判定し、出力信号Lをローレベルに切り替える。出力回路44は、出力判定回路41からの出力信号Kがハイレベルを維持しているため、出力信号Voをローレベルのままとする。
すなわち、移動物体11が逆方向へ通過し始めたときには、出力保持回路39の出力信号Jがハイレベルに切り替わらずにローレベルのままとなり、これに基づいて出力判定回路41の出力信号Kもハイレベルに維持されるため、出力信号Voがローレベルに維持される。
図9において、時点t7〜時点t8の期間は、移動物体11が第1受光素子4a前方の通過位置Q2にあるときの状態である。移動物体11が第2受光素子4b前方を通過して第1受光素子4a前方だけを横切るため、発光素子3のパルス光が移動物体11で反射されて第1受光素子4aのみに入射する。移動物体11が第2受光素子4b前方を通過した直後は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBが発光素子3の発光タイミングで2回以上連続的にローレベルになってはいないので、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルに維持されている。第1同期検出回路34は、2値化信号PDAの周期的なハイレベルが維持されているので、出力信号SAをハイレベルに維持する。
図9において、時点t8〜時点t9の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b直前の通過位置Q1にあるときの状態である。移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を逆方向に通過すると、発光素子3のパルス光が移動物体11で反射されて第1及び第2受光素子4a、4bに入射することはなく、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBがローレベルとなる。第1同期検出回路34は、2値化信号PDAが発光素子3の発光タイミングで2回連続してローレベルになると、出力信号SAをローレベルに切り替える。また、第2同期検出回路38は、2値化信号PDBが発光素子3の発光タイミングで2回連続してローレベルになると、出力信号SBをローレベルに切り替える。出力保持回路39の出力信号Jは、ローレベルのままである。出力判定回路41は、出力信号Jのローレベルに基づき出力信号Kをハイレベルに維持する。また、出力判定回路41は、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったときに、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルであるため、移動物体が逆方向へ通過を終了したと判定し、出力信号Lをローレベルに維持する。出力回路44は、出力判定回路41の出力信号K及びLに基づき、出力信号Voをローレベルに維持する。
図9において、時点t9〜時点t10の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を逆方向に一旦通過したものの、移動物体11が再び順方向Dに移動して来て第1受光素子4a前方の通過位置Q2にあるときの状態である。移動物体11が第1受光素子4a前方だけを横切るため、発光素子3のパルス光が第1受光素子4aのみに入射し、第2受光素子4bに入射しない。移動物体11が第1受光素子4a前方に到達した直後であるから、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが2回以上連続的にハイレベルになってはおらず、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルに維持されている。また、第2同期検出回路38は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBがローレベルに維持されているから、出力信号SBをローレベルに維持している。出力保持回路39の出力信号Jは、ローレベルのままである。このとき、出力判定回路41は、出力信号Kをハイレベルに維持し、出力信号Lをローレベルに維持する。これに基づき、出力回路44は、出力信号Voをローレベルに維持する。
図9において、時点t10〜時点t11の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方の通過位置Q3にあるときの状態である。移動物体11が第1受光素子4a前方を横切りつつ第2受光素子4b前方に到達すると、発光素子3のパルス光が第1及び第2受光素子4a、4bに入射する。このため、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが発光素子3のパルス光に同期して共にハイレベルになる。第1同期検出回路34は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが2回連続してハイレベルになると出力信号SAをハイレベルに切り替える。同様に、第2同期検出回路38は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBが2回連続してハイレベルになると、出力信号SBをハイレベルに切り替える。出力保持回路39は、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルでありかつ出力信号SAがハイレベルであるが、時点t8〜時点t9の期間に第1同期検出回路の34出力信号SAがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルであったため(1つ前の移動物体の逆方向への通過が終了したため)、出力信号Jをローレベルに維持する。出力判定回路41は、出力信号Jのローレベルに基づき、出力信号Kをハイレベルを維持し、また出力信号Lをローレベルを維持する。
図9において、時点t11〜時点t12の期間は、移動物体11が第2受光素子4b前方の通過位置Q4にあるときの状態である。移動物体11が第1受光素子4a前方を通過して第2受光素子4b前方だけを横切るため、発光素子3のパルス光が第2受光素子4bのみに入射する。移動物体11が第1受光素子4a前方を通過した直後は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが2回以上連続的にローレベルになってはいないので、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルに維持されている。第2同期検出回路38は、2値化信号PDBの周期的なハイレベルが維持されているので、出力信号SBをハイレベルに維持している。出力保持回路39は、出力信号Jをローレベルに維持する。また、出力判定回路41は、出力信号Jがローレベルであるため、出力信号Kをハイレベルに維持し、出力信号Lをローレベルのままにする。これに伴い、出力回路44は、出力信号Voをローレベルに維持する。
図9において、時点t12〜時点t13の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b直後の通過位置Q5にあるときの状態である。移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を通過すると、発光素子3のパルス光が第1及び第2受光素子4a、4bに入射することはなく、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBがローレベルとなる。第1同期検出回路34は、2値化信号PDAが2回連続してローレベルになると、出力信号SAをローレベルに切り替える。同様に、第2同期検出回路38は、2値化信号PDBが2回連続してローレベルになると、出力信号SBをローレベルに切り替える。出力保持回路39は、出力信号Jをローレベルに維持している。このとき、出力判定回路41は、出力信号Jのローレベルに基づき、出力信号Kをハイレベルに維持している。また、出力判定回路41は、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであるため(移動物体11の順方向への通過が終了したため)、出力信号Lをローレベルからハイレベルへ切り替える。出力回路44は、出力信号Kがローレベルを維持しているため、出力信号Voをローレベルに維持する。
この様に図9における時点t6〜時点t12の期間では、移動物体11が跳ね返され戻って来て第1及び第2受光素子4a、4b前方を逆方向に通過し、更に移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を再び順方向Dに通過するものの、出力判定回路41の出力信号Kがハイレベルを維持しているため、出力回路44の出力信号Voがハイレベルに切り替えられることはなく、移動物体11の通過が判定されることはない。この移動物体11は、跳ね返されて戻って来る以前の時点t0〜時点t5の期間に、第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに既に通過して、この通過を判定されているので、跳ね返され戻って来て逆方向に通過した後に、再び順方向Dに通過しても、この再度の通過を判定する必要がない。これにより、同一の移動物体11の通過に対して出力信号Voが1度しかハイレベルとならず、移動物体11の計数に誤差を生じることがない。
図9において、時点t13以降は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過する限りは、図8における時点t0〜時点t5の期間の動作が繰り返され、移動物体11が通過する度に、出力回路44の出力信号Voがハイレベルになる。
次に、図10のタイミングチャートを参照しつつ、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方まで順方向Dに移動してから、移動物体11が通過位置Q3で跳ね返されて戻り、引き続いて移動物体11が再び順方向Dに通過して行ったときの動作を説明する。
尚、図10は、図8と同様に、パルス状信号SP、第1及び第2受光素子4a、4b前方での移動物体11の有無、2値化信号PDA、PDB、出力信号SA、SB、出力判定回路41の出力K、L及び出力回路の出力信号Voを示している。
また、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過するときには、図8の時点t0〜時点t5の動作が同様になされるので、この動作の説明を省略し、次の他の移動物体11が通過位置Q3で跳ね返されて戻る直前の時点t5からの動作を説明する。
図10において、時点t5〜時点t6の期間は、移動物体11が第1受光素子4a前方の通過位置Q2にあるときの状態である。移動物体11が第1受光素子4a前方だけを横切るため、発光素子3のパルス光が第1受光素子4aのみに入射し、第2受光素子4bに入射しない。移動物体11が第1受光素子4a前方に到達した直後は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが2回以上連続的にハイレベルになってはいないので、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルに維持されている。また、第2同期検出回路38は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBがローレベルに維持されているから、出力信号SBをローレベルに維持している。出力保持回路39は、出力信号Jをローレベルに設定している。このとき、出力判定回路41は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBのローレベルに応じて出力信号K及びLをハイレベルに維持する。出力回路44は、出力信号K、Lがハイレベルのままのため、出力信号Voをローレベルに維持する。
図10において、時点t6〜時点t7の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方の通過位置Q3にあるときの状態である。移動物体11が更に移動して第1及び第2受光素子4a、4b前方にあるため、発光素子3のパルス光が第1及び第2受光素子4a、4bに入射する。このため、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが共にハイレベルになる。第1及び第2同期検出回路34、38は、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが2回連続してハイレベルになると、それぞれの出力信号SA、SBをハイレベルに切り替える。出力保持回路39は、出力信号SAがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、出力信号SBがローレベルでありかつ出力信号SAがハイレベルであるため、出力信号SBがハイレベルになるまで出力信号Jをハイレベルにする。このとき、出力判定回路41は、出力保持回路39の出力信号Jがハイレベルになるのを受け、出力信号Kをローレベルにする。出力回路44は、出力信号Kのローレベルに応答して、出力信号Voをハイレベルに切り替わる。すなわち、出力信号SAがハイレベルに切り替わったとき、出力信号SBがローレベルであれば(移動物体が順方向への移動を開始すれば)、出力判定回路41の出力信号Kがローレベルにされ、出力信号Voがハイレベルに切り替えられる。
図10において、時点t7〜時点t8の期間は、移動物体11が通過位置Q3で跳ね返されて通過位置Q2まで戻って来たときの状態にある。移動物体11が第2受光素子4b前方から戻り、第1受光素子4a前方だけを横切るため、発光素子3のパルス光が第1受光素子4aのみに入射する。移動物体11が第2受光素子4b前方から戻って来た直後は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBが2回以上連続的にローレベルになってはいないので、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルに維持されている。第1同期検出回路34は、2値化信号PDAの周期的なハイレベルが維持されているので、出力信号SAをハイレベルに維持する。出力保持回路39の出力信号Jは、ローレベルのままである。このとき、出力判定回路41は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBのハイレベルに応じて出力信号K、Lをハイレベルに維持する。出力回路44は、出力判定回路41の出力信号K、Lがハイレベルに維持されているため、出力信号Voをハイレベルに維持する。
図10において、時点t8〜時点t9の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b直前の通過位置Q1にまで戻って来たときの状態である。移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方から逆方向に戻ると、発光素子3のパルス光が第1及び第2受光素子4a、4bに入射することはなく、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBがローレベルとなる。第1及び第2同期検出回路34、38は、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが2回連続してローレベルになると、それぞれの出力信号SA、SBをローレベルに切り替える。出力保持回路39の出力信号Jは、ローレベルのままである。出力判定回路41は、出力信号Jのローレベルに基づき出力信号Kをハイレベルに維持する。また、出力判定回路41は、第2同期検出回路の出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路の出力信号SAがハイレベルであるため、移動物体が逆方向へ通過を終了したと判定し、出力信号Lをハイレベルに維持する。出力回路44は、出力判定回路41の出力信号K及びLが共にハイレベルに維持されているため、出力信号Voをハイレベルに維持する。
図10において、時点t9〜時点t10の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方から逆方向に一旦戻ったものの、移動物体11が再び順方向Dに移動して来て第1受光素子4a前方の通過位置Q2に到達したときの状態である。移動物体11が第1受光素子4a前方だけを横切るため、発光素子3のパルス光が第1受光素子4aのみに入射し、第2受光素子4bに入射しない。移動物体11が第1受光素子4a前方に到達した直後であるから、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが2回以上連続的にハイレベルにならず、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルに維持されている。また、第2同期検出回路38は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBがローレベルに維持されているから、出力信号SBをローレベルに維持する。出力保持回路39の出力信号Jは、ローレベルのままである。このとき、出力判定回路41は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBのローレベルに応じて出力信号K及びLをハイレベルに維持する。出力回路44は、出力信号K、Lがハイレベルのままのため、出力信号Voを切り替えること無くハイレベルに維持する。
図10において、時点t10〜時点t11の期間は、移動物体11が更に移動して来て第1及び第2受光素子4a、4b前方の通過位置Q3にあるときの状態である。この状態では、発光素子3のパルス光が第1及び第2受光素子4a、4bに入射する。このため、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが共にハイレベルになる。第1及び第2同期検出回路34、38は、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが2回連続してハイレベルになると、それぞれの出力信号SA、SBをハイレベルに切り替える。出力保持回路39は、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルでありかつ出力信号SAがハイレベルであるが、時点t8〜時点t9の期間に第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルであったため(1つ前の移動物体の逆方向通過が終了しているため)、出力信号Jをローレベルに維持する。このとき、出力判定回路41は、出力保持回路39の出力信号Jがローレベルであるため、出力信号Kをハイレベルに維持する。出力回路44は、出力信号K及びLがハイレベルを維持しているため、出力信号Voをハイレベルに維持する。すなわち、移動物体が順方向へ通過し始めるが、1つ前の移動物体の逆方向への通過が終了しているため、出力信号Voのハイレベルが維持される。
図10において、時点t11〜時点t12の期間は、移動物体11が第2受光素子4b前方の通過位置Q4にあるときの状態である。この状態では、発光素子3のパルス光が第2受光素子4bのみに入射する。移動物体11が第1受光素子4a前方を通過した直後は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが2回以上連続的にローレベルになってはいないので、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルに維持されている。第2同期検出回路38は、2値化信号PDBの周期的なハイレベルが維持されているので、出力信号SBをハイレベルに維持する。出力保持回路39の出力信号Jは、ローレベルのままである。このとき、出力判定回路41は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBのハイレベルに応じて出力信号K、Lをハイレベルに維持する。出力回路44は、出力判定回路41の出力信号K、Lがハイレベルに維持されているため、出力信号Voをハイレベルに維持する。
図10において、時点t12〜時点t13の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b直後の通過位置Q5にあるときの状態である。この状態では、発光素子3のパルス光が第1及び第2受光素子4a、4bに入射することはなく、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBがローレベルとなる。第1及び第2同期検出回路34、38は、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが2回連続してローレベルになると、それぞれの出力信号SA、SBをローレベルに切り替える。出力保持回路39は、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルであるため、出力信号Jをローレベルのままにする。このとき、出力判定回路41は、出力信号Jがローレベルであるため、出力信号Kをハイレベルに維持する。また、出力判定回路41は、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであるため、出力信号Lを1パルス分ローレベルとする。出力回路44は、出力信号Lがローレベルになったことから、出力信号Voをハイレベルからローレベルに切り替える。
この様に図10における時点t8〜時点t12の期間では、移動物体11が通過位置Q3で跳ね返され戻ってから第1及び第2受光素子4a、4b前方まで再度移動して来るものの、出力信号Voがハイレベルに維持されてローレベルに切り替えられることはない。そして、時点t12〜時点t13の期間に、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過すると、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBのローレベルへの切り替えに応答して出力信号Voがローレベルに切り替えられる。これにより、移動物体11が通過途中で跳ねても、移動物体11が完全に通過するまでは、出力信号Voが1度しかハイレベルとならず、移動物体11の計数に誤差を生じることがない。
図10において、時点t13以降は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過する限りは、図8における時点t0〜時点t5の期間の動作が繰り返され、移動物体11が通過する度に、出力判定回路41の出力信号Voがハイレベルになる。
次に、図11のタイミングチャートを参照しつつ、移動物体11が第1受光素子4a前方まで順方向Dに移動してから、移動物体11が通過位置Q2で跳ね返されて戻り、引き続いて移動物体11が再び順方向Dに通過して行ったときの動作を説明する。
尚、図11は、図8と同様に、パルス状信号SP、第1及び第2受光素子4a、4b前方での移動物体11の有無、2値化信号PDA、PDB、出力信号SA、SB、信号K、L及び出力信号Voを示している。
また、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過するときには、図8の時点t0〜時点t5の動作が同様になされるので、この動作の説明を省略し、次の他の移動物体11が通過位置Q2で跳ね返されて戻る直前の時点t5からの動作を説明する。
図11において、時点t5〜時点t6の期間は、移動物体11が第1受光素子4a前方の通過位置Q2にあるときの状態である。移動物体11が第1受光素子4a前方だけを横切り、移動物体11が第2受光素子4b前方に到達する前に跳ね返されて戻るので、発光素子3のパルス光が第1受光素子4aのみに入射し、第2受光素子4bに入射しない。このため、第1コンパレータ33の2値化信号PDAがハイレベルになるが、第2コンパレータ37の2値化信号PDBがローレベルのままである。第1同期検出回路34は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが2回連続してハイレベルになると、出力信号SAをハイレベルに切り替える。また、第2同期検出回路38は、出力信号SBをローレベルに維持する。出力保持回路39は、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルであるため、ハイレベルの出力信号Jを1パルス出力する。このとき、出力判定回路41は、出力信号Jが1パルス分ハイレベルにされたのを受け、出力信号Kを1パルス分ローレベルにする。また、出力判定回路41は、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルのままであるため、出力信号Lをハイレベルに維持する。出力回路44は、出力信号Kがローレベルになったのを受け、出力信号Voをローレベルからハイレベルに切り替える。
図11において、時点t6〜時点t7の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b直前の通過位置Q1にあるときの状態である。移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方から逆方向に戻ると、発光素子3のパルス光が第1及び第2受光素子4a、4bに入射することはなく、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBがローレベルとなる。第1同期検出回路34は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが2回連続してローレベルになると、出力信号SAをローレベルに切り替える。また、第2同期検出回路38は、出力信号SBをローレベルに維持する。出力保持回路39の出力信号Jは、ローレベルのままである。このとき、出力判定回路41は、出力信号Jがローレベルにされているため、出力信号Kをハイレベルに維持する。また、出力判定回路41は、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルのままであるため、出力信号Lをハイレベルのままにする。出力回路44は、出力判定回路41からの出力信号K、Lが共にハイレベルを維持していることから、出力信号Voをハイレベルに維持する。
図11において、時点t7〜時点t8の期間では、移動物体11が第1受光素子4a前方の通過位置Q2にあるときの状態である。移動物体11が第1受光素子4a前方だけを横切るため、発光素子3のパルス光が第1受光素子4aのみに入射し、第2受光素子4bに入射しない。移動物体11が第1受光素子4a前方に到達した直後は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが2回以上連続的にハイレベルになってはいないので、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルに維持されている。また、第2同期検出回路38は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBがローレベルに維持されているから、出力信号SBをローレベルに維持している。出力保持回路39の出力信号Jは、ローレベルにされている。このとき、出力判定回路41は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBのローレベルに応じて出力信号K及びLをハイレベルに維持する。出力回路44は、出力信号K、Lがハイレベルのままのため、出力信号Voをハイレベルに維持する。
図11において、時点t8〜時点t9の期間では、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方の通過位置Q3にあるときの状態である。移動物体11が更に移動して第1及び第2受光素子4a、4b前方にあるため、発光素子3のパルス光が第1及び第2受光素子4a、4bに共に入射する。このため、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが共にハイレベルになる。第1及び第2同期検出回路34、38は、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが2回連続してハイレベルになると、それぞれの出力信号SA、SBをハイレベルに切り替える。出力保持回路39は、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルでありかつ第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルであるが、時点t6〜t7の期間に第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルからローレベルになったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルであったため、出力信号Jをローレベルに維持する。このとき、出力判定回路41は、出力保持回路39の出力信号Jがローレベルであるため、出力信号Kをハイレベルに維持する。また、出力回路44は、出力信号Kがハイレベルであるため、出力信号Voをハイレベルに維持する。
図11において、時点t9〜時点t10の期間は、移動物体11が第2受光素子4b前方の通過位置Q4にあるときの状態である。この状態では、発光素子3のパルス光が第2受光素子4bのみに入射する。移動物体11が第1受光素子4a前方を通過した直後は、第1コンパレータ33の2値化信号PDAが2回以上連続的にローレベルになってはいないので、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルに維持されている。第2同期検出回路38は、2値化信号PDBの周期的なハイレベルが維持されているので、出力信号SBをハイレベルに維持する。出力保持回路39の出力信号Jは、ローレベルのままである。このとき、出力判定回路41は、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBのハイレベルに応じて出力信号K、Lをハイレベルに維持する。出力回路44は、出力判定回路41の出力信号K、Lがハイレベルに維持されているため、出力信号Voをハイレベルに維持する。
図11において、時点t10〜時点t11の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b直後の通過位置Q5にあるときの状態である。この状態では、発光素子3のパルス光が第1及び第2受光素子4a、4bに入射することはなく、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBがローレベルとなる。第1及び第2同期検出回路34、38は、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが2回連続してローレベルになると、それぞれの出力信号SA、SBをローレベルに切り替える。出力保持回路39は、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルであるため、出力信号Jをローレベルのままにする。このとき、出力判定回路41は、出力信号Jがローレベルであるため、出力信号Kをハイレベルに維持する。また、出力判定回路41は、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであるため、出力信号Lを1パルス分ローレベルにする。出力回路44は、出力信号Lがローレベルとなったことを受け、出力信号Voをハイレベルからローレベルに切り替える。
次に、図12のタイミングチャートを参照しつつ、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過した後、移動物体11が通過位置Q4まで跳ね返されて戻り、引き続いて移動物体11が再び順方向Dに移動して行ったときの動作を説明する。
尚、図12は、図8と同様に、パルス状信号SP、第1及び第2受光素子4a、4b前方での移動物体11の有無、2値化信号PDA、PDB、出力信号SA、SB、信号K、L及び出力信号Voを示している。
また、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過するときには、図8の時点t0〜時点t5の動作が同様になされるので、この動作の説明を省略し、移動物体11が通過位置Q4まで跳ね返されて戻る直前の時点t5からの動作を説明する。
図12において、時点t5〜時点t6の期間は、移動物体11が第2受光素子4b前方の通過位置Q4にあるときの状態である。移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過した後に通過位置Q4まで跳ね返されて戻るので、発光素子3のパルス光が第2受光素子4bのみに入射し、第1受光素子4aに入射しない。このため、第1コンパレータ33の2値化信号PDAがローレベルのままであり、第2コンパレータ37の2値化信号PDBがハイレベルとなる。第1同期検出回路34は、出力信号SAをローレベルに維持する。また、第2同期検出回路38は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBが2回連続してハイレベルになると、出力信号SBをハイレベルに切り替える。出力保持回路39は、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルのままであることから、出力信号Jをローレベルに維持する。また、出力判定回路41は、出力信号Jがローレベルであるため、出力信号Kをハイレベルに維持する。また、出力判定回路41は、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであるため、移動物体が逆方向へ移動したと判定し、出力信号Lをローレベルに切り替える。このとき、出力回路44は、出力信号Kがハイレベルであり、出力信号Lがローレベルであることから、出力信号Voをローレベルに維持する。
図12において、時点t6〜時点t7の期間は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b直後の通過位置Q5にあるときの状態である。移動物体11が順方向Dに再度移動して行ったならば、発光素子3のパルス光が第1及び第2受光素子4a、4bに入射することはなく、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBがローレベルとなる。第1同期検出回路34は、出力信号SAをローレベルに維持する。また、第2同期検出回路38は、第2コンパレータ37の2値化信号PDBが2回連続してローレベルになると、出力信号SBをローレベルに切り替える。出力保持回路39は、出力信号Jをローレベルに維持する。また、出力判定回路41は、出力信号Jがローレベルであることから、出力信号Kをハイレベルに維持する。また、出力判定回路41は、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであることから、出力信号Lをローレベルからハイレベルに切り替える。出力回路44は、出力信号K,Lが共にハイレベルであるため、出力信号Voをローレベルに維持する。
この様に図12における時点t5〜時点t7の期間では、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過した後、移動物体11が通過位置Q4まで跳ね返されて戻り、引き続いて移動物体11が順方向Dに再度移動して行くものの、出力信号Voが切り替えられることはない。これにより、一旦通過した移動物体11が跳ねて戻って来ても、移動物体11が計数されることはなく、移動物体11の計数に誤差が生じることがない。
図12において、時点t7以降は、移動物体11が第1及び第2受光素子4a、4b前方を順方向Dに通過する限りは、図8における時点t0〜時点t5の期間の動作が繰り返され、移動物体11が通過する度に、出力判定回路41の出力信号Voがハイレベルになる。
次に、図13のタイミングチャートを参照しつつ、外乱光もしくは不正行為の光が第1及び第2受光素子4a、4bに同時に入射したときの動作を説明する。
尚、図13は、図8と同様に、パルス状信号SP、第1及び第2受光素子4a、4b前方での移動物体11の有無、2値化信号PDA、PDB、出力信号SA、SB、K、L、及びVoを示している。
図13の時点t1以降の期間に、外乱光もしくは不正行為の光が第1及び第2受光素子4a、4bに同時に入射すると、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBがハイレベルとなる。第1及び第2同期検出回路34、38は、第1及び第2コンパレータ33、37の2値化信号PDA、PDBが2回連続してハイレベルになると、それぞれの出力信号SA、SBをハイレベルに切り替える。出力保持回路39は、検出信号SAがハイレベルからローレベルに変化するとき、検出信号SBがハイレベルであるため、出力信号Jをローレベルに維持する。また、出力判定回路41は、出力信号Jがローレベルであるため、出力信号Kをハイレベルに維持する。また、出力判定回路41は、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであるため、出力信号Lを1パルス分ローレベルにする。出力回路44は、出力信号Kがハイレベルを維持するため、出力信号Voをローレベルに維持する。これにより外乱光もしくは不正行為の光が入射しても、出力信号Voがハイレベルならず、移動物体11の計数に誤差が生じることがない。
この様に本実施形態の移動物体検出フォトインタラプタ1では、移動物体11が順方向Dに通過する限りは、移動物体11の計数が逐次行われ、また移動物体11が跳ね返り等の異常な動作をしても、このときの跳ね返る距離にかかわらず、移動物体11の計数を正確に行うことができ、更に外乱光もしくは不正行為の光により誤動作することがなく、常に正確な計数を行うことができる。
図14は、図6の移動物体検出フォトインタラプタ1における出力保持回路39、出力判定回路41、及び出力回路44の詳細構成を示す回路図である。この図14の回路図を参照しつつ、これらの回路の動作を次に説明する。
図14においては、各回路47〜63が出力判定回路41に対応し、各回路47〜53が出力保持回路39に対応し、回路64が出力回路44に対応する。
初期リセット回路46は、移動物体検出フォトインタラプタ1の電源投入時にリセット信号を発生する。クロック発生回路45は、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベル(立ち上がり時)に変化したとき、あるいはハイレベルからローレベル(立下り時)に変化したときに、クロックパルスを2回発生する。
2段のシフトレジスタ47、48は、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベル(立ち上がり)に変化したとき、あるいはハイレベルからローレベル(立下り)へ変化したときの第2同期検出回路38の出力信号SBの信号レベルを保持する。NOR52の出力が出力保持回路39の出力信号Jに相当する。
Dフリップフロップ53、54、XOR55、NAND56、57において、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルからハイレベルに変化したとき、NAND56の出力がローレベルとなり、出力信号SBがハイレベルからローレベルに変化したとき、NAND57の出力が1パルス分ローレベルとなる。NAND63の出力が出力判定回路41の出力信号Kに相当し、AND62の出力が出力判定回路41の出力信号Lに相当する。
次に、図8のタイミングチャートを参照しつつ、移動物体11が順方向Dに通過したときの動作を説明する。
はじめに、初期リセット回路46よりリセット信号が出力される。2段シフトレジスタ47は、リセット信号をPRに入力し、出力Q0〜Q2をすべてハイレベルにする。また、2段シフトレジスタ48は、リセット信号をCLRに入力し、出力Q0〜Q2をすべてローレベルにする。
時点t2〜t3において、移動物体が第1受光素子4aの前方を通過すると、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに変化する。このとき、クロック発生回路44から2回クロックパルスが生成出力される。2段シフトレジスタ47は、入力INに第2同期検出回路38の出力信号SBを入力している。移動物体が第1受光素子4aの前方のみにあるため、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルである。従って、2段シフトレジスタ47は、2回のクロックパルスによりローレベルの出力信号SBを順次送り出し、出力Q0〜Q2をすべてローレベルとする。また、2段シフトレジスタ48は、入力INに2段シフトレジスタ47の出力Q2の信号を入力しており、リセット信号により出力Q2がハイレベルにされていたため、2回のクロックパルスによりハイレベルの信号を順次送り、出力Q0〜Q2をすべてハイレベルとする。
NOR49は、2段シフトレジスタ47の出力Q0〜Q2を入力しており、Q0〜Q2がすべてローレベルになったときのみに、ハイレベルを出力する。AND50は、2段シフトレジスタ48の出力Q0〜Q2を入力しており、出力Q0〜Q2がすべてハイレベルになったときのみに、ハイレベルを出力する。
NAND51は、NOR49とAND50の出力を入力し、これらの出力が両方ハイレベルのときのみに、ローレベルを出力する。
NOR52は、AND51の出力と第1同期検出回路34の出力信号SAの反転信号を入力しており、これらの信号が両方ともローレベルのときのみ、ハイレベル(出力信号J)を出力する。
すなわち、回路47〜52においては、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに変化し、かつ第2同期検出回路38の出力信号SBの信号レベルを保持している2段シフトレジスタ47の出力Q0〜Q2がすべてローレベルであり、2段シフトレジスタ48の出力Q0〜Q2がすべてハイレベルであるときのみに、NOR52よりハイレベル(出力信号J)が出力されるようになっている。
移動物体の動きに従って説明すると、移動物体が第1受光素子4aの前方を順方向へ通過しはじめたときに、移動物体が第2受光素子4bの前方にはなく(2段シフトレジスタ47の出力Q0〜Q2がすべてローレベル)、引き続いて移動物体が第1受光素子4a前方の順方向への通過を終了して、移動物体が第2受光素子4bの前方にある(2段シフトレジスタ48の出力Q0〜Q2がすべてハイレベル)という状態になったときのみに、NOR52よりハイレベル(出力信号J)が出力される。
移動物体が第2受光素子4bの前方を通過するときには、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルからハイレベルに変化する。出力信号SBは、Dフリップフロップ53のDに入力されており、出力信号SBがローレベルからハイレベルに変化し、Dフリップフロップ53にクロックが入力されたとき、Dフリップフロップ53の出力Qがハイレベルになる。このとき、Dフリップフロップ54の出力Qがローレベルとなり、XOR55は、これらの出力Q、Qを入力して、これらの出力Q、Qが異なるときのみに、ハイレベルをクロック1パルス分出力する。また、NAND56は、第2同期検出回路38の出力信号SBとXORの出力を入力しており、この両方がハイレベルのときのみにローレベルを出力する。従って、NAND56は、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルからハイレベルへ変化したとき(立ち上がり時)のみにローレベルを1パルス分出力する。
NAND57は、第2同期検出回路38の出力信号SBの反転信号とXOR55の出力を入力しており、この両方がハイレベルのときのみにローレベルを出力する。すなわち、NAND57は、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルへ変化したとき(立ち下がり時)のみにローレベルを1パルス分出力する。
OR59は、第1同期検出回路34の出力信号SAとNAND56の出力を入力しているため、この両方がローレベルのとき、すなわち第2同期検出回路38の出力信号SBの立ち上がり時点で、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルのときのみに、ローレベルを1パルス分出力する(移動物体が逆方向へ通過を始めた場合に生じる)。
NOR58は、第1同期検出回路34の出力信号SAとNAND57の出力を入力しているため、この両方がローレベルのとき、すなわち第2同期検出回路38の出力信号SBの立ち下がり時点で、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルのときのみに、ハイレベルを1パルス分出力する(移動物体が順方向へ通過を終了、もしくは外乱光等により光が同時に入射した場合に生じる)。
NOR60は、NOR58の出力と初期リセット回路46の信号を入力しており、どちらか一方がハイレベルのときローレベルを出力する。すなわち、初期リセット回路46によりリセットされたとき、もしくは移動物体が順方向へ通過を終了したときに、ローレベルを1パルス分出力する。
RSフリップフロップ61は、OR59の出力をセット信号としてSに入力し、NOR60の出力をリセット信号としてRに入力している。従って、RSフリップフロップ61は、第2同期検出回路38の出力信号SBの立ち上がり時点で第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルとなって(移動物体が逆方向へ通過を始めた場合)、セット信号が1パルス分ローレベルとなってから、リセット信号がローレベルとなるまで、出力Q ̄をローレベルにする。
また、RSフリップフロップ61は、第2同期検出回路38の出力信号SBの立ち下がり時点で第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルとなって(移動物体が順方向へ通過を終了した場合)、リセット信号が1パルス分ローレベルとなると、出力Q ̄をハイレベルにする。
AND62は、RSフリップフロップ61の出力Q ̄とNOR60の出力を入力しており、どちらか一方がローレベルのときローレベル(出力信号L)を出力する。すなわち、移動物体が逆方向へ通過を始めた場合、移動物体が順方向へ通過を終了するまで、ローレベルを出力する、または移動物体が順方向へ通過を終了した場合、ローレベルを1パルス分出力する。
NAND63は、NOR52の出力(出力信号J)、第2同期検出回路38の出力信号SBの反転信号及びRSフリップフロップ61の出力Q ̄を入力しており、これらすべてがハイレベルのときのみに、ローレベルを出力する(出力信号K)。すなわち、1つ前の移動物体が順方向に通過終了し、引き続いて現在の移動物体が順方向に通過し始めたときに、ローレベル(出力信号K)を出力する。
RSフリップフロップ64は、NAND63の出力(出力信号K)をセット信号としてSに入力し、AND62の出力(出力信号L)をリセット信号としてRに入力している。従って、1つ前の移動物体が順方向に通過終了し、引き続いて現在の移動物体が順方向に通過し始めて、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルになって、NAND63の出力(出力信号K)がローレベルとなり、RSフリップフロップ64のセット信号がローレベルになると、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がハイレベルとなる。
そして、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルになると、NAND63の出力(出力信号K)がハイレベルとなり、RSフリップフロップ64へのセット信号がハイレベルとなる。更に、移動物体の順方向の通過が終了した時、AND62が1パルス分ローレベルを出力し(出力信号L)、RSフリップフロップ64へのリセット信号がローレベルとなり、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がローレベルとなる。
次に、図9のタイミングチャートを参照しつつ、時点t5以降で移動物体11が跳ね返され戻って来て第1及び第2受光素子4a、4b前方を逆方向に通過したときの動作を説明する。
移動物体が逆方向へ移動した場合、まず移動物体が第2受光素子4b前方を通過し始める。第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであるため、OR59がローレベルを1パルス分出力し、RSフリップフロップ61の出力Q ̄がローレベルとなる。従って、AND62の出力(出力信号L)が1パルス分ローレベルとなり、RSフリップフロップ64のリセット信号がローレベルとなるため、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がローレベルのままとなる。
また、移動物体が第2受光素子4bの前方を通過し、第1受光素子4aを通過し始めるとクロック発生回路45により2回クロックが生成出力され、2段シフトレジスタ47、48において信号が順次送られる。このとき、2段シフトレジスタ47は、入力INに第2同期検出回路38の出力信号SBを入力しているため、その出力Q0〜Q2をすべてハイレベルとする。また、2段シフトレジスタ48も、出力Q0〜Q2をすべてハイレベルとする。従って、NOR49の出力がローレベル、AND出力50の出力がハイレベルとなり、このためにNAND51の出力がハイレベルとなり、NOR52の出力がローレベルとなる。従って、NAND63の出力(出力信号K)がハイレベルとなるため、RSフリップフロップ64のセット信号がハイレベルとなり、RSフリップフロップ64がセットされず、出力Q(出力信号Vo)がハイレベルに切り替わらずローレベルのままである。
AND62の出力(出力信号L)は、移動物体の順方向への通過が終了するまでローレベルに保持される。このため、RSフリップフロップ64は、移動物体の順方向への通過が終了するまで、リセットされ続ける。すなわち、移動物体が逆方向へ通過した後、移動物体の順方向への通過が終了するまで、RSフリップフロップ64がリセットされつづけ、順方向への通過が終了してから、RSフリップフロップ64のリセットが解除される。このため、次の移動物体が順方向へ通過したときには、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がハイレベルに切り替えられる。
次に、図10のタイミングチャートを参照しつつ、時点t5以降で移動物体11が通過位置Q3で跳ね返されて戻り、引き続いて移動物体11が再び順方向Dに通過して行ったときの動作を説明する。
移動物体が第1受光素子4aの前方を通過すると、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに変化する。このとき、回路47〜52においては、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに変化し、かつ第2同期検出回路38の出力信号SBの信号レベルを保持している2段シフトレジスタ47の出力Q0〜Q2がすべてローレベルであり、2段シフトレジスタ48の出力Q0〜Q2がすべてハイレベルとなるため、NOR52よりハイレベル(出力信号J)が出力される。
移動物体の動きに従って説明すると、移動物体が第1受光素子4aの前方を順方向へ通過しはじめたときに、移動物体が第2受光素子4bの前方にはなく(2段シフトレジスタ47の出力Q0〜Q2がすべてローレベル)、引き続いて移動物体が第1受光素子4a前方の順方向への通過を終了して、移動物体が第2受光素子4bの前方にある(2段シフトレジスタ48の出力Q0〜Q2がすべてハイレベル)という状態になったときのみに、NOR52よりハイレベル(出力信号J)が出力される。
移動物体が第2受光素子4bの前方にあるときには、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルからハイレベルに変化する。このとき、OR59は、ハイレベルを出力するので、RSフリップフロップ61がセットされず、RSフリップフロップ61の出力Q ̄がハイレベルとなる。NAND63は、NOR52の出力がハイレベルであるため、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルになるまでローレベルを出力する(出力信号K)。これにより、RSフリップフロップ64がセットされて、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がハイレベルに切り替えられる。
次に、移動物体が第2受光素子4bから跳ね返って戻ると、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルに変化する。NOR58は、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルのため、ローレベルを出力する。これにより、NOR60の出力がハイレベル、AND62の出力(出力信号L)がハイレベルとなるため、RSフリップフロップ64がリセットされず、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がハイレベルとなる。
時点t8〜時点t9の期間においては、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、シフトレジスタ47の出力Q0〜Q2がすべてローレベル、シフトレジスタ48の出力Q0〜Q2がすべてローレベルとなり、NOR52の出力がローレベルに維持される。従って、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)が変化せずにハイレベルに維持される。
時点t9〜時点t10の期間においては、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBに変化がないため、その他の出力信号についても変化しない。
時点t10〜時点t11の期間においては、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに変化するとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルであるため、シフトレジスタ47の出力信号Q0〜Q2がすべてローレベルとなり、シフトレジスタ48の出力信号Q0〜Q2についてもすべてローレベルとなり、NOR52の出力がローレベルとなり、RSフリップフロップ64がセットされない。
第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルであるため、OR59の出力がハイレベルとなり、RSフリップフロップ61がセットされず、RSフリップフロップ61の出力Q ̄がハイレベルに維持される。従って、RSフリップフロップ64がリセットされず、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がハイレベルに維持される。
時点t11〜時点12の期間については、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBに変化がないため、その他の出力信号についても変化しない。
時点t12〜時点13の期間において、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルであるため、シフトレジスタ47の出力Q0〜Q2がすべてハイレベルとなり、シフトレジスタ48の出力Q0〜Q2がすべてローレベルとなり、NOR52の出力がローレベルとなり、NAND63の出力(出力信号K)がハイレベルに維持され、RSフリップフロップ64がセットされない。
第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであるため、NOR58の出力が1パルス分ハイレベルとなり、NOR60の出力がローレベルとなる。従って、AND62の出力(出力信号L)も1パルス分ローレベルとなり、RSフリップフロップ64のセットが実行され、出力Q(出力信号Vo)がハイレベルからローレベルへ切り替わる。
時点t13以降は、時点t0〜t5と同様であり、移動物体が順方向Dへ移動するたび、出力信号Voがハイレベルとなる。
次に、図11のタイミングチャートを参照しつつ、時点t5以降で移動物体11が通過位置Q2で跳ね返されて戻り、引き続いて移動物体11が再び順方向Dに通過して行ったときの動作を説明する。
移動物体が第1受光素子4aの前方に到達すると、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに変化する。このとき、回路47〜52においては、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに変化し、かつ第2同期検出回路38の出力信号SBの信号レベルを保持している2段シフトレジスタ47の出力Q0〜Q2がすべてローレベルであり、2段シフトレジスタ48の出力Q0〜Q2がすべてハイレベルとなるため、NOR52よりハイレベルが出力される。従って、NAND63は、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルになるまで、ローレベルを出力し(出力信号K)、RSフリップフロップ64がセットされ、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がハイレベルになる。
時点t6〜時点t7の期間においては、第2同期検出回路38の出力信号SBが変化しないため、AND62の出力(出力信号L)がハイレベルに維持され、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がハイレベルに維持される。
時点t7〜時点t8の期間においては、第1及び第2同期検出回路の出力信号に変化がないため、その他の出力信号についても変化しない。
時点t8〜時点t9の期間において、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに変化するとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルであるため、シフトレジスタ47の出力信号Q0〜Q2がすべてローレベルとなり、シフトレジスタ48の出力信号Q0〜Q2についてもすべてローレベルとなり、NOR52の出力がローレベルとなり、RSフリップフロップ64がセットされない。
また、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAはハイレベルであるため、OR59の出力がハイレベルとなり、RSフリップフロップ61がセットされす、RSフリップフロップ61の出力Q ̄がハイレベルに維持される。従って、RSフリップフロップ64がリセットされず、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がハイレベルに維持される。
時点t9〜時点t10の期間については、第1及び第2同期検出回路34、38の出力信号SA、SBに変化がないため、その他の出力信号についても変化しない。
時点t10〜時点t11の期間において、第1同期検出回路34の出力信号SAがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルであるため、シフトレジスタ47の出力Q0〜Q2がすべてハイレベルとなり、シフトレジスタの48の出力Q0〜Q2がすべてローレベルとなり、NOR52の出力がローレベルにされ、NAND63の出力(出力信号K)がハイレベルにされ、RSフリップフロップ64がセットされない。
そして、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであるため、NOR58の出力が1パルス分ハイレベルとなり、NOR60の出力がローレベルとなる。従って、AND62の出力(出力信号L)も1パルス分ローレベルとなり、RSフリップフロップ64のリセットが実行され、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がハイレベルからローレベルへ切り替えられる。
時点t11以降は、時点t0〜t5と同様であり、移動物体が順方向Dへ移動するたび、出力信号Voがハイレベルとなる。
次に、図12のタイミングチャートを参照しつつ、時点t5以降で移動物体11が通過位置Q4で跳ね返されて戻り、引き続いて移動物体11が再び順方向Dに通過して行ったときの動作を説明する。
時点t5〜時点t6の期間においては、移動物体が第1受光素子4aの前方を通過しないため、第1同期検出回路34の出力信号SAが変化しない。そのため、NOR52がローレベルに維持される。従って、NAND63の出力(出力信号K)がハイレベルに維持され、RSフリップフロップ64がセットされず、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がローレベルに維持される。
第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであるため、移動物体の逆方向への通過が開始されたとみなすことができる。このとき、OR59の出力がローレベルとなり、RSフリップフロップ61がセットされ、RSフリップフロップ61の出力Q ̄がローレベルにされる。従って、AND62の出力(出力信号L)がローレベルとなり、RSフリップフロップ64がリセットされ、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がローレベルに維持される。
時点t6〜時点t7の期間においては、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルからローレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであるため、移動物体の順方向への通過が終了したとみなすことができ、NOR60の出力がローレベルとなり、RSフリップフロップ61がリセットされ、RSフリップフロップ61の出力Q ̄がハイレベルにされる。従って、AND62の出力(出力信号L)がハイレベルとなり、RSフリップフロップ64がセットされず、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がローレベルに維持される。
時点t7以降は、時点t0〜t5と同様であり、移動物体が順方向Dへ移動するたび、出力信号Voがハイレベルとなる。
次に、図13のタイミングチャートを参照しつつ、外乱光もしくは不正行為の光が第1及び第2受光素子4a、4bに同時に入射したときの動作を説明する。
第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第2同期検出回路38の出力信号SBがハイレベルであるため、シフトレジスタ47の出力Q0〜Q2がすべてハイレベル、シフトレジスタ48の出力Q0〜Q2もすべてハイレベルとなり、NOR52の出力がローレベルに維持され、NAND63の出力(出力信号K)がハイレベルに維持され、RSフリップフロップ64がセットされず、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がローレベルに維持される。
また、第2同期検出回路38の出力信号SBがローレベルからハイレベルに切り替わったとき、第1同期検出回路34の出力信号SAがローレベルであるため、OR59の出力がローレベルにされる。従って、RSフリップフロップ61の出力Q ̄がハイレベルとなり、AND62の出力(出力信号L)がハイレベルとなり、RSフリップフロップ64がリセットされず、RSフリップフロップ64の出力Q(出力信号Vo)がローレベルに維持される。
このように光が同時に入射した場合は、RSフリップフロップ64がセットされないため、出力Q(出力信号Vo)がローレベルに維持される。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、発光素子及び受光素子として、種々の素子を適用することができる。更に、1つの発光素子及び1つの受光素子を1組として、該発光素子の光を該受光素子で受光するようにし、複数組の発光素子及び受光素子を移動物体の通過方向に離間して配置しても良い。
更に、本発明は、移動物体検出フォトインタラプタ1の様な反射型のものだけではなく、透過型のフォトインタラプタについても適用することができる。透過型の場合は、受光素子前方に移動物体があるときに該受光素子に光が入射せず、受光素子前方に移動物体がないときに該受光素子に光が入射するので、反射型と比較すると、受光素子の検出出力のハイレベルとローレベルが反転する。
また、本発明は、移動物体検出フォトインタラプタだけでなく、この移動物体検出フォトインタラプタを適用した電子機器をも包含する。電子機器としては、複写機等のOA機器、FA機器、一般家電機器等がある。