JP4232363B2 - ZnO系半導体発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【本発明の属する技術分野】
本発明はZnO系半導体発光素子、特に青色光の発光に適したZnO系半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、青色発光が可能な発光素子に対する研究・開発は盛んに行なわれてきたが、最近になり、AlGaInN系材料を用いた、青色発光素子が実現している。しかしながら、AlGaInN系材料は比較的希少な金属であるGaとInとが主成分となるため、コストアップが避けがたく、産業上における製品化のコスト削減の観点からは困難が伴うこととなる。そこで、AlGaInN系材料以外において、安価なMgZn1−xO(0≦x≦1:以下、単にMgZnOとも記する)型酸化物を発光層部に用いた二次元アレー面型発光装置(特開平11−168262号公報)もしくは、サファイア基板上に、MgZnO型酸化物をヘテロエピタキシャル成長させた発光素子(特開2001−44500号公報)が提案されている。このような状況下において、短波長発光が可能で、生産コストを抑えることができるMgZnO型酸化物は、短波長半導体レーザ、高輝度青色LEDあるいは紫外線発光素子などの高効率発光素子の材料として開発が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記MgZn1−xO(0≦x≦1)型酸化物は、ZnO(酸化亜鉛)に対するMgO(酸化マグネシウム)の混晶比xの増加に伴い、バンドギャップエネルギーは増加する。そのため、通常、発光効率の向上を図るために、MgZnO型酸化物よりなるZnO系半導体発光素子をダブルへテロ構造より組む場合、活性層に注入されるキャリアの閉じ込め効果をより機能させる観点から、活性層はZnOより構成されている。
しかしながら、MgZnO型酸化物より構成されるZnO系半導体発光素子の製造は、MOVPE(Metal Organic Vapour Phase Epitaxy)法もしくはMBE(Molecular Beam Epitaxy)法が用いられるが、その製造過程においてMgZnO型酸化物の酸素欠損が顕著であるために、ZnOよりなる活性層の結晶性低下を招き、結果として、活性層より得られる発光波長の半値全幅が広がり、かつ発光強度が低下するため、目的とする特定波長の発光効率を抑制することとなる。
【0004】
本発明の課題は、MgZn1−xO型酸化物よりなるZnO系半導体発光素子において、活性層を高品質にて確実に形成でき、ひいては高性能で安価な青色発光型の発光素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するための本発明のZnO系半導体発光素子は、
発光層部がダブルへテロ構造を有するとともに、活性層およびクラッド層よりなる前記ダブルへテロ構造において、前記活性層は、II族元素をZnとし、VI族元素をOと、SeまたはTeとしたII−VI族化合物半導体より形成され、他方、前記クラッド層は、MgZn1−xO(ただし、0≦x≦1)型酸化物より形成されてなることを前提とする。
【0006】
MgZnO型酸化物よりなるダブルへテロ型ZnO系半導体発光素子において、ZnOより活性層を構成した場合、ZnOのバンドギャップエネルギーが3.25eVであるため、発光色は紫色に近いものとなる。そこで、青色発光に適したバンドギャップエネルギーとするためには、ZnO活性層に対して不純物を添加し、不純物準位を形成させるか、ZnOよりバンドギャップエネルギーの低いZnOを主体とする混晶化合物半導体より活性層を構成する必要がある。
【0007】
高発光効率の青色発光を得るためには、活性層の上記構成条件を備え、かつ活性層の結晶性を安定させる必要がある。ZnOを主体としたZnO系半導体よりなる活性層の結晶性を安定させるためには、MOVPE法もしくMBE法にて、ZnO系半導体をエピタキシャル成長させて活性層を積層させる際に、酸素欠損をいかに抑制するかが問題となる。図2は、MgZnO型酸化物の結晶構造を示すもので、いわゆるウルツ鉱型構造を有する。該構造では、酸素原子層と金属原子(ZnイオンまたはMgイオン)層とがc軸方向に交互に積層される形となっており、図3に示すように、c軸が層厚方向に沿うように形成される。酸素イオンが欠落して空孔を生ずることで酸素欠損が発生する。
【0008】
しかしながら本発明においては、活性層を、II族元素をZn(亜鉛)とし、VI族元素をO(酸素)と、Se(セレン)またはTe(テルル)としたII−VI族化合物半導体(上記ZnO系半導体)より形成されるので、酸素欠損したサイトに同族である、SeまたはTeを導入することが可能となる。また、導入されたSeもしくはTeが不純物として働いた場合は、Zn−Se対もしくは、Zn―Te対がZnOより深い準位に不純物準位を形成すると考えられるので、ZnO系半導体よりなる活性層より高効率な青色発光を可能とする。
【0009】
また、本発明のZnO系半導体より形成される活性層において、酸素欠損したサイトに導入されるSeもしくはTeが不純物としてではなく、ZnOSe結晶もしくはZnOTe結晶といった結晶を組んだ場合、ZnOSe結晶およびZnOTe結晶ともに、ZnO結晶に比べてバンドギャップエネルギーを下げることができるため、活性層より高効率な青色発光を可能とする。また、上述した、不純物準位を経由して発光させる場合は、不純物準位を形成するZn−Se対もしくはZn−Te対の生成に限度があり、その時点で発光効率の向上は飽和することになるが、ZnOSe結晶もしくはZnOTe結晶が形成するバンドを経由して発光させる場合、さらに発光効率の向上が可能となる。
【0010】
上記したSeもしくはTeを含むZnO系半導体より形成される活性層を、該活性層よりバンドギャップエネルギーの大きなMgZn1−xO(0≦x≦1)型酸化物より形成されるクラッド層で挟み込む形にて本発明のダブルへテロ構造はなる。MgZn1−xO(0≦x≦1)型酸化物は、MgO混晶比xの増加に伴い、バンドギャップエネルギーとともに絶縁性も大きくなる。そのため、MgO混晶比xが大きくなると、クラッド層に有効なキャリア数をドープすることが困難となり、特にZnOがノンドープでn型であるために、p型キャリアをドープする必要があるp型クラッド層では困難となる。しかしながら、従来、ZnOより活性層を形成していたのに対して、本発明では、上述したようにZnOよりバンドギャップエネルギーが低い、SeもしくはTeを含むZnO系半導体より活性層は形成されるので、クラッド層を、ZnOもしくはMgO混晶比xを低く抑えたMgZn1−xO型酸化物より構成することが可能となる。結果、クラッド層に有効なキャリア数をドープすることを可能にするとともに、活性層に有効なキャリア数を注入することができ、ひいては発光効率の向上を可能とする。
【0011】
活性層がZnOSe結晶もしくはZnOTe結晶よりなる場合、ZnOSe結晶もしくはZnOTe結晶は、Oに対するSe、Teの比率が大きくなるに従い、そのバンドギャップエネルギーは小さくなるので、活性層における発光波長は短くなることになる。青色発光に適したバンドギャップエネルギーは、2.52〜3.15eVの範囲であり、例えば、ZnOSe結晶におけるOとSeの比率を61:39に、ZnOTe結晶におけるOとTeの比率を81:19にすることで、ともに青色発光に適した最大のバンドギャップエネルギー3.15eVとすることができる。ZnOのバンドギャップエネルギーは、3.25eVであるので、活性層におけるキャリア閉じ込め効果を抑制することなく、ZnOよりクラッド層を構成することが可能となる。このように、ZnOよりクラッド層を構成することで、クラッド層および活性層をZnO主体とすることができ、製造時における作業効率を高めることが可能になるばかりではなく、余分なMgを使用することがなくなりコスト削減に寄与することとなる。
【0012】
また、上記した青色発光のみならず、活性層を構成するZnOSe結晶もしくはZnOTe結晶における、Oに対するSe、Teの比率を調整するとで、青色よりさらに長波長領域の青緑色もしくは緑色の発光に適したバンドギャップエネルギーとすることも可能である。この場合、活性層におけるバンドギャップエネルギーは、青色発光に適したバンドギャップエネルギーに比べ小さくなるので、クラッド層はZnOより構成することができる。
【0013】
次に本発明のZnO系半導体発光素子における活性層は、ZnOより形成される主層中に、ZnSeもしくはZnTeより形成される副層が、層厚方向に分散してなる多層構造とされることを特徴とする。
【0014】
ZnO系半導体をエピタキシャル成長させて活性層を形成する際、その結晶性は酸素欠損をいかに抑えるかに起因し、酸素欠損したサイトに同族であるSeもしくはTeを導入することで、活性層の結晶性が高められ、かつ活性層における発光波長が長波長側にシフトする効果について上記した。上記活性層は、例えば、SeもしくはTeを含むZnO系半導体よりなる単層として構成されるが、これを本発明の第一として、第二としては、活性層をZnOより形成される主層中に、例えば、活性層の1分子層以下の領域幅で、ZnSeもしくはZnTeが副層として介挿された多層構造として形成させる。このように形成される副層はδドーピング層として機能し、SeもしくはTeを層厚方向に局在化させることが可能となるので、酸素欠損したサイトにSeもしくはTeを導入させる効果を一層顕著にすることができる。結果、最近接に位置するZnとの結合性が高められ、Zn―Se対もしくはZn−Te対の形成、またはZnOSe結晶もしくはZnOTe結晶の形成確率が高められることになる。さらに、酸素の欠損サイトに導入されず、ZnSeもしくはZnTeといった異種結晶相が形成されることを抑制することで、非整合の異相界面や転位等による非発光中心の発生を抑えることが可能となる。また、副層を活性層の一分子層より小さい被膜率とした場合、SeもしくはTeが酸素欠損サイトに導入されず、不純物として析出することを抑制することができる。
【0015】
上記した活性層中に介挿される副層の形成層数は、目的とするバンドギャップエネルギー、つまり活性層を形成するZnOSe結晶もしくはZnOTe結晶のOに対するSe、Teの比率により適宜選択されるので、特に限定されるものではないが、活性層より均一な発光を得るために、SeもしくはTeを導入することによる効果が活性層中で一様に生じるようになっていることが当然望ましい。そのためには、層厚方向に分散形成、例えば周期的に形成することが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を説明するための発光素子要部の積層構造を模式的に示すものである。図1(a)に示すように、基板1上に、ZnOバッファ層2、n型MgZnO型酸化物層3、ZnO系半導体活性層4、さらにp型MgZnO型酸化物層5を、エピタキシャル成長法により格子整合形態にて積層させることで、ダブルへテロ型の発光層部10が形成される。ZnO系半導体活性層(以下、単に活性層とも記する)4は、II族元素をZnとし、VI族元素をOと、SeまたはTeとしたZnO系半導体より構成される。図1(a)において、活性層4は単層として構成されるが、図1(b)は、活性層4を、ZnO主層6中に、ZnSeもしくはZnTeよりなる副層7が、活性層4の一分子層以下の領域幅で周期的に介挿された多層構造の形態となる。
【0017】
図1(a)に示すように、活性層4を、SeもしくはTeを含むZnO系半導体より構成することで、酸素欠損したサイトに同族であるSeもしくはTeを導入することが可能となり、上述したように活性層4の結晶性を向上させ、そのバンドギャップエネルギーを青色発光に適したものとすることができる。また、図1(b)に示すように、ZnO主層6中に、ZnSeもしくはZnTeよりなる副層7を周期的に介挿させた多層構造とすることで、導入されるSeもしくはTeと最近接のZnとの結合性を高めることができる。図1(b)では、副層7の被膜率が1となるように図示されているが、SeもしくはTeが酸素欠損サイトに導入されず不純物として析出するのを抑制するために、被膜率を1より小さくしてもよい。また、副層7の形成層数は、目的する活性層4における発光波長に合わせて適宜調整される。
【0018】
図1における基板1として、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化マグネシウム、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化シリコン、砒化ガリウム、インジウム・スズ複合酸化物あるいはガラス等を使用できる。また、本発明に特に好適な基板の態様としては、以下のようなものである。MgZnO型酸化物は、図2に示すように、c軸方向に交互に積層される金属原子層と酸素原子層とからなるウルツ鉱型結晶構造を有し、その酸素原子が六方晶系原子配列をなす。従って、基板は、酸素原子が六方晶系原子配列をなすとともに、該六方晶系原子配列のC面((0001)面)を主表面とする酸化物単結晶基板とすることが、MgZnO型酸化物との結晶整合性を良好なものとし、ひいては結晶性の良好な発光層部10を得る上で有効である。このような酸化物単結晶基板として例えばコランダム型構造を有する酸化物があり、そのさらに具体的な例としてサファイア基板を挙げることことができる。
【0019】
図1におけるZnOバッファ層2の形成は、エピタキシャル成長法によりZnO結晶を積層させてもよいが、ZnS、ZnSeまたはZnTeのうち一種をエピタキシャル成長法により積層させた後、酸素雰囲気下で熱処理することでZnOバッファ層2とすることも可能である。
【0020】
また、図1におけるn型MgZnO型酸化物層2(以下、単にn型MgZnO層2とも記する)には、n型ドーパントとしてB、Al、Ga、Inの1種又は2種以上が含有される。III族元素であるB、Al、Ga、Inは、II族元素であるMg、Zn元素を置換し、n型キャリアをドーピングすることが可能である。n型MgZnO層2の結晶性を考慮し、Zn元素のイオン半径に近いGaを、n型ドーパントとして選択することが好適である。
【0021】
他方、p型MgZnO型酸化物層5(以下、単にp型MgZnO層5とも記する)には、p型ドーパントとしてLi、Na、Cu、N、P、As、Al、Ga、Inの1種又は2種以上が含有される。I族元素であるLi、Naは、II族元素であるMg、Znサイトを置換し、V族元素であるN、P、Asは、VI族であるOサイトを置換することによりp型キャリアをドーピングすることが可能である。CuOは、ノンドーピングでp型半導体であるので、CuをドーピングしCuOを生成することにより、Cuはp型ドーパントとして機能することになる。また、Al、Ga、In、Liは、Nと共添加することにより、良好なp型特性をより確実に得ることができる。さらに、p型MgZnO層5の結晶性を考慮して、ZnもしくはO元素にイオン半径が近いNと、Ga、Al及びInの一種又は2種以上、特にGaとを選択することが好適である。
【0022】
図1(a)に示す各層のエピタキシャル成長は、MOVPE法もしくはMBE法にて成長させることができる。なお、本明細書においてMBEは、金属元素成分源と非金属元素成分源との両方を固体とする狭義のMBEに加え、金属元素成分源を有機金属とし非金属元素成分源を固体とするMOMBE(Metal Organic Molecular Beam Epitaxy)、金属元素成分源を固体とし非金属元素成分源を気体とするガスソースMBE、金属元素成分源を有機金属とし非金属元素成分源を気体とする化学ビームエピタキシ(CBE(Chemical Beam Epitaxy))を概念として含む。
【0023】
図1(b)に示すZnO主層6は、上記と同様のエピタキシャル成長法にて形成することができる。一方、活性層4の一分子層以下の領域幅に調整する必要があるZnSeもしくはZnTeよりなる副層7は、ALE(Atomic Layer Epitaxy)法により、副層7の主原料となるZn源ガスと、SもしくはSe源ガスとを交互に供給することで、形成することができる。また、供給源ガスの流量を調整することで、副層7の被膜率を1より小さくすることができる。
【0024】
各層の主原料としては次のようなものを用いることができる:
・酸素成分源ガス:酸素ガスを用いることもできるが、酸化性化合物ガスの形で供給することが、後述する有機金属との過度の反応を抑制する観点において望ましい。具体的には、NO、NO、NO、COなど。本実施形態では、NO(亜酸化窒素)を用いている。
Se源ガス:HSeなど。
Te源ガス:HTeなど。
・Zn源(金属成分源)ガス:ジメチル亜鉛(DMZn)、ジエチル亜鉛(DEZn)など。
・Mg源(金属成分源)ガス:ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)など。
【0025】
p型ドーパントとして、Al、Ga及びInの1種又は2種以上を、Nとの共添加により良好なp型ドーパントとして機能させることができる。ドーパントガスとしては以下のようなものを使用できる;
・Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)など;
・Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)など;
・In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)など。
p型ドーパントとして金属元素(Ga)とともにNが使用される場合、p型MgZnO層の気相成長を行なう際に、N源となる気体を、Ga源となる有機金属ガスとともに供給するようにする。例えば、本実施例の場合、酸素成分源として使用するNOがN源としても機能する形となる。
【0026】
n型ドーパントとして、Al、Ga及びInの1種又は2種以上を添加することによりn型キャリアをドーピングすることができる。ドーパントガスとしては、上記同様なものが使用できる。
【0027】
MgZnO型酸化物は真空雰囲気中での気相成長時に、酸素欠損が非常に生じやすく、導電型が必然的にn型となる傾向がある。そこで、図1におけるn型MgZnO層3の成長に際しては酸素欠損を積極的に生じさせてn型とする方法をとることも可能で、活性層4及びp型MgZnO層5を成長する場合よりも酸素雰囲気圧力を下げる(例えば10torr未満とする)ことが有効である。また、同時にn型ドーパントを導入する形で層成長を行なうことにより積極的にn型キャリアをドーピングすることも可能である。あるいは、供給原料のII族とVI族との比(供給II/VI比)を大きくしても良い。
【0028】
他方、活性層4及びp型MgZnO層5を成長させる場合、10torr(9.8×10Pa)以上の圧力を有した酸素雰囲気下で行なうことにより、成膜中の酸素欠損発生をより効果的に抑制でき、良好な特性の活性層4あるいはp型MgZnO層5を得ることができる。この場合、より望ましくは、酸素分圧(O以外の酸素含有分子も、含有される酸素をOに換算して組み入れるものとする)が10torr(9.8×10Pa)以上とするのがよい。さらに、p型MgZnO層5を成長させる場合、p型MgZnO層5の主原料となるガス流量を間欠的に中断させ、酸化を促進することで酸素欠損発生をさらに抑制することができる。また、本発明においては、活性層4は、酸素欠損したサイトに同族であるSeもしくはTeを導入することができるので、酸素欠損発生による活性層4の結晶性低下をさらに抑制することができる。
【0029】
以上のようにして発光層部10の成長が終了すれば、基板1側をラッピング、そしてエッチングした後、図4の模式図に示すように、Inよりなるp型電極11、Auよりなるn型電極12を形成するとともに、ダイシング工程を経て、各々電極にAl配線を施すことによりZnO系半導体発光素子を得ることができる。光取出しは、主としてp型MgZnO層5側から行うことになる。図4では、p型電極11の形成領域からは光取出しができないため、図5に示すように活性層4及びp型MgZnO層5の一部をフォトリソグラフィー等により一部除去して、インジウム・スズ酸化物(ITO)等からなる透明電極23を形成する一方、残余のp型MgZnO層5上には金属電極22を形成し、その後、サファイア基板21とともにダイシングすればZnO系半導体発光素子が得られる。この場合、光取出は、主として透明なサファイア基板10側から行なうことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のZnO系半導体発光素子の一実施形態を示す積層構造断面図
【図2】MgZnO型酸化物の結晶構造を示す模式図。
【図3】MgZnO型酸化物層の金属イオンと酸素イオンとの配列形態を示す模式図。
【図4】本発明のZnO系半導体発光素子の一電極形成形態を示す積層構造断面図。
【図5】図4に続く一電極形成形態を示す積層構造断面図。
【符号の説明】
3 n型MgZnO型酸化物層
4 ZnO系半導体活性層
5 p型MgZnO型酸化物層
6 ZnO主層
7 副層
10 発光層部

Claims (2)

  1. 発光層部がダブルへテロ構造を有するとともに、活性層およびクラッド層よりなる前記ダブルへテロ構造において、前記活性層は、II族元素をZnとし、VI族元素をOと、SeまたはTeとしたII−VI族化合物半導体より形成され、他方、前記クラッド層は、MgZn1−xO(ただし、0≦x≦1)型酸化物より形成されてなり、
    前記活性層は、ZnOより形成される主層中に、ZnSeもしくはZnTeより形成される副層が、層厚方向に分散して介挿されてなる多層構造とされることを特徴とするZnO系半導体発光素子。
  2. 前記副層は、前記活性層の一分子層以下の領域幅であることを特徴とする請求項1記載のZnO系半導体発光素子。
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