JP4232240B2 - ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学的表示材料として有用なネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置(LCD)は、電卓のディスプレイとして登場して以来、コンピューターの開発と歩みを同じくして、TN−LCD(ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置)から、STN−LCD(スーパー・ツイスティッド・ネマチック)へと表示容量の拡大に対応してきた。STN−LCDは、シェファー(Scheffer)等[SID '85 Digest, 120頁(1985年)]、あるいは衣川等[SID '86 Digest, 122頁(1986年)]によって、開発され、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータなどの高密度情報処理用の表示に広く普及しはじめている。このような高密度情報表示を行うための駆動方式として、電圧平均化法による時分割駆動方式が開発され、多くの液晶表示に用いられている。しかし、この方式でコントラスト良く駆動するためには、1)駆動電圧−透過率特性が急峻であることが必要である。また同時に、2)駆動電圧のわずかなの差異で表示の明暗を制御するため、駆動回路で印加した電圧が減衰することなく、液晶層に印加されることが必要である。
【0003】
上述1)の駆動電圧―透過率特性の急峻性は、TN−LCDでは、液晶材料の曲がり(K33)と広がり(K11)の弾性定数比K33/K11を出来るだけ小さくすることで達成される。一方STN−LCDでは、逆に液晶材料の弾性定数比K33/K11を出来るだけ大きくすることにより達成される。
【0004】
このように、駆動方式に応じて液晶材料の弾性定数の値を設計し、最適な駆動電圧−透過率特性が得ることが液晶材料設計には強く求められている。しかし、このように弾性定数を所望の値に設計することは、必ずしも成功せず最適条件が満たされていないのが現状であった。
【0005】
次に上述2)の駆動電圧の内部での減衰は、電極や配向膜界面に蓄積した電荷や、液晶バルク層に含まれるイオンの影響により起こると考えられている。しかし、高抵抗が得られる液晶材料を選びバルク層のイオンの低減をはかると、イオンが配向膜界面に残存することが原因と考えられている「焼き付き」と呼ばれる現象が起こり、両者を同時に最適化することが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の1)と2)の課題を同時に満足し、「焼き付き」現象の起こらない若しくは起こりにくい液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記の組成物及びこれを用いた液晶表示装置によって達成される。
【0008】
即ち、1.一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】
(この式において、R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、オキサアルキル基、オキサアルケニル基又はアルコキシル基を示し、R2はシアノ基であってもよい)で表わされる化合物を1種又は2種以上を含有し、一般式(II)
【0011】
【化4】
【0012】
(この式において、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、オキサアルキル基、オキサアルケニル基又はアルコキシル基を表わし、R4は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、オキサアルキル基、オキサアルケニル基又はアルコキシル基を表わし、環Aはシクロへキシレン、フェニレン、フッ素原子により置換されたフェニレンを表し、Z1、Z2はそれぞれ独立して単結合、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−又は−C≡C−を示し、mは0、1又は2を示す)で表わされる化合物(但し、R3がアルキル基のときは、R4はアルキル基及びアルコキシ基ではない)を1種又は2種以上含有することを特徴とするネマチック液晶組成物。
2.一般式(I)の化合物を3〜20重量%、一般式(II)の化合物を5〜60重量%含むことを特徴とする上記1記載のネマチック液晶組成物。
3.上記1記載のネマチック液晶組成物を用いることを特徴とする液晶表示装置。
4.ネマチック液晶組成物の電圧保持率(VHR)が50%から80%であることを特徴とする上記3記載の液晶表示装置。
を前記課題の解決手段として見出した。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置の一例について説明する。
【0014】
本発明の液晶組成物を構成する各群の化合物について詳述する。
【0015】
一般式(I)、(II)の化合物は、公知の化合物であり、当業者が容易に入手することができる。
【0016】
一般式(I)の化合物は、窒素原子を環内に含むヘテロ環を有する化合物であり、3〜20重量%含むことが好ましく、更に好ましくは3〜10重量%含むことが好ましい。R1はアルキル基が好ましく、R2は、アルキル基、アルコキシル基、若しくはシアノ基が好ましい。特にシアノ基が好ましい。また、一般式(II)の化合物は、小さい誘電率異方性と、大きい曲がり(K33)と広がり(K11)の弾性定数比K33/K11を有する化合物であり、5〜60重量%含むことが好ましく、更に好ましくは30〜60重量%含むことが望ましい。一般式(II)で表される化合物としては、この式において、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、オキサアルキル基、オキサアルケニル基又はアルコキシル基であることが好ましく、R4は、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、オキサアルキル基、オキサアルケニル基又はアルコキシル基が好ましい、また環Aはシクロへキシレン、フェニレンが好ましい。Z1、Z2は単結合、エチレン結合が好ましく、単結合が特に好ましい。
【0017】
特に好ましい化合物としては次の化合物が挙げられる。1.R3=アルケニル、環A=シクロヘキシレン、m=0、R4=アルキルである化合物、2.R3=アルケニル、環A=シクロヘキシレン、m=0、R4=アルケニルである化合物、3.R3=アルケニル、環A=シクロヘキシレン、m=1、R4=アルキルである化合物、4.R3=アルケニル、環A=シクロヘキシレン、m=1、R4=アルケニルである化合物、5.R3=アルキル、環A=シクロヘキシレン、m=1、R4=アルケニルである化合物、6.R3=アルキル、環A=シクロヘキシレン、m=1、R4=オキサアルケニルである化合物、7.R3=アルケニル、環A=フェニレン、m=1、R4=アルキルである化合物、8.R3=アルケニル、環A=フェニレン、m=1、R4=アルケニルである化合物、9.R3=アルキル、環A=フェニレン、m=1、R4=アルケニルである化合物。(いずれの場合もZ1、Z2は単結合)
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0018】
表1に、本発明の液晶組成物に相当する液晶組成物の組成及び特性データ(実施例1)をを示した。
【0019】
【表1】
【0020】
尚、表中の組成は『重量%』を表し、実施例中で測定した特性は以下の通りである。
Tni:ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
T-n:固体相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度(℃)
Vth:セル厚 d=6μmの90°ツイストのTNセルでのしきい値電圧(V)
△n:複屈折率
η20℃:20℃での粘度(mPa・s)
VHR(%):セル厚 d=6μmの90°ツイストTNセルに5Vの電圧を印加した際、20m秒後に保持されている電圧の初期電圧(5V)に対する比率をパーセントで表す。
焼き付き:セル厚 d=6μmの90°ツイストTNセルに5時間ON電圧を印加し、その後いったんOFFにした後、即ON電圧を印加した際の、初期輝度との比が1.1以上になったものをNG、1.0(変わらず)〜1.1以下のものをOKとした。240°ツイストSTNセルでも同様の実験を行ったが同様の結果が得られた。
【0021】
また、化合物記載に使用した略号は下記の構造を意味する。
・略式中の右末端あるいは左末端が数字の場合:
右末端あるいは左末端が数字の場合、相当する化合物の末端はCnH2n+1−をとるが、ここで示される数字はCnH2n+1−におけるnの値である。
【0022】
但し、左末端が数字(n)であって、次いでd、数字(m)と続く(つまりndmで表わされる)場合:ndm(数字d数字)は、
【0023】
【化5】
【0024】
で表わされる構造を意味する。ここで、ndmの数字nは上式中のCnH2n+1におけるnに相当する部分を、ndmの数字mは上式中の(CH2)m-1におけるmに相当する部分を表わすものである。
・C:トランス−1,4−シクロヘキシレン基
・P:1,4−フェニレン基
・E:−COO−
・e:−OCO−
・A:−CH2CH2−
・t:−C≡C−
・0:酸素原子
・略式中の右末端がCNの場合:
相当する化合物中の右末端の環における4位はシアノ基をとる。
・略式中の右末端がFの場合:
相当する化合物中の右末端の環における4位はフッ素原子をとる。
・f:相当する化合物中の右末端の環におけるオルト位(3位)はフッ素原子をとる。
【0025】
例えば、上記の略号例1として、第1表中の2PEPfCNは、本発明の一般式(I)で表される化合物である式
【0026】
【化6】
【0027】
の化合物を表す。
【0028】
また、上記の略号例2として、3CPEPfFで表される化合物は、式
【化7】
【0029】
の化合物である。
【0030】
表1に記載した実施例1により、本発明の液晶組成物を用いることにより、焼き付き現象が起こらない、良好な結果が得られることが明らかである。
【0031】
【発明の効果】
本発明の液晶材料の組み合わせにより、駆動電圧―透過率特性が急峻であり、駆動電圧の印加した電圧が減衰したり、焼き付き現象が起こったりすることなく、液晶層に電圧が印加され、良好なコントラストを得ることができた。
Claims (4)
- 一般式(I)
- 一般式(I)の化合物を3〜10重量%、一般式(II)の化合物を30〜60重量%含むことを特徴とする請求項1記載のSTN用ネマチック液晶組成物。
- 請求項1記載のSTN用ネマチック液晶組成物を用いることを特徴とするSTN液晶表示装置。
- STN用ネマチック液晶組成物の電圧保持率(VHR)が50%から80%であることを特徴とする請求項3記載のSTN液晶表示装置。
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