JP4232192B2 - 便器給水装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水洗便器に洗浄水を供給する便器給水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水洗便器のボウル部の洗浄及び溜水形成を行うためのボウル給水路と、便器のトラップに沿って洗浄水を噴出し前記ボウル内の汚物を排出するためのトラップ給水路との2つの独立した流路に洗浄水を供給する洗浄水供給装置としては、前記流路それぞれに機械的に開閉操作される開閉弁が設けられ、開閉弁を開閉操作するための機械的操作力を伝達するカムが各開閉弁毎に設けられ、各開閉弁へカムを通じて機械的操作力を与える1ヶのモータが設けられ、モータから各カムへ機械的操作力が伝達され各開閉弁を開閉し、ボウル給水とトラップ給水を電気的に制御する構成のものがある。そして、各カムを取り付けた回転軸は手動操作部と連結され、モータの出力軸との間にクラッチ機構を介設され、手動操作時の操作力がモータ軸に加わらない構成となっている。(例えば、特許文献1)
【0003】
【特許文献1】
特開2000−309974号公報(図1参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近の水洗便器の洗浄水供給装置の機能として、洗浄を自動的で行なう場合、(1)便器の洗浄性能上、ボウル給水路とトラップ給水路に各々単独で給水すること、ボウル給水路とトラップ給水路へ同時給水し、その際のボウル給水路およびトラップ給水路への洗浄水流量の配分を正確に管理すること、(2)ボウル部に少量の洗浄水を供給しながらトラップ給水を行い、便器のボウル部に残された比較的比重の小さい汚物を排出すること、(3)寒冷地での給水路の凍結を防止する際、ボウル部給水とトラップ部給水を同時に行い、トラップ部給水流量を制限し夜間にサイホンを発生させずに間欠流動を行うこと、(4)ボウル部を掃除する際、ボウル部に少量の洗浄水を供給しながらトラップ部給水を行い、ボウル部の底部の掃除をしやすくすること、などの種々の洗浄モードが要求されている。そして、それぞれの洗浄モードに応じて最適な洗浄水流量の分配が要求されている。
また、手動操作でボウル部の洗浄、トラップ部の洗浄を単独給水できる機能が要求されている。
【0005】
特許文献1記載の流路切替装置では、自動で洗浄を行なう場合カム形状により洗浄モードが決まるため、複数の洗浄モードに対応するとなるとカムの大型化、洗浄モードに応じたカムを自動的に取り替える装置が別途必要になる等の不具合がある。また、手動操作で洗浄水を吐水する場合でもカムを取り付けた回転軸を回動して開閉弁を開閉するためカムの形状により洗浄水の吐水パターンが決まり吐水パターンを変更することができない。
【0006】
そこで、本発明は、自動で洗浄を行なう場合の複数の洗浄モードに応じて最適な洗浄水量の分配が容易に実現できると共に、手動操作で洗浄水を吐水する場合に種々の吐水パターンに対応することができる便器給水装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及びその作用・効果】
本発明は、水洗便器のボウル部とトラップ部にそれぞれ独立して洗浄水を供給する便器給水装置であって、給水源と連絡する第1開閉弁と、前記第1開閉弁の2次側に配設され、前記第1開閉弁に繋がる入水ポートと、前記ボウル部及び前記トラップ部へ各々繋がる第1出水ポート及び第2出水ポートとを有し、前記入水ポートから流入した洗浄水を前記第1出水ポートと前記第2出水ポートとに分配供給する分配弁と、前記第1開閉弁を電気的に駆動する第1駆動手段と、前記分配弁を電気的に駆動する第2駆動手段と、前記第1駆動手段及び第2駆動手段を制御する制御手段と、前記制御手段を操作する操作手段と、前記第1開閉弁の1次側と前記第1出水ポートとを連絡するバイパス流路と、前記バイパス流路を開閉する第2開閉弁と、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を手動操作により開閉作動するための手動開閉手段とを備え、前記分配弁は、初期状態では前記入水ポートと前記第1出水ポートとが非連通状態で、前記入水ポートと前記第2出水ポートとが連通状態であることを特徴とする。
【0008】
上記構成により、自動で洗浄操作を行なう場合には、操作手段からの指令により制御手段が第1、2駆動手段を制御して第1開閉弁及び分配弁の開閉操作を行なう。予め決められた洗浄モードを制御手段に記憶・設定しておくことにより複数の洗浄モードの洗浄が行なうことができる。
また、手動で洗浄操作を行なう場合には、手動操作手段で第1開閉弁を開閉することにより第1出水ポートから洗浄水の吐水され、第2開閉弁を開閉することにより第2出水ポートから洗浄水の吐水される。これにより、ボウル部および/またはトラップ部への洗浄水の供給を種々のパターンで行なうことができる。分配弁の第1出水ポートまたは第2出水ポートは、一方がボウル部への流路、他方がトラップ部への流路に連絡するようにする。
【0009】
本発明の好ましい態様としては、前記分配弁が、前記入水ポートと、前記第1出水ポートと前記第2出水ポートとを設けたステータと、このステータと面接触しながら摺動して前記第1出水ポートと前記第2出水ポートとを開閉するロータとからなるディスクバルブであるようにする。
分配弁にディスクバルブを使用することにより、自動で洗浄操作を行なう場合、便器のボウル部とトラップ部へ同時給水する洗浄水流量の分配値をより正確に設定することができる。また、分配弁をコンパクトにすることができる。
【0010】
また、本発明の好ましい態様としては、前記第1出水ポートに逆止弁を連設し、この逆止弁の2次側と前記バイパス流路とを連絡し、前記第1出水ポートまたは前記バイパス流路から前記トラップ部に洗浄水を供給するようにする。
そうすることにより、手動操作時に前記第2開閉弁を操作してトラップ部に洗浄水を供給する場合、逆止弁によつて第2出水ポートに水圧が加わらない。そのため分配弁の2次側に水圧が加わって分配弁のシール性が破れて入水ポート、他の出水ポートから洗浄水がリークするような構造であっても洗浄水が第2出水ポートへ漏れを防止することができ、トラップ部への洗浄水流量が十分に確保でき汚物排出が確実に行なうことができる。
【0011】
また、本発明の好ましい態様としては、前記第1開閉弁及び第2開閉弁がパイロット作動式の流体駆動弁で、前記手動開閉手段が前記第1開閉弁を作動する第1パイロット弁と、前記第2開閉弁を作動する第2パイロット弁と、前記第1、2パイロット弁はそれぞれの弁体には連設した弁軸を有し各弁軸に機械的操作力を伝達するためにカムを一体的に取り付けた回転軸と、前記回転軸を回動操作する操作部とからなるようにする。
【0012】
第1開閉弁、第2開閉弁をパイロット作動式の流体駆動弁にすることにより、水圧のエネルギーを利用して開閉操作がなされ開閉操作エネルギーを低減することができる。また、電動操作時の消費エネルギーを低減できる他、手動操作時の操作力を低減することができる。比較的大流量(20L/min以上)が必要な便器給水装置としてはより好ましい形態といえる。
また、前記第1開閉弁と第2開閉弁の開閉を手動操作により行なう手動開閉手段を、前記第1開閉弁を作動する第1パイロット弁と、前記第2開閉弁を作動する第2パイロット弁と、前記第1、2パイロット弁はそれぞれの弁体には連設した弁軸を有し各弁軸に機械的操作力を伝達するためにカムを一体的に取り付けた回転軸と、前記回転軸を回動操作する操作部で構成し、回転軸を操作部で回動させることによりカムが弁軸を押して第1パイロット弁、第2パイロット弁を開弁して、第1開閉弁、第2開閉弁の開弁操作が行なわれ、手動操作の操作性が向上する。
【0013】
また、本発明の好ましい態様としては、前記第1開閉弁の1次側に定流量手段を配設する。
前記第1開閉弁の1次側に定流量手段を配設することにより、給水源の水圧が変動しても瞬間流量を略一定に設定することができ、吐水時間を電気的に制御することにより容易に吐水量を設定することができ、設置現場に水圧変動があってボウル部への給水及びトラップ部への給水の分配流量を略一定にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は本発明に係る便器給水装置1を搭載した水洗便器2の断面図、図2は便器給水装置1の水路構成図、図3は便器給水装置1の外観図、図4は便器給水装置1の断面図である。
便器給水装置1は、図1に示すような水道直圧式の水洗便器2に搭載するもので、ボウル3の洗浄と溜水の形成を行うボウル給水と、トラップ4に向けて洗浄水を噴出してサイホンを発生させ汚物を排出するトラップ給水とを、独立給水して効果的な洗浄水を供給することを目的としたもので水洗便器2の節水化を実現するために必要なものである。また、貯留タンクを必要としないため水洗便器2の小型化を実現することができる。
【0015】
便器給水装置1の概略構成を図2に基づいて説明する。
便器給水装置1は、図示しない給水源に連絡する定流量弁6、定流量弁6の2次側に連設したパイロット操作式ダイヤフラム弁からなる第1開閉弁7、第1開閉弁7の2次側に2方向切換の分配弁8を連設している。分配弁8は1ヶの入水ポート8aと2ヶの出水ポート8b、8cを有する2方向切換弁で、一方がボウル給水路9に他方がトラップ給水路10に連絡し、初期状態では入水ポート8aと出水ポート8bと連通している。また、分配弁8は切換え動作中において入水ポート8aと出水ポート8b、8cとが相互に連通する状態を形成する構造をしている。出水ポート8cの下流側に逆止弁19を設けると共に、第1開閉弁7と分配弁8をバイパスするバイパス流路17を設けている。このバイパス流路17の途中にはパイロット操作式ダイヤフラム弁からなる第2開閉弁18を設けて流路を開閉するようにしている。そして、第2開閉弁18の下流側のバイパス流路17と逆止弁19の下流側を合流してトラップ給水路10に連絡している。
【0016】
第1開閉弁7および第2開閉弁18を手動操作するために手動開閉手段21を設け、手動の操作部20の回動操作力を操作力伝達手段95により伝達して手動開閉操作を行なうようにしている。手動開閉手段21は、第1開閉弁7を手動操作する第1手動弁32と第2開閉弁18を手動操作する第2手動弁45を備えている。
【0017】
第1手動弁32の1次側は第1パイロット流路30を介して第1開閉弁7のダイヤフラム弁の圧力室に連絡し、2次側がトラップ給水路10と連絡している。そして、第1開閉弁7を自動操作するための電磁弁31が第1手動弁32と並列接続して配設している。第2手動弁45の1次側は第2パイロット流路44を介して第2開閉弁18のダイヤフラム弁の圧力室に連絡し、2次側がトラップ給水路10と連絡している。
【0018】
また、電磁弁31を駆動する第1駆動手段15、分配弁8を駆動する第2駆動手段16、第1駆動手段15と第2駆動手段16を制御する制御手段14を備えている。制御手段14はリモコン13からの指令により第1駆動手段31、第2駆動手段16の制御を行なう。
【0019】
また、ボウル給水路9、トラップ給水路10にはそれぞれバキュームブレーカ11、12を配設し、非通水時各流路と水道管のエアギャップを形成している。
【0020】
次に、便器給水装置1の自動操作と手動操作の場合の洗浄水が流れる水路系について説明する。
先ず、自動操作の場合の水路系は、洗浄水は給水源から導入路5内に備えられた定流量弁6を通り、第1開閉弁7に導かれ第1開閉弁7の下流に配設された分配弁8の出水ポート8b、8cから吐水してボウル給水路9、トラップ給水路10へ分配供給される。一例として、使用者がリモコン13の大洗浄スイッチ114を押すと制御手段14がリモコン13からの信号を受け、第1駆動手段15により電磁弁31が作動し、第1開閉弁7を開弁する。第1開閉弁7の下流の分配弁8は、初期状態で入水ポート8aと出水ポート8bのみが連通されており、所定量の洗浄水をボウル給水路9に供給する。第1開閉弁7を開弁した状態で所定時間経過後、第2駆動手段16により分配弁8を作動させ、入水ポート8aと出水ポート8cのみを連通させ、所定量の洗浄水をトラップ給水路10に供給する。所定時間経過後、第2駆動手段16により分配弁8を作動させ、入水ポート8aと出水ポート8bおよび出水ポート8cの双方を連通させ、所定量の洗浄水をトラップ給水路10およびボウル給水路9へ供給する。所定時間経過後、第2駆動手段16により分配弁8を初期状態に戻して、洗浄水をボウル給水路9へ供給する。所定時間後、第1駆動手段15により電磁弁31の作動を停止させ、ボウル給水路9への供給が終わり、大洗浄時の便器へ給水が全て完了する。
リモコン13には、大洗浄スイッチ114の他に、小洗浄、お掃除、トラップ給水、ボウル給水などの便器洗浄スイッチ114があり、使用者は、目的に応じて便器洗浄スイッチ114を選択し、所定の便器洗浄水を供給することができる。
【0021】
次に、手動操作の場合の水路系について説明する。ボウル給水の場合は、洗浄水は図示しない給水源から導水路5内に備えられた定流量弁6を通り、第1開閉弁7に導かれ第1開閉弁7の下流の分配弁8によりボウル給水路9へ供給される。また、トラップ給水の場合は、洗浄水は図示しない給水源から導水路5内に備えられた定流量弁6を通り、第1開閉弁7の上流で分岐されたバイパス流路17の途中に配設された第2開閉弁18に導かれ、分配弁8の出水ポート8cより下流のトラップ流路10に供給される。バイパス流路9とトラップ流路10の合流位置には逆止弁19を備え、トラップ給水時のボウル給水路9への流れを塞いでいる。使用者が手動開閉手段21の操作部20を揺動操作すると、第1開閉弁7と第2開閉弁18を開弁し、洗浄水をボウル給水路9とトラップ給水路10へ単独供給するものである。
【0022】
上記構成により、電動・手動操作においてもボウル給水路とトラップ給水路へ単独給水できる他、電動操作によりボウル給水路とトラップ給水路へ同時給水する分配流量を容易に設定、変更することができる。また、開閉弁と分配弁の駆動手段をそれぞれ単独で備えていることにより、開閉弁と分配弁の連動機構の必要がない他、各駆動手段を最適化することができ、省エネで操作性の良い便器給水装置を実現することができる。
【0023】
図4の便器給水装置1の断面図をもとに詳細構造を給水の上流側から説明する。図5は導入路5の構成の説明図である。洗浄水は図示しない給水源から導入路5内のストレーナ24を通り、定流量弁6に導かれる。この定流量弁6により給水源の水圧が変動しても瞬間流量を略一定に維持している。定流量弁6は、略台形上のコイルバネ式で、コイルバネ23の空隙面積が前後の圧力差により変化する。圧力差が大きい場合にはコイルバネ23の変位量が大きくなり空隙面積が低下し、圧力差が小さい場合にはコイルバネ23の変位量が小さくなり空隙面積が増大する。圧力差の平方根に比例する流速で空隙を通過するので、空隙面積は圧力差の平方根に反比例するようにコイルバネ23のバネ定数を設定している。この定流量弁6は定流量手段の一例であり、減圧弁と固定オリフィスを組み合わせることにより定流量機能を持たせたものでも良い。
【0024】
便器給水装置に定流量弁を備えることにより、瞬間流量を略一定に設定することができ、吐水時間を電気的に制御することにより容易に吐水量を設定することができ、設置現場に水圧変動があってもボウル給水及びトラップ給水の分配流量を略一定にすることができ、より好ましい形態と言える。
【0025】
図6は図4に示す第1開閉弁7と第2開閉弁18を説明する部分拡大図である。図7は第1開閉弁7と第2開閉弁18の圧力室の制御を行なう機構の説明図である。導入路5から流出した洗浄水は、第1開閉弁7と第2開閉弁18に導かれ、第1開閉弁7を通った洗浄水は分配弁8へ導く導入路5aへ流出する。また、第2開閉弁18を通った洗浄水は、バイパス流路25へ流出する。
【0026】
第1開閉弁7は、ダイヤフラム弁体26と、ダイヤフラム弁体26のダイヤフラム27を隔壁の一部とする第1圧力室28と、第1圧力室28の圧力によりダイヤフラム弁体26と密着し、分配弁8へ導く導入路5aを塞ぐ弁座29と、第1圧力室28とトラップ給水路10を連通させる第1パイロット流路30とを備え、第1パイロット流路30の途中には第1パイロット流路30の開閉を行う電磁弁31と、第1手動弁32が配設されている。ダイヤフラム弁体26は、ゴム製のダイヤフラム27と、ダイヤフラム27を保持するダイヤフラム押さえ33と、導入路5と第1圧力室28の連通路であるブリード穴34と、ブリード穴34のゴミ詰まりを防止するクリーニングピン35とからなる。また、第1手動弁32は、ゴム製パッキン36と一体化した第1コマ37と第1パイロット弁座38と、パッキン36を第1パイロット弁座38方向に付勢させるコイルバネ39とからなる。ダイヤフラム押さえ33のコーン部115は、流れをスムーズにし、第1開閉弁7の圧力損失を低減する。ブリード穴34の渦流室116は、第1開閉弁7の自閉時間を安定させるために設けられている。
【0027】
電磁弁31を開弁すると、第1パイロット流路30とトラップ給水路10が連通するため、第1圧力室28の圧力がトラップ給水路10とほぼ同じ圧力まで低下し、ダイヤフラム弁体26に加わる力の釣り合いが崩れ、ダイヤフラム弁体26が弁座29から離れ第1開閉弁7が開弁する。また、第1手動弁32の第1コマ37を水圧による力とコイルバネ39の付勢力に逆らい押圧し、第1手動弁32を開弁し第1開閉弁7を開弁することも可能である。電磁弁31を閉弁すると、第1パイロット流路30が閉じ、洗浄水は導入路5からブリード穴34を通り、第1圧力室28に流れ込み第1圧力室28の圧力が導水路5の圧力とほぼ同じとなり、ダイヤフラム弁体26が弁座29に密着し導入路5aが塞がれる。また、第1手動弁32の第一コマ37の押し圧力を取り除き、第1手動弁32を閉弁し、第1開閉弁7を閉弁することも可能である。
【0028】
第2開閉弁18は、ダイヤフラム弁体40と、ダイヤフラム弁体40のダイヤフラム41を隔壁の一部とする第2圧力室42と、第2圧力室42の圧力によりダイヤフラム弁体40と密着し、バイパス流路25を塞ぐ弁座43と、第2圧力室42とトラップ給水路10を連通させる第2パイロット流路44と、第2パイロット流路44の途中に第2パイロット流路44の開閉を行う、第2手動弁45が配設されている。ダイヤフラム弁体40は、ゴム製のダイヤフラム41と、ダイヤフラム41を保持するダイヤフラム押さえ46と、導入路5と第2圧力室42の連通路であるブリード穴47とからなる。第2開閉弁18は、停電時やお掃除の際以外は使用しないため、ブリード穴47のゴミ詰まり対策用のクリーニングピンは取り付けられていない。また、第2手動弁45は、ゴム製パッキン47と一体化した第2コマ48と第2パイロット弁座49と、パッキン47を第2パイロット弁座49方向に付勢させるコイルバネ50とからなる。
【0029】
第2手動弁45の第2コマ48を水圧による力とコイルバネ50の付勢力に逆らい押し圧すると、パッキン47は、第2パイロット弁座49から離れ、第2手動弁45が開弁する。第2手動弁45が開弁すると、第2圧力室42の圧力がトラップ給水路10とほぼ同じ圧力まで低下し、ダイヤフラム弁体40に加わる力の釣り合いが崩れ、ダイヤフラム弁体40が弁座43から離れ第2開閉弁18が開弁する。
第2手動弁45の第2コマ48の押し圧力を取り除くと、水圧による力とコイルバネ50による付勢力によりパッキン47は第2パイロット弁座49に密着し、第2手動弁45が閉弁する。第2手動弁45が閉弁すると、洗浄水は導入路5からブリード穴47を通り、第2圧力室42に流れ込み、第2圧力室42の圧力が導水路5の圧力とほぼ同じとなり、ダイヤフラム弁体40が弁座43に密着し、バイパス流路25が塞がれ、第2開閉弁18が閉弁する。
【0030】
第1開閉弁、第2開閉弁は、ともにパイロット作動式弁であり給水圧力を利用して開弁させるため、駆動エネルギーを低減することができ、電磁弁の消費電力や、使用者のハンドル操作力(操作トルク)を減らすことができる。比較的大流量(20L/min以上)が必要な便器給水装置としては好ましい構成といえる。
【0031】
第1パイロット流路30と、第2パイロット流路44は、電磁弁31、第1手動弁32、第2手動弁45の下流で合流する合流路90とを備えており、この合流路90は、トラップ給水路10と連通しており、第1開閉弁7、第2開閉弁18を開弁する際に生じるパイロット作動水は、トラップ給水路10へ戻され便器洗浄水として利用されるため便器給水装置1の節水化が図れる。また、パイロット作動水の排出口を別途備える必要がなくシンプルな構成にもなる。
【0032】
次ぎに、図8、図9、図10を用いて分配弁8の一例であるディスクバルブを説明する。図8はディスクバルブの流路構成を説明するための断面図、図9はディスクバルブの部分断面図、図10はディスクバルブを駆動する駆動手段との連結状態を説明する外観図である。
第1開閉弁7からの洗浄水は、分配弁8であるディスクバルブ51の入水ポート52aに導かれ、ディスクバルブ51のロータ53の回転位置を変更することにより、ボウル給水路9と連通するボウル出水ポート54aとトラップ給水路10と連通するトラップ出水ポート55aに分配され供給される。第2開閉弁18からの洗浄水は、バイパス流路25からトラップ給水路10に供給される。バイパス流路25とトラップ流路10の合流位置には、逆止弁であるフラッパー弁56が取り付けられており、ディスクバルブ51のトラップ出水ポート55aを塞ぎ、バイパス流路25からディスクバルブ51へのリーク量を低減している。手動操作時のトラップ給水流量を十分に確保することができ、水洗便器2の汚物排出を確実にすることができ、より好ましい形態と言える。
【0033】
分配弁8であるディスクバルブ51は、入水ポート52aとボウル出水ポート54aとトラップ出水ポート55aと、これらのポート52a、54a、55aと各々連通する入水ポート52b、ボウル給水ポート54b、トラップ給水ポート55bを備えバルブ本体57に固定されたステータ58と、回動しボウル出水ポート54bとトラップ出水ポート55bを塞ぐロータ53と、ロータ53をステータ58に密着する方向に付勢するコイルバネ63と、ロータ53に第2駆動手段であるステッピングモータ59から駆動トルクを伝達する駆動シャフト60と、バルブ本体57とは別体のフタ62とからなる。ステータ58とバルブ本体57の各ポート間は、ステータパッキン61によりシールされており、パッキン61の潰し代はバルブ本体57と別体のフタ62の寸法により管理されている。フタ62とステータ58により分配室64を形成しており、フタ62には、分離板65が備えられている。分離板65は、洗浄水の分配室64内での旋回を抑え、流路圧損を低減する効果がある。ステータ58は平面度を出すため、樹脂のなかでは比較的高剛性のPPS材を使用し、ロータ53と摺動する面はラッピング処理が施されている。ロータ53は、ステータ58との摺動性を考慮し自己潤滑性を持つPOM材が使用されている。水圧よる力とコイルバネ63の付勢力によりステータ63に形成されたボウル出水ポート54bまたはトラップ出水ポート55bを塞いでいる。ステータ58の入水ポート52b、ボウル出水ポート54b、トラップ出水ポート55bは略扇状の流路断面をしており、この流路を塞ぐロータ53もステータ58流路断面より若干大きい略扇状をしている。こうすることにより、流路をコンパクト化することができディスクバルブ51の小型化を図っている。駆動シャフト60は、ステッピングモータ59およびロータ53と連結するもので、ステッピングモータ59の駆動トルクは、この駆動シャフト60を介してがロータ53に伝達される。
【0034】
本実施例においては、ステータ58とステータパッキン61を備えた構成であるが、リーク量の許容値が小さい場合は、バルブ本体57とステータ58を一体で形成した方が部品点数を少なくできシンプルな構成となる。また、本実施例においては、ステータ58に入水ポート52aを備えているが、入水ポート52aはフタ62に備えても良い。
【0035】
図11は、各給水時のロータ53位置を示した説明図である。図11(a)はボウル給水する際のロータ53位置を、図11(b)はボウルとトラップへ同時に給水する際のロータ53位置を、図11(c)はトラップ給水する際のロータ53位置を示したものである。また、各図のハッチング部は開口流路断面積を示している。ロータ53は、フタ62に形成された突起66とステッピングモータ59のピン67により図11(a)の位置から図11(c)の位置まで回動範囲が拘束されている。待機時は、常にボウル給水ポート54bを全開の位置で待機させており、洗浄終了後は、図11(a)の位置まで戻している。図11(b)の同時吐水時のロータ53位置は、あくまで一例であり同時吐水時の流量配分率により多少この位置は異なる。流量配分率は、ボウル給水路9とトラップ給水路10の各吐水径、各流路圧力損失、ディスクバルブ51の各流路断面積により決まる。水洗便器2の給水路の圧力損失や吐水口径が異なる場合でも、ディスクバルブ51の流量断面比を変更することにより、流量分配比の設定値を維持することができる他、流量配分率の異なる同時吐水も容易に実現することができる。さらに、ディスクバルブ51のようなリーク量の少ない分配弁8を使用することにより、より正確に洗浄水を分配することができ、洗浄水の節水化につながる。また、ロータ53、ステータ58間の摩擦を小さくすることにより、弁部の開閉に必要なエネルギーを無視できる程度まで低減でき、分配弁8の駆動エネルギーを駆動シャフト60の軸シール68の摺動トルク程度まで小さくすることができる。駆動エネルギーを小さくすることにより、第2駆動手段16であるステッピングモータ59を小型化することができ、便器給水装置1の消費電力を小さくすることができ、より好ましい形態と言える。
【0036】
図12、バキュームブレーカ11、12の構成の説明図である。図13は、バキュームブレーカのコマ部の構成の説明図である。ディスクバルブ51およびバイパス流路25からの洗浄水は、ボウル給水路9およびトラップ給水路10に備えられたバキュームブレーカ11,12に導かれる。バキュームブレーカ11、12は、ボウル給水路9またはトラップ流路10の最高部に設けられており、各流路の給水が停止する毎に、ボウル給水路9およびトラップ給水路10にエアギャップを形成し、便器給水装置1の衛生性を確保している。
【0037】
バキュームブレーカ11、12に導かれた洗浄水は、水圧により可動弁体であるコマ70、71を押し上げ、バキュームブレーカ11、12を開弁する。コマ70、71には、パッキンA74、75、とパッキンB72、73の2種類のパッキンが装着されており、パッキンA74、75と大気導入口76、77の弁座78,79が密着し大気導入口を76,77塞ぎ、洗浄水を通水した場合の外部漏れを防止している。さらに、大気導入口76、77を塞ぐまでの外部漏れに対しては、傘状のフタ80、81によって直接大気中に噴出されず、容器82に導かれる構造になっている。容器82に溜まった水は、非通水時、大気導入口76,77よりボウル給水路9、またはトラップ給水路10に戻される。コマ70,71にはPPなどの比重の低い樹脂を使用しており、通水後、すぐに大気導入口76、77を塞さぐ工夫がなされている。
【0038】
第1開閉弁7および第2開閉弁18が閉弁するとボウル給水路9およびトラップ給水路10の圧力が低下し、パッキンA74,75と弁座78、79が離れ、コマ70、71が自重で落下し大気導入口76,77を開き、ボウル給水路9およびトラップ給水路10に大気が導入され、バキュームブレーカ11、12より下流の水抜け、ボウル給水路9およびトラップ給水路10にエアギャップが形成される。
【0039】
この時、コマ70、71に装着されたパッキンB72、73と入水口84、85の突起86、87が密着し入水口84,85の流路が所定の断面積に絞られる。この入水口84、85の断面積は、水道管の負圧の上昇にともないパッキンB72、73の変形によりさらに減少する。このようなバキュームブレーカを使用することにより、寒冷地での水抜きができる他、不慮の事故により水道管に負圧が生じた場合でもパッキンB72、73が突起86、87を囲みように変形し入水口84、85の流路を更に絞るため、コマ70、71より下流の水流路の負圧値を大幅に低減することができ、一度形成されたエアギャップが崩されることがない。
【0040】
傘状のフタ80、81には、通常透明な非結晶樹脂の内、成形性や強度、耐薬品性を考慮し、ABS樹脂やポリカーカボネイトなどの透明樹脂が使用されている。また、透明にするために金型は、ダイヤモンドペーススト♯3000番以上を使用し鏡面に仕上げられている。傘状のフタ80、81にこのような透明材を使用することにより、コマの動きを上面から目視にて確認することができ、確実かつ簡便にバキュームブレーカの作動点検が行える。
【0041】
ボウル3の洗浄と溜水の形成を行うボウル給水と、トラップ4に向けて洗浄水を噴出してサイホンを発生させ汚物を排出するトラップ給水とを、独立給水して効果的な洗浄水を供給し節水化を図る水洗便器2においては、トラップ給水路が常時、ボウル3内に水没している他、便器給水装置1がケース内に隠蔽されていることより、便器本体106の溢れ面からバキュームブレーカ11、12の高さが低く、衛生性の面では他の水洗便器よりバキュームブレーカの高機能化が必要とされる。また、万が一のことを考えバキュームブレーカの定期的な作動点検が必要と思われる。本発明のバキュームブレーカ11,12は、上記課題を解決できる構成であると言える。
【0042】
次に、電動操作時の便器給水装置1の動作について説明する。図14は電動操作における駆動手段と吐水シーケンス(大洗浄)の関係を示したものである。図14(a)は電磁弁31の通電ON/OFFと時間の関係を、図14(b)は、ステッピングモータ59で駆動するロータ53の位置と時間の関係を、図14(c)は、便器給水装置1の吐水シーケンスを示す。まず、便器給水装置1の動作について説明する。使用者がリモコン13の大洗浄スイッチ114を押すと、制御手段14から洗浄信号を受け、まず第2駆動手段16であるステッピングモータ59が図9の矢印方向に回転し、ステッピングモータ59と一体のピン67をフタ62の突起66につきあて、ステッピングモータ59の原点検出を行う。次に所定のパルスレイトで矢印と反対方向にステッピングモータ59を回転させ、ロータ53をボウル給水位置まで移動させる。ロータ53がボウル給水位置まで移動すると同時に、第1駆動手段15である電磁弁31がONされる。所定時間(T1)後、更に所定のパルスレイトで矢印と反対方向にステッピングモータ59を回転させ、ロータ53をトラップ給水位置まで移動させる。所定時間(T2)後、所定のパルスレイトで矢印方向にステッピングモータ59を回転させ、ロータ53を同時吐水の位置まで移動させる。所定時間(T3)後、更に所定のパルスレイトで矢印方向にステッピングモータ59を回転させロータ53をボウル給水位置まで移動させる。所定時間(T4)後、まず電磁弁31をOFFにするとともに、所定のパルスレイトで矢印方向にステッピングモータ59を回転させ、ロータ53を初期位置に戻し便器給水装置1の動作が全て完了する。
【0043】
次に、便器給水装置1の上記動作にもとづく大洗浄時の吐水シーケンスについて説明する。電磁弁31がONされると、第1パイロット流路30とトラップ給水路10が連通するため、第1圧力室28の圧力がトラップ給水路10とほぼ同じ圧力まで低下し、ダイヤフラム弁体26に加わる力の釣り合いが崩れ、ダイヤフラム弁体26が弁座29から離れ第1開閉弁7が開弁する。第1開閉弁7が開弁すると、洗浄水は、水道管から導入路5の定流量弁22を通り、略一定の瞬間流量に絞られ分配弁8であるディスクバルブ51に供給される。ディスクバルブ51は電磁弁31をONする前にトラップ出水ポート55bをロータ53により塞いでいるため、洗浄水はボウル給水路9に導かれ、電磁弁31ON後、t1秒後にボウル給水が開始する。
【0044】
所定時間ボウル給水を行った後、ステッピングモータ59により、ロータ53を移動させ、ロータ53でボウル出水ポート54bとトラップ出水ポート55bの流路断面積比を調整し、汚物を排出するトラップ給水、比較的比重の低い汚物を排出する同時給水、ボウル3に封水を溜めるボウル給水の順に所定時間給水する。電磁弁31をOFFにすると、、第1パイロット流路30が閉じ、洗浄水は導入路5からブリード穴34を通り、第1圧力室28に流れ込み第1圧力室28の圧力が導水路5の圧力とほぼ同じとなり、ダイヤフラム弁体26が弁座29に密着し、第1開閉弁7が閉弁し、大洗浄時の給水が止まる。封水を溜めるボウル給水は、ダイヤフラム弁の自閉時間により遅れ電磁弁31をOFF後、t2秒後まで行われる。
【0045】
小洗浄時の吐水シーケンスは、トラップ給水後の同時吐水が無く(T3=0秒)さらに、ボウル3を洗浄するボウル給水時間(T1)を短く設定しており、大洗浄時の吐水量(8L)より約2L少なく設定している。また、お掃除の吐水シーケンスは、ボウル3を洗浄するボウル給水時間(T1)と同時吐水時間(T3)を大洗浄より長く設定している。ボウル給水時間(T1)で図1に示す便器本体106のリム117部を、同時吐水時間(T3)で便器本体106のボウル3底面をブラシで掃除できるようにしたものである。
【0046】
次に、第1開閉弁と第2開閉弁の圧力室を制御する構成の説明図である図7と図7のP方向からカムシャフト93部を見たもので、カムシャフトの構成の説明図である図15を用い手動操作時の便器給水装置1の動作について説明する。手動開閉手段21は、使用者が手動操作する操作部20と、第1コマ37を押圧する第1カム91と、第2コマ48を押圧する第2カム92とを備えたカムシャフト93と、カムシャフト93を初期位置に保持するためのトーションバネ94と、操作力伝達手段95とカムシャフト93を連結する連結軸96とからなり、カムシャフト93を揺動させることにより、第1手動弁32と第2手動弁45を開閉する。
【0047】
カムシャフト93は、パイロット作動水の合流路90に水没されており、カムシャフト93と第1手動弁32、第2手動弁45が一体化され、便器給水装置1の小型化を図っている。カムシャフト93には、第1コマ37、第2コマ48を各々押圧する第1カム91と第2カム92とを備えており、これらのカム91、92は、カムシャフト93を揺動させることにより、各々第1コマ37と第2コマ48が押圧され、ボウル給水路9とトラップ給水路10へ洗浄水を単独給水できる形状をしている。便器掃除の際、給水の順番や各給水時間を使用者が選択できるようになる。より好ましい形態と言える。
【0048】
図16は、トーションバネ94の取付状態を示した説明図である。図16(a)は、初期状態を、図16(b)は、ハンドル99をトラップ給水方向に90度回転させた状態を、図16(c)は、ハンドル99をボウル給水方向に90度回転させた状態を示したものである。トーションバネ94は自然状態からバネを巻き込む方向に90度以上回転させ、トーションバネ94の両端部がカムシャフト93の突起100方向に付勢する状態でカムシャフト93に取付られている。さらに、カムシャフト93の初期位置と操作力伝達手段95の初期位置を合わせるために、カムシャフト93と操作力伝達手段95の係り合い部101はDカット断面をしている。トーションバネ94は、初期位置では、無負荷状態から90度巻き込み、ケーシング102に設けた突起103によりトーションバネ94の両端部を拘束し取付られている。ハンドル99をボウル給水方向(時計方向)に90度回転させると、ハンドル99と連動し回転する連結軸96も時計方向に90度回転し、連結軸96の突起100によりトーションバネ94は、さらに90度巻かれる。ハンドル99から手を離すと、トーションバネ94の復元力により連結軸96とハンドル99は初期位置に戻る。次に、ハンドル99をトラップ給水方向(反時計方向)に90度回転させると、ハンドル99と連動し回転する連結軸96も反時計方向に90度回転し、連結軸96の突起100によりトーションバネ94は、さらに90度巻かれる。ハンドル99から手を離すと、給水方向に回転させた時と同様に、トーションバネ94の復元力により連結軸96とハンドル99を初期位置に戻る仕組みになっている。また、ハンドル99は、時計方向、反時計方向とも90度以上回転しないように、連結軸96は、ケーシング102の突起104により回転位置が規制されている。
【0049】
このように、ハンドル99とカムシャフト93を初期位置に付勢する付勢手段を備えることにより使用者がハンドル99から手を離すと、付勢手段によりカムシャフト93が初期位置に戻り便器洗浄バルブは給水停止動作を始めるため、使用者がハンドル99を誤って操作した場合でも洗浄水が出しっぱなしになることがない。また、第1開閉弁7のブリード穴径、ダイヤフラムの径、リフト量などにより決まる自閉吐水量をボウル3内の所定の溜め水量より多めに設定しておくと、ハンドル99を給水側90度操作し、すぐにハンドル99から手を離しても、ボウル3内に十分な封水を溜めることができ、封水切れを未然に防ぐことができる。
【0050】
図17は、操作部20の外観図を、図18は、操作部20の断面図を示す。操作部20は、操作力伝達手段95と、ネジにて連結されたハンドル99と、ハンドル99の回転をガイドするハンドルガイド105と、ハンドルガイド105とともに水洗便器2の便器本体106の陶器面を挟み込む固定ネジ107とからなる。ハンドルガイド105と固定ネジ107で挟み込む陶器面には緩衝材108が配設されており、陶器面の保護を行っている。ハンドル99をボウル給水方向に90度回転させると、操作力伝達手段95と、カムシャフト93を介して第1開閉弁7が開弁し、ボウル給水路9に洗浄水が供給される。ハンドル99をトラップ給水方向に90度回転させると、操作力伝達手段95、カムシャフト93を介して、第2開閉弁18が開弁し、トラップ給水路10に洗浄水が供給される。図17の初期位置から±30度付近は、第1カム91、第2カム92が第1コマ37、第2コマ48と接触せず、第1開閉弁7、第2開閉弁18とも開弁しない止水範囲を備えている。
【0051】
図19は、操作力伝達手段95の構成の説明図である。操作力伝達手段95は、回転式ワイヤー110と、カムシャフト93と接合する軸A111とハンドル99と接合する軸B112とからなる。回転式ワイヤー110は、ワイヤーを引張りや圧縮して使用するものとは異なり回転トルクを伝達できるように、硬質線材と軟質線材6本を含めた計21本の線材を絡み合うように巻かれている。また、最外径に巻かれたワイヤーの損傷を防ぐ樹脂チューブ113で覆われている。軸B112は、スプライン断面をしており、回転式ワイヤー110がねじれてセットされても、ハンドル24のセット位置が調整できるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る便器給水装置を搭載した水洗便器の断面図
【図2】便器給水装置の水路構成図
【図3】便器給水装置の外観図
【図4】便器給水装置1の断面図
【図5】導入路5の構成の説明図
【図6】図4に示す第1開閉弁と第2開閉弁を説明する部分拡大図
【図7】第1開閉弁と第2開閉弁の圧力室の制御を行なう機構の説明図
【図8】ディスクバルブの流路構成を説明するための断面図
【図9】ディスクバルブの部分断面図
【図10】ディスクバルブを駆動する駆動手段との連結状態を説明する外観図
【図11】各給水時のロータ位置を示した説明図
【図12】バキュームブレーカの構成の説明図
【図13】コマ部の構成の説明図
【図14】電動操作時の駆動手段と吐水シーケンスの関係図
【図15】カムシャフト部の構成の説明図
【図16】トーションバネ取付状態を示した説明図
【図17】操作部の外観図
【図18】操作部の断面図
【図19】操作力伝達手段の構成の説明図
【符号の説明】
1…便器給水装置
2…水洗便器
3…ボウル
4…トラップ
5…導入路
6…定流量弁
7…第1開閉弁
8…分配弁
8a…入水ポート
8b、8c…出水ポート
9…ボウル給水路
10…トラップ給水路
11、12…バキュームブレーカ
13…リモコン
14…制御手段
15…第1駆動手段
16…第2駆動手段
17…バイパス流路
18…第2開閉弁
19…逆止弁
20…操作部
21…手動開閉手段
25…バイパス流路
26、40…ダイヤフラム弁体
28…第1圧力室
30…第1パイロット流路
31…電磁弁
32…第1手動弁
42…第2圧力室
44…第2パイロット流路
45…第2手動弁
51…ディスクバルブ
52a、52b…入水ポート
53…ロータ
54a、54b…ボウル出水ポート
55a、55b…トラップ出水ポート
56…フラッパー弁
57…バルブ本体
58…ステータ
59…ステッピングモータ
60…駆動シャフト
61…ステータパッキン
62…フタ
65…分離板
70、71…コマ
72,73…パッキンA
74,75…パッキンB
76,77…大気導入口
80、81…フタ
82…容器
84,85…入水口
86、87…突起
88、89…大気導入路
90…合流路
91…第1カム
92…第2カム
93…カムシャフト
94…トーションバネ
95…操作力伝達手段
96…連結軸
98…突設部
99…ハンドル
100…突起
101…係り合い部
102…ケーシング
103、104…突起
106…便器本体
110…回転式ワイヤー
114…洗浄スイッチ

Claims (5)

  1. 水洗便器のボウル部とトラップ部にそれぞれ独立して洗浄水を供給する便器給水装置であって、
    給水源と連絡する第1開閉弁と、前記第1開閉弁の2次側に配設され、前記第1開閉弁に繋がる入水ポートと、前記ボウル部及び前記トラップ部へ各々繋がる第1出水ポート及び第2出水ポートとを有し、前記入水ポートから流入した洗浄水を前記第1出水ポートと前記第2出水ポートとに分配供給する分配弁と、前記第1開閉弁を電気的に駆動する第1駆動手段と、前記分配弁を電気的に駆動する第2駆動手段と、前記第1駆動手段及び第2駆動手段を制御する制御手段と、前記制御手段を操作する操作手段と、前記第1開閉弁の1次側と前記第1出水ポートとを連絡するバイパス流路と、前記バイパス流路を開閉する第2開閉弁と、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を手動操作により開閉作動するための手動開閉手段とを備え、
    前記分配弁は、初期状態では前記入水ポートと前記第1出水ポートとが非連通状態で、前記入水ポートと前記第2出水ポートとが連通状態であることを特徴とする便器給水装置。
  2. 前記分配弁が、前記入水ポートと、前記第1出水ポートと前記第2出水ポートとを設けたステータと、このステータと面接触しながら摺動して前記第1出水ポートと前記第2出水ポートとを開閉するロータとからなるディスクバルブであることを特徴とする請求項1記載の便器給水装置。
  3. 前記第1出水ポートに逆止弁を連設し、この逆止弁の2次側と前記バイパス流路とを連絡し、前記第1出水ポートまたは前記バイパス流路から前記トラップ部に洗浄水を供給することを特徴とする請求項1または2記載の便器給水装置。
  4. 前記第1開閉弁及び第2開閉弁がパイロット作動式の流体駆動弁で、前記手動開閉手段が前記第1開閉弁を作動する第1パイロット弁と、前記第2開閉弁を作動する第2パイロット弁と、前記第1、2パイロット弁はそれぞれの弁体には連設した弁軸を有し各弁軸に機械的操作力を伝達するためにカムを一体的に取り付けた回転軸と、前記回転軸を回動操作する操作部とからなることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の便器給水装置。
  5. 前記第1開閉弁の1次側に定流量手段を配設したことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の便器給水装置。
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