JP7432112B2 - 水洗大便器 - Google Patents

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Description

本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器に関する。
従来から、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器として、例えば、特許文献1~3に記載されているものが知られている。
まず、特許文献1に記載されている従来の水洗大便器においては、便器本体のボウル部への給水と、便器本体の排水トラップ部への給水をそれぞれ独立に行う装置を備えているものが知られている。このような装置は、止水機能及び流量調節機能を備えた二方向切替弁と、この二方向切替弁を所定のタイミングで開弁駆動する制御装置と、を備えており、二方向切替弁による単一の弁機構により、便器本体のボウル部及び排水トラップ部への給水制御を行うことができるようになっている。
また、上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器においては、二方向切替弁の上流側の給水管には、流量検出手段又は圧力センサが設けられており、これらの検出出力に基づいて弁開度を制御することができるようになっている。
これにより、給水圧力に関わらず所定量の洗浄水を所定時間内に給水することができ、節水に寄与することができると共に便器洗浄を確実に実行させることができるようになっている。
つぎに、特許文献2に記載されている従来の水洗大便器においては、便器本体へ吐水する洗浄水を貯留するロータンクの代わりに、水道直圧方式のフラッシュバルブの吐水部が便器本体の給水部に接続されている。これにより、水道からの直圧でフラッシュバブルに供給された洗浄水がフラッシュバルブの吐水部から便器本体に直接的に給水されるようになっている。
また、特許文献3に記載されている従来の水洗大便器においては、便器本体のボウル部に給水を行うことにより前洗浄を行う一方、便器本体の排水トラップ部へ給水を行うことによりサイホン作用を発生させる装置を備えている。この装置は、給水管に接続された自動開閉弁と、この自動開閉弁の下流側に接続された方向開閉弁と、この方向開閉弁を予め設定されたタイミングで駆動する制御装置と、を備えている。さらに、方向開閉弁は、駆動時のみ便器本体のボウル部側を開弁し、非駆動時には便器本体の排水トラップ部側を開弁するようになっている。
特開平3-90732号公報 特開2002-47719号公報 特開平3-90717号公報
一方、近年、天災等の発生の増加に伴って、停電が発生する事態も増加しており、あらゆる分野で停電対策が急務となっている。
特に、電力により作動する電装品や電気的に制御される制御要素を備えている上述した従来の水洗大便器においても、停電により便器洗浄が不能になる深刻な事態を招くおそれがあるため、停電時における確実な便器洗浄への要望が高まっている。
また、従来の水洗大便器として、タンク内に貯水された洗浄水を便器本体のリム吐水口に供給する、いわゆる、タンク方式の水洗大便器があり、さらに、水道から直圧で供給された洗浄水について、そのまま便器本体のリム吐水口に直接的に供給すると共に、一旦タンク内に供給して貯水した洗浄水をポンプにより便器本体のジェット吐水口に供給する、いわゆる、ハイブリット式の水洗大便器がある。これらの従来の水洗大便器においては、近年の節水化や意匠性を向上させるデザイン性の多様化等に伴って、水洗大便器全体の上端高さが低く設定される、いわゆる、ローシルエット化のニーズが高まっており、このようなニーズに応えるべく、タンクの上端高さについて低く設定されているものがある。
また、このようなローシルエット化に対応したタンク式やハイブリット式の水洗大便器においては、タンクの上端高さが低く設定される程、タンク内に貯水される洗浄水のヘッド圧も制限される。よって、ヘッド圧のみではタンクから便器本体に供給する洗浄水の流量を十分に確保することができないため、洗浄効率の向上のために、電力で作動するポンプを採用することにより、タンク内から吸引した洗浄水を便器本体に向けて洗浄に必要な水圧で圧送している。
しかしながら、このようなポンプを採用したタンク式やハイブリット式の水洗大便器においては、タンクに一旦貯水した洗浄水をポンプで吸引して便器本体に加圧することにより、便器本体の洗浄時に洗浄水の強力な流れを発生させることができる反面、停電時においては、ポンプが作動することができなくなる。このため、タンクからオーバーフローさせた洗浄水を便器本体側に迂回させるオーバーフロー流路や、排水トラップ部内の流路を手動で強制的に開閉させる等、停電対応に関する複雑な構造が必要になり、複雑な停電対応操作も必要になるという問題がある。
したがって、停電時においても、電池等の外部電源や複雑な停電対応操作に極力依存することなく、簡易な構造でいかに便器洗浄を確実に実行するかが、昨今要請されている急務な課題となっている。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決し、昨今の天災等の発生の増加に伴って要請されている停電対策に関する急務な課題を解決するためになされたものであり、停電時においても簡易な構造により便器洗浄を確実に実行することができ、停電対応の作業負担を軽減することができる水洗大便器を提供すること目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、主給水源から供給された洗浄水が通水する給水路と、汚物を受けるボウル部と、このボウル部内に洗浄水を吐水する吐水口と、上記ボウル部内の汚物を排出する排水トラップ部と、を備えた便器本体と、この便器本体に連結されて電力により作動し、上記給水路から供給された洗浄水を上記便器本体に供給可能にする洗浄水供給装置と、停電時において、上記洗浄水供給装置をバイパスして上記便器本体の吐水口に洗浄水を供給可能にするバイパス流路と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、通常時(非停電時、非断水時)の便器洗浄では、主給水源から給水路に供給された洗浄水が、便器本体に連結されている洗浄水供給装置に供給される。
そして、この洗浄水供給装置が電力により作動することにより、洗浄水供給装置から便器本体に洗浄水が供給され、この洗浄水は便器本体の吐水口からボウル部内に吐水される。
また、この便器本体の吐水口から吐水された洗浄水は、ボウル部内を洗浄した後、ボウル部内の汚物と共に排水トラップ部から便器本体の外部に排出され、通常時の一連の便器洗浄が完了する。
一方、停電時の便器洗浄においては、洗浄水供給装置が停電により作動できなくなるが、バイパス流路に対して洗浄水が供給される。
そして、バイパス流路に供給された洗浄水は、洗浄水供給装置をバイパスして便器本体の吐水口に供給され、この吐水口からボウル部内に吐水される。その後、ボウル部内の汚物及び洗浄水は、排水トラップ部から便器本体の外部に排出され、停電時の一連の便器洗浄が完了する。
これらにより、便器洗浄を行う際には、通常時及び停電時の状況に関わらず、便器本体の吐水口に対して洗浄水を確実に供給することができ、便器洗浄を確実に実行することができる。
特に、停電時おいては、バイパス流路により洗浄水供給装置をバイパスした洗浄水が便器本体の吐水口に確実に供給されるため、便器洗浄を確実に実行することができる。
これにより、洗浄水供給装置側に対しては、複雑な停電対応構造を設ける必要がなく、複雑な停電対応操作を行う必要もないため、水洗大便器全体で停電対応時の作業負担を軽減して誤操作を抑制することができ、停電時においても便器洗浄を確実に実行することができる。
また、停電対応時においても、便器本体に予め設けられている吐水口を有効に活用することができるため、水洗大便器全体で簡易な停電対応構造にすることができる。
本発明において、好ましくは、上記洗浄水供給装置は、その上流側に設けられて上記給水路を開閉可能にする開閉弁を含むバルブユニットと、このバルブユニットの作動を電気的に制御する制御部と、を備えており、上記バイパス流路は、停電時において、上記バルブユニットよりも上流側から上記洗浄水供給装置をバイパスして上記便器本体の吐水口に洗浄水を供給可能にする。
このように構成された本発明においては、停電により制御部がバルブユニット等の洗浄水供給装置を電気的に制御できなくなっている状態であっても、停電時に便器洗浄を行う際には、バイパス流路によりバルブユニットよりも上流側から洗浄水供給装置をバイパスさせた洗浄水を便器本体の吐水口に確実に供給することができる。
これにより、バルブユニットを備えた洗浄水供給装置側に対して複雑な停電対応構造を設ける必要がなく、複雑な停電対応操作を行う必要もないため、水洗大便器全体で停電対応時の作業負担を軽減して誤操作を抑制することができる。
また、洗浄水供給装置が制御部により電気的に制御されるバルブユニットを備えていても、停電対応構造として、バルブユニットよりも上流側から洗浄水供給装置をバイパスさせたバイパス流路を採用することにより、便器本体に予め設けられている吐水口を有効に活用しながら、水洗大便器全体で簡易な停電対応構造にすることができる。
本発明において、好ましくは、上記吐水口は、上記バイパス流路から供給される洗浄水の流路断面積を縮小させる流路断面縮小機構を備えている。
このように構成された本発明においては、停電時において、バイパス流路から便器本体の吐水口に供給される前の状態の洗浄水の流速について、十分な便器洗浄を実行可能にする流速に達していない状態であっても、便器本体の吐水口における流路断面縮小機構により、バイパス流路から供給されて吐水口を通過する洗浄水の流路断面積を縮小させることができ、吐水口から吐出される洗浄水の流速を十分な便器洗浄が実行可能な流速まで高めることができる。
したがって、停電時であっても、通常時(非停電時)の便器洗浄性能に見合う便器洗浄性能を確保することができる。
本発明において、好ましくは、上記吐水口は、上記ボウル部の底部に設けられて上記排水トラップ部に向けて吐水するジェット吐水口である。
このように構成された本発明においては、停電時であっても、バイパス流路から便器本体のボウル部の底部におけるジェット吐水口に対して洗浄水を確実に供給することができ、排水トラップ部に向けて直接的に吐水することができる。
したがって、停電時において、使用者が外部から桶やバケツ等を用いて便器本体のボウル部に対して給水することに比べて、便器本体のジェット吐水口から排水トラップ部に向けて直接的に吐水させる方が、便器本体の排水トラップ部内を迅速に満水にさせてサイホン作用を発生させやすくすることができる。
よって、停電時であっても、便器本体のボウル部内の溜水や汚物について、排水トラップ部から吸引させて、便器本体の外部へ確実に排出することができる。
本発明において、好ましくは、上記バイパス流路は、上記吐水口から吐水させる洗浄水の流量を調整可能にする流量調整部を備えている。
このように構成された本発明においては、バイパス流路の流量調整部により、バイパス流路から供給されて便器本体の吐水口から吐水させる洗浄水の流量を適宜調整する(増減させる)ことができる。
これにより、例えば、バイパス流路に対して水道の直圧の洗浄水が供給された場合であっても、バイパス流路から便器本体の吐水口に供給される洗浄水について一時的に流量を調整する(増加させる)ことができる。
よって、停電時であっても、便器本体のボウル部内を洗浄水で満たした後にサイホン作用を発生させて便器洗浄を実行させることができる。
そして、サイホン作用の終了後に便器本体4のボウル部及び排水トラップ部内の封水が不足している場合には、便器本体の吐水口に供給される洗浄水の流量を再び調整する(減少させる)ことができる。これにより、サイホン作用等が発生しない程度に便器本体の吐水口からボウル部内に洗浄水をリフィールさせて、次回の便器洗浄に備えることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、上記主給水源とは異なる非常用給水源を有し、上記バイパス流路は、その上流側が上記非常用給水源に接続されており、この非常用給水源から供給された洗浄水を上記吐水口に供給可能にする。
このように構成された本発明においては、バイパス流路の上流側が主給水源とは異なる非常用給水源に接続されており、停電時であっても、非常用給水源からバイパス流路に供給された洗浄水を便器本体の吐水口に確実に供給することができる。
したがって、洗浄水供給装置側に対して複雑な停電対応構造を設ける必要がなく、複雑な停電対応操作を行う必要もないため、水洗大便器全体で停電対応時における作業負担を軽減して誤操作を抑制することができる。
また、停電時であっても、バイパス流路の上流側に別途に接続された主給水源とは異なる非常用給水源からバイパス流路に洗浄水を確実に供給し、バイパス流路から便器本体に予め設けられている吐水口に洗浄水を確実に供給することができる。これにより、便器本体に予め設けられている吐水口を有効に活用しながら、水洗大便器全体で簡易な停電対応構造により、停電時においても便器洗浄を確実に実行することができる。
さらに、停電時だけでなく、主給水源からの洗浄水が供給される給水路が断水した場合であっても、主給水源の代わりに外部の非常用給水源からバイパス流路に洗浄水を直接的に供給することができるため、バイパス流路から便器本体の吐水口に対しても洗浄水を確実に供給することができ、断水時においても便器洗浄を確実に実行することができる。
本発明において、好ましくは、上記給水路は、上記洗浄水供給装置よりも上流側に設けられた止水栓と上記洗浄水供給装置とを接続する上流側給水路と、上記洗浄水供給装置から供給された洗浄水を上記吐水口に供給可能にする下流側給水路と、を備えており、上記バイパス流路は、上記洗浄水供給装置をバイパスするように上記上流側給水路と上記下流側給水路とを連通可能にする。
このように構成された本発明においては、停電時であっても、バイパス流路により、洗浄水供給装置よりも上流側に設けられた止水栓と洗浄水供給装置とを接続する上流側給水路と、洗浄水供給装置から供給された洗浄水を便器本体の吐水口に供給可能にする下流側給水路とを互いに連通することができるため、洗浄水供給装置をバイパスした洗浄水を便器本体の吐水口に確実に供給することができる。
したがって、停電時においても便器洗浄を確実に実行することができる。
本発明において、好ましくは、上記洗浄水供給装置は、上記給水路から供給された洗浄水を上記便器本体に供給可能にするタンク装置であり、このタンク装置は、上記便器本体に配置されて上記給水路から供給された洗浄水を貯水する貯水タンクと、この貯水タンク内の洗浄水を上記便器本体に圧送するポンプと、を備えている。
このように構成された本発明においては、通常時(非停電時、非断水時)の便器洗浄では、主給水源から給水路に供給された洗浄水は、まず、便器本体に連結されている洗浄水供給装置であるタンク装置の貯水タンクに供給される。
つぎに、貯水タンク内に貯水された洗浄水は、タンク装置のポンプが電力で作動することにより、便器本体の吐水口に向けて圧送される。この洗浄水は、便器本体の吐水口からボウル部内に吐水され、ボウル部内を洗浄した後、ボウル部内の汚物と共に排水トラップ部から便器本体の外部に排出され、通常時の一連の便器洗浄が完了する。
一方、停電時の便器洗浄においては、洗浄水供給装置であるタンク装置のポンプが停電により作動できなくなるが、バイパス流路に対して洗浄水が供給される。
そして、バイパス流路に供給された洗浄水は、洗浄水供給装置であるタンク装置の貯水タンク及びポンプの双方をバイパスして便器本体の吐水口に供給され、この吐水口からボウル部内に吐水される。その後、ボウル部内の洗浄水は、汚物と共に排水トラップ部から便器本体の外部に排出され、停電時の一連の便器洗浄が完了する。
これらにより、便器洗浄を行う際には、通常時及び停電時の状況に関わらず、便器本体の吐水口に洗浄水を確実に供給することができ、便器洗浄を確実に実行することができる。
特に、停電時おいては、バイパス流路により洗浄水供給装置であるタンク装置の貯水タンク及びポンプの双方をバイパスした洗浄水について便器本体の吐水口に確実に供給することができる。
これにより、洗浄水供給装置であるタンク装置の貯水タンク側やポンプ側に対しては、複雑な停電対応構造を設ける必要がなく、複雑な停電対応操作を行う必要もないため、水洗大便器全体で停電対応時の作業負担を軽減して誤操作を抑制することができる。
また、停電対応時においても、便器本体に予め設けられている吐水口を有効に活用することができるため、水洗大便器全体で簡易な停電対応構造にすることができる。
本発明の水洗大便器によれば、停電時においても簡易な構造により便器洗浄を確実に実行することができ、停電対応の作業負担を軽減することができる。
本発明の第1実施形態による水洗大便器の全体構成図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器において停電時に便器洗浄操作が開始されてから終了するまでの一連の動作を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態による水洗大便器の全体構成図である。 本発明の第3実施形態による水洗大便器の全体構成図である。 本発明の第4実施形態による水洗大便器の全体構成図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の第1~第4実施形態による水洗大便器について説明する。
まず、図1及び図2により、本発明の第1実施形態による水洗大便器について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による水洗大便器の全体構成図である。
まず、図1に示すように、本発明の第1実施形態による水洗大便器1は、水道等の主給水源W0から供給された洗浄水が通水する給水路(主給水路2)と、陶器製の便器本体4と、洗浄水供給装置6と、を備えている。
つぎに、便器本体4は、汚物を受けるボウル部8と、このボウル部8の上縁に形成されるリム部10と、ボウル部8の底部から延びる排水トラップ部(排水トラップ管路12)と、を備えている。また、排水トラップ管路12は、入口部12aと、この入口部12aから上昇するトラップ上昇管12bと、このトラップ上昇管12bから下降するトラップ下降管12cとからなり、トラップ上昇管12bとトラップ下降管12cとの間が頂部12dとなっている。
さらに、洗浄水供給装置6は、詳細については後述するが、便器本体4の後方に連結されて電力により作動し、主給水路2から供給された洗浄水を便器本体4に供給可能にするものである。
つぎに、便器本体4のリム部10の内周側には、リム吐水口14が設けられている。
また、便器本体4の上流側には、詳細は後述する洗浄水供給装置6のリム側給水路2aが設けられている。このリム側給水路2aからリム吐水口14に供給された洗浄水は、リム吐水口14からボウル部8内に吐出され、リム吐水が行われるようになっている。
さらに、便器本体4のボウル部8の底部には、排水トラップ管路12の入口部12aに向かって指向するジェット吐水口16が設けられている。
また、便器本体4の上流側には、詳細は後述する洗浄水供給装置6のジェット側給水路2bが設けられている。このジェット側給水路2bから供給された洗浄水は、ジェット吐水口16から排水トラップ管路12に向けて吐出され、ジェット吐水が行われるようになっている。
ここで、リム側給水路2aの上流側は、主給水路2の分岐部B(詳細は後述する洗浄水供給装置6の切替弁18)に接続されている。
一方、ジェット側給水路2bの上流側は、詳細は後述する洗浄水供給装置6の貯水タンク20の下流側に設けられた洗浄水供給装置6の加圧ポンプ22に接続されている。
つぎに、図1により、本実施形態による水洗大便器1の洗浄水供給装置6の詳細について説明する。
まず、図1に示すように、洗浄水供給装置6には、主給水路2の上流側から下流側に向かって、止水栓24、分岐金具26、バルブユニット28、及び、切替弁18がそれぞれ設けられている。
また、バルブユニット28は、定流量弁30、ダイヤフラム式の主弁32、及び、ソレノイドバブル等の電磁弁34をそれぞれ備えている。
つぎに、洗浄水供給装置6は、コントローラ36を備えている。このコントローラ36は、バルブユニット28の開閉弁(電磁弁34)の開閉操作、切替弁18の切替操作、及び、加圧ポンプ22の回転数や作動時間等を制御する制御部として機能することができるようになっている。
また、バルブユニット28の定流量弁30は、主給水路2における止水栓24から分岐金具26を通過した洗浄水について、所定の流量以下に絞るためのものである。
さらに、バルブユニット28においては、電磁弁34がコントローラ36の制御により開弁操作されると、主弁32が開弁し、定流量弁30から主弁32を通過した洗浄水が、主給水路2の下流側の分岐部Bの切替弁18に供給されるようになっている。
ここで、切替弁18は、主給水路2の洗浄水をリム側給水路2aとタンク側給水路2cの双方に同じタイミングで洗浄水を供給可能であり、リム側とタンク側への給水量の割合を任意に変更することができるようになっている。
つぎに、洗浄水供給装置6は、主給水路2から供給された洗浄水を便器本体4に供給可能にするタンク装置Tを備えている。このタンク装置Tは、便器本体4の後方に連結されて主給水路2から供給された洗浄水を貯水する貯水タンク20と、この貯水タンク20内の洗浄水を便器本体4に圧送するポンプ(加圧ポンプ22)と、を備えている。
さらに、主給水路2の下流側の分岐部Bの下流側には、便器本体4のリム吐水口14に連通するリム側給水路2a、及び、貯水タンク20に接続されるタンク側給水路2cがそれぞれ設けられている。
これにより、主給水源W0から主給水路2の分岐部Bに供給された洗浄水は、リム側給水路2aへのリム給水及びタンク側給水路2cへのタンク給水の少なくともいずれか一方の給水として利用されるようになっている。
また、洗浄水供給装置6には、タンク側給水路2cの下流側から加圧ポンプ22まで延びるポンプ給水路14d、及び、加圧ポンプ22から下流側に延びるジェット側給水路14bがそれぞれ設けられている。
これらにより、本実施形態の水洗大便器1では、主給水路2から供給された洗浄水が、洗浄水供給装置6によりリム側給水路2aから便器本体4のリム吐水口14に供給可能であると共に、タンク側給水路2cから貯水タンク20、ポンプ給水路2d及び加圧ポンプ22を経た後、ジェット側給水路2bから便器本体4のジェット吐水口16に供給可能であるため、いわゆる、ハイブリット式の水洗大便器として機能するようになっている。
つぎに、貯水タンク20の内部には、上側フロートスイッチ38及び下側フロートスイッチ40がそれぞれ配置されており、これらのフロートスイッチ38,40により貯水タンク20内の水位を検出できるようになっている。
例えば、上側フロートスイッチ38は、貯水タンク20内の水位が所定の貯水水位に達するとオンに切り替わり、この上側フロートスイッチ38のオン状態をコントローラ36が検知して、電磁弁34を閉弁させるようになっている。
一方、下側フロートスイッチ40においては、貯水タンク20内の水位が、上側フロートスイッチ38が検知する所定の貯水水位よりも低い所定の水位まで低下するとオンに切り替わり、この下側フロートスイッチ40のオン状態をコントローラ36が検知して、加圧ポンプ22を停止させるようになっている。
また、加圧ポンプ22は、貯水タンク20に貯水された洗浄水をポンプ給水路2dに吸引し、このポンプ給水路2dから洗浄水をジェット側給水路2bに加圧することにより、ジェット吐水口16から吐出させるためのものである。
さらに、ジェット側給水路2bの途中には、逆止弁42が設けられている。この逆止弁42により、ジェット側給水路2b内の洗浄水がジェット吐水口16側から加圧ポンプ22側に逆流することを防ぐことができるようになっている。
これらの構造により、通常の便器洗浄時においては、コントローラ36が、使用者による便器洗浄スイッチ(図示せず)の操作等を検知し、電磁弁34、切替弁18、加圧ポンプ22を順次作動させるようになっている。
これにより、リム吐水口14及びジェット吐水口16からの吐水が順次開始されて、ボウル部8内を洗浄した洗浄水は、ボウル部8内の汚物と共に排水トラップ管路12から排出されるようになっている。
さらに、コントローラ36は、洗浄終了後、電磁弁34を開放し、切替弁18がタンク側給水路2c側に切り替えられ、主給水路2内の洗浄水が貯水タンク20に補給されるようになっている。
そして、貯水タンク20内の水位が上昇し、上側フロートスイッチ38が規定の貯水量を検出すると、コントローラ36が電磁弁34を閉弁させることにより、主弁32が主給水路2を閉鎖し、給水が停止されるようになっている。
つぎに、図1に示すように、本実施形態の水洗大便器1では、停電時においても、便器洗浄を確実に実行可能にする停電対応装置44として、主給水路2内の洗浄水について洗浄水供給装置6をバイパスして便器本体4のジェット吐水口16に供給可能にするバイパス流路(バイパス管46)が設けられている。
停電対応装置44のバイパス管46においては、その上流端46aがバルブユニット28よりも上流側の分岐金具26に接続されている。
一方、バイパス管46の下流端46bは、ジェット側給水路2bの逆止弁42よりも下流側でかつジェット吐水口16よりも上流側に位置するジェット側給水路2bの途中の接続部C1に接続されている。
また、停電対応装置44は、バイパス管46の途中に、上流側から下流側に向かってそれぞれ設けられた、ポペット弁48、流量調整弁50、及び、逆止弁52を備えている。
つぎに、停電対応装置44の一部として、分岐金具26には、その内部流路を切り替える停電切替弁26aが設けられている。
この分岐金具26の停電切替弁26aは、通常時においては、その上流側の流路(止水栓24側の主給水路2)と下流側の流路(バルブユニット28の定流量弁30側の主給水路2)とを連通させた状態となっている。
一方、停電時においては、分岐金具26の停電切替弁26aについて、使用者が手動で切替操作を行うことにより、その上流側の流路(止水栓24側の主給水路2)と下流側の流路(バイパス管46)とを連通可能となっている。
また、停電時においては、バイパス管46のポペット弁48について、使用者が手動で開閉操作を行うことにより、分岐金具26からバイパス管46内に供給された洗浄水についてポペット弁48から流量調整弁50に供給又は停止することができるようになっている。
さらに、停電時においては、バイパス管46の流量調整弁50については、使用者が手動でバイパス管46内の開度を調整することができ、開弁状態のポペット弁48を通過した洗浄水が流量調整弁50を通過する洗浄水の流量を調整する流量調整部として機能することができるようになっている。
また、バイパス管46における流量調整弁50よりも下流側の逆止弁52は、ジェット側給水路2b内の洗浄水がジェット吐水口16側からバイパス管46側に逆流することを防ぐことができるようになっている。
さらに、便器本体4のジェット吐水口16には、ノズル部材54が設けられている。このノズル部材54は、バイパス管46からジェット側給水路2bを経て供給される洗浄水の流路断面積(ジェット吐水口16の流路断面積)を縮小させる流路断面縮小機構として機能するようになっている。
つぎに、図1及び図2を参照して、上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1の停電時における便器洗浄を実行する際に行われる一連の動作及び停電対応操作について具体的に説明する。
図2は、本発明の第1実施形態による水洗大便器1において停電時に便器洗浄操作が開始されてから終了するまでの一連の動作を示すタイムチャートである。
図1及び図2に示すように、停電時においては、洗浄水供給装置6のコントローラ36、バルブユニット28の電磁弁34、主給水路2の分岐部Bの切替弁18、及び、タンク装置Tの加圧ポンプ22等が作動できない状態である。
そこで、使用者は、まず、待機状態(図2の時刻t0~t1)において、便器洗浄の準備として、分岐金具26の停電切替弁26aを手動で切替操作し、停電対応操作を開始する。これにより、停電切替弁26aが止水栓24側の主給水路2とバルブユニット28の定流量弁30側の主給水路2とを連通させている状態(通常状態)から、止水栓24側の主給水路2とバイパス管46内とを連通させた状態(停電操作状態)に切り替えられる。
これにより、主給水源W0から水道の直圧で主給水路2に給水された洗浄水は、止水栓24を通過した後、分岐金具26の停電切替弁26aにより、バイパス管46内に供給される。
つぎに、使用者は、図2の時刻t1~t2において、閉弁状態のポペット弁48を手動操作により開弁させる。このとき、流量調整弁50の開度は「小」に設定されている。
これにより、バイパス管46内の洗浄水が開弁状態のポペット弁48を通過した後、流量調整弁50を比較的小流量で通過する。そして、この流量調整弁50を通過した洗浄水は、逆止弁52を通過した後、バイパス管46の下流端46bからジェット側給水路2bに流入し、ジェット吐水口16に供給される。
その後、洗浄水は、ジェット吐水口16のノズル部材54を通過することにより、便器本体4の排水トラップ管路12の入口部12aに向かって吐出され、ジェット吐水が開始される。
そして、図2の時刻t2から時刻t3までの間において、便器本体4のボウル部8内の溜水及び排水トラップ管路12内の封水の水位がジェット吐水により上昇する。
そして、図2の時刻t3から時刻t4までの間において、排水トラップ管路12の頂部12d(図1参照)を超えた封水がトラップ下降管12c内に溢流しており、便器本体4のボウル部8内の溜水及び排水トラップ管路12内の封水の水位はほぼ一定となる(図2の「トラップ溢流」参照)。
つぎに、使用者は、図2の時刻t4から時刻t5までの間において、流量調整弁50の開度を「小」から「大」に変更する。そして、時刻t5から時刻t7まで、流量調整弁50の開度は「大」に設定され、流量調整弁50を通過する洗浄水の流量が一定の比較的大流量に維持された状態となる。
これにより、流量調整弁50により調整された比較的大流量の洗浄水が、バイパス管46からジェット側給水路2bを経てジェット吐水口16に供給される。そして、この洗浄水は、ジェット吐水口16のノズル部材54を通過することにより、比較的大流量のジェット吐水が排水トラップ管路12の入口部12aに向かって吐出される。
このとき、排水トラップ管路12内においては、その全域が比較的大流量のジェット吐水により満水となるため、サイホン作用が発生する。
また、このサイホン作用により、時刻t4以後の便器本体4のボウル部8内の溜水は低下する。さらに、この低下する溜水と共にボウル部8内の汚物が排水トラップ管路12内に排出され、実体的な便器洗浄が実行される。
そして、時刻t6から時刻t7までの間、ボウル部8内の溜水がほぼ空となり、サイホン作用が終了し、実体的な便器洗浄が終了する。
つぎに、使用者は、図2の時刻t7から時刻t8までの間において、流量調整弁50の開度を「大」から「小」に変更する。また、時刻t8以後、流量調整弁50の開度は、「小」に設定された状態が維持される。
これにより、流量調整弁50により調整された比較的小流量の洗浄水が、バイパス管46からジェット側給水路2bを経てジェット吐水口16に供給される。そして、この洗浄水は、ジェット吐水口16のノズル部材54を通過することにより、比較的小流量のジェット吐水が排水トラップ管路12の入口部12aに向かって吐出される。
これにより、便器本体4のボウル部8内の溜水及び排水トラップ管路12内の封水の水位は、サイホン作用が発生しない程度に、徐々に上昇した後、時刻t9において、便器本体4のボウル部8及び排水トラップ管路12内の封水が完了となり、次回の実体的な便器洗浄が実行可能な状態となる。
つぎに、使用者は、時刻t10において、開弁状態のポペット弁48を手動操作により閉弁させる。
その後、使用者は、時刻t11において、分岐金具26の停電切替弁26aを手動で切替操作し、停電切替弁26aが止水栓24側の主給水路2とバイパス管46内とを連通させている状態(停電操作状態)から、止水栓24側の主給水路2とバルブユニット28の定流量弁30側の主給水路2とを連通させている状態(通常状態)に切り替えられる。
これにより、停電時において便器洗浄を実行するための一連の操作が終了する。
つぎに、図1及び図2を参照して、上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1の作用について説明する。
まず、本発明の第1実施形態によるハイブリット式の水洗大便器1によれば、通常時(非停電時、非断水時)の便器洗浄では、主給水源W0から水道等の直圧で主給水路2の分岐部Bに供給された洗浄水は、その一部がリム側給水路2aを経て便器本体4のリム吐水口14からリム吐水が行われる。これにより、便器本体4のボウル部8内をリム吐水により洗浄することができる。
一方、主給水源W0から主給水路2の分岐部Bに供給された洗浄水の残部は、タンク側給水路2cから洗浄水供給装置6のタンク装置Tの貯水タンク20に供給される。
そして、貯水タンク20内に貯水されている洗浄水が、加圧ポンプ22によりポンプ給水路2dに吸引された後、ジェット側給水路2bから便器本体4のジェット吐水口16に圧送される。
これにより、便器本体4のジェット吐水口16から排水トラップ管路12の入口部12aに向けて洗浄水が吐出されるジェット吐水が行われる。リム吐水により洗浄されたボウル部8内の汚物は、ジェット吐水により便器本体4の排水トラップ管路12から外部に排出され、通常時の一連の便器洗浄が完了する。
一方、停電時の便器洗浄においては、洗浄水供給装置6のコントローラ36、バルブユニット28の電磁弁34、主給水路2の分岐部Bの切替弁18、及び、タンク装置Tの加圧ポンプ22等が停電により作動できなくなるが、使用者が停電対応装置44の分岐金具26の停電切替弁26aを手動で切替操作することにより、主給水路2内の洗浄水をバイパス管46内に供給することができる。
そして、停電対応装置44のバイパス管46に供給された洗浄水は、洗浄水供給装置6のバルブユニット28及びタンク装置T(貯水タンク20、加圧ポンプ22)等をバイパスして便器本体4のジェット吐水口16に供給される。これにより、このジェット吐水口16から便器本体4のボウル部8の底部の排水トラップ管路12の入口部12aに向けて洗浄水が吐出され、ジェット吐水が行われる。
その後、ボウル部8内の汚物及び洗浄水は、ジェット吐水により排水トラップ管路12から便器本体4の外部に排出され、停電時の一連の便器洗浄が完了する。
これらにより、便器洗浄を行う際には、通常時及び停電時の状況に関わらず、便器本体4の少なくともジェット吐水口16に対して洗浄水を確実に供給することができ、便器洗浄を確実に実行することができる。
特に、停電時おいては、バイパス管46により洗浄水供給装置6のバルブユニット28及びタンク装置T等をバイパスした洗浄水が便器本体4のジェット吐水口16に確実に供給されるため、便器洗浄を確実に実行することができる。
これにより、洗浄水供給装置6側(バルブユニット28、貯水タンク20、加圧ポンプ22、コントローラ36等)に対しては、複雑な停電対応構造を設ける必要がなく、複雑な停電対応操作を行う必要もないため、水洗大便器1の全体で停電対応時の作業負担を軽減して誤操作を抑制することができ、停電時においても便器洗浄を確実に実行することができる。
また、停電対応時においても、便器本体4に予め設けられているジェット吐水口16を有効に活用することができるため、水洗大便器1の全体で簡易な停電対応構造にすることができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、停電によりコントローラ36が洗浄水供給装置6のバルブユニット28の電磁弁34等を電気的に制御できなくなっている状態であっても、停電時に便器洗浄を行う際には、停電対応装置44のバイパス管46によりバルブユニット28よりも上流側の分岐金具26から洗浄水供給装置6をバイパスさせた洗浄水を便器本体4のジェット吐水口16に確実に供給することができる。
これにより、バルブユニット28を備えた洗浄水供給装置6側に対して複雑な停電対応構造を設ける必要がなく、複雑な停電対応操作を行う必要もないため、水洗大便器1の全体で停電対応時の作業負担を軽減して誤操作を抑制することができる。
また、洗浄水供給装置6がコントローラ36により電気的に制御される電磁弁34等を含むバルブユニット28を備えていても、停電対応構造として、バルブユニット28よりも上流側の分岐金具26から洗浄水供給装置6をバイパスさせたバイパス管46を採用することにより、便器本体4に予め設けられているジェット吐水口16を有効に活用しながら、水洗大便器1の全体で簡易な停電対応構造にすることができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、停電時において、バイパス管46から便器本体4のジェット吐水口16に供給される前の状態の洗浄水の流速について、十分な便器洗浄を実行可能にする流速に達していない状態であっても、便器本体4のジェット吐水口16における流路断面積を縮小させる流路断面縮小機構であるノズル部材54により、バイパス管46から供給されてジェット吐水口16を通過する洗浄水の流路断面積を縮小させることができる。
これにより、停電時においてジェット吐水口16から吐出されるジェット吐水の流速について、十分な便器洗浄が実行可能な流速まで高めることができる。
したがって、停電時であっても、通常時(非停電時)の便器洗浄性能に見合う便器洗浄性能を確保することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、停電時であっても、停電対応装置44のバイパス管46から便器本体4のボウル部8の底部におけるジェット吐水口16に対して洗浄水を確実に供給することができ、排水トラップ管路12の入口部12aに向けて直接的に吐水することができる。
したがって、停電時において、使用者が外部から桶やバケツ等を用いて便器本体4のボウル部8に対して給水することに比べて、便器本体4のジェット吐水口16から排水トラップ管路12の入口部12aに向けて直接的に吐水させる方が、便器本体4の排水トラップ管路12内を迅速に満水にさせてサイホン作用を発生させやすくすることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、停電対応装置44のバイパス管46における流量調整部(流量調整弁50)により、バイパス管46から供給されて便器本体4のジェット吐水口16から吐水させる洗浄水の流量を適宜調整する(増減させる)ことができる。
これにより、例えば、停電時において、主給水路2から停電対応装置44のバイパス管46に対して水道の直圧の洗浄水が供給された場合であっても、バイパス管46から便器本体4のジェット吐水口16に供給される洗浄水について、一時的に流量を調整する(増加させる)ことができる。よって、停電時であっても、便器本体4のボウル部8内を洗浄水で満たした後にサイホン作用を発生させて便器洗浄を実行させることができる。
そして、サイホン作用の終了後に便器本体4のボウル部8及び排水トラップ管路12内の封水が不足している場合には、便器本体4のジェット吐水口16に供給される洗浄水の流量を再び調整する(減少させる)ことができる。これにより、サイホン作用等が発生しない程度に便器本体4のジェット吐水口16からボウル部8内に洗浄水をリフィールさせて、次回の便器洗浄に備えることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、停電時であっても、停電対応装置44のバイパス管46により、洗浄水供給装置6の止水栓24とバルブユニット28とを接続する上流側給水路(主給水路2)と、洗浄水供給装置6の貯水タンク20及び加圧ポンプ22から供給された洗浄水を便器本体4のジェット吐水口16に供給可能にする下流側給水路(ジェット側給水路2b)とを互いに連通することができる。
したがって、停電時においても、バイパス管46により洗浄水供給装置6のバルブユニット28及びタンク装置T(貯水タンク20、加圧ポンプ22)等をバイパスした洗浄水を便器本体4のジェット吐水口16に確実に供給することができるため、便器洗浄を確実に実行することができる。
なお、上述した本発明の第1実施形態によるハイブリット式の水洗大便器1においては、停電時にバイパス管46内の洗浄水の流量を調整する流量調整部として、バイパス管46内の開度を調整する流量調整弁50を採用し、ポペット弁48を通過した洗浄水が流量調整弁50を通過する際に洗浄水の流量を調整する形態について説明したが、このような形態に限られず、他の形態を採用してもよい。
例えば、本発明の第1実施形態によるハイブリット式の水洗大便器1の変形例において、バイパス管46の流量調整部として、ポペット弁48自体がピストンバルブ等を含むフラッシュバルブの構造を備えたものを採用し、バイパス管46内を最大開放状態から自動的に徐々に閉鎖状態に調整できるような構造にしてもよい。
つぎに、図3を参照して、本発明の第2実施形態による水洗大便器100について説明する。
図3は、本発明の第2実施形態による水洗大便器の全体構成図である。ここで、図3に示す本発明の第2実施形態による水洗大便器100においては、図1に示す上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1の部分と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
図3に示すように、本発明の第2実施形態による水洗大便器100においては、上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1と同様のハイブリット式の水洗大便器であるが、停電時においても、便器洗浄を確実に実行可能にする停電対応装置144として、主給水源W0と異なる非常用給水源として給水袋146を備えている点で、第1実施形態とは異なっている。
また、給水袋146としては、例えば、5L或いは10Lの洗浄水量が注入されている防災用の給水袋等が採用されている。この給水袋146は、その上端付近の流出口146aがバイパス管46の上流端46aに対して着脱可能に接続されるようになっている。
本実施形態による水洗大便器100において、停電時に便器洗浄を実行する際には、まず、使用者は、給水袋146の流出口146aをバイパス管46の上流端46aの接続口に接続する。
つぎに、使用者は、バイパス管46のポペット弁48を手動により予め開弁させた後、給水袋146について、便器本体4のリム部10の上面よりも高い位置(好ましくは、使用者が立っている位置における1m程度の高さ位置)で傾けることにより、給水袋146内の洗浄水を流出口146aからバイパス管46内に注入する。
これにより、バイパス管46からジェット側給水路2bを経てジェット吐水口16に洗浄水が供給され、ジェット吐水口16からジェット吐水が行われ、第1実施形態と同様に、停電時の便器洗浄が実行される。
また、便器洗浄後、便器本体4のボウル部8及び排水トラップ管路12内の封水量が少ない場合には、適宜、給水袋146内の洗浄水をバイパス管46からジェット吐水口16に供給し、次回の便器洗浄が実行可能に封水量を戻す作業を行う。
なお、給水袋146の変形例として、給水袋の下部に流出口が設けられたものを給水袋非常用給水源を採用してもよい。この場合、給水袋については、その流出口を便器本体4のリム部10の上面よりも高い位置(好ましくは、使用者が立っている位置における1m程度の高さ位置)でバイパス管46の上流端46aの流入口に接続し、このバイパス管46の流入口を開弁(開放)するだけで、給水袋を傾けることなく、給水袋内の洗浄水をバイパス管46内に注入することができる。
上述した本発明の第2実施形態による水洗大便器100によれば、バイパス管46の上流側が主給水源W0とは異なる非常用給水源(給水袋146)に接続されており、停電時であっても、給水袋146からバイパス管46内に供給された洗浄水を便器本体4のジェット吐水口16に確実に供給することができる。
したがって、洗浄水供給装置6側に対して複雑な停電対応構造を設ける必要がなく、複雑な停電対応操作を行う必要もないため、水洗大便器100の全体で停電対応時における作業負担を軽減して誤操作を抑制することができる。
また、停電時であっても、バイパス管46の上流側に別途に接続された主給水源W0とは異なる停電対応装置144の非常用給水源(給水袋146)からバイパス管46内に洗浄水を確実に供給し、バイパス管46から便器本体4に予め設けられているジェット吐水口16に洗浄水を確実に供給することができる。
これにより、便器本体4に予め設けられているジェット吐水口16を有効に活用しながら、水洗大便器100の全体で簡易な停電対応構造により、停電時においても便器洗浄を確実に実行することができる。
さらに、停電時だけでなく、主給水源W0からの洗浄水が供給される主給水路2が断水した場合であっても、主給水源W0の代わりに外部の非常用給水源(給水袋146)からバイパス管46に洗浄水を直接的に供給することができる。これにより、バイパス管46から便器本体4のジェット吐水口16に対しても洗浄水を確実に供給することができ、断水時においても便器洗浄を確実に実行することができる。
なお、ここでいう「断水した場合」とは、高層の建築物のように高層階へ水をポンプによって供給する場合の停電に伴うポンプ等が作動できないことによる断水や停電を伴わない断水等も含まれる。
つぎに、図4を参照して、本発明の第3実施形態による水洗大便器200について説明する。
図4は、本発明の第3実施形態による水洗大便器の全体構成図である。ここで、図4に示す本発明の第3実施形態による水洗大便器200において、図1に示す本発明の第1実施形態による水洗大便器1の部分と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
図4に示すように、本発明の第3実施形態による水洗大便器200においては、水道等の主給水源W0から給水路(給水管202)に水道直圧で供給された洗浄水が、洗浄水供給装置206のタンク装置Tの貯水タンク220内に一旦給水されるようになっている。
そして、この貯水タンク220内に貯水された洗浄水は、タンク装置Tの加圧ポンプ22により吸引され、加圧ポンプ22と便器本体204におけるリム吐水口214の上流側の導水路216の入口216aとを接続する吐水管218に圧送され、吐水管218から吐吐水された洗浄水が便器本体204のリム吐水口214に供給されるようになっている。
すなわち、本実施形態による水洗大便器200は、主給水源W0から給水管202に供給されたすべて(100%)の洗浄水が、タンク装置Tの貯水タンク220及び加圧ポンプ22を介して便器本体204のリム吐水口214に供給される、いわゆる、フルポンプ式の水洗大便器である点で、上述した本発明の第1実施形態によるハイブリット式の水洗大便器1と異なっている。
また、図4に示すように、本実施形態による水洗大便器200においては、陶器製の便器本体204が、汚物を受けるボウル部208と、リム部210と、排水トラップ部(排水トラップ管路212)と、リム吐水口214と、を備えているが、ジェット吐水口を備えていない点で、本発明の第1実施形態の水洗大便器1の便器本体4の構造と異なっている。
なお、便器本体204のリム吐水口214については、単一であることに限られず、複数であってもよい。
つぎに、図4に示すように、タンク装置Tは、貯水タンク220の上方に設けられて貯水タンク220の上方開口部220aに連通可能な下方開口部224aを含む水受けハウジング224を備えている。
また、タンク装置Tは、さらに、水受けハウジング224の一部のオーバーフロー口224bに一端(上流端)が接続されるオーバーフロー管226を備えている。このオーバーフロー管226の他端(下流端)は、吐水管218の途中に接続されている。
さらに、水受けハウジング224のオーバーフロー口224bには、逆止弁228が設けられている。この逆止弁228は、水受けハウジング224内の洗浄水がオーバーフロー口224bからオーバーフロー管226に流入することを可能にする一方、オーバーフロー管226内の洗浄水が水受けハウジング224内へ逆流することを妨げることができるようになっている。
つぎに、図4に示すように、貯水タンク220と加圧ポンプ22との間には、吸引管230が接続されている。
また、通常時においては、貯水タンク220内に貯水されている洗浄水は、加圧ポンプ22が作動することにより、吸引管230から加圧ポンプ22内に吸引された後、加圧ポンプ22から吐水管218に圧送されるようになっている。
これにより、貯水タンク220から加圧ポンプ22により吐水管218に供給された洗浄水のうちのすべてが、便器本体204の導水路216の入口216aからリム吐水口214に供給されるようになっている。
そして、リム吐水口214に供給された洗浄水は、リム吐水口214からボウル部208内に吐水され、いわゆる、リム吐水100%による便器洗浄が行われるようになっている。
さらに、本実施形態の水洗大便器200は、高さ方向の落差により汚物を排出する洗い落とし式便器に適用した形態について説明するが、このような形態に限定されず、サイホン作用を利用してボウル部内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路212から一気に外部に排出する、いわゆる、サイホン式便器の形態等、他の水洗大便器の形態についても適用可能である。
さらに、図4に示すように、貯水タンク220の内部には、貯水タンク220内の水位を検知するフロートスイッチ238が配置されている。
これにより、バルブユニット28の電磁弁34の開閉動作や加圧ポンプ22の作動は、フロートスイッチ238が検知した貯水タンク220内の水位に基づいてコントローラ36により制御されるようになっている。
例えば、通常時において、フロートスイッチ238が検知した貯水タンク220内の水位が所定以下である場合には、バルブユニット28の電磁弁34が開弁することにより主弁32が開弁し、給水管202から供給された洗浄水が、水受けハウジング224を介して貯水タンク220に給水されると共に、加圧ポンプ22が作動されるようになっている。
そして、貯水タンク220内の水位が所定水位まで到達すると、バルブユニット28の電磁弁34が閉弁することにより主弁32が閉弁し、給水管202から貯水タンク220への給水が停止されると共に、加圧ポンプ22の作動が停止されるようになっている。
つぎに、図4に示すように、本実施形態のフルポンプ式の水洗大便器200は、上述した第1実施形態のハイブリット式の水洗大便器1の停電対応装置44と同様な停電対応装置244を備えている。
また、停電対応装置244においては、バイパス管46の上流端46aがバルブユニット28よりも上流側の分岐金具26に接続されている一方、バイパス管46の下流端46bは、吐水管218の途中に接続されている。
これらにより、本実施形態のフルポンプ式の水洗大便器200においても、第1実施形態と同様に、停電時における便器洗浄を確実に実行することができるようになっている。
つぎに、図4を参照して、上述した本発明の第3実施形態による水洗大便器100の作用について説明する。
まず、本発明の第3実施形態によるフルポンプ式の水洗大便器200によれば、停電時の便器洗浄においては、洗浄水供給装置206のコントローラ36、バルブユニット28の電磁弁34、及び、タンク装置Tの加圧ポンプ22等が停電により作動できなくなるが、使用者が停電対応装置244の分岐金具26の停電切替弁26aを手動で切替操作することにより、給水管202内の洗浄水をバイパス管46内に供給することができる。
そして、停電対応装置244のバイパス管46に供給された洗浄水は、洗浄水供給装置206のバルブユニット28及びタンク装置T(貯水タンク220及び加圧ポンプ22)等をバイパスし、吐水管218を経て便器本体204の導水路216に供給される。この導水路216を通過した洗浄水は、リム吐水口214から便器本体204のボウル部208内に向けて吐出され、リム吐水が行われ、このリム吐水によりボウル部208内が洗浄される。
その後、ボウル部8内を洗浄した洗浄水は、汚物と共に排水トラップ管路12から便器本体4の外部に排出され、停電時の一連の便器洗浄が完了する。
これらにより、停電時おいては、停電対応装置244のバイパス管46により洗浄水供給装置206のバルブユニット28及びタンク装置T(貯水タンク220及び加圧ポンプ22)等をバイパスした洗浄水が便器本体204のリム吐水口214に確実に供給されるため、便器洗浄を確実に実行することができる。
これにより、洗浄水供給装置206側(バルブユニット28、貯水タンク220、加圧ポンプ22、コントローラ36等)に対しては、複雑な停電対応構造を設ける必要がなく、複雑な停電対応操作を行う必要もないため、水洗大便器100の全体で停電対応時の作業負担を軽減して誤操作を抑制することができ、停電時においても便器洗浄を確実に実行することができる。
また、停電対応時においても、便器本体204に予め設けられているリム吐水口214を有効に活用することができるため、水洗大便器200の全体で簡易な停電対応構造にすることができる。
また、本実施形態による水洗大便器200によれば、停電によりコントローラ36が洗浄水供給装置206のバルブユニット28の電磁弁34等を電気的に制御できなくなっている状態であっても、停電時に便器洗浄を行う際には、停電対応装置244のバイパス管46によりバルブユニット28よりも上流側の分岐金具26から洗浄水供給装置206をバイパスさせた洗浄水を便器本体204のリム吐水口214に確実に供給することができる。
これにより、バルブユニット28を備えた洗浄水供給装置206側に対して複雑な停電対応構造を設ける必要がなく、複雑な停電対応操作を行う必要もないため、水洗大便器200の全体で停電対応時の作業負担を軽減して誤操作を抑制することができる。
また、洗浄水供給装置206がコントローラ36により電気的に制御される電磁弁34等を含むバルブユニット28を備えていても、停電対応構造として、バルブユニット28よりも上流側の分岐金具26から洗浄水供給装置206のバルブユニット28及びタンク装置T(貯水タンク220及び加圧ポンプ22)等をバイパスさせたバイパス管46を採用することにより、便器本体204に予め設けられているリム吐水口214を有効に活用しながら、水洗大便器200の全体で簡易な停電対応構造にすることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器200によれば、停電対応装置244のバイパス管46における流量調整部(流量調整弁50)により、バイパス管46から供給されて便器本体204のリム吐水口214から吐水させる洗浄水(リム吐水)の流量を適宜調整する(増減させる)ことができる。
したがって、例えば、停電時において、給水管202からバイパス管46に対して水道の直圧の洗浄水が供給された場合であっても、バイパス管46から便器本体204のリム吐水口214に供給される洗浄水(リム吐水)について、一時的に流量を調整する(増加させる)。
これにより、停電時においても、便器本体204のボウル部208内の汚物に対して、高さ方向の落差により洗い落し、排水トラップ管路212から排出することができ、便器洗浄を実行させることができる。
そして、便器洗浄の終了後に便器本体204のボウル部208及び排水トラップ管路212内の封水が不足している場合等においては、便器本体204のリム吐水口214に供給される洗浄水の流量を再び調整する(減少させる)ことにより、便器本体204のリム吐水口214からボウル部208内に洗浄水をリフィールさせて、次回の便器洗浄に備えることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器200によれば、停電時であっても、停電対応装置244のバイパス管46により、洗浄水供給装置206の止水栓24とバルブユニット28とを接続する上流側給水路(給水管202)と、洗浄水供給装置206の貯水タンク220及び加圧ポンプ22から供給された洗浄水を便器本体204のリム吐水口214に供給可能にする下流側給水路(吐水管218)とを互いに連通することができる。
したがって、停電時においても、バイパス管46により洗浄水供給装置206のバルブユニット28及びタンク装置T(貯水タンク220、加圧ポンプ22)等をバイパスした洗浄水を便器本体204のリム吐水口214に確実に供給することができるため、便器洗浄を確実に実行することができる。
つぎに、図5を参照して、本発明の第4実施形態による水洗大便器300について説明する。
図5は、本発明の第4実施形態による水洗大便器の全体構成図である。ここで、図5に示す本発明の第4実施形態による水洗大便器300において、図1に示す本発明の第1実施形態による水洗大便器1及び図4に示す本発明の第2実施形態による水洗大便器200の部分と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
図5に示すように、本発明の第4実施形態による水洗大便器300においては、上述した第3実施形態による水洗大便器200と同様なフルポンプ式の水洗大便器である。
しかしながら、本実施形態の水洗大便器300の便器本体4については、第1実施形態の水洗大便器1の便器本体4と同様なリム吐水口14及びジェット吐水口16を備えている点で、第3実施形態の水洗大便器200の構造とは異なっている。
また、本実施形態の水洗大便器300では、通常時においては、リム吐水口14から吐水される洗浄水(リム吐水100%)のみによる便器洗浄が実行される一方、停電時においては、停電対応装置344のバイパス管46からジェット吐水口16に直接的に供給された洗浄水がジェット吐水口16から吐出され、ジェット吐水のみにより便器洗浄が実行されるようになっている。
上述した本発明の第4実施形態によるフルポンプ式の水洗大便器300によれば、停電時の便器洗浄においては、洗浄水供給装置206のコントローラ36、バルブユニット28の電磁弁34、及び、タンク装置Tの加圧ポンプ22等が停電により作動できなくなるが、使用者が停電対応装置344の分岐金具26の停電切替弁26aを手動で切替操作することにより、給水管202内の洗浄水をバイパス管46内に供給することができる。
そして、停電対応装置344のバイパス管46に供給された洗浄水は、洗浄水供給装置206のバルブユニット28及びタンク装置T(貯水タンク220及び加圧ポンプ22)等をバイパスし、便器本体4のジェット吐水口16に直接的に供給される。
これにより、ジェット吐水口16から便器本体4のボウル部8の底部の排水トラップ管路12の入口部12aに向けて洗浄水が吐出され、ジェット吐水が行われる。
その後、ボウル部8内の汚物及び洗浄水は、ジェット吐水により排水トラップ管路12から便器本体4の外部に排出され、停電時の一連の便器洗浄が完了する。
したがって、停電時であっても、停電対応装置344のバイパス管46により洗浄水供給装置6のバルブユニット28及びタンク装置T(貯水タンク220及び加圧ポンプ22)等をバイパスした洗浄水が便器本体4のジェット吐水口16に確実に供給されるため、便器洗浄を確実に実行することができる。
これにより、洗浄水供給装置206側(バルブユニット28、貯水タンク20、加圧ポンプ22、コントローラ36等)に対しては、複雑な停電対応構造を設ける必要がなく、複雑な停電対応操作を行う必要もないため、水洗大便器300の全体で停電対応時の作業負担を軽減して誤操作を抑制することができ、停電時においても便器洗浄を確実に実行することができる。
よって、水洗大便器1の全体で簡易な停電対応構造にすることができる。
また、本実施形態による水洗大便器300によれば、停電によりコントローラ36が洗浄水供給装置206のバルブユニット28の電磁弁34等を電気的に制御できなくなっている状態であっても、停電時に便器洗浄を行う際には、停電対応装置344のバイパス管46によりバルブユニット28よりも上流側の分岐金具26から洗浄水供給装置206のバルブユニット28及びタンク装置T(貯水タンク220及び加圧ポンプ22)等をバイパスさせた洗浄水を便器本体4のジェット吐水口16に確実に供給することができる。
これにより、バルブユニット28を備えた洗浄水供給装置206側に対して複雑な停電対応構造を設ける必要がなく、複雑な停電対応操作を行う必要もないため、水洗大便器300の全体で停電対応時の作業負担を軽減して誤操作を抑制することができる。
また、洗浄水供給装置206がコントローラ36により電気的に制御される電磁弁34等を含むバルブユニット28を備えていても、停電対応構造として、バルブユニット28よりも上流側の分岐金具26から洗浄水供給装置206のバルブユニット28及びタンク装置T(貯水タンク220及び加圧ポンプ22)等をバイパスさせたバイパス管46を採用することにより、水洗大便器200の全体で簡易な停電対応構造にすることができる。
また、本実施形態による水洗大便器300によれば、第1実施形態と同様に、停電時において、バイパス管46から便器本体4のジェット吐水口16に供給される前の状態の洗浄水の流速について、十分な便器洗浄を実行可能にする流速に達していない状態であっても、便器本体4のジェット吐水口16における流路断面積を縮小させる流路断面縮小機構であるノズル部材54により、バイパス管46から供給されてジェット吐水口16を通過する洗浄水の流路断面積を縮小させることができる。
これにより、停電時においてジェット吐水口16から吐出されるジェット吐水の流速について、十分な便器洗浄が実行可能な流速まで高めることができる。
したがって、停電時であっても、通常時(非停電時)の便器洗浄性能に見合う便器洗浄性能を確保することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器300によれば、停電時であっても、停電対応装置344のバイパス管46から便器本体4のボウル部8の底部におけるジェット吐水口16に対して洗浄水を確実に供給することができ、排水トラップ管路12の入口部12aに向けて直接的に吐水することができる。
したがって、停電時において、使用者が外部から桶やバケツ等を用いて便器本体4のボウル部8に対して給水することに比べて、便器本体4のジェット吐水口16から排水トラップ管路12の入口部12aに向けて直接的に吐水させる方が、便器本体4の排水トラップ管路12内を迅速に満水にさせてサイホン作用を発生させやすくすることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器300によれば、停電対応装置344のバイパス管46における流量調整部(流量調整弁50)により、バイパス管46から供給されて便器本体4のジェット吐水口16から吐水させる洗浄水の流量を適宜調整する(増減させる)ことができる。
これにより、例えば、停電時において、給水管202から停電対応装置344のバイパス管46に対して水道の直圧の洗浄水が供給された場合であっても、バイパス管46から便器本体4のジェット吐水口16に供給される洗浄水について、一時的に流量を調整する(増加させる)ことができる。
よって、停電時であっても、便器本体4のボウル部8内を洗浄水で満たした後にサイホン作用を発生させて便器洗浄を実行させることができる。
そして、サイホン作用の終了後に便器本体4のボウル部8及び排水トラップ管路12内の封水が不足している場合には、便器本体4のジェット吐水口16に供給される洗浄水の流量を再び調整する(減少させる)ことができる。これにより、サイホン作用等が発生しない程度に便器本体4のジェット吐水口16からボウル部8内に洗浄水をリフィールさせて、次回の便器洗浄に備えることができる。
なお、上述した本発明の第1、第2及び第4実施形態による水洗大便器1,100,300においては、ジェット吐水口16における流路断面積を縮小させる流路断面縮小機構であるノズル部材54を設けているが、非停電時に取り外し、停電時に取り付け可能に設けてもよい。
また、上述した本発明の第1、第3及び第4実施形態による水洗大便器1,200,300においては、ポペット弁48と停電切替弁26aを別々に設けているが、一つのバルブユニットとして設けてもよい。
さらに、上述した本発明の第1~第4実施形態による水洗大便器1,100,200,300においては、流量調整弁50の開度が水圧と弁の開閉力によって、自動的に「小」から「大」、又は、「大」から「小」へ切り替わるように設けてもよい。
1 本発明の第1実施形態による水洗大便器(ハイブリット式の水洗大便器)
2 主給水路(給水路、上流側給水路)
2a リム側給水路(給水路)
2b ジェット側給水路(給水路、下流側給水路)
2c タンク側給水路(給水路)
2d ポンプ給水路(給水路)
4 便器本体
6 洗浄水供給装置
8 ボウル部
10 リム部
12 排水トラップ管路(排水トラップ部)
12a 排水トラップ管路の入口部
12b 排水トラップ管路のトラップ上昇管
12c 排水トラップ管路のトラップ下降管
12d 排水トラップ管路の頂部
14 リム吐水口(吐水口)
16 ジェット口(吐水口)
18 切替弁
20 貯水タンク
22 加圧ポンプ(ポンプ)
24 止水栓
26 分岐金具
26a 停電切替弁
28 バルブユニット
30 定流量弁
32 ダイヤフラム式の主弁(バルブユニットの開閉弁)
34 電磁弁(バルブユニットの開閉弁)
36 コントローラ(制御部)
38 上側フロートスイッチ
40 下側フロートスイッチ
42 逆止弁
44 停電対応装置
46 バイパス管(バイパス流路)
46a バイパス管の上流端
46b バイパス管の下流端
48 ポペット弁
50 流量調整弁(バイパス流路の流量調整部)
52 逆止弁
54 ノズル部材(流路断面縮小機構)
100 本発明の第2実施形態による水洗大便器(ハイブリット式の水洗大便器)
144 停電対応装置
146 給水袋(非常用給水源)
146a 給水袋の流出口
200 本発明の第3実施形態による水洗大便器(フルポンプ式の水洗大便器)
202 給水管(給水路、上流側給水路)
204 便器本体
206 洗浄水供給装置
208 ボウル部
210 リム部
212 排水トラップ管路(排水トラップ部)
214 リム吐水口(吐水口)
216 導水路
216a 導水路の入口
218 吐水管(下流側給水路)
220 貯水タンク
220a 貯水タンクの上方開口部
224 水受けハウジング
224a 水受けハウジングの下方開口部
224b 水受けハウジングのオーバーフロー口
226 オーバーフロー管
228 逆止弁
230 吸引管
238 フロートスイッチ
244 停電対応装置
300 本発明の第4実施形態による水洗大便器(フルポンプ式の水洗大便器)
344 停電対応装置
B 分岐部
C1 ジェット給水路の途中の接続部
T タンク装置(洗浄水供給装置)
W0 主給水源

Claims (6)

  1. 洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、
    主給水源から供給された洗浄水が通水する給水路と、
    汚物を受けるボウル部と、このボウル部内に洗浄水を吐水する吐水口と、上記ボウル部内の汚物を排出する排水トラップ管路と、を備えた便器本体と、
    この便器本体に連結されて電力により作動し、上記給水路から供給された洗浄水を上記便器本体に供給可能にする洗浄水供給装置と、
    停電時において、上記洗浄水供給装置の一部をバイパスして上記便器本体の吐水口に洗浄水を供給可能にするバイパス流路と、を有し、
    上記バイパス流路は、手動操作により開閉させるポペット弁と、このポペット弁よりも下流側に設けられて上記吐水口から吐水させる洗浄水の流量を手動操作により調整可能にする流量調整弁と、を備えており、待機状態の後、閉弁状態の上記ポペット弁を手動操作により開弁させるときには、上記流量調整弁の開度は「小」に設定されており、所定時間後、上記開度が「小」から「大」に変更されると、上記吐水口からの吐水により上記排水トラップ管路内の全域が満水となってサイホン作用が発生することを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記洗浄水供給装置は、その上流側に設けられて上記給水路を開閉可能にする開閉弁を含むバルブユニットと、このバルブユニットの作動を電気的に制御する制御部と、を備えており、
    上記バイパス流路は、停電時において、上記バルブユニットよりも上流側から上記洗浄水供給装置をバイパスして上記便器本体の吐水口に洗浄水を供給可能にする請求項1記載の水洗大便器。
  3. 上記吐水口は、上記バイパス流路から供給される洗浄水の流路断面積を縮小させる流路断面縮小機構を備えている請求項1又は2に記載の水洗大便器。
  4. 上記吐水口は、上記ボウル部の底部に設けられて上記排水トラップ管路の入口部に向けて吐水するジェット吐水口である請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器。
  5. 上記洗浄水供給装置は、さらに、上記バルブユニットよりも上流側に設けられた止水栓と、上記バルブユニットから供給された洗浄水を上記便器本体に供給可能にするタンク装置と、を備えており、
    上記給水路は、上記止水栓と上記バルブユニットとを接続する上流側給水路と、上記バルブユニットから供給された洗浄水を上記タンク装置を経て上記吐水口に供給可能にする下流側給水路と、を備えており、
    上記バイパス流路は、上記バルブユニット及び上記タンク装置をバイパスするように上記上流側給水路と上記下流側給水路とを連通可能にする請求項記載の水洗大便器。
  6. 記タンク装置は、上記便器本体に配置されて上記給水路から供給された洗浄水を貯水する貯水タンクと、この貯水タンク内の洗浄水を上記便器本体に圧送するポンプと、を備えている請求項記載の水洗大便器。
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