JP3611747B2 - 便器洗浄給水装置 - Google Patents

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  • Sanitary Device For Flush Toilet (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は便器洗浄給水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な水洗式便器では、水道管等の給水管から供給される水をロータンク等の便器洗浄タンクに一旦貯留し、その便器洗浄タンクに貯留した水により便鉢の洗浄を行う。しかし、かかる一般的な水洗式便器では、便器洗浄タンクの設置スペースが必要とされる。このため、近年、スペースの有効活用等の観点から、給水管と水洗式便器との間に開閉弁を設け、開閉弁の開弁により給水管から供給される水を水洗式便器へ直接供給可能なタンクレス便器が開発されつつある(特開平3−90723号公報)。
【0003】
かかるタンクレス便器に採用され得る従来の便器洗浄給水装置は、開閉弁が弁ハウジングに入水ポート及び出水ポートを有するとともに入水ポートと出水ポートとの開閉を行う弁機構を有している。入水ポートは給水管に接続されて弁ハウジング内に水を取り込めるようになっており、出水ポートは水洗式便器に接続されて水を弁ハウジングから水洗式便器に吐き出し得るようになっている。
【0004】
また、開閉弁の弁機構は、入水ポートと出水ポートとの間にダイアフラムを有しており、このダイアフラムは電磁弁の操作によって撓むことができるようになっている。このため、この便器洗浄給水装置では、電磁弁の操作によりダイアフラムを撓ませ、これにより入水ポートと出水ポートとの開閉が可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の便器洗浄給水装置では、弁機構として可撓性に富むダイアフラムを作動させるために電磁弁を採用しており、ダイアフラムが電磁弁の操作によって撓むことができるようになっているため、以下のような不具合を有している。
【0006】
すなわち、電磁弁はソレノイドへの給電による励磁によって磁気吸引力を発生させ、電磁弁に内蔵されている透磁材料で形成された可動体を磁気吸引して開弁させるものである。このため、このような電磁弁では、ソレノイドを消磁しても比較的大きな残留磁気が可動体に残る不具合がある。このため、仮にその便器洗浄給水装置の電磁弁に残留磁気による影響を避ける方策が施されていないと、入水ポートに作用する1次水圧の如何によっては、弁機構の作動が安定しないおそれがある。
【0007】
また、電磁弁はその開弁度を全開又は全閉とすることを前提としており、開弁度を途中の中間段階に保持することができないこととなっている。このため、かかる便器洗浄給水装置では、寒冷時等において給水系統における水の凍結を防止するために、水を少量ずつ継続して流そうとしても、電磁弁はこのような使用形態を達成することができない。
【0008】
さらに、電磁弁は一般的にモータ等に比較して高価であり、便器洗浄給水装置のコスト高を招来してしまう。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、弁機構の作動の安定化に貢献できるとともに、寒冷時等における水の凍結防止が可能であり、かつ比較的低コストの便器洗浄給水装置を提供することを解決すべき課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の便器洗浄給水装置は、給水管に連通して水が供給される入水ポートと水洗式便器の流路に該水を供給可能な出水ポートとが形成された弁ハウジングと、該弁ハウジングから突出して該弁ハウジングに移動可能に設けられ、該入水ポートと該出水ポートとの開閉を行う弁機構とを有する開閉弁と、
該弁機構を機械的に開閉させるカムを有するカム装置とを備え、
前記弁ハウジングの内部には、前記入水ポート及び前記出水ポートに連通するピストン室が形成され、
前記弁機構は、該ピストン室に軸方向で摺動可能に設けられ、座面から離座することにより該入水ポートと該出水ポートとを連通させるピストンと、該ハウジングから突出するように該ピストンに同軸的に設けられたシャフトとで構成され、
該入水ポートは該ピストンの周面側に開口し、該出水ポートは該ピストンの軸方向の一方側に開口し、
該ピストン室には、該ピストンの一方側と軸方向に連通する連通路によって連通する圧力相殺室が該ピストンの他方側と該弁ハウジングとの間で形成されていることを特徴とする。
【0010】
カム装置とは、従動子である弁機構側の部位を機械的に係合させ得る回転体をもち、回転体の回転に伴い従動子を往復移動させる機構をいう。ここで、回転体は回転軸でも良いしギヤであっても良く、要するに回転するものであれば良い。カム装置は、カムと従動子との接点の軌跡が平面曲線となる平面カムでも良いし、接点の軌跡が立体曲線となる立体カムでも良い。
【0011】
従動子をカムに接触させるために重力を利用しても良いし、あるいは、カムと従動子との接点を確実にするため、バネ等の付勢手段を採用することもできる。回転体の回転方向は設置スペース等の事情を考慮して選択でき、便鉢の前後方向、左右方向、これらに対して傾斜している方向等を問わない。カム装置としては公知のカム機構を採用することができる。
【0012】
本発明の便器洗浄給水装置では、カム装置が作動すると、カム装置のカムに機械的に係合する弁機構が開閉作動し、入水ポートと出水ポートとの連通の開度が調整される。
また、本発明の便器洗浄給水装置では、カム装置のカムのプロフィールの選択により、弁機構の開弁速度・閉弁速度を任意に設定することができることから、急激な開弁及び急激な閉弁を抑制でき、騒音、ウォータハンマ現象等を抑制することができる。開弁や閉弁の際にカム装置の駆動を途中で停止させることも可能であり、この場合には、全開や全閉だけでなく、弁機構の開弁量や閉弁量を途中の段階で継続して維持することもでき、こうであれば水を少量ずつ便器に流し続けることができ、寒冷時等における水の凍結防止にも有利となる。
【0013】
したがって、本発明の便器洗浄給水装置は、弁機構の作動の安定化に貢献できるとともに、寒冷時等における水の凍結防止が可能であり、かつ比較的低コストである。
本発明の便器洗浄給水装置では、弁機構は、カム装置のカムにより弁ハウジング側に押圧されるシャフトをもつことが好ましい。こうであれば、弁ハウジング側にシャフトを押圧して弁機構を開弁する機構を採用することができる。押圧して弁機構を開弁する方式は、機構の簡素化に有利で、製造コストを低廉化することができる。
【0014】
カム装置のカムは手動により駆動させることもできるが、モータにより駆動する方式が好ましい。こうであれば、簡単なスイッチの操作で便器の洗浄が可能となる。また、モータは一般的に電磁弁等に比較して廉価であり、便器洗浄給水装置の低コスト化を実現できる。
開閉弁、モータ及びカム装置は、単一の共通のベースプレートに取り付けられていることが好ましい。このように単一のベースプレートに開閉弁、モータ及びカム装置をまとめて取り付ければ、省スペース化、部品点数の低減、組み付け性の向上を図ることができる。なお、ベースプレートは便鉢の後部に設置することが好ましい。
【0015】
モータ又はカム装置は、カム装置のカムを手動で駆動する手動軸を有することが好ましい。こうであれば、カム装置を駆動するためのモータを使用せずともよいことから、モータが駆動しない停電時等においても、弁機構の開閉により便器洗浄を行うことができる。手動軸は脱着可能であることが好ましい。こうであれば、通常は、邪魔にならないように手動軸を外しておき、手動操作が必要とされるときに手動軸を取り付ければ良い。なお、手動軸は折り畳み可能であっても良い。
【0016】
本発明によれば、便器洗浄給水装置は、便器洗浄タンクを有さない水洗式便器に用いることができる。こうであれば、ビルの高層階又は高度地下等においても、便器洗浄タンクを有さないタンクレス便器に対する給水を確実に行ない得る。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1〜8を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態の便器洗浄給水装置を搭載する水洗式便器1について説明する。図1に示すように、水洗式便器1は、便器洗浄タンクを有さないタンクレス方式のものであり、排泄物を受けるボウル部10をもつ便鉢11と、ボウル部10の上部周縁に巡らされたリム通水路12を有するリム13と、ボウル部10の底に連通し排泄物を流すトラップ部14と、トラップ部14の入口に取り付けられたジェットノズル15とを備えている。
【0018】
水洗式便器1には、ジェットノズル15に給水するジェット用導管18と、リム通水路12に給水するリム用導管19が設けられている。リム用導管19は、図3に示すように、先端側に開いて水を右回りに吐出可能な開口19aと、側面側に開いて水を左回りに吐出可能な開口19bとを備えている。
図2及び図3に示すように、水洗式便器1の後部の幅方向の片側には、便器洗浄用の水と他の用途の水とに分水するための分岐装置2が設けられている。分岐装置2は、フレキシブルホース21により図略の止水栓を介して水道管等の給水管に接続されている。分岐装置2と本実施形態の便器洗浄給水装置(以下、給水装置という。)3とは給水導管23で連通しており、分岐装置2で分岐された水は、給水導管23を介して給水装置3に供給される。なお、図1〜4では便蓋及び便座は省略している。
【0019】
次に、本実施形態の給水装置3について更に説明を加える。図2に示すように、給水装置3は、水洗式便器1の後部に保持されたベースプレート31に分岐装置2と反対側に位置して組み込まれており、カバー32により覆われて隠蔽されている。給水装置3は、リム用導管19によりリム通水路12に給水するリム用の開閉弁4Rと、ジェット用導管18によりジェットノズル15に給水するジェット用の開閉弁4Jと、開閉弁4R、4Jを開閉するための共通駆動源として機能するカム装置8とを備えている。図2〜4に示すように、2個の開閉弁4R、4Jは互いに隣接して縦型に配置されている。
【0020】
ジェット用の開閉弁4Jの内部構造は図5及び図6に示されている。図5及び図6において図示左側が下側とされ、図示右側が上側とされる。ジェット用の開閉弁4Jは、水を取り込む入水ポート42と水を吐き出す出水ポート43とを有する弁ハウジング41と、弁ハウジング41に設けられた弁機構45とを有する。弁ハウジング41の内部には、入水ポート42及び出水ポート43に連通するピストン室44が形成されている。弁機構45は、ピストン室44に摺動可能に設けられたピストン46と、弁ハウジング41の上端から上方に突出するようにピストン46の一端面(上端面)に同軸的に固定されたシャフト47とで構成されている。弁ハウジング41において、入水ポート42はピストン46の周面側に開口し、出水ポート43はピストン46の軸方向の一方側の端面側から弁ハウジング41の側面側に屈曲して開口している。ピストン46の外周部のリング溝にはOリング48が保持されており、Oリング48によりピストン46の外周部と弁ハウジング41の内壁面との境界域はシールされている。シャフト47と弁ハウジング41との境界域はOリング49によりシールされている。
【0021】
また、ピストン室44内には、弁ハウジング41とピストン46の他端面とにより圧力相殺室50が形成されている。圧力相殺室50はピストン46に形成された複数本の連通路51を介して出水ポート43側に連通している。各連通路51はピストン46の一端面46a側と他端面46b側とを軸方向で連通している。圧力相殺室50には、付勢手段としての押圧コイルバネ52が同軸的に配置されている。押圧コイルバネ52は弁ハウジング41とピストン46の他端面46bとの間に介装され、ピストン46を常時矢印Y1方向つまり上方に付勢し、入水ポート42と出水ポート43との連通を閉じるようになっている。
【0022】
シャフト47の先端部は前述したように弁ハウジング41から矢印Y1方向つまり上方に突出し、カム装置8により矢印Y2a方向つまり下方に押圧可能となっている。カム装置8によりシャフト47が矢印Y2a方向に押圧されると、ピストン46が連動して同じ方向に摺動し、ピストン46が座面41xから離座し、入水ポート42と出水ポート43とを連通させる。
【0023】
リム用の開閉弁4Rの内部構造もジェット用の開閉弁4Jの内部構造と実質的に同一であるため、説明を省略する。弁ハウジング41とピストン46の外周面との間に形成されたリング状の連通路54を介して、ジェット用の開閉弁4Jの入水ポート42とリム用の開閉弁4Rの入水ポート42とは、互いに連通している。
【0024】
図7及び図8に示すように、シャフト47の先端(上端)には、カムとの摺動円滑性を確保する球面部47xが設けられている。ジェット用の開閉弁4Jの入水ポート42には側面側に突出してフランジ42aが形成されており、フランジ42aには給水導管23の一端が接続されている。
給水装置3においては、ジェット用の開閉弁4Jに連結部材6Jが矢印F1方向つまり便鉢11の前部に向けて突出するように設けられており、連結部材6Jの上端部には大気に開放するバキュームブレーカ61Jが一体に設けられている。図7に示すように、ジェット用の開閉弁4Jの出水ポート43は、連結部材6Jの出水ポート6cとバキュームブレーカ61Jの大気孔とに連通されている。連結部材6Jの出水ポート6cには下方に突出してフランジ6eが形成されており、フランジ6eはジェット用導管18によりジェットノズル15に接続されている。
【0025】
他方、図8に示すように、リム用の開閉弁4Rにも連結部材6Rが一体に設けられており、連結部材6Rの上端部には大気に開放するバキュームブレーカ61Rが一体に接続されている。リム用の開閉弁4Rの出水ポート43は、連結部材6Rの出水ポート6c及びバキュームブレーカ61Rの大気孔と接続されている。リム用の開閉弁4Rの連結部材6Rの出水ポート6cには、下方に突出してフランジ6eが形成されており、フランジ6eは、リム用導管19によりリム通水路12に連通されている。
【0026】
図2に示すように、給水装置3の主要素であるカム装置8は、開閉弁4R、4Jの上方に配置され、前方つまり便鉢11の前部側に突出する2個の取付片81をもつブラケット82に保持されている。即ち、カム装置8は、取付片81に水平状態で回転可能に保持された回転体としての回転軸83と、回転軸83にこれの軸直角方向に突出するように設けられた第1カム85及び第2カム86とを備えている。図2及び図3に示すように、回転軸83は便鉢11の幅方向に沿って延設されている。
【0027】
回転軸83が回転すると、第1カム85及び第2カム86は便鉢11の高さ方向に沿って回転する。これにより、第1カム85の外周のカム面はリム用の開閉弁4Rのシャフト47(従動子に相当)に当接し、これを下方に移動させると共に、第2カム86の外周のカム面はジェット用の開閉弁4Jのシャフト47(従動子に相当)に当接し、これを下方に移動させる。
【0028】
図2〜4に示すように、給水装置3には、カム装置8を回転駆動させる駆動装置7が設けられている。駆動装置7はブラケット82の一方の取付片81に固定されており、モータ71と、モータ71の回転力を回転軸83に伝達する減速ギアとを内蔵しており、図示しないコントローラの制御により回転軸83を回転駆動できるようになっている。更に、駆動装置7には、カム装置8の回転軸83を手動で回転させる手動軸74が水洗式便器1の側方に位置するように設けられている。手動軸74は操作ハンドル75をもち、操作ハンドル75と共に給水装置3に対して脱着可能又は折り畳み可能とされている。不使用時には手動軸74を脱着又は折り畳ませておけば、省スペース化を図り得る。
【0029】
図2に示すように、上記した開閉弁4R、4J、モータ71及びカム装置8は、単一の共通のベースプレート31により水洗式便器1の後部に取り付けられている。
上記のように構成されたタンクレスの水洗式便器1では、給水管、止水栓、フレキシブルホース21、分岐装置2及び給水導管23を経て、水が給水装置3に供給される。給水装置3では、便鉢11の洗浄を行おうとする使用者のスイッチ操作がない限り、両開閉弁4J、4Rが閉弁している。つまり、図5及び図6で説明すれば、押圧コイルバネ52の付勢力により、ピストン46が軸方向の一方側、つまり矢印Y1方向に移動している。このため、図5に示すように、ピストン46は弁ハウジング41の座面41xに着座し、ピストン46の外周面が入水ポート42を閉鎖するとともに、ピストン46の一端面46aが出水ポート43を閉鎖している。このため、入水ポート42と出水ポート43との連通が閉じられており、水はタンクレスの水洗式便器1へは供給されない。
【0030】
そして、便鉢11の洗浄を行うときには、使用者のスイッチ操作に基づいて、コントローラの信号により駆動装置7のモータ71が駆動し、回転軸83が回転駆動される。これにより、第1カム85のカム面がリム用の開閉弁4Rのシャフト47を下方向に押圧し、リム用の開閉弁4Rを開弁させる。図5及び図6で説明すれば、押圧コイルバネ52が弾性収縮し、ピストン46は軸方向の他方向、つまり矢印Y2方向に移動する。これにより図6に示すように、ピストン46は弁ハウジング41の座面41xから離座し、入水ポート42と出水ポート43との連通を開ける。これにより、給水装置3が水をリム用導管19を介してリム通水路12に給水し、ボウル部10の内壁面を洗浄する。
【0031】
カム装置8の駆動に伴い、第1カム85のカム面がリム用の開閉弁4Rのシャフト47を下方向に押圧しなくなり、リム用の開閉弁4Rが閉弁する。その後、第2カム86のカム面がジェット用の開閉弁4Jのシャフト47を下方向に押圧し、ジェット用の開閉弁4Jを開弁させる。これにより、給水装置3が水をジェット用導管18を介してジェットノズル15に給水し、トラップ部14に強制的にサイホン作用を生じさせる。
【0032】
次いで、カム装置8の駆動に伴い、第2カム86のカム面がジェット用の開閉弁4Jのシャフト47を下方向に押圧しなくなり、ジェット用の開閉弁4Jが閉弁する。その後、第1カム85のカム面がリム用の開閉弁4Rのシャフト47を再度下方向に押圧し、リム用の開閉弁4Rを再度開弁させる。これにより、給水装置3が水をリム用導管19を介してリム通水路12に給水し、ボウル部10を封水する。
【0033】
以下、図5及び図6で説明すれば、ピストン46により入水ポート42と出水ポート43との連通の開閉を行うことから、ピストン46は出水ポート43内の水によって他方側に圧力を受けることとなる。この際、可撓性を有しないピストン46はこの他方側への圧力によって開弁側に撓むことはない。しかし、ピストン46の摺動のための空間を設けるだけでは、かかる他方側への圧力により、ピストン46は軸方向の摺動性が阻害されてしまう。この点、開閉弁4J、4Rでは、ピストン46の他方側に圧力相殺室50を形成し、ピストン46の一方側とこの圧力相殺室50とを複数本の連通路51により連通したため、出水ポート43からピストン46の一方側に存在する水が連通路51を介して圧力相殺室50に移動し、圧力相殺室50内の水の圧力と、ピストン46の一方側の水の圧力との均衡が図られ、両者の差圧が解消又は減少される。これによりピストン46の軸方向の摺動性が確保される。
【0034】
また、ピストン46に連通路51を形成しているため、各連通路51を簡易に軸方向に貫設することができる。そして、ピストン46に連通路51を軸方向で貫設しているため、連通路51内を移動する水がピストン46の摺動時に抵抗を受けず、ピストン46の摺動性が向上している。さらに、弁ハウジング41の入水ポート42がピストン46の周面側に開口し、弁ハウジング41の出水ポート43がピストン46の軸方向の一方側の端面側に開口しているため、ピストン46は入水ポート42内の水によって他方側に圧力を受けず、開閉弁の使用される環境等によって入水ポート42内の水の圧力が過剰に高かったり、又は低かったりしても、それによってピストン46の摺動性が変化しない。
【0035】
本実施形態では、弁機構45であるピストン46を開弁させるにあたり、カム装置8を用いている。カム装置8の第1カム85はリム用の開閉弁4Rのシャフト47と機械的に係合するものであり、第2カム86はジェット用の開閉弁4Jのシャフト47と機械的に係合するものである。このため、第1、2カム85、86による駆動力はシャフト47に機械的に直接的に伝達され、作動安定性が確保される。
【0036】
また、本実施形態では、開閉弁4J、4Rを開閉させるカム装置8を採用しているため、従来技術のようなソレノイドをもち、コスト高な電磁弁を採用する必要がなく、給水装置3の製造コストを低廉化することができる。
特に、実施形態に示すタンクレスの水洗式便器1では、ジェットノズル15及びリム通水路12への給水に一対の開閉弁4J、4Rを用いているため、この効果が大きい。また、これら開閉弁4J、4Rを1本の回転軸83に固定した第1、2カム85、86で開閉することができ、さらにこの効果が大きい。
【0037】
また、第1、2カム85、86のプロフィールの選択により、弁機構45の開弁速度・閉弁速度を任意に設定できることから、急激な開弁及び急激な閉弁を抑制でき、騒音、ウォータハンマ現象等を抑制することができる。
さらに、開弁や閉弁の際、モータ71でカム装置8を駆動する場合にはスイッチ操作により、手動軸74によりカム装置8を駆動する場合には手動操作により、カム装置8の駆動を途中で停止させることも可能である。後者の場合には、弁機構45の開弁量や閉弁量を途中の段階で維持することもできる。故に、水を少量ずつ便器1に流し続けることができ、こうであれば寒冷時における水の凍結防止にも有利となる。
【0038】
さらに、開閉弁4R、4Jでは、押圧コイルバネ52がピストン46を軸方向の一方側に付勢し、シャフト47が一方側に突出しているため、比較的安価な押圧コイルバネ52を採用し、この押圧コイルバネ52の付勢力によってピストン46が入水ポート42と出水ポート43との連通を閉じることができる一方、入水ポート42と出水ポート43との連通を開けるため、押圧コイルバネ52の付勢力に抗してシャフト47を他方側に押すためのカム装置8を採用している。かかるカム装置8は、入水ポート42と出水ポート43との連通を開けるために、シャフト47を押す構造となるため、構造が比較的簡易となり、製造コストを低廉化することができる。
【0039】
したがって、この便器洗浄給水装置は、弁機構45の作動の安定化に貢献できるとともに、寒冷時等における水の凍結防止が可能であり、かつ比較的低コストである。
(実施形態2)
実施形態2を図9及び図10に示す。実施形態2は実施形態1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。本実施形態では共通の部位には共通の符号を付する。以下、実施形態1と異なる部位を中心として説明する。
【0040】
本実施形態では、ジェット用の開閉弁4Jの連結部材6Jとリム用の開閉弁4Rの連結部材6Rとは、互いに所定距離離れるように、ジェット用の開閉弁4Jの弁ハウジング41とリム用の開閉弁4Rの弁ハウジング41の側方、つまり便鉢11の側方に向けて突出されている。つまり、図10に示すように、連結部材6J、6R間に第1、2カム85、86及び開閉弁4J、4Rが位置している。設置スペース、配管事情等を考慮したものである。
【0041】
(実施形態3)
実施形態3を図11及び図12に示す。実施形態3は実施形態1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。本実施形態では共通の部位には共通の符号を付する。以下、実施形態1と異なる部位を中心として説明する。
実施形態1では、ジェット用の開閉弁4Jの連結部材6Jとリム用の開閉弁4Rの連結部材6Rとは互いに独立しているが、本実施形態では、ジェット用の開閉弁4Jとリム用の開閉弁4Rとの間には、両者に共通化された連結部材6Cが設けられている。
【0042】
共通化された連結部材6Cは、大気に連通する共通バキュームブレーカ61Cに連通する出水ポート6m、6nをもつ。出水ポート6mはジェット用の開閉弁4Jの出水ポート43に連通すると共に、出水ポート6nはリム用の開閉弁4Rの出水ポート43に連通する。
本実施形態では、共通化された連結部材6Cは、回転軸83の軸長方向において第1カム85と第2カム86との間に設けられており、回転軸83の軸長が長くなり、第1カム85と第2カム86との間隔が増加している。
【0043】
(実施形態4)
実施形態4を図13に示す。実施形態4は実施形態1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。本実施形態では共通の部位には共通の符号を付する。以下、実施形態1と異なる部位を中心として説明する。
ベースプレート31には、リム用の開閉弁4R及びジェット用の開閉弁4Jが互いに対向するように且つ上下に位置するように設けられている。また、ベースプレート31には、駆動装置7が開閉弁4Rの側方に取り付けられている。
【0044】
カム装置8Dは、ベースプレート31に保持された回転軸83Dと、回転軸83Dに一体に設けられ水平方向に回転する回転体としてのギヤ87と、ギヤ87の上面部に突設された第1カム85Dと、ギヤ87の下面部に突設された第2カム86Dとを備えている。第1カム85D及び第2カム86Dは、ギヤ87の周方向に沿って傾斜したカム面をもつ。
【0045】
回転軸83Dは縦型であり、ベースプレート31に固定された軸受90a、90bに回転可能に支持されている。第1カム85Dは、リム用の開閉弁4Rのシャフト47に被着された摺動キャップ47sに係合する。第2カム86Dは、ジェット用の開閉弁4Jのシャフト47に被着された摺動キャップ47sに係合する。摺動キャップ47sは耐摩耗性の良好な材料で形成されており、摩擦抵抗を低減すべく球面状の外面をもつ。
【0046】
駆動装置7Dは、ベースプレート31に取り付けられ下向きのモータ軸72をもつモータ71と、ベースプレート31に設けられた軸受90e、90fに回転可能に保持されモータ軸72に係合する駆動軸77と、駆動軸77に保持され水平方向に沿って回転可能な駆動ギヤ78とを備えている。駆動ギヤ78及びギヤ87は互いに噛合する。
【0047】
便鉢11の洗浄を行う場合には、前述と同様に、使用者のスイッチ操作に基づいて駆動装置7Dのモータ71が駆動する。すると、モータ軸72、駆動軸77及び駆動ギヤ78が回転し、これにより駆動ギヤ78と逆方向にギヤ87がこれの軸芯Pの回りを水平方向に沿って回転し、第1カム85Dのカム面がリム用の開閉弁4Rのシャフト47を矢印Y3方向つまり上方に押圧し、この結果リム用の開閉弁4Rを開弁させる。図5及び図6で説明すれば、押圧コイルバネ52が弾性収縮し、ピストン46は座面41xから離座し、入水ポート42と出水ポート43との連通を開ける。よって、前述のように、水がリム用導管19を介してリム通水路12に供給し、ボウル部10の内面を洗浄する。
【0048】
第1カム85Dのカム面がリム用の開閉弁4Rのシャフト47を矢印Y3方向に押圧しなくなると、リム用の開閉弁4Rが閉弁する。その後、第2カム86Dのカム面がジェット用の開閉弁4Jのシャフト47を矢印Y4方向つまり下方向に押圧し、ジェット用の開閉弁4Jを開弁させる。これにより、前述と同様に水をジェット用導管18を介してジェットノズル15に給水し、トラップ部14に強制的にサイホン作用を生じさせる。
【0049】
次いで、第2カム86Dのカム面がジェット用の開閉弁4Jのシャフト47を矢印Y4方向に押圧しなくなり、ジェット用の開閉弁4Jが閉弁した後、第1カム85Dのカム面がリム用の開閉弁4Rのシャフト47を再度矢印Y3方向に押圧し、リム用の開閉弁4Rを再度開弁させる。これにより再び、水をリム用導管19を介してリム通水路12に給水し、ボウル部10を封水する。
【0050】
本実施形態では、図13に示すように、ジェット用の開閉弁4J側を下側にリム用の開閉弁4Rを上側に配置しているが、逆に、ジェット用の開閉弁4J側を上側に、リム用の開閉弁4Rを下側に配置することもできる。
本実施形態では、設置スペース等の事情を考慮して、リム用の縦型の開閉弁4Rとジェット用の縦型の開閉弁4Jとが互いに突き合わせられるように対面しており、回転軸83D、駆動軸77及びシャフト47は共に縦型にほぼ平行に配置されている。故に、開閉弁4J、4Rの幅方向における設置スペースを節約することができる。
【0051】
(実施形態5)
実施形態5を図14に示す。実施形態5は実施形態4と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。本実施形態では共通の部位には共通の符号を付する。以下、実施形態4と異なる部位を中心として説明する。
ベースプレート31の下面部には、ジェット用の開閉弁4J、リム用の開閉弁4R及び駆動装置7Eのモータ71が並設状態で取り付けられている。カム装置8Eは、ベースプレート31の軸受90sに回転可能に保持された縦型の第1回転軸91と、ベースプレート31の軸受90tに回転可能に保持された縦型の第2回転軸92と、第1回転軸91に一体に設けられ水平方向に沿って軸芯の回りを回転する回転体としての第1ギヤ93と、第1ギヤ93の下面部に突設された第1カム85Eと、第2回転軸92に一体に設けられ水平方向に軸芯の回りを回転すると共に第1ギヤ93と噛合する回転体としての第2ギヤ94と、第2ギヤ94の下面部に突設された第2カム86Eとを備えている。第1カム85E及び第2カム86Eは傾斜面をもつ。
【0052】
駆動装置7Eは、ベースプレート31の下面部に取り付けられ上向きのモータ軸72をもつモータ71と、ベースプレート31に設けられた軸受90uに回転可能に保持されモータ軸72に係合する縦型の駆動軸77と、駆動軸77に保持され第1ギヤ93と噛合して水平回転可能な駆動ギヤ78とを備えている。
便鉢11の洗浄を行う場合には、前述と同様に、使用者のスイッチ操作に基づいて駆動装置7Eのモータ71が駆動する。すると、モータ軸72及び駆動軸77が一体に回転し、駆動ギヤ78が回転し、これにより駆動ギヤ78と逆方向に第1ギヤ93がこれの軸芯Pを中心として水平方向で回転し、且つ、第1ギヤ93と逆方向に第2ギヤ94がこれの軸芯Pを中心として水平方向で回転する。
【0053】
第1ギヤ93の回転により、第1カム85Eのカム面がリム用の開閉弁4Rのシャフト47を矢印Y5方向つまり下方に押圧し、リム用の開閉弁4Rを開弁させる。図5及び図6を参照すれば、押圧コイルバネ52が弾性収縮し、ピストン46は座面41xから離座し、入水ポート42と出水ポート43との連通を開ける。よって前述同様に水がリム用導管19を介してリム通水路12に供給し、ボウル部10の内面を洗浄する。
【0054】
本実施形態のカム装置8Eの駆動に伴い、第1カム85のカム面がリム用の開閉弁4Rのシャフト47を矢印Y5方向つまり下方向に押圧しなくなり、リム用の開閉弁4Rが閉弁した後、第2ギヤ94の第2カム86Eのカム面がジェット用の開閉弁4Jのシャフト47を矢印Y6方向つまり下方向に押圧し、ジェット用の開閉弁4Jを開弁させる。これにより、水をジェット用導管18を介してジェットノズル15に給水し、トラップ部14に強制的にサイホン作用を生じさせる。
【0055】
次いで、本実施形態のカム装置8Eの駆動に伴い、第2カム86Eのカム面がジェット用の開閉弁4Jのシャフト47を矢印Y6方向に押圧しなくなり、ジェット用の開閉弁4Jが閉弁した後、第1カム85Eのカム面がリム用の開閉弁4Rのシャフト47を再度矢印Y5方向に押圧し、リム用の開閉弁4Rを再度開弁させる。これにより、水をリム用導管19を介してリム通水路12に給水し、ボウル部10を封水する。
【0056】
本実施形態のカム装置8Eでは、第1カム85Eは第1ギヤ93の下面部に形成されていると共に、第2カム86Eは第2ギヤ94の下面部に形成されているため、長期にわたる使用においても、第1カム85E及び第2カム86Eに塵、水等の異物が付着することを防止することができ、第1カム85E及び第2カム86Eの円滑な作動を確保できる。
【0057】
本実施形態では、設置スペース等の事情を考慮して、リム用の縦型の開閉弁4Rとジェット用の縦型の開閉弁4Jとが互いに隣接状態で並設されている。
(実施形態6)
実施形態6を図15及び図16に示す。実施形態6は実施形態5と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。本実施形態では共通の部位には共通の符号を付する。以下、実施形態5と異なる部位を中心として説明する。
【0058】
カム装置8Fは、互いに対向する取付片81をもつブラケット82に取り付けられており、取付片81に水平方向に沿って架設された回転軸83と、回転軸83に一体的に同軸的に保持された第1カム85F及び第2カム86Fとを備えている。図16に示すように、第1カム85Fは、周方向に1周するリング壁部97と、リング壁部97の内周面に内方に向けて突設された複数個のカム部98とをもつ。カム部98は、周方向で互いに背向する傾斜面98a、98bと、傾斜面98a、98b同士をつなぐ連接面98cとをもつ。
【0059】
本実施形態の開閉弁4R、4Jはシャフト47を引っ張って開弁する形態である。開閉弁4R、4Jに設けられているシャフト47の上端部には、横断面円形状をなすピン状の係止子99が設けられている。
カム装置8Fの回転軸83が回転して第1カム85Fが周方向に回転すると、カム部98の傾斜面98aにより係止子99及びシャフト47が矢印Y7方向つまり上方に引っ張られ、更にカム部98の連接面98cが係止子99及びシャフト47の上方への引っ張りを継続する。更に第1カム85Fが回転すると、シャフト47を押圧しているバネ又は重力により、係止子99は傾斜面98bに沿って下る。その後はリング壁部97の内周面97kに沿って係止子99は相対移動する。連接面98cの周長は、係止子99及びシャフト47を持ち上げて開閉弁4Rを開弁させている領域であり、適宜設定することができる。
【0060】
上記説明は、開閉弁4Rを開閉させる第1カム85Fのカム作用についてであるが、他方の第2カム86Fも同様なカム作用を奏し、開閉弁4Jを開閉させるものである。
図15に示すように、回転軸83の軸端部に同軸的に駆動装置7Fが設けられている。駆動装置7Fは、回転軸73の軸端部に係合するモータ軸72をもつモータ71を備えている。
【0061】
便鉢11の洗浄を行う場合には、前述同様に、駆動装置7Fのモータ71が駆動する。すると、モータ軸72及び回転軸83が一体に回転し、第1カム85F及び第2カム86Fが回転する。第1カム85Fの回転により、第1カム85Fのカム部98がリム用の開閉弁4Rのシャフト47を矢印Y7方向つまり上方向に引っ張り、リム用の開閉弁4Rを開弁させる。よって、前述と同様、水がリム用導管19を介してリム通水路12に供給し、ボウル部10の内面を洗浄する。
【0062】
本実施形態のカム装置8Fのさらなる駆動に伴い、第1カム85Fがリム用の開閉弁4Rのシャフト47を矢印Y7方向に引っ張らなくなり、リム用の開閉弁4Rが閉弁する。その後第2カム86Fのカム部98がジェット用の開閉弁4Jのシャフト47を矢印Y8方向に引っ張り、ジェット用の開閉弁4Jを開弁させる。これにより水をジェット用導管18を介してジェットノズル15に給水し、トラップ部14に強制的にサイホン作用を生じさせる。
【0063】
次いで、第2カム86Fがジェット用の開閉弁4Jのシャフト47を矢印Y7方向に引っ張らなくなり、ジェット用の開閉弁4Jが閉弁する。その後、第1カム85Fがリム用の開閉弁4Rのシャフト47を再度矢印Y7方向に引っ張り、リム用の開閉弁4Rを再度開弁させる。これにより水をリム用導管19を介してリム通水路12に給水し、ボウル部10を封水する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係り、タンクレス便器の要部の断面図である。
【図2】実施形態1に係り、タンクレス便器の要部の斜視図である。
【図3】実施形態1に係り、タンクレス便器の要部の平面図である。
【図4】実施形態1に係り、タンクレス便器の要部の背面図である。
【図5】実施形態1に係り、開閉弁の閉弁状態の断面図である。
【図6】実施形態1に係り、開閉弁の開弁状態の断面図である。
【図7】実施形態1に係り、ジェット用の開閉弁及びカム装置を用いた給水装置の側面図である。
【図8】実施形態1に係り、ジェット用の開閉弁、リム用の開閉弁及びカム装置を用いた給水装置の正面図である。
【図9】実施形態2に係り、ジェット用の開閉弁及びカム装置を用いた給水装置の側面図である。
【図10】実施形態2に係り、ジェット用の開閉弁、リム用の開閉弁及びカム装置を用いた給水装置の正面図である。
【図11】実施形態3に係り、ジェット用の開閉弁及びカム装置を用いた給水装置の側面図である。
【図12】実施形態3に係り、ジェット用の開閉弁、リム用の開閉弁及びカム装置を用いた給水装置の正面図である。
【図13】実施形態4に係り、ジェット用の開閉弁、リム用の開閉弁及びカム装置を用いた給水装置の一部を断面にして示す正面図である。
【図14】実施形態5に係り、ジェット用の開閉弁、リム用の開閉弁及びカム装置を用いた給水装置の一部を断面にして示す正面図である。
【図15】実施形態6に係り、ジェット用の開閉弁、リム用の開閉弁及びカム装置を用いた給水装置の正面図である。
【図16】実施形態6に係り、カム装置の側面図である。
【符号の説明】
1…水洗式便器
3…給水装置
31…ベースプレート
4R…リム用の開閉弁、4J…ジェット用の開閉弁
41…弁ハウジング
42…入水ポート
43…出水ポート
45…弁機構(46…ピストン、47…シャフト)
7…駆動装置(71…モータ)
74…手動軸
8、8D、8E、8F…カム装置
85、85D、85E、85F…第1カム
86、86D、86E、86F…第2カム

Claims (7)

  1. 給水管に連通して水が供給される入水ポートと水洗式便器の流路に該水を供給可能な出水ポートとが形成された弁ハウジングと、該弁ハウジングから突出して該弁ハウジングに移動可能に設けられ、該入水ポートと該出水ポートとの開閉を行う弁機構とを有する開閉弁と、
    該弁機構を機械的に開閉させるカムを有するカム装置とを備え、
    前記弁ハウジングの内部には、前記入水ポート及び前記出水ポートに連通するピストン室が形成され、
    前記弁機構は、該ピストン室に軸方向で摺動可能に設けられ、座面から離座することにより該入水ポートと該出水ポートとを連通させるピストンと、該ハウジングから突出するように該ピストンに同軸的に設けられたシャフトとで構成され、
    該入水ポートは該ピストンの周面側に開口し、該出水ポートは該ピストンの軸方向の一方側に開口し、
    該ピストン室には、該ピストンの一方側と軸方向に連通する連通路によって連通する圧力相殺室が該ピストンの他方側と該弁ハウジングとの間で形成されていることを特徴とする便器洗浄給水装置。
  2. カム装置は、軸方向と平行な軸心回りに回転可能に設けられ、シャフトを軸方向に移動させるカムを有することを特徴とする請求項1記載の便器洗浄給水装置。
  3. カム装置のカムはモータにより駆動され、開閉弁、モータ及びカム装置は単一のベースプレートに取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の便器洗浄給水装置。
  4. モータ又はカム装置はカムを手動で駆動可能な手動軸を有することを特徴とする請求項記載の便器洗浄給水装置。
  5. 手動軸は脱着可能であることを特徴とする請求項記載の便器洗浄給水装置。
  6. 便器洗浄タンクを有さない水洗式便器に用いられることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の便器洗浄給水装置。
  7. 開閉弁は複数個であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の便器洗浄給水装置。
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