JPH1161951A - 水洗式大便器およびこれを用いた洗浄方法 - Google Patents

水洗式大便器およびこれを用いた洗浄方法

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JPH1161951A
JPH1161951A JP23897297A JP23897297A JPH1161951A JP H1161951 A JPH1161951 A JP H1161951A JP 23897297 A JP23897297 A JP 23897297A JP 23897297 A JP23897297 A JP 23897297A JP H1161951 A JPH1161951 A JP H1161951A
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JP
Japan
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water
airtight
valve
flush toilet
opening
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JP23897297A
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Inventor
Yasunori Hirooka
康則 廣岡
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水洗式大便器は、封水切れを起こすことがな
く、ボール部12の溜水面WFの水位WLaを高くす
る。 【解決手段】 サイホン式大便器10のボール部12の
下部には、トラップ排水管30が接続されている。トラ
ップ排水管30は、上昇管部32と下降管部34とから
構成されている。上昇管部32の端部開口32aには、
開閉弁装置40が設けられている。開閉弁装置40は、
使用する前の初期状態において、気密となるように上記
端部開口32aを弁体44により閉じる。上昇管部32
内は、気密に閉じられるので、上昇管部32内に封じ込
められた空気量による水位の上昇に加えて、洗浄水の供
給にしたがってボール部12内の水面WFの水位WLa
を高くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボール部に排出さ
れた汚物などを洗浄水とともに排出する排出路に開閉弁
を備えた洗浄式大便器およびこれを用いた洗浄方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の洗浄式大便器として、特
開平6−306921号公報の技術が知られている。図
18において、洗浄式大便器100は、ボール部102
を有する便器本体103を備えており、上記ボール部1
02の底部の排出口102aから便器本体103後方に
向けて排水管部104が接続されている。排水管部10
4の終端開口部104aには、開閉自在な弁装置110
が配設されている。弁装置110は、排水管部104の
終端開口部104aをばねなどの付勢力を受けた弁体1
11で閉じて封水を形成するものであり、つまり、該弁
体111の閉動作により、ボール部102内に溜水12
0を溜め、そして、弁体111が開かれると、溜水12
0によりボール部102内の汚物などの排出と洗浄を行
なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記洗浄式大
便器100では、排水時に、弁装置110にペーパーや
ゴミが詰まると、弁体111が完全に閉じない。このた
め、ボール部102内の水が排水管部104を通じて流
出し、封水切れが起き、排水管116側の臭気が排水管
部104を通じて室内に逆流する。
【0004】また、上記洗浄式大便器100において、
溜水120の水位を高くすることはボール部102の汚
れなどを少なくする点から好ましいが、溜水120の水
位を高くすると、弁装置110の弁体111に加わる水
圧が大きくなり、一層、封水切れを生じやすい。
【0005】本発明は、上記従来の技術の問題を解決す
るものであり、封水切れを起こすことがなく、しかも溜
水の水位を高くすることができる洗浄式大便器およびこ
れを用いた洗浄方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するためになされた第1の発明は、洗浄水
を溜めるボール部と、該ボール部の下部に設けられた排
出口と、該排出口に連通するとともに他端を排水管に接
続する排出路とを備えてなる水洗式大便器において、上
記排出路に、該排出路内を気密に閉じる位置と開放連通
する位置とに開閉する気密開閉弁を設けたことを特徴と
する。
【0007】本発明にかかる水洗式大便器では、ボール
部内の洗浄水が排出口から排出路を通じて排水管へ排出
される。排出路には、気密開閉弁が設けられており、こ
の気密開閉弁は、排出路内を気密に閉じる位置と開放位
置に連通する位置とをとる。気密開閉弁は、排出路内を
気密に閉じているときにも、排出路内の水とボール部内
の水とで封水を形成するが、この封水によるボール部内
の溜水面の高さは、該気密開閉弁により排出路内に空気
を溜めて閉じた空気の容量だけ高くすることができる。
したがって、所定の溜水面を確保するためにボール部内
に供給する洗浄水の水量は、空気の容量分の水位だけ少
なくて済み、節水化が図られる。
【0008】そして、さらに洗浄水を供給してボール部
内の溜水面の水位を高くして、洗浄時に高い水位の溜水
により、ボール部内の汚物やペーパーを排出路に勢いよ
く流すことができ、よって、洗浄効果を増大させること
ができる。
【0009】ここで、排出路は、従来と同様に、ボール
部側の便器側排出路と排水管側の排水管側排出路とによ
り一体に構成するほか、これらを別体に構成してもよ
い。排出路を別体に構成した場合において、気密開閉弁
は、便器側排出路または排水管側排出路のいずれに配置
してもよく、また、その接続部に配置する場合には、こ
れを設置するための構成や設置作業が容易になる。ま
た、接続部は、気密開閉弁を受ける受け部に別の部材と
して接続部材を介して接続する構成としてもよく、この
周辺部に気密材(シール材)を設けて気密性を向上させ
てもよい。また、接続部は、樹脂により形成すれば、気
密開閉弁を取り付ける際に弾性変形するから、取付作業
性を一層向上させることができる。
【0010】また、排出路の他の好適な態様として、排
出口の下流側にその一端部で接続されかつ上記排出口か
ら上方に向かうように配置された上昇管部と、該上昇管
部の他端部に接続されかつ下方に向かうように配置され
た下降管部とを備えたトラップ排水管により構成しても
よい。
【0011】トラップ排水管は、排出口の位置から上方
に向けて配置されていることから、上昇管部内の水がボ
ール部内の溜水とともに封水を形成する。この構成にお
いて、気密開閉弁は、非洗浄時に開閉付勢手段の付勢に
よりトラップ排水管の他端部を気密状態に閉じ、洗浄時
に開くように構成することができる。
【0012】このように気密開閉弁は、気密状態にてト
ラップ排水管の他端部を閉じることができるから、洗浄
の終了時に気密開閉弁が閉じた後に、洗浄水がボール部
内に供給されると、上昇管部内にあった空気は、トラッ
プ排水管内に閉じこめられて、その空気の容量だけトラ
ップ排水管の堰の高さよりボール部内の溜水面の水位を
高くする。
【0013】そして、さらにボール部内に洗浄水を供給
して、ボール部内の溜水面の水位を高くすると、洗浄時
に高い水位の溜水により、ボール部内の汚物やペーパー
をトラップ排水管に勢いよく流すことができ、よって、
洗浄効果を増大させることができる。
【0014】また、気密開閉弁にペーパーなどが詰まっ
てトラップ排水管を気密状態に閉じることができない場
合であっても、上昇管部内の水とボール部内の水とで封
水を形成するので、下降管部側の臭気が逆流することも
ない。
【0015】上記気密開閉弁は、トラップ排水管内のい
ずれの箇所に設置してもよいが、上昇管部と下降管部と
の間に配置することにより、下降管部の途中に気密開閉
弁を設けた構成と比べて、トラップ排水管内に溜められ
る封水が上昇管部内だけになるから、洗浄水の水量を少
なくすることができる。この場合に、上昇管部と下降管
部とを別の管体で形成し、その接続部に気密開閉弁を配
置することにより、トラップ排水管内での気密開閉弁の
取り付けを容易にすることができる。さらに、下降管部
を樹脂から形成した管を用いることにより、樹脂の可撓
性により上昇管部に一層容易に取り付けることができ、
またサイホンを生起し易い形状のものを容易に製造する
ことができる。
【0016】なお、開閉付勢手段としては、トラップ排
水管を、気密性を有して気密開閉弁で閉じることができ
る手段であれば、ばねなどであってもよいが、電磁弁を
用いることにより一層、その閉弁力を高めることがで
き、しかも開閉時期を変更することにより、ボール部内
の洗浄水の排水時期を変えることができる。このような
排水時期を変更できる構成をとることにより、排水のタ
イミングの異なる洗浄式大便器、例えばサイホン式大便
器や洗い落とし式大便器のいずれにも使用することがで
きる。
【0017】この場合において、トラップ排水管にサイ
ホン式大便器を適用したときには、洗浄時に同じ水量で
あってもボール部の溜水面が高くなるから、サイホン作
用を速やかに起こすことができ、ボール部の汚物などを
速やかに排出することができる。一方、洗い落とし式大
便器に使用したときには、ボール部内の高い水位の溜水
により洗浄を行なうことができ、洗浄効果を増大させる
ことができる。
【0018】また、第2の発明は、請求項5の水洗式大
便器を用いた洗浄方法において、洗浄水をボール部内に
供給する工程と、洗浄水を排出する排出路の上昇管部と
排出路に設けた気密開閉弁との空間に空気を溜める工程
と、ボール部内の溜水面を所定高さまで高める工程と、
気密開閉弁を開放して空気と洗浄水とを排出する工程
と、気密開閉弁を閉じて溜水する工程と、を備えたこと
を特徴とする。
【0019】この第2の発明のように、気密開閉弁を開
閉するタイミングを調節することによりボール部の溜水
面を高くすることができ、洗浄効果を高めることができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例
について説明する。
【0021】図1は本発明の一実施の形態にかかる水洗
式大便器を示す断面図である。図1に示す水洗式大便器
はサイホン式大便器10である。サイホン式大便器10
は、サイホン現象を利用して汚物などを洗浄水とともに
排出するものであり、汚物やペーパーなどを受けるボー
ル部12を有する便器本体14と、この便器本体14の
後部上半部に配置された洗浄水タンク16と、洗浄水タ
ンク16に貯められた洗浄水をボール部12内に供給す
る給水系統20と、上記ボール部12の底部に連続して
形成されかつ上記ボール部12内に投入された汚物など
を洗浄水により排出するためのトラップ排水管30と、
を備えている。
【0022】上記給水系統20は、ボール部12の上縁
部に設けられたリム通水路22を備えている。リム通水
路22は、図示しない給水管および給水室を介して洗浄
水タンク16に接続されるとともに、ボール部12に向
けた射水口22aを有している。したがって、洗浄水タ
ンク16の洗浄水は、給水管、給水室、リム通水路2
2、さらに射水口22aを通じてボール部12のボール
面12aに向けて噴出される。
【0023】また、ボール部12の底部に連結されてい
るトラップ排水管30は、ボール部12内に供給された
洗浄水により汚物などをボール部12外に排出するもの
であり、上昇管部32と下降管部34とを備えた逆U字
形であり、一端部でボール部12の底部に開口した排出
口12bに接続され、他端部で便器本体14の下部に配
設した排水管路36に接続されている。上記上昇管部3
2は、ボール部12と一体に形成された陶器から形成さ
れており、一端部で上記排出口12bに接続され、他端
部に端部開口32aが形成されている。一方、上記下降
管部34は、樹脂から形成された管であり、上昇管部3
2の端部開口32aに接続されて、上記排水管路36に
接続されている。
【0024】上記トラップ排水管30のほぼ中央部に
は、開閉弁装置40が設けられている。図2は開閉弁装
置40を示す拡大断面図、図3は開閉弁装置40の分解
斜視図である。図2および図3において、開閉弁装置4
0は、上昇管部32の端部開口32aに装着された電磁
弁であり、その外周部が下降管部34により覆われてい
る。
【0025】開閉弁装置40は、上昇管部32の端部開
口32a側の端部に固定される管体部41と、この管体
部41に装着された電磁石42と、上記管体部41の一
端にヒンジ43を中心に回動自在に支持された弁体44
とを備えている。
【0026】上記弁体44は、鉄などの強磁性体の材
料、またはセラミックスの表面に強磁性体の材料をコー
ティングして強磁性を付与されて電磁石42に吸着され
るものである。また、上記電磁石42は、電子制御装置
(図示省略)に接続されており、電子制御装置からの出
力信号により励磁されて弁体44を吸着することにより
上昇管部32の端部開口32aを閉じる。この弁体44
が端部開口32aを閉じると、上昇管部32の一端が気
密に保たれる。なお、弁体44の閉動作により上昇管部
32の気密性を高めるために弁体44の表面にシール部
材を装着したり、また、このシール部材に磁性粉を混合
したゴム磁石を装着することによりシール性を高める構
成をとってもよい。
【0027】また、上記下降管部34は、上昇管部32
の端部開口32aに開閉弁装置40を覆うように接続さ
れている。すなわち、電磁石42の管体部41に装着溝
41bを形成し、管体部41の外周に下降管部34を押
し入れるとともに、上記装着溝41bの位置に、該装着
溝41bより僅かに細い幅の固定バンド45を締め付け
ることにより、上昇管部32に下降管部34を接続す
る。このとき、下降管部34は、樹脂製の管体であるか
ら、開閉弁装置40を覆って高い気密性を有して上昇管
部32に接続される。
【0028】次に、サイホン式大便器10の洗浄動作に
ついて説明する。図4ないし図7は一連の洗浄動作を説
明する説明図である。図4に示すように、開閉弁装置4
0の弁体44が閉じて、トラップ排水管30の上昇管部
32の端部開口32aが開閉弁装置40により密閉され
ている状態、すなわち、電子制御装置から開閉弁装置4
0の電磁石42に駆動信号が出力されて電磁石42が励
磁状態になって、弁体44が上昇管部32の端部開口3
2aを閉じている状態にあるとする。このとき、上昇管
部32は、その端部開口32a側で開閉弁装置40によ
り気密状態に封止されているので、リム通水路22から
洗浄水が供給されると、ボール部12内の溜水Wにより
上昇管部32内の一部の空気が閉じ込められた状態とな
る。さらに、所定の溜水面を確保するために、洗浄水が
供給されると、ボール部12内の溜水面Wは、上昇管部
32内の空気量の分の水位に、洗浄水の水量を加えた水
位だけ高められ、つまりトラップ排水管30の水位WL
tより水位差△Waだけ高められた水位WLa1になっ
ている。
【0029】この状態から、洗浄ボタンBT(図1)を
押すと、洗浄水タンク16からの洗浄水がリム通水路2
2を通じてボール部12に流れる。このとき、開閉弁装
置40が閉じているので、ボール部12内の溜水面WF
の水位WLaは上昇する。そして、図5に示すように、
ボール部12内の溜水面WFの水位WLaが所定水位W
Lamaxに達すると、電子制御装置は、開閉弁装置4
0の電磁石42を非励磁状態にする。開閉弁装置40の
弁体44は、電磁石42から電磁力を受けないから、水
圧により開かれる。そして、ボール部12の溜水Wがト
ラップ排水管30の上昇管部32内を満たしてサイホン
現象が誘起されて、図6に示すようにボール部12内の
溜水Wとともに汚物が排出される。汚物が排出された後
に、図7に示すように開閉弁装置40の弁体44が閉じ
られる。このとき、リム通水路22による給水は、継続
されているから、ボール部12内の水位WLaは、初期
水位WLa1に戻り、洗浄動作が終了する。
【0030】上記洗浄動作における初期状態(図4の状
態)において、開閉弁装置40は、上昇管部32の端部
開口32aを弁体44で気密に閉じることにより、上昇
管部32内に閉じこめられた空気量により上昇した水位
に加え、所定の溜水面WFを確保するために供給される
洗浄水により水位が上昇するので、溜水面WFの水位W
Laが上昇管部32の水位WLtより高くなっている。
【0031】このように、上昇管部32の一端が気密に
閉じられた状態にて、ボール部12内の溜水面WFの水
位WLaを高くすることができ、洗浄時には気密に閉じ
られた状態でさらにボール部12内に洗浄水を供給する
ので、溜水面WFの水位WLaはさらに高められ、この
高い水位WLaの溜水Wによりトラップ排水管30内を
速やかに満水にしてサイホン現象を容易に誘起すること
ができる。
【0032】また、上述したように洗浄動作の初期状態
にて、ボール部12の溜水面WFの水位WLaが高いか
ら、便器使用時にボール面12aへの汚物の付着を高い
位置まで防止することができる。
【0033】さらに、サイホン式大便器10では、開閉
弁装置40にペーパーなどが詰まって弁体44が閉じな
くなっても、トラップ排水管30内に封水が確保されて
いるので、臭気が逆流することもない。
【0034】さらに、ボール部12内の溜水面WFの水
位WLaを高くできることにより、汚物が溜水Wに落下
することに伴って生じる水はねを効果的に減少できるボ
ール部12の構成をとることができる。以下、その構成
および理由について説明する。図8は図1のボール部1
2の下部を拡大した図、図9は図8に対応した従来のサ
イホン式大便器130を示す図である。
【0035】図8において、サイホン式大便器10のボ
ール部12の前部12cの形状は、図9の従来のサイホ
ン式大便器130のボール部131の前部131aより
傾きが小さくなっている。すなわち、サイホン式大便器
10の前部12cの角度をθaとし、サイホン式大便器
130の前部131aの角度をθbとすると、θa<θ
bとなっている。このように前部12cの角度θaを小
さくすると、水はねが小さくできる。こうした水はねを
小さくできるのは、以下の理由による。
【0036】図10は汚物aの着水の様子を示す説明図
である。水はねは、汚物が溜水Wに落下したときの速度
に依存するだけでなく、着水地点の水深にもよる。すな
わち、図10に示すように、汚物aが底板PL上に溜め
られている水深DPの溜水Wに落下する場合について説
明する。汚物aは、着水した際に、エアーを巻き込み
(図10(C))、このエアーが水面からでるときに水
はねを生じる(図10(E))。したがって、図11に
示すように、底板PL1の水深DP1を浅くして、汚物
aがエアーを巻き込む前に底板PL1に当たれば(図1
1(C))、エアーの巻き込みを少なくでき、水はねを
少なくすることができる。
【0037】このことから、図9の従来のサイホン式大
便器130に示すように、前部131aを2点鎖線に示
す前部131bのように傾けると、水深を浅くすること
ができる面積を大きくでき、水はねを少なくできる。し
たがって、前部131bの角度θaを小さくして前部1
31bのように傾けることが、水はねを防止する点から
好ましい。しかし、前部131bのように傾きを小さく
すると、トラップ排水管132が長くなり、サイホン力
が弱くなる。
【0038】ところが、図8の本実施の形態にかかるサ
イホン式大便器10では、角度θaを小さくしても、ト
ラップ排水管30が長くなることなく、サイホン現象を
生じやすくすることができる。図12を用いてその理由
を説明する。図12(A)は実施例にかかるサイホン式
大便器10を示し、図12(B)は従来のサイホン式大
便器130を示す。いま、サイホン式大便器10および
サイホン式大便器130の溜水面WFの水位をWLa1
に設定する。この場合に、サイホン式大便器10では、
開閉弁装置40で端部開口32aを閉じることにより、
トラップ排水管30の高さにかかわらず、トラップ排水
管30内に溜められた空気量に加えて、洗浄水の供給に
より、溜水面WFの高い水位WLa1を確保することが
できる。すなわち、トラップ排水管30の幅をW1、高
さをH1、長さをL1とする。一方、サイホン式大便器
130では、堰の高さが溜水面WFの水位WLa1と一
致することから、その幅W2、高さH2、長さL2は、
図12(A)のトラップ排水管30の幅W1、高さH
1、長さL1と比べて大きい。このようにサイホン式大
便器10では、トラップ排水管30の高さH1および長
さL1を従来のサイホン式大便器130と比べて低くか
つ短くできる。
【0039】すなわち、水はねを少なくするために、ト
ラップ排水管30の前部12c(図8)を傾斜させて、
溜水Wの水深を浅くする構成をとることができ、しかも
トラップ排水管30自体も短くできるから、汚物の排出
が容易になり、またサイホンを生起しやすい。
【0040】次に、他の実施の形態にかかる洗い落とし
式大便器について説明する。図13は洗い落とし式大便
器10Bを示す断面図である。洗い落とし式大便器10
Bは、サイホン式大便器10と同じ構成であり、開閉弁
装置40の弁体44の開閉タイミングを異にすることに
より、ボール部12内の溜水Wおよびリム通水路22か
らの給水でボール部12内の汚物などを排出するもので
ある。洗い落とし式大便器10Bは、サイホン式大便器
10と同じ構成であるから、その構成の説明について省
略し、洗浄動作を主に図14ないし図17を用いて説明
する。
【0041】いま、図14の開閉弁装置40の弁体44
が閉じた状態、つまり初期状態にあると、サイホン式大
便器10と同様に、ボール部12の溜水面WFの水位W
Laは、トラップ排水管30の水位WLtより高い位置
にある。この状態において、操作ボタンを押すと、図1
5に示すように、開閉弁装置40の弁体44は、電磁石
42より磁力を受けないから水圧により開かれ、リム通
水路22からの給水およびボール部12内の溜水Wが汚
物やペーパーとともにトラップ排水管30の上昇管部3
2から下降管部34を通じて排出される。
【0042】そして、洗浄ボタンを押してから所定時間
経過して、汚物排出、ボール部12の洗浄を完了する
と、開閉弁装置40の電磁石42に通電されて、図16
に示すように、弁体44が閉じられて上昇管部32内が
気密状態になる。このとき、リム通水路22からの給水
が継続されているから、ボール部12の溜水面WFの水
位WLaが上昇し、初期水位WLa1に戻った時点で洗
浄動作が終了する。
【0043】上記洗浄動作における初期状態(図14の
状態)において、開閉弁装置40は、弁体44を閉じて
上昇管部32内を気密にすることにより、上昇管部32
内の一部に空気を閉じこめた状態にて、ボール部12内
に溜水Wを貯めている。このため、上昇管部32内に閉
じこめられた空気の量に加えて、洗浄水の供給量にした
がって溜水面WFを上昇管部32の水位WLtより高い
位置とすることができる。したがって、洗い落とし式大
便器10Bでは、ボール部12内の高い水位からの洗浄
により優れた洗浄効果を得ることができる。
【0044】また、洗い落とし式大便器10Bでは、開
閉弁装置40にゴミが噛み込んでも、トラップ排水管3
0は、サイホン式大便器10と同様なU字型の上昇管部
32を用いているから、封水切れを起こすこともない。
したがって、臭気が封水により止められて、ボール部1
2側へ逆流することもない。
【0045】さらに、上記洗い落とし式大便器10Bで
は、図1のサイホン式大便器10と同じ形状にすること
ができ、型の共通化をはかることにより設備、型製作を
削減できる。すなわち、図17は従来の洗い落とし式大
便器140を示す。図17に示すように洗い落とし式大
便器140では、溜水面WFが高くないので、ボール部
141の前部141aを傾斜させないで、汚物の付着を
防止している。しかし、本実施の形態にかかる洗い落と
し式大便器10Bでは、溜水面WFを高くできるから、
サイホン式大便器10と同様に前部12cを傾斜させた
便器の形状とすることができる。
【0046】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0047】(1) 上記実施の形態のサイホン式大便
器10において、ボール部12内に供給する洗浄水は、
ボール部12内に所定水位に達したか否かを所定時間で
推測して制御しているが、これに限らず、ボール部12
内の水位を測定する水位センサを用いて、この水位セン
サの検出信号により止水を行なってもよい。この水位セ
ンサとしては、圧力センサや、光反射型センサなどを採
用することができる。
【0048】(2) 上記実施の形態では、開閉弁装置
40の構成として電磁式ホッパ弁を用いたが、トラップ
排水管30を気密状態に閉じることができる弁であれ
ば、ばねを利用したものやロータリ式の電磁弁のほか、
空気圧を利用した各種の弁を用いることができる。
【0049】(3) ボール部に洗浄水を供給する手段
としては、洗浄水タンクで貯留した洗浄水を供給するほ
か、各種の手段を用いることができ、例えば、水道管の
水を電磁弁を介して供給する手段であってもよい。
【0050】(4) 水洗式大便器のタイプとしては、
上記実施例のように床排水タイプのほか、トラップ排水
管の出口側が床面と平行に配管された、いわゆる床上排
水タイプであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るサイホン式大便器
10を示す断面図。
【図2】トラップ排水管30の開閉弁装置40付近を示
す断面図。
【図3】開閉弁装置40付近におけるトラップ排水管3
0の接続部分を示す分解斜視図。
【図4】サイホン式大便器10の洗浄動作を説明する説
明図。
【図5】図4に続く洗浄動作を説明する説明図。
【図6】図5に続く洗浄動作を説明する説明図。
【図7】図6に続く洗浄動作を説明する説明図。
【図8】ボール部12および上昇管部32の付近を示す
断面図。
【図9】従来のボール部および上昇管部の付近を示す断
面図。
【図10】水はねを説明する説明図。
【図11】水はねを説明する説明図。
【図12】サイホン式大便器10によるトラップ排水管
30を長さL1などを短くできる理由を説明する説明
図。
【図13】他の実施の形態に係る洗い落とし式大便器1
0Bを示す断面図。
【図14】洗い落とし式大便器10Bの洗浄動作を説明
する説明図。
【図15】図14に続く洗浄動作を説明する説明図。
【図16】図15に続く洗浄動作を説明する説明図。
【図17】従来の洗い落とし式大便器を示す断面図。
【図18】従来の開閉弁を備えた洗い落とし式大便器を
示す断面図。
【符号の説明】
10…サイホン式大便器 10B…洗い落とし式大便器 12…ボール部 12a…ボール面 12b…導入口 12c…前部 14…便器本体 16…洗浄水タンク 17…便座 20…給水系統 22…リム通水路 22a…射水口 30…トラップ排水管 32…上昇管部 32a…端部開口 34…下降管部 36…排水管路 40…開閉弁装置 41…管体部 41b…装着溝 42…電磁石 43…ヒンジ 44…弁体 45…固定バンド BT…洗浄ボタン W…溜水 WF…溜水面 WLa…水位 WLt…水位

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄水を溜めるボール部と、 該ボール部の下部に設けられた排出口と、 該排出口に連通するとともに他端を排水管に接続する排
    出路とを備えてなる水洗式大便器において、 上記排出路に、該排出路内を気密に閉じる位置と開放連
    通する位置とに開閉する気密開閉弁を設けたことを特徴
    とする水洗式大便器。
  2. 【請求項2】 請求項1の水洗式大便器において、 上記排出路は、上記ボール部側の便器側排出路と、排水
    管側の排水管側排出路とを備え、それらを別体に構成し
    た水洗式大便器。
  3. 【請求項3】 請求項2の水洗式大便器において、 上記気密開閉弁を上記便器側排出路に配置した水洗式大
    便器。
  4. 【請求項4】 請求項2の水洗式大便器において、 上記気密開閉弁を排水管側排出路に配置した水洗式大便
    器。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の水洗式大便器におい
    て、 上記排出路は、上記排出口の下流側にその一端部で接続
    されかつ上記排出口から上方に向かうように配置された
    上昇管部と、該上昇管部の他端部に接続されかつ下方に
    向かうように配置された下降管部とを有するトラップ排
    水管により構成するとともに、該上昇管部および下降管
    部を別体に構成した水洗式大便器。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の水洗式大便器におい
    て、 上記上昇管部はボール部と一体に構成した水洗式大便
    器。
  7. 【請求項7】 請求項6の水洗式大便器において、 上記下降管部の少なくとも該上昇管部に接続される部位
    は、樹脂にて形成されている水洗式大便器。
  8. 【請求項8】 請求項6の水洗式大便器において、 上記上昇管部と下降管部とを接続部材を介して接続し、
    この接続部材に上記気密開閉弁を配置した水洗式大便
    器。
  9. 【請求項9】 請求項5の水洗式大便器において、 上記気密開閉弁は、上昇管部と下降管部の接続部もしく
    はその近傍に配置した水洗式大便器。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれかの
    水洗式大便器において、 上記気密開閉弁または該気密開閉弁を受ける受け部に、
    気密材を設けた水洗式大便器。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項10のいずれ
    かにおいて、 上記気密開閉弁は、洗浄水を供給しない非洗浄時に気密
    に閉じる位置に付勢し、洗浄時に開放連通する位置に開
    閉付勢手段により開閉されてなる水洗式大便器。
  12. 【請求項12】 請求項11の水洗式大便器において、 上記開閉付勢手段は、外部から電気信号により気密開閉
    弁を開閉する電磁コイルである水洗式大便器。
  13. 【請求項13】 請求項5の水洗式大便器を用いた洗浄
    方法において、 洗浄水をボール部内に供給する工程と、 洗浄水を排出する排出路の上昇管部と排出路に設けた気
    密開閉弁との空間に空気を溜める工程と、 ボール部内の溜水面を所定高さまで高める工程と、 気密開閉弁を開放して空気と洗浄水とを排出する工程
    と、 気密開閉弁を閉じて溜水する工程と、 を備えた水洗式大便器の洗浄方法。
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