JP3216845B2 - 水洗式便器 - Google Patents

水洗式便器

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JP3216845B2
JP3216845B2 JP19233093A JP19233093A JP3216845B2 JP 3216845 B2 JP3216845 B2 JP 3216845B2 JP 19233093 A JP19233093 A JP 19233093A JP 19233093 A JP19233093 A JP 19233093A JP 3216845 B2 JP3216845 B2 JP 3216845B2
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浩 岡田
一夫 松井
栢原  利明
緒方  研一
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東陶機器株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サイホン作用によって
洗浄水と共に汚水・汚物を排出する水洗式便器に係り、
とくにトラップ流路の内部空気を外部に放出して流路内
を減圧することによって封水の速やかな排出を可能とし
た便器に関する。
【0002】
【従来の技術】水洗式腰掛け便器は、トラップの封水の
排出の形態によって各種のものに分類される。その中
で、サイホン又はサイホンジェット式のものは比較的洗
浄能力が高く広く使用されている。この方式の水洗便器
では、便器に一体のロータンクやフラッシュバルブ等か
ら洗浄水を供給したとき、トラップの封水が下流側に押
し出され、このときのサイホン現象を利用して、供給し
た洗浄水を汚物と共に一気に洗い流すことができる。
【0003】このようなサイホン式の便器において、洗
浄水タンクとトラップよりも下流の流路とを吸気路によ
って連通させ、洗浄水の放出時の洗浄水タンク内の圧力
降下を利用して、サイホン現象を促進させるようにした
ものもある。
【0004】たとえば、特開昭51−101351号公
報には、基本的には節水を図るものであるが、サイホン
作用の促進を目的として、トラップの内部流路と密閉式
の洗浄水タンクとを吸気管によって接続した構成が開示
されている。このような構成では、洗浄水が便器側に放
出されたときの内圧の低下によってトラップ内の空気が
洗浄水タンク側に吸引され、これによってトラップから
の汚水及び洗浄水を下流側へ導いてサイホン作用が引き
起こされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような洗浄水の供
給初期の流れとこれに続く吸気管によるトラップからの
空気の吸引によって、サイホン現象の促進が可能であ
る。
【0006】ところが、サイホン現象を確実に引き起こ
すための条件はかなり複雑であり、たとえば便器の設計
とくにトラップの形状は必要な流量の設定には大きな安
全係数を掛けることが多い。このため、サイホンを十分
に引き起こせる洗浄水の初期流量を越えた流量値に設定
すること等での対応となり、洗浄水の無駄や洗浄音の増
大等の原因となる。
【0007】また、サイホン現象を確実に引き起こすた
めには、トラップの形状及びその流路面積等の最適化が
求められる。しかしながら、便器本体が陶器製であれ
ば、トラップの内部流路の寸法精度等を高く維持できな
いため、使用条件によってはサイホンの力が弱いままと
なってしまう可能性もある。
【0008】このように、吸気管によるトラップからの
空気の吸引を利用してサイホン現象を促すことはできる
ものの、全ての使用条件に最適に作動できるかについて
は疑問が残る。また、トラップの加工精度の向上にも限
界があり、対象が空気と水の流体であることから最適設
計にも困難さがある。
【0009】本発明において解決すべき課題は、サイホ
ン作用の発生及び促進をより一層確実なものとする水洗
式便器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、便器本体のボ
ール部の下流に第1トラップ,排水路,第2トラップ及
び排水口を洗浄水の流れ方向に順に形成すると共に前記
第2トラップの溜水面と流路内壁との間にエアギャップ
を備え、前記便器本体に操作手段によって開閉する排水
栓を備えて前記ボール部に洗浄水を供給する洗浄水タン
クを付設し、前記排水路に連通し且つ前記洗浄水タンク
の内部に至る吸気路を設け、前記洗浄水タンクの内部に
洗浄水によって常時封水されるブースを設け、更に前記
吸気路を前記ブース内であって前記洗浄水タンクの最大
水位より高い位置まで延ばした水洗式便器であって、前
記吸気路を前記排水路から前記ブース内まで連続する斜
め上又は鉛直の流路としてなることを特徴とする。
【0011】吸気路は、排水路に接続するホースと洗浄
水タンクを貫通してブース内に上端を位置させ且つ下端
をホースに接続した吸気管とから構成される。
【0012】ブースは、このブース内の洗浄水の最大水
位から最低水位までの変化分に相当する内部容積が第1
トラップの溜水面から第2トラップの溜水面の間の排水
路の内容積に等しいか又は大きい容量を持つものとする
ことができる。
【0013】吸気路の上端側に外挿されブース内の水位
に応じて昇降し上端をキャップとしたフロートを備え、
洗浄水タンク内の水位低下によるフロートの下降により
吸気路をキャップによって閉塞可能としてもよい。
【0014】また、フロートを中空体としその内部であ
って最大水位の水面によって区画された内部容積を第1
トラップの溜水面から第2トラップの溜水面の間の排水
路の内容積に等しいか又は大きくした構成とすることも
できる。
【0015】排水路の内部に、洗浄水の内部流れの圧力
によって閉動作し吸気路への流路を遮断する開閉弁を備
えることができる。
【0016】吸気路の上端を下側に曲げた曲げ流路と
し、洗浄水タンク内が満水レベルのとき、曲げ流路の流
路端を浸漬させることもできる。
【0017】排水栓は、洗浄水タンクの底部を貫通して
ボール部に連通する筒状の弁座筒と、操作手段に連接さ
れ弁座筒の中まで入り込み可能なコーン状の排水弁体と
から構成することができる。
【0018】排水栓は、操作手段に連接された第1の弁
体とこの第1の弁体に連接された第2の弁体とを備え、
これらの第1,第2の弁体を第1の弁体の先行開弁の後
に第2の弁体の開動作が可能に連接し、第2の弁体によ
る流路開度を第1の弁体のそれよりも大きくした構成と
することができる。
【0019】排水栓の操作手段は、排水栓に連鎖材によ
って連接したスピンドルと、このスピンドルを回転駆動
するモータと、このモータとスピンドルとの間に介装し
た電磁クラッチとを備え、モータと電磁クラッチを、排
水栓の開動作が初期開弁,一時閉弁及び最大開度開弁の
順となるように制御する系を備えたものとすることがで
きる。
【0020】排水栓の操作手段は、排水栓に連鎖材によ
って連接したスピンドルと、このスピンドルに設けられ
た被動歯車と、この被動歯車に噛み合う駆動歯車を備え
た操作ハンドルとを備え、被動歯車及び駆動歯車の少な
くとも一方はその歯列を部分的に除いた切欠を備え、こ
の切欠が開弁操作の開始後であってその直後に相手の歯
車の歯列に臨む姿勢に操作ハンドルの姿勢を設定したも
のとしてもよい。
【0021】排水路から第2トラップ部にかけての内部
流路であって、第2トラップの溜水面との間にエアギャ
ップを造る流路を、下部側に流路断面が大きな本流路と
すると共に上部側を流路断面を絞った副流路としてもよ
い。
【0022】洗浄水タンク内に水位の低下によって給水
路を開くボールタップを備え、このボールタップは水位
の低下に遅延して前記給水路を開く弁機構を備えたもの
としてもよい。
【0023】ブースの下端側であって洗浄水タンクとの
連通部を、排水栓の弁座の最低レベルよりも下側に位置
させることができる。
【0024】便器本体を陶器製とし、吸気路を、排水路
を形成する外壁から一体に上に向けて形成され洗浄水タ
ンク内に伸びる吸気管としてもよい。
【0025】洗浄水タンクを陶器製とすると共に、周壁
の一部を利用して内部を中空状に区画する横断面形状を
持ち、且つ上端を閉じると共に洗浄水タンクの底面との
間に隙間を持たせた空洞部をブースとすることができ
る。
【0026】洗浄水タンクの上面に被さる蓋の下面に、
前記洗浄水タンクの底面との間に隙間を持つ長さの中空
構造をブースとすることもできる。
【0027】第2トラップから排水口にかけてを、第2
トラップの底から斜め上傾斜の直線状とすると共にその
終端から下に向けて排水口に臨む流路断面としてもよ
い。
【0028】排水路から第2トラップ及び排水口までを
合成樹脂製のトラップ管によって形成することもでき
る。
【0029】排水路から第2トラップ及び排水口までを
合成樹脂製のトラップ管によって形成し、このトラップ
管に吸気路と連通接続するための接続管を一体に備える
ようにしてもよい。
【0030】更に、第2トラップにエアギャップを備え
ない構成としたときには、排水路の中途から第2トラッ
プの封水部よりも下流までの間にバイパス路を設け、こ
のバイパス路の入口又は出口の少なくとも一方に、洗浄
水供給時に閉弁し且つサイホン発生時には開弁する開閉
弁を備えるようにすればよい。
【0031】
【作用】吸気路を排水路からブース内まで連続する斜め
上又は鉛直の流路とすることによって、負圧発生時に水
が吸い込まれるようになっても、トラップが生じること
はなく、負圧を減衰させることなくサイホン作用の負圧
支援が維持される。
【0032】吸気路を便器本体側のホースと洗浄水タン
ク側の吸気管との接続によって構成することで、先のト
ラップの発生のない流路構成が簡単に得られる。
【0033】ブース内での洗浄水の最大水位から最低水
位までの変化分に相当する内部容積が第1トラップの溜
水面から第2トラップの溜水面との間の排水路の容積に
等しいか又は大きくしておけば、排水路の空気を全てブ
ース内に流れ込ませることができ、排水路からの空気吸
引によるサイホン現象が効果的に得られる。
【0034】吸気路の開放端を塞ぐフロートを備える
と、洗浄開始後にフロートが下降し最終的に吸気路を閉
じる。したがって、洗浄初期の空気の吸引後の排水路か
らの水の流れ込みがなくなる。また、フロートを中空状
としておき、洗浄水タンク内が満水時のフロート内部の
初期の容積を排水路内の容積と等しいか又は大きくして
おけば、排水路の空気を全て抜いた時点で吸気が止まる
ことになり、同様に水が吸引されることがない。
【0035】洗浄水の内部流れの圧力によって吸気路へ
の流路を閉じる開閉弁を備えると、洗浄初期では空気は
吸気路からブースへ吸引され、その後給水が開閉弁の部
分に至ると内部流れ圧力によって吸気路が閉じられ、水
のブースへの流れ込みがなくなる。
【0036】吸気路の上端を曲げ管としてその管端を満
水の洗浄水に浸漬させる高さ関係としておけば、洗浄開
始直後であって浸漬から外れるまでは吸気が行われず、
第2トラップの封水を先行させてからの空気吸引が可能
となる。
【0037】排水栓を筒状の弁座筒とこの中に入り込む
コーン状の排水弁体とすることで、弁開度を開弁初期で
は小さくてその後次第に大きくなるように設定でき、第
2トラップを先行して少量の水で封水した後、大きな流
量による洗浄水タンクからの洗浄水の放出が可能とな
り、排水路からの空気の吸引の促進とサイホン作用の良
好な支援が行える。
【0038】第1,第2の弁体を備えこの順に流路を開
くときに最初の流量が小さく後から大きくなるので、第
2トラップが先に封水されて排水路の空気がブース内に
吸引されるようにしてサイホン現象の負圧支援が行え
る。
【0039】排水栓の操作手段として、モータ及び電磁
クラッチ式又は噛み合いを一時的に中断する歯車機構を
利用することで、洗浄初期の流量の絞り,一時止水及び
最大流量での放出が可能となり、2個の弁体の作動の場
合と同様に第2トラップ部の先行封水が可能となる。
【0040】第2トラップの溜水面との間にエアギャッ
プを造る流路断面の上部側を流路面積が小さな副流路と
することで、洗浄初期では少量の水による第2トラップ
の封水が行われ、残りの大流量の洗浄水の放出による空
気吸引が促進され、サイホン作用の支援が同様に可能と
なる。
【0041】ボールタップが洗浄開始後の水位の低下に
遅延して給水路を開くようにすれば、洗浄初期において
ブース内の水位の低下の障害とならず、排水路からの空
気吸引が効果的に行われる。
【0042】ブースと洗浄水タンクとの連通部を洗浄水
タンクの最低水位よりも低くすれば、連通部は常に水に
浸漬されて封水され、ブース内の空気の漏れがない。
【0043】便器本体の排水路から吸気管を一体に立ち
上げてブース内に差し込むと、吸気空気の漏れの発生が
完全になくなる。
【0044】陶器製の洗浄水タンクの内部に空洞状のブ
ースを備えることで、吸引した空気を封水と共に完全密
閉でき、異臭の漏れが防止される。また、洗浄水タンク
の蓋にブースを一体に設ける場合でも同様である。そし
て、このような陶器製品の一体成形とすれば、部品点数
の削減及び組立ての簡略さによってコストの低減が可能
となる。
【0045】第2トラップから排水口までの流路をこの
排水口の真上まで伸びる緩やかな直線状の傾斜とするこ
とによって、洗浄水の流れ抵抗を抑えることができ、サ
イホン現象による流動化の促進が効率的に行える。
【0046】第2トラップを合成樹脂製とすれば、陶器
の場合よりも加工精度が高いので、トラップの内壁と溜
水レベルの間の寸法も最適設計でき、エアギャップを小
さくして少量の洗浄水での封水が可能となる。また、ト
ラップ管に吸気管と連通させるための接続管を一体に設
けることで、継ぎ目のない吸気路を得ることができ、異
臭の漏れも防止される。
【0047】第2トラップにエアギャップを備えずに、
排水路の中途から第2トラップの溜水部よりも下流まで
の間にバイパス路を設け、このバイパス路を洗浄水供給
時に閉じ且つサイホン発生時には開く開閉弁を備える
と、洗浄開始のときにはバイパス路を通過して空気が吸
引され、サイホン現象による洗浄が可能となる。
【0048】
【実施例】図1は本発明の水洗式便器の側面縦断面図、
図2は切欠正面図、図3は平面図である。
【0049】図において、陶器製の便器本体1の背部側
の上面に同様に陶器製の洗浄水タンク2を固定し、この
洗浄水タンク2から洗浄水を便器本体1のボール部1a
に供給可能としている。
【0050】便器本体1のボール部1aの上端周りには
洗浄水タンク2に連通するリム通水路1bを形成し、そ
の底壁にボール部1aに洗浄水を放出する射水孔1b−
1を開ける。また、ボール部1aの底部には、第1トラ
ップ1cを形成すると共に下流側へ向かうほぼ逆V字状
の排水路1dを備え、この排水路1dの終端部を第2ト
ラップ1eとして排水口1fを下向きに開口させてい
る。なお、排水口は図示の床排水式のものに代えて、た
とえば実公平2−18133号公報に記載されているよ
うに便器本体の背部側に延ばして排水口を開放した壁排
水式のものであってもよい。
【0051】洗浄水タンク2はその上端に開閉可能な蓋
3を備え、内周には発泡材を利用した防露層2aを組み
込んだものである。そして、内部にはボールタップ4,
排水栓5,オーバーフロー管6等を備え、排水栓5の開
閉のための操作ハンドル7を外部に設けている。
【0052】ボールタップ4は、外部の給水管4aに接
続され、洗浄水タンク2内の水位に応じてレベルを変え
るフロート4bによって内蔵した弁の開閉動作を可能と
したものである。
【0053】排水栓5は便器本体1のリム通水路1bの
中まで落とし込んだ弁座筒5aに対して接離する排水弁
体5bをオーバーフロー管6に連接し、操作ハンドル7
のスピンドル7aに玉鎖7bを介して連結したものであ
る。そして、操作ハンドル7を回すことによって、排水
弁体5bが引き上げられ洗浄水がリム通水路1b側へ供
給される。
【0054】更に、洗浄水タンク2の中には、洗浄初期
のサイホン現象を洗浄水の流出時の減圧によって促進さ
せるブース8を設ける。このブース8は洗浄水タンク2
の後部側であって左右に広がる横断面形状であり、その
下端を防露層2aの上面に着座させて組み込まれてい
る。そして、ブース8の高さ寸法は、洗浄水タンク2内
の最大水位よりも大きく、下端の前面側に開口8aを設
けて洗浄水タンク2の内部と連通させている。
【0055】ブース8の内部には、洗浄水タンク2の最
大水位よりも高くなる吸気管9を洗浄水タンク2の底部
から差し込んで鉛直に立ち上げ固定する。一方、便器本
体の排水路1dの外壁には円筒状の接続座1gを設け、
これをホース10によって吸気管9に接続する。接続座
1gは第1トラップ1cの封水レベルよりも高い位置で
斜め上に開口し、ホース10はこの接続座1gから吸気
管9側へ立ち上がる流路を形成する。
【0056】以上の構成において、図1に示すように第
1トラップ1cが封水され、第2トラップ1eにはエア
ギャップGができているとき、操作ハンドル7によって
排水栓5を開くと、洗浄水タンク2からリム通水路1b
へ洗浄水が供給され、射水孔1b−1からボール部1a
に放出される。これにより、図4に示すように洗浄水タ
ンク2内の洗浄水の水位が低下すると同時に第2トラッ
プ1eでは排水路1dからの洗浄水によって封水され
る。このため、排水路1d内の空気が密封されることに
なり、水位の低下によって内圧が下がっているブース8
側に吸気管9によって吸引される。
【0057】このような排水路1dのからの空気の抜け
によって、第1トラップ1c部分の封水が射水孔1b−
1からの後続の洗浄水と共に排水口1f側に強制的に流
動化され、図5に示すように逆V字状の排水路1dの前
後でサイホン現象が生じる。これにより、汚物が洗浄水
と共に一気に排水口1fから排出される。一方、洗浄水
タンク2の水位が設定水位まで低下すると、排水弁体5
bの自重と浮力との関係により排水弁体5bが閉じら
れ、ボールタップ4からの給水によって貯水される。
【0058】洗浄水が流出していくに従って、図6に示
すように第2トラップ1eの封水が切れてエアギャップ
が再び生じる。そして、洗浄の開始後の水位低下によっ
てボールタップ4の弁が開いて洗浄水タンク2には洗浄
過程と併行して給水されるので、その内部水位が上昇す
る。このため、ブース8に吸引されていた空気は吸気管
9から排水路1g内へと流れ、図1の状態に戻る。
【0059】このように、第1,第2トラップ1c,1
eを備えて排水路1dから洗浄水タンク2内のブース8
まで吸気管9を立ち上げることによって、洗浄するとき
のサイホン現象を排水路1g内の空気吸引を利用して促
進させることができる。
【0060】なお、図示の例では吸気管9を洗浄水タン
ク2を正面から見てその中央に位置させているが、洗浄
水タンク2の底部から通す吸気管9を直角又は斜め上に
曲げた管路とすれば、流路が下に凹むような形態となる
ことなく洗浄水タンク2に対して偏心させた配管とする
こともできる。
【0061】ここで、図3に示すように、洗浄水タンク
2内ではブース8が背部側に位置し、排水栓5はその手
前側に位置する組立て構造としている。そして、ブース
8は洗浄水タンク2の左右方向に広がる形状を持つの
で、吸気管9は洗浄水タンク2の幅方向の中央に位置さ
せることができる。このため、排水路1dに設ける接続
座1gも排水路1dの外壁を真上から見たときの中央に
設けると、ホース10は左右に振ることなく正面から見
て直線状の流路となるように接続できる。更に、このホ
ース10が接続座1gから吸気管9の下端までの間に障
害物がないようにすることで、ホース10内の流路が吸
気管9に向かうまでに下向きとはならない配管が可能で
ある。
【0062】このように、排水路1dから吸気管9の下
端までのホース10に内部流路が部分的に凹むようなト
ラップがなくしかも吸気管9を真っ直ぐに立ち上げるこ
とができる。
【0063】一方、たとえば吸気管9までのホース10
が下に曲がっているような場合では、洗浄開始のときに
この凹み部分に排水路1dから水が空気と共に吸引され
ることになる。そして、凹みが大きくて水のトラップを
造る程度であれば、この凹み部分が封水され吸気管9に
向かう空気の流路が閉じられてしまう。したがって、空
気吸引の中に水も含まれるので、排水路1dからの空気
の吸引が弱くなるほか封水によって空気吸引が不可能と
なり、ブース8内の水位が下がっても排水路1dの負圧
状況が創り出せない。
【0064】これに対し、ホース10から吸気管9まで
の流路に凹みがないような配管とすることによって、洗
浄開始時におけるブース8内水位の低下に基づく排水路
1d内の減圧及び空気吸引の現象を速やかに起こさせる
ことができる。このため、洗浄初期の洗浄水のサイホン
現象による排出をより一層確実に行わせることができ
る。
【0065】排水路1dからの空気吸引を利用してサイ
ホン現象を促進させるとき、洗浄初期の必要な期間だけ
排水路1d内に負圧を発生させればよいことは明らかで
ある。そして、必要以上に負圧が継続されると、排水路
1d内の水がブース8側に吸引されてしまい、汚水が洗
浄水タンク2へ入り込むことになる。
【0066】このような水の吸引を防ぐための一つの方
策として、図1において第1トラップ1cによる封水レ
ベルL1 と第2トラップ1eでの水位レベルL2 との間
に造られる空間の容積が、ブース8内での最低水位まで
の低下分に相当する容積と等しいか僅かに小さくなるよ
うにすることが考えられる。すなわち、ブース8にはそ
の内部水位の低下によって排水路1dからの空気が流入
し、一方洗浄水タンク2には洗浄開始後の水位低下によ
ってボールタップ4からの給水も始まる。このため、図
5に示す最も低い水位のときにブース8内にできる空間
の容積は或る一定値をとることになり、この値と排水路
1d内の空間の容積の値を先の関係とすればよい。
【0067】このような排水路1dとブース8内の容積
の関係であれば、排水路1d内の空気がブース8側へ吸
引されたときと同時にブース8内が最低水位となり、こ
のブース8内は排水路2dからの空気で満杯になる。し
たがって、洗浄初期での排水路1dからの水の吸引が抑
えられ、サイホン現象の発生に必要な空気の吸引のみが
可能となる。
【0068】図7の(a)及び(b)は排水路1d内の
水のブース8側への流れ込みを防ぐ別の構成例の概略図
であって、それぞれ要部の側面縦断面図及び切欠斜視図
を示す。
【0069】ブース8には上に立ち上がる円筒状のチャ
ンバ8bを設け、ブース8内水位が高いときにこのチャ
ンバ8bに入り込むフロート11を備える。このフロー
ト11は下端にリング状のベース11a及び上端にキャ
ップ11bを備え、これらを数本の細いロッド11cで
連結したものである。そして、各部材を発泡材等を素材
とすることによって軽量とし、水に浮いてその水位に応
じて浮沈動作可能とする。
【0070】同図の(a)において、洗浄水タンク2が
最大水位のときにはフロート11はブース8内で最も高
いレベルに位置している。洗浄が開始されると、先の例
と同様にブース8内の水位が下降していき、同図(a)
の一点鎖線で示すようにフロート11のキャップ11b
が吸気管9の上端を塞ぐ。このため、洗浄の初期におい
て排水路1dから空気が吸引されてサイホン現象を発生
させた後には、吸気管9は閉じられ、排水路1dからの
水のブース8側への流れ込みがなくなる。そして、洗浄
の進行に伴って、ブース8内の水位も低下していくが、
吸気管9の上端はキャップ11bによって閉じられたま
まの状態を保つ。
【0071】このようにフロート11を備える場合で
も、洗浄初期の空気の吸引が可能であり、排水路1dか
らの空気の排出を利用した第1トラップ1cから第2ト
ラップ1eにかけての封水のサイホン流動化が得られ
る。
【0072】また、フロート11を中空の円筒状に形成
したものとしてもよい。すなわち、ロッド11cに代え
てこれをケーシング状としてその下端にベース11a及
び上端にキャップ11cを固定した構成とし、これを吸
気管9に被せるように配置する。そして、洗浄水タンク
2が最大水位のときにはフロート11の内部であって水
位によって閉じられた空間の容積を、図1で説明した封
水レベルL1 及び水位レベルL2 の間の排水路1d内の
容積と等しいか僅かに大きくしておく。
【0073】このような中空円筒状のフロート11を利
用する場合では、洗浄が開始されると、先の例と同様に
ブース8内の水位が下降していき、フロート11のキャ
ップ11bが吸気管9の上端を塞ぎ、このとき、フロー
ト11内の初期の容積と排水路1d内に封じ込まれてい
る空気の容積の先の関係によって、排水路1d内の空気
だけが吸引され、水のブース8側への吸い込みはない。
【0074】図8は洗浄初期において排水路1dからの
空気の吸い込み後に吸気管9側への流路を遮断し、水の
吸引を防いで負圧の発生効果を高めるようにした別の例
を示す要部の縦断面図である。
【0075】この例では、排水路1d内であって接続座
1gの開口を塞ぐ開閉弁12を設ける。この開閉弁12
は、ヒンジ12aによって回動自在に排水路1d内に取
り付けたパッキン12c付きの基板12b及びこの基板
12bを流路内壁から引き離す方向に付勢する圧縮のス
プリング12dを備えたものである。
【0076】同図の(a)は洗浄しない期間の状態であ
り、基板12bはスプリング12dによって押され、パ
ッキン12cは接続座1g側の流路を開いている。洗浄
開始の初期では、排水路1d内の空気はボール部1aか
ら流れ込む洗浄水によって押され、開いている接続座1
gから吸気管9側へと送られる。したがって、先の例と
同様に、排水路1dからの空気排出によってサイホン現
象が起こり、ボール部1aから洗浄水が排水路1d側へ
一気に流入する。
【0077】なお、このような開閉弁12を設ける場
合、便器本体1が陶器製であると加工面で十分に対応で
きないことがある。これに対し、後述するように、排水
路1dから第2トラップ1eを経て排水口1fまでを合
成樹脂製とし、この部分に開閉弁12を備えるための加
工を施せば、精度の良い弁構造が得られる。
【0078】洗浄初期から時間が経過してサイホン現象
によって同図の(b)のように排水路1dが満水になっ
ていくと、基板12bは水圧を受けスプリング12dを
収縮させる方向に動く。これにより、パッキン12cが
接続座1g側の流路を閉じ、吸気管9への空気又は水の
流れ込みが阻止される。したがって、サイホン現象を起
こさせるのに必要な空気がブース8側に吸引され、その
後は水が不要に流れ込むことがないので、サイホン発生
後のブース8内の負圧の減衰が防止される。
【0079】なお、排水路1dの外壁に突き出して設け
た接続座1gはホース10によって吸気管9に接続でき
るほか、図9に示すように合成樹脂等で製作した専用の
プラグ13を用意しておけば、この接続座1gを封止す
ることができる。このため、吸気管9を備えて排水路1
d内の負圧発生によるサイホン現象発生型の便器に代え
て、従来型のロータンク等にも適用でき、便器本体1を
複数の仕様に使い分けることができる。
【0080】図10から図18は、それぞれ洗浄開始の
ときに第2トラップ1eの封水を先行させ、その後吸気
管9による排水路1dからの吸気吸引を行わせることに
よって確実な負圧の発生を可能とした例である。
【0081】このような第2トラップ1eの先行封水が
必要な理由を先ず説明する。洗浄が行われていない時期
では、図1に示すように第2トラップ1eには水位面と
流路壁との間に空気が通過可能なエアギャップGがあ
る。このエアギャップGを設けていないと、第2トラッ
プ1eの下流において何らかの要因により負圧が発生し
たときにサイホン現象が起こり、第1,第2トラップ1
c,1eの封水がなくなる恐れがあるからである。そし
て、このエアギャップGがあるままの状態で洗浄開始の
ときに一気に洗浄水を第2トラップ1e側に供給する
と、エアギャップGが洗浄水で満たされる前に第2トラ
ップ1eの下流の空気がエアギャップGを通って吸気管
9側に吸い込まれる。したがって、排水路1d内での負
圧の発生度合いが弱くなり、サイホン現象の発生に支障
をきたす可能性がある。
【0082】これに対し、図10の例では吸気管9の上
端を逆U字状の曲げ管9aとすることによって、洗浄初
期でのエアギャップGを第1トラップ1cからの洗浄水
の流れによって封じ込め、この後ブース8への空気の吸
引を可能とする。
【0083】同図の(a)は洗浄していない時期であっ
て、吸気管9の上端部はブース8内の洗浄水の水位より
も少し高く、曲げ管9aの管端は洗浄水の中に浸漬され
ている。また、曲げ管9aの上端にはブース8の内部が
加圧されるのを防ぐためのきわめて小さな小孔9bを開
けている。
【0084】洗浄を開始すると、洗浄水タンク2から洗
浄水がボール1aに送り出されてその内部水位が下がり
始める。一方、ボール部1aからの洗浄水は第1トラッ
プ1cから第2トラップ1eに向かい、エアギャップG
が水によって満ちるようになり封水状態になる。このと
き、ブース8内では曲げ管9bの管端が洗浄水中に浸漬
されているので、排水路1dからの空気の吸引はない。
したがって、エアギャップGが封水される時点と、曲げ
管9aの管端が下降する水面から離れる時点とをほぼ等
しく又は封水される時期より少し遅れて管端が離れるよ
うにしておけば、ブース8内の水位低下によって第2ト
ラップ1eが封水された後に吸気管9からの空気の吸引
が可能となる。
【0085】このようにエアギャップGを先行して封水
させた後に吸気管9から空気を引くことによって、排水
路1d内の負圧化を確実に行うことができ、安定したサ
イホン現象の実現が可能となる。
【0086】図11は図10の例と同様であるが、小孔
9bを設けない点だけが異なる。
【0087】図示の状態は洗浄を行っていないときであ
り、洗浄終了後のボールタップ4からの給水によって、
洗浄水タンク2内の水位は次第に上昇する。このとき、
ブース8内の水位も上がるので、曲げ管9bの下端が水
面に浸漬されない間ではブース8内の空気は吸気管9か
ら排水路1d側へ押される。そして、曲げ管9bの下端
が水面に浸漬されるとブース8内の空気の抜けはなくな
り、洗浄水タンク2内の洗浄水と同じ水位となるまで曲
げ管9bが水で満たされる。したがって、ブース8内で
あって洗浄水によって封止された空間は、この曲げ管9
bの中に入っている水のヘッド分だけ大気圧よりも圧力
が高くなる。
【0088】このようにブース8内の空気を加圧してお
くことによって、洗浄開始初期に図10の(b)で示し
たように曲げ管9bの管端が水面から離れても、内圧が
高いので排水路1dからの空気の吸引を暫くの間抑え
る。このため、洗浄を開始した後に排水路1d側の空気
が直ぐに吸気管9から抜かれない時間を持たせることが
でき、この時間内に洗浄水の給水によって第2トラップ
1eが封水するようにすれば、封水が先行して吸気をこ
れに引き続いて発生させることができる。
【0089】以上のような第2トラップ1eの封水を先
行させてブース8側への空気の吸引は排水栓5による流
路の開閉を適切にすることによっても達成される。
【0090】たとえば、図2に示した排水栓5の排水弁
体5bは下端側が先細りする円錐台状のコーン5cを形
成している。このようなコーン5cを備えることによっ
て、弁座筒5aに対する弁開度は開き始めるときの変化
割合が小さく開度に比例して次第に大きくなる。このた
め、操作ハンドル7によって排水弁体5bが引き上げら
れるとき、洗浄水タンク2からリム通水路1bへ供給さ
れる洗浄水の流量は小さく、時間の経過によって次第に
増えていく。
【0091】このような洗浄水の供給であれば、洗浄の
開始初期においては洗浄水がボール部1aに少量だけ供
給される。そして、弁開度が大きくなるにつれて、その
開度は次第に大きくなっていくので、洗浄水タンク2か
らボール部1aへの洗浄水の流量は一気に増大する。こ
のため、第2トラップ1eのエアギャップGを先に封水
できる程度の流量とし、その後は大きな流量の洗浄水の
放出を行わせることができる。したがって、第2トラッ
プ1eの封水後には洗浄水の急速な水位低下が起きるの
で、吸気管9からの空気吸引も促進され、排水路1d内
でのサイホン現象の負圧支援が確実に行われる。
【0092】図12及び図13はそれぞれ洗浄開始初期
で小流量の洗浄水を放出しその後大流量に設定可能とし
た排水栓5の他の構造例を示す概略図である。
【0093】図12の排水栓5は、便器本体1のリム通
水路1bにそれぞれ連通する2個の弁座筒50,51を
備え、これらのそれぞれを排水弁体52,53によって
開閉可能としたものである。排水弁体52,53はそれ
ぞれオーバフロー管6に枢軸6aによって支持されてい
る。
【0094】弁座筒50は他方の弁座筒51よりも内径
が小さく、これに合わせて排水弁体52,53の大きさ
も相違する。大きい方の排水弁体53の周縁には円弧状
のスリット53b付きのガイド53aを立ち上げ、小さ
い方の排水弁体52にはこのスリット53b内で自由に
移動する摺動子52aを設ける。そして、小さい方の排
水弁体52に玉鎖7bを接続し、操作ハンドル7によっ
て開弁させるときにはこの排水弁体52が先にその弁座
筒50から離れるようにする。
【0095】このような大小の弁座筒50,51及び排
水弁体52,53を備えることによって、開弁操作する
ときには図示のように小さい方の排水弁体52が開き、
その摺動子52aがスリット53bの上端に掛かったと
きに始めて大きい方の排水弁体53が開く。したがっ
て、開弁の初期では小さい流量の洗浄水がボール部1a
に供給されて第2トラップ1eが先行して封水され、そ
の後大きな流量の洗浄水の流出によって吸気管9からの
空気吸引が行われ、サイホン現象の負圧支援が効果的に
行われる。
【0096】図13は2枚の排水弁体54,55を互い
に重ね合わせてオーバーフロー管6に枢着し、下側の排
水弁体55に弁座筒51の流路面積より格段に小さい開
口面積の孔55aを開けた例である。これらの排水弁体
54,55は互いに引張りのスプリング56によって連
接され、上側の排水弁体54が玉鎖7bに連結されてい
る。
【0097】操作ハンドル7によって開弁操作すると、
最初に上側の排水弁体54だけが引き上げられ、これに
よって下側の排水弁体55の孔55aが開く。そして、
スプリング56が伸びていき或る臨界に達すると下側の
排水弁体55が弁座筒51から離れてその流路を開く。
【0098】このように、洗浄の初期では小さい孔55
aからの洗浄水の供給が行われ、これに続いて大きな流
量の洗浄水が放出され、先の例と同様に第2トラップ1
eの封水を先行させた後に、排水路1d内の空気がブー
ス8内に吸引されることになり、サイホン現象の負圧支
援が効果的に行われる。
【0099】また、引張りのスプリング56を備えたこ
とによって、操作ハンドル7を急激に回しても、排水弁
体54は閉じる方向に付勢されているので緩やかな開弁
動作が可能である。このため、孔55aを開くときの弁
開度の速さも遅くすることができ、第2トラップ1eの
封水が十分に完了した時点での空気の吸引が可能とな
り、負圧支援の効果が更に向上する。
【0100】図14から図17はスピンドル7aの回転
を適切に操作することによって第2トラップ1eの先行
封水及びこれに続く負圧支援を可能とする例である。
【0101】図14及び図15は手動式のハンドル7を
備えたスピンドル7aにモータ7cを接続すると共にこ
のモータ7cの出力軸とスピンドル7aとの間に電磁ク
ラッチ7dを介装した例である。
【0102】モータ7c及び電磁クラッチ7dは専用の
操作盤又はリモートコントローラのスイッチ(図示せ
ず)によって操作可能とし、従来から行われているよう
に、制御系によって通電時に電磁クラッチ7dがモータ
7cの出力軸とスピンドル7aとを機械的に連接して回
転を伝達し、通電が停止すると電磁クラッチ7dが切れ
てスピンドル7aは自由となり玉鎖7bに連結した排水
弁体5bの自重によって閉弁するときに連動して元の位
置に戻る構成としたものである。
【0103】このようなモータ7d及び電磁クラッチ7
dを備えていれば、洗浄の初期で短い時間通電した後に
通電を一旦停止させるように操作すると、スピンドル7
aは小さい角度回転して排水栓5を少し開き、その後自
重によって閉弁する。そして、再度通電を開始して継続
させると、スピンドル7aの回転角度が大きくなって排
水栓5を全開にすることができ、大流量の洗浄水を供給
することができる。
【0104】なお、スピンドル7aには手動式の操作ハ
ンドル7を備えているので、停電のときには初期流量が
小さくなるような要領で操作すればよい。
【0105】図16はモータ7c及び電磁クラッチ7d
に対する通電のタイムチャートであり、同図の(a)で
はスイッチオンによって電磁クラッチ7dがオンし、そ
の後又は同時にモータ7cへ短時間通電された後に一旦
停止しその後再起動する。また、同図の(b)はスイッ
チオンによってモータ7dがオンし、その後又は同時に
電磁クラッチ7dに短時間通電された後に一旦停止しそ
の後再起動される。
【0106】このようなタイムチャートのいずれにおい
ても、開弁操作の初期で流路が開かれて短時間経過した
後に一旦閉じられ、その後所定の時間排水栓5が開く動
作となる。このため、洗浄の初期に供給される洗浄水の
量は小さく、その後一気に洗浄水タンク2から放出さ
れ、先の例と同様に第2トラップ1eの先行封水とその
後の良好な空気吸引によるサイホンの負圧支援が可能と
なる。
【0107】図17の例はハンドル7に備える駆動歯車
7e及びスピンドル7aに設ける被動歯車7fによって
第1トラップ1eの先行封水を可能とする例である。
【0108】同図の(a)において、洗浄水タンク2に
固定するブラケット7gに対して操作ハンドル7がその
枢軸を回転自在に連接されると共に、このブラケット7
gにスピンドル7aを回転自在に貫通して設けている。
操作ハンドル7の駆動歯車7eはスピンドル7aに設け
た被動歯車7fに噛み合い、操作ハンドル7の回転がス
ピンドル7aの回転として伝達される。
【0109】駆動歯車7eには、同図(b)に示すよう
に、その歯の一部を切除した切欠7e−1を設け、この
切欠7e−1部分では被動歯車7fに回転を伝達しない
ようにする。
【0110】同図の(c)から(e)は駆動歯車7eの
回転角度による被動歯車7fの動作を示す概略図であ
り、同図の(c)は操作する前の状態を示す。
【0111】洗浄水を供給するとき操作ハンドル7を回
すと、同図(c)において駆動歯車7eが時計方向に回
転する。これによって、被動歯車7fも反時計方向に回
転してスピンドル7aによって玉鎖7bを引き上げ、排
水栓5を開いていく。そして、操作ハンドル7を或る角
度まで回すと、同図の(d)のように切欠7e−1が被
動歯車7fの位置に来るので、この切欠7e−1の角度
範囲の間だけ駆動歯車7eと被動歯車7fの噛み合いが
無くなる。このため、被動歯車7fは排水栓5側の自重
によってこれが閉じる方向に下降し、スピンドル7aは
初期の位置まで回転し被動歯車7fも一体に回転する。
したがって、操作ハンドル7を開弁操作した初期では、
或る一定期間だけ排水栓5が開きその後に一旦閉じる。
【0112】更に操作ハンドル7を回していくと、同図
の(e)のように切欠7e−1が被動歯車7f側から離
れて再び噛み合うようになり、スピンドル7aに回転が
伝達されて排水栓5がその最大弁開度まで開く。
【0113】このように駆動,被動歯車7e,7fを利
用する場合でも、開弁初期に少量の洗浄水をボール部1
aに供給することによって第1トラップ1eの先行封水
が行われ引き続いてブース8側へ空気が吸引され、サイ
ホンの負圧支援が良好に行われる。
【0114】図18は第2トラップ1eの先行封水を行
わせるための排水路1dの流路形状を示す縦断面図であ
る。
【0115】この図は図1のA−A線矢視位置による縦
断面であって、第2トラップ1eは通常の場合一点鎖線
で示すように円形ものが多いが、この例では優弧状の縦
断面形状を持つ本流路1e−1とこの本流路1e−1の
中央から上に立ち上げた流路面積が小さい副流路1e−
2とを備えている。
【0116】洗浄過程でないときは、同図の(a)のよ
うに洗浄水のレベルは本流路1e−1の上端側の壁より
少し低く、この間にエアギャップGができて空気の連通
を可能としている。そして、このエアギャップGは本流
路1e−1の中だけでなく、副流路1e−2によっても
空気の連通路を造っている。
【0117】ここで、洗浄水の供給開始の時点では、排
水路1dからの洗浄水によって第2トラップ1eは次第
に満水状態になっていく。このとき、副流路1e−2ま
で満水になれば第2トラップ1eは封水されることにな
るが、副流路1e−2の流路面積は本流路1e−2の形
状を一点鎖線のように延長したものよりも小さい。この
ため、副流路1e−2が水によって満たされるまでの時
間は短縮され、洗浄水の供給の開始から僅かの時間で第
2トラップ1eの封水が行われ、後続の負圧支援も確実
に達成される。
【0118】図19は排水路1dの負圧発生をボールタ
ップ4の作動によって支援する例である。
【0119】同図の(a)に示すように、ボールタップ
4の内部にはフロート4bを連結したレバー4cに連動
するダイアフラム式の弁機構が組み込まれる。この弁機
構はスプリング4d−1により外側へ向けて付勢された
プランジャ4dと、弁座4eと接離可能なダイアフラム
式の弁体4fを備えたものである。
【0120】プランジャ4dはボールタップ4に開けた
小孔4a−2を開閉可能に接離し、弁体4fに開けた小
孔4f−1によって一次側に連通する圧力室を外気に開
放可能である。すなわち、プランジャ4dが図において
右側へ移動すると、小孔4a−2が開いて圧力室が外気
に開放され、これによって圧力室の内圧が低下して一次
側の圧力によってダイアフラム式の弁体4fが右に押さ
れ、弁座4eから離れて開弁し、下に向けて配管した放
出管4a−1から水が洗浄水タンク2の底部側に供給さ
れる。逆に、プランジャ4dが左に移動して小孔4a−
2が閉じられると、小孔4a−1からの一次側水の流入
により圧力室の容積が大きくなるようにダイアフラム式
の弁体4fが左に移動し、弁座4eに着座して流路を閉
じる。
【0121】レバー4cは、同図の(c)に示すよう
に、ボールタップ4の本体部から突き出した2本のブラ
ケット4gの外側に周り込む二股状のアーム4hを備
え、これらのアーム4hに枢軸4iを架け渡してその外
周にカム4jを一体に固定したものである。
【0122】枢軸4iはブラケット4gに対してその軸
線方向にシフト可能であり、ブラケット4gに対してレ
バー4cは枢軸4iの軸線方向に動く。また、カム4j
と一方のブラケット4gの間であって枢軸4iの周りに
はスプリング4kを組み込むと共に、一方のブラケット
4gの外側面には突起4g−1を設け、これを一方のア
ーム4hの内面に突き当て可能とする。
【0123】カム4jの周面には、外郭が膨らんだ第1
摺動面4j−1とこれよりも凹んだ第2摺動面4j−2
をそれぞれ設け、これらの第1,第2摺動面4j−1,
4j−2にプランジャ4gを突き当て可能とする。
【0124】同図の(a)及び(b)はフロート4bが
上昇して洗浄水タンク2が最大水位のときであり、この
時点ではプランジャ4dがカム4jの第1摺動面4j−
1に突き当たる位置関係とする。すなわち、この状態で
は、ブラケット4gにアーム4hが重なり合わず突起4
g−1がアーム4hの内壁に突き当たらない。このた
め、スプリング4kは伸びて固定位置にあるブラケット
4gに対して枢軸4iが同図(b)において右斜め下方
向に付勢してレバー4cをシフトしている。
【0125】洗浄水タンク2の排水栓5を開く操作をす
ると、内部水位の低下によってフロート4bが下降して
レバー4cが同図(c)の姿勢へと変わっていく。この
とき、レバー4cのアーム4hがブラケット4gを挟み
込むようになり、その突起4g−1が片方のアーム4h
の内壁に突き当たるようになる(同図(d)参照)。こ
のため、ブラケット4gに対して軸線方向に移動可能な
枢軸4iは同図(c)に示すように固定位置にあるブラ
ケット4gに対して図において左斜め上に移動する。し
たがって、カム4jとプランジャ4dとの位置関係が変
わり、プランジャ4dは第2摺動面4j−2と突き当た
るようになる。
【0126】ここで、先に述べたように、プランジャ4
dが図12の(a)において右側に移動することによっ
て、圧力室をパイロット弁としてダイアフラム式の弁体
4fが開弁する。これに対し、洗浄水の水位の低下の開
始時点では、プランジャ4dはカム4jの第1摺動面4
j−1に当たったままなので、プランジャ4dは同図
(a)の位置と変わらず、したがって弁体4fは開弁し
ないままに保持される。そして、フロート4bが下降を
始めて或る時点以降からは第2摺動面4j−2にプラン
ジャ4dが当たるようになり、プランジャ4dは同図
(a)において右側へ移動して小孔4a−2を開き、こ
れによって弁体4fが開弁して放出管4a−1から洗浄
水タンク2に給水される。
【0127】このように、排水栓5が開いて便器本体1
へ洗浄水が供給された直後ではボールタップ4からの給
水はなく、この時点から遅れて洗浄水タンク2に給水さ
れてその水位が上昇していく。すなわち、ブース8内の
水位低下が十分に起こった後で、洗浄水タンク2への本
格的な給水が行われ、洗浄初期では洗浄水タンク2内の
水位が直ぐに上がらず、ブース8内の水も十分に下降し
て空気の吸引が速やかに行われ、負圧の発生度が弱まる
ことがない。したがって、本実施例のボールタップ4を
備えることにより、洗浄初期における排水路1dからの
空気が確実に吸引され、サイホン現象の負圧支援が効率
的に行われる。
【0128】また、洗浄水タンク2へのボールタップ4
からの給水によって洗浄タンク2内の水位が上昇してい
き、これに伴ってフロート4bも上昇してレバー4cを
図19の(c)から(b)の向きへ変えていく。このと
き、レバー4cの角度が図19の(d)のように突起4
g−1がアーム4hから抜けるまでにならないと、プラ
ンジャ4dは第2摺動面4j−2に当たったままであ
り、小孔4a−2は開放された状態に維持される。そし
て、突起4g−2がアーム4hから抜けると、プランジ
ャ4dは第1摺動面4j−1側に移るので、小孔4a−
2は閉じられ圧力室内の圧力が上昇し、これによって弁
体4fが閉じる。このように、ボールタップ4は初期の
閉弁状態に戻るときに、水位の上昇がその最大レベルと
なるまでの途中で閉弁することのない洗浄水の供給が行
われる。
【0129】図20は第2トラップ1eが最初から封水
されている方式の水洗便器に対応可能とした流路構成を
示す要部の縦断面図である。
【0130】排水路1dには第2トラップ1eを通らな
い別のバイパス路1hを設け、第2トラップ1eよりも
下流側に開閉弁1iを設ける。このバイパス路1hは第
2トラップ1eの山の頂点部よりも少し低い位置で流路
を接続したものである。開閉弁1iは外部からの操作に
よって開閉動作可能としたものとし、洗浄水の供給開始
のときにバイパス路1hを閉じ、サイホン発生時に再び
開く動作を行う構成であればよい。また、これに代え
て、洗浄初期において空気が排水路1dからブース8内
へ吸引されるときに閉じるように開閉弁1iを構成した
ものとしてもよい。
【0131】この例では、第2トラップ1eは最初から
封水されているが、バイパス路1hによって結局は排水
路1d側と排水口1f側とは連通しているので、先に説
明したように、第2トラップ1eの下流で負圧が発生し
ても第1,第2トラップ1c,1eの封水がなくなるこ
とはない。そして、洗浄水が供給されるときのタイミン
グに合わせて開閉弁1iが閉じるように操作すれば、第
1トラップ1cと第2トラップ1eの間の空気が吸気管
9側に押し出され、排水路1d内でのサイホン現象の負
圧支援が可能となる。
【0132】なお、排水路1dから排水口1fまでを合
成樹脂製のトラップ管として別体に製作してこれを第1
トラップ1c側の流路と接続するようにすれば、陶器製
の便器本体1にバイパス路1hを形成するよりも製造も
簡単で精度も良いものが得られる。
【0133】以上の各例では洗浄開始後に排水路1d内
の空気を吸気管9からブース8内に導いて排水路1dを
負圧にしてサイホン現象を効果的に起こさせるようにし
ている。このとき、吸引される空気は封水されている第
1トラップ1cの下流側にあるので、汚水や汚物の臭い
を含みやすい。このため、ブース8に吸引した空気から
の異臭が漏れ出ないようにすることが必要である。
【0134】図21はこのような異臭の漏れを防ぐ構造
の一例を示す要部の切欠正面図である。
【0135】図において、下端部のみを開放したブース
8が洗浄水タンク2の左側に配置され、その中に先の例
と同様に排水路1dに連通する吸気管9を立ち上げてい
る。洗浄水タンク2の底壁は、ブース8を組み込む部分
を下に凹ませた形状を持ち、ブース8の下端に開ける開
口8aの上端の開口縁を排水栓5による止水水位よりも
下レベルに位置させる。
【0136】すなわち、洗浄水タンク2内の洗浄水が全
て排出されボールタップ4からの給水がないときには、
残った洗浄水のレベルは排水栓5の弁座筒5aの最も低
い側の上端に一致する。したがって、このレベルよりも
低い位置にブース8の下端の開口8aを位置させておけ
ば、この開口8aは常に洗浄水の中に浸漬されて封水さ
れる。
【0137】このようにブース8の下端側に設ける開口
8aと残留する洗浄水のレベルを先のような位置関係と
することによって、吸気管9から吸引されたブース8内
の空気は外に漏れ出ることはなく、異臭の放散がなくな
る。実際には、洗浄水の供給開始と同時または少し遅れ
てボールタップ4からの給水が行われるので、洗浄水の
レベルの低下は図示の程度には下がらない。しかしなが
ら、ボールタップ4が何らかの原因で作動しなくなった
場合には、洗浄水のレベルが弁座筒5aの上端まで下が
ることがあるので、このことを想定するとブース8の下
端を予想される最低水位よりも下げることは有効であ
る。
【0138】図22は異臭の漏れ出しを防ぐ別の例を示
す要部の側面縦断面図である。
【0139】この例では、吸気管9がホース10に接続
される短管9cとこれに連結した接続管9dによって構
成されている。このような2本の管9c,9dを接続す
る必要性としては、たとえば便器本体1の排水路1dか
ら一体に吸気管を立ち上げ、その長さを補うために接続
管9dをこれに連結する等の場合である。
【0140】短管9c及び接続管9dの連結部分は、洗
浄水を供給した後の通常の最低水位よりも少し低いレベ
ルとなるように設定する。これにより、短管9cと接続
管9dの連結やシールに不具合を生じても、この連結部
分は常に洗浄水に浸漬されているので、吸引空気は洗浄
水を抜けてブース8内に至るだけである。そして、ブー
ス8の開口8aの高さも洗浄水の水位より低くすること
によって、ブース8内に抜けた空気は外部に対して水封
され、外へ漏れ出ることはない。
【0141】図23は異臭の漏れ出しを防ぐための更に
別の例を示す要部の側面縦断面図である。
【0142】この例は、便器本体1の排水路1dの外壁
から吸気管1jを一体にして立ち上げ、これを洗浄水タ
ンク2内のブース8の中に差し込んだものである。
【0143】便器本体1は陶器製であるため、吸気管1
jの高さ寸法には制限を受けるので、洗浄水の貯水レベ
ルも余り高くできない。このため、洗浄水タンク2は図
示のように便器本体1に一体物としたものであれば、吸
気管1jの高さを適切なものとすることができ、陶器製
であってもその製造には何らの支障もない。
【0144】このような吸気管1jを備えるものでは、
先の例のように吸気管9と排水路1dとをホース10で
接続する必要がないので部品点数が少なくなり、コスト
面での改善が図られ且つ組立てがきわめて容易になる。
また、ホース10等による接続に比べると、継ぎ目部分
がないので異臭の漏れ出しは全くなく、製品として好適
である。
【0145】なお、便器一体型の吸気管1jを用いると
き、洗浄水タンク2の横断面積を拡大できずに高さで賄
う以外にないときには、図22で説明したような接続管
を連結することで対応できる。そして、この連結部分に
対しては先に述べたブース8内での封水シールを適用す
れば洗浄水タンク2からの異臭の漏れ出しはない。
【0146】以上のような異臭の漏れの防止構造のほ
か、洗浄水タンク2及び蓋3が陶器製であることを利用
してこれらにブースを一体に成形し、このブースからの
空気の漏れを確実に防止する構造とすることもでき、図
24にその例を示す。なお、このような一体成形品とす
ることで、吸気管1jを便器本体1と一体に成形する場
合と同様に部品点数の減少,コスト削減及び組立ての簡
略化が可能となる。
【0147】図24の(a)は洗浄水タンク2の内部に
ブース2bを一体に成形した例の切欠斜視図である。
【0148】ブース2bは、洗浄水タンク2の左側の側
壁から中央側に突き出した天板2c及びこの天板2cの
縁から下に向けて伸ばした側板2dによって形成された
ものである。天板2c及び側板2dは洗浄水タンク2の
前後方向の全長に形成され、側板2dと洗浄水タンク2
の底面との間には隙間2eを開ける。
【0149】このようなブース2bの形成は、泥漿によ
る陶器製品の上型及び下型を用いた製造では極めて簡単
であり、洗浄水タンク2の周壁の一部を利用して下端側
のみを洗浄水タンク2の内部に連通させた空間を造るこ
とができる。
【0150】吸気管9は先の各例と同様にブース2bの
中に立ち上げられ、洗浄時にはこのブース2b内の水位
の低下によって便器本体1の排水路1dから空気が吸引
される。そして、ブース2bは洗浄水タンク2と一体で
あることから、隙間2eより下に洗浄水の水位が下がら
ない限り、吸引した空気が抜けることがなく、異臭の漏
れが防止される。
【0151】同図の(b)は、蓋3の下面にたとえば四
角形の開口横断面を持つようにブース3aを形成した例
である。このブース3aは蓋3の下面から下に突き出る
4辺の周壁によって形成され、その下端を洗浄水タンク
2の底面と距離をおいたものである。
【0152】この例でも、蓋3は陶器製であることか
ら、下端部が水封されてさえいればブース3a内の密閉
が高く維持され、洗浄時に吸引した空気の漏れ出しが防
止される。そして、いずれの例においても、洗浄水タン
ク2やその蓋3の一部をブース2b,3aとして形成す
るので、他の部品をブース用として用意する必要がなく
また組立ても省略できるので、コスト低減に有効であ
る。
【0153】一方、排水路1dからの空気の吸引によっ
てサイホンの負圧支援を行う場合、汚水や洗浄水の流れ
が速やかであるほうが、生じたサイホン現象による排出
も良好になることは当然である。たとえば、図1に示し
たような排水路1d,第2トラップ1e及び排水口1f
までの流路形状の場合、第2トラップ1eから排水口1
fまでの勾配はかなり大きい。このような勾配は、サイ
ホンによる汚水及び洗浄水の流れに対する抵抗として作
用するので、勾配をできるだけ小さくすることが好まし
い。
【0154】図25はこのような要求に応える便器本体
1の構造の一例を示す縦断面図である。
【0155】先の図1のものと相違は、第1トラップ1
cが下流側に向かう上向きの傾斜が緩やかであり、第2
トラップ1eの底部から排水口1fの真上の頂点部まで
の傾斜も緩やかである点である。そして、このように流
路内の傾斜を緩やかにしたことで、ボール部1aから第
2トラップ1eまでの平面距離が長くなる。したがっ
て、この距離の延長を利用することで、第2トラップ1
eから排水口1fまでの平面距離を長くとれ、図示のよ
うに第2トラップ1eの底部から排水口1fの真上部分
までの排出流路1kを緩やかな上向きの傾斜として形成
できる。
【0156】このように第1,第2トラップ1c,1e
のそれぞれの流線の曲がりを緩やかにすれば、洗浄開始
時の吸気管9からの空気吸引によって生じるサイホン現
象による流動化の抵抗が減る。このため、サイホンによ
る確実な汚水及び洗浄水の排出が可能となる。
【0157】更に、先の各例で説明した便器本体1は陶
器製であることから、製造された製品の形状や寸法精度
には或る程度の限界がある。特に、第2トラップ1eで
は通常時では封水されることは許されないので、エアギ
ャップGを造る流路の最も低い面と溜水面との距離は陶
器の寸法交差を考慮して必要量よりも大きめにとること
になる。すなわち、流路の内壁が封水レベルに近づくよ
うな製造誤差を生じる恐れがあるので、予めその誤差を
大きめに見越して溜水面との間が開くような製造で対応
している。したがって、先に説明したエアギャップGが
大きくなる傾向となり、洗浄開始後の第2トラップ1e
の水封に必要な時間が余計にかかってしまう。
【0158】これに対し、図26に示すように、第1ト
ラップ1c及び接続座1g部分までを陶器によって製作
し、その下流に合成樹脂製のトラップ管20を接続する
構成とすれば、先の問題が解消される。
【0159】トラップ管20は第2トラップ21を中途
に形成してその終端を排水口22としたものであり、流
路の基本的な形状は図1に示したものと同様である。
【0160】トラップ管20を合成樹脂製としたことに
よって、陶器製の場合よりも寸法精度を上げることがで
き、封水面とのエアギャップGの間の寸法も適正なもの
が製造できる。このため、洗浄開始から第2トラップ2
1の封水までの時間も適切に短縮されたものとすること
ができ、吸気管9を利用したサイホンの負圧支援が効果
的に行われる。また、エアギャップGの寸法が小さくな
るので、洗浄初期に第2トラップ1eの封水に必要な洗
浄水の量も少なくて済み、節水も図られる。
【0161】更に、図27は合成樹脂製のトラップ管2
0の別の例を示すものである。
【0162】この例では、トラップ20は第1トラップ
1cからの斜め上がりの流路の頂点部から排水口22ま
での流路を形成し、先の例で示した接続座1gに代えて
吸気管9をこのトラップ管20に直接差し込んで連結す
る構成としている。すなわち、トラップ管20には、吸
気管9の位置に対応して接続管20aを立上げ、これに
吸気管9の下端を差し込んでシール接合している。
【0163】このような接続管20aを予め設けておく
ことによって、現場での据え付け作業では、便器本体1
の設置が済んでから洗浄水タンク2をこの便器本体1の
上に載せてセットすることが多いので、洗浄水タンク2
の組付けの際に接続管20aを簡単に目視確認できるの
で、吸気管9の接続忘れを防ぐことができる。
【0164】なお、合成樹脂製のトラップ管20を用い
る場合では、先に述べたように、たとえば図8に示した
ような開閉弁12を設けるものや図20のバイパス流路
1hを形成するようなものについて、その加工や成形の
面で好ましい。
【0165】
【発明の効果】本発明により以下の効果を奏する。
【0166】1)吸気路にはその流線が下に凹む部分が
ないので、負圧発生時に水が吸い込まれるようになって
も、トラップが生じることはなく、負圧を減衰させるこ
とがない。
【0167】2)ホースと吸気管との接続を利用するこ
とで、トラップの発生のない吸気路が簡単に形成でき
る。
【0168】3)ブース内の洗浄水の最大水位から最低
水位までの変化分に相当するブース内部容積が第1,第
2トラップの溜水面の間の排水路の内容積に等しいか又
は大きくすることで、排水路の空気の全てを吸引でき、
強力なサイホン作用を発生させることができる。
【0169】4)吸気路の上端をフロートで塞ぐように
すると、排水路の空気が吸引された後には閉じられるの
で、排水路中の水が吸引されることがなく、サイホン作
用を効果的に発生させることができる。また、フロート
を中空状とし水面によって区画された内部容積を第1,
第2トラップの溜水面の間の内容積に等しいか又は大き
くすることで、3)と同様に強力なサイホン作用が得ら
れる。
【0170】5)排水路内の内部流れによって吸気路側
への流路を閉じる開閉弁により、洗浄初期の空気の吸引
後での水のブース側への流れ込みがなくなり、負圧の発
生度を高く維持できる。
【0171】6)洗浄の開始後に最初は小流量の流れと
しこれに続いて大きな流れとすることで、第2トラップ
の先行封水が可能となり、排水路内の空気を密閉しなが
らブースに良好に吸引することができ、サイホンの負圧
支援の確実性が向上する。
【0172】7)洗浄開始後におけるボールタップから
の給水や排水路への洗浄水の供給を遅れて実行させるこ
とでも、同様にサイホンの負圧支援が確実になる。
【0173】8)ブースの下端側の開口部が洗浄水タン
クの最低水位よりも低いレベルとすることで、ブース内
は常に封水され、異臭の放散がなくなる。
【0174】9)排水路に吸気管を一体に設けること
で、吸気路に継ぎ目がなくなり、吸引空気の漏れが防止
され異臭の放散がなくなる。
【0175】10)洗浄水タンク又は蓋にブースを一体
に備えることで、吸引した空気を封水と共に完全密閉で
きるほか、部品点数の削減によるコストの低減や組立て
の簡略化が可能となる。
【0176】11)第2トラップから排水口までの流路
の傾斜を緩やかにすることで、洗浄水の流れの抵抗が抑
えられ、サイホン現象の助長が促される。
【0177】12)第2トラップを合成樹脂製とすれ
ば、高い寸法精度の下でエアギャップを小さくでき少量
の洗浄水での封水が可能となる。
【0178】13)排水路の中途から第2トラップの封
水部の下流にバイパス路を備えることで、第2トラップ
にエアギャップを持たせることが不要となるほか、洗浄
初期の少ない流量でのシールが速やかに行われ、サイホ
ン現象を確実に発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水洗式便器の要部を示す縦断面図であ
る。
【図2】図1の水洗便器の切欠正面図である。
【図3】図1の水洗便器の平面図であって洗浄水タンク
の蓋を除いて示す図である。
【図4】洗浄の開始時点での洗浄水の流れ及び空気の吸
引を示す縦断面図である。
【図5】排水路が満水になってサイホン現象による洗浄
水の流動を示す縦断面図である。
【図6】洗浄の終了過程を示す縦断面図である。
【図7】ブースに吸気管の上端を開閉するフロートを備
えた例であって、同図の(a)は要部の側面縦断面図、
同図の(b)は要部の切欠斜視図である。
【図8】排水路の接続座を開閉する開閉弁を備えた例で
あって、同図の(a)は非洗浄期及び洗浄初期での開弁
状態を示し、同図の(b)は通水による閉弁状態を示
す。
【図9】接続座に専用のプラグを着脱する例を示す要部
の縦断面図である。
【図10】吸気管の上端を曲げ管として洗浄初期での第
2トラップの先行封水を可能とする例であって、同図の
(a)は洗浄前の概要及び同図の(b)は洗浄開始後で
あって空気の吸引を開始した時点の概要を示す。
【図11】吸気管の上端を曲げ管とした別の例を示す要
部の概略図である。
【図12】洗浄初期の供給水量を絞る動作を可能とした
排水栓の構造を示す概略斜視図である。
【図13】図12と同様の機能を持つ排水栓の別の例を
示す概略斜視図である。
【図14】モータ及び電磁クラッチによってスピンドル
の回転を制御する機構を示す要部の縦断面図である。
【図15】図14の機構とスピンドルの連接を示す概略
斜視図である。
【図16】図14及び図15の操作機構の動作のタイム
チャートであって、洗浄初期でのボール部への洗浄水量
を小さくする例を示す図である。
【図17】歯車機構によって洗浄初期での洗浄水量を絞
る例であって、同図の(a)は操作ハンドルからスピン
ドルまでの連接構造を示す概略斜視図、同図の(b)は
駆動及び被動歯車の詳細を示す正面図、同図の(c)か
ら(e)は駆動歯車の回転によるスピンドルの動作を説
明する図である。
【図18】第2トラップの先行封水を可能とするギャッ
プ部分の流路の縦断面図であって、同図の(a)は非洗
浄時及び同図の(b)は洗浄初期での封水状態を示す。
【図19】ボールタップによって洗浄初期での洗浄水タ
ンクへの給水を遅延させる例であって、同図の(a)ば
ボールタップの要部の縦断面図、同図の(b)は洗浄水
タンク内満水時のカムの姿勢を示す斜視図、同図の
(c)は水位低下時のカム及びレバーの姿勢を示す斜視
図、同図の(d)はブラケットの突起とアームとの係合
を示す概略平面図である。
【図20】第2トラップを完全封水式とした場合にバイ
パス流路を設ける例を示す要部の縦断面図である。
【図21】ブースの開口のレベルを排水栓による止水レ
ベルより低くした例を示す要部の切欠正面図である。
【図22】吸気管を2分割としたときのブース内での封
水接続構造の例を示す要部の側面縦断面図である。
【図23】便器本体に吸気管を一体に成形してこれを洗
浄水タンクのブース内に位置させた例を示す要部の縦断
面図である。
【図24】ブースの構造の別の例であって、同図の
(a)は洗浄水タンクの蓋にブースを一体成形したも
の、同図の(b)は洗浄水タンクにブースを一体成形し
たものを示す。
【図25】第1,第2トラップの勾配を緩やかにしサイ
ホン現象を更に誘発しやすいようにした便器の構造を示
す縦断面図である。
【図26】第2トラップ用のトラップ管を合成樹脂によ
って成形したものを便器本体に接合した例を示す要部の
縦断面図である。
【図27】合成樹脂製のトラップ管によって第2トラッ
プ及び吸気管への接続管を一体に成形したものを便器本
体に接合した例を示す要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 便器本体 1a ボール部 1c 第1トラップ 1d 排水路 1e 第2トラップ 2 洗浄水タンク 3 蓋 4 ボールタップ 5 排水栓 6 オーバーフロー管 7 操作ハンドル 8 ブース 8a 開口 9 吸気管 10 ホース 11 フロート 12 開閉弁 13 プラグ 20 トラップ管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緒方 研一 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−72542(JP,A) 特開 昭51−101351(JP,A) 実開 平6−79877(JP,U) 実開 平2−33866(JP,U) 実開 平2−50478(JP,U) 実開 平5−57080(JP,U) 実公 平2−18133(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03D 11/02

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便器本体のボール部の下流に第1トラッ
    プ,排水路,第2トラップ及び排水口を洗浄水の流れ方
    向に順に形成すると共に前記第2トラップの溜水面と流
    路内壁との間にエアギャップを備え、前記便器本体に操
    作手段によって開閉する排水栓を備えて前記ボール部に
    洗浄水を供給する洗浄水タンクを付設し、前記排水路に
    連通し且つ前記洗浄水タンクの内部に至る吸気路を設
    け、前記洗浄水タンクの内部に洗浄水によって常時封水
    されるブースを設け、更に前記吸気路を前記ブース内で
    あって前記洗浄水タンクの最大水位より高い位置まで延
    ばした水洗式便器であって、前記吸気路を前記排水路か
    ら前記ブース内まで連続する斜め上又は鉛直の流路とし
    てなる水洗式便器。
  2. 【請求項2】 前記吸気路は、前記排水路に接続するホ
    ースと前記洗浄水タンクを貫通して前記ブース内に上端
    を位置させ且つ下端を前記ホースに接続した吸気管とか
    らなる請求項1記載の水洗式便器。
  3. 【請求項3】 前記ブースは、該ブース内の洗浄水の最
    大水位から最低水位までの変化分に相当する内部容積が
    前記第1トラップの溜水面から第2トラップの溜水面の
    間の排水路の内容積に等しいか又は大きい容量を持つ請
    求項1記載の水洗式便器。
  4. 【請求項4】 前記吸気路の上端側に外挿され前記ブー
    ス内の水位に応じて昇降し上端をキャップとしたフロー
    トを備え、前記洗浄水タンク内の水位低下による前記フ
    ロートの下降により前記吸気路を前記キャップによって
    閉塞可能としてなる請求項1記載の水洗式便器。
  5. 【請求項5】 前記吸気路の上端側に外挿され前記ブー
    ス内の水位に応じて昇降し上端をキャップとして閉じた
    中空のフロートを備え、前記フロートの内部であって最
    大水位の水面によって区画された内部容積を前記第1ト
    ラップの溜水面から第2トラップの溜水面の間の排水路
    の内容積に等しいか又は大きくしてなる請求項1記載の
    水洗式便器。
  6. 【請求項6】 前記排水路の内部に、洗浄水の内部流れ
    の圧力によって閉動作し前記吸気路への流路を遮断する
    開閉弁を備えてなる請求項1記載の水洗式便器。
  7. 【請求項7】 前記吸気路の上端を下側に曲げた曲げ流
    路とし、前記洗浄水タンク内が満水レベルのとき、前記
    曲げ流路の流路端を浸漬させてなる請求項1記載の水洗
    式便器。
  8. 【請求項8】 前記排水栓は、前記洗浄水タンクの底部
    を貫通して前記ボール部に連通する筒状の弁座筒と、前
    記操作手段に連接され前記弁座筒の中まで入り込み可能
    なコーン状の排水弁体とからなる請求項1記載の水洗式
    便器。
  9. 【請求項9】 前記排水栓は、前記操作手段に連接され
    た第1の弁体と該第1の弁体に連接された第2の弁体と
    を備え、これらの第1,第2の弁体を前記第1の弁体の
    先行開弁の後に前記第2の弁体の開動作が可能に連接
    し、前記第2の弁体による流路開度を前記第1の弁体の
    それよりも大きくしてなる請求項1記載の水洗式便器。
  10. 【請求項10】 前記排水栓の操作手段は、前記排水栓
    に連鎖材によって連接したスピンドルと、該スピンドル
    を回転駆動するモータと、該モータと前記スピンドルと
    の間に介装した電磁クラッチとを備え、前記モータと電
    磁クラッチを、前記排水栓の開動作が初期開弁,一時閉
    弁及び最大開度開弁の順となるように制御する系を備え
    てなる請求項1記載の水洗式便器。
  11. 【請求項11】 前記排水栓の操作手段は、前記排水栓
    に連鎖材によって連接したスピンドルと、該スピンドル
    に設けられた被動歯車と、該被動歯車に噛み合う駆動歯
    車を備えた操作ハンドルとを備え、前記被動歯車及び駆
    動歯車の少なくとも一方はその歯列を部分的に除いた切
    欠を備え、該切欠が開弁操作の開始後であってその直後
    に相手の歯車の歯列に臨む姿勢に前記操作ハンドルの姿
    勢を設定してなる請求項1記載の水洗式便器。
  12. 【請求項12】 前記排水路から第2トラップ部にかけ
    ての内部流路であって、前記第2トラップの溜水面との
    間にエアギャップを造る流路を、下部側に流路断面が大
    きな本流路とすると共に上部側を流路断面を絞った副流
    路としてなる請求項1記載の水洗式便器。
  13. 【請求項13】 前記洗浄水タンク内に水位の低下によ
    って給水路を開くボールタップを備え、該ボールタップ
    は前記水位の低下に遅延して前記給水路を開く弁機構を
    備えてなる請求項1記載の水洗式便器。
  14. 【請求項14】 前記ブースの下端側であって前記洗浄
    水タンクとの連通部を、前記排水栓の弁座の最低レベル
    よりも下側に位置させてなる請求項1記載の水洗式便
    器。
  15. 【請求項15】 前記便器本体を陶器製とし、前記吸気
    路を、前記排水路を形成する外壁から一体に上に向けて
    形成され前記洗浄水タンク内に伸びる吸気管としてなる
    請求項1記載の水洗式便器。
  16. 【請求項16】 前記洗浄水タンクを陶器製とすると共
    に、周壁の一部を利用して内部を中空状に区画する横断
    面形状を持ち、且つ上端を閉じると共に前記洗浄水タン
    クの底面との間に隙間を持たせた空洞部を前記ブースと
    してなる請求項1記載の水洗式便器。
  17. 【請求項17】 前記洗浄水タンクの上面に被さる蓋の
    下面に、前記洗浄水タンクの底面との間に隙間を持つ長
    さの中空構造を前記ブースとしてなる請求項1記載の水
    洗式便器。
  18. 【請求項18】 前記第2トラップから前記排水口にか
    けてを、前記第2トラップの底から斜め上傾斜の直線状
    とすると共にその終端から下に向けて前記排水口に臨む
    流路断面としてなる請求項1記載の水洗式便器。
  19. 【請求項19】 前記排水路から前記第2トラップ及び
    排水口までを合成樹脂製のトラップ管によって形成して
    なる請求項1記載の水洗式便器。
  20. 【請求項20】 前記排水路から前記第2トラップ及び
    排水口までを合成樹脂製のトラップ管によって形成し、
    該トラップ管に前記吸気路と連通接続するための接続管
    を一体に備えてなる請求項1に記載の水洗式便器。
  21. 【請求項21】 便器本体のボール部の下流に第1トラ
    ップ,排水路,第2トラップ及び排水口を洗浄水の流れ
    方向に順に形成し、前記便器本体に操作手段によって開
    閉する排水栓を備えて前記ボール部に洗浄水を供給する
    洗浄水タンクを付設し、前記排水路に連通し且つ前記洗
    浄水タンクの内部に至る吸気路を設け、前記洗浄水タン
    クの内部に洗浄水によって常時封水されるブースを設
    け、更に前記吸気路を前記ブース内であって前記洗浄水
    タンクの満水レベルより高い位置まで延ばした水洗式便
    器であって、前記排水路の中途から前記第2トラップの
    封水部よりも下流までの間にバイパス路を設け、該バイ
    パス路の入口又は出口の少なくとも一方に、洗浄水供給
    時に閉弁し且つサイホン発生時には開弁する開閉弁を備
    えてなる水洗式便器。
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