JP3216846B2 - 水洗式便器 - Google Patents

水洗式便器

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JP3216846B2
JP3216846B2 JP20084993A JP20084993A JP3216846B2 JP 3216846 B2 JP3216846 B2 JP 3216846B2 JP 20084993 A JP20084993 A JP 20084993A JP 20084993 A JP20084993 A JP 20084993A JP 3216846 B2 JP3216846 B2 JP 3216846B2
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敏文 米田
吉喜 太田
一夫 松井
克行 末廣
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東陶機器株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サイホン作用によって
洗浄水と共に汚水・汚物を排出する水洗式便器に係り、
特にトラップ流路の内部空気を外部に放出して流路内を
減圧することにより封水の速やかな排出を可能とした便
器に関する。
【0002】
【従来の技術】水洗式腰掛け便器は、ボール部から排出
口までの間に設けるトラップ内の封水の排出の形態によ
って各種のものに分類される。その中で、サイホン又は
サイホンジェット式のものはその洗浄能力が比較的高い
ため、一般に広く利用されている。
【0003】この方式の水洗便器では、便器の本体に一
体のロータンクやフラッシュバルブ等から洗浄水を供給
したとき、トラップの封水が下流側に押し出され、この
ときのサイホン現象を利用して供給した洗浄水を汚物と
共に一気に洗い流すことができる。
【0004】このようなサイホン又はサイホンジェット
式の水洗便器において、たとえば特開昭51−1035
1号公報に記載のように、洗浄水タンクとトラップより
も下流の流路とを吸気路によって連通させた構造とした
ものも従来から知られている。このような吸気路を持つ
ものでは、洗浄水タンクから洗浄水が便器本体へ放出さ
れるときの洗浄水タンクの内部圧力の低下によって、ト
ラップより下流の流路内の滞留空気が洗浄水タンクの中
へ吸い込まれ、これによって洗浄時のサイホン効果を促
進させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】洗浄水タンクの内部に
空気を吸引する構成では、便器側から吸引した空気は異
臭を含むので、これが洗浄タンクから外に漏れることは
好ましくない。これを防ぐために、たとえば下端の周壁
を部分的に開けた筒状の部屋を設けてその内部を空気の
吸引空間とし、洗浄水が減っても下端部の開いた部分を
水で封水することによって臭気の漏れを防ぐことができ
る。
【0006】一方、筒状の部屋の下端部が開いている部
分を余り小さくし過ぎると、洗浄開始時点でのその内部
の洗浄水の水位低下が遅くなり、空気の速やかな吸引及
びこれによるサイホンの支援に支障をきたす。このこと
から、筒状の部屋に開ける開口部は或る程度の高さを持
つものが好ましいといえる。したがって、異臭の放散の
防止とサイホン支援の両方を好適に維持するには、洗浄
水を全て送り出した後の水位は下端の排水栓のレベルよ
りも上にくることになる。
【0007】以上のことから、洗浄水タンクを利用して
空気吸引するものでは、洗浄水を送り出した後には、洗
浄水タンクには洗浄水の一部が残ったままとなる。した
がって、この残る洗浄水の量も含めた洗浄水の量を溜め
るのに必要な洗浄水タンクの大きさが必要となってその
小型化には限界があり、たとえばタンク一体型の便器等
への展開は難しい。
【0008】また、主としてパブリック用として設備さ
れるフラッシュバルブを洗浄水の供給に使うものでは、
洗浄水タンクのような負圧雰囲気を発生するものがフラ
ッシュバルブ自身にないこと等から、洗浄水の供給に合
わせてトラップから空気を吸引することはできない。
【0009】したがって、フラッシュバルブ方式の水洗
便器では、便器のトラップの形状によるサイホン作用の
促進に頼る以外になく、便器の高度な最適設計が要求さ
れることになる。
【0010】本発明において解決すべき課題は、たとえ
ば洗浄水タンクを大型化したりすることなく現状の機能
をそのまま活かしてサイホン発生の支援が行える水洗式
便器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、便器本体のボ
ール部の下流に第1トラップ,排水路,第2トラップ及
び排水口を洗浄水の流れ方向に順に形成すると共に前記
第2トラップの溜水面と流路内壁との間にエアギャップ
を備え、前記ボール部に前記便器本体の外部から洗浄水
を供給する供給路を備えた水洗式便器であって、前記供
給路に連通し該供給路を通過する洗浄水の流れによって
内圧降下が誘起される負圧発生機構を備え、前記排水路
に連通する吸気路を前記負圧発生機構に接続してなるこ
とを特徴とする。
【0012】負圧発生機構は、洗浄水の供給路に設けら
れて流路面積を縮小させたスロートと、このスロート部
分に連通するブースとを備え、吸気路はその流路端をブ
ース内に位置させると共に少なくともこの流路端を弾性
変形可能としてその内部容積をブースの内圧に応答して
可変とする構成とすることができる。
【0013】吸気路の流路端に、ブースの内部空間とは
区画された弾性変形可能なベローズを備えることがで
き、この場合吸気路から最大膨張変形時の流路端までの
流路の内部容積を、第1トラップと第2トラップのそれ
ぞれの封水面との間に造られる排水路内の内部容積にほ
ぼ等しくしたものとすることが好ましい。
【0014】また、供給路にフラッシュバルブを備え、
このフラッシュバルブの下流の流路にスロートを備える
ようにしてもよい。
【0015】フラッシュバルブとして電動式の開閉弁を
備えることができ、この場合洗浄初期において短時間開
弁した後に止水しその後再び開弁動作する制御の系を備
える構成とすることができる。
【0016】フラッシュバルブは、主弁とリリーフ弁と
を備えたピストンバルブ式であって、リリーフ弁を開動
作させるスピンドルにラックを備え、このラックに噛み
合う歯車を回転式の操作手段に連接し、歯車はその歯列
を部分的に切除した切欠を備えると共にこの切欠が開弁
操作の開始後であってその直後にラックの歯列に臨む姿
勢として操作手段に連接することもできる。
【0017】
【作用】洗浄水の供給路に連通する負圧発生機構は、洗
浄水が供給路を流れるときの増速を利用して連通部分を
減圧することができ、これによって排水路までに接続し
た吸気路を経由してこの排水路から空気を負圧発生機構
側に吸引することが可能となる。これにより、洗浄水の
供給に連動するように排水路からの空気の吸引が行わ
れ、ボール部からの洗浄水の流動時のサイホン作用の負
圧支援が可能となる。
【0018】供給路にスロートを設けてこの部分をブー
スに連通させることで、洗浄水の供給時にはブースの内
圧降下が得られ、ブースの中に位置する排水路からの吸
気路の流路端の容積は増大し、これによって排水路から
空気が流路端側に吸引可能となる。
【0019】吸気路の流路端に弾性変形可能なベローズ
を備えると、ブース内圧の変動に対応してこのベローズ
が拡大収縮変形し、排水路内の空気の給排が可能とな
る。
【0020】また、吸気路から最大膨張変形時の流路端
までの内部容積が、第1,第2トラップのそれぞれの封
水面の間の排水路の空間の内部容積にほぼ等しくしてお
けば、吸気路から流路端までは排水路内の空気のみで満
たされ、洗浄水が吸気路内に吸い込まれることがない。
【0021】供給路にフラッシュバルブを備え、このフ
ラッシュバルブの下流にスロートを設けると、フラッシ
ュバルブの開弁の時にブース内圧を降下させることがで
き、フラッシュバルブの開弁動作と排水路内からの空気
の吸引を連動させることができる。
【0022】フラッシュバルブとして電動式の開閉弁を
用いるときでも、開弁動作と空気の吸引を連動させるこ
とが可能である。そして、電動式の開閉弁を、洗浄初期
において短時間開弁させてエアギャップを先に封水さ
せ、その後に再び開弁動作するように制御することによ
って、エアギャップより下流側の空気の取り込みがなく
なり、負圧支援の度合いの低下が防がれる。
【0023】主弁とリリーフ弁とを備えたピストンバル
ブ式のフラッシュバルブの場合でも、同様に開弁動作と
空気の吸引の連動が可能である。そして、リリーフ弁を
作動させるスピンドルのラックと切欠を持つ歯車との関
係によって、操作の初期ではリリーフ弁のみを開いて小
流量の供給を行い、その後主弁を開くことで大流量の供
給を実行することで、電磁開閉弁の動作の場合と同様に
エアギャップの先行封水が可能となる。
【0024】
【実施例】図1は本発明の水洗式便器の一実施例を示す
縦断面図である。
【0025】図において、便器本体1のボール部1aの
上端周りにはリム通水路1bを形成し、その底壁にボー
ル部1aに洗浄水を放出する射水孔1b−1を開ける。
また、ボール部1aの底部には、第1トラップ1cを形
成すると共に下流へ向かうほぼ逆V字状の排水路1dを
備え、この排水路1dの終端部を第2トラップ1eとし
て排水口1fを下向きに開口させている。
【0026】なお、排水口は図示の床排水式のものに代
えて、たとえば実公平2−18133号公報に記載され
ているように、便器本体の背部側に延ばして排水口を開
放した壁排水式のものであってもよい。
【0027】第1トラップ1cによる封水レベルL
1 は、ボール部1aと排水路1dを完全に遮断する程度
であり、第2トラップ1eには封水面と流路内壁との間
で空気が通過可能なエアギャップGを残す程度の封水レ
ベルL2 を持たせる。このエアギャップGを設けていな
いと、第2トラップ1eの下流において何らかの要因に
より負圧が発生したときにサイホン現象が起こり、第
1,第2トラップ1c,1eの封水がなくなる恐れがあ
るからである。
【0028】便器本体1の上端側にはリム通水路1bに
連通する給水室1gを設け、これに給水管2を立ち上げ
て連結する。給水管2には建屋側から配管した給水本管
2aとの間に設けたフラッシュバルブ3を接続する。フ
ラッシュバルブ3は、従来から知られているように、操
作ハンドル3aを押すことによってピストンバルブ式の
主弁が開き、一定量の洗浄水を供給した後に主弁が閉じ
る構成を持つものである。
【0029】ここで、フラッシュバルブ3からの洗浄水
の供給が開始されるとき、封水レベルL1 から封水レベ
ルL2 までの排水路1d内の空気を外に出してやること
によって排水路1d内を負圧化し、洗浄水の流れのサイ
ホン現象の促進を支援するための空気吸引機構を設け
る。
【0030】この空気吸引機構として、適切な内容積を
持つブース4とこの中に収められ排水路1dに連通する
ベローズ5を備える。ベローズ5はその内部への空気の
出入りによって上下方向に収縮変形可能であり、定常状
態では図示のようにブース4のほぼ下半分を占める容積
を持つ。また、ベローズ5には下に向けて延ばしたコネ
クタチューブ5aを設け、このコネクタチューブ5aを
第1トラップ1cの封水レベルL1 より上の排水路1d
内に連通接続する。
【0031】一方、給水管2にはバイパス管6を接続
し、給水時にブース4の内部を負圧化するための減圧機
構を設ける。この減圧機構は、図2に示すように、バイ
パス管6の流路を絞ったスロート6aにブース4からの
接続管4aを連結したものである。
【0032】このような減圧機構を備えることで、フラ
ッシュバルブ3を作動させると、バイパス管6を通る洗
浄水がスロート6aで増速されてこの部分が減圧され、
これによってブース4内の空気がバイパス管6側へ吸引
され、ブース4の内部圧力が低下する。また、洗浄水の
供給が停止した後には、洗浄水は全て射水孔1b−1か
ら放出され、リム通水路1bからフラッシュバルブ3と
の接続端までの給水管2内は大気開放される。このた
め、ブース4内も大気圧となり、図1の定常状態に戻
る。
【0033】以上の構成において、図1に示すように第
1トラップ1cが封水され、第2トラップ1eにはエア
ギャップGができているとき、操作ハンドル3aを押し
てフラッシュバルブ3の主弁を開くと、供給管2から洗
浄水がリム通水路1bへ供給され、射水孔1b−1から
ボール部1aに放出される。これにより、図3に示すよ
うに、ボール部1a内に溜まっていた洗浄水が排水路1
dから第2トラップ1e側に押し出され、第2トラップ
1eが洗浄水によって封水される。このため、排水路1
d内の空気が封水によって密封される。
【0034】一方、バイパス管6を洗浄水が通過すると
き、そのスロート6a部分での流速の増加によってブー
ス4内の空気がスロート6a側に吸引される。このた
め、ブース4の内部圧力が次第に低下していき、このブ
ース4の内部とは区画された内部空間を持つベローズ5
は排水路1d内の空間も含めてブース4の内部圧力と平
衡状態となるまで膨張する。したがって、このベローズ
5の膨張によって排水路1d内の空気が吸引される。
【0035】このような排水路1dからの密閉空気の抜
けによって、第1トラップ1c部分の封水が射水孔1b
−1からの後続の洗浄水と共に排水口1f側に強制的に
流動化され、排水路1d部分でのサイホン現象の負圧支
援が行われる。このような洗浄水の流れによって、図4
に示すように排水路1dが満水となって洗浄水が汚物と
共に排水口1fから排出される。
【0036】洗浄水の供給が終了に近づいていくと、排
水路1d内の満水が途切れ、図5に示すように第2トラ
ップ1eの封水が切れてエアギャップが再び生じる。そ
して、洗浄水が全てリム通水路1bの射水孔1b−1か
ら放出されてしまうと、供給管2及びバイパス管6はこ
の射水孔1b−1によって大気に連通して開放される。
したがって、バイパス管6に連通しているブース4の内
部も大気圧と平衡となり、負圧によって膨張していたベ
ローズ5は収縮してその内部の空気を排水路1d側へ戻
す。これにより、洗浄が終了すれば、図1の定常状態に
復帰し、第1トラップ1cは封水されると共に第2トラ
ップ1eにはエアギャップGができる状態となる。
【0037】ここで、洗浄水の供給を開始した後に、排
水路1dでサイホン現象が発生した後も継続してベロー
ズ5側への吸引が続くと、ベローズ5の内部まで洗浄水
が吸い込まれる場合がある。このように吸い込まれた洗
浄水は、図5の洗浄終了の前の過程にならないと抜けな
いので、もしこの吸い込まれた洗浄水中に汚物が含まれ
ているとこれがコネクタチューブ5a及びベローズ5の
内壁に付着し、空気の吸引力が弱まるといった問題が生
じる。
【0038】このようなことを防ぐために、コネクタチ
ューブ5aの内部容積を含めてベローズ5が変形してそ
の全体の内容積が最大となるときの値を、第1トラッブ
1cによる封水レベルL1 の封水面と第2トラップL2
による封水レベルL2 の封水面との問に造られる空間の
容積にほぼ等しくする。このような関係によって、コネ
クタチューブ5aからベローズ5の全体の容積は排水路
1d内の密閉空気の量にほぼ見合う内容積の増大となる
ので、コネクタチューブ5aからベローズ5にかけては
空気のみの吸引しか行われない。したがって、汚物を含
む洗浄水は全て排水路1dから排水口1f側に流れ去
り、コネクタチューブ5a及びベローズ5の内壁に汚物
が付着する等の弊害はない。
【0039】更に、図2に示すように、ベローズ5の上
端にゴム等を素材としたシール環5bを一体に設けてお
き、ベローズ5が膨張したときにこのシール環5bがブ
ース4の上端側の内壁に当たって接続管4aへの流路を
閉じるようにすることもできる。この場合では、シール
環5bによって接続管4aへの流路が閉じられると、ブ
ース4からの空気の吸引も停止する。したがって、洗浄
水をコネクタチューブ5aに吸い込まない程度にベロー
ズ5が膨張したときにシール環5bがブース4の内壁に
当たるようにしておけば、ベローズ5はそれ以上容積を
増大させないので、洗浄水のコネクタチューブ5aへの
吸い込みが防止される。
【0040】図6は別の実施例であり、これは接続管4
aを直接給水管2に接続し、この接続部分に図2に示し
たものと同様の減圧機構を設けたものである。すなわ
ち、給水管2にスロート2bを設けておき、このスロー
ト2b部分に接続管4aを連結することによって、洗浄
水の通過時にブース4内を減圧することによって、排水
路1dからの空気の吸引を可能とする。
【0041】この例でも、フラッシュバルブ3の開弁操
作によって、洗浄の初期において排水路1d内の密封空
気がブース4へ吸引され、サイホン現象の負圧支援が行
われる。
【0042】図7はピストンバルブ式のフラッシュバル
ブに代えて電磁開閉弁7を備えた例であり、その他の構
成は図1から図5に示したものと全く同様である。
【0043】電磁開閉弁7は、従来から用いられている
ソレノイドへの通電・非通電によって弁を開閉動作させ
るものであり、給水本管2aからの洗浄水を開弁時に供
給管2へと送り込む機能を持つ。
【0044】このような電磁開閉弁7では、その通電・
非通電の制御が比較的簡単であり、ここではサイホン現
象の負圧支援を効果的に実行させるため、洗浄初期に少
量の洗浄水によって第2トラップ1eのエアギャップG
を先に封水し、その後一気に洗浄水を流して洗浄するよ
うに制御する。
【0045】エアギャップGを先に封水する必要がある
のは次の理由による。すなわち、エアギャップGがある
ままの状態で洗浄開始のときに一気に洗浄水を第2トラ
ップ1e側に供給すると、エアギャップGが洗浄水で満
たされる前に第2トラップ1eの下流の空気がエアギャ
ップGを通ってコネクタチューブ5a側に吸い込まれ
る。したがって、排水路1d内での負圧の発生度合いが
弱められ、サイホン現象の発生に支障をきたす可能性が
あり、これを防ぐにはエアギャップGを洗浄水の本格的
な供給の前に封水することが有効である。
【0046】このような洗浄水の供給に対し、洗浄スイ
ッチ(図示せず)をオンした後に電磁開閉弁7を短い時
間だけ開弁させ、その後終了まで再度開弁して洗浄水の
供給を継続させるように制御する。洗浄開始の時点での
開弁時間は、エアギャップGが封水される程度の洗浄水
の流量が得られる程度であればよい。
【0047】以上のような電磁開閉弁7の制御により、
洗浄開始時点ではエアギャップGが先行して封水される
ので、エアギャップGより下流の空気の排水路1d側へ
の吸い込みがなく、排水路1d内の密封空気のみが吸引
される。したがって、密封空気の吸引による負圧発生度
が高く維持され、後続の洗浄水の供給時のサイホン現象
の負圧支援が効果的に行われる。
【0048】図8はピストンバルブ式の弁を利用して先
の例で示した電磁開閉弁7による洗浄初期でのエアギャ
ップGの先行封水を可能とする例である。
【0049】同図の(a)は図1から図5の例で示した
給水管2と給水本管2aとの間に相当する流路に組み込
む開閉弁ユニット8の要部を示す縦断面図である。
【0050】この開閉弁ユニット8はフラッシュバルブ
とほぼ同様の構造及び機能を持つものであり、そのハウ
ジング8aにピストンバルブ式の主弁9とリリーフ弁1
0を備えている。
【0051】主弁9はハウジング8aの弁座8bに着座
して給水本管2a側から給水管2側への流路を閉じてい
る。そして、この主弁9の上方のハウジング8aの内部
は圧力室8cとして機能し、この圧力室8cをその上流
の給水本管2a側に連通させる。
【0052】リリーフ弁10は主弁9を貫通するロッド
10aを備えてこの主弁9に揺動可能に組み込まれ、ス
プリング10bによって主弁9に設けたリリーフ弁座9
a側へ付勢したものである。
【0053】一方、主弁9の下流側(給水管2側)には
ロッド10aの下端部に突き当たるスピンドル11を組
み込む。このスピンドル11はハウジング8aの内外を
貫通する軸線長さを持ち、スプリング11aによって外
側に向けて付勢されたものである。そして、スピンドル
11がハウジング8aから外部に突き出た部分にはラッ
ク11bを設け、ハウジング8aの外部にはこのラック
11bに噛み合う歯車12を設ける。
【0054】歯車12はその軸12aに回転操作式のハ
ンドル(図示せず)を連結し、このハンドルによって回
転操作可能としたものである。そして、図8の(a)に
示すように、歯車12は平歯車であってその歯列の一部
を切除した切欠12bを形成したものとし、図示のラッ
ク11bに対する歯車12の回転姿勢を閉弁時に対応さ
せたものとする。
【0055】洗浄水を供給するときには、ハンドルによ
って歯車12を図8の(b)に示すように矢印方向に回
転させる。これにより、歯車12とラック11bの噛み
合いによりスピンドル11は図9の(a)のようにハウ
ジング8a側に移動し、その先端がロッド10aを押し
てその軸線を傾斜させる。
【0056】このロッド10aの傾斜により、リリーフ
弁10がリリーフ弁座9aから少し離れて圧力室8cか
ら給水管2側への流路を開き、洗浄水が供給される。こ
のとき、歯車12を回転させていくと、切欠12b部分
がラック11b部分に重なり合うようになり、ラック1
1bとの係合力がなくなってこのラック11bはスプリ
ング11aによって図8の(a)の元の位置へと戻され
る。
【0057】このように、ハンドルを回し始めた初期で
は、リリーフ弁10が少し開くだけであって、供給管2
側に少量の洗浄水が供給された後に一旦止水される。し
たがって、このリリーフ弁10の開弁による洗浄水の供
給量が、エアギャップGを満水にできる程度としておけ
ば、後の洗浄に先行したエアギャップGの水封が可能と
なる。
【0058】更に、ハンドルを回していくと、切欠12
bを超えた歯が再びラック11bに噛み合うようにな
り、スピンドル11はハウジング8a側に移動してい
く。そして、ハンドルを最大角度回すと、スピンドル1
1がロッド10a図9の(b)のように大きく傾け、こ
れによってリリーフ弁10が全開となり圧力室8c内の
水が下流側へ抜かれる。したがって、主弁9は上昇して
弁座8bから離れ、給水管2側へ流量の大きな洗浄水が
供給される。
【0059】このように、ピストンバルブを用いて機械
的な操作によっても、洗浄初期の過程ではエアギャップ
Gを先行水封し、その後大流量の洗浄水を送り込むこと
で、負圧支援を有効に利用したサイホン現象の促進が可
能となる。
【0060】
【発明の効果】本発明により以下の効果を奏する。
【0061】1)洗浄水の供給に合わせて排水路内での
サイホン現象の負圧支援が可能となり、便器の排水路形
状に頼ることなく良好な洗浄水の排出が達成される。
【0062】2)供給路に設けるスロートによるブース
内の減圧を吸気路の流路端の容積の変化によって空気を
吸引するので、洗浄水の供給に排水路からの空気の吸引
を連動させることができ、空気吸引のための特別の可動
機構等を必要としない。また、吸引空気は吸気路の流路
端のベローズ等に閉じ込められたままなので、異臭の放
散もない。
【0063】3)洗浄水の流れを利用して負圧を発生さ
せる洗浄水の供給配管さえ備えておけばサイホン現象の
負圧支援が可能なので、たとえば洗浄水タンクを持たな
い設備にも適用でき、仕様の拡大も図られる。
【0064】4)供給路に設ける弁の動作を洗浄初期で
はエアギャップが封水される程度の流量とし、その後一
気に洗浄水を供給することで、エアギャップよりも下流
の空気を取り込むことなく排水路内の空気を速やかに掃
気でき、サイホン現象の負圧支援がより効果的に行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水洗式便器の一実施例であって洗浄水
の供給及び排水路からの空気吸引の系と共に示す側面縦
断面図である。
【図2】ブースからの空気の吸引のための構造を示す概
略図である。
【図3】洗浄の開始時点での洗浄水の流れ及びベローズ
内への空気の吸引を示す縦断面図である。
【図4】排水路が満水になったときのサイホン現象によ
る洗浄水の流動を示す縦断面図である。
【図5】洗浄の終了過程を示す縦断面図である。
【図6】給水管にスロートを設け接続管から直接空気を
吸引する例を示す図である。
【図7】フラッシュバルブに代えて電磁開閉弁を備えた
例を示す図である。
【図8】エアギャップの先行封水を可能として開閉弁ユ
ニットであって、同図の(a)はその要部の縦断面図、
同図の(b)はラックとこれに噛み合う歯車の詳細であ
る。
【図9】図8の開閉弁ユニットの動作を示す図であっ
て、同図の(a)は洗浄初期でのリリーフ弁の開弁を示
し、同図の(b)は先行封水後の主弁の開弁を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 便器本体 10
リリーフ弁 1a ボール部 11
スピンドル 1b リム通水路 11b
ラック 1c 第1トラップ 12
歯車 1d 排水路 12b
切欠 1e 第2トラップ 1f 排水口 1g 給水室 2 給水管 3 フラッシュバルブ 4 ブース 4a 接続管 5 ベローズ 5a コネクタチューブ(吸気路) 6 バイパス管 6a スロート 7 電磁開閉弁 8 開閉弁ユニット 9 主弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末廣 克行 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−17477(JP,A) 特開 平5−156679(JP,A) 特開 昭51−101351(JP,A) 特開 平7−42217(JP,A) 実開 平6−79877(JP,U) 実公 平2−18133(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03D 11/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便器本体のボール部の下流に第1トラッ
    プ,排水路,第2トラップ及び排水口を洗浄水の流れ方
    向に順に形成すると共に前記第2トラップの溜水面と流
    路内壁との間にエアギャップを備え、前記ボール部に前
    記便器本体の外部から洗浄水を供給する供給路を備えた
    水洗式便器であって、前記供給路に連通し該供給路を通
    過する洗浄水の流れによって内圧降下が誘起される負圧
    発生機構を備え、前記排水路に連通する吸気路を前記負
    圧発生機構に接続してなる水洗式便器。
  2. 【請求項2】 前記負圧発生機構は、洗浄水の供給路に
    設けられて流路面積を縮小させたスロートと、該スロー
    ト部分に連通するブースとを備え、前記吸気路はその流
    路端を前記ブース内に位置させると共に少なくとも前記
    流路端を弾性変形可能としてその内部容積を前記ブース
    の内圧に応答して可変としてなる請求項1記載の水洗式
    便器。
  3. 【請求項3】 前記吸気路の流路端に、前記ブースの内
    部空間とは区画された弾性変形可能なベローズを備えて
    なる請求項2記載の水洗式便器。
  4. 【請求項4】 前記吸気路から最大膨張変形時の前記流
    路端までの流路の内部容積を、前記第1トラップと第2
    トラップのそれぞれの封水面との間に造られる前記排水
    路内の内部容積にほぼ等しくしてなる請求項2記載の水
    洗式便器。
  5. 【請求項5】 前記供給路にフラッシュバルブを備え、
    該フラッシュバルブの下流の流路に前記スロートを備え
    てなる請求項2記載の水洗式便器。
  6. 【請求項6】 前記フラッシュバルブは電動式の開閉弁
    であって、該開閉弁を洗浄初期において短時間開弁した
    後に止水しその後再び開弁動作する制御の系を備えてな
    る請求項5記載の水洗式便器。
  7. 【請求項7】 前記フラッシュバルブは主弁とリリーフ
    弁とを備えたピストンバルブ式であって、前記リリーフ
    弁を開動作させるスピンドルにラックを備え、該ラック
    に噛み合う歯車を回転式の操作手段に連接し、前記歯車
    はその歯列を部分的に切除した切欠を備えると共に該切
    欠が開弁操作の開始後であってその直後に前記ラックの
    歯列に臨む姿勢として前記操作手段に連接してなる請求
    項5記載の水洗式便器。
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