JP2000034762A - 自閉水栓装置とこれを用いた便器 - Google Patents

自閉水栓装置とこれを用いた便器

Info

Publication number
JP2000034762A
JP2000034762A JP11130144A JP13014499A JP2000034762A JP 2000034762 A JP2000034762 A JP 2000034762A JP 11130144 A JP11130144 A JP 11130144A JP 13014499 A JP13014499 A JP 13014499A JP 2000034762 A JP2000034762 A JP 2000034762A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
water
self
closing
diaphragm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11130144A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3707295B2 (ja
Inventor
Ryoichi Tsukada
良一 塚田
Hiroyuki Tsuboi
宏之 坪井
Michinori Yanase
理典 柳瀬
Takayuki Otani
孝幸 大谷
Yoshiki Oota
吉喜 太田
Tsutomu Kido
勉 城戸
Akira Oishi
晃 大石
Shuji Inoue
修治 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP13014499A priority Critical patent/JP3707295B2/ja
Publication of JP2000034762A publication Critical patent/JP2000034762A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3707295B2 publication Critical patent/JP3707295B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sanitary Device For Flush Toilet (AREA)
  • Self-Closing Valves And Venting Or Aerating Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水使用機器の高機能化に対応した新たな自閉
水栓装置を提供することにあり、水使用機器の機能を最
大限に引き出す。 【解決手段】 自閉水栓装置JVは、給水を受ける自閉
弁機構部2の下流側に、洗浄水の分配供給を行うための
分配弁機構部1を備える。自閉弁機構部2は、一次側・
二次側の流路の間に、ダイヤフラム弁10とパイロット
弁14とを有する。このパイロット弁14は、パイロッ
ト弁体14bが回転シャフト22と一体に回転するカム
部材22aにより傾けられると開弁し、これによりダイ
ヤフラム弁10も開弁する。この開弁動作を引き起こす
回転シャフト22は、回転ドラム21をもこの開弁動作
に同期して回転させ、ダイヤフラム弁10からの洗浄水
の分配供給先を洗浄水分配室30において回転ドラム2
1により切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、出水要求に基づい
て所定量の水を吐出し、自動的に閉弁する自閉弁を備え
る自閉水栓装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自閉水栓装置としては、便器洗浄
用のフラッシュバルブや浴室に備え付けられる定量止水
バルブがある。これらの自閉水栓装置は、出水要求とし
て操作者がレバーなどを操作すると、その下流側にある
便器やカランなどの水使用機器に要求される適量の水を
吐出し、水圧などを利用して自動的に閉弁するように構
成されている。このため、下流側にある便器やカランに
不要な水を供給することが無く、節水性に優れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の自閉水
栓装置は、水使用機器の高機能化に対応することができ
ない。現在、市場に提供される水使用機器は、節水、消
音などの機能が高度化すると共に使用感を向上させるた
めに各種の改良がなされている。たとえば、便器はいっ
そうの節水を図るために、リム・ジェットなどの複数の
洗浄水吐出系を備えるようになっている。また、浴室用
の水栓でも、カランばかりでなくシャワーなどの吐出形
態が異なる器具を備えて使用感を高めている。
【0004】ところで、このような水使用機器では、例
えば便器ではリム洗浄用の洗浄水吐出とジェット洗浄用
の洗浄水吐出とを同時に行っても、便器洗浄能力の向上
や節水は期待できず、リム洗浄とジェット洗浄を順次行
うことが必要である。また、水栓にあってもカラン吐出
とシャワー吐出が順次行われて使用感の向上に資するこ
とができる。
【0005】このような水使用機器に対して従来の自閉
水栓装置を単純に用いるならば、この種の自閉水栓装置
は管路の開閉を介した自閉しか行わないので、例えば便
器のリム・ジェットは常に同時に行われてしまう。ある
いは、このリム・ジェット洗浄が同等の水圧による洗浄
水の供給でしか行われない。そのため、従来の高機能の
便器は、リム導水路やジェット導水路に堰を設けてその
実施タイミングや水圧を調節したり、各導水路ごとに自
閉水栓装置を設けたりしている。また、カランとシャワ
ーとが1体となった高機能の水栓では、カランとシャワ
ーの給水管にそれぞれ従来の自閉水栓装置を取り付けて
いる。
【0006】本発明は、これらの課題を解決するために
なされ、水使用機器の高機能化に対応した新たな自閉水
栓装置を提供することにあり、水使用機器の機能を最大
限に引き出すことをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の自
閉水栓装置は以下の構成を採った。即ち、出水要求に基
づいて所定量の水を吐出し、自動的に閉弁する自閉弁を
備える自閉水栓装置において、前記自閉弁の下流側に設
けられ、該自閉弁の開弁動作に同期して前記吐出される
水を異なる流路に分配する分配弁を備えたことを特徴と
する。
【0008】この本発明の自閉水栓装置によれば、出水
要求に基づいて吐水を開始した後、前記自閉弁の開弁動
作に同期してその水の吐出先が異なる流路に切り換えら
れ、各流路に水を順次分配供給することができる。つま
り、従来と同様に出水要求を出すだけで、異なる流路へ
の水の分配供給と所定量の水吐出とを行うようにでき
る。そして、このような水の分配供給と水吐出とを通し
て、便器、水栓等の水使用機器の機能を最大限に引き出
すことができる。
【0009】この自閉水栓装置は以下の態様を採ること
ができ、自閉弁を、水圧により作動するものとすること
できる。こうすれば、停電などといった外的要因に影響
されることなく、自閉弁の閉弁動作を水圧にて確実に行
うことができ、上記の水の分配供給と水吐出の信頼性を
高めることができる。
【0010】また、前記自閉弁の上流側に配設され、通
過する水に混在する異物を捕捉するストレーナと、該ス
トレーナの目詰まりを検出する検出手段と、前記ストレ
ーナの目詰まりが検出されると、前記自閉弁の弁動作を
強制的に禁止する禁止手段とを備えるものとすることも
できる。こうすれば、ストレーナが目詰まりしてその下
流への水の流れが阻害され自閉弁に流れ込む水量が不足
した場合には、自閉弁は動かない。よって、水量不足状
況下で水が自閉水栓装置下流の水使用機器(便器や水栓
等)から吐出されることが無く、使用者に違和感や不快
感を与えることが無い。
【0011】更に、前記ストレーナの目詰まりが検出さ
れると、目詰まり発生を報知する報知手段を備えるもの
とすることもできる。こうすれば、ストレーナの目詰ま
り解消(例えば、ストレーナの清掃や交換等)を使用者
に促すことができるので、速やかな復旧を図ることがで
きる。
【0012】また、本発明の便器は、洗浄水によりボー
ル部を洗浄する便器であって、ボール部洗浄を実施する
ために洗浄水を吐出する複数の洗浄水吐出手段と、洗浄
水供給源と接続され、洗浄水の供給を受ける上記本発明
の自閉水栓装置と、該自閉水栓装置から前記複数の洗浄
水吐出手段に至るまで配管され、前記自閉水栓装置によ
る分配流路となる吐出手段別流路と、ボール部洗浄の際
に操作され、前記自閉水栓装置に前記出水要求を出力す
る出力手段とを有することを特徴とする。
【0013】この本発明の便器によれば、ボール部洗浄
の際、その洗浄水の供給先を複数の洗浄水吐出手段、例
えばリム洗浄用の吐出手段とジェット洗浄用の吐出手段
に順次切り換えて、各吐出手段に所定量の洗浄水を分配
供給できる。よって、従来と同様に出力手段から出水要
求を出すだけで、最適な量の洗浄水で複数の洗浄水吐出
手段によりボール部洗浄を実行でき、便器洗浄性能を最
大限に発揮することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づき説明する。図1は、実施例の自閉水栓装置J
Vを大便器85と共に概略的に表した概略構成図、図2
は、この自閉水栓装置JVの縦断面図、図3は、図2に
おけるA−A’線断面図、図4は、図3におけるB−
B’線断面図である。
【0015】図1に示すように、大便器85は、ボール
部上縁のリム85aから洗浄水を吐出してボール部85
bを洗浄するリム洗浄と、ボール部85b底部の吐出ノ
ズル85cから洗浄水をトラップ配管85dに直接吐出
して汚物搬送とボール部洗浄を行うジェット洗浄とを実
行するよう構成されている。そして、この大便器85
は、リム洗浄とジェット洗浄とを順次実行すべく自閉水
栓装置JVを備え、この自閉水栓装置JVの外部出力ポ
ート15aからは、リム85aに至るリム吐水配管86
を、外部出力ポート16aからは、吐出ノズル85cに
至るジェット吐水配管87をそれぞれ接続して備える。
この場合、リム85aと吐出ノズル85cに洗浄水を導
くリム吐水配管86とジェット吐水配管87への洗浄水
の分配供給は、以下にその構成を詳述する自閉水栓装置
JVによってなされ、こうした分配吐水により、洗浄吐
水量、瞬間流量共に効率のよい便器洗浄を行うようにさ
れている。
【0016】図1ないし図4に示すように、自閉水栓装
置JVは、給水源(水道)からの一次側給水管3が配管
接続され自閉機能を有する自閉弁機構部2と、洗浄水の
分配供給を行うための分配弁機構部1とを積層集約して
備え、分配弁機構部1の上端は、上記の各出力ポートを
有する出力ポート部4とされている。自閉水栓装置JV
は、図示しないリモコン等から便器洗浄指令が発せられ
ると、当該指令を洗浄要求(出水要求)として駆動する
後述のアクチュエータ8を有し、通常は、このアクチュ
エータ8により、自閉作動並びにこれと同期した分配作
動を行うよう構成されている。また、停電時での便器洗
浄使用を可能とすべく、アクチュエータ8によらないで
自閉作動並びに分配作動を行うための後述の手動レバー
7をも有する。
【0017】自閉弁機構部2は、一次側と二次側の差圧
を利用して自閉作動を行うよう、以下の構成を備える。
この自閉弁機構部2は、一次側給水管3が接続される管
金具2aからメインケース2bに至る一次側給水路3a
と、メインケース2b内の二次側通水路11aとを備
え、この給水路と通水路の間に、ダイヤフラム弁10と
パイロット弁14とを有する。
【0018】一次側給水路3aは、メインケース2bに
おいて、当該ケースの内壁部分を環状に下方に隆起させ
て形成した給水弁座10aを取り囲むよう形成されてい
る。よって、一次側給水路3aから流れ込んだ一次側洗
浄水は、給水弁座10aの周囲において、ダイヤフラム
弁10に下方向きに一次側圧力をかける。なお、一次側
給水路3aには、管金具2aの下流において後述の定流
量弁80が組み込まれているので、給水弁座10a周囲
には、定流量で一次側洗浄水が流れ込むことになる。
【0019】ダイヤフラム弁10は、メインケース2b
の下端開口部に亘ってこのメインケース2bと下部ケー
ス2cとで挟持され、上記した一次側圧力を受けるダイ
ヤフラム10bを有する。このダイヤフラム10bは、
下部ケース2c内部の背圧室10cの側に上下動自在に
上記したように挟持組み込みされており、ケース内部に
あっては、背面のダイヤフラムサポート12と上面のリ
テーナ13で挟持・補強されている。このダイヤフラム
サポート12は、リテーナ13とリベットにて固定され
ている。また、ダイヤフラム10bは、1次側と2次側
の圧力バランスにより付勢力が働き、その上面の平坦部
を弁体として給水弁座10aに通常は当接着座させてい
る。これにより、ダイヤフラム弁10は、一次側給水路
3aを給水弁座10aにてダイヤフラム10bにより常
時閉鎖させている。この状態が、ダイヤフラム弁10の
閉弁状態(止水状態)であり、自閉水栓装置JVは、通
常この状態を採っている。なお、上下動ガイド10d
は、ダイヤフラムサポート12にその下端で係合して一
体とされており、ダイヤフラム10bと共に上下動する
ようにされている。
【0020】ダイヤフラムサポート12はその下端側に
スカート部を有し、このスカート部と上下動ガイド10
dの下端シャフト部は、背圧室10cの内周壁や下端有
底孔周壁と所定のクリアランスをもって形成されている
ものの、ダイヤフラム10bの上下動時の案内となる。
よって、このスカート部と下端シャフト部により、ダイ
ヤフラム10bの左右方向のずれや不用意な振動あるい
はいわゆる片上がりが防止されるので、ダイヤフラム1
0bの上下動は安定し、ダイヤフラム弁10の開閉弁動
作の安定性と信頼性を向上させることができる。また、
このダイヤフラムサポート12と上下動ガイド10d
を、カーボンあるいはフッ素を含有した樹脂、ポリオレ
フィン系の樹脂、テフロン樹脂、含油性の樹脂の成型品
とすれば、背圧室10c内周壁や下端有底孔周壁に対し
て高摺動性を発揮できる。よって、ダイヤフラム弁10
の弁動作のより一層の安定化と信頼性の向上を図ること
ができる。更に、背圧室10cの下端有底孔内にある上
下動ガイド10dの先端部は、その周縁に亘って円弧状
に面取りされている。よって、上下動ガイド10dの先
端部での下端有底孔内異物の噛み込みを防止でき、この
点からも、ダイヤフラム弁10の弁動作のより一層の安
定化と信頼性の向上を図ることができる。なお、上記し
たカーボンあるいはフッ素を含有した樹脂やポリオレフ
ィン系の樹脂等を、説明の便宜上、高摺動性発揮樹脂と
呼ぶこととする。また、ダイヤフラム弁10の弁動作に
ついては詳細に後述する。
【0021】図5は、ダイヤフラム10bの組み付けの
様子を示す説明図であり、この図面を用いて、ダイヤフ
ラム10bの組み付けの様子を説明する。なお、ダイヤ
フラムサポート12とリテーナ13については図示を省
略した。
【0022】図中に実線で示すように、弁の組み付け完
成状態では、ダイヤフラム10bは、1次側と2次側の
圧力バランスによる付勢力を受けて給水弁座10aに当
接着座している。しかし、ダイヤフラム10bをダイヤ
フラムサポート12と共に組み付け圧力バランスによる
付勢力が作用していない状態、即ち、自重のみしか作用
していない自然状態では、図中に二点鎖線で示すよう
に、ダイヤフラム10bは、給水弁座10aに接近する
側に撓んだ状態とされている。つまり、ダイヤフラム1
0bは、給水弁座10aの側に復帰するような復元力を
自身で発揮した状態で、給水弁座10aに当接着座して
いる。よって、ダイヤフラム10bが給水弁座10aに
当接着座した状態では、ダイヤフラム10bにこの状態
を維持するよう、自身の復元力が圧力バランスによる付
勢力に加わって作用するので、ダイヤフラム弁10の止
水性を向上できる。しかも、背圧室10cが洗浄水で満
たされた状態では、ダイヤフラムサポート12の浮力も
給水弁座10aの側にダイヤフラム10bに対して作用
するので、より止水性が向上する。
【0023】ダイヤフラム弁10は、上記のように閉弁
状態にあるときにでも一次側給水路3aと背圧室10c
との圧力均衡を図るべく、ダイヤフラム10bに一次側
給水路3aと背圧室10cとを連通するブリード穴18
を有する。このブリード穴18は、ダイヤフラム10b
ばかりでなくダイヤフラムサポート12とリテーナ13
をも貫通して形成されており、一次側給水路3aの側か
ら背圧室10cに常時、洗浄水を通過させる。この場
合、このブリード穴18は、その穴径も小さく、内部に
は、後述のクリーニングピン19も配設されているの
で、一次側給水路3aの洗浄水は、背圧室10cに僅か
ずつしかブリード穴18を通って流入しない。そして、
クリーニングピン19との関係において実質的に洗浄水
の通過面積を決定するブリード穴18は、図3の要部拡
大図に示すように、クリーニングピン19が常時穴内に
存在する最下端部分であり、ダイヤフラムサポート12
に開けられたブリード穴18aである。このダイヤフラ
ムサポート12は、樹脂製あるいは金属製であることか
ら、このブリード穴18aの穴径を各ダイヤフラムサポ
ートで均一にできるので、自閉水栓装置JVごとのダイ
ヤフラム弁動作の安定化と信頼性の向上を図ることがで
きる。もっとも、クリーニングピン19がメインケース
2bにその上端側で固定されいれば、当該ピンが常時穴
内に存在する樹脂製あるいは金属製のリテーナ13にお
けるブリード穴部分が実質的な洗浄水の通過面積を決定
することになる。
【0024】このダイヤフラムサポート12は、樹脂製
あるいは金属製のいずれであってもよいが、上記した高
摺動性発揮樹脂の成型品とすれば、クリーニングピン1
9に対して高摺動性を発揮できる。よって、このような
ダイヤフラムサポート12とすれば、クリーニングピン
19の接触によるブリード穴18aの穴形状の摩耗変形
を抑制できるので、ダイヤフラム弁10の弁動作の安定
化並びに信頼性の向上を図ることができる。
【0025】パイロット弁14は、上記のダイヤフラム
弁10の開弁動作を起こさせるものであり、スプリング
17の付勢力を上向きに直接受けるパイロット弁体14
bと、ダイヤフラムサポート12の中央貫通孔の周囲を
隆起させて形成されたパイロット弁座14aとを有す
る。パイロット弁体14bは、上記の付勢力によりパイ
ロット弁座14aと当接状態(着座状態)とされている
ので、パイロット弁14は、二次側通水路11aと背圧
室10cとの間を閉鎖させている。この状態が、パイロ
ット弁14の閉弁状態(止水状態)であり、自閉水栓装
置JVは、通常この状態を採っている。なお、パイロッ
ト弁座14aの内部、即ちダイヤフラムサポート12の
中央貫通孔がパイロット流路11bとされており、この
パイロット流路は、二次側通水路11aよりも小径とさ
れている。
【0026】本実施例では、パイロット弁座14aへの
パイロット弁体14bの当接着座箇所に環状のゴムシー
トを嵌合装着して当該ゴムシートを溶着し、パイロット
弁体14bとゴムシートを一体化させた。よって、この
ゴムシートにより好適にパイロット弁座14aとパイロ
ット弁体14bとの間のシール性を確保できると共に、
一体化によりその取り扱い性や組立作業性を高めること
ができる。
【0027】ここで、ダイヤフラム弁10の閉弁状態か
ら開弁状態を経て閉弁状態に至るまでの推移の様子につ
いて説明する。閉弁状態にあるパイロット弁14におい
て、今、パイロット弁体14bがスプリング17の付勢
力に抗して傾くと、パイロット弁座14aとパイロット
弁体14bの当接着座が解け、パイロット流路11bを
介して背圧室10cと二次側通水路11aとが連通す
る。この場合、背圧室10c内は一次側給水路3aと同
圧で二次側通水路11aよりその圧力が高いので、背圧
室10c内の水は、パイロット流路11bを経て二次側
通水路11aの側に排出される。すると、ダイヤフラム
10bを挟んだ圧力の均衡が崩れて、このダイヤフラム
10bは下向きに移動する。このため、ダイヤフラム弁
10は給水弁座10aが開いた開弁状態となり、一次側
給水路3aから洗浄水が二次側通水路11aの側に流入
する。この場合、背圧室10c底面には、下降した上下
動ガイド10d下面と当接しダイヤフラム弁10の下降
ストッパとして機能するストッパ12aが設けられてい
るので、ダイヤフラム弁10は、このストッパ12aで
規定される位置までしかダイヤフラム10bを降下させ
ない。このため、洗浄水の給水圧力に変動があっても、
ダイヤフラム弁10はこの給水圧力に関係なく一定の開
弁量で開弁する。よって、自閉弁機構部2によって、給
水圧力の変化に起因する吐水量変動のない、高精度の自
閉弁を構成することができる。
【0028】その一方、パイロット弁体14bが正立状
態に復帰すると、パイロット弁14はパイロット弁座1
4aをこのパイロット弁体14bで閉じて閉弁する。こ
の状態にあっては、ダイヤフラム10bのブリード穴1
8を介して、一次側給水路3aから背圧室10cに洗浄
水が流れ込み、背圧室10c内は、この流れ込んだ洗浄
水で満杯になる。すると、背圧室10cの圧力は一次側
給水路3aの一次側給水圧力に等しくなり、ダイヤフラ
ム10bは給水弁座10aに当接着座してダイヤフラム
弁10は止水状態となり、自閉弁機構部2での止水(自
閉止水)がなされる。
【0029】上記した背圧室10cへの洗浄水流通を起
こすブリード穴18は、洗浄水の給水側と反対側に位置
し、一次側給水路3aがメインケース2bで閉塞された
側(図3における右側)に位置する。この閉塞箇所で
は、一次側給水路3aから流れ込んだ洗浄水が給水弁座
10aの周壁を回り込んで衝突し、圧力がこもりやす
い。よって、この閉塞箇所にあるブリード穴18から
は、一次側給水圧そのものの圧力で安定した状態の洗浄
水が背圧室10cに流れ込むことになる。このため、ダ
イヤフラム10bの閉弁動作が安定し好ましい。また、
ダイヤフラム弁10が閉止するまでの時間も安定する。
【0030】この一連の動作の中でブリード穴18が水
中に混在する異物によるゴミ詰まりを防止するため、ク
リーニングピン19がブリード穴に挿入されている。こ
のクリーニングピン19は、先端部ほど大径となる異径
構造とされているので、ブリード穴18におけるクリー
ニングピン19の位置関係によってブリード穴18(ブ
リード穴18a)における洗浄水の通路面積が変化し、
ブリード穴18を通した上記の洗浄水流通量が異なる。
つまり、小径部19bがブリード穴18に位置するとき
には、ブリード穴18における洗浄水の通路面積が大き
くなって、背圧室10cに流れ込む水が多くなりダイヤ
フラム弁10の閉弁速度が速くなる。大径部19aでは
逆にブリード穴18の通路面積が小さくなるため、閉弁
速度は遅くなる。本実施例では、ダイヤフラム10bが
下降し給水弁座10aから離れた状態、即ちダイヤフラ
ム弁10が開弁状態から閉弁状態に推移しようとする閉
弁動作開始時には、ブリード穴18には、クリーニング
ピン19根本の小径部19bが位置する。よって、ダイ
ヤフラム弁10の閉弁動作開始時は、ダイヤフラム弁1
0の閉弁速度を速くできる。また、ダイヤフラム10b
が給水弁座10aに近づいた状態、即ちダイヤフラム弁
10が閉弁状態への推移を完了させようとする閉弁動作
終了時には、ブリード穴18には、クリーニングピン1
9先端の大径部19aが位置する。よって、ダイヤフラ
ム弁10の閉弁動作終了時には、ダイヤフラム弁10の
閉弁速度を遅くできる。これにより、一次側給水路3a
と二次側通水路11aとの間で洗浄水止水を図る場合の
水撃を緩和できる。
【0031】この場合、クリーニングピン19を、ダイ
ヤフラムサポート12より軟質の樹脂、或いは、耐食性
があり表面仕上げ▽▽▽(Rmax=6.3s)の金属
で形成することが好ましい。このようにすれば、クリー
ニングピン19がブリード穴18a(図3の要部拡大図
参照)と接触しても、このブリード穴18aに穴面積の
拡張を招かない。よって、ブリード穴18における不用
意な通路面積の変更を回避でき、安定した洗浄水流通、
延いては安定したダイヤフラム弁10の閉弁動作を図る
ことができる。
【0032】このクリーニングピン19は、図3に示す
ように、下部ケース2cにその下端で固定支持されてお
り、その先端部が下部ケース2c上端のフランジ部から
出ないよう、高さ調整されている。よって、弁組み付け
時にピン先端部をメインケース2b下端等に当てたりす
ることがないので、組み付け時のピン破損を防止できる
と共に、組み付け作業性がよい。この場合、クリーニン
グピン19をその下端で固定支持するようにしたが、次
のように変形することもできる。即ち、クリーニングピ
ン19をブリード穴18を貫通してメインケース2bに
達するようなものとし、ピン上端をもこのメインケース
2bで固定支持することもできる。このようにすれば、
クリーニングピン19はその上下端で固定されることか
ら、クリーニングピン19にこれを湾曲させる力が加わ
っても、その湾曲程度が少なくなって固定部への応力集
中を緩和でき、クリーニングピン19の折れや脱落を防
止できる。なお、クリーニングピン19を上下端で支持
する構成は、本実施例の自閉水栓装置JVに限らず、一
般的なダイヤフラム弁に適用できることは勿論である。
【0033】本実施例では、ダイヤフラムサポート12
の中央貫通孔を給水弁座10aにおけるパイロット流路
11bとして、当該流路にて二次側通水路11aの側へ
の洗浄水の流量絞り構造を構成している。よって、ダイ
ヤフラム弁10の閉弁動作終了直前(止水直前)の流量
をより効果的に少なくできるので、閉弁動作終了時の上
記したダイヤフラム弁10の閉弁速度の低下と相俟っ
て、水撃をより有効に防止できる。しかも、一次側給水
路3aの経路を略円筒形状とすると共に、一次側圧がか
かる給水弁座10a周囲をほぼ同じ断面の環状形状とし
たので、こうした水撃防止と相俟って、本実施例では、
自閉水栓装置JVを樹脂ケーシングにて構成することが
でき軽量化を図ることができた。この場合、メインケー
ス2bの下端に固定する下部ケース2cの上端フランジ
部を大径化して両ケースの接合面積を確保したので、ケ
ース固定も強固にでき耐水撃性を向上できる。なお、ケ
ーシングに採用する樹脂としては、ポリアセタール(P
OM樹脂)や、ポリフェニレンスルファイド又はその変
性物である芳香族ポリスルファイド樹脂(PPS樹脂)
等の汎用性の高いエンジニアリングプラスチックを用い
ることができ、これらプラスチックのガラス繊維複合材
が好ましい。このガラス繊維の含有率としては、重量比
で約30〜40%が好ましい。
【0034】また、本実施例では、図3に示すように、
自閉水栓装置JVの1次側最上流部に後述の定流量弁8
0を内蔵・配置して定流量化を図ると共に、この定流量
弁が介在することで弁下流に減圧効果を起こす。よっ
て、定流量弁80の下流側において、通常流動時は自閉
水栓装置本体の大部分に作用する圧力が減圧されるの
で、自閉水栓装置本体に要求される機械的強度が軽減さ
れ、この点も、上記した装置の樹脂化に有利である。な
お、定流量作用を特段要しない場合は、上記の定流量弁
に替えて減圧弁を内蔵すればよい。
【0035】このように樹脂化を図るに当たり、本実施
例では、次のようにした。通常、樹脂化を図る場合、強
度上重要な部分は、厚肉構造にする必要がある。しか
し、樹脂にてこのように厚肉構造にすると、そり、引け
が発生しやすく成形上の不具合が起きる。よって、本実
施例では、背圧室10cを形成する下部ケース2cが1
次圧を受けるので強度上重要な部分に当たるため、図2
および図3に示すように、下部ケース外側に適宜な間隔
でリブ2rを設けるようにした。これにより、ケースを
そりや引けを発生させない均一な厚みとできると共に、
強度を確保できる。
【0036】また、ダイヤフラム弁10の閉弁速度を上
記のように変化させ、閉弁当初の大流量時は速く、閉弁
終期の低流量時は遅くしている。よって、量産時の組立
公差内であれば、ダイヤフラム10bのストロークにバ
ラツキがあっても、ダイヤフラム弁10による自閉弁の
吐水量バラツキを低減でき好ましい。
【0037】更に、パイロット弁体14bに背圧室10
cと上記のパイロット流路11bとを連通する流路を貫
通形成し、この流路をダイヤフラム弁10の開弁に影響
するような背圧室10cの圧力変動を来すことがないよ
うなごく小径のものとすることもできる。こうすれば、
背圧室10c内の水抜きを要する場合に、この小径の流
路によりパイロット流路11bの側に水抜きできるの
で、この水抜きのための管路を下部ケース2cからその
外部に設ける必要がなく好ましい。
【0038】次に、上記のようにして自閉弁機構部2に
て自閉止水が行われ、洗浄水が流入する分配弁機構部1
について説明する。この分配弁機構部1は、自閉弁機構
部2による上記の自閉止水時の閉弁動作に同期して洗浄
水の供給先を分配すべく、以下の構成を有する。
【0039】分配弁機構部1は、自閉弁機構部2の下流
側に位置するようこの自閉弁機構部2と一体に形成され
ており、上記したダイヤフラム弁10から洗浄水の供給
を受ける。分配弁機構部1は、二次側通水路11aに連
通する洗浄水分配室30をメインケース2bで区画形成
して備える。この洗浄水分配室30は、円柱形状で中空
とされており、その内周壁面(分配室内周壁面)に、そ
れぞれ上方に延びる出力ポート15、16が形成されて
いる。この各出力ポートの分配室内周壁面における開口
部は、その周縁に亘って円弧状に面取りされているの
で、後述する回転ドラム21がこの分配室内周壁面に沿
って回転する際の摺動トルクを低減できる。また、各出
力ポートの分配室内周壁面における開口面積は、出力ポ
ート15の側が狭く、出力ポート16の側が広くされて
いる。よって、各出力ポートが順次開放されると、異な
る流量で洗浄水が各出力ポートに流れ込むことになる。
この出力ポート15、16は、出力ポート部4の内部に
て既述した外部出力ポート15a、16aとそれぞれ連
通しているので、出力ポート15に流れ込んだ洗浄水
は、リム吐水配管86を経てリム85aから吐出され、
リム洗浄に用いられる。出力ポート16に流れ込んだ洗
浄水は、ジェット吐水配管87を経て吐出ノズル85c
から吐出され、ジェット洗浄に用いられる。
【0040】分配弁機構部1は、洗浄水分配室30の内
部に、分配室内周壁面と接触したまま摺動回転可能な回
転ドラム21を有する。回転ドラム21は、この洗浄水
分配室30に正逆回転自在に軸支された回転シャフト2
2と一体とされ、当該シャフトと共に回転する。この場
合、回転シャフト22は、後述の圧力スイッチ50が装
着される横蓋50aでその一端が軸支されており、この
横蓋50aは上記した高摺動性発揮樹脂の成型品とされ
ている。よって、回転シャフト22の軸支部において高
摺動性を発揮できるので、回転シャフト22を回転させ
る際の回転トルクを低減できる。
【0041】洗浄水分配室30が洗浄水で満たされる
と、回転ドラム21は、その水圧を受けて弧状のドラム
部分を分配室内周壁面に押し付けている。よって、回転
ドラム21は、この水圧により、閉鎖対象の出力ポート
(図3では出力ポート16)を好適にシールし、当該ポ
ートへの水漏れを起こさない。このように、出力ポート
の閉鎖を回転ドラム21の面接触で行いOリング等のシ
ール材を用いないので、回転ドラム21を摺動回転させ
る際の回転トルクを低減できる。このため、僅かな操作
力で、回転ドラム21、延いては回転シャフト22を回
転させることができので、ステッピングモータ等のシャ
フト回転駆動機器(後述のアクチュエータ8)の低規格
化や小型化を図ることができると共に、容易に手動にて
回転ドラム21を摺動回転できる。なお、回転ドラム2
1は、通常、図3に示す位置を採るようにされている。
【0042】回転シャフト22は、洗浄水分配室30の
内部においてカム部材22aを有し、このカム部材22
aは回転シャフト22と一体に正逆回転する。カム部材
22aは、その回転に伴ってパイロット弁体14bのシ
ャフト部と接触し当該弁体を回転に同期して傾けるよう
にされている。このカム部材22aにより、上記した自
閉弁機構部2における開弁動作が開始される。つまり、
回転ドラム21やカム部材22aが図3に示す初期状態
にあるとき、図中時計方向に回転シャフト22が回転す
ると、カム部材22aはパイロット弁体14bを傾ける
ので、ダイヤフラム弁10は上記したように開弁する。
この時、回転ドラム21は、回転シャフト22と共に時
計回転するものの、回転開始当初は、出力ポート16を
閉鎖したままである。よって、ダイヤフラム弁10の開
弁により二次側通水路11aを経て一次側給水路3aか
ら洗浄水分配室30に流れ込んだ洗浄水は、出力ポート
15を通過して上記したようにリム85aから吐出され
る。これにより、リム洗浄が実施される。
【0043】回転シャフト22が更に回転を継続する
と、パイロット弁体14bはカム部材22aにより傾い
たままであるため、ダイヤフラム弁10は開弁状態を維
持し、洗浄水分配室30には引き続き洗浄水が流入す
る。この回転継続の間において、回転ドラム21は出力
ポート15を閉鎖して出力ポート16を開放するので、
このようにポートの切替がなされた以降では、洗浄水分
配室30の洗浄水は、出力ポート16を通過して吐出ノ
ズル85cから吐出される。これにより、ジェット洗浄
が実施される。このように、回転ドラム21によるポー
ト切替により、リム洗浄とジェット洗浄が順次切替実施
される。しかも、この間に亘ってダイヤフラム弁10は
パイロット弁体14bの傾きにより開弁状態を維持する
ので、リム洗浄とジェット洗浄は、途切れることなく連
続して行われる。
【0044】その一方、回転ドラム21が出力ポート1
5を閉鎖して出力ポート16を開放した状態から回転シ
ャフト22が反時計方向に逆回転し上記の初期状態に復
帰すると、パイロット弁体14bは、カム部材22aか
ら開放されて正立姿勢を採るので、ダイヤフラム弁10
は上記したようにして開弁状態から閉弁状態となり、自
閉弁機構部2では自閉止水される。このように止水され
るまでの間にあって、回転ドラム21は出力ポート16
を閉鎖して出力ポート15を開放した状態とするので、
洗浄水分配室30の洗浄水は、出力ポート15を通過し
てリム85aから吐出され、リム洗浄が再度実施され
る。よって、便器洗浄は、リム洗浄・ジェット洗浄・リ
ム洗浄の順に途切れることなく連続して行われる。しか
も、出力ポート15、16の開口面積に差を持たせたの
で、リム洗浄とジェット洗浄とを異なる流量(リム洗浄
は小流量、ジェット洗浄は大流用)でそれぞれ実施でき
る。
【0045】以上説明したように、回転シャフト22の
正逆回転の間に亘って自閉弁機構部2のダイヤフラム弁
10を開弁状態とできると共に、この洗浄水分配室30
の開弁動作に同期して、分配弁機構部1により洗浄水の
分配供給を行うことができる。つまり、本実施例の自閉
水栓装置JVは、以下の構成を有する。
【0046】自閉水栓装置JVは、ダイヤフラム弁10
が自閉止水するまでの時間で規定される所定量の洗浄水
を吐出し、自動的に閉弁止水する自閉弁機構部2と、こ
の自閉弁機構部2の下流側に設けられ、流れ込んだ洗浄
水をその供給先を切り替えて順次分配供給する分配弁機
構部1と、自閉弁機構部2による洗浄水吐出開始のため
の弁動作と、分配弁機構部1による分配供給開始のため
の弁動作とを、同期して実行させる弁動作同期実行手段
を有する。
【0047】この際、弁動作同期実行手段は、回転ドラ
ム21、回転シャフト22、カム部材22a並びにパイ
ロット弁体14bで構成されており、これら回転シャフ
ト等により自閉弁機構部2と分配弁機構部1を同時に作
動させている。よって、回転シャフト22を回転させる
だけで、便器洗浄をリム洗浄・ジェット洗浄・リム洗浄
の順に途切れることなく連続して実施でき好ましい。
【0048】また、本実施例の自閉水栓装置JVは、ダ
イヤフラム弁10を開弁させるためのパイロット弁体1
4bにそのシャフト部上端でカム部材22aを介して力
を掛けるようにした。よって、このパイロット弁体14
bを僅かな力で傾けてダイヤフラム弁10を開弁状態と
できる。このため、回転シャフト22を回転させるため
のシャフト回転駆動機器(アクチュエータ8)の低規格
化や小型化をより進めることができ好ましい。
【0049】また、上記したように、自閉水栓装置JV
の開弁、詳しくはダイヤフラム弁10の開弁は、カム部
材22aがパイロット弁体14bのシャフト部と接触し
これを傾けることにより開始されることから、この開弁
の始動性を確保するため、次のように構成した。
【0050】パイロット弁体14bへのカム部材22a
の回転接触の状況は、パイロット弁体14bのシャフト
部あるいはカム部材22aの摩耗により変化する。ま
た、この両者の接触面の摩擦抵抗(摩擦係数)が大きい
と、パイロット弁体14bを傾けるために、大きなカム
部材22aの回転力、即ち回転シャフト22を要する。
よって、このような摩耗の抑制や摩擦抵抗(摩擦係数)
の低減を図れば、ダイヤフラム弁10の開弁始動性を確
保できる。また、パイロット弁体14bの接触部分を平
面としたり、カム部材22aの接触部分を平面とするこ
とにより、接触面積を大きくすることができ、接触部分
の反力を分散することができる。こうすれば、摩耗の抑
制、摩擦抵抗の低減を図ることができる。更に、パイロ
ット弁を傾倒させるための工夫として、パイロット弁体
14bの支点に対し、パイロット弁体14bとカムが接
する作用点までの距離を十分長く設計しているため、て
この原理から小さな操作力でパイロット弁を傾倒でき
る。
【0051】本実施例では、パイロット弁体14bを、
表面硬度の大きな金属、例えば脱亜鉛黄銅の鍛造品とし
た。その一方、カム部材22aを、上記した高摺動性発
揮樹脂の成型品とした。なお、回転シャフト22はカム
部材22aと一体であることから、回転シャフト22も
これら樹脂の成型品である。
【0052】このようにパイロット弁体14bとカム部
材22aの材質や製法(鍛造)を規定したので、パイロ
ット弁体14bのシャフト部とカム部材22aの摩耗を
効果的に抑制できると共に、両者の間の摩擦抵抗(摩擦
係数)を低減できる。つまり、パイロット弁体14bと
カム部材22aについて、耐摩耗性と高摺動性を発揮で
きる。よって、本実施例の自閉水栓装置JVでは、ダイ
ヤフラム弁10の開弁始動性を好適に確保できる。しか
も、高摺動性により、カム部材22a(回転シャフト2
2)を回転させるためのアクチュエータ8の回転トルク
を低減でき、アクチュエータの低規格化と小型化を図る
ことができる。この場合、回転ドラム21をも上記の高
摺動性発揮樹脂とすれば、アクチュエータ8の回転トル
クを低減でき好ましい。
【0053】また、パイロット弁体14bは、スプリン
グ17に対しても高摺動性を発揮するので、弁組み付け
時にスプリングに捩れを残さない。よって、パイロット
弁体14bにはスプリング17の円周においてほぼ均等
に付勢力が作用するので、閉弁時のシール不良を回避す
ることができる。なお、このようにパイロット弁体14
bとカム部材22aを規定することは、本実施例の自閉
水栓装置JVに限らず種々のダイヤフラム弁に適用でき
る。また、パイロット弁体14bは、そのシャフト部と
下端の弁体部を一体としたが、ベアリングを内蔵してシ
ャフト部に対して弁体部がシャフト下端で回転するよう
にできる。このようにしても、弁組み付け時にスプリン
グに捩れを残さないので、上記のようにパイロット弁体
14bにほぼ均等に付勢力を作用させて閉弁時のシール
不良を回避することができる。
【0054】次に、上記したような自閉弁機構部2の自
閉止水並びに分配弁機構部1の洗浄水分配供給を同期実
行させるための操作ユニット6について説明する。この
操作ユニット6は、上記した自閉弁機構部2の自閉止水
とこれに同期した分配弁機構部1の洗浄水分配供給を、
リモコン操作部の操作に応じて自動的に実行させたり、
手動で実行させたりすべく、以下の構成を有する。
【0055】操作ユニット6は、メインケース2bの側
方上端側に設けられ、回転シャフト22の駆動源とし
て、アクチュエータ8と手動レバー7を有する。この操
作ユニット6は、メインケース2b側面から突出した回
転シャフト22の一端側と、インボリュートセレーショ
ン構造の接続部6aで接続されている。これにより、操
作ユニット6と回転シャフト22の軸ずれが吸収されて
いる。この場合、回転シャフト22は、メインケース2
bでの軸支部に含油タイプのOリング25を有するの
で、このOリング25により、回転シャフト22は軸シ
ールされると共に、摺動抵抗の低減や、耐久劣化・摩耗
の防止が図られている。
【0056】操作ユニット6は、ギヤボックス40を介
して、アクチュエータ8並びに手動レバー7を回転シャ
フト22に接続させている。このギヤボックス40は、
アクチュエータ8により回転する出力ギヤ32と、当該
ギヤと縁切り可能に組み合わされ回転シャフト22に回
転駆動力を伝える入力ギヤ33と、この両ギヤを縁切り
するためのスプリング34と、縁切り状態にある両ギヤ
の接続時に通電励磁される電磁ソレノイド31とを有す
る。回転シャフト22は、ゼンマイバネ35と接続され
ており、その付勢力を受けて図3に示す初期状態の位置
に強制的に戻るようにされている。
【0057】手動レバー7は、回転シャフト22をゼン
マイバネ35の付勢力に抗して直接回転駆動して上記の
パイロット弁14を開弁できるよう、当該シャフトと接
続されている。また、手動レバー7によるパイロット弁
14の開弁並びに回転ドラム21の回転に伴う分配供給
がなされて手動レバー7の操作力が解放されると、それ
以降、手動レバー7と回転シャフト22はゼンマイバネ
35により初期状態の位置に復帰する。
【0058】この操作ユニット6により、次のようにし
て便器洗浄が実施される。リモコンの便器洗浄ボタンが
操作されると、その信号を受けた図示しない制御装置
は、まず、電磁ソレノイド31を通電励磁し、出力ギヤ
32と入力ギヤ33を接続状態とする。次いで、制御装
置は、アクチュエータ8を正逆回転制御する。すると、
アクチュエータ8の正方向回転がギヤボックス40の各
ギヤを介して回転シャフト22に伝達され、回転シャフ
ト22は、所定方向(図3における時計方向)に回転す
る。よって、この回転シャフト22の回転により、上記
したように自閉弁機構部2でのダイヤフラム弁10の開
弁動作と分配弁機構部1での回転ドラム21による洗浄
水の分配供給が同期して実施され、便器洗浄(リム洗浄
・ジェット洗浄)が行われる。次いで、制御装置は、ア
クチュエータ8を逆転駆動させるので、これにより上記
のように再度のリム洗浄が実施される。つまり、リモコ
ンのボタン操作だけで、リム洗浄・ジェット洗浄・リム
洗浄の一連の便器洗浄が途切れることなく行われる。そ
して、アクチュエータ8の逆回転制御終了後は、制御装
置はアクチュエータ8を停止制御すると共に電磁ソレノ
イド31の通電励磁を停止し、便器洗浄の自動実行のた
めの制御を終了する。
【0059】このような便器洗浄自動実行中に停電やア
クチュエータ異常等の不測の事態が起きアクチュエータ
8の回転が途中で停止すると、電磁ソレノイド31の通
電励磁が停止するので、回転シャフト22は、入出力ギ
ヤの縁切りによりアクチュエータ8から解放される。そ
して、この回転シャフト22は、ゼンマイバネ35の付
勢力を受けて図3の初期状態の位置に強制的に戻るの
で、その後速やかに自閉弁機構部2で閉弁動作が実行さ
れる。
【0060】また、停電のために便器洗浄の自動実行が
行えない場合は、手動レバー7が使用者により手動操作
される。この手動レバー7の操作により回転シャフト2
2は回転するので、手動にて支障無く便器洗浄を実行で
きる。つまり、使用者は、まず手動レバー7を第1の操
作位置まで操作して回転シャフト22を僅かに回転さ
せ、カム部材22aによりパイロット弁体14bを傾け
てダイヤフラム弁10を開弁させる。これにより、リム
洗浄が実施される。次いで、使用者は、手動レバー7を
第2の操作位置まで操作して回転シャフト22を回転さ
せ、回転ドラム21により出力ポート15を閉鎖し出力
ポート16を開放させる。これにより、洗浄水分配が行
われジェット洗浄が実施される。その後は、手動レバー
7の第1の操作位置への復帰操作、初期位置までの復帰
操作を行う。これにより、再度のリム洗浄と洗浄停止が
なされる。このように操作される手動レバー7につい
て、上記の第1、第2の操作位置で節度感が得られるよ
うにしておけば、操作性を高めることができる。この場
合、回転シャフト22の回転に要する力は上記したよう
に低減されているので、使用者は、容易にこの手動レバ
ー7を操作できる。
【0061】また、アクチュエータ8を用いた便器洗浄
を行うに当たり、アクチュエータ8を上記の正方向駆動
してジェット洗浄を実行後には、次のようにすることも
できる。つまり、アクチュエータ8の上記正方向駆動完
了後は、電磁ソレノイド31の通電励磁を停止して出力
ギヤ32と入力ギヤ33の接続状態を解き、回転シャフ
ト22にはゼンマイバネ35の付勢力のみを作用させ
る。その後にアクチュエータ8を逆回転制御するが、こ
の際には、アクチュエータ8はその回転方向(逆回転方
向)と順方向の力(回転力)をゼンマイバネ35から受
けない。よって、アクチュエータ8を無負荷状態で逆回
転駆動できるので、アクチュエータ8の脱調を回避でき
る。回転シャフト22は、ゼンマイバネ35の付勢力を
受けて逆回転し初期状態に位置に復帰する。よって、こ
のシャフトの逆回転の間に、上記したように再度のリム
洗浄が実行され、逆回転完了後は、パイロット弁体14
bの正立姿勢(初期状態)への復帰を経て、自閉水栓装
置JVは自閉止水する。この場合、洗浄水分配室30内
に回転ドラム21のストッパを設けておけば、ゼンマイ
バネ35による復帰の際に回転シャフト22を高い繰り
返し精度で初期状態の位置に戻すことができる。
【0062】次に、二次側通水路11aの圧力異常に対
処するための構成について説明する。自閉水栓装置JV
は、図2および図4に示すように、二次側通水路11a
の圧力(水圧)を受ける圧力スイッチ50を有する。こ
の圧力スイッチ50は、分配弁機構部1の洗浄水分配室
30と連通するようメインケース2bに装着されてお
り、洗浄水分配室30内の圧力(二次側圧力)を受ける
ダイヤフラム51と、このダイヤフラムを洗浄水分配室
30の側に付勢するスプリング55と、ダイヤフラム5
1の動きに追従して移動するようダイヤフラムサポート
57に設けられたマグネット53と、このマグネット5
3の動きを検知するホールIC52と、スプリング設定
荷重を調整するための荷重調整ねじ56とを有する。こ
の場合、スプリング55は、荷重調整ねじ56により予
め所定の設定圧力となるようにそのバネ長(即ち、設定
加重)が調整されている。
【0063】そして、洗浄水分配室30の側の水圧がダ
イヤフラム51に及ぼす力がスプリング55の付勢力を
上回ると、ダイヤフラム51はこのスプリング55の付
勢力に抗して図2において右側に移動する。このダイヤ
フラム51の動きは、マグネット53を介してホールI
Cにより検知され、制御装置にその旨の電気的な信号
(二次側圧力異常信号)として出力される。この信号を
受け取った制御装置は、即座にダイヤフラム弁10を閉
弁動作させるための制御(アクチュエータ8の逆転復帰
制御や増速駆動制御を割込実施するので、洗浄水供給の
緊急停止や流動時の水圧によって吐水分配のパターンを
変化させるといったことが可能となる。なお、マグネッ
ト53は耐水性を考慮しフェライト製が望ましい。
【0064】ここで、上記信号の出力の様子を、便器洗
浄初期に圧力異常が発生した場合を例に取り説明する。
この場合には、制御装置は、リモコンの便器洗浄ボタン
の操作を受けてアクチュエータ8を駆動制御するので、
回転シャフト22は、図3に示す初期状態位置から僅か
に回転し、カム部材22aにより自閉弁機構部2のダイ
ヤフラム弁10を開弁させる。これにより、洗浄水分配
室30に洗浄水が流入し、この際には、回転ドラム21
により出力ポート16は以前閉塞されているので、洗浄
水は出力ポート15を経てリムに流れている。このよう
な状況下で、一次側給水路3aの側の給水圧力が設定値
以下に異常下降すると、ダイヤフラム51はスプリング
55の付勢力に抗して、右側に移動しきれず、このダイ
ヤフラム51に追従しているマグネット53も右側に移
動しない。こうしてマグネット53がホールIC52を
横切らず、通常動作時とは異なり、磁力のN極からS極
への変化を捉えないため、圧力異常と判断し、デジタル
信号を制御装置に出力する。これにより、制御装置は、
通常の便器洗浄時とは異なる態様でアクチュエータ8を
駆動制御する。具体的には、アクチュエータ8に組み込
まれている電磁ソレノイド31をオフし、ギアの噛み合
いを切り離す。これにより、回転シャフト22に取り付
けられているゼンマイバネ35の付勢力で、回転シャフ
トを初期位置に強制的に戻す。よって、ジェット洗浄に
移行することを抑制し、低圧による汚物詰まりを抑制す
ることができる。
【0065】次に、リム吐水配管86やジェット吐水配
管87に洗浄水を流し込むための出力ポート部4につい
て説明する。この出力ポート部4は、メインケース2b
の上端に装着されており、出力ポート15、16の上端
(下流側)にそれぞれ負圧破壊弁60、65を有する。
この負圧破壊弁60、65は、出力ポート15、16と
外部出力ポート15a、16aとの間に介在し、洗浄水
の供給時には各ポート間を連通し、非供給時には各ポー
ト間を大気解放して洗浄水の逆流を防止すべく以下の構
成を有する。なお、負圧破壊弁60、65は同じ構成を
有するので、以下の説明にあっては、適宜一方の弁(負
圧破壊弁60)の構成についての説明に止めることとす
る。
【0066】図2、図3並びに図4に示すように、負圧
破壊弁60、65は、それぞれ上下動する負圧破壊弁体
61、66と、この弁体の上下に位置する負圧破壊弁座
62、67並びに分配室側弁座64、69を有する。負
圧破壊弁60では、負圧破壊弁体61が、出力ポート1
6に流入した洗浄水圧力並びに自身の浮力により浮沈
し、自閉弁機構部2が開弁状態(洗浄水吐水状態)で出
力ポート16に洗浄水が流入すれば、環状隆起の負圧破
壊弁座62にその下方から当接着座する。この場合、負
圧破壊弁座62には、負圧破壊弁体61周縁上端のゴム
シールが当接着座し、当接箇所のシール性が確保されて
いる。これにより、出力ポート16と自閉水栓装置外側
(大気)との連通を断絶すると共に、出力ポート16か
ら外部出力ポート16a、延いてはジェット吐水配管8
7への洗浄水流入を可能とする。この場合、外部出力ポ
ートに接続されたリム吐水配管86、ジェット吐水配管
87の各配管は、その湾曲部内側WRの曲率が大きくさ
れているので、各配管への通水時の配管湾曲部における
圧力損失を抑制できる。
【0067】また、負圧破壊弁体61は、自閉弁機構部
2が閉弁状態にあり出力ポート16に洗浄水が流入して
いないときは、自重にて分配室側弁座64にその上方か
ら当接着座する。この場合、分配室側弁座64は出力ポ
ート内壁の等ピッチのリブで分断形成されているので、
分配室側弁座64に負圧破壊弁体61が着座しても、こ
の等ピッチの分配室側弁座64の分断箇所から出力ポー
ト16への大気導入を図る。これにより、洗浄水分配室
30からリム吐水配管86あるいはジェット吐水配管8
7に亘る管路が洗浄水で満たされたままの状態が起きた
としても、この状態は負圧破壊弁60から上記のように
導入された空気にて分断される。よって、出力ポート下
流側(二次側)の水抜きができると共に、洗浄水の逆流
や管内洗浄水凍結による管路破損を回避できる。この
時、負圧破壊弁60での負圧破壊性能は損なわれること
になるが、逆止弁70をゴム部材で形成して当該弁に負
圧破壊機能を持たせることにより、負圧破壊弁60に替
わって負圧破壊性能を果たすことができる。なお、分配
室側弁座64を環状に形成した場合であっても、負圧破
壊弁体61が樹脂面でこの分配室側弁座64に着座すれ
ばこの着座箇所からの空気導入が可能であるので、上記
したように水抜きを実施でき、逆流並びに凍結による管
路破損を回避できる。また、分配室側弁座64を環状と
して、当該弁座への負圧破壊弁体61の着座部分に切欠
を形成しても同様である。
【0068】しかも、この負圧破壊弁体61は、次のよ
うな作用をなす。つまり、上記した各出力ポートへの洗
浄水流入がなされているときに一次側給水路3aあるい
は二次側通水路11aに負圧が発生すると、負圧破壊弁
体61は、この負圧により分配室側弁座64に着座す
る。これにより、負圧破壊弁60は、出力ポート16へ
の大気導入を図り、いわゆる負圧破壊を実施する。この
弁構成・機能は、負圧破壊弁65でも同様である。
【0069】負圧破壊弁座62、67の周囲は、オーバ
ーフローした洗浄水が流れ込むよう陥没形成されたオー
バーフロー水用受皿63とされており、この受皿に流れ
込んだ洗浄水は、オーバーフロー水排出口68から外部
に排出される。このオーバーフロー水用受皿63に洗浄
水が流れ込む場合としては、自閉弁機構部2での開弁初
期(吐水初期)および出力ポート切替時などがあり、こ
のような場合に負圧破壊弁座から漏れた水は、オーバー
フロー水排出口68を介して所定の場所に自然排水さ
れ、むやみに装置からこぼさないようにされている。な
お、オーバーフロー水用受皿63の上端は、蓋体63a
で覆われている。
【0070】出力ポート部4は、上記構成の負圧破壊弁
60の下流側、即ち外部出力ポート16aの接続箇所
に、逆止弁70を有する。逆止弁70は、上端にて軸支
されており、図4に実線で示す管路閉鎖姿勢から点線で
示す管路開放姿勢に回動自在とされている。そして、こ
の逆止弁70は、その下流側に発生した圧力によって、
洗浄水が一次側給水路3aの側へと逆流することを防止
している。負圧破壊弁65についても同様である。ま
た、負圧破壊弁60、65によって、これら負圧破壊弁
下流側の配管は、止水時にはエアーで置換されており、
通常は負圧破壊弁60、65にて、その下流側が一次側
から縁切りされている。この場合、逆止弁70をゴムシ
ート等から形成すれば、シール性が高まり逆流防止の観
点から好ましい。
【0071】次に、一次側給水路3aに装着した定流量
弁80について説明する。図6は、この定流量弁80の
概略構成を説明するため、その上半部にて、高圧洗浄水
流入時の様子を示し、下半部にて、低圧洗浄水流入時の
様子を示す説明図である。定流量弁80は、図6に示す
ように、円錐型の螺旋状のスプリング81と、このスプ
リング81に発生した振動を抑制するよう装着された防
振ゴム82と、スプリング81の回転止めを果たすと共
に当該スプリングの伸縮により前後動するピストン83
と、そのピストンガイド84とを有する。この定流量弁
80に洗浄水が流入すると、スプリング81は、その洗
浄水の勢い(流動圧)に起因する力を受けて撓み、スプ
リング間の隙間、即ち洗浄水の通路面積を変化させる。
この際の撓み程度は、流れ込む洗浄水の勢いにより異な
り、流動圧が低ければ撓み量も小さく通路面積が広くな
る。その一方、流動圧が高ければ、スプリング81は大
きく撓んで通路面積を狭くする。よって、この定流量弁
80によれば、自閉水栓装置JVへの給水圧力が変動し
ても、その圧力変動に関係なくスプリング81を通過し
て自閉弁機構部2に達する洗浄水の流量を一定にでき
る。このため、回転ドラム21の動作タイミングのみを
制御することで、各出力ポートへの吐水分配量(リム洗
浄とジェット洗浄の分配量)を、給水圧の変動にかかわ
らず、一定に保つことができる。なお、この定流量弁8
0は、バネ80aにて、その上流側から押さえ込まれて
いる。
【0072】上記構成の定流量弁80では、ピストン8
3とピストンガイド84とを、上記した高摺動性発揮樹
脂の成型品とした。よって、ピストン83がピストンガ
イド84内で前後動する際には、高摺動性を発揮でき
る。よって、ピストン83の前進動作時と後退動作時と
で、給水圧と流量の関係のヒステリシスを小さくできる
ので、給水圧に応じて感度よく定流量化を図ることがで
きる。
【0073】また、この定流量弁80では、図6に示す
ように、ピストン83端部のスプリング押さえ部分を、
その周縁に亘って円弧状に面取りした。よって、このス
プリング押さえ部分で洗浄水の流れに大きな乱れを起こ
さないので、特に低給水圧時の圧力損失を抑制でき定流
量化の信頼性が高まる。
【0074】以上説明した本実施例の自閉水栓装置JV
によれば、大便器85に組み込むことで、リム洗浄とジ
ェット洗浄とにそれぞれ必要な流量を、リム吐水配管8
6とジェット吐水配管87の各配管に分配供給でき、洗
浄吐水量、瞬間流量共に効率のよい便器洗浄を行うこと
が可能となる。
【0075】次に、上記の自閉水栓装置JVの種々の変
形について説明する。図7は、分配弁機構部1の変形例
における要部拡大概略断面端面図である。上記した自閉
水栓装置JVでは、カム部材22aによりパイロット弁
体14bが倒されダイヤフラム弁10が開弁しても、回
転ドラム21がその後ある程度継続しなければポートの
切替が行われないが、この変形例では、自閉弁機構部2
におけるダイヤフラム弁10の開弁動作と洗浄水分配供
給の切替をより近似したタイミングで行える点に特徴が
ある。
【0076】図示するように、この変形例では、回転ド
ラム21aは、自閉水栓装置JVが初期状態にあるとき
出力ポート16を塞いでいるものの、ドラム側壁は、出
力ポート15の開口部周縁に有る。よって、回転シャフ
ト22が時計方向にこの初期位置から回転すると、半円
形のカム部材22aによりパイロット弁体14bが倒さ
れてダイヤフラム弁10(図示省略)が開弁すると共
に、回転ドラム21aによる出力ポート15の閉鎖・出
力ポート16の開放が即座に行われる。よって、止水状
態(閉弁状態)にある自閉水栓装置JVにおいて、開弁
のための操作により回転シャフト22が回転すると、吐
水開始(開弁開始)とほぼ同時に出力ポートの切替がな
され、その吐水先が出力ポート16に対応したものとな
る。また、このように、出力ポート16に対応した吐水
先から吐水されている最中に回転ドラム21aが出力ポ
ート16を塞ぐ側に逆転されると、ダイヤフラム弁10
は開弁されたまま洗浄水の吐水先は出力ポート15に対
応した吐水先に切り替わる。よって、この変形例の自閉
水栓装置JVを、カランとシャワーを備え速やかな吐水
切替を要する水栓に適用すれば、単一の自閉水栓装置J
Vにてカランとシャワーの吐水切替を行うことができ
る。しかも、この際には、回転ドラム21aを正逆回転
させるだけの従来と同様の操作を必要とするに過ぎな
い。
【0077】ここで、図7に示した分配弁機構部1を有
する自閉水栓装置JVを水栓に用いた場合の使用例につ
いて説明する。この場合には、既述した実施例と同様に
回転シャフト22を正逆回転駆動するためのアクチュエ
ータ8を設け、このアクチュエータ8を次のように制御
する。なお、出力ポート15はカランと接続され、出力
ポート16はシャワーと接続されているとする。そし
て、リモコン(図示省略)は、カランからの吐水を実行
するためのカラン吐水ボタンと、シャワーからの吐水を
実行するためのシャワー吐水ボタンと、カランからシャ
ワーに順次吐水切替をするためのカラン・シャワー切替
ボタンと、シャワーからカランに順次吐水切替をするた
めのシャワー・カラン切替ボタンと、停止ボタンを有す
るとする。
【0078】まず、止水状態にあるときにカラン吐水ボ
タンが操作された場合について説明する。カラン吐水ボ
タンが操作されその旨の信号を自閉水栓装置JV側の制
御装置が受け取ると、この制御装置は、回転ドラム21
aは出力ポート16を閉鎖したままでパイロット弁体1
4bを傾けることができるだけ、アクチュエータ8を駆
動制御して回転シャフト22を回転させる。これによ
り、ダイヤフラム弁10は既述したように開弁し、この
際は出力ポート15は開放されたままであるので、ダイ
ヤフラム弁10の開弁動作に同期して洗浄水は出力ポー
ト15のカランに分配供給される。この状態で停止ボタ
ンが操作されれば、制御装置は、アクチュエータ8を逆
転駆動してパイロット弁体14bを図示する初期位置の
正立姿勢を採らせる。これにより、ダイヤフラム弁10
は閉弁動作を開始するので、カランからの吐水はダイヤ
フラム弁10(自閉弁機構部2)の自閉止水により停止
する。
【0079】上記のカラン吐水の状態でシャワー吐水ボ
タンあるいはカラン・シャワー切替ボタンが操作される
と、回転ドラム21aにより出力ポート16が開放され
出力ポート15が閉鎖されるまで、制御装置は、アクチ
ュエータ8を更に駆動制御して回転シャフト22を回転
させる。これにより、シャワー吐水ボタンあるいはカラ
ン・シャワー切替ボタンの操作後に速やかに吐水がカラ
ンからシャワーに切り替わり、停止ボタンが操作される
までシャワー吐水が継続される。なお、カラン・シャワ
ー切替ボタンが操作された場合にあっては、シャワー吐
水を所定時間経過した後に、アクチュエータ8を逆転駆
動してパイロット弁体14bを図示する初期位置の正立
姿勢を採らせ、ダイヤフラム弁10(自閉弁機構部2)
を自閉止水させることもできる。
【0080】止水状態にあるときにシャワー吐水ボタン
が操作されると、制御装置は、回転ドラム21aにより
出力ポート16が開放され出力ポート15が閉鎖される
まで、アクチュエータ8を当初から駆動制御して回転シ
ャフト22を回転させる。これにより、パイロット弁体
14bの傾きによりダイヤフラム弁10の開弁動作が起
こり、これに同期して洗浄水は出力ポート16のシャワ
ーに分配供給される。停止ボタンが操作された場合は、
上記した通りである。
【0081】上記のシャワー吐水の状態でカラン吐水ボ
タンあるいはシャワー・カラン切替ボタンが操作される
と、回転ドラム21aにより出力ポート16が閉鎖され
出力ポート15が開放されながらパイロット弁体14b
は傾斜している状態まで、制御装置は、アクチュエータ
8を逆転駆動制御して回転シャフト22を逆回転させ
る。これにより、カラン吐水ボタンあるいはシャワー・
カラン切替ボタンの操作後に速やかに吐水がシャワーか
らカランに切り替わり、停止ボタンが操作されるまでカ
ラン吐水が継続される。なお、シャワー・カラン切替ボ
タンが操作された場合にあっては、上記したように、カ
ラン吐水を所定時間経過した後にダイヤフラム弁10
(自閉弁機構部2)を自閉止水させることもできる。
【0082】一方、止水状態にある時にカラン・シャワ
ー切替ボタンが操作されると、制御装置は、カラン吐水
ボタン操作時と同様にして、アクチュエータ8を駆動制
御し洗浄水を出力ポート15のカランに分配供給する。
その後、制御装置は、設定済みの所定時間だけこのカラ
ン吐水を継続し、シャワー吐水ボタン操作時のようにし
て、アクチュエータ8を駆動して出力ポート16の開放
と出力ポート15の閉鎖を行い、洗浄水を出力ポート1
6のシャワーに分配供給(切替供給)する。次いで、制
御装置は、設定済みの所定時間だけこのシャワー吐水を
継続し、停止ボタン操作時のようにしてダイヤフラム弁
10(自閉弁機構部2)を自閉止水させる。
【0083】このように構成した水栓では、カランとシ
ャワーへの給水管路に単一の自閉水栓装置JVを設置す
ることで、カランあるいはシャワーの単独吐水を支障無
く実行できると共に、カランからシャワーあるいはその
逆の順序での分配吐水をも実行できる。よって、水栓の
使用形態の多様化を通して付加価値の向上や高機能かを
図ることができる。なお、カラン・シャワーの切替分配
吐水の際の各形態での吐水継続時間は、ダイヤル、スラ
イダー等にて個々に容易に設定できる。
【0084】また、カラン吐水あるいはシャワー吐水の
停止を、アクチュエータ8の制御によらずに実施するこ
ともできる。この場合には、出力ポート15の閉鎖側あ
るいは出力ポート16の閉鎖側に一旦回転した回転ドラ
ム21aが図示する初期位置に所定時間経過後に強制的
に戻るよう、回転シャフト22にスプリングなどで付勢
するようにすればよい。
【0085】次に、他の変形例について、順次説明す
る。なお、説明に当たっては、洗浄水の流れに沿って各
変形例を説明する。図8は、自閉弁機構部2における定
流量弁80周辺の拡大断面図、図9は、定流量弁80の
上流側に組み込んだストレーナ500の概略斜視図であ
る。
【0086】一般に、弁の入口には、ゴミや異物除去の
弁内への進入を阻止するため、ストレーナが組み込まれ
る。しかし、圧力損失の低減の観点からは、流体の流れ
を阻害するストレーナは無い方が望ましい。よって、こ
の変形例では、圧力損失の少ない新規なストレーナを提
供することに特徴がある。なお、以下の説明では、上記
した実施例の自閉水栓装置JVに組み込んだ場合を例に
取り説明するが、種々の弁に適用できることは勿論であ
る。
【0087】図示するように、この変形例では、定流量
弁80を上下のスペーサ88、89で挟持して一次側給
水路3aに備え、管金具2aにて、スペーサごと定流量
弁80を固定している。スペーサ89は、中央方向に延
びた腕部89aを備え、この腕部により定流量弁80の
ピストン83の図中左方への動きを規制している。よっ
て、下流側のスペーサ88、定流量弁80、上流側のス
ペーサ89をこの順に一次側給水路3aに配置するだけ
で、定流量弁80の組み込みが完了し、ピストンの上記
動きを規制するための部材の組み付けを必要としない。
このため、定流量弁80の組み付け作業性を高めること
ができる。
【0088】管金具2aは、その内部にストレーナ50
0を有する。このストレーナ500は、略円錐台状の外
観形状を有し、その骨格501は、ポリアセタール(P
OM樹脂)やポリフェニレンスルファイド(PPS樹
脂)等のエンジニアリングプラスチックで形成されてい
る。そして、この骨格501には、円錐台形状のメッシ
ュ502を嵌め込んでいる。よって、ストレーナ500
では、その頂上部の僅かな面積のメッシュしか、入口開
口から流れ込む流体(洗浄水)の流れに直交させないの
で、流体の流れを乱すことが少ない。なお、骨格強度確
保のため、略円錐台形状としたが、円錐形状であっても
よいことは勿論である。
【0089】また、このストレーナ500は、メッシュ
に従来多用されていたナイロンに替え、上記のPPS樹
脂にてメッシュ502を形成した。よって、メッシュの
オープニングエリアを、ナイロン性のメッシュの場合よ
り約5%程度広くできた。これらの結果、ストレーナ5
00により、圧力損失を約0.56kPa{0.005
7kgf/cm2 }程度に低減できた。従って、ストレ
ーナ500は、自閉水栓装置JVに限らず種々の弁にお
けるストレーナとして有益である。なお、管金具2aに
おける一次側給水路3aの流路径は、約17mmであ
る。
【0090】図10は、変形例の定流量弁80A周辺の
概略構成を拡大して断面視すると共に、この定流量弁下
流への洗浄水の流れの様子を説明する説明図、図11
は、定流量弁80Aの下流に流れる洗浄水の圧力と流量
の関係を示すグラフである。
【0091】この定流量弁80Aは、一次側給水路3a
にその管壁との間で隙間を持たせて組み込まれており、
図中に矢印WAで示すように、弁中央部を軸線に沿って
洗浄水を流すように構成されている。そして、この定流
量弁80Aは、その下流側からスプリング503の付勢
力を一次側給水路3aの上流側に向けて受け、図示する
ように管金具2aの側に位置(原位置)する。なお、定
流量弁80Aは、その外周の適宜箇所にて一次側給水路
3aに対して回り止めがなされている。
【0092】今、洗浄水が低給水圧で一次側給水路3a
に流れ込んだとする。定流量弁80Aは、この給水圧を
その上端面で受けるものの低給水圧であるため、管金具
2a側の原位置からそれほど下流側に動かない(図10
(a)参照)。よって、一次側給水路3aの管壁との間
の隙間は、定流量弁80A下流側の一次側給水路3aと
連通したままである。このため、この隙間がバイパス流
路となり、このバイパス流路と定流量弁80Aの弁中央
部を洗浄水が下流に流れ、ダイヤフラム弁10(図示省
略)に作用する。
【0093】一方、洗浄水が高給水圧で一次側給水路3
aに流れ込んだとする。定流量弁80Aは、この高給水
圧を受けて原位置から下流側に押し込まれ、その下端部
を一次側給水路3aの管壁段部に当接させる。よって、
一次側給水路3aの管壁との間の隙間は閉鎖され、洗浄
水は、定流量弁80Aの弁中央部のみを通過して下流に
流れ、ダイヤフラム弁10(図示省略)に作用する。な
お、定流量弁80Aは、弁中央部を通過する洗浄水に対
しては、その流量の定流量化を給水圧の高低に拘わらず
行うことは勿論である。
【0094】この定流量弁80Aによれば、低給水圧時
には、定流量弁での定流量化を受けない洗浄水が上記の
バイパス流路から下流に流れ、高給水圧ではこのような
バイパス流路からの洗浄水通過を起こさない。よって、
単なる定流量弁では、図11に二点鎖線で示すように低
給水圧時には所定の設定流量Qの確保が困難であるのに
対し、この変形例の定流量弁80Aによれば、低給水圧
であっても設定流量Qの確保ができ好ましい。
【0095】図12は、変形例の自閉水栓装置JVの概
略構成を示すブロック図である。図示するように、この
変形例は、定流量弁80の上流に配設されたストレーナ
520と、その上下流の管路の差圧を検出する圧力セン
サ521とを有する。このストレーナ520は、既存の
ストレーナであってもよく、図9に示したストレーナで
もよい。
【0096】圧力センサ521は、その検出した差圧に
応じた電気信号を制御装置522に出力し、この制御装
置522にてストレーナ520の目詰まり状態が判断さ
れる。つまり、ストレーナ520が異物を捕捉して目詰
まりが起きると、その目詰まり状態に応じてストレーナ
下流への洗浄水の流れが阻害され、ストレーナの上下で
差圧が生じる。よって、制御装置522は、ストレーナ
520の目詰まり状態とストレーナ上下の差圧との関係
に基づいて、圧力センサ521から入力される差圧信号
から目詰まり状態を判断する。この制御装置522は、
ストレーナ520に目詰まりが起きたと判断すると、表
示装置やブザー等の報知装置523に制御信号を出力し
て、使用者にストレーナの清掃や交換等の旨を報知す
る。また、制御装置522は、この目詰まり発生を判断
したときに自閉水栓装置JVが開弁状態であれば、パイ
ロット弁体14bが既述した初期位置に復帰するようア
クチュエータ8を制御した後にアクチュエータ8を停止
させ、それ以降の自閉水栓装置JVの開弁動作を強制的
に禁止する。なお、目詰まり発生時に自閉水栓装置JV
が閉弁状態であれば、制御装置522は、アクチュエー
タ8の停止状態を維持し、リモコン等から便器洗浄指令
(即ち、弁の開弁指令)が出力されても、アクチュエー
タ8を停止したままとして自閉水栓装置JVの開弁動作
を強制的に禁止する。
【0097】従って、この変形例では、ストレーナ52
0の目詰まりにより洗浄水に水量不足が起きれば、この
目詰まり解消がなされるまで、自閉水栓装置JVを開弁
させない。よって、水量不足のままで洗浄水がこの自閉
水栓装置JVから便器洗浄のために送られることが無い
ので、水量不足による便器洗浄不良を招かない。このた
め、洗浄不良による不快感や違和感を使用者に与えるこ
とが無い。また、目詰まり報知により、使用者は、清
掃、交換等の目詰まり解消処置を速やかに採ることがで
き、水量不足の無い状態での便器洗浄を速やかに実行す
ることができる。
【0098】上記した定流量弁80、80Aは、減圧弁
や調圧弁に置換可能であり、この減圧弁や調圧弁によれ
ば次のような利点がある。
【0099】便器のリム洗浄はリム85aを吐水先と
し、ジェット洗浄は吐出ノズル85cを吐水先とするの
で、リム洗浄では吐水先での絞り効果は小さくジェット
洗浄では絞り効果は大きい。よって、ジェット洗浄時に
吐出ノズル85cへの洗浄水の供給圧を下げても、大き
な絞り効果によりジェット洗浄としての洗浄能力の低下
を来さない。その一方、リム洗浄時に高い供給圧で洗浄
水を供給しても何の支障もなく、絞り効果も小さい上に
高い供給圧であることから、洗浄水のリム85aへの時
間当たり流量は多くなる。よって、リム洗浄を短時間の
内に実行してジェット洗浄を開始できるので、便器洗浄
時間の短縮化を図ることができる。
【0100】次に、自閉弁機構部2に関する変形例につ
いて説明する。図13は、変形例におけるダイヤフラム
弁505の要部拡大断面端面図である。このダイヤフラ
ム弁505は、ダイヤフラム506とダイヤフラムサポ
ート507とを有する点で、既述したダイヤフラム弁1
0と共通する。つまり、ダイヤフラム506がその上面
で給水弁座10aに当接着座する点、ダイヤフラムサポ
ート507がその中央貫通孔をパイロット流路11bと
しその周囲をパイロット弁座14aとする点等について
は、ダイヤフラム弁10と同様である。
【0101】この変形例のダイヤフラム弁505では、
ダイヤフラム506とダイヤフラムサポート507を一
体化するに当たり、ダイヤフラムサポート507上端の
平面部507aに亘って、ゴム製のダイヤフラム506
と樹脂製あるいは金属製のダイヤフラムサポート507
とを溶着させている。この両部材の溶着には超音波溶着
の手法を採り、ダイヤフラムサポート507にダイヤフ
ラム506を図示するよう装着した状態で超音波発振ホ
ーンをダイヤフラム506に押し当て、当該ホーンから
超音波を発振させた。これにより、両部材の界面は、超
音波震度を起こして加熱され、溶着する。この場合、ゴ
ムまたはエラストマーのダイヤフラム506に対して相
溶性を有する樹脂にてダイヤフラムサポート12を成形
すれば、溶着による一体化が促進され好ましい。
【0102】このように超音波溶着によりダイヤフラム
506とダイヤフラムサポート507を一体化して備え
るダイヤフラム弁505によれば、ダイヤフラム上面に
リテーナ13を要しないので、部品店数削減によるコス
ト低減と組み付け作業性の向上を図ることができる。ま
た、溶着を上記の平面部507aに亘って行うので、リ
テーナのリベットにより数カ所しかダイヤフラムとダイ
ヤフラムサポートを固定しない場合に比べて、シール性
を向上させることができる。
【0103】また、この変形例では、ダイヤフラムサポ
ート507におけるパイロット弁座14a周囲におい
て、ダイヤフラムサポート507の内部にテーパ状の陥
没部507bを形成した。ダイヤフラムサポート507
は、背圧室10cを形成することから(図2、3参
照)、テーパ状の陥没部507bにより次の利点があ
る。
【0104】背圧室10cに何らかの原因で空気(気
泡)Kが入り込み、この空気Kが背圧室10c上面、即
ちダイヤフラムサポートの上端内壁に残存したままであ
ると仮定する。このように背圧室10c内に空気が残存
すると、背圧室10cの圧力が昇圧する際には、空気は
圧縮変形した状態で残存するので、背圧室10c内圧力
と一次側給水路3a側の一次側給水圧を受けるダイヤフ
ラムでは、圧力の不均衡が起きる。よって、ダイヤフラ
ムの作動が不安定となり、ダイヤフラム弁としての開閉
弁動作の信頼性が低下する。
【0105】しかし、変形例のダイヤフラムサポート5
07では、空気Kをテーパ状の陥没部507bに沿って
案内しパイロット弁座14aの側に導くので、背圧室1
0cに残存した空気Kをダイヤフラム弁505の開弁時
に二次側通水路11aに排出できる。よって、ダイヤフ
ラム弁505の開弁後にブリード穴18を通して一次側
給水路3aから背圧室10cに洗浄水が流れ込む際に
は、背圧室10cに空気が残存しない状態で洗浄水の流
れ込みが起きて背圧室10cが満水となる。このため、
ダイヤフラム506を安定して作動(閉弁作動)でき、
ダイヤフラム弁505の弁動作の信頼性を高めることが
できる。この場合、ダイヤフラムサポート507にテー
パ状の陥没部507bを設けることは、本実施例の自閉
水栓装置JVに限らず種々のダイヤフラム弁に適用でき
る。なお、パイロット弁座14aの周囲には、弁座形成
のための窪みが存在するためこの窪みの空気は残るが、
窪みには常に一定量の空気しか残らないので、支障はな
い。もっとも、この窪みを形成しないでパイロット弁座
14aを隆起形成することもできることは勿論である。
【0106】このダイヤフラム506は、その概略斜視
図である図14に示すように、その最外周縁部に外側に
突出した突起506aを有する。この突起506aは、
平面方向から見た場合、ダイヤフラム506におけるブ
リード穴18と一列になるように形成されている。よっ
て、メインケース2bと下部ケース2cにダイヤフラム
506を挟持組み付ける際には、突起506aがダイヤ
フラム506延いてはブリード穴18の位置決めとして
働く。このため、組み付け作業が簡略となると共に組み
付け時のダイヤフラム506の取り扱いも容易となる。
そして、このことを通して弁の量産性を高めることがで
きる。なお、このように突起を設けることは、既述した
実施例のダイヤフラム10bはもとより、種々のダイヤ
フラム弁に適用できる。
【0107】図15は、図13に示す変形例のダイヤフ
ラム弁505にあってブリード穴18の形成箇所を断面
視した要部拡大断面端面図である。図示するように、変
形例のダイヤフラム弁505では、ブリード穴18とク
リーニングピン19とをその軸心が相対的に傾斜した関
係となるようにした点に特徴がある。
【0108】即ち、クリーニングピン19は、図示しな
い下部ケース2cに斜めに固定支持されている。これに
対し、ブリード穴18は、垂直にダイヤフラムサポート
507に形成されている。なお、ダイヤフラム506に
は、このブリード穴18より僅かに大きな貫通孔が空け
られている。
【0109】このダイヤフラム弁505では、図中に二
点鎖線で示すように、ダイヤフラム506が湾曲してダ
イヤフラムサポート507ごと降下した場合、ブリード
穴18の下端開口部は、傾斜したクリーニングピン19
に近接する。よって、この下端開口部周辺では、クリー
ニングピン19との接触により穴形状の変形が起き得る
が、この下端開口部より上方のブリード穴部分でピンが
ほぼ穴中央に位置する穴部分(図中にXで示す穴部分)
では、ピンの接触は起きない。このため、この穴部分で
は穴形状の変形は起きず、穴とピンで規定される流体
(洗浄水)の通過面積は一定のままとなる。この結果。
ダイヤフラム弁505を安定して閉弁でき閉弁動作の信
頼性を高めることができる。この場合、クリーニングピ
ン19は、ブリード穴18の軸方向に対して約5〜20
度程度傾いていればよい。
【0110】なお、クリーニングピン19を傾斜させる
ことに替え、クリーニングピン19を垂直に固定支持
し、ブリード穴18をこのクリーニングピン19に対し
て傾斜するよう形成することもできる。また、ブリード
穴18とクリーニングピン19とをその軸心が相対的に
傾斜した関係となるようにすることは、自閉水栓装置J
Vに限らず種々のダイヤフラム弁に適用できる。
【0111】図16は、変形例のクリーニングピンを説
明する説明図であり、この変形例は、クリーニングピン
の曲がり防止を図る点に特徴がある。図示するように、
変形例のクリーニングピン508は、その下端で下部ケ
ース2cに固定支持され、当該支持箇所の上方に、バネ
部分508aを有する(図16(a)参照)。また、他
の変形例のクリーニングピン509は、その下端部に球
体部を有し、下部ケース2cに埋設設置されたユニバー
サルジョイント509aにこの球体部を保持させて各方
向に傾斜可能とされている(図16(b)参照)。
【0112】これら変形例のクリーニングピンによれ
ば、クリーニングピンにこれを撓ませようとする力が作
用しても、バネ部分508aあるいはユニバーサルジョ
イント509aにより、クリーニングピンに曲がりをも
たらさない。そして、上記の力が解除されれば、各クリ
ーニングピンは、図示するように真っ直ぐな姿勢に容易
に復帰する。よって、クリーニングピンの曲がりに起因
するブリード穴内周壁へのピン接触を防止でき、ブリー
ド穴に不用意な穴形状の変形を起こさない。このため、
穴とピンで規定される流体(洗浄水)の通過面積を一定
に維持でき、ダイヤフラム弁の弁動作の安定化と信頼性
の向上を図ることができる。なお、クリーニングピン5
08は、バネ鋼の線材から形成すればより好ましく、こ
のような線材であればバネ部分を小さくしたり省略する
こともできる。
【0113】図17は、変形例の自閉弁機構部530の
拡大断面端面図である。この自閉弁機構部530は、下
部ケース2cに、所定条件下で背圧室10cを外部と連
通するチェックバルブ532を備え、メインケース2b
には、所定条件下で一次側給水路3aを二次側通水路1
1a、詳しくは洗浄水分配室30と連通するチェックバ
ルブ534を備える。
【0114】チェックバルブ532は、背圧室10c内
の洗浄水が凍結する際にその体積膨張を起こすと、体積
膨張による圧力を受けて開弁し、背圧室10c内の洗浄
水を外部配管533を介して外部に排出する。よって、
洗浄水凍結時の体積膨張による下部ケース2cの破損や
背圧室10cの水漏れ、ダイヤフラム10bの損傷を回
避でき、好ましい。
【0115】チェックバルブ534は、何らかの原因で
一次側給水路3aにおける給水圧が異常上昇すると、こ
の給水圧を受けて開弁し、一次側給水路3a内の洗浄水
をバイパス管路535を介して二次側通水路11a(洗
浄水分配室30)に導く。よって、ダイヤフラム弁10
のダイヤフラム10bへの異常圧力印加を回避して、ダ
イヤフラム弁10に異常な弁動作を起こさない。このよ
うな給水圧異常は、図示しない他の水栓等が大便器85
の近くに存在し、この水栓で起きた水撃が一次側配管
(図示省略)を経て自閉水栓装置JVまで伝播するよう
な場合に起きる。よって、チェックバルブ534によれ
ば、自閉弁機構部2にこのような水撃を受けないように
できる。これにより、ケーシングのエンジニアリングプ
ラスチック化を促進でき、軽量化を図ることができる。
なお、チェックバルブ532は、便器設置場所の気候条
件を考慮して選択設置するようにできる。また、他の水
栓からの水撃伝播が起き得ないように大便器85が単独
設置してある場合には、チェックバルブ534をも省略
できる。
【0116】次に、分配弁機構部1に関する変形例につ
いて説明する。図18は、分配弁機構部1における変形
例の回転ドラムの概略断面図である。図示するように、
回転ドラム510は、弧状のドラム部分外表面に、陥没
部510aを有する(図18(a)参照)。また、回転
ドラム511は、弧状のドラム部分外表面に、弧状に複
数列形成された凸条511aを有する(図18(b)参
照)。なお、図には凸条511aは2列とされている
が、3列以上であってもよい。
【0117】この変形例の回転ドラム510、511で
は、そのドラム部分を少ない接触面積でしか分配室内周
壁面に接触させない。このため、回転ドラム510、5
11を分配室内周壁面に沿って摺動回転させる際の回転
トルクを低減できる。このため、僅かな操作力で、これ
ら回転ドラム、延いては回転シャフト22を回転させる
ことができので、回転トルク発生機器であるアクチュエ
ータの低規格化や小型化をより一層進めることができ
る。
【0118】また、何らかの原因で洗浄水分配室30に
異物が進入しても、この異物は、陥没部510aの内部
や凸条511aにおける凸条間に捕捉される。よって、
回転ドラム510、511と洗浄水分配室30との間に
異物が噛み込まれることがないので、回転ドラムの摺動
回転不良を防止することができる。そして、このことを
通して回転トルクの異常増大を招かないので、アクチュ
エータ8の駆動不良や不用意な損傷を回避できる。な
お、陥没部510aと凸条511aはドラム部外表面の
中央領域にしか形成されていないので、洗浄水分配室3
0内周面との間のシール性能は確保され、水漏れ等の支
障はない。
【0119】図19は、他の変形例の回転ドラムの拡大
概略斜視図である。図示するように、回転ドラム540
は、湾曲自在なシート体541を回転シャフト22に係
合して備える。シート体541は、回転シャフト22か
ら延びたT字状の腕部542をその両端で支持する支持
部543を有し、回転シャフト22に対して上下に移動
可能とされている。
【0120】この回転ドラム540が洗浄水分配室30
に組み込まれた状態では、シート体541は、分配室内
周壁面の側に移動でき、図中に二点鎖線で示すようにこ
の分配室内周壁面(図3、図7参照)に倣って湾曲す
る。そして、回転ドラム540は、洗浄水分配室30が
洗浄水で満たされると、上記したように湾曲したシート
体541に洗浄水の水圧を図中矢印で示すように受け
て、このシート体541を分配室内周壁面に押し付け
る。この場合、シート体541はシート状で湾曲自在で
あることから、分配室内周壁面に倣ってより密着する。
よって、閉鎖対象の出力ポートはより確実に閉鎖され、
閉鎖対象の出力ポートにおける水漏れをより確実に防止
できる。また、回転ドラム540の回転に伴う出力ポー
トの切替時には、上記した確実なポート閉鎖により、閉
鎖ポートからの無駄水を低減できる。
【0121】図20は、変形例の洗浄水分配室30の要
部概略斜視図である。図示するように、この変形例で
は、出力ポート15、16は、近接配置して洗浄水分配
室30に連通するようメインケース2bに形成されてい
る。そして、各出力ポートの必要開口面積は、開口形状
を分配室内周壁の幅方向に長く分配室内周壁の周方向で
は短くすることで確保されている。これら両出力ポート
の開放・閉鎖を切り替える回転ドラム21は、円弧状の
ドラム部を各出力ポートを閉鎖できるよう上記の開口形
状に倣った形状とされる。そして、この回転ドラム21
により両出力ポートの開放・閉鎖を切り替える際の回転
ドラム21の回転角度θは、両出力ポートの近接配置並
びに上記形状的な特徴により、小さくなる。このため、
この変形例によれば、回転ドラム21を小さな回転角度
θだけ回転させれば出力ポートの開放・閉鎖を切り替え
ることができるので、異なる洗浄水吐水先への速やかな
切替分配を図ることができる。しかも、閉鎖対象の出力
ポートは速やかに開放状態から閉鎖状態とされるので、
閉鎖ポートからの無駄水を低減できる。
【0122】図21は、変形例のカム部材を説明するた
めの説明図である。このカム部材545は、既述したカ
ム部材22aと同様に回転シャフト22と一体とされて
回転し、パイロット弁体14bに接触してこれを傾け
る。パイロット弁体14bのシャフト部と接触するカム
部材545のカム外周形状は、その回転中心545a
(回転シャフト22の回転中心)からカム外周面までの
距離が異なるようにされている。つまり、このカム外周
形状は、カム部材545が図示する位置から時計方向に
回転するほど上記の距離が長くなるようにされている。
よって、カム部材545の回転当初は、回転中心545
aからカム外周面までの距離が短いので、パイロット弁
体14bは小さな回転トルクで傾く。このため、カム部
材545を回転させてパイロット弁体14bを傾かせる
ためのアクチュエータ8(ステッピングモータ)には、
大きな負荷をかける必要がないので、その始動性を高め
ることができる。なお、カム部材545が一旦回転すれ
ば、上記の距離が長くなってトルク増となるが、特段の
支障はない。つまり、この状態では、パイロット弁体1
4bはパイロット弁座14aから離れてスプリング17
の付勢力を受けているに過ぎないので、このパイロット
弁体14bを傾けるに当たりアクチュエータ8を高負荷
で駆動する必要はない。
【0123】図22は、変形例の回転シャフトと回転ド
ラムを説明するための説明図である。この回転シャフト
547と回転ドラム548の両者は、既述した回転シャ
フト22並びに回転ドラム21と同様に一体に回転する
が、回転ドラムの不用意な破損時の部品交換を考慮して
別部材とされ、嵌合・一体化ができるようにされてい
る。即ち、回転シャフト547は、当該シャフトから延
びた腕部547aを有し、この腕部547aを回転ドラ
ム548の有底孔548aに嵌合させて、この回転ドラ
ム548と一体化されている。この変形例によれば、回
転ドラム548が破損しても回転シャフト547に新た
な回転ドラムを嵌合・一体化すればよく回転シャフトを
有効利用できる。また、回転シャフト547の回転トル
クは、シャフト中心から離れた腕部547aの先端部で
回転ドラム548に伝達されるので、回転ドラム548
に好適にトルクを伝達でき好ましい。しかも、腕部54
7aは回転ドラム548の有底孔底部近傍まで入り込ん
でいるので、洗浄水分配室30においてこの有底孔から
腕部が抜けることが無い。この点からもトルクの伝達不
良を回避できる。
【0124】次に、出力ポート部4に関する変形例につ
いて説明する。図23は、変形例の負圧破壊弁550の
要部拡大断面図である。図示するように、この負圧破壊
弁550では、環状に隆起した負圧破壊弁座の直径を大
きくした点に特徴がある。即ち、この変形例の負圧破壊
弁座551の直径Dは、図4に示す負圧破壊弁座62の
直径dより大きくされている。今、図4の負圧破壊弁体
61と図23の負圧破壊弁体552に下向きに圧力(二
次側圧力)P2が作用していると仮定すると、負圧破壊
弁座が負圧破壊弁体から受ける力は、次のようになる。
【0125】 負圧破壊弁座62: F=(π/4)・d2 ・P2 負圧破壊弁座551:F’=(π/4)・D2 ・P2
【0126】そして、負圧破壊弁座の円周長さ当たりの
力f(即ち、線圧)は、次のようになる。
【0127】 負圧破壊弁座62: f=F/πd=(d/4)・P2 負圧破壊弁座551:f’=F’/πD=(D/4)・
P2
【0128】よって、図4に示す負圧破壊弁座62の直
径dより大きな直径Dとされた負圧破壊弁座551で
は、線圧をD/d倍とできるので、その分だけ高い止水
性を発揮でき、好ましい。そして、このような高い止水
性により、通水開始時や分配切替時あるいは通水中の弁
外部への水漏れを効果的に防止でき、外部への水飛散防
止効果が高まる。
【0129】図24は、他の変形例の負圧破壊弁554
の要部拡大断面図である。図示するように、この負圧破
壊弁554では、負圧破壊弁体555は、その下端に当
該弁座を負圧破壊弁座62に向けて常時付勢するバネ部
分556を一体に有する。この場合、負圧破壊弁体55
5とバネ部分556とは、樹脂成形の際に一体形成され
る。この負圧破壊弁554によれば、非通水時にあって
も負圧破壊弁座62に負圧破壊弁体555を当接着座さ
せるので、通水開始時における弁外部への水飛散防止を
図ることができる。また、負圧破壊弁体555とバネ部
分556が一体形成品であることから、部品点数の低減
を通して弁組立時の作業効率を高めることができる。な
お、負圧発生時には、負圧破壊弁体555は下降して出
力ポート壁面部の下端弁座557に当接着座し、負圧発
生時の逆流を防止する。この下端弁座557の外部出力
ポートの側に切欠557aを設ければ、この切欠557
aにより出力ポート下流側(二次側)の水抜きができ
る。
【0130】図25は、別の変形例の負圧破壊弁558
の要部拡大断面図である。図示するように、この負圧破
壊弁558は、負圧破壊弁体559と、当該弁体に対向
配置された逆止弁体560と、この逆止弁体の上下動案
内となり負圧破壊弁体下端に固定された案内シャフト5
61と、両弁体間に組み込まれたスプリング562とを
有する。よって、この負圧破壊弁558では、スプリン
グの付勢力を受けて、負圧破壊弁体559は負圧破壊弁
座62に着座した姿勢を常時採り、逆止弁体560は出
力ポート壁面の段部に着座した姿勢を常時採る。このた
め、この負圧破壊弁558によれば、非通水時にあって
も負圧破壊弁座62に負圧破壊弁体559を当接着座さ
せるので、通水開始時や分配切替時あるいは通水中の弁
外部への水漏れを効果的に防止でき、外部への水飛散防
止効果が高まる。しかも、通水時には、逆止弁体560
が上昇してスプリング562を押し縮めスプリングの付
勢力を高めるので、通水時の負圧破壊弁体559による
シール力が大きくなって高い水飛散防止効果を発揮でき
る。
【0131】図26は、変形例の出力ポート部4の要部
拡大断面図である。図示するように、この変形例では、
負圧破壊弁座62、67を取り囲むオーバーフロー水用
受皿63の底部563は、オーバーフロー水排出口68
との接続部が低くなるよう傾斜して形成されている。こ
うすれば、負圧破壊弁座62、67からオーバーフロー
した洗浄水を、この底部563に沿ってオーバーフロー
水排出口68に効果的に導くことができるので、オーバ
ーフロー洗浄水の弁外部への排出効率が高まり好まし
い。
【0132】図27は、他の変形例の出力ポート部4の
要部拡大断面図である。図示するように、この変形例で
は、オーバーフロー水用受皿63と連結するオーバーフ
ロー水排出口564を、上記受皿の底部563より低い
位置にくるようにした。これにより、受皿の底部563
とオーバーフロー水排出口564との間に水頭差を持た
せる。よって、この水頭差分だけオーバーフロー洗浄水
の弁外部への排出効率を高めることができ好ましい。な
お、図には受皿の底部563を上記したように傾斜形成
されたものとして表したが、図3に示すように水平な底
部を有するものにも適用できる。
【0133】図28は、また他の変形例の出力ポート部
4の要部拡大断面図である。図示するように、この変形
例では、外部出力ポート接続箇所の逆止弁70が着座す
る逆止弁座566を傾斜させて形成した。これにより、
逆止弁70は、通常、自重によりこの逆止弁座566に
着座する。また、この逆止弁70の閉弁時(逆止時)に
は、逆止弁自重による閉弁力が、逆流しようとする洗浄
水の力に加わるので、より高い逆流防止効果を得ること
ができる。そして、逆止弁開弁時には、逆止弁70が傾
斜している分だけ逆止弁開弁に要するエネルギを少なく
できるので、開弁時の圧力損失を抑制でき洗浄水の通水
性を高めることができる。なお、上記した逆止弁70の
傾斜角θgは、約2〜20度程度とすればよい。
【0134】次に、凍結防止に関する変形例について説
明する。図29は、ヒータにて凍結防止を図る変形例を
説明するための説明図である。図示するように、この変
形例は、自閉水栓装置周辺の外気温を検出する温度セン
サ572と、背圧室10c内の洗浄水を暖めるためのヒ
ータ573と、当該ヒータを検出温度に応じて制御する
制御装置574とを有する。ヒータ573は、種々の形
態を採ることができ、下部ケース2cの外部側壁に装着
される環状のヒータ573aや、下部ケース2cの下端
端面に装着されるリング状のヒータ573bとすること
ができる。なお、環状のヒータ573aにあっては、分
割されたものとすることができる。
【0135】制御装置574は、自閉水栓装置JVの非
駆動時(閉弁止水時)において温度センサ572をスキ
ャンし、検出外気温が背圧室10c内の洗浄水に凍結が
起き得る温度であるかを判断する。そして、凍結が起き
得る状況、例えば約0℃を下回る温度であると、ヒータ
573を所定時間だけオン制御する。これにより、背圧
室10c内の洗浄水の凍結が回避されるので、冬季や寒
冷地であっても自閉水栓装置JVを用いて支障無く洗浄
水の分配供給、延いては便器洗浄を行うことができる。
また、このようなヒータ制御を自閉水栓装置JVの駆動
時(開弁時)には行わないので、弁駆動時の制御装置の
制御負荷を軽減できる。なお、外気温検出の温度センサ
572に替えて、背圧室10c内の洗浄水温度を直接検
出する熱伝対(水温センサ)とすることもできる。
【0136】図30は、凍結防止を図る他の変形例を説
明するための説明図である。この変形例では、図示しな
い外気温センサあるいは背圧室10c内の水温センサの
検出温度により背圧室10cに凍結が起き得る状況であ
ると、止水要求(便器洗浄要求)によらず強制的に自閉
水栓装置JVを開弁させる点に特徴がある。今、図示し
ない制御装置が凍結が起き得る状況下にあると判断する
と、アクチュエータ8(図2参照)を駆動し、回転ドラ
ム21が図30に示す位置(両ポート開放位置)に回転
させる。これにより、パイロット弁体14bが傾いてダ
イヤフラム弁10が開弁するので、洗浄水の便器への流
入が可能となる。そして、この際には、回転ドラム21
により出力ポート15、16ではそのポート入口が開か
れているので、洗浄水はリム吐水配管86とジェット吐
水配管87に同時に流れ込み、リムと吐水ノズルから吐
水される。また、この方式は、サイホン発生に寄与しな
いジェット流量で吐水するため、洗浄音が小さく不快感
を与えることがない。
【0137】この変形例によれば、凍結が起き得る状況
下で自閉水栓装置JVのダイヤフラム弁10を開弁して
洗浄水の流通を起こすので、背圧室10c内の洗浄水凍
結を防止できる。よって、冬季や寒冷地であっても、自
閉水栓装置JVを用いて支障無く洗浄水の分配供給、延
いては便器洗浄を行うことができる。なお、上記の両ポ
ート開放位置に回転ドラム21を回転させた後は、所定
時間経過後にアクチュエータ8を初期位置に復帰させ
る。つまり、初期位置から両ポート開放位置へのアクチ
ュエータ8の駆動制御を間欠的に実施する。
【0138】この変形例では、回転ドラム21が上記の
両ポート開放位置を採るようアクチュエータ8を駆動制
御するが、出力ポート15、出力ポート16の順に各ポ
ートを開放するよう制御することもできる。そして、こ
の各ポートの開放制御を間欠的に行うこともできる。
【0139】図31は、凍結防止を図るまた別の変形例
を説明するための説明図である。この変形例では、凍結
が起き得る状況下での自閉水栓装置JVの開弁動作をセ
ンサ等を用いずに実施する点に特徴がある。図示するよ
うに、この変形例の自閉水栓装置JVは、メインケース
2bに分配室副室580を備え、当該副室内にピン58
1とこれを付勢するスプリング582を有する。このス
プリング582は、ピン581に固定されている。分配
室副室580は、洗浄水分配室30周壁から空けられた
副室通路583を介して洗浄水分配室30と連通してい
る。よって、この分配室副室580は、洗浄水分配室3
0、延いては二次側通水路11aと同じ温度の洗浄水で
満たされる。
【0140】スプリング582は、形状記憶合金から形
成されており、分配室副室580内で洗浄水凍結が起き
得る状況の温度(例えば約0℃)となると自身のバネ常
数が変化してバネ長を伸ばし、ピン581を図中左方向
に押圧するようにされている。このため、洗浄水凍結が
起き得る状況下では、パイロット弁体14bはピン58
1に押されて傾し、ダイヤフラム弁10は開弁する。従
って、この変形例によれば、洗浄水凍結が起き得る状況
下で、自発的に、即ち何らかの機器の電気的な駆動制御
によらないで洗浄水の流通を起こして、背圧室10c内
の洗浄水凍結を防止できる。よって、冬季や寒冷地であ
っても、自閉水栓装置JVを用いて支障無く洗浄水の分
配供給、延いては便器洗浄を行うことができる。なお、
温度が上昇して凍結が起きないようになると、バネ長が
復帰するよう縮みピン581を元に位置に引き寄せるの
で、パイロット弁体14bは正立姿勢となりダイヤフラ
ム弁10は自閉止水する。
【0141】図32は、凍結発生時に手動による開弁を
禁止する変形例を説明するための説明図である。図示す
るように、この変形例は、図示しない手動レバー7の回
転を伝達するレバー側シャフト585と、回転シャフト
22に回転を伝達する弁側出力ギヤ586と、レバー側
シャフト585と弁側出力ギヤ586の連結を行うため
の第1ギヤ587と第2ギヤ588と、第1ギヤ587
と固定されたスプリング589とを有する。この第1、
第2のギヤは、軸中心から放射状にギヤ歯を形成したク
ラッチギヤとされており、軸方向の相対的な移動により
互いのギヤ歯を噛み合わせて連結する。
【0142】スプリング589は、図示しない他端側で
操作部ケーシング(図示省略)と固定されている。そし
て、このスプリング589は、形状記憶合金から形成さ
れており、弁内(詳しくは、背圧室10c内や洗浄水分
配室30内)で洗浄水凍結が起きたと想定される温度
(例えば約−2℃)となると自身のバネ常数が変化して
バネ長を縮め、第1ギヤ587を第2ギヤ588から離
間させるようにされている。このため、洗浄水凍結が起
きた状況下では、上記の第1、第2のギヤの連結が絶た
れるので、手動レバー7によりレバー側シャフト585
が回転しても、弁側出力ギヤ586にはこの回転が伝達
されない。つまり、手動レバー7の操作が無効となる。
このため、弁内で洗浄水の凍結が起きた場合には、手動
レバー7が操作されても、不用意に回転ドラム21や回
転シャフト22を回転駆動させないので、不用意な部品
破損を防止することができる。
【0143】この場合、弁側出力ギヤ586は既述した
入力ギヤ33と噛み合っており、電磁ソレノイド31
(図2参照)の通電励磁を通してアクチュエータ8の回
転が回転シャフト22に伝達されるようにされている。
よって、上記のように洗浄水凍結が起きるような場合に
は電磁ソレノイド31をオフとしてアクチュエータ8の
回転が回転シャフト22に伝達しないようにできる。こ
のため、弁内で洗浄水の凍結が起きるような場合には、
リモコンが操作されて便器洗浄が指示されても、不用意
に回転ドラム21や回転シャフト22を回転駆動させな
いので、手動レバー7の場合と同様に不用意な部品破損
を防止することができる。なお、弁内で洗浄水の凍結が
起きるような場合にリモコンから便器洗浄が指示された
場合は、アクチュエータ8の回転制御を禁止するよう構
成してもよい。
【0144】この変形例において、手動レバー7を図示
しない傘歯車を介してレバー側シャフト585と連結
し、当該シャフトに対して手動レバー7を直交させても
よい。こうすれば、手動レバー7を操作性の高い位置と
できることからその操作性を向上できる。また、アクチ
ュエータ8が初期位置にあり各ギヤも閉弁時の初期位置
にある場合にのみ、手動レバー7が外部に突出するよう
にすれば、アクチュエータ8の駆動を伴う閉弁時に手動
レバー7による手動操作をできないようにできる。よっ
て、アクチュエータ8に不用意な負荷をかけることが無
く好ましい。
【0145】このように形状記憶合金のスプリング58
9を用いて凍結時の手動操作を無効とする場合、上記し
たヒータやアクチュエータ8の間欠駆動制御を併用する
と次の利点がある。ヒータ等により凍結防止が図られて
いるが、停電時に外気温が低下すれば凍結が起きること
がある。しかし、スプリング589によりこの時の手動
操作は無効であり、アクチュエータ8も停電により駆動
できないので、回転シャフト22は駆動することが無く
部品破損を確実に回避できる。しかも、停電復旧後は、
ヒータの通電等により凍結を解消できる
【0146】図33は、凍結発生時に手動による開弁を
禁止する他の変形例を説明するための説明図である。図
示するように、この変形例は、回転シャフト22に回転
を伝達する弁側出力ギヤ590と、当該ギヤを回転させ
るために引っ張り操作される手動レバー591と、この
手動レバーの直線運動を回転運動に変換してギヤを回転
させる伝達機構592とを有する。手動レバー591
は、有底筒状のケース部593を有し、操作部ケーシン
グ594から外部に突出して配置されている。そして、
このケース部593の開口側の鍔部595が操作部ケー
シング594の段部594aに当接するまで、手動レバ
ー591は引っ張り可能とされている。また、ケース部
593はスプリング596の付勢力を受けている。よっ
て、手動レバー591が上記のように引っ張られその力
が解除されると、手動レバー591は図示する初期位置
に復帰する。
【0147】伝達機構592は、ケース部593の有底
孔に差し込まれたシャフト597と、その先端に連結さ
れたワイヤ598と、シャフト597端部の鍔部と上記
のケース部593の鍔部との間に配設されたスプリング
599とを有する。ワイヤ598は、その他端側で弁側
出力ギヤ590と一体のプーリー600に固定されてい
る。
【0148】スプリング599は、その一端でシャフト
597の鍔部と固定されている。そして、このスプリン
グ599は、形状記憶合金から形成されており、弁内
(詳しくは、背圧室10c内や洗浄水分配室30内)で
洗浄水凍結が起きたと想定される温度(例えば約−2
℃)となると自身のバネ常数が変化してバネ長を縮め、
シャフト597に対してケース部593をフリーとす
る。この場合、スプリング599は、図33に示す初期
状態での操作部ケーシング594の段部594aとシャ
フト597の鍔部との間の長さよりも短いバネ長に縮
む。よって、手動レバー591が引っ張り操作されて
も、ケース部593だけが段部594aまで移動するに
過ぎず、シャフト597は図33の初期状態の位置のま
まである。このため、手動レバー591が引っ張り操作
されても弁側出力ギヤ590は回転しない。つまり、手
動レバー7の引っ張り操作は無効とされ、弁内で洗浄水
の凍結が起きた場合には、不用意に回転ドラム21や回
転シャフト22を回転駆動させないので、不用意な部品
破損を防止することができる。
【0149】一方、上記の温度を超えると、スプリング
599は、バネ長を伸ばしてシャフト597とてケース
部593の鍔部間にテンションをかける。よって、手動
レバー591が引っ張り操作されると、シャフト597
はこの手動レバー591と共に移動し、伝達機構592
を介して弁側出力ギヤ590が回転する。これにより、
パイロット弁体14bが傾けられ既述したように自閉水
栓装置JVが開弁する。つまり、自閉水栓装置JVを手
動にて開弁できる。
【0150】また、この変形例は、弁側出力ギヤ590
の初期状態への回転復帰時のショック軽減のためダンパ
機構602を有する。このダンパ機構602は、弁側出
力ギヤ590を噛み合い配置されたダンパギヤ604
と、このギヤを回転自在に軸支するアーム605と、こ
のアーム605をストッパ606側に常時付勢するスプ
リング607とを有する。アーム605は、ダンパギヤ
と反対側の端部で揺動自在に支持されている。そして、
このアーム605は、弁側出力ギヤ590が時計方向に
回転してダンパギヤ604に図中の矢印DA方向の回転
力が伝わると、この回転力によりストッパ606から離
れるよう揺動する。これにより、弁側出力ギヤ590と
ダンパギヤ604の噛み合いは解かれ、弁側出力ギヤ5
90はほぼフリー状態で回転する。一方、弁側出力ギヤ
590が反時計方向に逆回転してダンパギヤ604に矢
印DB方向の回転力が伝わると、アーム605はスプリ
ング607の付勢力とこの回転力によりストッパ606
の側に揺動する。これにより、弁側出力ギヤ590とダ
ンパギヤ604は噛み合い、弁側出力ギヤ590は、ダ
ンパギヤ604により規制されながら逆回転し初期位置
に復帰する。この際、ダンパギヤの規制により初期位置
復帰時のショックが軽減されるので、手動操作後の初期
位置復帰が穏やかに行われる。よって、手動操作により
傾いたパイロット弁体14bは緩やかに正立姿勢に復帰
してハンチングを起こさないので、自閉水栓装置JVは
速やかに自閉止水する。
【0151】次に、他の実施例について説明する。図3
4は、第2実施例の自閉水栓装置JV2の初期状態にお
ける概略断面図、図35と図36は、この自閉水栓装置
JV2が開弁状態にある時の概略断面図である。この第
2実施例の自閉水栓装置JV2にあっても、既述した実
施例の自閉水栓装置JVと同様、自閉弁機構部101の
下流に分配弁機構部102を備え、この分配弁機構部1
02における洗浄水の分配供給を操作ユニット103の
アクチュエータ108で行うよう構成されている。な
お、以降の各実施例の説明に当たっては、同一の機能を
果たす構成については同一の符号を用いてその詳細な説
明を省略することとする。
【0152】自閉弁機構部101は、管路の開弁と自閉
止水を行うダイヤフラム弁104を備え、このダイヤフ
ラム弁104は、給水弁座110aと給水弁体110b
とを有する。給水弁座110aは、本水栓装置の中央ケ
ーシング104cの内壁にて環状に隆起形成されてお
り、外部の給水源に連絡する管金具101aからの一次
側給水路103aと、弁座内部の二次側通水路111a
を区画形成している。二次側通水路111aは、給水弁
座110aよりも上方に延びてケーシング内で屈曲形成
され、分配弁機構部102に至るようにされている。
【0153】給水弁体110bは、ダイヤフラム104
aをダイヤフラムサポート112とリテーナ113で挟
持して構成され、このダイヤフラム104aを下部ケー
シング104bと中央ケーシング104cに挟持して本
弁装置に組み込まれている。そして、ダイヤフラム10
4a下方の領域が背圧室110cとされている。よっ
て、給水弁体110bは、ダイヤフラム104aを挟ん
で一次側給水路103aの圧力と二次側通水路111a
の圧力を受け、その圧力均衡によりダイヤフラム104
aを上下動させ、上記の両通水路を連通する。なお、管
金具101aの下流には、既述した実施例と同様の定流
量弁135が組み込まれている。
【0154】また、自閉弁機構部101は、背圧室11
0cに設置されたパイロット弁114を備え、このパイ
ロット弁114は、下部ケーシング104bの内壁にて
環状に隆起形成されたパイロット弁座114aと、当該
弁座に当接着座するパイロット弁体114bを有する。
パイロット弁体114bは、図34に示すように、スプ
リング117によりパイロット弁座114aの側に常時
付勢されて弁座に当接着座しており、背圧室110cと
パイロット通水路109の連通を断絶している。この図
34に示す状態が、パイロット弁114並びにダイヤフ
ラム弁104の通常の状態(初期状態)である。
【0155】そして、図35に示すように、このパイロ
ット弁体114bがスプリング117の付勢力に抗して
押されると、背圧室110cとパイロット通水路109
が連通し、背圧室110c内の水が排出される。これに
より、背圧室110c内の圧力が低下してダイヤフラム
104aを挟んだ圧力均衡が崩れ、ダイヤフラム弁10
4は開弁する。よって、自閉弁機構部101は開弁状態
になり、一次側給水路103aから二次側通水路111
aに洗浄水が流れ込む。
【0156】本実施例にあっても、ダイヤフラム104
aとダイヤフラムサポート112並びにリテーナ113
を貫通してブリード穴118が空けられている。よっ
て、パイロット弁体114bの押し付けが解除されパイ
ロット弁114が上記の状態から初期状態に復帰して閉
弁状態となると、このブリード穴118を介して、一次
側給水路103aから背圧室110cに洗浄水が流れ込
む。そして、背圧室110cが洗浄水で満水になると、
背圧室110cの圧力が一次側給水圧力に等しくなる。
これにより、ダイヤフラム104aを挟んだ圧力が均衡
するので、ダイヤフラム弁104の給水弁体110bは
給水弁座110aに当接着座し、自閉弁機構部101は
自閉止水して初期状態(閉弁状態)になる。
【0157】また、本実施例にあっても、ブリード穴1
18にクリーニングピン119が挿入配置されている。
よって、既述した実施例と同様、このクリーニングピン
119により、洗浄水中の異物除去、弁動作速度の調整
が可能である。
【0158】この自閉弁機構部101の下流に組み込ま
れた分配弁機構部102は、図におけるケーシング左方
に、有底筒状の回転ドラム121を備える。この回転ド
ラム121は、中央ケーシング104cに水密に固定さ
れた上部ケーシング104dにおける二次側通水路11
1aの末端に位置し、筒中心軸周りに回転自在に支持さ
れている。回転ドラム121の周壁には、出力口125
が空けられており、この出力口125は、回転ドラム1
21の回転に伴って、中央ケーシング104cの出力ポ
ート115、116に連通する。つまり、分配弁機構部
102が図34の初期状態にある場合には、出力ポート
115が出力口125に重なって出力ポート116は回
転ドラム121周壁で閉鎖されており、回転ドラム12
1が所定角度(本実施例では90度)回転すると、出力
ポート116が出力口125に重なって出力ポート11
5は閉鎖される(図36参照)。そして、二次側通水路
11aから回転ドラム121の有底孔内に流れ込んだ洗
浄水は、出力口125が連通した方の出力ポートを経て
当該ポートから流れ出る。この場合、出力ポート115
と出力ポート116は、その開口面積が異なるようにさ
れているので、異なる流量で各出力ポートから洗浄水が
流れ出る。
【0159】また、分配弁機構部102は、回転ドラム
121の駆動源としてのアクチュエータ108を、回転
伝達カム122を介して回転ドラム121と連結して有
する。この回転伝達カム122は、アクチュエータ10
8の回転を回転ドラム121に伝達すると共に、当該ド
ラムと一体に正逆回転する。そして、回転伝達カム12
2は、外周端面をパイロット弁体114bに接触するカ
ム面とし、自身の回転角度に応じて、パイロット弁体1
14bにスプリング117の付勢力に抗した力を及ぼし
たり解除したりする。このため、パイロット弁体114
bは、アクチュエータ108、ひいては回転ドラム12
1や回転伝達カム122の回転に伴って進退し、パイロ
ット弁114に当接着座したり離間する。
【0160】今、図34の初期状態にあるときアクチュ
エータ108が回転駆動して回転伝達カム122と回転
ドラム121を回転させると、その回転初期において、
パイロット弁体114bは、回転伝達カム122により
図中右方向に押される。このため、パイロット弁114
が開弁して上記のようにダイヤフラム弁104は開弁状
態となるので(図35参照)、洗浄水は二次側通水路1
11aを通って分配弁機構部102まで流れ込む。この
状態では、回転ドラム121の回転が初期であり出力口
125は出力ポート115に連通したままであるので、
一次側給水路103aから供給された洗浄水は、この出
力ポート115に分配供給され吐水される(図35参
照)。
【0161】アクチュエータ108により回転ドラム1
21が更に回転されると、出力ポート115はドラム周
壁で塞がれ、出力口125は出力ポート116に連通す
るので、この出力ポート116に洗浄水が分配供給され
て吐水される(図36参照)。この間、パイロット弁体
114bは、回転伝達カム122外周端面のカム面にて
押された状態が持続されるので、ダイヤフラム弁104
は開弁状態のままである。
【0162】次いで、アクチュエータ108は、回転ド
ラム121が図34の初期位置まで復帰するよう逆転駆
動される。これにより、回転ドラム121は図36の状
態から図34の初期状態に復帰する。このドラム復帰に
より、出力ポート116は再びドラム周壁で閉塞されて
出力口125が出力ポート115に連通する。また、パ
イロット弁体114bは、回転伝達カム122の押し付
けから解放されてパイロット弁座114aに当接着座
し、パイロット弁114は閉弁状態となる。これによ
り、ダイヤフラム弁104は上記したように閉弁状態と
なり、自閉弁機構部101は自閉止水する。この際、出
力口125は出力ポート115と連通されているので
(図34参照)、自閉弁機構部101の自閉止水が完了
するまで、洗浄水は出力ポートに分配供給されて吐水さ
れる。
【0163】このように第2実施例の自閉水栓装置JV
2にあっても、回転ドラム121とパイロット弁開弁の
ための回転伝達カム122の同期回転により、自閉弁機
構部101の開閉弁動作と分配弁機構部102での洗浄
水の分配供給を同時に実行することができる。よって、
この自閉水栓装置JV2を上記の実施例の自閉水栓装置
JVに替えて大便器85に装着し、出力ポート115に
リム吐水配管86を出力ポート116にジェット吐水配
管87を接続することができる。そして、この自閉水栓
装置JV2によっても、リム洗浄とジェット洗浄とにそ
れぞれ必要な流量を、リム吐水配管86とジェット吐水
配管87の各配管に分配供給でき、洗浄吐水量、瞬間流
量共に効率のよい便器洗浄を行うことが可能となる。な
お、自閉水栓装置JV2をカラン等を有する水栓に適用
できることは勿論である。
【0164】次に、この第2実施例の自閉水栓装置JV
2で採用した負圧破壊弁160について説明する。この
自閉水栓装置JV2では、負圧破壊弁160を自閉弁機
構部101と分配弁機構部102の間における二次側通
水路111aに備える。
【0165】図34ないし図36に示すように、負圧破
壊弁160は、給水弁座110aで囲まれた二次側通水
路111aの上端に位置し、既述した実施例の負圧破壊
弁60と同様の構成を有する。即ち、負圧破壊弁160
は、上部ケーシング104d上端の案内シャフト160
aに装着された負圧破壊弁体161と、当該弁体の上昇
時の弁座となるよう上部ケーシング内壁で形成された負
圧破壊弁座162と、弁体降下時の弁座となるよう中央
ケーシング内壁で形成された自閉弁側弁座164とを有
する。
【0166】負圧破壊弁体161は、図34に示す止水
時にあっては、自重により降下して自閉弁側弁座164
に当接着座している。これにより、負圧破壊弁160下
流側の二次側通水路111a並びに当該通水路に接続さ
れた配管は、止水時においてエアー置換されており、こ
の負圧破壊弁160にて、その下流側と一次側給水路1
03aは縁切りされている。その一方、図35あるいは
図36に示す開弁時にあっては、給水弁座110aで囲
まれた二次側通水路111aを流れる洗浄水の給水圧と
自身の浮力によって、負圧破壊弁体161は上昇して負
圧破壊弁座162に当接着座する。これにより、負圧破
壊弁体161は、案内シャフト160a周囲のオーバー
フロー水用受皿163をその底面で閉鎖して、二次側通
水路111aを自閉水栓装置外側から断絶し、洗浄水の
流出を防止している。そして、開弁時にあって一次側給
水路103aあるいは二次側通水路111aに負圧が発
生した際には、この負圧により負圧破壊弁体161は負
圧破壊弁座162から離れて、自閉水栓装置外側から大
気を導入し負圧を破壊する。オーバーフロー水用受皿1
63はオーバーフロー水排出口168と繋がっているの
で、給水初期あるいは出力ポート切替時にオーバーフロ
ー水用受皿163に漏れ出た洗浄水は、オーバーフロー
水排出口168を介して所定の場所に自然排水される。
なお、この負圧破壊弁体161をスプリングにより負圧
破壊弁座162の側に常時付勢するよう構成することも
できる。
【0167】図37は、第3実施例の自閉水栓装置JV
3の初期状態(自閉止水時)概略断面端面図である。図
示するように、この自閉水栓装置JV3は、上部ケーシ
ング200aと下部ケーシング200bを接合して形成
される筒状の水栓本体201を備える。この水栓本体2
01には、下部ケーシング200bの側に給水室202
が環状に形成されている。また、水栓本体201の内部
には、上部ケーシング200aの側に背圧室203が、
下部ケーシング200bの側に吐水室204が形成され
ている。そして、吐水室204の左右には、この吐水室
204と連通する吐水穴205、206が設けられてい
る。
【0168】吐水室204と背圧室203の境界には、
ダイヤフラム弁210が組み込まれている。このダイヤ
フラム弁210は、下部ケーシング200bの内壁を環
状に隆起させ上記の給水室202を区画する給水弁座2
12と、この弁座に当接着座するダイヤフラム213と
を有する。ダイヤフラム213は、その頂上平坦部を給
水弁座212への弁体214とし、ダイヤフラムサポー
ト215とリテーナ216で挟持された状態で、上下の
ケーシングに挟持固定されている。
【0169】この実施例にあっても、ダイヤフラムサポ
ート215とリテーナ216並びにダイヤフラム213
を貫通するブリード穴217が空けられている。よっ
て、図示する初期状態(ダイヤフラム弁210の閉弁状
態)では、このブリード穴217を介して、給水室20
2から背圧室203に洗浄水が流入し、背圧室203は
満水状態となっている。なお、ブリード穴217には、
クリーニングピン218が配置されている。
【0170】自閉水栓装置JV3は、背圧室203の上
端にパイロット弁220を有する。このパイロット弁2
20は、図示しないアクチュエータあるいは手動レバー
と接続されて駆動し、以下に説明するようにダイヤフラ
ム弁210を開弁状態とする。パイロット弁220は、
背圧室203から吐水室204に至る通水路221を開
閉するためのパイロットシャフト222を備え、このシ
ャフト下端をパイロット弁体223とし、シャフト上端
にはスプリング鍔部225を有する。パイロット弁体2
23は、背圧室203内に位置し、この背圧室上端のパ
イロット弁座224に当接着座するよう、スプリング2
26により常時付勢されている。こうしてパイロット弁
体223が着座した図37に示す状態は、パイロット弁
220により通水路221が閉鎖された初期状態であ
る。なお、通水路221は、吐水穴205に交差連通さ
れているが、吐水穴206に連通されていてもよい。
【0171】この初期状態では、ブリード穴217を介
した洗浄水流通により、背圧室203は給水室202に
おける給水圧と同圧に保たれている。この際、ダイヤフ
ラム弁210は、背圧室203の圧力を背圧室面積に亘
って受け、給水室202の圧力を、背圧室面積から給水
弁座212の開口面積を除外した面積で受ける。よっ
て、パイロット弁220は、その上下から受ける圧力が
同じでもその受圧面積が相違することから、ダイヤフラ
ム213を給水弁座212に当接着座させ、閉弁状態を
維持する。このため背圧室203と吐水室204との連
通はパイロット弁220によって遮断され、自閉水栓装
置JV3は止水状態となる。
【0172】また、自閉水栓装置JV3は、吐水穴20
5あるいは吐水穴206への洗浄水の分配供給を行う吐
水分配弁230を有する。この吐水分配弁230は、有
底の筒状体であり、吐水室204内において水密に上下
動できるようにされている。また、吐水分配弁230
は、上端開口部に等間隔で切欠230aを備え、この上
端開口部側でダイヤフラム213の弁体214と接合・
固定されている。そして、吐水分配弁230は、その周
壁に、図37の初期状態時に吐水穴205に連通する第
1吐水口231と、この初期状態から吐水分配弁230
が上昇すると吐水穴206に連通する第2吐水口232
と、吐水分配弁230が更に上昇すると吐水穴205に
連通する第3吐水口233を有する。なお、各吐水穴が
第1ないし第3の吐水口と連通している状態では、その
他の吐水穴は吐水分配弁230周壁にて閉鎖されるよう
にされている。
【0173】次に、この自閉水栓装置JV3における洗
浄水の分配供給の様子について説明する。今、図示しな
いアクチュエータあるいは手動レバーによりパイロット
弁220のスプリング鍔部225が押し下げられると、
パイロット弁体223は背圧室内のパイロット弁座22
4から離れ、パイロット弁220は開弁する。すると、
背圧室203は通水路221を経て吐水穴205と連通
するので、背圧室内の洗浄水は、この通水路221を通
過して吐水穴205から排出される。この結果、背圧室
内は大気圧に等しくなり、ダイヤフラム弁210は、背
圧室203側の大気圧と給水室202側の圧力(給水
圧)を受ける。この際、上記したようにその受圧面積は
ダイヤフラム弁210の上下で相違するが、給水圧は大
気圧より高い圧力であるので、ダイヤフラム213は背
圧室203内を規定の上昇端まで上昇して弁体214は
給水弁座212から離れ、ダイヤフラム弁210は開弁
状態となる。これにより、給水室202から吐水室20
4内の吐水分配弁230に洗浄水が流入すると共に、吐
水分配弁230も上昇する。なお、洗浄水は、吐水分配
弁230上端の切欠230aを通過して吐水分配弁23
0の有底孔に流入する。
【0174】こうして洗浄水が流入しダイヤフラム21
3が上記のように上昇した状態では、吐水分配弁230
では、第3吐水口233が吐水穴205に連通する。よ
って、吐水室204(詳しくは吐水分配弁230の有底
孔)と吐水穴205は第3吐水口233を介して連通
し、吐水室204に流れ込んだ洗浄水は、吐水穴205
に分配供給されて吐水される。なお、第3吐水口233
を介した洗浄水吐水は、パイロット弁220が開弁状態
にある間に亘って継続される。
【0175】この状態でパイロット弁220のスプリン
グ鍔部225の押し下げが解除されると、パイロット弁
体223はスプリング226の付勢力を受けてパイロッ
ト弁座224に当接着座し、パイロット弁220は閉弁
する。これにより、通水路221を介した背圧室203
と吐水穴205の連通が断絶される。よって、その後
は、ブリード穴217を介して給水室202から背圧室
203に洗浄水が流入し、背圧室203はこの洗浄水で
満杯となる。
【0176】こうして背圧室が満水となる間は、ダイヤ
フラム213は徐々に給水弁座212に向けて徐々に降
下していく。ダイヤフラム213の降下に伴って吐水分
配弁230も徐々に降下するので、この過程において、
吐水分配弁230の吐水穴と水栓本体201の吐水口と
の連通状態は、第3吐水口233と吐水穴205との連
通、第2吐水口232と吐水穴206との連通、第1吐
水口231と吐水穴205との連通の順に切り替わる。
よって、給水室202の洗浄水は、吐水穴205→吐水
穴206→吐水穴205の順に分配供給される。そし
て、背圧室203が洗浄水で満水になると、背圧室20
3の圧力は給水室202の給水圧(水道給水圧)に等し
くなるので、上記したようにダイヤフラム弁210は閉
弁し、自閉水栓装置JV3は、自閉止水する。なお、上
記の連通の切替による分配供給の切替速度は、ブリード
穴217とクリーニングピン218により規定されるこ
とは既述したとおりである、調整可能である。また、吐
水分配弁230の各吐水穴の穴径を調整することで、分
配供給時の洗浄水供給量を調整できる。
【0177】この第3実施例の自閉水栓装置JV3にあ
っても、上記したように洗浄水の分配供給を行うことが
できる。よって、この自閉水栓装置JV3を上記の実施
例の自閉水栓装置JVに替えて大便器85に装着し、吐
水穴205にリム吐水配管86を吐水穴206にジェッ
ト吐水配管87を接続することができる。そして、この
自閉水栓装置JV3によっても、リム洗浄とジェット洗
浄とにそれぞれ必要な流量を、リム吐水配管86とジェ
ット吐水配管87の各配管に分配供給でき、洗浄吐水
量、瞬間流量共に効率のよい便器洗浄を行うことが可能
となる。なお、自閉水栓装置JV3をカラン等を有する
水栓に適用できることは勿論である。
【0178】図38は、第4実施例の自閉水栓装置JV
4の初期状態(自閉止水時)の概略断面端面図である。
自閉水栓装置JV4は、既述した自閉水栓装置JV3と
同様、吐水分配弁の上下動により洗浄水の分配供給を行
うよう構成されている。図示するように、この自閉水栓
装置JV4は、洗浄水が流入する給水室303と、第2
実施例の自閉水栓装置JV2と同様のパイロット弁11
4が組み付けられた第1背圧室304と、給水弁座11
0aを開閉するダイヤフラム弁104を備え、このダイ
ヤフラム弁104により、その下流の二次側通水路11
1aと給水室303とを連通・遮断する。つまり、パイ
ロット弁114が図示しないアクチュエータや手動レバ
ーにより所定時間に亘って開弁すると、第1背圧室30
4内の洗浄水排出によりダイヤフラム弁104は開弁
し、給水室303の洗浄水は二次側通水路111aに流
入する。なお、自閉水栓装置JV4にあっても二次側通
水路111aに負圧破壊弁160を有するので、負圧破
壊により洗浄水の逆流防止がはかれている。
【0179】また、自閉水栓装置JV4は、二次側通水
路111aの末端に吐水室306を備え、この吐水室3
06内には、弁ケーシングに形成された吐水穴308あ
るいは吐水穴309への洗浄水の分配供給を行う吐水分
配弁315を有する。この吐水分配弁315は、有底の
筒状体であり、吐水室306内において水密に上下動で
きるようにされている。吐水分配弁315は、有底部側
を吐水室306上方のスプリング319で付勢されてお
り、初期状態では吐水室306の下端側に位置する。こ
の場合、吐水室306は、吐水分配弁315の切欠31
5aにより、二次側通水路111aと常時連通している
ので、ダイヤフラム弁104の開弁時には、この吐水室
306に洗浄水が流れ込む。
【0180】吐水分配弁315は、その周壁に、図38
の初期状態時に吐水穴308に連通する第1吐水口31
0と、この初期状態から吐水分配弁315が上昇すると
吐水穴309に連通する第2吐水口312と、吐水分配
弁315が更に上昇すると吐水穴308に連通する第3
吐水口311を有する。よって、吐水分配弁315の上
昇位置によって該当する吐水穴から洗浄水が吐水され
る。なお、各吐水穴が第1ないし第3の吐水口と連通し
ている状態では、その他の吐水穴は吐水分配弁315周
壁にて閉鎖されるようにされている。
【0181】この吐水分配弁315の下端開口部には、
弁ケーシングで挟持されたダイヤフラム302を用いた
ダイヤフラム分配弁330が組み込まれている。このダ
イヤフラム分配弁330は、吐水室306の下端側の第
2背圧室307と吐水室306との圧力均衡により吐水
分配弁315を次のように上下駆動するようにされてい
る。
【0182】ダイヤフラム分配弁330は、その中央に
傘バルブ316を有する。この傘バルブ316は、吐水
室306の側から第2背圧室307の側に向けた洗浄水
の流れを遮断する逆止弁として機能する。その一方、傘
バルブ316は、第2背圧室307の側から吐水室30
6の側に向けては、その傘形状部317で塞がれた連通
孔314を解放して洗浄水の流れ込みを可能とする。
【0183】今、既述したダイヤフラム弁104の開弁
により吐水室306に洗浄水が流入すると、この流入当
初は、吐水室306の圧力は第2背圧室307より大き
い。よって、ダイヤフラム分配弁330並びに吐水分配
弁315は図38の初期位置を採るので、二次側通水路
111aを経て吐水室306に流れ込んだ洗浄水は、第
1吐水口310を介して吐水穴308に分配供給されて
吐水される。
【0184】吐水室306内の洗浄水は、吐水穴308
からの吐水と同時に、傘バルブ316の中央貫通孔31
3から第2背圧室307内に流れ込む。しかし、吐水室
306への洗浄水流入当初は、吐水室306圧力が高い
ことから、傘バルブ316は吐水室306と第2背圧室
307との間の差圧によりその傘形状部317を変形さ
せ、連通孔314を塞ぐ。よって、第2背圧室307に
は、中央貫通孔313のみから洗浄水が流れ込むことに
なる。
【0185】こうして中央貫通孔313から第2背圧室
307への洗浄水の流れ込みが継続されると、第2背圧
室307は流れ込んだ洗浄水の圧力(即ち給水圧)をダ
イヤフラム分配弁330に及ぼしながら、その容積を増
やす。よって、ダイヤフラム分配弁330並びに吐水分
配弁315は、スプリング319に抗して吐水室306
内を上昇する。この上昇過程において、吐水分配弁31
5の吐水穴とケーシングの吐水口との連通状態は、第1
吐水口310と吐水穴308との連通、第2吐水口31
2と吐水穴309との連通、第3吐水口311と吐水穴
308との連通の順に切り替わる。よって、給水室30
3の洗浄水は、吐水穴308→吐水穴309→吐水穴3
08の順に分配供給される。そして、吐水穴308に再
度分配供給された後は、パイロット弁114の閉弁を通
してパイロット弁114が閉弁するまでの間に亘って、
この吐水穴308への分配供給が継続される。
【0186】その一方、アクチュエータ等によるパイロ
ット弁114の開弁が解除されてパイロット弁114が
閉弁しパイロット弁114が閉弁すると、吐水分配弁3
15は次のように作動する。まず、パイロット弁114
の閉弁により吐水室306への洗浄水流入が終了するの
で、吐水分配弁315にはスプリング319の付勢力の
みが作用する。よって、吐水分配弁315が第2背圧室
307の側に押されるので、第2背圧室307内の圧力
は吐水室306内の圧力よりも高くなる。このため、第
2背圧室307と吐水室306の差圧により、傘バルブ
316の傘形状部317は変形して連通孔314を解放
する。これにより、第2背圧室307内の洗浄水は、中
央貫通孔313と連通孔314を介して吐水室306へ
と流れ出し、吐水分配弁315は速やかに初期状態の位
置に押し戻されて復帰する。この場合、吐水穴と吐水口
の数や形状を変化させることにより、各吐水口からの分
配供給量は自在に調整することができる。
【0187】また、この第4実施例の自閉水栓装置JV
4は、1次側からの洗浄水給水にパイロット弁114と
ダイヤフラム弁104を用いていることから、このバル
ブ構成上、1次圧力と背圧室304内の2次圧力の圧力
バランスで作動する。よって、給水圧が高く流入流量が
多ければ、ダイヤフラム弁の作動速度(ダイヤフラムの
昇降速度)は速くなり、給水圧・流入流量が低ければこ
の反対となる。このため、開弁から閉弁までの総吐水量
は、給水圧によらず一定となり、この総吐水量は吐水分
配量に等しいことから、吐水分配量にあっても給水圧の
変化によらず一定に保つことができる。
【0188】この第4実施例の自閉水栓装置JV4にあ
っても、上記の自閉水栓装置JV2、JV3と同様に大
便器85に装着することで、リム洗浄とジェット洗浄と
にそれぞれ必要な流量を、リム吐水配管86とジェット
吐水配管87の各配管に分配供給でき、洗浄吐水量、瞬
間流量共に効率のよい便器洗浄を行うことが可能とな
る。なお、カラン等を有する水栓に適用できることは勿
論である。
【0189】図39は、第5実施例の自閉水栓装置JV
5の初期状態(自閉止水時)の概略断面端面図である。
自閉水栓装置JV5は、上記した第4実施例の自閉水栓
装置JV4に、ダイヤフラム弁104下流の二次側通水
路111aを第2背圧室307にバイパスするためのバ
イパス通路424を設け、このバイパス通路424の途
中に流調・止水弁426を付加した構成を有する。即
ち、自閉水栓装置JV5は、流調・止水弁426を、そ
の回転軸がバルブボディ420外側から空けられた挿入
穴425に嵌合するようにして備える。この流調・止水
弁426は、バイパス通路405と第2背圧室307を
連通させる通路427を備え、流調・止水弁426の回
転角度によって、バイパス通路424の途中において、
このバイパス通路424と通路427との重複面積(即
ち、バイパス有効通路面積)を変化させる。また、流調
・止水弁426は、アクチュエータ423をバイパス有
効通路面積変更のための駆動源として備える。このアク
チュエータ423は、リンク機構422を介して、ダイ
ヤフラム弁104についてのパイロット弁114の駆動
源ともされている。
【0190】よって、アクチュエータ423を駆動すれ
ば、リンク機構422を介してパイロット弁114を開
弁してダイヤフラム弁104を開弁できると共に、この
ダイヤフラム弁104の開弁動作に連携してバイパス有
効通路面積を変更し流調・止水動作を行うことができ
る。このようにバイパス有効通路面積を変化させると、
第2背圧室307に二次側通水路111aからバイパス
して流れ込む洗浄水の流量が変化する。このため、吐水
分配弁315の上記した上昇速度を変更することがで
き、吐水分配比を任意に変化させることができる。
【0191】←既存技術であれば削除しますのでお知ら
せ下さい。上記した第2ないし第5実施例は、自閉弁機
構部におけるダイヤフラム弁の開弁動作に同期して吐水
水量を可変する流量調整弁に変形することができる。図
40は、この流量調整弁の変形例を説明するための説明
図である。図示するように、回転ドラム121Aは、そ
の周壁に開口面積が周方向に沿って徐々に広くなる出力
口125Aを有する。この回転ドラム121Aが組み込
まれる弁ケーシングには、単一の出力ポート115Aを
形成する。こうすれば、自閉弁機構部(具体的にはダイ
ヤフラム弁)の開弁動作に同期して回転ドラム121A
が回転すれば、出力ポート115Aと出力口125Aの
重複面積(有効吐水面積)はドラムの回転に伴って変化
する。よって、自閉弁機構部(ダイヤフラム弁)の開弁
動作に同期して吐水水量を漸増もしくは漸減できる。
【0192】図41は、自閉弁機構部(ダイヤフラム
弁)の開弁動作に同期して吐水水量を可変する流量調整
弁の他の変形例を説明するための説明図である。図示す
るように、吐水分配弁230Aは、その周壁に開口面積
が軸方向に沿って徐々に広くなる吐水口231Aを有す
る。この吐水分配弁230Aが組み込まれる弁ケーシン
グには、単一の吐水穴205Aを形成する。こうすれ
ば、自閉弁機構部(ダイヤフラム弁)の開弁動作に同期
して吐水水量を漸増もしくは漸減できる。
【0193】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自閉水栓装置JVを大便器85と共に
概略的に表した概略構成図である。
【図2】この自閉水栓装置JVの縦断面図である。
【図3】図2におけるA−A’線断面図である。
【図4】図3におけるB−B’線断面図である。
【図5】ダイヤフラム10bの組み付けの様子を説明す
る説明図である。
【図6】自閉水栓装置JVに組み込んだ定流量弁80の
概略構成を説明するため、その上半部にて、高圧洗浄水
流入時の様子を示し、下半部にて、低圧洗浄水流入時の
様子を示す説明図である。
【図7】分配弁機構部1の変形例における要部拡大概略
断面端面図である。
【図8】自閉弁機構部2における定流量弁80周辺の拡
大断面図である。
【図9】この定流量弁80の上流側に組み込んだストレ
ーナ500の概略斜視図である。
【図10】変形例の定流量弁80A周辺の概略構成を拡
大して断面視すると共に、この定流量弁下流への洗浄水
の流れの様子を説明する説明図である。
【図11】この定流量弁80Aの下流に流れる洗浄水の
圧力と流量の関係を示すグラフである。
【図12】変形例の自閉水栓装置JVの概略構成を示す
ブロック図である。
【図13】変形例におけるダイヤフラム弁505の要部
拡大断面端面図である。
【図14】このダイヤフラム弁505が有するダイヤフ
ラム506の概略斜視図である。
【図15】図13に示す変形例のダイヤフラム弁505
にあってブリード穴18の形成箇所を断面視した要部拡
大断面端面図である。
【図16】変形例のクリーニングピンを説明する説明図
である。
【図17】変形例の自閉弁機構部530の拡大断面端面
図である。
【図18】分配弁機構部1における変形例の回転ドラム
の概略断面図である。
【図19】他の変形例の回転ドラムの拡大概略斜視図で
ある。
【図20】変形例の洗浄水分配室30の要部概略斜視図
である。
【図21】変形例のカム部材を説明するための説明図で
ある。
【図22】変形例の回転シャフトと回転ドラムを説明す
るための説明図である。
【図23】変形例の負圧破壊弁550の要部拡大断面図
である。
【図24】他の変形例の負圧破壊弁554の要部拡大断
面図である。
【図25】別の変形例の負圧破壊弁558の要部拡大断
面図である。
【図26】変形例の出力ポート部4の要部拡大断面図で
ある。
【図27】他の変形例の出力ポート部4の要部拡大断面
図である。
【図28】また他の変形例の出力ポート部4の要部拡大
断面図である。
【図29】ヒータにて凍結防止を図る変形例を説明する
ための説明図である。
【図30】凍結防止を図る他の変形例を説明するための
説明図である。
【図31】凍結防止を図るまた別の変形例を説明するた
めの説明図である。
【図32】凍結発生時に手動による開弁を禁止する変形
例を説明するための説明図である。
【図33】凍結発生時に手動による開弁を禁止する他の
変形例を説明するための説明図である。
【図34】第2実施例の自閉水栓装置JV2の初期状態
における概略断面図
【図35】この自閉水栓装置JV2が開弁状態にある時
の概略断面図である。
【図36】同じく、自閉水栓装置JV2が開弁状態にあ
る時の概略断面図である。
【図37】第3実施例の自閉水栓装置JV3の初期状態
(自閉止水時)概略断面端面図である。
【図38】第4実施例の自閉水栓装置JV4の初期状態
(自閉止水時)の概略断面端面図である。
【図39】第5実施例の自閉水栓装置JV5の初期状態
(自閉止水時)の概略断面端面図である。
【図40】自閉弁機構部(ダイヤフラム弁)の開弁動作
に同期して吐水水量を可変する流量調整弁の変形例を説
明するための説明図である。
【図41】同じく、自閉弁機構部(ダイヤフラム弁)の
開弁動作に同期して吐水水量を可変する流量調整弁の他
の変形例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…分配弁機構部 2…自閉弁機構部 2a…管金具 2b…メインケース 2c…下部ケース 3a…一次側給水路 4…出力ポート部 7…手動レバー 8…アクチュエータ 10…ダイヤフラム弁 10a…給水弁座 10b…ダイヤフラム 10c…背圧室 10d…上下動ガイド 11a…二次側通水路 11b…パイロット流路 12…ダイヤフラムサポート 12a…ストッパ 13…リテーナ 14…パイロット弁 14a…パイロット弁座 14b…パイロット弁体 15…出力ポート 15a…外部出力ポート 16…出力ポート 16a…外部出力ポート 17…スプリング 18,18a…ブリード穴 19…クリーニングピン 19a…大径部 19b…小径部 21,21a…回転ドラム 22…回転シャフト 22a…カム部材 25…Oリング 30…洗浄水分配室 31…電磁ソレノイド 32…出力ギヤ 33…入力ギヤ 34…スプリング 35…ゼンマイバネ 40…ギヤボックス 50…圧力スイッチ 50a…横蓋 51…ダイヤフラム 52…ホールIC 53…マグネット 55…スプリング 56…荷重調整ねじ 57…ダイヤフラムサポート 60…負圧破壊弁 61…負圧破壊弁体 62…負圧破壊弁座 63…オーバーフロー水用受皿 63a…蓋体 64…分配室側弁座 65…負圧破壊弁 68…オーバーフロー水排出口 70…逆止弁 80,80A…定流量弁 80a…バネ 81…スプリング 82…防振ゴム 83…ピストン 84…ピストンガイド 85…大便器 85a…リム 85b…ボール部 85c…吐出ノズル 85d…トラップ配管 86…リム吐水配管 87…ジェット吐水配管 88,89…スペーサ 89a…腕部 101…自閉弁機構部 101a…管金具 102…分配弁機構部 103…操作ユニット 103a…一次側給水路 104…ダイヤフラム弁 104a…ダイヤフラム 104b…下部ケーシング 104c…中央ケーシング 104d…上部ケーシング 108…アクチュエータ 109…パイロット通水路 110a…給水弁座 110b…給水弁体 110c…背圧室 111a…二次側通水路 112…ダイヤフラムサポート 113…リテーナ 114…パイロット弁 114a…パイロット弁座 114b…パイロット弁体 115…出力ポート 115A…出力ポート 116…出力ポート 117…スプリング 118…ブリード穴 119…クリーニングピン 121…回転ドラム 121A…回転ドラム 122…回転伝達カム 125…出力口 125A…出力口 135…定流量弁 160…負圧破壊弁 160a…案内シャフト 161…負圧破壊弁体 162…負圧破壊弁座 163…オーバーフロー水用受皿 164…自閉弁側弁座 168…オーバーフロー水排出口 200a…上部ケーシング 200b…下部ケーシング 201…水栓本体 202…給水室 203…背圧室 204…吐水室 205…吐水穴 205A…吐水穴 206…吐水穴 210…ダイヤフラム弁 212…給水弁座 213…ダイヤフラム 214…弁体 215…ダイヤフラムサポート 216…リテーナ 217…ブリード穴 218…クリーニングピン 220…パイロット弁 221…通水路 222…パイロットシャフト 223…パイロット弁体 224…パイロット弁座 225…スプリング鍔部 226…スプリング 230…吐水分配弁 230A…吐水分配弁 230a…切欠 231…第1吐水口 231A…吐水口 232…第2吐水口 233…第3吐水口 302…ダイヤフラム 303…給水室 304…第1背圧室 306…吐水室 307…第2背圧室 308…吐水穴 309…吐水穴 310…第1吐水口 311…第3吐水口 312…第2吐水口 313…中央貫通孔 314…連通孔 315…吐水分配弁 315a…切欠 316…傘バルブ 317…傘形状部 319…スプリング 330…ダイヤフラム分配弁 405…バイパス通路 420…バルブボディ 422…リンク機構 423…アクチュエータ 424…バイパス通路 425…挿入穴 426…止水弁 427…通路 500…ストレーナ 501…骨格 502…メッシュ 503…スプリング 505…ダイヤフラム弁 506…ダイヤフラム 506a…突起 507…ダイヤフラムサポート 507a…平面部 507b…陥没部 508…クリーニングピン 508a…バネ部分 509…クリーニングピン 509a…ユニバーサルジョイント 510…回転ドラム 510a…陥没部 511…回転ドラム 511a…凸条 520…ストレーナ 521…圧力センサ 522…制御装置 523…報知装置 530…自閉弁機構部 532…チェックバルブ 533…外部配管 534…チェックバルブ 535…バイパス管路 540…回転ドラム 541…シート体 542…腕部 543…支持部 545…カム部材 545a…回転中心 547…回転シャフト 547a…腕部 548…回転ドラム 548a…有底孔 550…負圧破壊弁 551…負圧破壊弁座 552…負圧破壊弁体 554…負圧破壊弁 555…負圧破壊弁体 556…バネ部分 557…下端弁座 557a…切欠 558…負圧破壊弁 559…負圧破壊弁体 560…逆止弁体 561…案内シャフト 562…スプリング 563…底部 564…オーバーフロー水排出口 566…逆止弁座 572…温度センサ 573…ヒータ 573a…ヒータ 573b…ヒータ 574…制御装置 580…分配室副室 581…ピン 582…スプリング 583…副室通路 585…レバー側シャフト 586…弁側出力ギヤ 587…第1ギヤ 588…第2ギヤ 589…スプリング 590…弁側出力ギヤ 591…手動レバー 592…伝達機構 593…ケース部 594…操作部ケーシング 594a…段部 595…鍔部 596…スプリング 597…シャフト 598…ワイヤ 599…スプリング 600…プーリー 602…ダンパ機構 604…ダンパギヤ 605…アーム 606…ストッパ 607…スプリング JV,JV2〜JV5…自閉水栓装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳瀬 理典 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 大谷 孝幸 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 太田 吉喜 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 城戸 勉 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 大石 晃 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 井上 修治 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出水要求に基づいて所定量の水を吐出
    し、自動的に閉弁する自閉弁を備える自閉水栓装置にお
    いて、 前記自閉弁の下流側に設けられ、該自閉弁の開弁動作に
    同期して前記吐出される水を異なる流路に分配する分配
    弁を備えたことを特徴とする自閉水栓装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自閉水栓装置であって、 前記自閉弁は、水圧により作動する、自閉水栓装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の自閉水栓装置であって、 前記自閉弁の上流側に配設され、通過する水に混在する
    異物を捕捉するストレーナと、 該ストレーナの目詰まりを検出する検出手段と、 前記ストレーナの目詰まりが検出されると、前記自閉弁
    の弁動作を強制的に禁止する禁止手段とを備える、自閉
    水栓装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の自閉水栓装置であって、 更に、 前記ストレーナの目詰まりが検出されると、目詰まり発
    生を報知する報知手段を備える、自閉水栓装置。
  5. 【請求項5】 洗浄水によりボール部を洗浄する便器で
    あって、 ボール部洗浄を実施するために洗浄水を吐出する複数の
    洗浄水吐出手段と、 洗浄水供給源と接続され、洗浄水の供給を受ける請求項
    1記載の自閉水栓装置と、 該自閉水栓装置から前記複数の洗浄水吐出手段に至るま
    で配管され、前記自閉水栓装置による分配流路となる吐
    出手段別流路と、 ボール部洗浄の際に操作され、前記自閉水栓装置に前記
    出水要求を出力する出力手段とを有することを特徴とす
    る便器。
JP13014499A 1998-05-11 1999-05-11 自閉水栓装置を用いた便器 Expired - Fee Related JP3707295B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13014499A JP3707295B2 (ja) 1998-05-11 1999-05-11 自閉水栓装置を用いた便器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14649998 1998-05-11
JP10-146499 1998-05-11
JP13014499A JP3707295B2 (ja) 1998-05-11 1999-05-11 自閉水栓装置を用いた便器

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000020347A Division JP2000193115A (ja) 1998-05-11 2000-01-28 自閉水栓装置
JP2000080146A Division JP2000297454A (ja) 1998-05-11 2000-03-22 便器洗浄装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000034762A true JP2000034762A (ja) 2000-02-02
JP3707295B2 JP3707295B2 (ja) 2005-10-19

Family

ID=26465341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13014499A Expired - Fee Related JP3707295B2 (ja) 1998-05-11 1999-05-11 自閉水栓装置を用いた便器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3707295B2 (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004027507A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Toto Ltd 便器装置
KR100452497B1 (ko) * 2001-09-28 2004-10-12 광 승 김 수도전용 자폐식 밸브장치
WO2005098152A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Toto Ltd. バキュームブレーカ及びそれを備えた給水弁装置、水洗大便器
JP2008514886A (ja) * 2004-10-01 2008-05-08 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 燃料供給ユニットのための圧力制御装置ならびに圧力制御装置を製造するための方法
CN100460737C (zh) * 2000-09-06 2009-02-11 伊纳科斯株式会社 冲洗水供应装置
JP2009167732A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Teshika:Kk 車両用貯水型汚物タンクの水封装置
JP2014169784A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Duravit Aktiengesellschaft バキュームブレーカ、腰掛便器自動吐水システムおよび電子腰掛便器
JP2016191254A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 Toto株式会社 定流量弁内蔵給水配管及び給水弁装置
JP2017172116A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 株式会社Lixil 水栓
CN109395681A (zh) * 2018-12-30 2019-03-01 山东华安新材料有限公司 一种卤代烃反应优化方法及其设备系统
WO2019187982A1 (ja) * 2018-03-28 2019-10-03 信越ポリマー株式会社 基板収納容器
JP2020026875A (ja) * 2018-08-17 2020-02-20 株式会社テイエルブイ 逆止弁
CN112869100A (zh) * 2020-12-30 2021-06-01 重庆德庄农产品开发有限公司 一种黄焖鸡调料的制作方法
CN112879623A (zh) * 2021-02-09 2021-06-01 国家石油天然气管网集团有限公司华南分公司 流量伺服可调的齿轮马达直驱先导安全y型水击泄压阀
CN112879630A (zh) * 2021-02-09 2021-06-01 国家石油天然气管网集团有限公司华南分公司 阀开口面积伺服可调的叶片马达直驱y型水击泄压阀
WO2021140308A1 (en) * 2020-01-09 2021-07-15 Kohler Mira Limited Diaphragm valve
JP7085801B2 (ja) 2017-04-19 2022-06-17 トキコシステムソリューションズ株式会社 ポンプユニット

Cited By (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100460737C (zh) * 2000-09-06 2009-02-11 伊纳科斯株式会社 冲洗水供应装置
KR100452497B1 (ko) * 2001-09-28 2004-10-12 광 승 김 수도전용 자폐식 밸브장치
JP2004027507A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Toto Ltd 便器装置
US7721359B2 (en) 2004-03-31 2010-05-25 Toto Ltd. Vacuum breaker, and water-feed valve assembly and water closet provided therewith
WO2005098152A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Toto Ltd. バキュームブレーカ及びそれを備えた給水弁装置、水洗大便器
JP2008514886A (ja) * 2004-10-01 2008-05-08 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 燃料供給ユニットのための圧力制御装置ならびに圧力制御装置を製造するための方法
US7828010B2 (en) 2004-10-01 2010-11-09 Continental Automotive Gmbh Pressure regulator for a fuel supply unit and method for production of a pressure regulator
JP4691106B2 (ja) * 2004-10-01 2011-06-01 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 燃料供給ユニットのための圧力制御装置ならびに圧力制御装置を製造するための方法
JP2009167732A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Teshika:Kk 車両用貯水型汚物タンクの水封装置
JP2014169784A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Duravit Aktiengesellschaft バキュームブレーカ、腰掛便器自動吐水システムおよび電子腰掛便器
US9637899B2 (en) 2013-03-01 2017-05-02 Duravit Aktiengesellschaft Vacuum breaker, automatic flushing system for toilet and electronic bidet toilet
JP2016191254A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 Toto株式会社 定流量弁内蔵給水配管及び給水弁装置
JP2017172116A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 株式会社Lixil 水栓
JP7085801B2 (ja) 2017-04-19 2022-06-17 トキコシステムソリューションズ株式会社 ポンプユニット
WO2019187982A1 (ja) * 2018-03-28 2019-10-03 信越ポリマー株式会社 基板収納容器
JP7147116B2 (ja) 2018-03-28 2022-10-05 信越ポリマー株式会社 基板収納容器
JP2019175973A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 信越ポリマー株式会社 基板収納容器
US11230427B2 (en) 2018-03-28 2022-01-25 Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. Substrate storage container with umbrella-shaped seal lip
JP7057736B2 (ja) 2018-08-17 2022-04-20 株式会社テイエルブイ 逆止弁
JP2020026875A (ja) * 2018-08-17 2020-02-20 株式会社テイエルブイ 逆止弁
CN109395681B (zh) * 2018-12-30 2024-05-14 山东华安新材料有限公司 一种卤代烃反应优化方法及其设备系统
CN109395681A (zh) * 2018-12-30 2019-03-01 山东华安新材料有限公司 一种卤代烃反应优化方法及其设备系统
CN114901979A (zh) * 2020-01-09 2022-08-12 柯勒米拉有限公司 隔膜阀
WO2021140308A1 (en) * 2020-01-09 2021-07-15 Kohler Mira Limited Diaphragm valve
US12018769B2 (en) 2020-01-09 2024-06-25 Kohler Mira Limited Diaphragm valve
CN112869100A (zh) * 2020-12-30 2021-06-01 重庆德庄农产品开发有限公司 一种黄焖鸡调料的制作方法
CN112879630A (zh) * 2021-02-09 2021-06-01 国家石油天然气管网集团有限公司华南分公司 阀开口面积伺服可调的叶片马达直驱y型水击泄压阀
CN112879623A (zh) * 2021-02-09 2021-06-01 国家石油天然气管网集团有限公司华南分公司 流量伺服可调的齿轮马达直驱先导安全y型水击泄压阀
CN112879623B (zh) * 2021-02-09 2023-04-25 国家石油天然气管网集团有限公司华南分公司 流量伺服可调的齿轮马达直驱先导安全y型水击泄压阀

Also Published As

Publication number Publication date
JP3707295B2 (ja) 2005-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3707295B2 (ja) 自閉水栓装置を用いた便器
EP1548344B1 (en) Opening and closing valve
US7331359B2 (en) Valve with bi-loading seal
US20050218357A1 (en) Pinch valve element for plumbing fixture flush valve
WO2017024792A1 (zh) 一种双流量切换装置
CN113898045A (zh) 一种马桶的冲刷系统和无水箱马桶
JP4267866B2 (ja) ダイヤフラム式止水弁
KR200383401Y1 (ko) 세라믹 카트리지가 내장된 수전금구용 전환밸브
WO2005078324A1 (en) Foot valve system
JP6001832B2 (ja) 水洗式便器
JP2000193115A (ja) 自閉水栓装置
US11421410B2 (en) Flush water tank apparatus and flush toilet apparatus provided with the same
CN216158354U (zh) 一种出水龙头
JP5453175B2 (ja) パイロット式電磁弁
JP2006300112A (ja) パイロット式バルブ
JP4048562B2 (ja) 水栓装置
WO2010045946A1 (en) A servo valve
JP2005213906A (ja) 便器用洗浄水タンク
JPH1047506A (ja) 温度応動切替え機構を備えた切替え弁
JP4232192B2 (ja) 便器給水装置
JP7441675B2 (ja) 開閉弁装置
JP5474376B2 (ja) フラッシュバルブ及びフラッシュバルブ装置
US5984268A (en) Sealing member and a valve closure member incorporating same
JP2003096868A (ja) 弁装置
KR200396811Y1 (ko) 누수 방지 수도꼭지

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080812

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090812

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100812

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110812

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120812

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120812

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130812

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees