JP4232172B2 - 屈折率分布型光ファイバーの製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、従来の光学樹脂では実現が困難であった、高い透明性と耐熱性を合わせ持った屈折率分布型光ファイバー(以下、GI型光ファイバーと略すことがある)を母材(プリフォーム)から製造する方法に関する。
本発明により得られるGI型光ファイバーは非結晶樹脂であるため光の散乱がなく、しかも紫外光から近赤外光まで広範囲の波長帯で透明性が非常に高いため、多種多様な波長の光システムに有効利用が可能である。特に光通信分野において幹線石英ファイバーに利用されている波長である1300nm、1550nmで低損失である光伝送体を与えるものである。
背景技術
特開平8−334633号公報により、C−H結合を有しない非結晶の含フッ素重合体(a)と、屈折率の差が0.001以上である物質(b)とを用い、低屈折率材料からなる円筒状成形体を型としてその内面に高屈折率の層形成材料を含有させ、回転成形しながら高屈折率の層形成材料を熱拡散させて、内外少なくとも2層構成を有する円筒状母材を製造し、得られた円筒状母材を繊維化し、GI型光ファイバーを製造することは知られている。
前記GI型光ファイバーの製造方法においては、母材を円筒状にすることで、樹脂の冷却収縮に伴うボイド、気泡、変形等がなく、光散乱体が発生しないため、伝送特性が向上する。しかしながら、円筒状母材を繊維化する際にファイバー内に中空部が残りやすいという欠点があった。
また、前記製造方法では屈折率分布形状を任意に変えることは難しく、一律的に決まる場合が多く、光源、受光器、コネクターなどの要求特性に合った屈折率分布形状を得にくいという欠点があった。
発明の開示
本発明は、前述の問題点を解決すべくなされたものであり、
(1)実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である少なくとも1種の物質(b)とを用い、上記材料の少なくとも1種から選ばれた低屈折率材料からなる円筒状成形体を型としてその内面に上記材料の少なくとも1種から選ばれた相対的に高屈折率の層形成材料からなる少なくとも1つの層を回転成形により形成して、内外少なくとも2層構成を有する円筒状母材を製造し、得られた円筒状母材を繊維化し、屈折率分布型光ファイバーを製造するにあたり、回転成形中の遠心力を変化させることを特徴とする、屈折率分布型光ファイバーの製造方法、
(2)実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である少なくとも1種の物質(b)とを用い、上記材料の少なくとも1種から選ばれた低屈折率材料からなる円筒状成形体を型としてその内面に上記材料の少なくとも1種から選ばれた相対的に高屈折率の層形成材料からなる少なくとも1つの層を回転成形により形成して、内外少なくとも2層構成を有する円筒状母材を製造し、得られた円筒状母材を繊維化し、屈折率分布型光ファイバーを製造するにあたり、前記円筒状母材の中空部を減圧状態に保ちながら繊維化することを特徴とする屈折率分布型光ファイバーの製造方法を提供するものである。
以下まずGI型光ファイバーの材料である含フッ素重合体(a)、物質(b)、およびGI型光ファイバーについて説明し、その後円筒状母材からGI型光ファイバーを製造する方法について説明する。
<含フッ素重合体(a)について>
含フッ素重合体として、従来よりテトラフルオロエチレン樹脂、パーフルオロ(エチレン−プロピレン)樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ビニリデンフルオライド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂等が広く知られている。しかしながら、これらの含フッ素樹脂は結晶性を有するため、光の散乱が起こり、透明性が良好でなく、プラスチック光ファイバーの材料としては好ましくない。
これに対して、非結晶性の含フッ素重合体は、結晶による光の散乱がないため、透明性に優れる。本発明における含フッ素重合体(a)としては、C−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体であれば何ら限定されないが、主鎖に環構造を有する含フッ素重合体が好ましい。主鎖に環構造を有する含フッ素重合体としては、含フッ素脂肪族環構造、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合体が好ましい。含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体では含フッ素脂肪族エーテル環構造を有するものがさらに好ましい。
含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体は、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合体に比べ、後述の熱延伸または溶融紡糸によるファイバー化に際してもポリマー分子が配向しにくく、その結果光の散乱を起こすこともないなどの理由から、より好ましい重合体である。
含フッ素重合体(a)の溶融状態における粘度は、溶融温度200℃〜300℃において103〜105ポイズが好ましい。溶融粘度が高過ぎると溶融紡糸が困難なばかりでなく、屈折率分布の形成に必要な、物質(b)の拡散が起こりにくくなり屈折率分布の形成が困難になる。また、溶融粘度が低過ぎると実用上問題が生じる。すなわち、電子機器や自動車等で用いられる場合に高温にさらされ軟化し、光の伝送性能が低下する。
含フッ素重合体(a)の数平均分子量は、10,000〜5000,000が好ましく、より好ましくは50,000〜1000,000である。分子量が小さ過ぎると耐熱性を阻害することがあり、大き過ぎると屈折率分布を有する光ファイバーの形成が困難になるため好ましくない。
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得られるものや、少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特公昭63−18964号公報等により知られている。即ち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを単独重合することにより、またこのモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
また、少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−238111号公報や特開昭63−238115号公報等により知られている。即ち、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等のモノマーを環化重合することにより、またはこのようなモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
また、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーとを共重合することによっても主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
上記の含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、具体的には以下の(I)〜(IV)式から選ばれる繰り返し単位を有するものが例示される。なお、これらの含フッ素脂肪族環構造を有する重合体中のフッ素原子は、屈折率を高めるために一部塩素原子で置換されていてもよい。
Figure 0004232172
[上記(I)〜(IV)式において、pは0〜5、qは0〜4、rは0〜1、p+q+rは1〜6、s,t,uはそれぞれ0〜5、s+t+uは1〜6、RはFまたはCF3、R1はFまたはCF3、R2はFまたはCF3、X1はFまたはCl、X2はFまたはClである。]
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、主鎖に環構造を有する重合体が好適であるが、環構造を有する重合単位を20モル%以上、好ましくは40モル%以上含有するものが透明性、機械的特性等の面から好ましい。
<物質(b)について>
物質(b)は、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である少なくとも1種の物質であり、含フッ素重合体(a)よりも高屈折率であっても低屈折率であってもよい。本発明においては通常は含フッ素重合体(a)よりも高屈折率の物質を用いる。
この物質(b)としては、ベンゼン環等の芳香族環、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、エーテル結合等の結合基を含む、低分子化合物、オリゴマー、ポリマーが好ましい。また、物質(b)は、含フッ素重合体(a)と同様な理由から実質的にC−H結合を有しない物質であることが好ましい。含フッ素重合体(a)との屈折率の差は0.005以上であることが好ましい。
オリゴマーやポリマーである物質(b)としては、前記したような含フッ素重合体(a)を形成するモノマーの重合体からなり、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上であるオリゴマーやポリマーであってもよい。モノマーとしては、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である重合体を形成するものから選ばれる。たとえば、屈折率の異なる2種の含フッ素重合体(a)を用い、一方の重合体(a)を物質(b)として他の重合体(a)中に分布させることができる。
これらの物質(b)は、含フッ素重合体(a)との比較において、溶解性パラメータの差が7(cal/cm31/2以内であることが好ましい。ここで溶解性パラメータとは物質間の混合性の尺度となる特性値であり、溶解性パラメータをδ、物質の分子凝集エネルギーをE、分子容をVとして、式δ=(E/V)1/2で表される。
低分子化合物としては、例えば炭素原子に結合した水素原子を含まないハロゲン化芳香族炭化水素がある。特に、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含むハロゲン化芳香族炭化水素やフッ素原子と他のハロゲン原子を含むハロゲン化芳香族炭化水素が、含フッ素重合体(a)との相溶性の面で好ましい。また、これらのハロゲン化芳香族炭化水素は、カルボニル基、シアノ基などの官能基を有していないことがより好ましい。
このようなハロゲン化芳香族炭化水素としては、例えば式Φr−Zb[Φrは水素原子のすべてがフッ素原子に置換されたb価のフッ素化芳香環残基、Zはフッ素以外のハロゲン原子、−Rf、−CO−Rf、−O−Rf、あるいは−CN。ただし、Rfはパーフルオロアルキル基、ポリフルオロパーハロアルキル基、または1価のΦr。bは0または1以上の整数。]で表される化合物がある。芳香環としてはベンゼン環やナフタレン環がある。Rfであるパーフルオロアルキル基やポリフルオロパーハロアルキル基の炭素数は5以下が好ましい。フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素原子や臭素原子が好ましい。
具体的な化合物としては例えば、1,3−ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモテトラフルオロベンゼン、2−ブロモテトラフルオロベンゾトリフルオライド、クロロペンタフルオロベンゼン、ブロモペンタフルオロベンゼン、ヨードペンタフルオロベンゼン、デカフルオロベンゾフェノン、パーフルオロアセトフェノン、パーフルオロビフェニル、クロロヘプタフルオロナフタレン、ブロモヘプタフルオロナフタレンなどがある。
ポリマーやオリゴマーである物質(b)としては、前記(I)〜(IV)の繰り返し単位を有するものの内、組み合される含フッ素重合体(a)とは異なる屈折率を有する含フッ素重合体(例えば、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含む含フッ素重合体とフッ素原子と塩素原子を含む含フッ素重合体との組み合せ、異なる種類や異なる割合の2以上のモノマーを重合して得られた2種の含フッ素重合体の組み合せなど)が好ましい。
また、上記のごとき主鎖に環構造を有する含フッ素重合体以外に、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどの水素原子を含まないモノマーからなるオリゴマー、それらモノマー2種以上の共重合オリゴマーなども物質(b)として使用できる。また、−CF2CF(CF3)O−や−(CF2nO−(nは1〜3の整数)の構造単位を有するパーフルオロポリエーテルなども使用できる。これらオリゴマーの分子量は、非結晶性となる分子量範囲から選ばれ、数平均分子量300〜10,000が好ましい。拡散のしやすさを考慮すると、数平均分子量300〜5000がさらに好ましい。
特に好ましい物質(b)は、含フッ素重合体(a)特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体との相溶性が良好であること等から、クロロトリフルオロエチレンオリゴマーである。相溶性が良好であることにより、含フッ素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体、とクロロトリフルオロエチレンオリゴマーとを200〜300℃で加熱溶融により容易に混合させることができる。また、含フッ素溶媒に溶解させて混合した後、溶媒を除去することにより両者を均一に混合させることができる。クロロトリフルオロエチレンオリゴマーの好ましい分子量は、数平均分子量500〜1500である。
<GI型光ファイバーーについて>
GI型光ファイバーの横断面において、物質(b)は含フッ素重合体(a)中に中心から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布している。好ましくは、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも高屈折率の物質であり、この物質(b)が光ファイバーの中心から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している光ファイバーである。ある場合には物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも低屈折率の物質であり、この物質が光ファイバーの周辺から中心方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している光ファイバーも有用である。前者の光ファイバーは通常物質(b)を中心に配置し周辺方向に向かって拡散させることにより製造できる。後者の光ファイバーは物質(b)を周辺から中心方向に拡散させることによって製造できる。
本発明により得られるGI型光ファイバーは、波長700〜1,600nmで、100mの伝送損失が100db以下とすることができる。特に主鎖に脂肪族環構造を有する含フッ素重合体では同様な波長で、100mの伝送損失が50db以下とすることができる。波長700〜1,600nmという比較的長波長において、このような低レベルの伝送損失であることは極めて有利である。すなわち、石英光ファイバーと同じ波長を使えることにより、石英光ファイバーとの接続が容易であり、また波長700〜1,600nmよりも短波長を使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバーに比べ、安価な光源で済むという利点がある。
<本発明の製造方法における回転成形について>
含フッ素重合体(a)と物質(b)から選ばれた相対的に低屈折率の材料からなる円筒状の成形体をあらかじめ製造し、この成形体を型としてその内面に高屈折率の材料からなる少なくとも1つの層を回転成形により形成し、内外少なくとも2層の構成を有する円筒状の成形物からなる母材を製造する方法である。他の方法は、上記外層となる成形体を回転成形により成形すると共に、引き続き内層を回転成形により形成して同様の母材を製造する方法である。母材は必ずしも屈折率分布を有する必要はないが(母材の後処理や紡糸の際に屈折率分布を形成することができる)、母材にある程度以上の屈折率分布を形成しておくことが好ましい。母材にある程度以上の屈折率分布を形成しておくことにより、後処理や紡糸の際に屈折率分布を形成することが容易となり、またGI型光ファイバーの製造効率も向上する。コア、クラッドの屈折率差を維持して、かつコア径を大きく取れることから母材の屈折率分布とこの母材から得られるファイバーの屈折率分布は実質的に同一であることがより好ましい。
母材の製造において、屈折率分布を形成するためには隣接する層間で物質(b)を一方の層から他方の層の含フッ素重合体(a)中へ拡散させる必要がある。たとえば、中心部と周辺部の2層からなる母材を製造する場合、屈折率分布を形成させるためには物質(b)を中心部の層から周辺部の層へ拡散させる(物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも高屈折率である場合)か、物質(b)を周辺部の層から中心部の層へ拡散させる(物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも低屈折率である場合)ことが必要となる。物質(b)は通常熱拡散で拡散させることができる。この拡散は回転成形しながら引き続き行うことができ、また回転成形が終了した後に行うことができる。
また、母材の製造において物質(b)の拡散以外に、積層する材料の屈折率を順次変化させて屈折率分布に近い屈折率変化を有する母材を製造することもできる。すなわち、回転円筒ドラム内に供給する材料の屈折率を順次高めながら(たとえば、高屈折率の物質(b)の含フッ素重合体(a)に対する濃度を順次高めながら)積層を行い、目的とする母材を製造することができる。この方法に加えて物質(b)の拡散を併用することもできる。
回転成形に供する上記材料の形態としては、溶融物、溶液、分散液その他液状の形態を有するものであれば制限されない。溶液や分散液の場合、溶媒等の液状媒体は溶液等を回転円筒ドラムに供給した後蒸発除去等で液状媒体を除去しながら成形を行うことができる。回転円筒ドラムへの材料の供給手段は特に限定されず、たとえば溶融押し出し供給法、フローカーテン法、スプレー法等を適宜採用することができる。材料の供給が軸方向に均一に行われるためには、材料は回転円筒ドラムの軸方向全長にわたって供給されることが好ましい。
例えば2層の成形体からなる母材を製造する場合、低屈折率の外層形成材料からなる円筒体型を用いるかまたは低屈折率の外層形成材料を回転円筒ドラムへ供給して外層を形成し、次いで高屈折率の内層形成材料を供給して内層を形成する。これにより内外2層からなる円筒状の成形体が得られる。外層形成材料としては、たとえば、含フッ素重合体(a)を用い、内層形成材料としては、たとえば、含フッ素重合体(a)とそれよりも高屈折率の物質(b)の混合物を用いる。同様にして3層以上の多層構造を有する成形体を製造することもできる。
本発明によれば、屈折率分布形状等が安定した均質な母材を作製することができる。また、母材を円筒状にすることで、樹脂の冷却収縮に伴うボイド、気泡、変形等がなく、光散乱体が発生しないため、伝送特性が向上する。さらに、母材を繊維化する際に母材の中空部を減圧状態にすることで、ファイバ内に中空部を残すことが防げるので、光学性能が低下することはない。
また、回転成形中の遠心力を調節することで、屈折率分布形状を光源、受光器、コネクター等の要求特性に合ったものに変えることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、回転成形装置としての回転円筒ドラムの縦断面説明図、
図2は、同上、横断面説明図、
図3は、本発明における円筒状成形体の製造準備の一例を示す概略図、
図4は、本発明における回転機構付熱風循環式オーブン、
図5は、本発明における円筒状成形体の製造方法の一例を示す概略図、
図6は、本発明における円筒状成形体の製造方法の一例を示す概略図、
図7は、本発明における円筒状母材の製造方法の一例を示す概略図、
図8は、本発明における円筒状母材の概略図、
図9は、本発明における円筒状母材の線引き装置の概略図、
図10は、本発明により得られたファイバの断面方向の屈折率分布形状、
図11は、本発明における円筒状母材の断面方向の屈折率分布形状(2重量%)、
図12は、本発明における円筒状母材の断面方向の屈折率分布形状(5重量%)、
図13は、本発明における円筒状母材の断面方向の屈折率分布形状(7重量%)、
図14は、本発明におけるファイバの断面方向の屈折率分布形状(2重量%)、
図15は、本発明におけるファイバの断面方向の屈折率分布形状(5重量%)、
図16は、本発明におけるファイバの断面方向の屈折率分布形状(7重量%)、
図17は、本発明における円筒状母材の断面方向の屈折率分布形状(内径3mm)、
図18は、本発明における円筒状母材の断面方向の屈折率分布形状(内径5mm)、
図19は、本発明における円筒状母材の断面方向の屈折率分布形状(内径8mm)、
図20は、本発明におけるファイバの断面方向の屈折率分布形状(内径3mm)、
図21は、本発明におけるファイバの断面方向の屈折率分布形状(内径5mm)、
図22は、本発明におけるファイバの断面方向の屈折率分布形状(内径8mm)、
図23は、本発明における円筒状母材の断面方向の屈折率分布形状(回転数2000rpm)、
図24は、本発明における円筒状母材の断面方向の屈折率分布形状(回転数10000rpm)、
図25は、本発明における円筒状母材の断面方向の屈折率分布形状、
図26は、本発明における円筒状母材の断面方向の屈折率分布形状(重合体Bの逐次添加)である。
発明を実施するための最良の形態
具体的な回転成形の例として、回転円筒ドラムの模式的な縦断面図を図1に、横断面図を図2に示す。図1、図2において、成形装置は円筒の軸を回転軸として回転する回転円筒ドラム1と材料押し出し用ダイ2とからなり、ダイ2より相対的に低屈折率の外層形成材料が供給されて外層3が形成されており、その内面に相対的に高屈折率の内層形成材料4が溶融状態で供給されて内層5が形成されつつある。外層3はあらかじめ成形された円筒状成形体を回転円筒ドラム1に嵌挿させて形成してもよい。所望の層が形成された後、回転を続けながら引き続き加熱状態に保持し、熱拡散を行うことができる。熱拡散は材料の溶融状態で行うことが好ましい。その後、成形体を冷却固化し回転円筒ドラム1から取り出すことにより目的とする母材が得られる。
回転円筒ドラムの材質は特に限定されるものではないが、ステンレス等の耐食性金属やガラスなどの材質からなることが好ましい。その他の回転成形の例として、前記外層3に相当する円筒状外壁材を予め作成し、これを図4の回転管16にセットし、回転成形する方法がある。図5に示す円筒状外壁材12の中空部には内層形成材料、例えば物質(b)を栓13と14を介して封入した後、回転管16にセットし、中空部を減圧状態に保ちながら回転させることにより、内外少なくとも2層構成を有する円筒状母材を製造できる。
回転円筒ドラムの材質としては耐食性金属やガラス管の他に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のプラスチック製管を用いることができる。
また、ガラス管12の内部に円筒状成形体20の内径に相当する外径のガラス棒21を、栓13、14を介して、ガラス管12の中心部に保持し、溶融した重合体Aを流下させ、冷却後ガラス管12を取り除き、円筒状成形体をフッ酸水溶液中に浸し、ガラス棒21を溶解させて、円筒状成形体20を作製することもできる(図6)。
母材において屈折率の異なる同心円状の層は2層のみならず3層以上存在していてもよい。その場合であっても基本的には中心部や中心部に近い層は中心から遠い層よりも高屈折率の材料からなる。前記のように物質(b)は含フッ素重合体(a)よりも高屈折率であっても低屈折率であってもよい。したがって、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも高屈折率である場合は、物質(b)は中心部や中心部に近い層程高濃度で存在し、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも低屈折率である場合は、物質(b)は最外層や最外層に近い層程高濃度で存在する。
母材としては、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも高屈折率である物質(b)[以下この物質(b)を物質(b’)]であり、物質(b’)が相対的に内層形成材料に高濃度で存在している構成を有することが好ましい。この場合、内層形成材料は物質(b’)のみからなるかまたは物質(b’)と含フッ素重合体(a)の混合物からなる。物質(b’)の機械的物性や成形性が十分ではないことが少なくないことより、内層形成材料は好ましくは物質(b’)と含フッ素重合体(a)の混合物からなる。外層形成材料は含フッ素重合体(a)のみからなるかまたは含フッ素重合体(a)と物質(b’)の混合物(ただし、物質(b’)の濃度は内層形成材料の濃度より低い)からなる。また、外層形成材料は含フッ素重合体(a)とそれより屈折率の低い物質(b)との混合物からなる材料であってもよい。母材が3層以上の多層構造体からなる場合、中心部に近い層ほど物質(b’)の濃度の高い材料とし(ただし、中心部の濃度より低い)最外層や最外層に近い層程物質(b’)の濃度の低い材料とする。最外層や最外層に近い層に含フッ素重合体(a)より屈折率の低い物質(b)を配してもよい。
また、本発明の製造方法によれば、円筒状母材の外径に対する内径の比、物質(b)の添加量、回転成形中の遠心力および拡散温度を積極的に調整することによって、屈折率分布形状およびファイバーのコア径を自由にコントロールでき、各波長で最も伝送帯域特性が向上する屈折率分布形状を持ったファイバーの製造が容易で、かつ光源および受光源の口径に合うようにコア径を調節できる。ここで、コア径とは、ファイバーから出射したファイバー径方向の光の強度分布における最大強度の5%以上が占める部分であるコア部の直径を意味する。
以下、本発明における母材の製造方法について説明する。円筒状母材の外径は特に限定されないが、10〜100mmが好ましい。外径が小さ過ぎると生産性に欠け、大き過ぎると熱拡散に長大な時間がかかること、および、母材の線引きの際に母材全体を均一温度にするのが困難で、ファイバーの径のバラツキが生じる。
次に円筒状母材の外径に対するに内径の比は10%〜70%であることが望ましく20%〜40%がさらに好ましい。内径の比が小さ過ぎると熱収縮に伴うボイド発生を阻止しにくくなり、熱拡散時間が長くなる。また大き過ぎると、母材の線引き時に内径部が十分に融着しにくくなり、ファイバーの線径がばらついて伝送損失等が悪くなる。
さらに、外径一定で内径の比を大きくする程、ファイバーのファイバー外径に対するコア径の比(コア径比)を大きくすることができ、コア半径方向の屈折率分布形状を示す次式で表されるα値も変えることでができる。
n(r)=n1[1−2△(r/a)α]1/2
△=n1 2−n2 2/2n1 2
n(r):半径r方向の屈折率
a:コア半径
1:コア屈折率
2:クラッド屈折率
α値が無限大の時の屈折率分布形状はr=0(コア中心部)〜a(コア最外周部)の範囲でコア中心部の屈折率n1に等しくなり、その後急激にクラッド材の屈折率n2に等しくなる階段状分布形状(SI型)を示す。また、α値が1の場合の分布形状はr=0(コア中心部)がn1でr=a(コア最外周部)がn2で、その両者を直線で結んだ斜面状の分布形状を示す。α値がその間の範囲ではr=0(n1)とr=a(n2)を結ぶ2次曲線の分布形状になる。
α値を変えることによってファイバーの光伝送容量が変わることが知られており、各ファイバー材料によって、α値をいくらにすれば最大の光伝送容量が得られるかが算出できる。
材料にパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)を選定し、その屈折率の波長依存性のデータから算出された最適α値は、使用波長1300nmで1.96である。また、熱拡散させる物質(b)の円筒状母材に対する添加割合および濃度は、特に限定されないが、同一サイズの円筒状母材を用いた場合、添加割合を増やすとコア径比を大きくすることができ、屈折率分布形状のα値は小さくすることができる。物質(b)が高粘度の場合、必要に応じて例えば円筒状母材に使用した含フッ素重合体(a)で希釈して添加することもできる。
円筒状母材を回転成形で得る際の回転成形の回転数、すなわち内径部に作用させる遠心力は0.1〜300Gの範囲のものが好ましく、1〜50Gの範囲がより好ましい。ここでGとは9.8m・kg・S-2の力を意味する。遠心力が小さ過ぎると拡散後、円筒状母材の内径部の表面平滑性に欠け、ファイバー化の際に内径部の残渣がファイバー中に残り、伝送損失等が低下する。また、大き過ぎると、大型円筒状母材を安全に回転成形するのが困難で、かつ物質含フッ素重合体(a)に対し物質(b)の比重が特に小さい場合、遠心力で物質(b)の拡散が一気に起こってしまい、分布制御が困難になる。また、遠心力を変化させる時期および変化量は特に限定されない。遠心力は、連続的に変化させてもよく、段階的に変化させてもよく、間欠的に変化させてもよい。また、その変化は増加でもよく、減少でもよく、増加減少の組合せでもよい。通常は遠心力を増加させることによりコア径を大きく取れる。例えば、コア、クラッドの屈折率差を維持して、かつコア径を大きく取りたい場合、所定の拡散時間の50〜90%が経過した所で、遠心力を好ましくは1.5〜30倍、より好ましくは2〜20倍に上げるのが効果的である。
また、物質(b)を熱拡散させる際の円筒状母材の拡散温度は、特に限定されないが、含フッ素重合体(a)のガラス転移温度より高く、含フッ素重合体(a)の熱分解温度未満から選ばれる。物質(b)が容易に拡散されるように、含フッ素重合体(a)は充分に可塑化されている必要があり、含フッ素重合体(a)の溶融粘度が103〜105ポイズとなる拡散温度が好ましい。拡散温度を変化させる時期および変化量は特に限定されないが、コア、クラッドの屈折率差を維持して、かつコア径を大きく取りたい場合、所定の拡散時間の50〜90%が経過した所で、円筒状母材の雰囲気温度を10〜50℃上げるのが効果的である。円筒状母材は外径部より加熱され、中心部が変化させた温度に達する前に拡散を終了させるため、外周部のみがより熱拡散され、その結果コア径比を大きくすることができる。
本発明で得られた円筒状母材を繊維化することにより屈折率分布型光ファイバーが得られる。繊維化方法は特に限定されないが、母材を加熱延伸や溶融紡糸する方法が好ましい。加熱延伸や溶融紡糸における加熱温度や繊維化速度等の条件は含フッ素重合体(a)や物質(b)の種類により適宜決めることができる。
本発明で得られた円筒状母材をその中空部を減圧状態に保ちながら繊維化し、母材の中空部を閉塞させる時の減圧度は−1〜−300mmHgが好ましく、より好ましくは−3〜−100mmHgである。減圧度が小さすぎると中空部を充分に閉塞させるのが困難で、一部に中空部の残渣が生じてしまい、伝送損失特性等が悪化する。また、減圧度が大きすぎると、中空部の閉塞が急激に起こってしまい、充分な融着ができず伝送損失特性等が悪化する。
繊維化時の母材の粘度は102〜105ポイズが好ましい。粘度が小さ過ぎるとファイバーが柔らかすぎて、線径変動が大きく、伝送損失が安定しないため好ましくない。また、大き過ぎると紡糸が困難で、生産性が著しく低下するため好ましくない。また、減圧度を−5〜−20mmHg、母材粘度を103〜104ポイズまたは103〜105ポイズに調節して、ファイバー中心部に外径0.1〜100μmの中空部を均一に残すことも可能であり、ファイバーの冷却固化時のボイドの発生を防止することもできる。
(実施例)
以下、図に基づいて本発明を説明する。
例1(円筒状母材の準備)
数平均分子量約1.5×105のパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)[PBVE]の重合体11(以下重合体Aと言う)100gを250℃で溶融し、円筒状外壁材12としてガラス管を選定し、栓13を介してその中へ重合体Aを流下した。その後所定の内部空間を取って栓14で重合体Aを封じ、ガラス管12内部を真空状態にし、管を水平に保って図4に示す回転機構付熱風循環式オーブン15内の回転管16にセットした。オーブン15内を250℃±1℃に昇温し、ガラス管12を2000rpmで回転させながら3時間加熱した。その後オーブンの電源を切り、ガラス管12をファンで1時間強制空冷して、図5に示す外径17mm、内径5mm、長さ200mm、屈折率1.34の円筒状母材20を得た。
例2(円筒状母材の中空部を減圧状態に保つ実施例)
次に円筒状成形体20の中空部に高屈折率層形成材料22として、数平均分子量1000のクロロトリフルオロエチレン(CTFE)オリゴマー(以下、重合体Bと言う)を重合体Aに対して4重量%添加した(図7)。なお、重合体Bは末端基を事前にフッ素化したものを用いた。ガラス管12内部を真空状態にし、管を水平に保って回転機構付熱風循環式オーブン15内に再度セットした。オーブン内温度を220℃±1℃にコントロールしながらガラス管12を2000rpmで回転させ、中空部に9Gをかけながら6時間加熱し、重合体Bを熱拡散させた。その後、15℃/hrの一定温度でオーブン内を徐々に降温させ、室温まで冷却した。その結果、図8に示す外径17mm、内径4.5mm、長さ200mmで中心部の屈折率が1.355、外径部の屈折率が1.34の屈折率分布型円筒状母材23を得た。得られた母材23は中心に中空部があるため、母材の冷却収縮に伴う、ボイド、気泡および母材の変形がなく、均一性に優れた物であった。
この母材を図9に示す220℃に保温された線引炉24にセットし、母材中空部の上部に減圧配管を取り付け、中空部を減圧状態に保ちながら、6m/minの速度で線引きし、外径300±5μmの屈折率分布型光ファイバー25を得た。得られたファイバー25の屈折率分布形状を横方向干渉パターン法で測定した結果は図10に示したように、中心部が1.355、端部が1.34の分布形状を呈した。また、カットバック法による伝送損失結果は波長1300nmの光で40dB/kmであった。
本発明によれば、光の伝送損失および帯域特性を左右する屈折率分布形状および光源との接続ロスに関与するファイバーのコア径の調節が比較的容易に実施できる。その例を以下例3〜6に示す。
例3(重合体Bの添加量の影響例)
重合体Aによる外径17mm,内径5mmの円筒状母材20の中空部に重合体Bを重合体Aに対して2、5および7重量%添加し、内壁部の重合体Bの濃度が15重量%に達するまで240℃で所定の時間拡散させた時の母材の屈折率分布形状をそれぞれ図11、12、13に、またそれぞれの母材から得られた外径250μmのファイバーの屈折率分布形状を図14、15、16に示した。その結果、コア半径方向の屈折率分布形状を示す指針となる次式(べき乗則)で表わされるα値が1.5〜2.5、また、
n(r)=n1[1−2△(r/a)α]1/2
△=n1 2−n2 2/2n1 2
n(r):半径r方向の屈折率
a:コア半径
1:コア屈折率
2:クラッド屈折率
ファイバー外径に対するコア径の比(コア径比)が0.3〜0.7まで変化させることができた。
例4(円筒状成形体の内径変更の影響例)
重合体Aによる外径17mmの中空円筒状母材20の中空部の径を3、5、8mmと変化させ、それぞれに重合体Aに対して4重量%の重合体Bを添加し、内壁部の重合体Bの濃度が15重量%に達するまで220℃で所定の時間拡散させた時の母材の屈折率分布形状をそれぞれ図17、18、19に、またそれぞれの母材から得られた外径350μmのファイバーの屈折率分布形状を図20、21、22に示した。その結果、α値が1.6〜2.6、コア径比が0.4〜0.7まで変化させることができた。中空部の径が2mm以下(外径に対して12%以下)であると、収縮に伴うボイド発生を阻止できなくなり、また10mm以上(外径に対して60%以上)であると、線引時に中空部が十分に融着しなくなり、また、ファイバーの真円度が落ち、伝送損失特性等が悪くなる。
例5(遠心力を変化させる実施例)
重合体Aにパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)、重合体BにCTFEオリゴマーを用いた場合で、遠心力によって重合体Bが回転半径方向に移動する速さvは
v=dr/dt=M(1−Vρ)rω2/Na・f
M:重合体Bの分子量(1000)
r:円筒状母材の中空部内径の1/2(cm)
ω:角速度(sec-1
V:重合体Bの偏比容(=1/比重=1/2.2cm3/g)
ρ:重合体Aの比重(=2.03g/cm3
Na:アボガドロ数
f:重合体Bの摩擦係数(Pa・sec・cm)
で表される。重合体Aによる外径28mm、内径8mmの円筒状母材の中空部に重合体Aに対して4重量%の重合体Bを注入し、220℃、2000rpm(9Gの遠心力)で10時間拡散させ、中空内壁部の重合体B濃度が15重量%になった時の母材の屈折率分布形状を図23に示す。一方、拡散開始5時間後に回転数を2000rpmから10000rpm(25Gの遠心力)に変え、拡散途中の重合体Bのうち、特に外周側に位置する物に対して、積極的に遠心力を作用させた、その結果、外周側に位置した重合体Bの拡散がより活性化され、10時間後の母材の屈折率分布形状は図24に示すようにコア径を1.9倍に広くすることができた。
例6(重合体Bの順次添加の影響例)
重合体Aによる外径17mm、内径4mmの円筒状母材の中空部に重合体Aに対して4重量%の重合体Bを添加し、内壁部の重合体Bの濃度が13.5重量%に達するまで220℃で5時間拡散させた時の母材の屈折率分布形状を図25に示した。また同じ寸法の円筒状母材中空部に重合体Aに対して3重量パーセントの重合体Bを添加し、220℃で4時間拡散させた後、重合体Aと重合体Bを85:15でブレンドした重合体Cを8重量パーセント中空部に追加し、1時間拡散させた結果、α値の大きな分布形状が得られた(図26)。

Claims (6)

  1. 実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である少なくとも1種の物質(b)とを用い、該含フッ素重合体(a)と物質(b)から選ばれた相対的に低屈折率材料からなる円筒状成形体を型としてその内面に該含フッ素重合体(a)と物質(b)との混合物から選ばれた相対的に高屈折率の拡散する層形成材料からなる少なくとも1つの層を回転成形により形成して、内外少なくとも2層構成を有する円筒状母材を製造し、得られた円筒状母材を繊維化し、屈折率分布型光ファイバーを製造するにあたり、回転成形中の拡散時間における50〜90%が経過した所で前記物質(b)を拡散させるために遠心力を1.5〜30倍に変化させることを特徴とする、屈折率分布型光ファイバーの製造方法。
  2. 前記遠心力が0.1〜300G(G:9.8m・kg・S -2 の範囲から選ばれる請求項1記載の製造方法。
  3. 前記繊維化の際に円筒状母材の中空部を減圧状態に保つ請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記隣接する層の一方に相対的に高濃度の物質(b)を含有させ、回転成形しながら相対的に高濃度の物質(b)を含有する層から他方の層へ物質(b)を熱拡散させる請求項1、2または3記載の製造方法。
  5. 前記円筒状母材の円筒外径に対する円筒内径の比が10〜70%である請求項1、2、3または4記載の製造方法。
  6. 前記円筒状母材の外径が10〜100mmである請求項1、2、3、4または5記載の製造方法。
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