JPH1039156A - インナーコアとアウターコアを有する光ファイバー - Google Patents

インナーコアとアウターコアを有する光ファイバー

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JPH1039156A
JPH1039156A JP8190643A JP19064396A JPH1039156A JP H1039156 A JPH1039156 A JP H1039156A JP 8190643 A JP8190643 A JP 8190643A JP 19064396 A JP19064396 A JP 19064396A JP H1039156 A JPH1039156 A JP H1039156A
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JP
Japan
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core
optical fiber
inner core
outer core
clad
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JP8190643A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Koike
康博 小池
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Original Assignee
Individual
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のマルチモード・ステップインデック
ス型の光ファイバーと同様な製造の容易性や接続などに
ついての取扱いの容易性を持ち、しかも従来のマルチモ
ード・ステップインデックス型に比べ大幅に広い伝送帯
域を可能とする光ファイバーの提供。また、耐屈曲性、
耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備える光ファイバ
ーの提供。 【解決手段】 コアとクラッドからなる光ファイバー
について、そのコア1を、クラッドCに内接するアウタ
ーコア2と、このアウターコア内に設けられインナーコ
ア3、4とで形成するようにしている。また、アウター
コア、インナーコアおよびクラッドから選ばれる少なく
とも1つの材料として非結晶性の含フッ素重合体を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信用の光ファイ
バーに関し、特にマルチモード形の光ファイバーにおけ
る伝搬情報量の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】通信に用いられる光ファイバーには、モ
ードに関してシングルモード型とマルチモード型があ
り、また屈折率分布の形態に関してステップインデック
ス型とグラディエントインデックス型があるなど種々の
タイプがあり、その各々に特徴がある。中でもマルチモ
ード・ステップインデックス型は、例えば数百μm〜1
mm程度のコア径とすることが可能で、光源や受光器と
の接続やファイバ−ファイバ間の接続などにおける取扱
いが容易であり、また同じく大きなコア径が可能なグラ
ディエントインデックス型に比べ低コストであることな
どから、比較的短距離の通信機器内でのデータ伝送手段
として多用されている。
【0003】しかしマルチモード・ステップインデック
ス型の光ファイバーには、伝搬する光線のモードによる
伝搬速度が異なる効果、いわゆるモード分散が大きく、
これによって入射光パルスの時間幅が伝搬距離の増大に
応じて広がり、パルス形状が崩れ易いという現象があ
る。このためマルチモード・ステップインデックス型の
光ファイバーは、シングルモード・ステップインデック
ス型やグラディエントインデックス型に比べ、同じ伝送
距離における伝送帯域が数百分の1程度と狭く、単位時
間に伝送可能な情報量が格段に少ない。もっともマルチ
モード・ステップインデックス型の光ファイバーでも、
コアとクラッドの屈折率差を小さくすることで伝送帯域
を広くさせることが可能である。しかしこのようにする
ことは、開口数が減少して伝送効率の悪化を招き、実用
的でない。
【0004】ただ伝送距離が短かければモード分散によ
る伝送帯域の低下は比較的小さいこと、またマルチモー
ド・ステップインデックス型が多用されている近距離通
信などの分野で今まで必要とされた伝送帯域があまり大
きくなかったなどの理由から、上記のようなモード分散
がそれほど問題にされていなかった。ところが最近にお
ける情報処理機器はその処理速度がますます高速化する
傾向にあり、これに伴って近距離通信でもより広い伝送
帯域が求められ、マルチモード・ステップインデックス
型における伝送帯域の限界が問題になって来ている。
【0005】ところでグラディエントインデックス型の
光ファイバーは、上記のようにマルチモード・ステップ
インデックス型の光ファイバーに比べ数百倍の伝送帯域
を持ち、しかも接続などの取扱いを容易とする大きなコ
ア径が可能である。したがってこのグラディエントイン
デックス型の光ファイバーを用いることで、上記のよう
な高速化に対応することができる。しかし、グラディエ
ントインデックス型は、例えば特開平4−97302号
公報や特公表平5−808488号公報などで知られる
ように、屈折率分布用の物質を拡散させることで放物線
分布の屈折率分布を与えて形成するなどのため、ステッ
プインデックス型に比べてその製造工程などが大幅に複
雑になり、コストアップを伴うという問題があること、
それにその可能な伝送帯域が現在の一般的な通信システ
ムにあっては過剰性能となることなどから、近距離通信
系にグラディエントインデックス型の光ファイバーを全
面的に用いることは必ずしも適切な対応とはならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような事情を背景
になされたのが本発明で、従来のマルチモード・ステッ
プインデックス型の光ファイバーと同様な製造の容易性
や接続などについての取扱いの容易性を持ち、しかも従
来のマルチモード・ステップインデックス型における伝
送帯域の限界を超えて、情報処理機器の高速化により求
められる伝送帯域を可能とする新たな光ファイバーの提
供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的のため
になされたものであり、コアとクラッドからなり、コア
はクラッドに内接させて設けられかつクラッドより大き
な屈折率を与えられたアウターコアと、このアウターコ
ア内に設けられ且つアウターコアとは異なる屈折率を与
えられたインナーコアとからなる光ファイバーであっ
て、アウターコア、インナーコアおよびクラッドから選
ばれる少なくとも1つが非結晶性の含フッ素重合体から
なることを特徴とするインナーコアとアウターコアを有
する光ファイバーである。
【0008】このようなコアがアウターコアとインナー
コアからなる多層コア構造の光ファイバーにおける多層
化のタイプには、アウターコアの断面形状を円形とする
と共に、これと同様の円形の断面形状を持つようにイン
ナーコアを形成し、このインナーコアをアウターコアに
対し、アウターコアの中心とインナーコアの中心を一致
させて同心的に設ける完全回転対称タイプつまり無限の
回転対称次数の回転対称性を持つタイプと、回転対称性
を適当に破るタイプつまり回転対称次数が有限である回
転対称性を持つタイプとが可能である。
【0009】完全回転対称タイプにあっては、インナー
コアの屈折率がアウターコアの屈折率より高い構成にお
いて、以下のようなメカニズムにより、光ファイバー端
面への入射条件の異なる光線について伝搬速度の均一化
を生じさせることができ、伝送帯域を広くすることがで
きる。
【0010】光ファイバーを伝搬する光線は、実質的に
全てスキューレイ、つまり光ファイバーの中心軸を含む
メリディオナル面から外れる光線であると見なせる。こ
のスキューレイには、完全対称タイプの多層コアにあっ
ては光ファイバーへの入射角度と入射位置とによって、
図8に示すように、屈折率の高いインナーコアに閉じ込
められてインナーコアのみを伝搬する光線Raと、イン
ナーコアの外側でアウターコアのみを伝搬する光線Rb
と、両コアに跨がって伝搬する光線Rcとがある。
【0011】このような形態の光ファイバーの開口数
は、コアの屈折率が最も高い部分、すなわちインナーコ
アとクラッドの屈折率によって決まるため、アウターコ
アの屈折率をインナーコアとクラッドとのほぼ中間の値
とすると、光線Raは同じ開口数のステップインデック
ス型ファイバのほぼ1/2の開口数を持つ導波路を伝わ
る光線となり、光線Raの成分のみによる伝送帯域は、
同じ開口数のステップインデックス型ファイバのほぼ2
倍である。またこのとき光線Rcの成分のみによる伝送
帯域も光線Raと同様に同じ開口数のステップインデッ
クス型ファイバのほぼ2倍である。
【0012】そして光線Raと光線Rcとについて見れ
ば、光線Rcは光線Raより平均光路長が長くなるが、
一方で、インナーコアの屈折率をアウターコアのそれよ
り大きくしてあるとすれば、光線Raは屈折率が大きく
て伝搬速度の遅い領域のみを伝搬し、光線Rcは屈折率
が小さくて伝搬速度の速い領域も伝搬する。すなわち光
線Raは、光路長が短いという伝搬速度を相対的に速め
る要素と、伝搬速度の遅い領域のみを伝搬するという伝
搬速度を相対的に遅くする要素を持ち、一方光線Rc
は。光路長が長いという伝搬速度を相対的に遅くする要
素と、伝搬速度の早い領域も伝搬するという伝搬速度を
相対的に速める要素を持つ。この結果、インナーコアの
径と屈折率を適当に調整することで光線Raと光線Rc
の平均伝搬速度を等しくすることができ、伝搬帯域は同
じ開口数のステップインデックス型ファイバより大きな
ものとなる。
【0013】このようにして完全回転対称タイプで得ら
れる伝送帯域の改善効果は、モデルにしたがって計算か
ら求めると、同一開口数の従来のステップインデックス
型の光ファイバーに比べ、例えばインナーコアを単層と
してコア全体を2層とする構造の場合であれば2倍弱程
度に伝送帯域を広げることであり、インナーコアを2層
としてコア全体を3層とする構造の場合であれば2倍強
程度に伝送帯域を広げることである。完全回転対称タイ
プにおける伝送帯域の改善レベルがこの程度にとどまる
のは、これを伝搬する光線に上記のような光線Ra、R
b、Rcの3種類があることが影響していると同時に、
特に光線Rbがあることによる影響が大きい。すなわち
光線Rbについては、上記のような伝搬速度の均一化を
生じさせるメカニズムは余り効果的でなく、逆に屈折率
が小さい領域のみを伝搬することによる影響が大きくな
り過ぎるために、光線Rbと光線Rcにおける伝搬速度
の均一化を阻害する要素となる。ただ完全回転対称タイ
プは、対称性が高いので製造し易いという利点があり、
また接続に際してコアの向きを考慮する必要がないの
で、接続の作業性に優れるという利点もある。
【0014】次に、回転対称性を破るタイプにあって
は、以下のようなメカニズムにより、光ファイバー端面
への入射条件の異なる光線について伝搬速度の均一化を
生じさせることができ、伝送帯域を広くすることができ
る。これによる伝搬速度の均一化効果は、上記の完全回
転対称タイプにおけるそれよりも大きい。例えば、イン
ナーコアを1つとしてコア全体を2層とする構造の場合
であれば、従来の同一開口数のマルチモード・ステップ
インデックス型の光ファイバーに比べ2.5〜3倍強程
度に伝送帯域を広げることができ、インナーコアを2層
としてコア全体を3層構造とするかあるいは2つのイン
ナーコアを互いに離して設けて全体を海島構造とする場
合であれば5倍弱程度に伝送帯域を広げることができ
る。
【0015】回転対称性を破るタイプによると、上記の
光線Rbを実質的になくすことが可能で、このことによ
り完全回転対称タイプの場合よりも伝搬速度の均一化を
向上させることができる。また回転対称性を破るタイプ
では、例えば楕円形のような非円形の形状をインナーコ
アの断面形状として選択することで、上記の光線Raに
関して伝搬速度が特に遅い成分を効果的に除去すること
ができ、このことによっても伝搬速度の均一化を向上さ
せることができる。
【0016】さらに回転対称性を破るタイプでは、スキ
ューレイがそれぞれ屈折率の異なるアウターコアとイン
ナーコアを交互に通過しながらコア中を伝搬すると共
に、伝搬途中でアウターコアとクラッドとの界面やアウ
ターコアとインナーコアとの界面における入射・反射の
パターンを非周期的つまりランダム的に変化させる。こ
の結果、伝搬途中のスキューレイは、屈折率が異なる領
域の通過距離を1周期(1周期は、アウターコアとクラ
ッドとの界面でのある反射から次の反射までの周期)毎
にランダムに変化させることになり、したがって伝搬途
中でランダム的に速度変化を生じる。そしてこの伝搬途
中でのランダム的な速度変化による平均化作用により、
スキューレイの伝搬速度に効果的な均一化を生じさせる
ことができる。このメカニズムは、クラッドとアウター
コア、それにアウターコアとインナーコアの各界面への
スキューレイの入射角度をランダム的に変化させること
ができるような配置又は断面形状をインナーコア1与え
ることにより、さらに有効に機能させることができる。
このようにするときはまた、コア中に光線を閉じ込める
条件を厳しくし、伝搬速度の遅い光線をコア外に逃して
カットすることに働くことでも伝搬速度の均一化に寄与
する。
【0017】このような回転対称性を破るタイプには、
回転対称性の破り方について幾つかのタイプが可能であ
る。例えばインナーコアの断面形状を円形とし、このイ
ンナーコアをアウターコア内で、アウターコアの中心に
対しインナーコアの中心をシフトさせて非同心的に配置
するタイプがある。またインナーコアの断面形状を例え
ば楕円形のような非円形の形状あるいは凹凸のある形状
とし、このインナーコアをアウターコアに対し同心的
に、あるいは非同心的に配置するタイプがある。さらに
断面形状を円形又は非円形としたインナーコアを複数、
それぞれが重なることのないようにして離散的に設ける
タイプも可能である。ただインナーコアの断面形状を非
円形とする場合には、アウターコアとインナーコアの界
面に不連続な曲折部、つまり鋭角的な曲折部を含むと伝
送損失を増大させることになるので、インナーコアの外
面形状は滑らかな連続曲面のみからなるようにすること
が望ましい。
【0018】これらの各タイプについては、アウターコ
アとクラッドの界面での反射を伴うスキューレイの伝搬
路と重ならせるようにインナーコアを配置するのが特に
好ましい。すなわちこのようにすることで、実質的に全
てのスキューレイにインナーコアを通過させる状態が得
られ、上記したアウターコアのみを伝搬する光線Rbを
効果的に排除できるし、また実質的に全てのスキューレ
イについて伝搬途中で入射角度をランダム的に変化させ
ることができ、アウターコアとクラッドとの界面やアウ
ターコアとインナーコアとの界面におけるスキューレイ
の入射・反射パターンの非周期性をより高めることもで
き、伝搬速度の均一化をより向上させることができる。
【0019】本発明による多層コア構造の光ファイバー
は、以上のようにして広い伝送帯域を可能とするが、同
時に製造の容易性も持っている。すなわち本発明による
光ファイバーは、基本的には従来のステップインデック
ス型の光ファイバーで一般的に用いられているのと同様
の製造方法で製造することが可能であり、したがってコ
アが多層であるものの、コアの多層化程度を適当な範囲
とすることで、従来のステップインデックス形の光ファ
イバーにおけるのとそれほど変らない条件で製造するこ
とができる。
【0020】上記のようにして伝搬速度の均一化を可能
とする多層コア構造は、インナーコアを多層にしたり二
つ以上設け、その層数や個数を多くするほど均一化の程
度を上げることができる。ただインナーコアの層数や個
数を多くするとそれだけ製造の困難性が増す。したがっ
て求められる性能要求に応じてインナーコアの層数や個
数を選定することになるが、例えば一般的な近距離通信
で望まれる伝送帯域を可能とするには、2〜3(コア全
体で3〜4層)とするのが適当で、特にインナーコアの
層数や複数を2としてコア全体を3層構造とするのが実
用上で適している。
【0021】本発明の第1の実施形態による光ファイバ
ーは、図1に示すような断面形状を持つ。これから分か
るように、コア1は、円形にしてクラッドCに内接させ
たアウターコア2と、このアウターコア2の内部に設け
る楕円形の第1のインナーコア3、及びこの第1のイン
ナーコア3の内部に設ける楕円形の第2のインナーコア
4からなる3層構造である。両インナーコア3、4は、
何れもアウターコア2に対し同心的にし、且つ楕円の長
半径方向に関してアウターコア2の外集面と第1のイン
ナーコア3の外周面との間隔、及び第1のインナーコア
3の外周面と第2のインナーコア4の外周面との間隔を
製造上で支障のない範囲で十分に狭めて設けるようにす
る。このような形状と配置とすることにより、光ファイ
バー伝搬するスキューレイの伝搬路に対しこれを漏れな
くカバーするように第1及び第2の両インナーコアを重
ならせることができる。この実施形態の光ファイバー
は、回転対称性を破るタイプであるが、180°の回転
対称(回転対称次数が2)を残しており、また直交する
二つの鏡面について鏡面対称を持つ。このタイプは、温
度変化や吸湿による膨張、収縮量が材料によって異なる
ことに起因するファイバの反りやねじれなどの変形の危
険性を小さくできるという利点があり、また比較的製造
し易いという利点もある。
【0022】本発明の第2の実施形態による光ファイバ
ーは、図2に示すように、そのコア11が、円形のアウ
ターコア12と楕円形のインナーコア13からなる2層
構造である。インナーコア13は、アウターコア12に
対し第1の実施形態における第1のインナーコア3と同
様にして設けるようにする。したがってこの実施形態で
も、第1の実施形態と同様に、スキューレイの伝搬路に
対しインナーコアを重ならせることができ、また180
°の回転対称と直交する二つの鏡面についての鏡面対称
を持っている。
【0023】本発明の第3の実施形態による光ファイバ
ーは、図3に示すように、そのコア21が、円形のアウ
ターコア22と、このアウターコア22の内部に設ける
円形の第1のインナーコア23、及びこの第1のインナ
ーコア23の内部に設ける同じく円形の第2のインナー
コア24からなる3層構造である。両インナーコア2
3、24は、何れもアウターコア22に対し非同心的
に、且つ各々についても非同心的に設ける。また両イン
ナーコア23、24は、上記各実施形態と同様に、これ
らをスキューレイの伝搬路に対し重ならせることができ
るように、両インナーコア23、24それぞれの外周面
とアウターコア22の外周面との間隔を製造上で支障の
ない範囲で十分に狭めて設けるようにする。この実施形
態ではさらに回転対称性が破れ、一つの鏡面による鏡面
対称性のみを残す。
【0024】本発明の第4の実施形態による光ファイバ
ーは、図4に示すように、そのコア31が、円形のアウ
ターコア32と円形のインナーコア33からなる2層構
造である。インナーコア33は、アウターコア32に対
し第3の実施形態における第1のインナーコア23と同
様にして設けるようにする。この実施形態における対称
性は第3の実施形態とおなじである。
【0025】本発明の第5の実施形態による光ファイバ
ーは、図5に示すように、何れも楕円形の断面形状に形
成した第1のインナーコア41と第2のインナーコア4
2を互いに重ならないように分離させて離散状とし且つ
対称配置にして円形のアウターコア43に設けた3層構
造のコア44を持つ。この場合にも上記各実施形態と同
様に、スキューレイの伝搬路に対し両インナーコア4
1、42を重ならせることができるように、両インナー
コア41、42それぞれの外周面とアウターコア43の
外周面との間隔を製造上で支障のない範囲で十分に狭め
て設けるようにする。この実施形態は、両インナーコア
41、42が屈折率の異なる材料からなるため、一つの
鏡面による鏡面対称性を持つ。
【0026】本発明の第6の実施形態による光ファイバ
ーは、完全な回転対称性を持つタイプで、図6に示すよ
うに、そのコア51が、円形のアウターコア52と、こ
のアウターコア52の内部に設ける円形の第1のインナ
ーコア53、及びこの第1のインナーコア53の内部に
設ける同じく円形の第2のインナーコア54からなる3
層構造であり、両インナーコア53、54は、何れもア
ウターコア52に対し同心的に設けるようにする。
【0027】本発明の第7の実施形態による光ファイバ
ーは、同じく完全な回転対称性を持つタイプで、図7に
示すように、そのコア61が、円形のアウターコア62
と円形のインナーコア63からなる2層構造であり、イ
ンナーコア63をアウターコア62に対し同心的に設け
るようにする。
【0028】以上の各実施形態におけるアウターコアと
インナーコアのサイズやそれぞれの屈折率についての一
数値例と、この数値条件における伝送帯域改善効果を表
1に示す。表1におけるn1は最内の層である第2のイ
ンナーコア又はインナーコアの屈折率、n2は内から2
番目の層である第1のインナーコアの屈折率、n3はア
ウターコアの屈折率、ncはクラッドの屈折率、Rはア
ウターコアの半径。R1xは第1のインナーコアの短半
径、R1yは第1のインナーコアの長半径、R2xは第2の
インナーコアの短半径、R2yは第2のインナーコアの長
半径、dx1はアウターコアの中心に対する第1のイン
ナーコアの中心の偏心距離、そしてdx2はアウターコ
アの中心に対する第2のインナーコアの中心の偏心距離
であり、半径と偏心距離の単位はmmである。またBW
は伝送帯域改善効果であり、同一開口数の従来のステッ
プインデックス型の光ファイバーとの比較をモデルにし
たがった計算から求めて示してある。
【0029】
【表1】
【0030】ここで以上の各実施形態では、全て内側か
ら外側に向けて屈折率を小さくする順方向分布としてい
るが、完全な回転対称性を破るタイプについては、例え
ば内側から外側に向けて屈折率を高くする分布や、その
他の分布とすることも可能である。このようなものはし
ばしば順方向分布タイプより高い伝送帯域改善効果を示
すが、形態によっては若干伝送損失が大きくなることが
ある。
【0031】また以上の各実施形態にあっては、インナ
ーコアの断面形状を円又は楕円としているが、この他に
例えば滑らかな連続曲面による凹凸を有する形状をイン
ナーコアの断面形状として与えることも可能である。
【0032】上述のアウターコア、インナーコアおよび
クラッドから選ばれる少なくとも1つの材料として非結
晶性の含フッ素重合体を用いる。クラッドの材料はコア
の材料よりも屈折率が少なくとも0.001小さい材料
を用いる。アウターコアの材料とインナーコアの材料
は、両者の屈折率の差が少なくとも0.001である材
料を用いる。通常は、アウターコアの材料はインナーコ
アの材料よりも屈折率が少なくとも0.001小さい材
料を用いる。
【0033】クラッドとコアが非結晶性の含フッ素重合
体からなる場合、上記屈折率の差は屈折率の異なる含フ
ッ素重合体を選択することにより得られる。塩素原子ま
たは重水素原子を有する含フッ素重合体は、これらの原
子を有しない含フッ素重合体に比べ屈折率が高くなる。
したがって、このような塩素原子または重水素原子を有
する含フッ素重合体をコアの材料として使用できる。ま
た、インナーコアを石英とし、アウターコアおよびクラ
ッドを非結晶性の含フッ素重合体とすることができる。
【0034】含フッ素重合体として、従来よりテトラフ
ルオロエチレン樹脂、パーフルオロ(エチレン−プロピ
レン)樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ビニリデン
フルオライド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン
樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂などが広く知ら
れている。しかしながら、これらの含フッ素重合体は結
晶性を有するため、光の散乱が起こり、透明性が良好で
なく、光ファイバーの材料としては好ましくない。
【0035】これに対して、非結晶性の含フッ素重合体
は、結晶による光の散乱がないため、透明性に優れる。
本発明における含フッ素重合体としては、非結晶性の含
フッ素重合体であれば何ら限定されない。好ましくは主
鎖に環構造を有する含フッ素重合体である。より好まし
くは近赤外光で光吸収が起こるC−H結合(すなわち、
炭素−水素結合)を実質的に有しない含フッ素重合体で
ある。主鎖に環構造を有する重合体は、環構造を有する
重合単位を20モル%以上、好ましくは40モル%以上
含有するものが透明性、機械的特性などの面から好まし
い。
【0036】主鎖に環構造を有する含フッ素重合体とし
ては、含フッ素脂肪族環構造、含フッ素イミド環構造、
含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造
を有する含フッ素重合体が好ましい。含フッ素脂肪族環
構造を有する含フッ素重合体では含フッ素脂肪族エーテ
ル環構造を有するものがさらに好ましい。
【0037】含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重
合体は、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環
構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合
体に比べ、後述の熱延伸または溶融紡糸によるファイバ
ー化に際してもポリマー分子が配向しにくく、その結果
光の散乱を起こすこともないなどの理由から、より好ま
しい重合体である。
【0038】含フッ素重合体の溶融状態における粘度
は、溶融温度200℃〜300℃において103〜105
ポイズが好ましい。溶融粘度が高過ぎると溶融紡糸が困
難なであり好ましくない。また、溶融粘度が低過ぎると
実用上問題が生じる。すなわち、電子機器や自動車など
での光伝送体として用いられる場合に高温にさらされ軟
化し、光の伝送性能が低下する。
【0039】含フッ素重合体の数平均分子量は、10,
000〜5000,000が好ましく、より好ましくは
50,000〜1000,000である。分子量が小さ
過ぎると耐熱性を阻害することがあり、大き過ぎると溶
融紡糸できないなどの不都合が生じ好ましくない。
【0040】含フッ素脂肪族環構造を有する重合体とし
ては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得ら
れるものや、少なくとも2つの重合性二重結合を有する
含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ
素脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
【0041】含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを
重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する
重合体は、特公昭63−18964号公報などにより知
られている。即ち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)などの含フッ素脂肪族環構造を
有するモノマーを単独重合することにより、またこのモ
ノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロ
エチレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)な
どのラジカル重合性モノマーと共重合することにより主
鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0042】また、少なくとも2つの重合性二重結合を
有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−
238111号公報、特開昭63−238115号公
報、特開平7−316235号公報、USP5,35
0,821などにより知られている。即ち、パーフルオ
ロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニル
ビニルエーテル)等のモノマーを環化重合することによ
り、またはこのようなモノマーをテトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチ
ルビニールエーテル)などのラジカル重合性モノマーと
共重合することにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有
する重合体が得られる。
【0043】また、パーフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)などの含フッ素脂肪族環構造を
有するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテ
ル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの
少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノ
マーとを共重合することによっても主鎖に含フッ素脂肪
族環構造を有する重合体が得られる。
【0044】上記の含フッ素環構造を有するモノマーと
しては、以下の(1)〜(3)が例示される。
【0045】
【化1】
【0046】(ただし、式中のX1〜X5はF、Cl、D
(重水素)、CF3から選ばれ、R1〜R6はF、Cn
2n+1、Cn2n+1-pClpq、Cn2n+1-ppqから選
ばれ、nは1〜5、pは0〜5、qは0〜2であり、ま
た、R1とR2、R3とR4、R5とR6が連結して環を形成
しても良い。) (1)〜(3) の具体的な化合物としては、
【0047】
【化2】
【0048】
【化3】
【0049】
【化4】
【0050】
【化5】
【0051】などが挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0052】少なくとも2つの重合性二重結合を有する
含フッ素モノマーとしては、以下の(4)〜(7) が例
示される。
【0053】 CT12=CT3CT45CT67CT89CT10=CT1112(4) CY12=CY3OCY45CY67CY8=CY910 (5) CZ12=CZ3OCZ45CZ6=CZ78 (6) CW12=CW3OCW45OCW6=CW78 (7) (ただし、式中のT1〜T12、Y1〜Y10、Z1〜Z8およ
びW1〜W8は、F、Cl、CF3またはDである。) (4)〜(7)の具体的な化合物としては、 CF2=CFCH2CF2CF2CF=CF2 CF2=CFCCl2CF2CF2CF=CF2 CF2=CFCF2CF2CF2CF=CF2 CF2=CFOCF2CF2CF=CF2 CF2=CFOCH2CF2CF=CF2 CF2=CFOCD2CF2CF=CF2 CF2=CFOCCl2CF2CF=CF2 CF2=CFOCF2CF2CH=CF2 CF2=CFOCF2CF2CCl=CF2 CF2=CFOCF2CFHCF=CF2 CF2=CFOCF2CFClCF=CF2 CF2=CFOCF2CF2CF=CFCl CF2=CFOCF2CF(CF3)CF=CF2 CF2=CFOCF2CF(CF3)CH=CF2 CF2=CFOCF2CF(CF3)CCl=CF2 CF2=CFOCF2CF=CF2 CF2=CFOCF(CF3)CF=CF2 CF2=CFOCF2OCF=CF2 CF2=CHOCF2OCH=CF2 CF2=CClOCF2OCCl=CF2 CF2=CFOCH2OCF=CF2 CF2=CFOCCl2OCF=CF2 などが例示されるが、これらに限定されない。
【0054】主鎖に環構造を有する含フッ素重合体の他
の例には、含フッ素ポリエーテル、含フッ素芳香族ポリ
エステル、含フッ素芳香族ポリカーボネートおよび含フ
ッ素ポリイミドなどがある。
【0055】含フッ素ポリエーテルとしては、C−H結
合を有しない非結晶性の含フッ素ポリエーテルが好まし
く、機械的強度および耐熱性の点から数平均分子量が1
0万以上の高分子量の含フッ素脂肪族ポリエーテルある
いはφf−O−の構造単位(φf:芳香環の水素原子が
すべてフッ素原子により置換されたもの)を有する含フ
ッ素芳香族ポリエーテルが好ましい。特に下記(8)お
よび/または(9)の構造単位を有し、トリアジン環構
造により鎖延長されたパーフルオロポリエーテルが好ま
しい。
【0056】 −CF2CF(CF3)O− (8) −(CF2mO−(ただし、m=1〜3) (9) 通常、パーフルオロポリエーテルは高分子量化が困難な
ため、数平均分子量が数千程度で多くは液状ないしはグ
リス状であるが、末端の官能基を利用することにより鎖
延長して数万から数十万の数平均分子量に増大させるこ
とが可能で、鎖延長部位を適宜選択することにより樹脂
状の重合体とすることが可能である。特に、特開平4−
85328号公報により公知のトリアジン環を鎖延長部
位とするパーフルオロポリエーテルは主鎖のみならず鎖
延長部位にもC−H結合を有しないため本発明における
含フッ素ポリエーテルとして好ましい。
【0057】含フッ素ポリエーテルの数平均分子量は、
10,000〜5000,000が好ましく、より好ま
しくは50,000〜1000,000である。分子量
が小さ過ぎると機械的耐熱性を阻害することがあり、大
き過ぎると光ファイバーの形成が困難になるため好まし
くない。
【0058】含フッ素芳香族ポリエステルとしては実質
的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素芳香族ポ
リエステルが好ましく、下記の(10)または(11)
で表される構造単位を有するものが好ましい。また、含
フッ素芳香族ポリカーボネートとしては実質的にC−H
結合を有しない非結晶性の含フッ素芳香族ポリカーボネ
ートが好ましく、下記の(12)で表される構造単位を
有するものが好ましい。
【0059】
【化6】
【0060】上記式において、R7〜R10
【0061】
【化7】
【0062】から選ばれ、R7〜R10は各々同一であっ
ても異なっていても良い。ここで、Rfはフッ素原子、
パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、パ
ーフルオロアルコキシシリル基、パーフルオロフェノキ
シ基から選ばれ、これらは各々同一であっても異なって
いてもよい。
【0063】Y1は、
【0064】
【化8】
【0065】から選ばれる。ここで、R'fはパーフル
オロアルキレン基、パーフルオロアリーレン基から選ば
れ、これらは各々同一であっても異なっていても良い。
rは1〜10の整数である。また、Y1と2つのRfが
炭素をはさんで環を形成してもよく、その場合、環は飽
和環でも不飽和環でもよい。
【0066】含フッ素ポリイミドとしては具体的には下
記の(13)式から選ばれた繰り返し単位を有すること
を特徴とするものが例示される。
【0067】
【化9】
【0068】上記(13)式において、R11
【0069】
【化10】
【0070】から選ばれ、R12
【0071】
【化11】
【0072】から選ばれる。ここで、Rfはフッ素原
子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール
基、パーフルオロアルコキシシリル基、パーフルオロフ
ェノキシ基から選ばれ、これらは各々同一であっても異
なっていてもよい。
【0073】Y2〜Y3は、
【0074】
【化12】
【0075】から選ばれる。ここで、R'fはパーフル
オロアルキレン基、パーフルオロアリーレン基から選ば
れ、これらは各々同一であっても異なっていてもよい。
rは1〜10の整数である。また、Y2と2つのRf、
3と2つのRfが炭素をはさんで環を形成してもよ
く、その場合、環は飽和環でも不飽和環でもよい。]含
フッ素ポリイミドの製造方法は特に限定されないが、例
えばパーフルオロピロメリット酸無水物などの全ての水
素原子がフッ素原子で置換された芳香族テトラカルボン
酸とパーフルオロp,p’−ジアミノジフェニルエーテ
ルなどの全ての水素原子がフッ素原子で置換された芳香
族ジアミンの反応でポリアミド酸を生成し、これを更に
加熱して含フッ素ポリイミドとする方法などによって製
造される。
【0076】本発明の光ファイバーの製造方法として
は、以下の(1)、(2)の方法が好ましい。
【0077】(1)溶融押出機を用いて、ノズル中心部
へコアを形成する重合体の溶融物を、ノズル外周部にク
ラッドを形成する重合体の溶融物を供給してコア/クラ
ッドを一体化する方法。
【0078】(2)溶融押出機を用いて、コアを形成す
る重合体からなるコアファイバーを得た後、クラッドを
形成する重合体を含フッ素溶媒に溶解した溶液を前記コ
アファイバーに塗布し、溶媒を除去することによりコア
/クラッドを一体化する方法。
【0079】本発明の光ファイバーは、非結晶樹脂を使
用するため光の散乱がなくしかも紫外光から近赤外光ま
で広範囲の波長帯で透明性が非常に高いため、多種多様
な波長の光システムに有効利用が可能である。特に光通
信分野において幹線石英ファイバーに利用されている波
長である1300nm、1550nmで低損失である光
伝送体を与えるものである。
【0080】本発明の光ファイバーは、波長700〜
1,600nmで、100mの伝送損失が100db以
下とすることができる。特に主鎖に脂肪族環構造を有す
る含フッ素重合体では同様な波長で、100mの伝送損
失が50db以下とすることができる。波長700〜
1,600nmという比較的長波長において、このよう
な低レベルの伝送損失であることは極めて有利である。
すなわち、石英光ファイバーと同じ波長を使えることに
より、石英光ファイバーとの接続が容易であり、また波
長700〜1,600nmよりも短波長を使わざるをえ
ない従来のプラスチック光ファイバーに比べ、安価な光
源で済むという利点がある。
【0081】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例等について
更に具体的に説明するが、この説明が本発明を限定する
ものでないことは勿論である。
【0082】「合成例1」パーフルオロ(ブテニルビニ
ルエーテル)[PBVE]の35g、1,1,2−トリ
クロロトリフルオロエタン(R113)の5g、イオン
交換水の150g、及び重合開始剤として((CH32
CHOCOO)2の90mgを、内容積200mlの耐
圧ガラス製オートクレーブに入れた。系内を3回窒素で
置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行った。その
結果、数平均分子量約1.5×105の重合体(以下、
重合体Aという)を28g得た。
【0083】重合体Aの固有粘度[η]は、パーフルオ
ロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)[PBTHF]中
30℃で0.50であった。重合体Aのガラス転移点は
108℃であり、室温ではタフで透明なガラス状の重合
体であった。また10%熱分解温度は465℃であり、
溶解性パラメーターは5.3cal/cm3であり、屈
折率は1.34であった。
【0084】「合成例2」パーフルオロ(2,2−ジメ
チル−1,3−ジオキソール)[PDD]とクロロトリ
フルオロエチレンを重量比75:25でラジカル重合
し、ガラス転移点150℃で数平均分子量約3×105
の重合体(以下、重合体Bという)を得た。重合体Bは
無色透明であり、屈折率は1.4で、光線透過率も高か
った。
【0085】「合成例3」PBVEの8g、PDDの2
g、PBTHFの10g、重合開始剤として((C
32CHOCOO)2の20mgを、内容積50ml
の耐圧ガラス製アンプルに入れた。系内を3回窒素で置
換した後、40℃で20時間重合を行った。その結果、
数平均分子量約2×105の透明な重合体(以下、重合
体Cという)6.7gを得た。
【0086】重合体Cのガラス転移点157℃、屈折率
は1.32、IRスペクトルの1930cm~1の吸収の
吸光度よりPDDの重合単位含量を求めたところ12重
量%であった。
【0087】また、PBVEの2g、PDDの8g、P
BTHFの10g、重合開始剤として((CH32CH
OCOO)2の20mgを、内容積50mlの耐圧ガラ
ス製アンプルに入れた。系内を3回凍結脱気した後、3
0℃で20時間重合を行った。その結果、数平均分子量
約3×105の透明な重合体(以下、重合体Dという)
を7g得た。
【0088】重合体Dのガラス転移点210℃、屈折率
は1.29、IRスペクトルの1930cm~1の吸収の
吸光度よりPDDの重合単位含量を求めたところ82重
量%であった。
【0089】「実施例1」上記合成例で得られた重合体
A、C、Dを用いて、図2の構成のごとく重合体Aがイ
ンナーコア、重合体Cがアウターコア、重合体Dがクラ
ッドとして構成されるように重合体Dを加熱溶融して、
その内側に溶融した重合体Cをさらにその中心に重合体
Aを注入しながら溶融紡糸することによりインナーコア
とアウターコアを有する光ファイバーを得た。
【0090】得られた光ファイバーの光伝送特性は、6
50nmで600dB/km、1300nmで200d
B/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に
伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0091】「実施例2」予めプリフォームを熱延伸し
て得られた単一屈折率の石英ファイバーに、上記合成例
で得られた重合体A、Bを用いて、図4の構成のごとく
石英ファイバーがインナーコア、重合体Bがアウターコ
ア、重合体Aがクラッドとして構成されるように、石英
ファイバーをダイスに通しながら溶融した重合体Bをそ
の外側に、さらに外側に溶融した重合体Aを溶融被覆さ
せてインナーコアとアウターコアを有する光ファイバー
を得た。
【0092】得られた光ファイバーの光伝送特性は65
0nmで500dB/km、1300nmで150dB
/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝
達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0093】
【発明の効果】本発明によると、従来のステップインデ
ックス型光ファイバーとほぼ同様な条件で製造すること
が可能で、しかも従来のステップインデックス型光ファ
イバーに比べ大幅に伝送帯域を広くすることができる光
ファイバーを提供することができ、光ファイバーを用い
る通信システムの機能向上に大きく寄与できる。
【0094】また、本発明の光ファイバーは、屋内配
線、屋外配線、自動車、オフィスオートメーション(O
A)機器、家電機器、インターコネクション、インナー
コネクションなどで要求される、耐屈曲性、耐熱性、耐
薬品性、耐湿性、不燃性を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による光ファイバーの
断面図。
【図2】本発明の第2の実施形態による光ファイバーの
断面図。
【図3】本発明の第3の実施形態による光ファイバーの
断面図。
【図4】本発明の第4の実施形態による光ファイバーの
断面図。
【図5】本発明の第5の実施形態による光ファイバーの
断面図。
【図6】本発明の第6の実施形態による光ファイバーの
断面図。
【図7】本発明の第7の実施形態による光ファイバーの
断面図。
【図8】多層コア構造の光ファイバー中を伝搬するスキ
ューレイについての説明図。
【符号の説明】
1,11,21,31,44,51,61:コア 2,12,22,32,43,52,62:アウターコ
ア 3,4,13,23,24,33,41,42,53,
54,63:インナーコア C:クラッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアとクラッドからなり、コアはクラッ
    ドに内接させて設けられかつクラッドより大きな屈折率
    を与えられたアウターコアと、このアウターコア内に設
    けられ且つアウターコアとは異なる屈折率を与えられた
    インナーコアとからなる光ファイバーであって、アウタ
    ーコア、インナーコアおよびクラッドから選ばれる少な
    くとも1つが非結晶性の含フッ素重合体からなることを
    特徴とするインナーコアとアウターコアを有する光ファ
    イバー。
  2. 【請求項2】 含フッ素重合体が主鎖に環構造を有する
    含フッ素重合体である請求項1の光ファイバー。
  3. 【請求項3】 主鎖に環構造を有する含フッ素重合体が
    含フッ素脂肪族環構造、含フッ素イミド環構造、含フッ
    素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造を有す
    る含フッ素重合体である請求項1の光ファイバー。
  4. 【請求項4】 含フッ素重合体の溶融粘度が溶融温度2
    00〜300℃において103〜105ポイズである請求
    項1の光ファイバー。
  5. 【請求項5】 インナーコアが石英からなり、アウター
    コアおよびクラッドが非結晶性の含フッ素重合体からな
    る請求項1の光ファイバー。
  6. 【請求項6】 インナーコアが、アウターコアとクラッ
    ドとの界面での反射を伴うスキューレイの伝搬路に重な
    らせるように設けられた請求項1の光ファイバー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5940567A (en) * 1998-02-20 1999-08-17 Photon-X, Inc. Optical fibers having an inner core and an outer core

Cited By (1)

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