JP3679155B2 - 屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法 - Google Patents

屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、従来の光学樹脂では実現が困難であった、高い透明性と耐熱性を合わせ持った屈折率分布型光学樹脂材料(以下、光学樹脂材料と略すことがある)の製造法に関するものである。
【0002】
本発明の光学樹脂材料は、それ自身が光ファイバー等の光伝送体であってもよく、また光ファイバーのプリフォーム等の光伝送体の母材であってもよい。
【0003】
本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、非結晶樹脂であるため光の散乱がなくしかも紫外光から近赤外光まで広範囲の波長帯で透明性が非常に高いため、多種多様な波長の光システムに有効利用が可能である。特に光通信分野において幹線石英ファイバーに利用されている波長である1300nm、1550nmで低損失である光伝送体を与えるものである。
【0004】
また本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、自動車のエンジンルーム等での過酷な使用条件に耐える、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備えるものである。
【0005】
本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、屈折率分布型の光ファイバー、ロッドレンズ、光導波路、光分岐器、光合波器、光分波器、光減衰器、光スイッチ、光アイソレーター、光送信モジュール、光受信モジュール、カップラー、偏向子、光集積回路等の多岐にわたる屈折率分布型光伝送体として有用である。ここで、屈折率分布とは光伝送体の特定の方向に沿って屈折率が連続的に変化する領域を意味し、例えば屈折率分布型光ファイバーの屈折率分布は、ファイバーの中心から半径方向に向かって屈折率が放物線に近い曲線で低下している。
【0006】
本発明の光学樹脂材料が光伝送体の母材の場合は、これを熱延伸等で紡糸して、屈折率分布型光ファイバー等の光伝送体を製造できる。
【0007】
【従来の技術】
従来より知られている屈折率分布型プラスチック光伝送体用の樹脂としては、メチルメタクリレート系樹脂を代表とした光学樹脂や、WO94/04949に記載されたテトラフルオロエチレン樹脂やビニリデンフルオライド樹脂が提案されている。
【0008】
段階屈折型プラスチック光ファイバーとしてはコアをメチルメタクリレート樹脂、スチレン樹脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光学樹脂を使用し、クラッドを含フッ素ポリマーとする提案が多くなされている。また特開平2ー244007号公報にはコアとクラッドに含フッ素樹脂を用いた提案もされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、メチルメタクリレート樹脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光伝送体では達し得なかった、自動車、オフィスオートメーション(OA)機器、家電機器用途等で要求される耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を有する光学樹脂材料の製造方法を提供する。
【0010】
また本発明は、メタクリレート樹脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光伝送体では達し得なかった紫外光(波長200nmから400nm)と近赤外光(波長700nmから2500nm)を利用可能とし、さらに広範囲の伝送領域帯で低い光伝送損失をもつ光学樹脂材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点の認識に基づいて鋭意検討を重ねた結果、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を付与しかつ近赤外光で光吸収が起こるC−H結合(すなわち、炭素−水素結合)をなくすためにはC−H結合を実質的に含まない含フッ素重合体が最適であるとの知見を得た。この含フッ素重合体はC−H結合の代わりにC−F結合(すなわち、炭素−フッ素結合)を有する。
【0012】
すなわち、物質に光を照射すると、ある原子間の結合の伸縮振動や、変角振動と共鳴振動する波長の光が、優先的に吸収されることになる。これまでプラスチック光ファイバーに用いられた高分子物質は主にC−H結合を有する化合物であった。このC−H結合を基本とする高分子物質では、水素原子が軽量で振動しやすいために、基本吸収は、赤外域に短波長側(3400nm)に現れる。従って、光源の波長である近赤外〜赤外域(600〜1550nm)では、このC−H伸縮振動の比較的低倍音吸収がとびとびに現れ、これが吸収損失の大きな原因になっている。
【0013】
そこで水素原子をフッ素原子に置換すると、それらの倍音吸収ピークの波長は長波長側に移動し、近赤外域での吸収量が減少する。理論値から見れば、C−H結合を有するPMMA(ポリメチルメタアクリレート)の場合には波長650nmにおいてC−H結合の吸収損失は、105dB/kmと見積もられており、波長1300nmにおいては10000dB/km以上になる。
【0014】
一方、水素原子をフッ素原子に置き換えた物質では波長650nmでは実質的に吸収による損失はなく、波長1300nmにおいてもC−F結合の伸縮振動の6倍音と7倍音の間で、1dB/kmのオーダーであり吸収損失はないと考えてよい。そのために我々はC−F結合を有する化合物を用いることを提案する。
【0015】
また、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を阻害する要因となるカルボキシル基やカルボニル基等の官能基を除外することが望ましい。また、カルボキシル基があると近赤外光の光吸収があり、カルボニル基があると紫外光の光吸収があるため、これらの基を除外することが望ましい。さらに光の散乱による伝送損失を低減するためには非結晶性の重合体にすることが重要である。
【0016】
更に、段階屈折率型光ファイバーの場合、マルチモードの光はコアとクラッドの界面で反射されながら伝搬する。そのためモード分散が起こり伝送帯域が低下する。しかし屈折率分布型光ファイバーではモード分散が起こりにくく伝送帯域は増加する。
【0017】
そこで光学樹脂材料として実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体と、該重合体に比較して屈折率の異なる物質の濃度が特定の方向に勾配を有す光学樹脂材料の製造方法を新規に見いだし、下記本発明(1)〜(2)に至った。
【0018】
(1)主鎖に環構造を有し、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)を含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+80℃〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+200℃の温度範囲から選ばれる温度で溶融し、その溶融液の中心部に含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上であって前記温度範囲において含フッ素重合体(a)に対する拡散係数が10〜100μm 2 /秒である少なくとも1種類の物質(b)、またはその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を注入し、物質(b)を拡散させながら、または拡散させた後に成形することにより屈折率が連続的に変化する領域を形成することを特徴とする屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法。
【0019】
(2)主鎖に環構造を有し、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)からなる中空管の中心部に、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上であって含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+80℃〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+200℃の温度範囲から選ばれる温度において含フッ素重合体(a)に対する拡散係数が10〜100μm 2 /秒である少なくとも1種類の物質(b)を含む含フッ素重合体(a)からなるロッドを挿入し、前記温度範囲において物質(b)を拡散させながら、または成形した後に拡散させることにより屈折率が連続的に変化する領域を形成することを特徴とする屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法。
【0020】
含フッ素重合体として、従来よりテトラフルオロエチレン樹脂、パーフルオロ(エチレン−プロピレン)樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ビニリデンフルオライド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂等が広く知られている。しかしながら、これらの含フッ素樹脂は結晶性を有するため、光の散乱が起こり、透明性が良好でなく、プラスチック光伝送体の材料としては好ましくない。
【0021】
これに対して、非結晶性の含フッ素重合体は、結晶による光の散乱がないため、透明性に優れる。本発明における含フッ素重合体(a)としては、C−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体であれば何ら限定されないが、主鎖に環構造を有する含フッ素重合体が好ましい。主鎖に環構造を有する含フッ素重合体としては、含フッ素脂肪族環構造、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合体が好ましい。含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体では含フッ素脂肪族エーテル環構造を有するものがさらに好ましい。
【0022】
含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体は、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合体に比べ、後述の熱延伸または溶融紡糸によるファイバー化に際してもポリマー分子が配向しにくく、その結果光の散乱を起こすこともないなどの理由から、より好ましい重合体である。
【0023】
含フッ素重合体(a)の溶融状態における粘度は、溶融温度200℃〜300℃において1 3 〜1 5 ポイズが好ましい。溶融粘度が高過ぎると溶融紡糸が困難なばかりでなく、屈折率分布の形成に必要な、物質(b)の拡散が起こりにくくなり屈折率分布の形成が困難になる。また、溶融粘度が低過ぎると実用上問題が生じる。すなわち、電子機器や自動車等での光伝送体として用いられる場合に高温にさらされ軟化し、光の伝送性能が低下する。
【0024】
含フッ素重合体(a)の数平均分子量は、10,000〜5000,000が好ましく、より好ましくは50,000〜1000,000である。分子量が小さ過ぎると耐熱性を阻害することがあり、大き過ぎると屈折率分布を有する光伝送体の形成が困難になるため好ましくない。
【0025】
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得られるものや、少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
【0026】
含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特公昭63−18964号公報等により知られている。即ち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを単独重合することにより、またこのモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0027】
また、少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−238111号公報や特開昭63−238115号公報等により知られている。即ち、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等のモノマーを環化重合することにより、またはこのようなモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0028】
また、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーとを共重合することによっても主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0029】
上記の含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、具体的には以下の(I)〜(IV)式から選ばれる繰り返し単位を有するものが例示される。なお、これらの含フッ素脂肪族環構造を有する重合体中のフッ素原子は、屈折率を高めるために一部塩素原子で置換されていてもよい。
【0030】
【化1】
Figure 0003679155
【0031】
[上記(I)〜(IV)式において、lは0〜5、mは0〜4、nは0〜1、l+m+nは1〜6、o,p,qはそれぞれ0〜5、o+p+qは1〜6、RはFまたはCF3、R1はFまたはCF3、R2はFまたはCF3、X1はFまたはCl、X2はFまたはClである。]
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、主鎖に環構造を有する重合体が好適であるが、環構造を有する重合単位を20モル%以上、好ましくは40モル%以上含有するものが透明性、機械的特性等の面から好ましい。
【0032】
物質(b)は、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である少なくとも1種類の物質であり、含フッ素重合体(a)よりも高屈折率であっても低屈折率であってもよい。光ファイバー等においては通常は含フッ素重合体(a)よりも高屈折率の物質を用いる。
【0033】
この物質(b)としては、ベンゼン環等の芳香族環、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、エーテル結合等の結合基を含む、低分子化合物、オリゴマー、ポリマーが好ましい。又、物質(b)は、含フッ素重合体(a)と同様な理由から実質的にC−H結合を有しない物質であることが好ましい。含フッ素重合体(a)との屈折率の差は0.005以上であることが好ましい。
【0034】
オリゴマーやポリマーである物質(b)としては、前記したような含フッ素重合体(a)を形成するモノマーの重合体からなり、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上であるオリゴマーやポリマーであってもよい。モノマーとしては、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である重合体を形成するものから選ばれる。たとえば、屈折率の異なる2種の含フッ素重合体(a)を用い、一方の重合体(a)を物質(b)として他の重合体(a)中に分布させることができる。
【0035】
これらの物質(b)は、上記マトリックスとの比較において、溶解性パラメータの差が7(cal/cm31/2以内であることが好ましい。ここで溶解性パラメータとは物質間の混合性の尺度となる特性値であり、溶解性パラメータをδ、物質の分子凝集エネルギーをE、分子容をVとして、式δ=(E/V)1/2で表される。
【0036】
低分子化合物としては、例えば炭素原子に結合した水素原子を含まないハロゲン化芳香族炭化水素がある。特に、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含むハロゲン化芳香族炭化水素やフッ素原子と他のハロゲン原子を含むハロゲン化芳香族炭化水素が、含フッ素重合体(a)との相溶性の面で好ましい。また、これらのハロゲン化芳香族炭化水素は、カルボニル基、シアノ基などの官能基を有していないことがより好ましい。
【0037】
このようなハロゲン化芳香族炭化水素としては、例えば式Φr−Zb[Φrは水素原子のすべてがフッ素原子に置換されたb価のフッ素化芳香環残基、Zはフッ素以外のハロゲン原子、−Rf、−CO−Rf、−O−Rf、あるいは−CN。ただし、Rfはパーフルオロアルキル基、ポリフルオロパーハロアルキル基、または1価のΦr。bは0または1以上の整数。]で表される化合物がある。芳香環としてはベンゼン環やナフタレン環がある。Rfであるパーフルオロアルキル基やポリフルオロパーハロアルキル基の炭素数は5以下が好ましい。フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素原子や臭素原子が好ましい。
【0038】
具体的な化合物としては例えば、1,3−ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモテトラフルオロベンゼン、2−ブロモテトラフルオロベンゾトリフルオライド、クロロペンタフルオロベンゼン、ブロモペンタフルオロベンゼン、ヨードペンタフルオロベンゼン、デカフルオロベンゾフェノン、パーフルオロアセトフェノン、パーフルオロビフェニル、クロロヘプタフルオロナフタレン、ブロモヘプタフルオロナフタレンなどがある。
【0039】
ポリマーやオリゴマーである物質(b)としては、前記(I)〜(IV)の繰り返し単位を有するものの内、組み合される含フッ素重合体(a)とは異なる屈折率を有する含フッ素重合体(例えば、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含む含フッ素重合体とフッ素原子と塩素原子を含む含フッ素重合体との組み合せ、異なる種類や異なる割合の2以上のモノマーを重合して得られた2種の含フッ素重合体の組み合せなど)が好ましい。
【0040】
また、上記のごとき主鎖に環構造を有する含フッ素重合体以外に、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどの水素原子を含まないモノマーからなるオリゴマー、それらモノマー2種以上の共重合オリゴマーなども物質(b)として使用できる。また、−CF2CF(CF3)O−や−(CF2nO−(nは1〜3の整数)の構造単位を有するパーフルオロポリエーテルなども使用できる。これらオリゴマーの分子量は、非結晶性となる分子量範囲から選ばれ、数平均分子量300〜10,000が好ましい。拡散のしやすさを考慮すると、数平均分子量300〜5000がさらに好ましい。
【0041】
特に好ましい物質(b)は、含フッ素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体との相溶性が良好であること等から、クロロトリフルオロエチレンオリゴマーである。相溶性が良好であることにより、含フッ素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体、とクロロトリフルオロエチレンオリゴマーとを200〜300℃で加熱溶融により容易に混合させることができる。又、含フッ素溶媒に溶解させて混合した後、溶媒を除去することにより両者を均一に混合させることができる。クロロトリフルオロエチレンオリゴマーの好ましい分子量は、数平均分子量500〜1500である。
【0042】
また、本発明において含フッ素重合体(a)の代わりとして、含フッ素重合体(a)に予め例えば含フッ素のオリゴマー等(以下、物質(c)という)を溶融混合したものを用いても構わない。この場合には、可塑化効果により成形体の中心部と外周部のガラス転移温度を均一にすることで、成形体の大きな散乱原因となりうる成形体冷却時の熱収縮差によるマイクロボイドの発生を低減化させることができる。
【0043】
また、物質(c)による可塑化効果により、一定温度における溶融粘度が含フッ素重合体(a)単独の場合よりも低下するため、低温、短時間で物質(b)の拡散が可能となり、従来と比較して生産性向上、あるいは成形に伴う素材の熱劣化の大幅な低減をもたらす等の効果がある。
【0044】
特に好ましい物質(c)としては、含フッ素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体との相溶性が良好であること等から、パーフルオロポリエーテルである。相溶性が良好であることにより、含フッ素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体、とパーフルオロポリエーテルとを200〜300℃で加熱溶融により容易に混合させることができる。又、含フッ素溶媒に溶解させて混合した後、溶媒を除去することにより両者を均一に混合させることもできる。パーフルオロポリエーテルの好ましい分子量は、数平均分子量500〜5000である。
【0045】
本発明の光学樹脂材料は屈折率分布型光ファイバーであることが最も好ましい。この光ファイバーにおいて、物質(b)は含フッ素重合体(a)中に中心から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布している。好ましくは、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも高屈折率の物質であり、この物質(b)が光ファイバーの中心から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している光ファイバーである。ある場合には物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも低屈折率の物質であり、この物質が光ファイバーの周辺から中心方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している光ファイバーも有用である。前者の光ファイバーなどの光伝送体は通常物質(b)を中心に配置し周辺方向に向かって拡散させることにより製造できる。後者の光ファイバーなどの光伝送体は物質(b)を周辺から中心方向に拡散させることによって製造できる。
【0046】
本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、波長700〜1,600nmで、100mの伝送損失が100d以下とすることができる。特に主鎖に脂肪族環構造を有する含フッ素重合体では同様な波長で、100mの伝送損失が50d以下とすることができる。波長700〜1,600nmという比較的長波長において、このような低レベルの伝送損失であることは極めて有利である。すなわち、石英光ファイバーと同じ波長を使えることにより、石英光ファイバーとの接続が容易であり、また波長700〜1,600nmよりも短波長を使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバーに比べ、安価な光源で済むという利点がある。
【0047】
本発明の光学樹脂材料製造において、樹脂の成形と屈折率分布の形成は同時であっても別々であってもよい。たとえば、紡糸や押し出し成形等により屈折率分布を形成すると同時に屈折率分布を形成して本発明光学樹脂材料を製造できる。また、紡糸や押し出し成形で樹脂の成形を行った後、屈折率分布を形成することができる。さらに、屈折率分布を有するプリフォーム(母材)を製造し、このプリフォームを成形(たとえば紡糸)して光ファイバー等の光学樹脂材料を製造できる。なお、前記のように本発明光学樹脂材料は、上記屈折率分布を有するプリフォームをも意味する。
【0048】
本発明の光学樹脂材料の製造方法を以下の(1)〜(2)により説明する。
【0049】
(1)含フッ素重合体(a)を溶融し、含フッ素重合体(a)の溶融液の中心部に物質(b)またはその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を注入し、物質(b)を拡散させながら、または拡散させた後に成形する方法。
【0050】
この場合、物質(b)を注入するには、中心部に1層のみ物質(b)を注入する場合のみならず、中心部に物質(b)を多層に注入してもよい。成形には光ファイバーのプリフォーム等のごときロッド状母材を成形するために適する押出溶融成形、光ファイバーを成形するために適する溶融紡糸成形等がある。
【0051】
このときの成形温度が重要であり、含フッ素重合体(a)と物質(b)の組み合わせによって、含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+50℃〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+300℃の温度範囲から選ばれる最適温度で成形することができる。好ましい温度範囲は、含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+80℃〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+200℃である。
【0052】
例えば、含フッ素重合体(a)が含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体の場合には、溶融押出成形で特に180℃〜300℃が好ましい。また、プリフォームの線引き温度は150℃〜300℃に最適温度が存在する。
【0053】
(2)回転ガラス管などを利用して中空状の含フッ素重合体(a)からなる管を形成し、この管の内部に物質(b)を均一に含む含フッ素重合体(a)のロッドを挿入した後、両者を熱融着させて一体化してプリフォームを製造する方法。この際、熱融着時に物質(b)の拡散を起こしてもよく、またその後の線引き工程時に拡散を起こさせてもよい。
【0054】
上記物質(b)の拡散温度は含フッ素重合体(a)のガラス転移温度〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+300℃の温度範囲から選ばれる。好ましくは、含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+20℃〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+200℃の温度範囲から選ばれる。中空管とロッドの熱融着温度は、含フッ素重合体(a)と物質(b)の組み合わせによるが、基本的に物質(b)の拡散温度と同様である。また、この熱融着と物質(b)の拡散を同時に行ってもよく、分けて行ってもよい。
【0055】
また、中空管の製造法としては上記の他、アルミ管を心棒としてその回りに含フッ素重合体(a)からなる管を形成し、後にそのアルミ管を酸で溶解除去する方法や、ガラス管を心棒として成形し、後にフッ化水素酸でガラス管を溶解除去する方法などがある。
【0056】
上記(1)〜(2)の方法において、含フッ素重合体(a)に対する物質 (b)の拡散係数は、含フッ素重合体(a)のガラス転移温度〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+300℃の温度範囲から選ばれる温度で、1〜500μm2/秒の値が好ましい。拡散係数は大きいほど拡散性がよく、低温、短時間で拡散ができるが、一方、大きすぎる場合には成形体の実際の使用温度でのブリードアウト性が問題となるため、成形温度で適度な拡散性を有し、かつ使用温度では拡散性の低くなる含フッ素重合体(a)と物質(b)の組み合わせが重要である。
【0057】
特に好ましくは、含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+20℃〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+200℃の温度範囲から選ばれる温度において、含フッ素重合体(a)に対する物質(b)の拡散係数が10〜100μm2/秒の値となる組み合わせである。
【0058】
例えば含フッ素重合体(a)が含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体で、物質(c)が平均分子量1000程度のCTFEオリゴマーの場合には、200℃〜220℃で10〜50μm2/秒程度の拡散係数の値が好ましい。
【0059】
【実施例】
「合成例1」
パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)[PBVE]の35g、イオン交換水の150g、及び重合開始剤として((CH32CHOCOO)2の90mgを、内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。系内を3回窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行った。その結果、数平均分子量約1.5×105の重合体(以下、重合体Aという)を28g得た。
【0060】
重合体Aの固有粘度[η]は、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)[PBTHF]中30℃で0.50であった。重合体Aのガラス転移温度は108℃であり、室温ではタフで透明なガラス状の重合体であった。また10%熱分解温度は465℃であり、溶解性パラメーターは5.3(cal/cm31/2であり、屈折率は1.34であった。
【0061】
「実施例1」
上記合成で得られた重合体Aをガラス管中に真空封管して、250℃で溶融させて脱泡したのち、冷却して重合体Aの直径1cm、長さ3cmのロッドを得た。一方、重合体Aとの溶解性パラメーターの差が1.4(cal/cm31/2である数平均分子量1000のCTFEオリゴマー(屈折率1.41)15重量%を重合体Aと共にガラス管中に真空封管して、250℃で溶融混合させて均一混合重合体(以下、重合体Bという)のロッド(直径1cm、長さ3cm)を得た。重合体Bのガラス転移温度は768℃であった。
【0062】
重合体Aと重合体Bの断面を円柱方向に重ね合わせて両者を熱融着し、直径1cm、長さ6cmの1本のロッド(以下、ロッドCという)を得た。ロッドの形状を保持するために、ロッドCを内径1cmのガラス管に入れて、200℃のオーブン中でで60時間熱拡散を行わせた。冷却後、円柱軸方向に切断し、蛍光X線で界面と垂直方向にスキャンして、塩素濃度からCTFEオリゴマーの濃度分布を分析した。
【0063】
図1に界面からの距離とオリゴマー濃度のグラフを示す。界面を中心として、きれいにFick型拡散が起こっていることが確認できた。これをFick拡散の理論式にフィッティングさせることにより200℃における拡散係数を、17.3μm2/秒と算出した。220℃でも同様の実験を行い、220℃の拡散係数を、33.8μm2/秒と算出した。この2点のアレニウスプロットから、任意の温度Tにおける拡散係数Dを[D=2.07×1 8 exp(−15.6/0.0821T)]と推算した。
【0064】
「実施例2」
上記合成で得られた重合体AをPBTHF溶媒中で溶解し、これに数平均分子量1000のCTFEオリゴマーを15重量%添加し混合溶液を得た。この溶液を脱溶媒し透明な均一混合重合体(以下、重合体Dという)を得た。この重合体Dのガラス転移温度は76℃であった。
【0065】
2色押出し機の一方から重合体Aを220℃で溶融押出しさせて、もう一方からは220℃で溶融させた重合体Dを中心に来るようにノズルに注入しながら両者を220℃で、接触時間が29秒となるように溶融紡糸することにより、屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する直径500μmの光ファイバーが得られた。
【0066】
得られた光ファイバーの光伝送特性は、780nmで100dB/km、1550nmで65dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0067】
「実施例3」
実験例1で得られた重合体AをPBTHF溶媒中で溶解し、これに屈折率1.52であり重合体Aとの溶解性パラメーターの差が3.2(cal/cm31/2である1,3−ジブロモテトラフルオロベンゼン(DBTFB)を12重量%量添加し混合溶液を得た。この溶液を脱溶媒し透明な混合重合体(以下、重合体Eという)を得た。この重合体Eのガラス転移温度は82℃であった。
【0068】
2色押出し機の一方から重合体Aを250℃で溶融押出しさせて、もう一方からは250℃で溶融させた重合体Eを中心に来るようにノズルに注入しながら両者を250℃で、接触時間が10秒となるように溶融紡糸することにより、屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する直径500μmの光ファイバーが得られた。
【0069】
得られた光ファイバーの光伝送特性は、780nmで200dB/km、1550nmで110dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0070】
「実施例4」
数平均分子量1000のCTFEオリゴマーを用いる代わりに、数平均分子量500のCTFEオリゴマーを15重量%用いる以外実施例2と同様な方法で光ファイバーを得た。成形温度は220℃、接触時間は18秒となるように調整した。得られた光ファイバーは屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下していた。
【0071】
この光ファイバーの光伝送特性は、780nmで180dB/km、1550nmで90dB/kmであり、可視光から近赤外までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0072】
「実施例5」
実験例1で得られた重合体Aと−CF2CF(CF3)O−、−(CF2)O−および−(CF22O−の構造単位を有するパーフルオロポリエーテル(屈折率1.29、数平均分子量1800、以下PFPEという)15重量%をガラス管中に真空封管して250℃で溶融混合し、均一な混合重合体(以下、重合体Fとする)を得た。
【0073】
この重合体Fのガラス転移温度は76℃であった。この重合体Fを同心円状に2重構造を持つガラス管の一層目と、2層目の隙間に250℃で溶融させて溶かし落とした。これを冷却後、回りのガラス管は割り、中心のガラス管は中空管の内壁を傷つけないために、50%のフッ化水素酸で溶解させて取り除いた。こうして外径17mm、内径9mmの重合体Fの中空管を得た。
【0074】
さらに、重合体Aと数平均分子量1000のCTFEオリゴマー15重量%をガラス管中に真空封管して、250℃で溶融混合し均一な混合重合体(以下、重合体Gとする)の直径8mmのロッドを得た。この重合体Gのガラス転移温度は76℃であった。
【0075】
こうして得られた重合体Fの中空管に、重合体Gのロッドを挿入し、中空管の外側に熱収縮チューブを装着した後、全体をガラス管中に真空封管して、200℃にて10時間重合体Fの中空管と重合体Gのロッドを熱融着させてプリフォーム(以下、プリフォームHという)を得た。このプリフォームHを炉温240℃において、2.4m/分の線引き速度で熱延伸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する直径600μmの光ファイバーが得られた。得られた光ファイバーの光伝送特性は、780nmで100dB/km、1550nmで70dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0076】
「実施例6」
PBVE90部とCTFE10部とを共重合することにより数平均分子量約2×105の重合体(以下、重合体Iという)を得た。重合体Iのガラス転移温度は100℃であった。重合体Iに数平均分子量1800のPFPEを溶融均一混合してそのPFPE含量が12重量%となるような混合重合体(以下、重合体Jという)を得た。重合体Jのガラス転移温度は75℃であった。
【0077】
この重合体Jをガラス管中に真空封管した後、水平にセットした中空電気炉に挿入して、両端にベアリングを、一端にモーターを取り付けた。2000rpmの回転数で水平に回転させながら、300℃で加熱することにより、ガラス管内壁に重合体Jが均一に積層された。これを回転させたまま徐々に冷却した後、外側のガラス管を取り除くことにより、重合体Jの中空管を得た。
【0078】
この重合体Jの中空管中に実施例5と同様にして作成した重合体Gを挿入して熱融着させてプリフォーム(以下、プリフォームKという)を得た。このプリフォームKを炉温210℃において、2.4m/分の線引き速度で熱延伸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する直径600μmの光ファイバーが得られた。
【0079】
得られた光ファイバーの光伝送特性は、780nmで150dB/km、1550nmで80dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0080】
「比較例1」
屈折率分布型プラスチック光ファイバーにおいて、PMMAの光伝送損失は波長650nmで約400dB/km、また波長780nm、1300nm、1550nmでは非常に伝送損失が大きく光伝送体としては実用性がないものであった。
【0081】
又、段階屈折率型プラスチック光ファイバーにおいて、コアとクラッドが含フッ素樹脂光ファイバーは可視光から近赤外光までの光を伝送可能だが、その光伝送損失は約300dB/kmと報告されている。
【0082】
これに比較して本発明による屈折率分布型透明フッ素樹脂光ファイバーは可視光から近赤外光までの光を極めて低損失に伝送することが可能である。
【0083】
「比較例2」
実施例2と同様にして、成形温度だけを400℃に変えて線引きしたところ、ファイバー全体にわたって多くの発泡が生じ、伝送損失が大きすぎて光パワーが測定検出限界以下であった。
【0084】
【発明の効果】
本発明では、屈折率分布型光ファイバー、屈折率分布型光導波路、屈折率分布型ロッドレンズ等の多岐にわたるプラスチック光伝送体において非結晶性のフッ素樹脂を利用することにより、紫外光から近赤外光までの光を極めて低損失に伝送することが可能になった。
【0085】
特に屈折率分布型光ファイバーはファイバー径が大きいにもかかわらずフレキシブルで分岐・接続が容易であるため短距離光通信用に最適であるが、これまで実用可能な低損失の光ファイバーは提案されなかった。本発明は短距離光通信用に実用可能な低損失の光ファイバーを提供するものである。
【0086】
又、本発明の光伝送体は、自動車のエンジンルーム、OA機器、プラント、家電等での過酷な使用条件に耐える、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備えるプラスチック光伝送体を提供するものである。更に、本発明の屈折率分布型光学樹脂材料は、光ファイバーのみならず平板型やロッド型のレンズとしても利用可能である。その場合、中心部から周辺部への屈折率変化を低くするか高くするかにより、凸レンズ及び凹レンズとして機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】重合体A中の、CTFEオリゴマーの拡散挙動を示す図。

Claims (6)

  1. 主鎖に環構造を有し、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)を含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+80℃〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+200℃の温度範囲から選ばれる温度で溶融し、その溶融液の中心部に含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上であって前記温度範囲において含フッ素重合体(a)に対する拡散係数が10〜100μm 2 /秒である少なくとも1種類の物質(b)、またはその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を注入し、物質(b)を拡散させながら、または拡散させた後に成形することにより屈折率が連続的に変化する領域を形成することを特徴とする屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法。
  2. 成形が2色以上の多色押出溶融成形である請求項1の製造方法。
  3. 主鎖に環構造を有し、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)からなる中空管の中心部に、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上であって含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+80℃〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+200℃の温度範囲から選ばれる温度において含フッ素重合体(a)に対する拡散係数が10〜100μm 2 /秒である少なくとも1種類の物質(b)を含む含フッ素重合体(a)からなるロッドを挿入し、前記温度範囲において物質(b)を拡散させながら、または成形した後に拡散させることにより屈折率が連続的に変化する領域を形成することを特徴とする屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法。
  4. 屈折率分布型光学樹脂材料が光ファイバー用のプリフォームまたはプリフォームを溶融紡糸して得られた光ファイバーである請求項1、2または3製造方法。
  5. 主鎖に環構造を有する含フッ素重合体が主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項の製造方法。
  6. 光ファイバーの光伝送特性が、780nmで200dB/km以下であり、1550nmで110dB/km以下であり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できることを特徴とする請求項4の製造方法。
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