JPH08336911A - 屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法 - Google Patents
屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法Info
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- JPH08336911A JPH08336911A JP7143714A JP14371495A JPH08336911A JP H08336911 A JPH08336911 A JP H08336911A JP 7143714 A JP7143714 A JP 7143714A JP 14371495 A JP14371495 A JP 14371495A JP H08336911 A JPH08336911 A JP H08336911A
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Abstract
温度で、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フ
ッ素重合体(a)を溶融し、その溶融液の中心部に
(a)との比較において屈折率の差が0.001以上で
ある少なくとも1種類の物質(b)、またはその(b)
を含む(a)を注入し、(b)を拡散させながら、また
は拡散させた後に成形することにより屈折率が連続的に
変化する領域を形成する屈折率分布型光学樹脂材料の製
造方法。 【効果】 屈折率分布型光ファイバー、屈折率分布型
光導波路、屈折率分布型ロッドレンズ等の多岐にわたる
プラスチック光伝送体において非結晶性のフッ素樹脂を
利用することにより、紫外光から近赤外光までの光を極
めて低損失に伝送することが可能になった。
Description
現が困難であった、高い透明性と耐熱性を合わせ持った
屈折率分布型光学樹脂材料(以下、光学樹脂材料と略す
ことがある)の製造法に関するものである。
ァイバー等の光伝送体であってもよく、また光ファイバ
ーのプリフォーム等の光伝送体の母材であってもよい。
非結晶樹脂であるため光の散乱がなくしかも紫外光から
近赤外光まで広範囲の波長帯で透明性が非常に高いた
め、多種多様な波長の光システムに有効利用が可能であ
る。特に光通信分野において幹線石英ファイバーに利用
されている波長である1300nm、1550nmで低
損失である光伝送体を与えるものである。
は、自動車のエンジンルーム等での過酷な使用条件に耐
える、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備えるもの
である。
屈折率分布型の光ファイバー、ロッドレンズ、光導波
路、光分岐器、光合波器、光分波器、光減衰器、光スイ
ッチ、光アイソレーター、光送信モジュール、光受信モ
ジュール、カップラー、偏向子、光集積回路等の多岐に
わたる屈折率分布型光伝送体として有用である。ここ
で、屈折率分布とは光伝送体の特定の方向に沿って屈折
率が連続的に変化する領域を意味し、例えば屈折率分布
型光ファイバーの屈折率分布は、ファイバーの中心から
半径方向に向かって屈折率が放物線に近い曲線で低下し
ている。
場合は、これを熱延伸等で紡糸して、屈折率分布型光フ
ァイバー等の光伝送体を製造できる。
スチック光伝送体用の樹脂としては、メチルメタクリレ
ート系樹脂を代表とした光学樹脂や、WO94/049
49に記載されたテトラフルオロエチレン樹脂やビニリ
デンフルオライド樹脂が提案されている。
てはコアをメチルメタクリレート樹脂、スチレン樹脂、
カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光学樹脂を使
用し、クラッドを含フッ素ポリマーとする提案が多くな
されている。また特開平2ー244007号公報にはコ
アとクラッドに含フッ素樹脂を用いた提案もされてい
る。
クリレート樹脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂
等の光伝送体では達し得なかった、自動車、オフィスオ
ートメーション(OA)機器、家電機器用途等で要求さ
れる耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を有する光学樹
脂材料の製造方法を提供する。
ボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光伝送体では達し
得なかった紫外光(波長200nmから400nm)と
近赤外光(波長700nmから2500nm)を利用可
能とし、さらに広範囲の伝送領域帯で低い光伝送損失を
もつ光学樹脂材料の製造方法を提供することを目的とす
る。
の認識に基づいて鋭意検討を重ねた結果、耐熱性、耐湿
性、耐薬品性、不燃性を付与しかつ近赤外光で光吸収が
起こるC−H結合(すなわち、炭素−水素結合)をなく
すためにはC−H結合を実質的に含まない含フッ素重合
体が最適であるとの知見を得た。この含フッ素重合体は
C−H結合の代わりにC−F結合(すなわち、炭素−フ
ッ素結合)を有する。
子間の結合の伸縮振動や、変角振動と共鳴振動する波長
の光が、優先的に吸収されることになる。これまでプラ
スチック光ファイバーに用いられた高分子物質は主にC
−H結合を有する化合物であった。このC−H結合を基
本とする高分子物質では、水素原子が軽量で振動しやす
いために、基本吸収は、赤外域に短波長側(3400n
m)に現れる。従って、光源の波長である近赤外〜赤外
域(600〜1550nm)では、このC−H伸縮振動
の比較的低倍音吸収がとびとびに現れ、これが吸収損失
の大きな原因になっている。
と、それらの倍音吸収ピークの波長は長波長側に移動
し、近赤外域での吸収量が減少する。理論値から見れ
ば、C−H結合を有するPMMA(ポリメチルメタアク
リレート)の場合には波長650nmにおいてC−H結
合の吸収損失は、105dB/kmと見積もられてお
り、波長1300nmにおいては10000dB/km
以上になる。
物質では波長650nmでは実質的に吸収による損失は
なく、波長1300nmにおいてもC−F結合の伸縮振
動の6倍音と7倍音の間で、1dB/kmのオーダーで
あり吸収損失はないと考えてよい。そのために我々はC
−F結合を有する化合物を用いることを提案する。
を阻害する要因となるカルボキシル基やカルボニル基等
の官能基を除外することが望ましい。また、カルボキシ
ル基があると近赤外光の光吸収があり、カルボニル基が
あると紫外光の光吸収があるため、これらの基を除外す
ることが望ましい。さらに光の散乱による伝送損失を低
減するためには非結晶性の重合体にすることが重要であ
る。
マルチモードの光はコアとクラッドの界面で反射されな
がら伝搬する。そのためモード分散が起こり伝送帯域が
低下する。しかし屈折率分布型光ファイバーではモード
分散が起こりにくく伝送帯域は増加する。
結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体、特に主鎖に
環構造を有する含フッ素重合体と、該重合体に比較して
屈折率の異なる物質の濃度が特定の方向に勾配を有す光
学樹脂材料の製造方法を新規に見いだし、下記本発明
(1)〜(2)に至った。
晶性の含フッ素重合体(a)を含フッ素重合体(a)の
ガラス転移温度+50℃〜含フッ素重合体(a)のガラ
ス転移温度+300℃の温度範囲から選ばれる温度で溶
融し、その溶融液の中心部に含フッ素重合体(a)との
比較において屈折率の差が0.001以上である少なく
とも1種類の物質(b)、またはその物質(b)を含む
含フッ素重合体(a)を注入し、物質(b)を拡散させ
ながら、または拡散させた後に成形することにより屈折
率が連続的に変化する領域を形成することを特徴とする
屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法。
晶性の含フッ素重合体(a)からなる中空管の中心部
に、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差
が0.001以上である少なくとも1種類の物質(b)
を含む含フッ素重合体(a)からなるロッドを挿入し、
含フッ素重合体(a)のガラス転移温度〜含フッ素重合
体(a)のガラス転移温度+300℃の温度範囲から選
ばれる温度で物質(b)を拡散させながら、または成形
した後に拡散させることにより屈折率が連続的に変化す
る領域を形成することを特徴とする屈折率分布型光学樹
脂材料の製造方法。
ルオロエチレン樹脂、パーフルオロ(エチレン−プロピ
レン)樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ビニリデン
フルオライド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン
樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂等が広く知られ
ている。しかしながら、これらの含フッ素樹脂は結晶性
を有するため、光の散乱が起こり、透明性が良好でな
く、プラスチック光伝送体の材料としては好ましくな
い。
は、結晶による光の散乱がないため、透明性に優れる。
本発明における含フッ素重合体(a)としては、C−H
結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体であれば何ら
限定されないが、主鎖に環構造を有する含フッ素重合体
が好ましい。主鎖に環構造を有する含フッ素重合体とし
ては、含フッ素脂肪族環構造、含フッ素イミド環構造、
含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造
を有する含フッ素重合体が好ましい。含フッ素脂肪族環
構造を有する含フッ素重合体では含フッ素脂肪族エーテ
ル環構造を有するものがさらに好ましい。
合体は、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環
構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合
体に比べ、後述の熱延伸または溶融紡糸によるファイバ
ー化に際してもポリマー分子が配向しにくく、その結果
光の散乱を起こすこともないなどの理由から、より好ま
しい重合体である。
粘度は、溶融温度200℃〜300℃において103〜
105ポイズが好ましい。溶融粘度が高過ぎると溶融紡
糸が困難なばかりでなく、屈折率分布の形成に必要な、
物質(b)の拡散が起こりにくくなり屈折率分布の形成
が困難になる。また、溶融粘度が低過ぎると実用上問題
が生じる。すなわち、電子機器や自動車等での光伝送体
として用いられる場合に高温にさらされ軟化し、光の伝
送性能が低下する。
10,000〜5000,000が好ましく、より好ま
しくは50,000〜1000,000である。分子量
が小さ過ぎると耐熱性を阻害することがあり、大き過ぎ
ると屈折率分布を有する光伝送体の形成が困難になるた
め好ましくない。
ては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得ら
れるものや、少なくとも2つの重合性二重結合を有する
含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ
素脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する
重合体は、特公昭63−18964号公報等により知ら
れている。即ち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有
するモノマーを単独重合することにより、またこのモノ
マーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
チレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)など
のラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖
に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−
238111号公報や特開昭63−238115号公報
等により知られている。即ち、パーフルオロ(アリルビ
ニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテ
ル)等のモノマーを環化重合することにより、またはこ
のようなモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロト
リフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエ
ーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合するこ
とにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が
得られる。
1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有
するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)
やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の少なく
とも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーと
を共重合することによっても主鎖に含フッ素脂肪族環構
造を有する重合体が得られる。
体としては、具体的には以下の(I)〜(IV)式から
選ばれる繰り返し単位を有するものが例示される。な
お、これらの含フッ素脂肪族環構造を有する重合体中の
フッ素原子は、屈折率を高めるために一部塩素原子で置
換されていてもよい。
0〜5、mは0〜4、nは0〜1、l+m+nは1〜
6、o,p,qはそれぞれ0〜5、o+p+qは1〜
6、RはFまたはCF3、R1はFまたはCF3、R2はF
またはCF3、X1はFまたはCl、X2はFまたはCl
である。] 含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、主鎖に環構造
を有する重合体が好適であるが、環構造を有する重合単
位を20モル%以上、好ましくは40モル%以上含有す
るものが透明性、機械的特性等の面から好ましい。
比較において屈折率の差が0.001以上である少なく
とも1種類の物質であり、含フッ素重合体(a)よりも
高屈折率であっても低屈折率であってもよい。光ファイ
バー等においては通常は含フッ素重合体(a)よりも高
屈折率の物質を用いる。
芳香族環、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、エー
テル結合等の結合基を含む、低分子化合物、オリゴマ
ー、ポリマーが好ましい。又、物質(b)は、含フッ素
重合体(a)と同様な理由から実質的にC−H結合を有
しない物質であることが好ましい。含フッ素重合体
(a)との屈折率の差は0.005以上であることが好
ましい。
しては、前記したような含フッ素重合体(a)を形成す
るモノマーの重合体からなり、含フッ素重合体(a)と
の比較において屈折率の差が0.001以上であるオリ
ゴマーやポリマーであってもよい。モノマーとしては、
含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が
0.001以上である重合体を形成するものから選ばれ
る。たとえば、屈折率の異なる2種の含フッ素重合体
(a)を用い、一方の重合体(a)を物質(b)として
他の重合体(a)中に分布させることができる。
との比較において、溶解性パラメータの差が7(cal
/cm3)1/2以内であることが好ましい。ここで溶解性
パラメータとは物質間の混合性の尺度となる特性値であ
り、溶解性パラメータをδ、物質の分子凝集エネルギー
をE、分子容をVとして、式δ=(E/V)1/2で表さ
れる。
結合した水素原子を含まないハロゲン化芳香族炭化水素
がある。特に、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含
むハロゲン化芳香族炭化水素やフッ素原子と他のハロゲ
ン原子を含むハロゲン化芳香族炭化水素が、含フッ素重
合体(a)との相溶性の面で好ましい。また、これらの
ハロゲン化芳香族炭化水素は、カルボニル基、シアノ基
などの官能基を有していないことがより好ましい。
ては、例えば式Φr−Zb[Φrは水素原子のすべてが
フッ素原子に置換されたb価のフッ素化芳香環残基、Z
はフッ素以外のハロゲン原子、−Rf、−CO−Rf、
−O−Rf、あるいは−CN。ただし、Rfはパーフル
オロアルキル基、ポリフルオロパーハロアルキル基、ま
たは1価のΦr。bは0または1以上の整数。]で表さ
れる化合物がある。芳香環としてはベンゼン環やナフタ
レン環がある。Rfであるパーフルオロアルキル基やポ
リフルオロパーハロアルキル基の炭素数は5以下が好ま
しい。フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素原子や
臭素原子が好ましい。
ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモテ
トラフルオロベンゼン、2−ブロモテトラフルオロベン
ゾトリフルオライド、クロロペンタフルオロベンゼン、
ブロモペンタフルオロベンゼン、ヨードペンタフルオロ
ベンゼン、デカフルオロベンゾフェノン、パーフルオロ
アセトフェノン、パーフルオロビフェニル、クロロヘプ
タフルオロナフタレン、ブロモヘプタフルオロナフタレ
ンなどがある。
しては、前記(I)〜(IV)の繰り返し単位を有する
ものの内、組み合される含フッ素重合体(a)とは異な
る屈折率を有する含フッ素重合体(例えば、ハロゲン原
子としてフッ素原子のみを含む含フッ素重合体とフッ素
原子と塩素原子を含む含フッ素重合体との組み合せ、異
なる種類や異なる割合の2以上のモノマーを重合して得
られた2種の含フッ素重合体の組み合せなど)が好まし
い。
含フッ素重合体以外に、テトラフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキル
ビニルエーテルなどの水素原子を含まないモノマーから
なるオリゴマー、それらモノマー2種以上の共重合オリ
ゴマーなども物質(b)として使用できる。また、−C
F2CF(CF3)O−や−(CF2)nO−(nは1〜3
の整数)の構造単位を有するパーフルオロポリエーテル
なども使用できる。これらオリゴマーの分子量は、非結
晶性となる分子量範囲から選ばれ、数平均分子量300
〜10,000が好ましい。拡散のしやすさを考慮する
と、数平均分子量300〜5000がさらに好ましい。
体(a)、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体と
の相溶性が良好であること等から、クロロトリフルオロ
エチレンオリゴマーである。相溶性が良好であることに
より、含フッ素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有す
る含フッ素重合体、とクロロトリフルオロエチレンオリ
ゴマーとを200〜300℃で加熱溶融により容易に混
合させることができる。又、含フッ素溶媒に溶解させて
混合した後、溶媒を除去することにより両者を均一に混
合させることができる。クロロトリフルオロエチレンオ
リゴマーの好ましい分子量は、数平均分子量500〜1
500である。
(a)の代わりとして、含フッ素重合体(a)に予め例
えば含フッ素のオリゴマー等(以下、物質(c)とい
う)を溶融混合したものを用いても構わない。この場合
には、可塑化効果により成形体の中心部と外周部のガラ
ス転移温度を均一にすることで、成形体の大きな散乱原
因となりうる成形体冷却時の熱収縮差によるマイクロボ
イドの発生を低減化させることができる。
り、一定温度における溶融粘度が含フッ素重合体(a)
単独の場合よりも低下するため、低温、短時間で物質
(b)の拡散が可能となり、従来と比較して生産性向
上、あるいは成形に伴う素材の熱劣化の大幅な低減をも
たらす等の効果がある。
素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重
合体との相溶性が良好であること等から、パーフルオロ
ポリエーテルである。相溶性が良好であることにより、
含フッ素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有する含フ
ッ素重合体、とパーフルオロポリエーテルとを200〜
300℃で加熱溶融により容易に混合させることができ
る。又、含フッ素溶媒に溶解させて混合した後、溶媒を
除去することにより両者を均一に混合させることもでき
る。パーフルオロポリエーテルの好ましい分子量は、数
平均分子量500〜5000である。
ァイバーであることが最も好ましい。この光ファイバー
において、物質(b)は含フッ素重合体(a)中に中心
から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布している。
好ましくは、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも
高屈折率の物質であり、この物質(b)が光ファイバー
の中心から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を
有して分布している光ファイバーである。ある場合には
物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも低屈折率の物
質であり、この物質が光ファイバーの周辺から中心方向
に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している
光ファイバーも有用である。前者の光ファイバーなどの
光伝送体は通常物質(b)を中心に配置し周辺方向に向
かって拡散させることにより製造できる。後者の光ファ
イバーなどの光伝送体は物質(b)を周辺から中心方向
に拡散させることによって製造できる。
波長700〜1,600nmで、100mの伝送損失が
100db以下とすることができる。特に主鎖に脂肪族
環構造を有する含フッ素重合体では同様な波長で、10
0mの伝送損失が50db以下とすることができる。波
長700〜1,600nmという比較的長波長におい
て、このような低レベルの伝送損失であることは極めて
有利である。すなわち、石英光ファイバーと同じ波長を
使えることにより、石英光ファイバーとの接続が容易で
あり、また波長700〜1,600nmよりも短波長を
使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバーに比
べ、安価な光源で済むという利点がある。
の成形と屈折率分布の形成は同時であっても別々であっ
てもよい。たとえば、紡糸や押し出し成形等により屈折
率分布を形成すると同時に屈折率分布を形成して本発明
光学樹脂材料を製造できる。また、紡糸や押し出し成形
で樹脂の成形を行った後、屈折率分布を形成することが
できる。さらに、屈折率分布を有するプリフォーム(母
材)を製造し、このプリフォームを成形(たとえば紡
糸)して光ファイバー等の光学樹脂材料を製造できる。
なお、前記のように本発明光学樹脂材料は、上記屈折率
分布を有するプリフォームをも意味する。
(1)〜(2)により説明する。
フッ素重合体(a)の溶融液の中心部に物質(b)また
はその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を注入
し、物質(b)を拡散させながら、または拡散させた後
に成形する方法。
心部に1層のみ物質(b)を注入する場合のみならず、
中心部に物質(b)を多層に注入してもよい。成形には
光ファイバーのプリフォーム等のごときロッド状母材を
成形するために適する押出溶融成形、光ファイバーを成
形するために適する溶融紡糸成形等がある。
素重合体(a)と物質(b)の組み合わせによって、含
フッ素重合体(a)のガラス転移温度+50℃〜含フッ
素重合体(a)のガラス転移温度+300℃の温度範囲
から選ばれる最適温度で成形することができる。好まし
い温度範囲は、含フッ素重合体(a)のガラス転移温度
+80℃〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+2
00℃である。
脂肪族環構造を有する含フッ素重合体の場合には、溶融
押出成形で特に180℃〜300℃が好ましい。また、
プリフォームの線引き温度は150℃〜300℃に最適
温度が存在する。
の含フッ素重合体(a)からなる管を形成し、この管の
内部に物質(b)を均一に含む含フッ素重合体(a)の
ロッドを挿入した後、両者を熱融着させて一体化してプ
リフォームを製造する方法。この際、熱融着時に物質
(b)の拡散を起こしてもよく、またその後の線引き工
程時に拡散を起こさせてもよい。
体(a)のガラス転移温度〜含フッ素重合体(a)のガ
ラス転移温度+300℃の温度範囲から選ばれる。好ま
しくは、含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+20
℃〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+200℃
の温度範囲から選ばれる。中空管とロッドの熱融着温度
は、含フッ素重合体(a)と物質(b)の組み合わせに
よるが、基本的に物質(b)の拡散温度と同様である。
また、この熱融着と物質(b)の拡散を同時に行っても
よく、分けて行ってもよい。
アルミ管を心棒としてその回りに含フッ素重合体(a)
からなる管を形成し、後にそのアルミ管を酸で溶解除去
する方法や、ガラス管を心棒として成形し、後にフッ化
水素酸でガラス管を溶解除去する方法などがある。
ッ素重合体(a)に対する物質(b)の拡散係数は、含
フッ素重合体(a)のガラス転移温度〜含フッ素重合体
(a)のガラス転移温度+300℃の温度範囲から選ば
れる温度で、1〜500μm2/秒の値が好ましい。拡
散係数は大きいほど拡散性がよく、低温、短時間で拡散
ができるが、一方、大きすぎる場合には成形体の実際の
使用温度でのブリードアウト性が問題となるため、成形
温度で適度な拡散性を有し、かつ使用温度では拡散性の
低くなる含フッ素重合体(a)と物質(b)の組み合わ
せが重要である。
ガラス転移温度+20℃〜含フッ素重合体(a)のガラ
ス転移温度+200℃の温度範囲から選ばれる温度にお
いて、含フッ素重合体(a)に対する物質(b)の拡散
係数が10〜100μm2/秒の値となる組み合わせで
ある。
肪族環構造を有する含フッ素重合体で、物質(c)が平
均分子量1000程度のCTFEオリゴマーの場合に
は、200℃〜220℃で10〜50μm2/秒程度の
拡散係数の値が好ましい。
[PBVE]の35g、イオン交換水の150g、及び
重合開始剤として((CH3)2CHOCOO)2の90
mgを、内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレー
ブに入れた。系内を3回窒素で置換した後、40℃で2
2時間懸濁重合を行った。その結果、数平均分子量約
1.5×105の重合体(以下、重合体Aという)を2
8g得た。
ロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)[PBTHF]中
30℃で0.50であった。重合体Aのガラス転移温度
は108℃であり、室温ではタフで透明なガラス状の重
合体であった。また10%熱分解温度は465℃であ
り、溶解性パラメーターは5.3(cal/cm3)1/2
であり、屈折率は1.34であった。
をガラス管中に真空封管して、250℃で溶融させて脱
泡したのち、冷却して重合体Aの直径1cm、長さ3c
mのロッドを得た。一方、重合体Aとの溶解性パラメー
ターの差が1.4(cal/cm3)1/2である数平均分
子量1000のCTFEオリゴマー(屈折率1.41)
15重量%を重合体Aと共にガラス管中に真空封管し
て、250℃で溶融混合させて均一混合重合体(以下、
重合体Bという)のロッド(直径1cm、長さ3cm)
を得た。重合体Bのガラス転移温度は768℃であっ
た。
ね合わせて両者を熱融着し、直径1cm、長さ6cmの
1本のロッド(以下、ロッドCという)を得た。ロッド
の形状を保持するために、ロッドCを内径1cmのガラ
ス管に入れて、200℃のオーブン中でで60時間熱拡
散を行わせた。冷却後、円柱軸方向に切断し、蛍光X線
で界面と垂直方向にスキャンして、塩素濃度からCTF
Eオリゴマーの濃度分布を分析した。
グラフを示す。界面を中心として、きれいにFick型
拡散が起こっていることが確認できた。これをFick
拡散の理論式にフィッティングさせることにより200
℃における拡散係数を、17.3μm2/秒と算出し
た。220℃でも同様の実験を行い、220℃の拡散係
数を、33.8μm2/秒と算出した。この2点のアレ
ニウスプロットから、任意の温度Tにおける拡散係数D
を[D=2.07x108exp(−15.6/0.0
821T)]と推算した。
をPBTHF溶媒中で溶解し、これに数平均分子量10
00のCTFEオリゴマーを15重量%添加し混合溶液
を得た。この溶液を脱溶媒し透明な均一混合重合体(以
下、重合体Dという)を得た。この重合体Dのガラス転
移温度は76℃であった。
℃で溶融押出しさせて、もう一方からは220℃で溶融
させた重合体Dを中心に来るようにノズルに注入しなが
ら両者を220℃で、接触時間が29秒となるように溶
融紡糸することにより、屈折率が中心部から周辺部に向
かって徐々に低下する直径500μmの光ファイバーが
得られた。
80nmで100dB/km、1550nmで65dB
/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝
達できる光ファイバーであることを確かめた。
をPBTHF溶媒中で溶解し、これに屈折率1.52で
あり重合体Aとの溶解性パラメーターの差が3.2(c
al/cm3)1/2である1,3−ジブロモテトラフルオ
ロベンゼン(DBTFB)を12重量%量添加し混合溶
液を得た。この溶液を脱溶媒し透明な混合重合体(以
下、重合体Eという)を得た。この重合体Eのガラス転
移温度は82℃であった。
℃で溶融押出しさせて、もう一方からは250℃で溶融
させた重合体Eを中心に来るようにノズルに注入しなが
ら両者を250℃で、接触時間が10秒となるように溶
融紡糸することにより、屈折率が中心部から周辺部に向
かって徐々に低下する直径500μmの光ファイバーが
得られた。
80nmで200dB/km、1550nmで110d
B/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に
伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
FEオリゴマーを用いる代わりに、数平均分子量500
のCTFEオリゴマーを15重量%用いる以外実施例2
と同様な方法で光ファイバーを得た。成形温度は220
℃、接触時間は18秒となるように調整した。得られた
光ファイバーは屈折率が中心部から周辺部に向かって徐
々に低下していた。
nmで180dB/km、1550nmで90dB/k
mであり、可視光から近赤外までの光を良好に伝達でき
る光ファイバーであることを確かめた。
と−CF2CF(CF3)O−、−(CF2)O−および
−(CF2)2O−の構造単位を有するパーフルオロポリ
エーテル(屈折率1.29、数平均分子量1800、以
下PFPEという)15重量%をガラス管中に真空封管
して250℃で溶融混合し、均一な混合重合体(以下、
重合体Fとする)を得た。
あった。この重合体Fを同心円状に2重構造を持つガラ
ス管の一層目と、2層目の隙間に250℃で溶融させて
溶かし落とした。これを冷却後、回りのガラス管は割
り、中心のガラス管は中空管の内壁を傷つけないため
に、50%のフッ化水素酸で溶解させて取り除いた。こ
うして外径17mm、内径9mmの重合体Fの中空管を
得た。
のCTFEオリゴマー15重量%をガラス管中に真空封
管して、250℃で溶融混合し均一な混合重合体(以
下、重合体Gとする)の直径8mmのロッドを得た。こ
の重合体Gのガラス転移温度は76℃であった。
合体Gのロッドを挿入し、中空管の外側に熱収縮チュー
ブを装着した後、全体をガラス管中に真空封管して、2
00℃にて10時間重合体Fの中空管と重合体Gのロッ
ドを熱融着させてプリフォーム(以下、プリフォームH
という)を得た。このプリフォームHを炉温240℃に
おいて、2.4m/分の線引き速度で熱延伸することに
より屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下す
る直径600μmの光ファイバーが得られた。得られた
光ファイバーの光伝送特性は、780nmで100dB
/km、1550nmで70dB/kmであり、可視光
から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバー
であることを確かめた。
0部とを共重合することにより数平均分子量約2×10
5の重合体(以下、重合体Iという)を得た。重合体I
のガラス転移温度は100℃であった。重合体Iに数平
均分子量1800のPFPEを溶融均一混合してそのP
FPE含量が12重量%となるような混合重合体(以
下、重合体Jという)を得た。重合体Jのガラス転移温
度は75℃であった。
後、水平にセットした中空電気炉に挿入して、両端にベ
アリングを、一端にモーターを取り付けた。2000r
pmの回転数で水平に回転させながら、300℃で加熱
することにより、ガラス管内壁に重合体Jが均一に積層
された。これを回転させたまま徐々に冷却した後、外側
のガラス管を取り除くことにより、重合体Jの中空管を
得た。
にして作成した重合体Gを挿入して熱融着させてプリフ
ォーム(以下、プリフォームKという)を得た。このプ
リフォームKを炉温210℃において、2.4m/分の
線引き速度で熱延伸することにより屈折率が中心部から
周辺部に向かって徐々に低下する直径600μmの光フ
ァイバーが得られた。
80nmで150dB/km、1550nmで80dB
/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝
達できる光ファイバーであることを確かめた。
ファイバーにおいて、PMMAの光伝送損失は波長65
0nmで約400dB/km、また波長780nm、1
300nm、1550nmでは非常に伝送損失が大きく
光伝送体としては実用性がないものであった。
ーにおいて、コアとクラッドが含フッ素樹脂光ファイバ
ーは可視光から近赤外光までの光を伝送可能だが、その
光伝送損失は約300dB/kmと報告されている。
透明フッ素樹脂光ファイバーは可視光から近赤外光まで
の光を極めて低損失に伝送することが可能である。
温度だけを400℃に変えて線引きしたところ、ファイ
バー全体にわたって多くの発泡が生じ、伝送損失が大き
すぎて光パワーが測定検出限界以下であった。
ー、屈折率分布型光導波路、屈折率分布型ロッドレンズ
等の多岐にわたるプラスチック光伝送体において非結晶
性のフッ素樹脂を利用することにより、紫外光から近赤
外光までの光を極めて低損失に伝送することが可能にな
った。
ー径が大きいにもかかわらずフレキシブルで分岐・接続
が容易であるため短距離光通信用に最適であるが、これ
まで実用可能な低損失の光ファイバーは提案されなかっ
た。本発明は短距離光通信用に実用可能な低損失の光フ
ァイバーを提供するものである。
ンルーム、OA機器、プラント、家電等での過酷な使用
条件に耐える、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備
えるプラスチック光伝送体を提供するものである。更
に、本発明の屈折率分布型光学樹脂材料は、光ファイバ
ーのみならず平板型やロッド型のレンズとしても利用可
能である。その場合、中心部から周辺部への屈折率変化
を低くするか高くするかにより、凸レンズ及び凹レンズ
として機能させることができる。
を示す図。
Claims (7)
- 【請求項1】 実質的にC−H結合を有しない非結晶性
の含フッ素重合体(a)を含フッ素重合体(a)のガラ
ス転移温度+50℃〜含フッ素重合体(a)のガラス転
移温度+300℃の温度範囲から選ばれる温度で溶融
し、その溶融液の中心部に含フッ素重合体(a)との比
較において屈折率の差が0.001以上である少なくと
も1種類の物質(b)、またはその物質(b)を含む含
フッ素重合体(a)を注入し、物質(b)を拡散させな
がら、または拡散させた後に成形することにより屈折率
が連続的に変化する領域を形成することを特徴とする屈
折率分布型光学樹脂材料の製造方法。 - 【請求項2】 成形が2色以上の多色押出溶融成形であ
る請求項1の製造方法。 - 【請求項3】 実質的にC−H結合を有しない非結晶性
の含フッ素重合体(a)からなる中空管の中心部に、含
フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.
001以上である少なくとも1種類の物質(b)を含む
含フッ素重合体(a)からなるロッドを挿入し、含フッ
素重合体(a)のガラス転移温度〜含フッ素重合体
(a)のガラス転移温度+300℃の温度範囲から選ば
れる温度で物質(b)を拡散させながら、または成形し
た後に拡散させることにより屈折率が連続的に変化する
領域を形成することを特徴とする屈折率分布型光学樹脂
材料の製造方法。 - 【請求項4】 屈折率分布型光学樹脂材料が光ファイバ
ー用のプリフォームまたはプリフォームを溶融紡糸して
得られた光ファイバーである請求項1、2または3のの
製造方法。 - 【請求項5】 物質(b)が実質的にC−H結合を有し
ない物質であり、物質(b)の含フッ素重合体(a)に
対する拡散係数が含フッ素重合体(a)のガラス転移温
度〜含フッ素重合体(a)のガラス転移温度+300℃
の温度範囲から選ばれる温度で1〜500μm2/秒で
ある請求項1〜4いずれか1項の製造方法。 - 【請求項6】 含フッ素重合体(a)が主鎖に環構造を
有する含フッ素重合体であることを特徴とする請求項1
〜5いずれか1項の製造方法。 - 【請求項7】 主鎖に環構造を有する含フッ素重合体が
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体で
あることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項の製造
方法。
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JPH08336911A true JPH08336911A (ja) | 1996-12-24 |
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ID=15345282
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1995
- 1995-06-09 JP JP14371495A patent/JP3679155B2/ja not_active Expired - Lifetime
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