JP3419960B2 - 屈折率分布型光学樹脂材料 - Google Patents

屈折率分布型光学樹脂材料

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JP3419960B2
JP3419960B2 JP14371095A JP14371095A JP3419960B2 JP 3419960 B2 JP3419960 B2 JP 3419960B2 JP 14371095 A JP14371095 A JP 14371095A JP 14371095 A JP14371095 A JP 14371095A JP 3419960 B2 JP3419960 B2 JP 3419960B2
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来の光学樹脂では実
現が困難であった、高い透明性と耐熱性を合わせ持った
屈折率分布型光学樹脂材料(以下、光学樹脂材料と略す
ことがある)に関するものである。
【0002】本発明の光学樹脂材料は、それ自身が光フ
ァイバー等の光伝送体であってもよく、また光ファイバ
ーのプリフォーム等の光伝送体の母材であってもよい。
【0003】本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、
非結晶樹脂であるため光の散乱がなくしかも紫外光から
近赤外光まで広範囲の波長帯で透明性が非常に高いた
め、多種多様な波長の光システムに有効利用が可能であ
る。特に光通信分野において幹線石英ファイバーに利用
されている波長である1300nm、1550nmにお
いても低損失である光伝送体を与えるものである。
【0004】また本発明の光学樹脂材料である光伝送体
は、自動車のエンジンルーム等での過酷な使用条件に耐
える、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備えるもの
である。
【0005】本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、
屈折率分布型の光ファイバー、ロッドレンズ、光導波
路、光分岐器、光合波器、光分波器、光減衰器、光スイ
ッチ、光アイソレーター、光送信モジュール、光受信モ
ジュール、カップラー、偏向子、光集積回路等の多岐に
わたる屈折率分布型光伝送体として有用である。ここ
で、屈折率分布とは光伝送体の特定の方向に沿って屈折
率が連続的に変化する領域を意味し、例えば屈折率分布
型光ファイバーの屈折率分布は、ファイバーの中心から
半径方向に向かって屈折率が放物線に近い曲線で低下し
ている。
【0006】本発明の光学樹脂材料が光伝送体の母材の
場合は、これを熱延伸等で紡糸して、屈折率分布型光フ
ァイバー等の光伝送体を製造できる。
【0007】
【従来の技術】従来より知られている屈折率分布型プラ
スチック光伝送体用の樹脂としては、メチルメタクリレ
ート系樹脂を代表とした光学樹脂や、WO94/049
49に記載されたテトラフルオロエチレン樹脂やビニリ
デンフルオライド樹脂が提案されている。
【0008】段階屈折型プラスチック光ファイバーとし
てはコアをメチルメタクリレート樹脂、スチレン樹脂、
カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光学樹脂を使
用し、クラッドを含フッ素ポリマーとする提案が多くな
されている。また特開平2ー244007号公報にはコ
アとクラッドに含フッ素樹脂を用いた提案もされてい
る。特開平4−264504にはパーフルオロポリエー
テルポリトリアジンをコアとして用いる提案もなされて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、メチルメタ
クリレート樹脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂
等の光伝送体では達し得なかった、自動車、オフィスオ
ートメーション(OA)機器、家電機器用途等で要求さ
れる耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を有する光学樹
脂材料を提供するものである。
【0010】また本発明は、メタクリレート樹脂、カー
ボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光伝送体では達し
得なかった近赤外光(波長700nmから2500n
m)を利用可能とし、さらに広範囲の伝送領域帯で低い
光伝送損失をもつ光学樹脂材料及びその製造法を新規に
提供することを目的とするものである。とくに、光伝送
体として用いた場合には通信用の高速伝送が可能な屈折
率分布型の光ファイバーを新規に提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
の認識に基づいて鋭意検討を重ねた結果、耐熱性、耐湿
性、耐薬品性、不燃性を付与しかつ近赤外光で光吸収が
起こるC−H結合(すなわち、炭素−水素結合)をなく
すためにはC−H結合を実質的に含まない含フッ素重合
体が最適であるとの知見を得た。この含フッ素重合体は
C−H結合の代わりにC−F結合(すなわち、炭素−フ
ッ素結合)を有する。
【0012】すなわち、物質に光を照射すると、ある原
子間の結合の伸縮振動や、変角振動と共鳴振動する波長
の光が、優先的に吸収されることになる。これまでプラ
スチック光ファイバーに用いられた高分子物質は主にC
−H結合を有する化合物であった。このC−H結合を基
本とする高分子物質では、水素原子が軽量で振動しやす
いために、基本吸収は、赤外域に短波長側(3400n
m)に現れる。従って、光源の波長である近赤外〜赤外
域(600〜1550nm)では、このC−H伸縮振動
の比較的低倍音吸収がとびとびに現れ、これが吸収損失
の大きな原因になっている。
【0013】そこで水素原子をフッ素原子に置換する
と、それらの倍音吸収ピークの波長は長波長側に移動
し、近赤外域での吸収量が減少する。理論値から見れ
ば、C−H結合を有するPMMA(ポリメチルメタアク
リレート)の場合には波長650nmにおいてC−H結
合の吸収損失は、105dB/kmと見積もられてお
り、波長1300nmにおいては10000dB/km
以上になる。
【0014】一方、水素原子をフッ素原子に置き換えた
物質では波長650nmでは実質的に吸収による損失は
なく、波長1300nmにおいてもC−F結合の伸縮振
動の6倍音と7倍音の間で、1dB/kmのオーダーで
あり吸収損失はないと考えてよい。そのために我々はC
−F結合を有する化合物を用いることを提案する。
【0015】また、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性
を阻害する要因となるカルボキシル基やカルボニル基等
の官能基を除外することが望ましい。また、カルボキシ
ル基があると近赤外光の光吸収があり、カルボニル基が
あると紫外光の光吸収があるため、これらの基を除外す
ることが望ましい。さらに光の散乱による伝送損失を低
減するためには非結晶性の重合体にする事が重要であ
る。
【0016】更に、段階屈折率型光ファイバーの場合、
マルチモードの光はコアとクラッドの界面で反射されな
がら伝搬する。そのためモード分散が起こり伝送帯域が
低下する。しかし屈折率分布型光ファイバーではモード
分散が起こりにくく伝送帯域は増加する。
【0017】そこで光学樹脂材料として実質的にC−H
結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体と、該重合体
に比較して屈折率の異なる物質の濃度が特定の方向に勾
配を有す光学樹脂材料を新規に見いだし、下記本発明に
至った。
【0018】すなわち、本発明は実質的にC−H結合を
有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素
重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001
以上である少なくとも1種類の物質(b)とからなり、
含フッ素重合体(a)中に物質(b)が特定の方向に沿
って濃度勾配を有して分布している屈折率分布型光学樹
脂材料において、含フッ素重合体(a)が含フッ素ポリ
エーテル、含フッ素芳香族ポリエステル、含フッ素芳香
族ポリカーボネートおよび含フッ素ポリイミドから選ば
れる少なくとも1種であることを特徴とする屈折率分布
型光学樹脂材料である。
【0019】含フッ素重合体として、従来よりテトラフ
ルオロエチレン樹脂、パーフルオロ(エチレン−プロピ
レン)樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ビニリデン
フルオライド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン
樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂等が広く知られ
ている。しかしながら、これらの含フッ素樹脂は結晶性
を有するため、光の散乱が起こり、透明性が良好でな
く、プラスチック光伝送体の材料としては好ましくな
い。
【0020】これに対して、非晶質含フッ素ポリエーテ
ル、非晶質含フッ素芳香族ポリエステル、非晶質含フッ
素芳香族ポリカーボネートおよび非晶質含フッ素ポリイ
ミドは結晶による光の散乱がなく透明性に優れるため、
本発明の含フッ素重合体として用いられる。
【0021】本発明における含フッ素ポリエーテルとし
ては、C−H結合を有しない非結晶性の含フッ素ポリエ
ーテルであれば何ら限定されないが、機械的強度および
耐熱性の点から数平均分子量が10万以上の高分子量の
含フッ素脂肪族ポリエーテルあるいはφf −O−の構造
単位(φf :芳香環の水素原子がすべてフッ素原子によ
り置換されたもの)を有する含フッ素芳香族ポリエーテ
ルが好ましい。特に下記(I)および/または(II)の
構造単位を有し、トリアジン環構造により鎖延長された
パーフルオロポリエーテルが好ましい。
【0022】 −CF2CF(CF3)O− (I) −(CF2nO− (ただし、n=1〜3) (II) 通常、パーフルオロポリエーテルは高分子量化が困難な
ため、数平均分子量が数千程度で多くは液状ないしはグ
リス状であるが、末端の官能基を利用することにより鎖
延長して数万から数十万の数平均分子量に増大させるこ
とが可能で、鎖延長部位を適宜選択することにより樹脂
状の重合体とすることが可能である。特に、特開平4−
85328号公報により公知のトリアジン環を鎖延長部
位とするパーフルオロポリエーテルは主鎖のみならず鎖
延長部位にもC−H結合を有しないため本発明の含フッ
素ポリエーテル(a)として好ましい。
【0023】含フッ素ポリエーテルの数平均分子量は、
10,000〜5000,000が好ましく、より好ま
しくは50,000〜1000,000である。分子量
が小さ過ぎると機械的耐熱性を阻害することがあり、大
き過ぎると屈折率分布を有する光伝送体の形成が困難に
なるため好ましくない。
【0024】含フッ素芳香族ポリエステルとしては実質
的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素芳香族ポ
リエステルであれば何ら限定されないが、下記の(II
I)または(IV)で表される構造単位を有するものが好
ましい。また、含フッ素芳香族ポリカーボネートとして
は実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素芳
香族ポリカーボネートであれば何ら限定されないが、下
記の(V)で表される構造単位を有するものが好まし
い。
【0025】
【化8】
【0026】上記式において、R1、R2
【0027】
【化9】
【0028】から選ばれ、R1とR2は各々同一であって
も異なっていても良い。ここで、Rfはフッ素原子、パ
ーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、パー
フルオロアルコキシシリル基、パーフルオロフェノキシ
基から選ばれ、これらは各々同一であっても異なってい
てもよい。
【0029】Yは、
【0030】
【化10】
【0031】から選ばれる。ここで、R'fはパーフルオ
ロアルキレン基、パーフルオロアリーレン基から選ば
れ、これらは各々同一であっても異なっていても良い。
rは1から10である。また、Yと2つのRf が炭素を
はさんで環を形成してもよく、その場合、環は飽和環で
も不飽和環でもよい。
【0032】含フッ素ポリイミドとしては具体的には下
記の(VI)式から選ばれた繰り返し単位を有することを
特徴とするものが例示される。なお、これらの含フッ素
重合体(a)中のフッ素原子は、屈折率を高めるために
一部塩素原子で置換されていてもよい。
【0033】
【化11】
【0034】[上記(VI)式において、R3
【0035】
【化12】
【0036】から選ばれ、R4
【0037】
【化13】
【0038】から選ばれる。ここで、Rf はフッ素原
子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール
基、パーフルオロアルコキシシリル基、パーフルオロフ
ェノキシ基から選ばれ、これらは各々同一であっても異
なっていてもよい。
【0039】Yは、
【0040】
【化14】
【0041】から選ばれる。ここで、R'fはパーフルオ
ロアルキレン基、パーフルオロアリーレン基から選ば
れ、これらは各々同一であっても異なっていてもよい。
rは1から10である。また、Yと2つのRf が炭素を
はさんで環を形成してもよく、その場合、環は飽和環で
も不飽和環でもよい。] 含フッ素ポリイミドの製造方法は特に限定されないが、
例えばパーフルオロピロメリット酸無水物などの全ての
水素原子がフッ素原子で置換された芳香族テトラカルボ
ン酸とパーフルオロp,p’−ジアミノジフェニルエー
テルなどの全ての水素原子がフッ素原子で置換された芳
香族ジアミンの反応でポリアミド酸を生成し、これを更
に加熱して含フッ素ポリイミドとする方法などによって
製造される。
【0042】物質(b)は、含フッ素重合体(a)との
比較において屈折率の差が0.001以上である少なく
とも1種類の物質であり、含フッ素重合体(a)よりも
高屈折率であっても低屈折率であってもよい。光ファイ
バー等においては通常は含フッ素ポリエーテル(a)よ
りも高屈折率の物質を用いる。
【0043】この物質(b)としては、ベンゼン環等の
芳香族環、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、エー
テル結合等の結合基を含む、低分子化合物、オリゴマ
ー、ポリマーが好ましい。又、物質(b)は、含フッ素
重合体(a)と同様な理由から実質的にC−H結合を有
しない物質であることが好ましい。含フッ素重合体
(a)との屈折率の差は0.001以上であることが好
ましい。
【0044】これらの物質(b)は、上記マトリックス
との比較において、溶解性パラメータの差が7(cal
/cm31/2以内であることが好ましい。ここで溶解性
パラメータとは物質間の混合性の尺度となる特性値であ
り、溶解性パラメータをδ、物質の分子凝集エネルギー
をE、分子容をVとして、式δ=(E/V)1/2で表さ
れる。
【0045】低分子化合物としては、例えば炭素原子に
結合した水素原子を含まないハロゲン化芳香族炭化水素
がある。特に、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含
むハロゲン化芳香族炭化水素やフッ素原子と他のハロゲ
ン原子を含むハロゲン化芳香族炭化水素が、含フッ素重
合体(a)との相溶性の面で好ましい。また、これらの
ハロゲン化芳香族炭化水素は、カルボニル基、シアノ基
などの官能基を有していないことがより好ましい。
【0046】このようなハロゲン化芳香族炭化水素とし
ては、例えば式Φr−Zb[Φrは水素原子のすべてが
フッ素原子に置換されたb価のフッ素化芳香環残基、Z
はフッ素以外のハロゲン原子、−Rf、−CO−Rf、
−O−Rf、あるいは−CN。ただし、Rfはパーフル
オロアルキル基、ポリフルオロパーハロアルキル基、ま
たは1価のΦr。bは0または1以上の整数。]で表さ
れる化合物がある。芳香環としてはベンゼン環やナフタ
レン環がある。Rfであるパーフルオロアルキル基やポ
リフルオロパーハロアルキル基の炭素数は5以下が好ま
しい。フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素原子や
臭素原子が好ましい。
【0047】具体的な化合物としては例えば、1,3−
ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモテ
トラフルオロベンゼン、2−ブロモテトラフルオロベン
ゾトリフルオライド、クロロペンタフルオロベンゼン、
ブロモペンタフルオロベンゼン、ヨードペンタフルオロ
ベンゼン、デカフルオロベンゾフェノン、パーフルオロ
アセトフェノン、パーフルオロビフェニル、クロロヘプ
タフルオロナフタレン、ブロモヘプタフルオロナフタレ
ンなどがある。
【0048】ポリマーやオリゴマーである物質(b)と
しては、前記(I)〜(VI)の繰り返し単位を有するも
のの内、組み合される含フッ素重合体(a)とは異なる
屈折率を有する含フッ素重合体が好ましい。
【0049】物質(b)として使用するオリゴマーの分
子量は、非結晶性となる分子量範囲から選ばれ、数平均
分子量300〜10,000が好ましい。拡散のしやす
さを考慮すると、数平均分子量300〜5000がさら
に好ましい。
【0050】また、前記(I)〜(VI)の繰り返し単位
を有するポリマーやオリゴマー以外に、テトラフルオロ
エチレン、クロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフ
ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフル
オロアルキルビニルエーテルなどの水素原子を含まない
モノマーからなるオリゴマー、それらモノマー2種以上
の共重合オリゴマーなども物質(b)として使用でき
る。また、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ
素重合体でもよい。
【0051】含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重
合体としては、具体的には以下の(VII)〜(X)式か
ら選ばれる繰り返し単位を有するものが例示される。製
造方法は例えば特開昭63−238111号公報、特開
昭63−238115号公報などにより知られる少なく
とも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを
環化重合して得られるものや、特公昭63−18964
号公報により公知の含フッ素脂肪族環構造を有するモノ
マーをラジカル重合するものなどが挙げられる。なお、
これらの含フッ素脂肪族環構造を有する重合体中のフッ
素原子は、含フッ素重合体(a)との屈折率差の調整や
相溶性を高めるために一部塩素原子で置換されていても
よい。
【0052】
【化15】
【0053】[上記(VII)〜(X)式において、lは
0〜5、mは0〜4、nは0〜1、l+m+nは1〜
6、o,p,qはそれぞれ0〜5、o+p+qは1〜
6、RはFまたはCF3、R1はFまたはCF3、R2はF
またはCF3、X1はFまたはCl、X2はFまたはCl
である。] 本発明において特に好ましい含フッ素重合体(a)と物
質(b)の組み合わせとしては、含フッ素ポリエーテル
に対しては、相溶性が良好であり屈折率の大きいこと等
から、クロロトリフルオロエチレンオリゴマーが選択さ
れる。この場合、相溶性が良好であることにより、含フ
ッ素ポリエーテル、特にトリアジン環で鎖延長されたパ
ーフルオロポリエーテル、とクロロトリフルオロエチレ
ンオリゴマーとを200〜300℃で加熱溶融により容
易に混合させることができる。又、含フッ素溶媒に溶解
させて混合した後、溶媒を除去することにより両者を均
一に混合させることができる。クロロトリフルオロエチ
レンオリゴマーの好ましい分子量は、数平均分子量50
0〜1500である。
【0054】含フッ素重合体(a)として、含フッ素芳
香族ポリエステルまたは含フッ素芳香族ポリカーボネー
トを用いた場合には、物質(b)としては屈折率差があ
れば含フッ素芳香族ポリエステルまたは含フッ素芳香族
ポリカーボネートでもかまわないが、含フッ素芳香族イ
ミドが相溶性が良く、高屈折率であるという点で採用さ
れる。また、屈折率の低いパーフルオロポリエーテルト
リアジンも物質(b)として採用される。これらの場
合、含フッ素芳香族イミド及び含フッ素ポリエーテルト
リアジンの好ましい数平均分子量は500〜5000で
ある。
【0055】含フッ素重合体(a)として、含フッ素ポ
リイミドを用いた場合には、物質(b)としては原子屈
折の大きい塩素、臭素または硫黄などを含有する含フッ
素芳香族ポリイミド、含フッ素芳香族エステルまたは含
フッ素芳香族カーボネートなどの高屈折率化合物が採用
される。これらの物質(b)の好ましい数平均分子量は
500〜5000である。
【0056】本発明の光学樹脂材料は屈折率分布型光フ
ァイバーであることが最も好ましい。この光ファイバー
において、物質(b)は含フッ素重合体(a)中に中心
から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布している。
好ましくは、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも
高屈折率の物質であり、この物質(b)が光ファイバー
の中心から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を
有して分布している光ファイバーである。ある場合には
物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも低屈折率の物
質であり、この物質が光ファイバーの周辺から中心方向
に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している
光ファイバーも有用である。前者の光ファイバーなどの
光伝送体は通常物質(b)を中心に配置し周辺方向に向
かって拡散させることにより製造できる。後者の光ファ
イバーなどの光伝送体は物質(b)を周辺から中心方向
に拡散させることによって製造できる。
【0057】本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、
波長700〜1,600nmで、100mの伝送損失が
100d以下とすることができる。特に主鎖に脂肪族
環構造を有する含フッ素重合体では同様な波長で、10
0mの伝送損失が50d以下とすることができる。波
長700〜1,600nmという比較的長波長におい
て、このような低レベルの伝送損失であることは極めて
有利である。すなわち、石英光ファイバーと同じ波長を
使えることにより、石英光ファイバーとの接続が容易で
あり、また波長700〜1,600nmよりも短波長を
使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバーに比
べ、安価な光源で済むという利点がある。本発明の光学
樹脂材料製造において、樹脂の成形と屈折率分布の形成
は同時であっても別々であってもよい。たとえば、紡糸
や押し出し成形等により屈折率分布を形成すると同時に
屈折率分布を形成して本発明光学樹脂材料を製造でき
る。また、紡糸や押し出し成形で樹脂の成形を行った
後、屈折率分布を形成することができる。さらに、屈折
率分布を有するプリフォーム(母材)を製造し、このプ
リフォームを成形(たとえば紡糸)して光ファイバー等
の光学樹脂材料を製造できる。なお、前記のように本発
明光学樹脂材料は、上記屈折率分布を有するプリフォー
ムをも意味する。
【0058】本発明の光学樹脂材料の製造方法として
は、たとえば以下の(1)〜(7)の方法がある。しか
しこれらに限られるものではない。特に好ましい方法は
(1)の方法である。
【0059】(1)含フッ素重合体(a)を溶融し、含
フッ素重合体(a)の溶融液の中心部に物質(b)また
はその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を注入
し、物質(b)を拡散させながら、または拡散させた後
に成形する方法。
【0060】この場合、物質(b)を注入するには、中
心部に1層のみ物質(b)を注入する場合のみならず、
中心部に物質(b)を多層に注入してもよい。成形には
光ファイバーのプリフォーム等のごときロッド状母材を
成形するために適する押出溶融成形、光ファイバーを成
形するために適する溶融紡糸成形等がある。
【0061】(2)溶融紡糸や延伸などによって得られ
た含フッ素重合体(a)からなる芯材に、物質(b)ま
たはその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を繰り
返しディップコートする方法。
【0062】(3)含フッ素ポリエーテル(a)と物質
(b)を均一に混合した混合物または溶媒中で均一に混
合した後、溶媒のみを揮発除去させることにより得られ
る混合物を、熱延伸または溶融押出によりファイバー化
し、次いで(またはファイバー化直後に)加熱状態で不
活性ガスと接触させて物質(b)を表面から揮発させる
ことにより屈折率分布を形成する方法。または、上記フ
ァイバー化した後、含フッ素ポリエーテル(a)を溶解
せずに物質(b)のみを溶解する溶媒中にファイバーを
浸漬し、物質(b)をファイバー表面から溶出させるこ
とにより屈折率分布を形成する方法。
【0063】(4)含フッ素重合体(a)からなるロッ
ドまたはファイバーに、含フッ素重合体(a)よりも屈
折率が小さい物質(b)のみを被覆するか、または含フ
ッ素重合体(a)と物質(b)との混合物を被覆し、次
いで加熱により物質(b)を拡散させて屈折率分布を形
成する方法。
【0064】(5)高屈折率重合体と低屈折率重合体と
を加熱溶融または溶媒を含有する溶液状態で混合し、そ
れぞれ混合割合の異なる状態で多層押出させながら(ま
たは押出したのちに)両者を互いに拡散させ、最終的に
屈折率分布の形成されたファイバーを得る方法。この場
合、高屈折率重合体が含フッ素重合体(a)で低屈折率
重合体が物質(b)でもよく、高屈折率重合体が物質
(b)で低屈折率重合体が含フッ素重合体(a)でもよ
い。
【0065】
【実施例】
合成例 FOC(CF24COFの2部(0.021mol)、
CsFの4部(0.03mol)およびジグライム8部
をステンレス製オートクレーブに入れ、0℃に冷却し
た。撹拌しながらヘキサフルオロプロピレンオキシド9
8部をゆっくり加えた。3時間撹拌した後、室温に戻し
てからフロロカーボン層を分離して、これを氷冷した3
00部のメタノール中に滴下した。下層を分離し、これ
にジクロロペンタフルオロプロパン(R225)を10
0部加えたのち、アンモニアガスをゆっくり吹き込ん
だ。R225を留去したのち、五酸化リンを200部添
加した。150〜200℃で5時間加熱した。
【0066】これに再びR225を200部加えた後、
液層を濾過分離して、これを水洗したのち、無水硫酸マ
グネシウムで脱水した。ついで100℃加熱減圧により
揮発分を除去したところ数平均分子量約2200のポリ
ヘキサフルオロプロピレンオキシドジニトリル(NC−
(C36O)13−CN)が得られた。さらにこのジニト
リルを用いて特開平4−85328号公報に記載の方法
により以下のようにポリイミドイルアミジン、ついでパ
ーフルオロカルボン酸フロライドを反応させることによ
りポリトリアジンを合成した。以下の反応式中、Rfoは
(C36O)13を意味する。
【0067】
【化16】
【0068】こうして得られたパーフルオロポリエーテ
ルトリアジン(以下、重合体Aという)は屈折率が1.
35で強靭な重合体であった。この重合体の固有粘度を
パーフロロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)(以下、
PBTHFという)中、30℃で測定したところ0.5
1dl/gであった。
【0069】「実施例1」上記合成例で得られた重合体
AをPBTHF溶媒中で溶解し、これに屈折率1.52
であり重合体Aとの溶解性パラメーターの差が5.5
(cal/cm31/2である1,3−ジブロモテトラフ
ルオロベンゼン(DBTFB)を12重量%量添加し混
合溶液を得た。この溶液を脱溶媒し透明な混合重合体
(以下、重合体Bという)を得た。
【0070】重合体Aを溶融し、その中心に溶融液の重
合体Bを注入しながら200℃で溶融紡糸することによ
り屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する
光ファイバーが得られた。
【0071】得られた光ファイバーの光伝送特性は、7
80nmで380dB/km、1550nmで250d
B/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に
伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0072】「実施例2」 実施例1で得られた重合体Bを中心に、その外層に重合
体Aおよび外層にパーフルオロブテニルビニルエーテ
ルの環化重合体(以下、重合体Cという)が配置される
ように各重合体を溶融紡糸することにより、屈折率が中
心部の重合体B層から第2層の重合体A層に向かって徐
々に低下する光ファイバーが得られた。
【0073】得られた光ファイバーの光伝送特性は、7
80nmで350dB/km、1550nmで230d
B/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に
伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0074】「実施例3」DBTFBを12重量%用い
る代わりに数平均分子量800のクロロトリフルオロエ
チレン(CTFE)オリゴマーを20重量%用いる以
外、実施例1と同様な方法で光ファイバーを得た。この
オリゴマーの屈折率は1.41であり、重合体Aとの溶
解性パラメーターの差は2.1(cal/cm31/2
あった。得られた光ファイバーは屈折率が中心部から周
辺部に向かって徐々に低下していた。
【0075】この光ファイバーの光伝送特性は、780
nmで300dB/km、1550nmで200dB/
kmであり、可視光から近赤外までの光を良好に伝達で
きる光ファイバーであることを確かめた。
【0076】「実施例4」重合体A85部とDBTFB
15部とを溶融混合し、ロッドを成形した。このロッド
を200℃で加熱延伸させファイバーを作成した。この
とき、加熱延伸部から出るファイバーを100℃に加熱
した長さ1mの電気炉を通す。この電気炉中にはあらか
じめ100℃に加熱した乾燥空気を流し、これによりフ
ァイバーの表面からDBTFBを揮発させ、屈折率分布
の形成された光ファイバーが得られた。
【0077】得られた光ファイバーの光伝送特性は65
0nmで380dB/km、780nmで270dB/
km、1300nmで170dB/kmであり、可視光
から近赤外までの光を良好に伝達できる光ファイバーで
あることを確かめた。
【0078】「実施例5」重合体A80部および数平均
分子量800のCTFEオリゴマー20部を200℃で
溶融混合して重合体混合物Cのロッドを得た。
【0079】これを熱延伸して直径500μのファイバ
ーを作成した。このファイバーをエタノール中に通して
CTFEオリゴマーを溶出させた後、150℃に加熱し
た円筒状の加熱炉中を約10秒の滞留時間で通すことに
より乾燥させた。その結果、外周部から中心部にかけて
屈折率分布のついた光ファイバーが得られた。
【0080】得られた光ファイバーの光伝送特性は、6
50nmで340d/Km、1550nmで200d
/Kmであり、可視光から紫外光までの光を良好に伝
達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0081】「実施例6」常法によりテトラフルオロハ
イドロキノンとテトラフルオロイソフタル酸クロライド
とから数平均分子量約14万の含フッ素ポリエステル
(以下、重合体Dという)を合成した。この重合体Dを
ヘキサフルオロベンゼン(HFBZ)および重合体Dに
対して15重量%のDBTFBとともに混合し、つい
で、HFBZを除去することにより混合重合体(以下、
重合体Eという)を得た。
【0082】重合体Dを溶融し、その中心に溶融液の重
合体Eを注入しながら300℃で溶融紡糸することによ
り屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する
光ファイバーが得られた。
【0083】得られた光ファイバーの光伝送特性は、7
80nmで420dB/km、1550nmで350d
B/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に
伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0084】「実施例7」ホスゲン法によりテトラフル
オロハイドロキノンから数平均分子量約10万の含フッ
素ポリカーボネート(以下、重合体Fという)を合成し
た。この重合体Fをヘキサフルオロベンゼン(HFB
Z)および重合体Fに対して18重量%の(XI)式に
示す芳香族イミドとともに混合し、ついで、HFBZを
除去することにより混合重合体(以下、重合体Gとい
う)を得た。
【0085】
【化17】
【0086】次に、重合体Gを300℃で溶融成形する
ことにより直径8cm、長さ30cmのロッドを作成し
た。一方、重合体Fからは外径16cm、内径8cm、
長さ30cmの中空管を成形した。重合体Gのロッドを
重合体Fの中空管に挿入し、これをテトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)製
の熱収縮チューブで覆って200℃に加熱し、プリフォ
ームを得た。このプリフォームを300℃で加熱延伸す
ることにより直径0.5mmのファイバーを得た。この
ファイバーの屈折率分布を測定したところ、中心から周
囲に向かって屈折率が徐々に低下していた。
【0087】得られた光ファイバーの光伝送特性は、7
80nmで390dB/km、1550nmで280d
B/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に
伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0088】「実施例8」1,4−ビス(3,4−ジカ
ルボキシトリフルオロフェノキシ)−テトラフルオロベ
ンゼン無水物とビス(2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−アミノフェニル)−エーテルからパーフルオロポ
リイミド(以下、重合体Hという)を合成した。重合体
Hと重合体Hに対して15重量%のN−ペンタフルオロ
フェニルジクロロマレイミドとをヘキサフルオロイソプ
ロピルアルコールに溶解して溶液を調整した。次に、ヘ
サキフルオロイソプロピルアルコールを留去しながら粘
度を調整し、室温で3×104ポイズの混合物(以下、
混合物Iという)とした。
【0089】一方、重合体Hのみをヘサキフルオロイソ
プロピルアルコールに溶解して同様にして室温で2×1
4ポイズの混合物(以下、混合物Jという)を調整し
た。混合物Iが内側、混合物Jが外側になるように、こ
れらの混合物を二重ノズルからファイバー状に押し出し
た。このファイバーを50℃に加熱し、窒素ガスを流し
たヒートゾーンを通過させ表面よりヘサキフルオロイソ
プロピルアルコールを揮発させながら巻き取り機を用い
て巻き取った。これをさらに一昼夜真空乾燥することに
より十分にヘサキフルオロイソプロピルアルコールを除
去した。この結果直径0.5mmの屈折分布の形成され
た光ファイバーが得られた。
【0090】このファイバーは650から1600nm
の光に対して伝送損失の少ないものであった。また、1
50℃、100hr保持した後の伝送損失は保持前の値
と変わらず耐熱性の高いものであった。
【0091】「比較例」PMMAからなる屈折率分布型
プラスチック光ファイバーの光伝送損失は波長650n
mで約400dB/km、また波長780nm、130
0nm、1550nmでは非常に伝送損失が大きく光伝
送体としては実用性がないものであった。
【0092】又、段階屈折率型プラスチック光ファイバ
ーにおいて、コアとクラッドが含フッ素樹脂光ファイバ
ーは可視光から近赤外光までの光を伝送可能だが、その
光伝送損失は約300dB/kmと報告されている。
【0093】これに比較して本発明による屈折率分布型
透明フッ素樹脂光ファイバーは可視光から近赤外光まで
の光を極めて低損失に伝送することが可能である。
【0094】
【発明の効果】本発明では、屈折率分布型光ファイバ
ー、屈折率分布型光導波路、屈折率分布型ロッドレンズ
等の多岐にわたるプラスチック光伝送体において非結晶
性のフッ素樹脂を利用することにより、可視光から近赤
外光までの光を極めて低損失に伝送することが可能にな
った。
【0095】特に屈折率分布型光ファイバーはファイバ
ー径が大きいにもかかわらずフレキシブルで分岐・接続
が容易であるため短距離光通信用に最適であるが、これ
まで実用可能な低損失の光ファイバーは提案されなかっ
た。本発明は短距離光通信用に実用可能な低損失の光フ
ァイバーを提供するものである。
【0096】又、本発明の光伝送体は、自動車のエンジ
ンルーム、OA機器、プラント、家電等での過酷な使用
条件に耐える、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備
えるプラスチック光伝送体を提供するものである。更
に、本発明の屈折率分布型光学樹脂材料は、光ファイバ
ーのみならず平板型やロッド型のレンズとしても利用可
能である。その場合、中心部から周辺部への屈折率変化
を低くするか高くするかにより、凸レンズ及び凹レンズ
として機能させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 徳英 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (56)参考文献 国際公開94/15005(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 WPI/L(QUESTEL)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にC−H結合を有しない非結晶性
    の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との
    比較において屈折率の差が0.001以上である少なく
    とも1種類の物質(b)とからなり、含フッ素重合体
    (a)中に物質(b)が特定の方向に沿って濃度勾配を
    有して分布している屈折率分布型光学樹脂材料におい
    て、含フッ素重合体(a)が含フッ素ポリエーテル、含
    フッ素芳香族ポリエステル、含フッ素芳香族ポリカーボ
    ネートおよび含フッ素ポリイミドから選ばれる少なくと
    も1種であることを特徴とする屈折率分布型光学樹脂材
    料。
  2. 【請求項2】 含フッ素ポリエーテルが下記(I)およ
    び/または(II)式で表される構造単位を有する含フッ
    素ポリエーテルである請求項1に記載の光学樹脂材料。 −CFCF(CF )O− (I) −(CFO− (ただし、n=1〜3) (II)
  3. 【請求項3】 含フッ素ポリエーテル(a)が主鎖にト
    リアジン環構造を有する含フッ素ポリエーテルである請
    求項1または2に記載の光学樹脂材料。
  4. 【請求項4】 含フッ素芳香族ポリエステルが下記(II
    I)または(IV)式で表される構造単位を有し、含フッ
    素芳香族ポリカーボネートが下記(V)式で表される構
    造単位を有するものである請求項1に記載の光学樹脂材
    料。 【化1】 式中、R1、R2は 【化2】 から選ばれ、R1とR2は各々同一であっても異なってい
    てもよい。ここで、Rfはフッ素原子、パーフルオロア
    ルキル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロアル
    コキシシリル基およびパーフルオロフェノキシ基から選
    ばれ、これらは各々同一であっても異なっていてもよ
    い。Yは、 【化3】 から選ばれる。ここで、R'fはパーフルオロアルキレン
    基、パーフルオロアリーレン基から選ばれ、これらは各
    々同一であっても異なっていてもよい。rは1〜10の
    整数である。また、Yと2つのRfが炭素をはさんで環
    を形成してもよく、その場合、環は飽和環でも不飽和環
    でもよい。
  5. 【請求項5】 含フッ素ポリイミドが下記(VI)式で表
    される構造単位を有するものである請求項1に記載の光
    学樹脂材料。 【化4】 上記(VI)式において、R3は 【化5】 から選ばれ、R4は 【化6】 から選ばれる。ここで、Rfはフッ素原子、パーフルオ
    ロアルキル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロ
    アルコキシシリル基、パーフルオロフェノキシ基から選
    ばれ、これらは各々同一であっても異なっていてもよ
    い。Yは、 【化7】 から選ばれる。ここで、R'fはパーフルオロアルキレン
    基、パーフルオロアリーレン基から選ばれ、これらは各
    々同一であっても異なっていても良い。rは1〜10の
    整数である。また、Yと2つのRfが炭素をはさんで環
    を形成してもよく、その場合、環は飽和環でも不飽和環
    でもよい。
  6. 【請求項6】 光学樹脂材料が屈折率分布型光ファイバ
    ーである請求項1、2、3、4または5に記載の光学樹
    脂材料。
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