JP4682394B2 - 光学樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の屈折率調整物質を含む非結晶性含フッ素重合体からなる光学樹脂組成物、その材料を用いた光伝送体(特にプラスチック光伝送ファイバ)、および、屈折率調整物質としての新規な化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より非結晶性含フッ素重合体は、電気特性、耐薬品性、防水性、撥水撥油性、光学特性に優れるため、半導体をはじめとする電子部品の保護膜、インクジェットプリンタのヘッドの撥水膜、フィルタの防水防油コート、プラスチック光ファイバなどに用いられている。この重合体は単独で利用されることもあるが、各種の添加剤、改質剤などを混合され、新たな機能を付加する試みもなされている。しかし、非結晶性含フッ素重合体は極性基を通常有しないことより、この含フッ素重合体に対する低分子量化合物の溶解性は低い。そのため、非結晶性含フッ素重合体に低分子量化合物を配合して均一に混合させることが困難な場合が少なくなく、非結晶性含フッ素重合体が本来有している電気的特性、機械的特性、表面特性および透明性などの優れた特性を損なわれることがしばしばある。
【0003】
一方、C−H結合を有しない非結晶性含フッ素重合体をマトリックスとし、この含フッ素重合体に溶融拡散可能な屈折率調整物質をマトリックス中に分布させて得られる屈折率分布型プラスチック光伝送ファイバが知られている(特開平8−5848号公報参照)。この屈折率分布型プラスチック光伝送ファイバは、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリノルボルネン樹脂などの樹脂をマトリックスとするプラスチック光伝送ファイバでは達し得なかった波長1300nmや1550nmにおいて低損失であることが知られている。なお、以下プラスチック光伝送ファイバをPOFという。また、光伝送ファイバを光ファイバともいう。
【0004】
上記屈折率分布型POFにおいて、非結晶性含フッ素重合体に屈折率調整物質を配合すると組成物のガラス転移温度(Tg)が低下して耐熱性が低下する問題がある。特に屈折率調整物質がクロロトリフルオロエチレンの5〜8量体であるオリゴマー(屈折率1.41)などのように屈折率があまり高くない屈折率調整物質を用いたPOFにおいては、開口数NA[NA=(n2 −m2 1/2 、nは屈折率分布型光学樹脂材料中の屈折率の最大値、mは屈折率分布型光学樹脂材料中の屈折率の最小値。]を大きくするために屈折率調整物質の配合量を多くする必要がある。一方、このオリゴマーのTgは約−60℃と低く、室温では液状であるため、NAを大きくしようとして配合量を多くするにつれて組成物のTgが低下し、POFが高温に曝されたときに屈折率分布や光伝送性能が変化しやすくなる。そのためTgが低くかつ屈折率があまり高くない屈折率調整物質を配合することは、NAを大きくできないという問題が生じる。
【0005】
また、特開平8−5848号公報記載のジブロモテトラフルオロベンゼンやクロロヘプタフルオロナフタレンなどの高屈折率の屈折率調整物質は、比較的少量の配合で充分な開口数NAを得ることができる。しかし、この屈折率調整物質もまた組成物のTgを下げる作用が強く、耐熱性が充分高いPOFを得ることは困難である。
【0006】
特開平11−167030号公報には上記耐熱性に関する問題点を解決するための新たな屈折率調整物質が記載されている。しかし具体的に記載されている屈折率調整物質は非結晶性含フッ素重合体に対する相溶性が必ずしも十分でない。屈折率調整物質が含フッ素重合体に完全に溶解していないと光散乱の要因となり、POFの光伝送損失が増加する原因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記耐熱性の問題と相溶性の問題を同時に解決した、非結晶性含フッ素重合体に配合する屈折率調整物質に関するものであり、非結晶性含フッ素重合体の優れた透明性を損なうことなく、従来の光学樹脂組成物が有する課題を解決し、耐熱性が向上し、かつ光伝送損失が低い光学樹脂組成物を提供することを目的とする。また、そのような特性を有する光学樹脂組成物からなる光伝送体、特にPOFの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記耐熱性の問題と相溶性の問題を同時に解決した、非結晶性含フッ素重合体に配合する屈折率調整物質に関する。この屈折率調整物質は、特開平11−167030号公報に記載されている範疇の屈折率調整物質の中から選択された、非結晶性含フッ素重合体に対する相溶性が特に優れた化合物である。
【0009】
本発明は、この屈折率調整物質に係る以下の発明である。
すなわち、ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)およびペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)から選ばれた少なくとも1種の含フッ素多環式化合物(B)を含む、実質的にC−H結合を有しない非結晶性含フッ素重合体(A)からなる光学樹脂組成物、である。
【0010】
また、上記光学樹脂組成物からなる光伝送体、である。
また、屈折率分布型プラスチック光伝送ファイバ製造用プリフォームまたは屈折率分布型プラスチック光伝送ファイバから選ばれる光学樹脂成形体であって、マトリックスが実質的にC−H結合を有しない非結晶性含フッ素重合体(A)であり、屈折率調整物質がペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)およびペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)から選ばれた少なくとも1種の含フッ素多環式化合物(B)であることを特徴とする光学樹脂成形体、である。
【0011】
なお、ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)は公知の化合物であるが、ペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)は新規化合物である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における含フッ素多環式化合物(B)は屈折率調整物質である。含フッ素多環式化合物(B)を含む含フッ素重合体(A)からなる本発明の光学樹脂組成物は光学樹脂製品の原材料を意味するばかりでなく、光学樹脂製品における樹脂組成物そのものをも意味する。また、本発明の光学樹脂組成物は、含フッ素多環式化合物(B)が含フッ素重合体(A)の全体にわたって均一に分布した状態にあるものばかりでなく、含フッ素多環式化合物(B)が含フッ素重合体(A)中に不均一に分布している状態にあるものをも意味する。
【0013】
本発明の光伝送体とは、光を光学樹脂組成物中に通過させて伝送する機能を有する部材をいう。光伝送体は、プラスチック光伝送ファイバに限られるものではなく、例えば、ロッドレンズ、光導波路、光分岐器、光合波器、光分波器、光減衰器、光スイッチ、光アイソレータ、光送信モジュール、光受信モジュール、カプラ、偏向子、光集積回路などのそのものやその光伝送部分をいう。これら光伝送体の光を伝送する部分は、後述する屈折率分布構造を有するもの(以下屈折率分布型という)であることが好ましい。すなわち、含フッ素重合体(A)中に含フッ素多環式化合物(B)が光伝送体の光伝送路の中心軸から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している屈折率分布型光伝送体であることが好ましい。本発明の光伝送体としては特にPOF、特に屈折率分布型POF、が好ましい。
【0014】
本発明の光学樹脂成形体は、屈折率分布型POF製造用プリフォームまたは屈折率分布型POFである。含フッ素重合体(A)と屈折率調整物質を用いて屈折率分布型POF(および、それを製造するためのプリフォーム)を製造する方法は前記特開平8−5848や特開平11−167030号公報などに記載されている。これら公報記載の屈折率調整物質の代わりに含フッ素多環式化合物(B)を使用して、これら公報記載の方法で屈折率分布型POFを製造できる。同様にこれら公報記載の方法で屈折率分布型POF製造用プリフォームを製造できる。
【0015】
周知のように屈折率分布型光ファイバは中心軸部分の屈折率が最大で中心軸から周辺方向に沿って屈折率が徐々に(通常二次曲線に沿って)低下する構造を有する。このような屈折率分布を形成する方法の一つとして拡散法が知られている。拡散法は、マトリックス中でマトリックスと異なる屈折率を有する屈折率調整物質を中心軸から周辺方向に沿って(屈折率調整物質がマトリックスよりも高屈折率である場合)拡散させることにより上記屈折率分布を形成する方法である。マトリックス中の屈折率調整物質の濃度が高い部分が高屈折率でその濃度が低下するほど低屈折率となる。
【0016】
本発明の光伝送体は、屈折率分布型光伝送体であることが好ましい。すなわち、光伝送体の光が通過する光伝送路において、含フッ素重合体(A)中に含フッ素多環式化合物(B)が光伝送路の中心軸から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している屈折率分布型光伝送体であるのが好ましい。この屈折率分布は屈折率調整物質である含フッ素多環式化合物(B)をマトリックスである含フッ素重合体(A)中に拡散させることにより形成される。例えば、光伝送路の中心軸となる部分にある濃度で含フッ素多環式化合物(B)を存在させ、その含フッ素多環式化合物(B)を熱拡散させて中心軸から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を形成する。
【0017】
本発明の光学樹脂成形体は上記拡散法で形成された屈折率分布型の光学樹脂成形体であることが好ましい。この方法による光学樹脂成形体の製造方法は前記特開平8−5848や特開平11−167030号公報などに記載されている。特に回転成形により屈折率分布型POF製造用プリフォーム(以下、単にプリフォームという)を製造し、プリフォームから紡糸してPOFとする方法が好ましい。含フッ素多環式化合物(B)の拡散はプリフォーム製造工程、プリフォームを加熱維持して拡散を行う工程、プリフォームからの紡糸工程、またはそれら工程の2以上の工程で行い得る。また含フッ素多環式化合物(B)の拡散を行いながら押出し紡糸を行って光ファイバを1段で製造することもできる(WO94/04949公報記載の方法参照)。この拡散を行いながら押出しする方法で屈折率分布型のプリフォームを製造することもできる。
【0018】
上記のようにプリフォームは必ずしも屈折率分布を有していなくてもよく、含フッ素多環式化合物(B)の拡散工程前のものであってよい。この場合、含フッ素多環式化合物(B)は中心軸部分のみに存在する。このプリフォームを加熱状態に維持して含フッ素多環式化合物(B)を拡散させ屈折率分布を有するプリフォームとし得る。しかし通常はプリフォームの成形工程において拡散も行い屈折率分布を有するプリフォームとする。プリフォームの形状は通常円柱状である。しかし形状はこれに限られず、回転成形で通常得られる孔の径がごく小さい円筒状のものであってもよい。円筒状プリフォームではその内表面に含フッ素多環式化合物(B)を存在させてそこから外表面方向に拡散させて屈折率分布を形成し得る。円筒状プリフォームの孔を潰しながら紡糸を行ってPOFとし得る。
【0019】
本発明の光学樹脂組成物において、含フッ素多環式化合物(B)は含フッ素重合体(A)中に完全に溶解し、不溶解物がなくまたミクロな相分離構造が生じないないことが好ましい。不溶解物やミクロ相分離構造が存在すると、その部分が光散乱の要因となる。したがって、含フッ素多環式化合物(B)は含フッ素重合体(A)中にその飽和溶解度量以下で存在することが好ましく、含フッ素多環式化合物(B)が部分的に高濃度に存在する場合であってもその高濃度部分に不溶解物がないことが好ましい。
【0020】
含フッ素重合体(A)の種類にもよるが、含フッ素重合体(A)と含フッ素多環式化合物(B)の合計に対する含フッ素多環式化合物(B)の割合が約15質量%でも充分均一に溶解する。したがって、本発明光学樹脂組成物における含フッ素重合体(A)と含フッ素多環式化合物(B)の合計に対する含フッ素多環式化合物(B)の割合は15質量%以下、特に10質量%以下が好ましい。この割合は組成物全体における平均の存在割合を意味するとともに、含フッ素多環式化合物(B)が不均一に存在している場合であってもその最大存在部分が上記割合の上限以下であることを意味する。より好ましい最大存在部分の割合の下限は0.1質量%、特に1質量%、である。
【0021】
含フッ素多環式化合物(B)が含フッ素重合体(A)中に均一に存在している場合、または不均一に存在している場合に組成物全体に平均して存在すると仮定して計算した場合、その割合の下限は0.001質量%であることが好ましい。なお、含フッ素重合体(A)に対する含フッ素多環式化合物(B)の溶解性が高いことはまた含フッ素多環式化合物(B)が含フッ素重合体(A)に対して屈折率分布を形成するに十分な拡散性を有していることも意味している。
【0022】
屈折率分布型光伝送体とするためには、マトリックスと屈折率調整物質との屈折率の差は0.005以上である必要があり、0.01以上であることが好ましい。含フッ素重合体(A)の屈折率は、その種類にもよるが、通常1.25〜1.35であり、含フッ素多環式化合物(B)の屈折率は約1.47である。したがって、両者は屈折率分布を形成するに充分の屈折率差を有する。また、屈折率差が大きいことより、含フッ素重合体(A)に対する含フッ素多環式化合物(B)の割合が最大存在部分において10質量%以下であっても充分な屈折率分布を形成し得る。
【0023】
また、含フッ素多環式化合物(B)のTgは−45℃であり、従来の屈折率調整物質に比較して比較的高いTgを有している。したがって、含フッ素多環式化合物(B)は含フッ素重合体(A)のTgを低下させる作用が少ない。よって、含フッ素多環式化合物(B)は、光学樹脂組成物に対する割合を少なくでき、かつ、本発明の光学樹脂組成物のTgの低下は少なく、耐熱性の良好な光伝送体が得られる。
【0024】
以下、本発明における含フッ素重合体(A)および含フッ素多環式化合物(B)について説明する。
本発明における含フッ素重合体(A)は、非結晶性であり、かつ近赤外光で光吸収が起こるC−H結合を実質的に有しない重合体である。含フッ素重合体(A)としては、C−H結合を有しない非結晶性含フッ素重合体であれば特に限定されないが、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体が好ましい。
【0025】
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するとは、脂肪族環を構成する炭素原子の1以上が主鎖を構成する炭素連鎖中の炭素原子であり、かつ脂肪族環を構成する炭素原子の少なくとも一部にフッ素原子またはフッ素含有基が結合している構造を有することを意味する。脂肪族環の環を構成する原子としては、炭素原子以外に酸素原子や窒素原子を含んでいてもよい。含フッ素脂肪族環構造としては、含フッ素脂肪族エーテル環構造がさらに好ましい。
【0026】
含フッ素重合体(A)の溶融状態における粘度は、溶融温度200〜300℃において102 〜104 Pa・sが好ましい。溶融粘度が高すぎると溶融紡糸が困難なうえ、屈折率分布の形成に必要な、含フッ素多環式化合物(B)の拡散が起こりにくくなり屈折率分布の形成が困難になる。また、溶融粘度が低すぎると実用上問題が生じる。すなわち、電子機器や自動車等での光伝送体として用いられる場合に高温に曝され軟化し、光の伝送性能が低下する。
【0027】
含フッ素重合体(A)の数平均分子量は1×104 〜5×106 が好ましく、5×104 〜1×106 がより好ましい。分子量が小さすぎると耐熱性を阻害することがあり、大きすぎると屈折率分布を有する光伝送体の形成が困難になる。
【0028】
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、含フッ素環構造を有する単量体を重合して得られるものや、2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素単量体を環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
【0029】
含フッ素脂肪族環構造を有する単量体を重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特公昭63−18964などにより知られている。すなわち、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素脂肪族環構造を有する単量体を単独重合することにより、またこの単量体とテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)などのラジカル重合性単量体とを共重合させることにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0030】
また、2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素単量体を環化重合して得られる、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−238111号公報や特開昭63−238115号公報などにより知られている。すなわち、ペルフルオロ(アリルビニルエーテル)やペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などを環化重合することにより、またはこのような単量体とテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)などのラジカル重合性単量体とを共重合させることにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0031】
また、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含フッ素脂肪族環構造を有する単量体とペルフルオロ(アリルビニルエーテル)やペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ素単量体とを共重合させることによっても主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0032】
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体の全モノマー単位に対して含フッ素脂肪族環構造を有するモノマー単位を20モル%以上、特には40モル%以上含有するものが透明性、機械的特性などの面から好ましい。また、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、重合当初の重合体は末端に不安定な官能基を有していることが少なくないことより、重合体製造後、重合体をフッ素でフッ素化する末端安定化処理を行ったものを用いることが好ましい。
【0033】
上記の含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、具体的には以下の化学式から選ばれるモノマー単位を有するものが例示される。下記式1および式2は含フッ素環構造を有する単量体の重合により形成されるモノマー単位の例である。下記式3および式4は重合性二重結合を2個有する含フッ素単量体の環化重合により形成されるモノマー単位の例である。
【0034】
下記式1〜4において、X1 〜X10はそれぞれ独立にフッ素原子またはペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルコキシ基を表わし、フッ素原子の一部は塩素原子で置換されていてもよく、またペルフルオロアルキル基やペルフルオロアルコキシ基におけるフッ素原子の一部は塩素原子で置換されていてもよい。ペルフルオロアルキル基やペルフルオロアルコキシ基における炭素数は1〜5が好ましく、特に1が好ましい。Zは酸素原子、単結合または−OC(R9 10)O−を表す。好ましいZは酸素原子である。
【0035】
1 〜R10はそれぞれ独立にフッ素原子、ペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルコキシ基を表わし、フッ素原子の一部は塩素原子で置換されていてもよく、またペルフルオロアルキル基およびペルフルオロアルコキシ基におけるフッ素原子の一部は塩素原子で置換されていてもよい。ペルフルオロアルキル基およびペルフルオロアルコキシ基における炭素数は1〜5が好ましく、特に1が好ましい。また、R1 とR2 およびR3 とR4 はそれぞれ共同して含フッ素脂肪族環を形成していてもよく、pやqが2以上の場合、異なる置換メチレン基に結合している置換基は同様に共同して含フッ素脂脂肪族環を形成していてもよい。例えば、R1 とR2 は共同して炭素数2〜6のペルフルオロアルキレン基を表わしてもよい。
【0036】
pは1〜4の整数を、qは1〜5の整数を、s、tはそれぞれ独立に0〜5でかつs+tが1〜6の整数(ただし、Zが−OC(R9 10)O−の場合はs+tは0であってもよい)を表す。ただし、p、q、s、tが2以上の整数の場合、その数で規定された複数の置換メチレン基における置換基の種類は異なっていてもよい。例えば、pが2の場合、2つのR1 は異なっていてもよく、2つのR2 も同様に異なっていてもよい。好ましいpは1または2、好ましいqは2である。sとtはそれぞれ0〜4でかつs+tが1〜4である整数が好ましい。
【0037】
【化1】
Figure 0004682394
【0038】
式1で表されるモノマー単位を形成する単量体としては、下記式5で表される含フッ素脂肪族環構造を有する単量体(pが1のもの)と下記式6で表される含フッ素脂肪族環構造を有する単量体(pが2のもの)が好ましい。また、式2で表されるモノマー単位を形成する単量体としては、下記式7で表される含フッ素脂肪族環構造を有する単量体(qが2のもの)が好ましい。下記式においてR11、R12は前記R1 と同じものを、R21、R22は前記R2 と同じものを、R31、R32はR3 と同じものを、R41、R42はR4 と同じものを表す。また、前記したように、R11とR22、R31とR42とはそれぞれ共同して含フッ素脂肪族環を形成してもよい。
【0039】
式5〜式7で表される化合物としては、X1 〜X4 がいずれもフッ素原子、R1 、R2 、R11、R12、R21、R22、R31、R32、R41、R42がそれぞれ独立にフッ素原子、トリフルオロメチル基またはクロロジフルオロメチル基である化合物が好ましい。最も好ましい化合物はX1 、X2 がいずれもフッ素原子で、R1 とR2 がいずれもトリフルオロメチル基である化合物[すなわち、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)]である。
【0040】
【化2】
Figure 0004682394
【0041】
好ましい式5〜式7で表される化合物の具体例としては、下記に示す化合物が挙げられる。
【0042】
【化3】
Figure 0004682394
【0043】
式3および式4で表されるモノマー単位を環化重合により形成する重合性二重結合を2個有する含フッ素単量体としては、下記式8で表される含フッ素脂肪族環構造を有する単量体がある。式8で表される化合物としては、Zは酸素原子または−OC(R9 10)O−、sは0または1、tは0〜4でかつs+tは1〜4(ただし、Zが−OC(R9 10)O−の場合は0であってもよい)、X5 〜X10がいずれもフッ素原子であるかまたは多くとも2個以内が塩素原子、トリフルオロメチル基もしくはクロロジフルオロメチル基で他がフッ素原子、R5 〜R10がそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子(ただし多くとも炭素原子1個に付き1個結合)、トリフルオロメチル基またはクロロジフルオロメチル基である化合物が好ましい。
【0044】
【化4】
Figure 0004682394
【0045】
式8で表される化合物としては、下記式9〜式11で表される化合物が好ましい。下記式9で表される化合物は、式8において、Zが酸素原子、sが0、tが1である化合物であり、下記式10で表される化合物は、式8において、Zが酸素原子、sが0、tが2である化合物であり、式11で表される化合物は、式8において、Zが−OC(R9 10)O−、s、tがいずれも0である化合物である。
【0046】
式9で表される化合物において、X5 〜X10はすべてフッ素原子であるか、またはその1〜2個(ただし、X5 〜X7 の多くとも1個かつX8 〜X10の多くとも1個)が塩素原子で他がフッ素原子であることが好ましい。R7 とR8 はすべてフッ素原子であるか、一方が塩素原子もしくはトリフルオロメチル基であり、他方がフッ素原子であることが好ましい。最も好ましい式9で表される化合物はX5 〜X10、R7 、R8 のすべてがフッ素原子である化合物[すなわち、ペルフルオロ(アリルビニルエーテル)]である。
【0047】
式10で表される化合物において、X5 〜X10はすべてフッ素原子であるか、またはその1〜2個(ただし、X5 〜X7 の多くとも1個かつX8 〜X10の多くとも1個)が塩素原子で、他がフッ素原子であることが好ましい。R71、R72、R81、R82はすべてフッ素原子であるか、または多くとも2個が塩素原子もしくはトリフルオロメチル基であり、他がフッ素原子であることが好ましい。最も好ましい式10で表される化合物はX5 〜X10、R71、R72、R81、R82のすべてがフッ素原子である化合物[すなわち、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)]である。
【0048】
式11で表される化合物において、X5 〜X10はすべてフッ素原子であるか、またはその1〜2個(ただし、X5 〜X7 の多くとも1個かつX8 〜X10の多くとも1個)が塩素原子で、他がフッ素原子であることが好ましい。R9 とR10はすべてフッ素原子であるか、一方が塩素原子もしくはトリフルオロメチル基であり、他方がフッ素原子であることが好ましい。最も好ましい式11で表される化合物はX5 〜X10、R9 、R10のすべてがフッ素原子である化合物[すなわち、ペルフルオロ{ビス(ビニルオキシ)メタン)}]である。
【0049】
【化5】
Figure 0004682394
【0050】
式9〜11で表される化合物の具体例としては、以下の化合物などが挙げられる。
【0051】
【化6】
Figure 0004682394
【0052】
含フッ素多環式化合物(B)の内ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)は公知の化合物であり、Zh.Org.Khim.,13,1911(1977)に記載されている。しかしそこに記載されている製造方法はペルフルオロシクロヘキサジエンのごとき特殊な試薬を用いて合成する方法であり、原料自体の入手や合成が困難であるなどの問題がある。一般的な含フッ素多環式化合物の製造方法としては、Zh.Org.Khim.,13,1911(1977)記載の方法があるが、ペルフルオロシクロヘキサジエンのごとき特殊な試薬を用いて合成する方法があり、原料自体の入手や合成が困難な方法である。また、Tetrahedron,30,3499(1974) 記載の、炭化水素の芳香族化合物の水素原子を、KCoF4 を用いてフッ素化してペルフルオロの飽和型化合物にした後、酸化鉄を用いて300〜400℃の高温化にて脱フッ素化を行ない含フッ素多環式化合物を得る方法が知られている。しかしこの方法も、高温反応装置を必要とし、かつ発生するフッ素ガスの捕集が困難であるという問題がある。
【0053】
また、Polym.Prepr.,Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Chem.,7,1077(1966)には、金属銅を用い、2種の臭素化合物からUllmann 型のクロスカップリングによりペルフルオロ−m−ターフェニルを製造する方法が記載されている。しかしこの方法により、ペルフルオロ(トリフェニルベンゼン)を製造すると、本質的に少なからぬホモカップリング体が副生し、目的物とさほど極性および構造等の違わないそれら副生物を目的物から分離することが極めて困難であるという問題がある。
【0054】
具体的には、カッパーブロンズ存在下に1,2,4−トリブロモ−3,5,6−トリフルオロベンゼンとペンタフルオロブロモベンゼンをジメチルホルムアミド中でクロスカップリングすることにより目的物を製造することができた。しかし、生成物は目的物のペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)の他に、ブロモペンタフルオロベンゼンがホモカップリングしたペルフルオロビフェニル、および1,2,4−トリブロモ−3,5,6−トリフルオロベンゼンがホモカップリングしたタール状の化合物が大量に生成した。これらの混合物から目的のペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)を単離するためには、再結晶、カラムクロマトグラフィー、昇華等を繰り返し行なわなければならず、結局収率は20%以下にまで低下した。
【0055】
本発明者は、トリハロ置換トリフルオロベンゼン(ただし、トリハロ置換とは、臭素原子およびヨウ素原子から選ばれた少なくとも1種のハロゲン原子3個が水素原子と置換されていることをいう)とペンタフルオロフェニル銅を極性溶媒中で反応させることにより、ホモカップリング体をほとんど副生することなく目的物のペルフルオロ(トリフェニルベンゼン)を高選択的にかつ高収率で製造し得ることを見出した。ここにおけるトリハロ置換トリフルオロベンゼンとしては、1,3,5−トリブロモ−2,4,6−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリブロモ−3,5,6−トリフルオロベンゼン、1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリヨード−3,5,6−トリフルオロベンゼン、およびそれらの2種以上の混合物が好ましい。これらの化合物の中では目的物の収率の面で特にトリヨード化合物が好ましい。
【0056】
トリハロ置換トリフルオロベンゼンに対するペンタフルオロフェニル銅の量は、3倍モル以上であればよく、3〜10倍モルが適当で、特に3〜4倍モルが好ましい。反応温度が低すぎると反応時間を要し、高すぎると副反応が起き易くなることより、10〜160℃が適当で、特に40〜100℃が好ましい。
【0057】
極性溶媒としては、特に限定されるものではないが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(以下、THFという)、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン系極性溶媒が好ましい。極性溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、トリハロ置換トリフルオロベンゼンに対し3〜20倍質量が適当である。
【0058】
反応終了後、溶媒と無機物を除去することによりほぼ純粋な目的物が得られ、ペルフルオロビフェニルなどの副生物は通常10質量%以下である。また、Ullmann 型のカップリングでは今まで避けられなかったタール状成分がほとんど副生しないため、目的物単離のためのハンドリングも容易である。こうして得られた粗結晶は、再結晶をすることで容易に純度を上げることができる。再結晶溶媒は特に制限されないが、トルエン、ヘキサン、ペルフルオロ系有機溶媒等が好ましい。
【0059】
一方、ペンタフルオロフェニル銅は、ペンタフルオロブロモベンゼンを極性溶媒中で、エチルマグネシウムブロマイドなどのアルキルマグネシウムブロマイドや金属マグネシウム等とのグリニヤー交換反応により、ペンタフルオロフェニルマグネシウムブロマイドとした後、この反応系に臭化銅(CuBr)を添加し反応させて製造し得る。前段の反応において、極性溶媒としては前記の極性溶媒を使用し得る。ペンタフルオロフェニルマグネシウムブロマイドが生成した反応系に、ついで臭化銅を添加して反応させる。この反応は発熱の大きい反応であり、反応温度が上がりすぎると分解などの副反応を生じやすくなるため、副反応を抑制するために反応温度を低めに抑えることが好ましい。具体的には−20〜+40℃が適当で、特に0〜+10℃で行なうのが好ましい。臭化銅を分割添加し、かつ反応温度を上記範囲に維持しながら反応を行うことが好ましい。臭化銅の量は出発ペンタフルオロブロモベンゼンに対して1〜10倍モルが適当であり、特に2〜5倍モルが好ましい。
【0060】
本発明の光伝送体、特に屈折率分布型POFは、波長600〜1600nmで、100mの伝送損失が5db以下(即ち50dB/km以下)とすることができる。波長600〜1600nmという比較的長波長において、このような低レベルの伝送損失であることはきわめて有利である。すなわち、石英光ファイバと同じ波長を使えることから、石英光ファイバとの接続が容易であり、また波長600〜1600nmよりも短波長を使わざるをえない従来のPOFに比べ、安価な光源ですむ利点がある。
【0061】
光伝送体の伝送特性において、上記伝送損失とともに重要な特性として伝送帯域がある。大量の情報を高速で伝送するために伝送帯域が広いことが望まれる。現在、長距離通信において用いられている石英系シングルモードファイバは伝送帯域が数10GHz・kmの広い伝送帯域を有する。
【0062】
一方、POFはファイバ径が太く光源・受光素子との接続またはファイバ同士の接続が容易なことから安価な短距離通信システムの構築への期待が高まっている。通常のステップインデックス型POFは伝送帯域は数MHz・km程度と狭い。これを解決するために、本発明のような伝送帯域のより広い屈折率分布型POFにおいては、屈折率分布が熱的に安定でないと、結果として伝送帯域が低下する。本発明の屈折率分布型POFは耐熱性が飛躍的に向上しているので、屈折率分布の熱的な安定性が高く、室温以上の高温に長期間曝された場合においても、伝送帯域の低下を防止できる。
【0063】
本発明の光学樹脂組成物の用途は前記したような光伝送体用途に限られるものではない。例えば、本発明の光学樹脂組成物からなるフィルムやシートは透明性の高いフッ素樹脂製のフィルムやシートとして有用である。例えば厚さ100μm〜数mmのフィルムの可視光線(波長400〜700nm)透過率は90%以上である。また本発明の含フッ素樹脂組成物は波長300nm以下の紫外線を吸収するため、各種の紫外線遮蔽フィルムとして利用し得る。さらに、KrFやArFなどのエキシマレーザによるレーザアブレーションを利用したマイクロパターンの形成用材料としても利用できる。マイクロパターン形成用材料としての応用例としては、例えば半導体素子製造工程における半導体の保護膜や層間絶縁膜、インクジェットプリンタヘッドのインク吐出口を形成する撥水膜、などがある。
【0064】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下の例において、例1〜3は含フッ素重合体(A)の合成例、例4〜例8は含フッ素多環式化合物(B)の合成例、例9〜20は実施例、例21〜25は比較例である。部は質量部を表す。
【0065】
(例1)
750gのペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)[以下、PBVEという]、4kgのイオン交換水、260gのメタノールおよび3.7gのジイソプロピルペルオキシジカーボネートを、内容積5Lのガラスフラスコに入れた。系内を窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行い、数平均分子量約5×104 の重合体を690g得た。この重合体をフッ素/窒素混合ガス(フッ素ガス濃度20容量%)雰囲気中で250℃、5時間加熱処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下、重合体Aという)を得た。
【0066】
重合体Aの固有粘度[η]は、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)[以下、PBTHFという]中30℃で0.3であった。重合体AのTgは108℃であり、室温では強靱で透明なガラス状重合体であった。また屈折率は1.342であった。
【0067】
(例2)
PBVEを173g、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)[以下、PDDという]を27g、PBTHFを200g、重合開始剤としてジイソプロピルペルオキシジカーボネートを2g、内容積1Lのステンレス製オートクレーブに入れた。系内を窒素で置換した後、40℃で20時間重合を行い、数平均分子量約1.5×105 の透明な重合体20gを得た。この重合体をフッ素/窒素混合ガス(フッ素ガス濃度20容量%)雰囲気中で250℃、5時間加熱処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下、重合体Bという)を得た。重合体BのTgは150℃、屈折率は1.325であった。
【0068】
(例3)
PDDとテトラフルオロエチレンを質量比80:20で、PBTHFを溶媒として用いてラジカル重合し、Tgが160℃で数平均分子量が約1.7×105 の重合体を得た。この重合体をフッ素/窒素混合ガス(フッ素ガス濃度20容量%)雰囲気中で250℃、5時間加熱処理することにより光透過性および熱安定性の良好な重合体(以下、重合体Cという)を得た。重合体Cは無色透明であり、屈折率は1.305であった。
【0069】
(例4)
[1,3,5−トリブロモ−2,4,6−トリフルオロベンゼンの合成例]
温度計、滴下ロート、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器のついた1Lガラスフラスコに、96%硫酸400gと1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン195g(0.682mol)を入れて撹拌した。フラスコを氷浴で冷却した後、1,3,5−トリフルオロベンゼン50g(0.379mol)を滴下ロートから滴下した。発熱があるため内温33〜37℃を保つように1時間かけて滴下を行なった。滴下終了後、水浴で50℃に加温しさらに3時間撹拌を続けた。
【0070】
この反応液にジクロロペンタフルオロプロパン(商品名「AK225」:旭硝子(株)製。以下、R225という)を500ml加えて撹拌すると均一赤色溶液になるので、その混合液を水1Lを入れた2Lビーカー中に撹拌しながら注ぎ込んだ。下層の有機相を水1Lで3回水洗した後、硫酸マグネシウムで一晩乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過で取り除いた後、エバポレーターで余分なR225を除去し、R225の100mlから再結晶を行ない淡黄色の結晶を得た。ガスクロマトグラフ、マススペクトルの結果、純度98%の1,3,5−トリブロモ−2,4,6−トリフルオロベンゼン85g(収率61%)であることを確認した。
【0071】
(例5)
[1,2,4−トリブロモ−3,5,6−トリフルオロベンゼンの合成例]
温度計、単蒸留抜き出し器の付いた500mlのガラス反応容器に、2,4,5−トリフルオロ安息香酸176g(1.0mol)とトリオクチルアミン212g(0.6mol)と沸石を入れ、マントルヒーターにて加熱した。内温を220〜240℃に保つと徐々に冷却器から透明液体が留出してくるのでこれをフラスコに捕集した。10時間反応を続けた後、捕集した90gの液体を単蒸留し、沸点90℃の留分を集めた。GC−MSで分析した結果、この留分は純度95.6%の1,2,4−トリフルオロベンゼンであることを確認した。収量は85g(収率64.4%)であった。
【0072】
つぎに、温度計、滴下ロート、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器のついた1Lガラスフラスコに、96%硫酸400gと1,3,−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン195g(0.682mol)を入れて撹拌した。フラスコを氷浴で冷却した後、先に合成した1,2,4−トリフルオロベンゼン50g(0.379mol)を滴下ロートから滴下した。発熱があるため内温33〜37℃を保つように1時間かけて滴下を行なった。滴下終了後、水浴で50℃に加温しさらに3時間撹拌を続けた。
【0073】
この反応液にR225を500ml加えて撹拌すると均一赤色溶液になるので、その混合液を水1Lを入れた2Lビーカー中に撹拌しながら注ぎ込んだ。下層の有機相を水1Lで3回水洗した後、硫酸マグネシウムで一晩乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過で取り除いた後、エバポレーターで余分なR225を除去し、R225の100mlから再結晶を行ない淡黄色の結晶を得た。ガスクロマトグラフ、マススペクトルの結果、純度96%の1,2,4−トリブロモ−3,5,6−トリフルオロベンゼン78g(収率56%)であることを確認した。
【0074】
(例6)
[1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリフルオロベンゼンの合成例]
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器、滴下ロートの付いた2Lガラスフラスコに、室温にて、ヨウ素577g(2.27mol)、60%発煙硫酸1000gを仕込み、ここに滴下ロートより1,3,5−トリフルオロベンゼン100g(0.76mol)をゆっくり滴下した。全量を仕込んだ後、反応器内温を60〜70℃に保ち、18時間そのまま撹拌を続けた。その後室温まで冷却し、反応液を氷水にゆっくり注ぎ込むと黒色の固体が析出した。過剰のヨウ素をチオ硫酸ナトリウム水溶液で処理した後、褐色固体をヘキサンから再結晶することにより338gの淡褐色針状結晶を得た。NMR、ガスクロマトグラフ、マススペクトルの結果、純度99.1%の1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリフルオロベンゼンであることを確認した。融点は155℃であった。収率は1,3,5−トリフルオロベンゼン基準で87%であった。
【0075】
(例7)
[1,2,4−トリヨード−3,5,6−トリフルオロベンゼンの合成例]
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器、滴下ロートの付いた2Lガラスフラスコに、室温にて、ヨウ素577g(2.27mol)、60%発煙硫酸1000gを仕込み、ここに滴下ロートより例5のごとき方法で合成した1,2,4−トリフルオロベンゼン100g(0.76mol)をゆっくり滴下した。
全量を仕込んだ後、反応器内温を60〜70℃に保ち、20時間そのまま撹拌を続けた。
【0076】
その後室温まで冷却し、反応液を氷水にゆっくり注ぎ込むと黒色の固体が析出した。過剰のヨウ素をチオ硫酸ナトリウム水溶液で処理した後、褐色固体をヘキサンから再結晶することにより285gの淡褐色針状結晶を得た。NMR、ガスクロマトグラフ、マススペクトルの結果、純度99.3%の1,2,4−トリヨード−3,5,6−トリフルオロベンゼンであることを確認した。収率は1,2,4−トリフルオロベンゼン基準で73%であった。
【0077】
(例8)
[ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)の合成例]
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器の付いた2Lガラスフラスコに、室温にて、銅粉(アルドリッチ社製カッパーブロンズ)310g(4.9mol)、ジメチルホルムアミド500ml、ブロモペンタフルオロベンゼン402g(1.6mol)、1,3,5−トリブロモ−2,4,6−トリフルオロベンゼン60g(0.16mol)を入れた。撹拌しながら、マントルヒーターでゆっくり加熱し昇温した。153℃で還流を3時間続けた後、反応液を濾過して濾液を回収した。さらに濾さいをアセトン500mlで洗い、濾液と混合した。混合液を水4Lに撹拌しながら投入すると固体が析出するのでこれを濾取し真空下室温で乾燥した。
【0078】
その後、この固体を昇華装置で60℃/400Paで昇華すると、純度99.8%のペルフルオロビフェニルが220g分別昇華され、さらに温度を140℃に上げて昇華される白色の固体をPBTHFから再結晶することにより19.0gの白色結晶を得た。あとには大量のタール成分が残った。NMR、ガスクロマトグラフ、マススペクトルの結果、純度99.9%のペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)であることを確認した。融点は152℃であった。収率は1,3,5−トリブロモ−2,4,6−トリフルオロベンゼン基準で18.5%と低かった。
【0079】
(例9)
[ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)の合成法]
ジムロートコンデンサ、熱電対温度計、滴下ロート、メカニカルスターラーの付いた2Lパイレックス製4つ口フラスコを窒素置換した。100rpmで撹拌しながら室温にてペンタフルオロブロモベンゼン148.2g(0.60mol)とTHF500mlをロートから仕込んだ。その後、氷水でフラスコを冷却し撹拌速度を500rpmに上昇させた。0.96mol/LのエチルマグネシウムブロマイドTHF溶液600ml(0.576mol)を滴下ロートに仕込み、フラスコ内温が5℃以下になったら、エチルマグネシウムブロマイドを5ml/分程度の速度で滴下すると内温は6〜7℃に保たれ、約2時間で滴下終了した。滴下終了後、そのまま1時間撹拌を続けると淡褐色均一透明溶液になった。
【0080】
つぎに固体の臭化銅(CuBr)172.2g(1.20mol)をロートから添加するが、この際発熱が大きく温度が高いと、ホモカップリングが起こりペルフルオロビフェニルが副生しやすくなるため、フラスコを氷冷したまま4回に分けて添加した。添加終了後、1時間以上そのまま撹拌を続けると淡青緑色懸濁溶液となった。さらに滴下ロートからジオキサン200mlを加え、そのまま30分間撹拌した。つぎに例6の様に合成した1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリフルオロベンゼンの固体をロートから一括投入し、氷浴をオイルバスに切り替えた後、撹拌しながら16時間還流を続けた。
【0081】
16時間後に反応液から溶媒を留去濃縮し、残留物を水中に入れ、急冷した。濾過して集めた固体を2000gのR225で抽出した後、エバポレーターで乾固すると、92gの黄色結晶(GC純度95%、収率92%)が得られた。さらにこの結晶をヘキサンから再結晶すると白色針状結晶が得られた。NMR、ガスクロマトグラフ、マススペクトルの結果、純度99.99%のペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)であることを確認した。融点は152℃であった。収率は1,3,5−トリヨード−2,4,6−トリフルオロベンゼン基準で85%であった。
【0082】
(例10)
[ペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)の合成法A]
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器の付いた2Lガラスフラスコに、室温にて、銅粉(アルドリッチ製カッパーブロンズ)310g(4.9mol)、ジメチルホルムアミド500ml、ブロモペンタフルオロベンゼン402g(1.6mol)、1,2,4−トリブロモ−3,5,6−トリフルオロベンゼン60g(0.16mol)を入れた。撹拌しながら、マントルヒーターでゆっくり加熱昇温した。153℃で還流を3時間続けた後、反応液を濾過して濾液を回収した。さらに濾さいをアセトン500mlで洗い、濾液と混合した。混合液を水4Lに撹拌しながら投入すると固体が析出するので、これを濾取し真空下室温で乾燥した。
【0083】
その後、この固体を昇華装置で60℃/400Paで昇華すると、純度99.8%のペルフルオロビフェニルが210g分別昇華され、さらに温度を145℃に上げて昇華する白色固体をPBTHFから再結晶することにより19.8gの白色結晶を得た。NMR、ガスクロマトグラフ、マススペクトルの結果、純度99.9%のペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)であることを確認した。融点は155℃であった。収率は1,2,4−トリブロモ−3,5,6−トリフルオロベンゼン基準で19.4%であった。
【0084】
NMRデータ:
19FNMR(376.23MHz, 溶媒(CD3)2CO, 基準CFCl3):δ(ppm):-113.0(m,1F),-129.4(m,1F),-138.9(m,1F),-140.1(m,2F),-141.8(m,2F),-142.1(m,2F),-152.6(m,1F),-152.8(m,1F),-153.2(m,1F),-162.9(m,2F),-163.2(m,2F),-163.7(m,2F) 。
【0085】
(例11)
[ペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)の合成法B]
ジムロートコンデンサ、熱電対温度計、滴下ロート、メカニカルスターラの付いた2Lパイレックス製4つ口フラスコを窒素置換した。100rpmで撹拌しながら室温にてペンタフルオロブロモベンゼン148.2g(0.60mol)とTHF500mlをロートから仕込んだ。その後、氷水でフラスコを冷却し撹拌速度を500rpmに上昇させた。0.96mol/LのエチルマグネシウムブロマイドTHF溶液600ml(0.576mol)を滴下ロートに仕込み、約2時間かけて滴下した。滴下終了後そのまま1時間撹拌を続けた。
【0086】
つぎに固体の臭化銅(CuBr)172.2g(1.20mol)をロートから4回に分けて添加した。添加終了後、1時間以上そのまま撹拌を続けると淡青緑色懸濁溶液となった。さらに滴下ロートからジオキサン200mlを加え、そのまま30分間撹拌した。例7の様に合成した1,2,4−トリヨード−3,5,6−トリフルオロベンゼンの固体をロートから一括投入し、氷浴をオイルバスに切り替えた後、撹拌しながら18時間還流を続けた。
【0087】
18時間後に反応液から溶媒を留去濃縮し、残留物を水中に入れ、急冷した。濾過して集めた固体を2000gのR225で抽出した後、エバポレーターで乾固すると、87gの黄色結晶(GC純度96%、収率88%)が得られた。さらにこの結晶をヘキサンから再結晶をすることで白色針状結晶が得られた。NMR、ガスクロマトグラフ、マススペクトルの結果、純度99.99%のペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)であることを確認した。融点は155℃であった。収率は1,2,4−トリヨード−3,5,6−トリフルオロベンゼン基準で82%であった。
【0088】
(例12)
重合体Aの9部に対して、ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)の1部をPBTHFに溶解して固形分濃度12質量%の溶液からなる含フッ素樹脂組成物を調製した。これをガラス板上に流延し、乾燥することにより厚さ10μmのフィルムを得た。このフィルムの光線透過率を測定すると350〜700nmの可視光線に対しては90%以上の透過率であったことから、この含フッ素樹脂組成物は相分離に由来する光散乱が生じない、均一な組成物であることがわかった。
【0089】
このフィルム中のペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)の含有量は7.4質量%で、このフィルムの屈折率は1.357であった。またこのフィルムのTgは90℃であった。また、このフィルムは紫外線の波長範囲において吸収を示し、極大点が220nmおよび265nmにあることから紫外線吸収性が良好なことがわかった。
【0090】
(例13)
重合体Aの9部に対して、ペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)の1部をPBTHFに溶解して固形分濃度12質量%の溶液からなる含フッ素樹脂組成物を調製した。これをガラス板上に流延し、乾燥することにより厚さ10μmのフィルムを得た。このフィルムの光線透過率を測定すると350〜700nmの可視光線に対しては90%以上の透過率であったことから、この含フッ素樹脂組成物は相分離に由来する光散乱が生じない、均一な組成物であることがわかった。
【0091】
このフィルム中のペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)の含有量は7.2質量%で、このフィルムの屈折率は1.356であった。またこのフィルムのTgは91℃であった。また、このフィルムは紫外線の波長範囲においては吸収を示し、極大点が220nmおよび265nmにあることから紫外線吸収性が良好なことがわかった。
【0092】
(例14)
重合体Bの9部に対して、ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)の1部をPBTHFに溶解して固形分濃度12質量%の溶液からなる含フッ素樹脂組成物を調製した。これをガラス板上に流延し、乾燥することにより厚さ10μmのフィルムを得た。このフィルムの光線透過率を測定すると350〜700nmの可視光線に対しては90%以上の透過率であることから、この含フッ素樹脂組成物は相分離に由来する光散乱が生じない、均一な組成物であることがわかった。
【0093】
このフィルム中のペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)の含有量は7.0質量%で、このフィルムの屈折率は1.321であった。またこのフィルムのTgは135℃であった。また、210〜320nmの波長範囲において吸収を示すことから紫外線吸収性が良好なことがわかった。
【0094】
(例15)
例7で調製した溶液を用いてシリコンウェハー上にスピンコート法により厚さ3μmの薄膜を形成した。つぎにマスクを介して248nmのエキシマレーザにより露光を行ったところ、0.8J/cm2 の露光量でパターニングを行うことができた。
【0095】
(例16)
重合体Aおよびペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)の混合物[後者を混合物中7.4質量%含む]をガラス封管中に仕込み、250℃で溶融成形し円柱状の成形体(以下、成形体aという)を得た。成形体aの屈折率は1.357、Tgは90℃であった。
【0096】
つぎに、重合体Aのみからなる円筒管を溶融成形により作成し、この円筒管中空部に成形体aを挿入し200℃に加熱して合体させることによりプリフォームを得た。このプリフォームを230℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する光ファイバを得た。得られた光ファイバの光伝送特性は、図1に示すごとく、650nmで63dB/km、850nmで23dB/km、1300nmで20dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであることを確かめた。
【0097】
この光ファイバを70℃のオーブン中に10000時間保存した後、取り出してから屈折率分布をインターファコ干渉顕微鏡により測定し、保存前の屈折率分布と比較したところ変化は見られなかった。さらに、以下のようなパルス法により伝送帯域を測定することにより伝送特性を評価した。
【0098】
すなわち、パルスジェネレータを用いてパルスレーザ光を発振させ、これを光ファイバに入射し、出射光をサンプリングオシロスコープで検出した。この検出信号をフーリエ変換して周波数特性を解析することにより伝送帯域を測定した。光ファイバを70℃、10000時間保存した後に伝送帯域を測定したところ、保存前後ともに260MHz・kmで、帯域の低下が起こらないことから耐熱性が良好であることが確認された。
【0099】
(例17)
重合体Aおよびペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)の混合物[後者を混合物中7.4質量%含む]をガラス封管中に仕込み、250℃で溶融成形し円柱状の成形体(以下、成形体bという)を得た。成形体bの屈折率は1.357、Tgは90℃であった。
【0100】
つぎに、重合体Aのみからなる円筒管を溶融成形により作成し、例16と同様な方法で屈折率分布型光ファイバを得た。得られた光ファイバの光伝送特性は、650nmで80dB/km、850nmで30dB/km、1300nmで25dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであることを確かめた。
【0101】
この光ファイバを70℃のオーブン中に10000時間保存した後、取り出してから屈折率分布をインターファコ干渉顕微鏡により測定し、保存前の屈折率分布と比較したところ変化は見られなかった。さらに、例16と同様なパルス法により伝送帯域を測定することにより伝送特性を評価し、保存前後ともに260MHz・kmで、帯域の低下が起こらないことから耐熱性が良好であることを確認した。
【0102】
(例18)
重合体Aを93部とペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)3.5部およびペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)3.5部の混合物をガラス封管中に仕込み、250℃で溶融成形し円柱状の成形体(以下、成形体cという)を得た。成形体cの屈折率は1.356、Tgは91℃であった。
【0103】
つぎに、重合体Aのみからなる円筒管を溶融成形により作成し、例16と同様な方法で屈折率分布型光ファイバを得た。得られた光ファイバの光伝送特性は、650nmで75dB/km、850nmで28dB/km、1300nmで21dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであることを確かめた。
【0104】
この光ファイバを70℃のオーブン中に10000時間保存した後、取り出してから屈折率分布をインターファコ干渉顕微鏡により測定し、保存前の屈折率分布と比較したところ変化は見られなかった。さらに、例16と同様なパルス法により伝送帯域を測定することにより伝送特性を評価し、保存前後ともに260MHz・kmで、帯域の低下が起こらないことから耐熱性が良好であることが確認された。
【0105】
(例19)
重合体Bおよびペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)の混合物[後者を混合物中7.4質量%含む]をガラス封管中に仕込み、250℃で溶融成形し円柱状の成形体(以下、成形体dという)を得た。成形体dの屈折率は1.340、Tgは128℃であった。
【0106】
つぎに、重合体Bのみからなる円筒管を溶融成形により作成し、この中空部に成形体dを挿入し230℃に加熱して合体させることによりプリフォームを得た。このプリフォームを270℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する光ファイバを得た。得られた光ファイバの光伝送特性は、650nmで90dB/km、850nmで45dB/km、1300nmで35dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであることを確かめた。
【0107】
この光ファイバを85℃のオーブン中に1000時間保存した後、取り出してから屈折率分布をインターファコ干渉顕微鏡により測定し、保存前の屈折率分布と比較したところ特に変化は見られなかった。また、例4と同様なパルス法により伝送帯域を測定し、保存前後の特性を比較したところいずれも280dB・kmで帯域の低下が起こらないことから耐熱性が良好であることが確認された。
【0108】
(例20)
重合体Cおよびペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)の混合物[後者を混合物中7.0質量%含む]をガラス封管中に仕込み、250℃で溶融成形し円柱状の成形体(以下、成形体eという)を得た。成形体eの屈折率は1.321、Tgは135℃であった。
【0109】
つぎに、重合体Cのみからなる円筒管を溶融成形により作成し、この中空部に成形体eを挿入し230℃に加熱して合体させることによりプリフォームを得た。このプリフォームを270℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する光ファイバを得た。得られた光ファイバの光伝送特性は、650nmで95dB/km、850nmで42dB/km、1300nmで38dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであることを確かめた。
【0110】
この光ファイバを85℃のオーブン中に1000時間保存した後、取り出してから屈折率分布をインターファコ干渉顕微鏡により測定し、保存前の屈折率分布と比較したところ特に変化は見られなかった。また、例4と同様なパルス法により伝送帯域を測定し、保存前後の特性を比較したところいずれも260dB・kmで帯域の低下が起こらないことから耐熱性が良好であることが確認された。
【0111】
(例21)
重合体Aおよびクロロトリフルオロエチレンのオリゴマー(平均分子量850、屈折率1.41)の混合物[後者を混合物中15質量%含む]をガラス封管中に仕込み、250℃で溶融成形し円柱状の成形体(以下、成形体fという)を得た。成形体fの屈折率は1.357、Tgは75℃であった。
【0112】
つぎに、重合体Aのみからなる円筒管を溶融成形により作成し、この中空部に成形体fを挿入し200℃に加熱して合体させることによりプリフォームを得た。このプリフォームを230℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する屈折率分布型光ファイバを得た。得られた光ファイバの光伝送特性は、780nmで110dB/km、850nmで100dB/km、1300nmで80dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであることを確かめた。
【0113】
この光ファイバを70℃のオーブン中に1000時間保存した後、取り出してから屈折率分布を干渉顕微鏡により測定し、保存前の屈折率分布と比較したところコアの中心付近で屈折率の低下が見られた。また、これに伴い伝送帯域の低下が見られ、保存前に260MHz・kmであったものが保存後には160MHz・kmに低下していた。
【0114】
(例22)
重合体Aおよびアルドリッチ社製デカフルオロビフェニル(屈折率1.45)の混合物[後者を混合物中7質量%含む]をガラス封管中に仕込み、250℃で溶融成形し円柱状の成形体(以下、成形体gという)を得た。成形体gの屈折率は1.357、Tgは73℃であった。
【0115】
つぎに、重合体Aのみからなる円筒管を溶融成形により作成し、この中空部に成形体gを挿入し200℃に加熱して合体させることによりプリフォームを得た。このプリフォームを230℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する屈折率分布型光ファイバを得た。得られた光ファイバの光伝送特性は、780nmで150dB/km、850nmで120dB/km、1300nmで100dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであることを確かめた。
【0116】
この光ファイバを70℃のオーブン中に1000時間保存した後、取り出してから屈折率分布を干渉顕微鏡により測定し、保存前の屈折率分布と比較したところコアの中心付近で屈折率の低下が見られた。これに伴い、伝送帯域の低下が見られ、保存前に200MHz・kmであったものが保存後には110MHz・kmに低下していた。
【0117】
(例23)
重合体Aおよびアルドリッチ社製ペルフルオロジフェニルスルフィドの混合物[後者を混合物中6質量%含む]をガラス封管中に仕込み、250℃で溶融成形し円柱状の成形体(以下、成形体hという)を得た。成形体hの屈折率は1.357、Tgは77℃であった。
【0118】
つぎに、重合体Aのみからなる円筒管を溶融成形により作成し、この中空部に成形体hを挿入し200℃に加熱して合体させることによりプリフォームを得た。このプリフォームを230℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する屈折率分布型光ファイバを得た。得られた光ファイバの光伝送特性は、780nmで190dB/km、850nmで150dB/km、1300nmで120dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであることを確かめた。
【0119】
この光ファイバを70℃のオーブン中に1000時間保存した後、取り出してから屈折率分布を干渉顕微鏡により測定し、保存前の屈折率分布と比較したところコアの中心付近で屈折率の低下が見られた。これに伴い、伝送帯域の低下が見られ、保存前に260MHz・kmであったものが保存後には180MHz・kmに低下していた。
【0120】
(例24)
重合体Aおよびアルドリッチ社製ペルフルオロナフタレン( 屈折率1.48) の混合物[後者を混合物中6質量%含む]をガラス封管中に仕込み、250℃で溶融成形し円柱状の成形体(以下、成形体iという)を得た。成形体iの屈折率は1.357、Tgは76℃であった。
【0121】
つぎに、重合体Aのみからなる円筒管を溶融成形により作成し、この中空部に成形体iを挿入し200℃に加熱して合体させることによりプリフォームを得た。このプリフォームを230℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する屈折率分布型光ファイバを得た。得られた光ファイバの光伝送特性は、780nmで180dB/km、850nmで150dB/km、1300nmで110dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであることを確かめた。
【0122】
この光ファイバを70℃のオーブン中に1000時間保存した後、取り出してから屈折率分布を干渉顕微鏡により測定し、保存前の屈折率分布と比較したところコアの中心付近で屈折率の低下が見られた。これに伴い、伝送帯域の低下が見られ、保存前に220MHz・kmであったものが保存後には110MHz・kmに低下していた。
【0123】
(例25)
重合体AおよびPCR社製1,3,5−トリクロロ−2,4,6−トリフルオロベンゼンの混合物[後者を混合物中6質量%含む]をガラス封管中に仕込み、250℃で溶融成形し円柱状の成形体(以下、成形体jという)を得た。成形体jの屈折率は1.355、Tgは79℃であった。
【0124】
つぎに、重合体Aのみからなる円筒管を溶融成形により作成し、この中空部に成形体jを挿入し200℃に加熱して合体させることによりプリフォームを得た。このプリフォームを230℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する屈折率分布型光ファイバを得た。得られた光ファイバの光伝送特性は、780nmで210dB/km、850nmで170dB/km、1300nmで130dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバであることを確かめた。
【0125】
この光ファイバを70℃のオーブン中に1000時間保存した後、取り出してから屈折率分布を干渉顕微鏡により測定し、保存前の屈折率分布と比較したところコアの中心付近で屈折率の低下が見られた。これに伴い、伝送帯域の低下が見られ、保存前に250MHz・kmであったものが保存後には170MHz・kmに低下していた。
【0126】
【発明の効果】
本発明における含フッ素多環式化合物(B)は実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(A)への高い相溶性を有し、含フッ素重合体(A)中に白濁することなく均一に溶解する。したがって、本発明光学樹脂組成物においては、ミクロな相分離や含フッ素多環式化合物(B)の微結晶などにより生じる光散乱が少ない。また、含フッ素多環式化合物(B)は屈折率が高いので、少量の配合であっても目的の屈折率差を形成でき、含フッ素多環式化合物(B)の添加によるTgの低下が少ない利点がある。この利点および含フッ素多環式化合物(B)のTgが高いことにより、本発明の屈折率分布型光伝送体は耐熱性が飛躍的に向上し、屈折率分布の熱的な安定性が高く、室温以上の高温に長期間さらされた場合においても、伝送帯域の低下を防止できる。さらに、屈折率が高い含フッ素多環式化合物(B)は開口数NAを大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 例16のファイバーの伝送損失(波長500〜1600nm)を示す図。

Claims (6)

  1. ペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)およびペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)から選ばれた少なくとも1種の含フッ素多環式化合物(B)を含む、実質的にC−H結合を有しない非結晶性含フッ素重合体(A)からなる光学樹脂組成物。
  2. 含フッ素重合体(A)が主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体である請求項1に記載の光学樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の光学樹脂組成物からなる光伝送体。
  4. 含フッ素重合体(A)中に含フッ素多環式化合物(B)が光伝送体の光伝送路の中心軸から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している屈折率分布型光伝送体である、請求項3に記載の光伝送体。
  5. 屈折率分布型プラスチック光伝送ファイバ製造用プリフォームまたは屈折率分布型プラスチック光伝送ファイバから選ばれる光学樹脂成形体であって、マトリックスが実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(A)であり、屈折率調整物質がペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)およびペルフルオロ(1,2,4−トリフェニルベンゼン)から選ばれた少なくとも1種の含フッ素多環式化合物(B)であることを特徴とする光学樹脂成形体。
  6. 含フッ素重合体(A)が主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体である請求項5に記載のプラスチック光伝送ファイバ。
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