JPH09243835A - 屈折率分布型プラスチック光ファイバ及びその製造方法 - Google Patents

屈折率分布型プラスチック光ファイバ及びその製造方法

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JPH09243835A
JPH09243835A JP8075372A JP7537296A JPH09243835A JP H09243835 A JPH09243835 A JP H09243835A JP 8075372 A JP8075372 A JP 8075372A JP 7537296 A JP7537296 A JP 7537296A JP H09243835 A JPH09243835 A JP H09243835A
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JP
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refractive index
polymerizable compound
polymer
optical fiber
index non
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JP8075372A
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Yasushi Kawarada
泰 川原田
Kazumi Nakamura
一己 中村
Kikue Irie
菊枝 入江
Toshinori Sumi
敏則 隅
Shoji Hayashi
省治 林
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
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    • G02B6/02Optical fibres with cladding with or without a coating
    • G02B6/02033Core or cladding made from organic material, e.g. polymeric material
    • G02B6/02038Core or cladding made from organic material, e.g. polymeric material with core or cladding having graded refractive index
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な開口数を有し、低損失の、かつ光ファ
イバのガラス転移温度の低下の度合いの少ない屈折率分
布型プラスチック光ファイバを提供する。 【解決手段】 透明なマトリックス重合体からなるファ
イバの中心部から外周部方向に高屈折率非重合性化合物
の濃度が減少し、外周部から中心部方向に低屈折率非重
合性化合物の濃度が減少する屈折率分布型光ファイバ、
及びこの光ファイバを、重合体またはさらにその構成単
量体、高屈折率非重合性化合物及び低屈折率非重合性化
合物とからなり、高屈折率非重合性化合物及び低屈折率
非重合性化合物の各組成比が異なる複数の紡糸原液を、
多層複合紡糸ノズルを用いて同心円状に積層した状態で
吐出し、さらに隣接する層間で少なくともこれら非重合
性化合物を加温下で相互拡散させて得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屈折率分布型プラ
スチック光ファイバ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバは、伝送損失の
点で石英系光ファイバには及ばないものの大口径のもの
を得ることが可能で軸ずれに対する許容が大きいことや
柔軟性に優れ取扱い性がよいといった特徴を生かして主
に短距離分野で用いられている。プラスチック光ファイ
バの素材としては、ポリカボネート、環状ポリオレフィ
ン、マレイミド系ポリマー等も使われるが、伝送損失の
点で圧倒的に優れることからポリメチルメタクリレート
が主流となっている。
【0003】また、光ファイバは、その形態からシング
ルモードファイバ、マルチモードファイバに分類され、
マルチモードファイバは、さらにステップインデックス
型とグレーデッドインデックス型(屈折率分布型)に分
けられる。しかして、プラスチック光ファイバにおいて
は、ステップインデックス型が既に工業化されている
が、近年、ステップインデックス型よりも大容量の情報
伝送が可能な屈折率分布型についての開発がなされてい
る。
【0004】プラスチック光ファイバにおいて屈折率分
布を与えるためには、屈折率の異なる2種以上の重合体
で構成するか、重合体と非重合性低分子物で構成する方
法ある。しかしながら、屈折率の異なる2種以上の重合
体で構成されるプラスチック光ファイバにおいては、相
分離に基づく散乱損失が大きくなってしまい、低損失の
光ファイバを得ることが極めて困難である。一方、重合
体と非重合性低分子物で構成されるプラスチック光ファ
イバにおいては、相分離に基づく散乱損失がないため、
また重合体が共重合体であっても非重合性低分子物が相
溶化剤として作用し散乱損失が低減できるため低損失の
光ファイバを得ることができる。
【0005】また、プラスチック光ファイバにおいて
は、伝送損失が低いことの他に、光源と光ファイバとの
結合損失が低いこと、光ファイバの曲げ損失が低いこと
も重要な特性である。結合損失及び曲げ損失が低い光フ
ァイバとするためには、開口数(Numerical
Aperture=NA)を大きくすればよい。開口数
(NA)は次式で定義される。 NA=(n0 2−n1 21/20:光ファイバの中心部の屈折率 n1:光ファイバの外周部の屈折率 従って、光ファイバの中心部と外周部の屈折率差を大き
くすれば、開口数が大きくなり結合損失及び曲げ損失が
低くなる。低結合損失及び低曲げ損失のものを得るため
には、開口数として0.25以上、好ましくは0.28
以上、より好ましくは0.30以上あることが望まれて
いる。
【0006】重合体と非重合性低分子化合物を用いた低
損失の屈折率分布型プラスチック光ファイバとしては、
重合体よりも屈折率の高い非重合性低分子化合物を用い
ることがWO93/08488号公報、特開平6−18
6441号公報で、また重合体よりも屈折率の低い非重
合性低分子化合物を用いることが特公昭55−1888
2号公報、特開平7−27928号公報にて開示されて
いる。しかしながら、これらに開示のプラスチック光フ
ァイバは、十分な開口数を有しておらず、また光ファイ
バのガラス転移温度がマトリックスに用いた重合体のガ
ラス転移温度よりかなり低下するという問題を有してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重合
体と複数の異屈折率の非重合性化合物とを用いてなり、
十分な開口数を有し、低損失の、かつ光ファイバのガラ
ス転移温度の低下の度合いの少ない屈折率分布型プラス
チック光ファイバを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明マトリッ
クスをなす重合体(A)、重合体(A)よりも屈折率が
大きい分子量100〜1,000の高屈折率非重合性化
合物(B)及び重合体(A)よりも屈折率が小さい分子
量100〜1,000の低屈折率非重合性化合物(C)
とから構成され、高屈折率非重合性化合物(B)の濃度
がファイバ中心部から外周部方向に減少しており、かつ
低屈折率非重合性化合物(C)の濃度がファイバ外周部
から中心部方向に減少していることを特徴とする屈折率
分布型プラスチック光ファイバ、
【0009】重合体(A)、重合体(A)の構成単量体
(a)、重合体(A)よりも屈折率が大きい分子量10
0〜1,000の高屈折率非重合性化合物(B)及び重
合体(A)よりも屈折率が小さい分子量100〜1,0
00の低屈折率非重合性化合物(C)とからなり、高屈
折率非重合性化合物(B)及び低屈折率非重合性化合物
(C)の各組成比が異なる複数の紡糸原液を、多層複合
紡糸ノズルを用いて高屈折率非重合性化合物(B)の濃
度がファイバ中心部から外周部方向に減少し、かつ低屈
折率非重合性化合物(C)の濃度がファイバ外周部から
中心部方向に減少するように同心円状に積層した状態で
吐出し、吐出中または吐出後に隣接する層間で非重合性
化合物(B)及び低屈折率非重合性化合物(C)を加温
下に相互拡散させ、さらに単量体(a)を熱または光重
合硬化させることを特徴とする屈折率分布型プラスチッ
ク光ファイバの製造方法、
【0010】及び、透明重合体(A)、重合体(A)よ
りも屈折率が大きい分子量100〜1,000の高屈折
率非重合性化合物(B)及び重合体(A)よりも屈折率
が小さい分子量100〜1,000の低屈折率非重合性
化合物(C)とからなり、高屈折率非重合性化合物
(B)及び低屈折率非重合性化合物(C)の各組成比が
異なる複数の紡糸原液を、多層複合紡糸ノズルを用いて
高屈折率非重合性化合物(B)の濃度がファイバ中心部
から外周部方向に減少し、かつ低屈折率非重合性化合物
(C)の濃度がファイバ外周部から中心部方向に減少す
るように同心円状に積層した状態で吐出し、吐出中また
は吐出後に隣接する層間で高屈折率非重合性化合物
(B)及び低屈折率非重合性化合物(C)を加温下に相
互拡散させることを特徴とする屈折率分布型プラスチッ
ク光ファイバの製造方法、にある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチック光ファイバ
を構成する重合体(A)は、光ファイバの透明なマトリ
ックスを形成しうるものであれば特に限定はないが、例
えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸(n−、i−)プロピル、メタクリル酸(n
−、i−、s−、t−)ブチル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸アダマンチ
ル、メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸ジシ
クロペンタニル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオ
ロエチル、メタクリル酸2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロピル、メタクリル酸2,2,3,3、3−ペンタ
フルオロプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,
4−ヘキサフルオロブチル、メタクリル酸1−トリフル
オロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル、メタク
リル酸1H,1H,5H−オクタフルオルペンチル等の
メタクリル酸エステル類の単独重合体或いは共重合体若
しくはこれらのブレンド重合体、
【0012】置換基としてメチル基、エチル基、(n
−、i−)プロピル基、(n−、i−、s−、t−)ブ
チル基、シクロヘキシル基等を有する脂肪族のN−置換
マレイミド単量体類の単独重合体或いは共重合体若しく
はこれらのブレンド重合体、下記式[1]で表されるα
−メチレン−γ−ブチロラクトン誘導体の単独重合体或
いは共重合体、スチレン及びその誘導体の単独重合体或
いは共重合体若しくはこれらのブレンド重合体等が挙げ
られる。
【0013】
【化1】
【0014】また、重合体(A)よりも屈折率が大きい
高屈折率非重合性化合物(B)及び重合体(A)よりも
屈折率が小さい低屈折率非重合性化合物(C)は、非重
合性化合物の中から対象とする重合体(A)に対して通
常屈折率が0.01以上の差を有するような組み合わせ
で選ばれ、同一の非重合性化合物であっても、重合体
(A)によっては高屈折率非重合性化合物(B)、或い
は低屈折率非重合性化合物(C)となりうる。
【0015】非重合性化合物としては、重合体(A)と
相溶性を有し、均一分散させる上から分子量が100〜
1,000である化合物が用いられ、例えばハロゲン置
換ベンゼンや、エステル基が炭素数12以下のアルキル
基、炭素数12以下のフルオロアルキル基、シクロアル
キル基、フェニル基、ベンジル基、アルキルフェニル基
等である酢酸エステル、安息香酸エステル、フタル酸エ
ステル、イソフタル酸エステル、テレフタル酸エステ
ル、アジピン酸エステル、アゼライン酸エステル、セバ
シン酸エステル、トリメリット酸エステル、リン酸エス
テル、炭酸エステル等が挙げられる。
【0016】例えば、重合体(A)がポリメチルメタク
リレートである場合、高屈折率非重合性化合物(B)と
して、塩素置換ベンゼン類、臭素置換ベンゼン類、安息
香酸フェニル、安息香酸ベンジル、フタル酸ジフェニ
ル、フタル酸ブチルベンジル、テレフタル酸ジベンジ
ル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、ペンタ
エリスリトールテトラベンゾエート、ジエチレングリコ
ールジベンゾエート、ジフェニルメタン、ビフェニル、
ジフェニルスルフィド、ジフェニルエーテル、ジベンジ
ルエーテル、炭酸ジフェニル等が用いられ、
【0017】また、低屈折率非重合性化合物(C)とし
て、フッ素置換ベンゼン類、アジピン酸ジブチル、アジ
ピン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ
オクチル、ドデカン二酸ジオクチル、リン酸トリオクチ
ル、リン酸トリス(ブトキシエチル)、アセチルクエン
酸トリブチル、フタル酸ビス(フルオロアルキル)、リ
ン酸トリス(フルオロアルキル)等が用いられる。
【0018】本発明のプラスチック光ファイバは、高屈
折率非重合性化合物(B)の濃度がファイバ中心部から
外周部方向に減少しており、かつ低屈折率非重合性化合
物(C)の濃度がファイバ外周部から中心部方向に減少
している屈折率分布を有する。この濃度勾配は、ファイ
バ中心部から外周部方向への所定の距離までは高屈折率
非重合性化合物(B)を存在させ、その所定の距離から
外周部までは低屈折率非重合性化合物(C)を存在させ
て形成してもよいし、また、高屈折率非重合性化合物
(B)と低屈折率非重合性化合物(C)を共存させて形
成してもよい。本発明のプラスチック光ファイバにおい
ては、高屈折率非重合性化合物(B)のみ或いは低屈折
率非重合性化合物(C)のみにて光ファイバの中心部と
外周部との間に屈折率差を設けたときよりも少含有量の
非重合性化合物で中心部と外周部との間に高屈折率差を
与え、大きな開口数を有する。
【0019】光ファイバの中心部と外周部とに高屈折率
差があることは、前記式で定義されるように開口数を大
きくさせ、結合損失及び曲げ損失を低くする。本発明の
プラスチック光ファイバにおける開口数は、0.25以
上、さらには0.30以上にも達する。
【0020】また、非重合性化合物を少ない含有量とし
うることから、マトリックスの重合体(A)のガラス転
移温度の低下を抑え光ファイバとしてのガラス転移温度
の低下の度合いを減少させる。具体的には、本発明の屈
折率分布型プラスチック光ファイバとして、そのガラス
転移温度が、重合体(A)のガラス転移温度をTgとす
るとき、(Tg−25)℃以上のものを得ることができ
る。例えば、重合体(A)がポリメチルメタクリレート
である場合、屈折率分布型プラスチック光ファイバにお
いては、そのガラス転移温度が80℃以上のものを得る
ことができ、ポリメチルメタクリレートのガラス転移温
度が105℃であることから、その低下は25℃未満と
なる。
【0021】本発明のプラスチック光ファイバは、好ま
しくは、複数の紡糸原液を多層複合紡糸ノズルを用いて
同心円状に積層した状態で吐出する方法を用いて製造さ
れる。
【0022】紡糸原液としては、重合体(A)、重合体
(A)を構成する少なくとも一つの単量体(a)、高屈
折率非重合性化合物(B)及びまたは低屈折率非重合性
化合物(C)からなる紡糸原液(1)を用いるか、或い
は重合体(A)、高屈折率非重合性化合物(B)及び低
屈折率非重合性化合物(C)とからなる紡糸原液(2)
を用いる。紡糸原液(1)は、高屈折率非重合性化合物
(B)及び低屈折率非重合性化合物(C)を含む単量体
(a)に重合体(A)を溶解する、或いは高屈折率非重
合性化合物(B)または低屈折率非重合性化合物(C)
を含む単量体(a)を部分重合する等により調製する。
また、紡糸原液(2)は、高屈折率非重合性化合物
(B)及びまたは低屈折率非重合性化合物(C)を含む
単量体(a)を重合した後溶融することにより調製す
る。本発明方法においては、紡糸原液中における高屈折
率非重合性化合物(B)及び低屈折率非重合性化合物
(C)の各組成比が異なる複数、好ましくは3種以上の
紡糸原液を用いる。
【0023】単量体(a)としては、先に例示したよう
な重合体(A)の構成単量体で、重合体(A)が単独重
合体であるときは、その単量体が用いられ、重合体
(A)が共重合体であるときは、少なくともその一方の
単量体が用いられ、重合体(A)がブレンド重合体であ
るときは、少なくともその一方の重合体を構成する少な
くとも一つの単量体が用いられるが、用いる重合体
(A)と同一の構成単量体を用いることが好ましい。
【0024】紡糸原液の粘度は、用いる重合体、その割
合、紡糸温度等を勘案して選択され、粘度が103〜1
8ポイズであることが好ましい。また、各紡糸原液の
粘度を適当な範囲に調整するために、各紡糸原液中の高
屈折率非重合性化合物(B)と低屈折率非重合性化合物
(C)の合計量を同程度とすることもできる。
【0025】紡糸原液(1)を用いる場合は、紡糸原液
中に熱または光重合開始剤を配合しておくことが好まし
い。熱重合開始剤としては、例えばメチルエチルケトン
パーオキサイド等のケトンパーオキサイド、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオ
キシケタール、クメンハイドロパーオキサイド等のハイ
ドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等
のジアルキルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等のジ
アシルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート等のパーオキシジカーボネート、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート等のパーオキシ
エステル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等の
アゾ系化合物等が挙げられる。
【0026】また、光重合開始剤としては、ベンゾイン
イソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベン
ジルジメチルケタール等のベンジルケタール類、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェ
ノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド
類等が挙げられる。
【0027】紡糸原液(2)を用いる場合においても、
その紡糸原液調製の際の単量体(a)に熱重合開始剤を
配合しておくことが好ましい。また、紡糸原液(1)、
紡糸原液(2)に重合体の分子量を調整するための連鎖
移動剤を配合することもできる。連鎖移動剤としては、
例えばn−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタ
ン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
【0028】紡糸は、多層複合紡糸ノズルを用いて高屈
折率非重合性化合物(B)の濃度がファイバ中心部から
外周部方向に減少し、かつ低屈折率非重合性化合物
(C)の濃度がファイバ外周部から中心部方向に減少す
るように、中心部側に高屈折率非重合性化合物(B)の
より高濃度の紡糸原液、外周部側に低屈折率非重合性化
合物(C)のより高濃度の紡糸原液を配置して、同心円
状に積層した状態で吐出することにより行う。
【0029】この紡糸における吐出中または吐出後に、
紡糸原液(1)を用いた場合は、加温により吐出賦形中
或いは賦形後に隣接する層間で単量体(a)、高屈折率
非重合性化合物(B)及び低屈折率非重合性化合物
(C)を相互拡散させ、さらに単量体(a)を熱または
光重合硬化させるか、或いは紡糸原液(2)を用いた場
合は、加温により吐出賦型中或いは賦型物中の隣接する
層間で高屈折率非重合性化合物(B)及び低屈折率非重
合性化合物(C)を相互拡散させる。この高屈折率非重
合性化合物(B)及び低屈折率非重合性化合物(C)の
相互拡散は、得られるファイバ内の層間での高屈折率非
重合性化合物(B)及び低屈折率非重合性化合物(C)
の濃度勾配を滑らかなものとする。
【0030】紡糸原液(1)を用いた場合の光重合硬化
における光源としては、炭素アーク灯、低圧水銀灯、高
圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、メタルハ
ライドランプ、レーザー光等が用いられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0032】(実施例1)表1に示す組成比で加熱混練
し溶解して5種の紡糸原液を調製した。
【0033】
【表1】
【0034】ノズル長5cmの多層複合紡糸ノズルを用
い、5種の紡糸原液を中心部に紡糸原液No.1、最外
周部に紡糸原液No.5になるように紡糸原液No.1
から紡糸原液No.5を表1に示す吐出スリット幅にて
吐出し、さらに温度50℃の窒素雰囲気下でケミカルラ
ンプ(中心発光波長350nm、照射強度4mW/c
m)を内蔵した長さ1mの保温筒を通過させることによ
り吐出糸状物中の隣接する層間でメチルメタクリレート
(a)、高屈折率のフタル酸ベンジル−n−ブチル
(B)及び低屈折率のセバシン酸ジブチル(C)を相互
拡散させると共に吐出糸状物を重合硬化して屈折率分布
を固定し、次いで高圧水銀灯(発光波長365nm、照
射強度8mW/cm)照射により吐出糸状物の重合を完
結させ、ニップローラーで巻き取って直径1mmの光フ
ァイバを得た。
【0035】得られた光ファイバをインターファコ干渉
顕微鏡により光ファイバ断面の屈折率分布を測定したと
ころ、屈折率が中心部から外周部方向に連続的に減少し
ていることが確認され、中心部の屈折率が1.503、
外周部の屈折率が1.478であり、開口数が0.27
3であった。得られた光ファイバは、その中心部のガラ
ス転移温度が82℃、外周部のガラス転移温度が84℃
であり、また、得られた光ファイバの伝送特性を評価し
たところ、伝送損失が135dB/km(波長650n
m)、伝送帯域が4.3GHz・100mであり、屈折
率分布型プラスチック光ファイバとして良好な性能を有
していた。
【0036】(実施例2)表2に示す組成比の紡糸原液
用組成物を80℃で2時間で予備重合した後、5℃/分
で200℃まで昇温して重合を完結し、溶融して5種の
紡糸原液を調製した。
【0037】
【表2】
【0038】ノズル長5cmの多層複合紡糸ノズルを用
い、5種の紡糸原液を中心部に紡糸原液No.1、最外
周部に紡糸原液No.5になるように紡糸原液No.1
から紡糸原液No.5を表2に示す吐出スリット幅にし
て吐出し、さらに150℃の雰囲気下の長さ150cm
の保温筒を通過させることにより吐出糸状物中の隣接す
る層間で高屈折率のリン酸トリクレジル(B)及び低屈
折率のリン酸トリス(1H,1H,5H−オクタフルオ
ロペンチル)(C)を相互拡散させ、その後冷却して屈
折率分布を固定し、ニップローラーで巻き取って直径1
mmの光ファイバを得た。
【0039】得られた光ファイバをインターファコ干渉
顕微鏡により光ファイバ断面の屈折率分布を測定したと
ころ、屈折率が中心部から外周部方向に連続的に減少し
ていることが確認され、中心部の屈折率が1.501、
外周部の屈折率が1.468であり、開口数が0.31
3であった。得られた光ファイバは、その中心部のガラ
ス転移温度が86℃、外周部のガラス転移温度が89℃
であり、また、得られた光ファイバの伝送特性を評価し
たところ、伝送損失が129dB/km(波長650n
m)、伝送帯域が3.5GHz・100mであり、屈折
率分布型プラスチック光ファイバとして良好な性能を有
していた。
【0040】(比較例1)長さ600mm、内径17.
6mmのガラス管にメチルメタクリレート112g、過
酸化ベンゾイル0.56g、n−ブチルメルカプタン3
50μリットルを充填し、上端を封じた後、水平に保持
し、3000rpmで回転させながら70℃で4時間加
熱、その後回転を止め90℃で20時間加熱し重合して
ポリメチルメタクリレートからなる円筒状容器を作製し
た。このポリメチルメタクリレート製容器の片端を封
じ、メチルメタクリレート48g、高屈折率非重合性化
合物のフタル酸ベンジル−n−ブチル12g、ジ−t−
ブチルパーオキサイド54μリットル、n−ラウリルメ
ルカプタン160μリットルを充填し、他端を封じた
後、水平に保持し、10rpmで回転させながら95℃
で24時間加熱、その後回転を止め110℃で48時間
加熱し重合して外径17.6mmのロッドを得た。
【0041】このロッドをロッドフィード装置に垂直に
取り付け、220℃の円筒状加熱炉で加熱溶融しつつ一
定速度で引き取り、捲き取ることにより溶融紡糸し、直
径1mmの光ファイバを得た。得られた光ファイバのフ
ァイバ断面の屈折率分布を測定したところ、屈折率が中
心部から外周部方向になだらかに減少しており、中心部
の屈折率が1.510、外周部の屈折率が1.491で
あり、開口数が0.239であり十分な開口数ではなか
った。また、得られた光ファイバは、その中心部のガラ
ス転移温度が62℃でありガラス転移温度が大幅に低下
していた。
【0042】(比較例2)メチルメタクリレート100
重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、ジ
−t−ブチルパーオキサイド0.01重量部、n−ラウ
リルメルカプタン0.3重量部からなる混合物を重合し
て得たポリメチルメタクリレートを235℃で溶融紡糸
して直径0.75mmのファイバとした。続いてこのフ
ァイバをポリメチルメタクリレート70重量部及び低屈
折率非重合性化合物のセバシン酸ジブチル30重量部が
溶融状態にある180℃の恒温槽に通した後ニップロー
ラーで捲き取り、直径1mmの光ファイバを得た。
【0043】得られた光ファイバをファイバ断面の屈折
率分布を測定したところ、屈折率が中心部から外周部方
向になだらかに減少しており、中心部の屈折率が1.4
91、外周部の屈折率が1.477であり、開口数が
0.204であり十分な開口数ではなかった。また、得
られた光ファイバは、その外周部のガラス転移温度が6
1℃でありガラス転移温度が大幅に低下していた。
【0044】
【発明の効果】本発明の屈折率分布型プラスチック光フ
ァイバは、十分大きな開口数を有する低損失の光ファイ
バであり、かつ光ファイバのガラス転移温度がマトリッ
クスの重合体のガラス転移温度よりも低下する度合いの
少ないプラスチック光ファイバであり、屈折率分布型プ
ラスチック光ファイバとして良好なるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 6/18 G02B 6/18 (72)発明者 隅 敏則 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 林 省治 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なマトリックスをなす重合体
    (A)、重合体(A)よりも屈折率が大きい分子量10
    0〜1,000の高屈折率非重合性化合物(B)及び重
    合体(A)よりも屈折率が小さい分子量100〜1,0
    00の低屈折率非重合性化合物(C)とから構成され、
    高屈折率非重合性化合物(B)の濃度がファイバ中心部
    から外周部方向に減少しており、かつ低屈折率非重合性
    化合物(C)の濃度がファイバ外周部から中心部方向に
    減少していることを特徴とする屈折率分布型プラスチッ
    ク光ファイバ。
  2. 【請求項2】 重合体(A)が、メタクリル酸エステル
    の重合体である請求項1記載の屈折率分布型プラスチッ
    ク光ファイバ。
  3. 【請求項3】 光ファイバのガラス転移温度が、重合体
    (A)のガラス転移温度をTgとするとき、(Tg−2
    5)℃以上である請求項1記載の屈折率分布型プラスチ
    ック光ファイバ。
  4. 【請求項4】 重合体(A)、重合体(A)の構成単量
    体(a)、重合体(A)よりも屈折率が大きい分子量1
    00〜1,000の高屈折率非重合性化合物(B)及び
    重合体(A)よりも屈折率が小さい分子量100〜1,
    000の低屈折率非重合性化合物(C)とからなり、高
    屈折率非重合性化合物(B)及び低屈折率非重合性化合
    物(C)の各組成比が異なる複数の紡糸原液を、多層複
    合紡糸ノズルを用いて高屈折率非重合性化合物(B)の
    濃度がファイバ中心部から外周部方向に減少し、かつ低
    屈折率非重合性化合物(C)の濃度がファイバ外周部か
    ら中心部方向に減少するように同心円状に積層した状態
    で吐出し、吐出中または吐出後に隣接する層間で非重合
    性化合物(B)及び低屈折率非重合性化合物(C)を加
    温下に相互拡散させ、さらに単量体(a)を熱または光
    重合硬化させることを特徴とする屈折率分布型プラスチ
    ック光ファイバの製造方法。
  5. 【請求項5】 透明重合体(A)、重合体(A)よりも
    屈折率が大きい分子量100〜1,000の高屈折率非
    重合性化合物(B)及び重合体(A)よりも屈折率が小
    さい分子量100〜1,000の低屈折率非重合性化合
    物(C)とからなり、高屈折率非重合性化合物(B)及
    び低屈折率非重合性化合物(C)の各組成比が異なる複
    数の紡糸原液を、多層複合紡糸ノズルを用いて高屈折率
    非重合性化合物(B)の濃度がファイバ中心部から外周
    部方向に減少し、かつ低屈折率非重合性化合物(C)の
    濃度がファイバ外周部から中心部方向に減少するように
    同心円状に積層した状態で吐出し、吐出中または吐出後
    に隣接する層間で高屈折率非重合性化合物(B)及び低
    屈折率非重合性化合物(C)を加温下に相互拡散させる
    ことを特徴とする屈折率分布型プラスチック光ファイバ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 重合体(A)としてメタクリル酸エステ
    ルの重合体を用いる請求項4または請求項5記載の屈折
    率分布型プラスチック光ファイバの製造方法。
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