JP2003098365A - プラスチック光ファイバとその製造方法 - Google Patents

プラスチック光ファイバとその製造方法

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JP2003098365A
JP2003098365A JP2002208524A JP2002208524A JP2003098365A JP 2003098365 A JP2003098365 A JP 2003098365A JP 2002208524 A JP2002208524 A JP 2002208524A JP 2002208524 A JP2002208524 A JP 2002208524A JP 2003098365 A JP2003098365 A JP 2003098365A
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fluoropolymer
optical fiber
polymer
plastic optical
fluorine
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Tokuhide Sugiyama
徳英 杉山
Masaki Narutomi
正樹 成富
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Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】取扱いが容易かつ安全で、接続コストが低く、
短距離敷設が可能な、高帯域で伝送容量が大きく低伝送
損失であり、ガラス製SM型光ファイバとの相互接続可
能なSM型プラスチック光ファイバおよびその製造方法
を提供する。 【解決手段】コアが実質的にC−H結合を有しない非結
晶性の含フッ素重合体(a)からなり、クラッドが含フ
ッ素重合体(a)より屈折率が0.001以上低い含フ
ッ素重合体(b)からなる、導波モードが単一モードで
あるプラスチック光ファイバ、および、その溶融押出成
形または母材からの溶融紡糸によるプラスチック光ファ
イバ製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導波モードが単一
モード(以下「SM」という)である、伝送帯域が高い
通信用プラスチック光ファイバおよびその製造方法に関
する。より詳しくは、透明性、耐熱性、耐湿性、耐候
性、耐薬品性、不燃性および柔軟性を合わせ持ち、特に
耐薬品性の要求される工場配線、下水道内配線などに好
適な、導波モードがSMである、伝送帯域が高い通信用
プラスチック光ファイバおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりSM型光ファイバとしてガラス
製のものが知られており、大容量長距離幹線系に実用化
されている。近年、インターネットの普及と通信システ
ムのデジタル化に伴い、通信設備センター間を結ぶ中継
ネットワークだけでなく、オフィスや家庭を結ぶ加入者
系ネットワークへの光ファイバ導入が重要となってきて
いる。しかしガラス製の光ファイバは可撓性に乏しいた
め取扱い難く、また、接続には専門の技術を要する。
【0003】そこで可撓性に優れ取扱いが容易なアクリ
ル樹脂系のプラスチックファイバを用いたSM型光ファ
イバが特開平5−241036号公報に提案されてい
る。しかし、メチルメタクリレート樹脂を代表としたア
クリル系樹脂やポリスチレン系樹脂はC−H結合に基づ
く振動吸収による伝送損失を有するため通信に使用する
光が可視光に限られる。そのため一般に通信で用いられ
ている850nm、1300nmなどの近赤外光が使用
できない。また、理論的な伝送損失が大きく伝送距離が
実質的に100m以下に限定されるためビル間や階を結
ぶネットワークの構築には使用できない。
【0004】これに対して、分子中にC−H結合を持た
ない非晶質の含フッ素重合体を用いて屈折率分布型(以
下「GI型」という)光ファイバを製造すること、およ
び、得られた光ファイバは紫外光から近赤外光までの広
範囲の波長の光に対して低伝送損失であることが特開平
8−5848号公報に開示されている。なお、分子中に
C−H結合を持たない非晶質の含フッ素重合体を用いた
段階屈折率型(以下「SI型」という)としては、特開
平4−1704号公報などに開示されている。
【0005】このGI型光ファイバはSI型光ファイバ
より高帯域で伝送容量が大きくなることが知られてお
り、C−H結合を持たない非晶質含フッ素重合体からな
るGI型光ファイバにおいても屈折率分布を制御するこ
とにより300MHz・km程度のものが開発されてお
り、また、理論的には10GHz・kmを超える性能を
有することが示されている。しかし、このような高性能
なGI型光ファイバは未だ実現されていない。
【0006】一方、SM型光ファイバは理論的にはGI
型光ファイバより高帯域であり、ガラス光ファイバにお
いて実用化されているが、C−H結合を持たない非晶質
含フッ素重合体からなるSM型光ファイバは作成されて
いない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、取扱いが容
易かつ安全(光ファイバが折れることなく、また取扱者
の指などに刺さることもない)で、接続コストが低く、
数100m〜数km程度の短距離敷設が可能な、高帯域
で伝送容量が大きく低伝送損失のSM型プラスチック光
ファイバおよびその製造方法を新規に提供することを目
的とする。また本発明は、ガラス製SM型光ファイバと
の相互接続が可能なSM型プラスチック光ファイバおよ
びその製造方法を新規に提供することを目的とする。さ
らに本発明は、透明性、耐熱性、耐湿性、耐光性、耐薬
品性、不燃性および柔軟性を合わせ持ち、特に耐薬品性
の要求される工場配線、下水道内配線などに好適なSM
型プラスチック光ファイバおよびその製造方法を新規に
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
の認識に基づいて鋭意検討を重ねた結果、特定の含フッ
素重合体を用いて、プラスチック光ファイバのコア直径
およびコアとクラッドの屈折率差を制御することによ
り、プラスチック光ファイバの導波モードが単一モード
となることを知見し本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明は、1)コアが実質的にC
−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)か
らなり、クラッドが含フッ素重合体(a)との比較にお
いて屈折率が0.001以上低い含フッ素重合体(b)
からなる、導波モードが単一モードであるプラスチック
光ファイバを提供する。
【0010】ここで、2)前記含フッ素重合体(a)お
よび(b)はいずれも実質的にC−H結合を有しない、
かつ、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重
合体であることが好ましい。
【0011】また本発明は、前記含フッ素重合体(b)
を円筒状容器の中で溶融し、前記含フッ素重合体(b)
の溶融液の中心軸部に前記含フッ素重合体(a)を注入
した後に冷却することにより、または前記含フッ素重合
体(b)の中空円筒状物を作成した後に前記含フッ素重
合体(a)を挿入することにより母材を成形し、この母
材をさらに溶融紡糸することにより得られる1)または
2)に記載のプラスチック光ファイバの製造方法を提供
する。
【0012】さらに本発明は、前記含フッ素重合体
(a)を中心部に、前記含フッ素重合体(b)を周囲に
同心円状に配置されるように押出成形により溶融紡糸さ
れて得られる1)または2)に記載のプラスチック光フ
ァイバの製造方法を提供する。
【0013】本発明により、取扱いが容易かつ安全(光
ファイバが折れることなく、また取扱者の指などに刺さ
ることもない)で、接続コストが低く、短距離敷設が可
能な、高帯域で伝送容量が大きく低伝送損失のSM型プ
ラスチック光ファイバおよびその製造方法を提供でき
る。また、本発明のSM型プラスチック光ファイバはガ
ラスSM型光ファイバとの接続も可能である。さらに本
発明のSM型プラスチック光ファイバは、透明性、耐熱
性、耐湿性、耐候性、耐薬品性、不燃性および柔軟性を
合わせ持ち、特に耐薬品性の要求される工場配線、下水
道内配線などの過酷な条件下に好適に用いることができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明を、以下に詳細に説明す
る。本発明のプラスチック光ファイバは、コアが実質的
にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体
(a)からなり、クラッドが含フッ素重合体(a)との
比較において屈折率が0.001以上低い含フッ素重合
体(b)からなる、導波モードが単一モードであるプラ
スチック光ファイバである。なお、本発明において屈折
率はナトリウムD線に対する屈折率をいう。
【0015】本発明において、含フッ素重合体(a)と
しては、非結晶性であり、かつ近赤外光で光吸収が起こ
るC−H結合を実質的に有しない含フッ素重合体であれ
ば特に限定されないが、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を
有する含フッ素重合体が好ましい。本発明において、含
フッ素重合体(b)としては、非結晶性であり、かつ近
赤外光で光吸収が起こるC−H結合を実質的に有しない
含フッ素重合体が好ましい。すなわち、含フッ素重合体
(b)としては、組み合わされる含フッ素重合体(a)
よりも低屈折率である限り、含フッ素重合体(a)と同
種の含フッ素重合体であることが好ましい。含フッ素重
合体(b)としては、特に主鎖に含フッ素脂肪族環構造
を有する含フッ素重合体が好ましい。また、含フッ素重
合体(a)、含フッ素重合体(b)は、溶融成形性を有
する重合体であり、通常は実質的に線状の重合体であ
る。以下、まず、非結晶性であり、かつ近赤外光で光吸
収が起こるC−H結合を実質的に有しない含フッ素重合
体であって、かつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する
含フッ素重合体を説明する。この含フッ素重合体から選
ばれた屈折率の異なる2種の含フッ素重合体を、それぞ
れ含フッ素重合体(a)、含フッ素重合体(b)として
使用することが好ましい。主鎖に含フッ素脂肪族環構造
を有する含フッ素重合体は主鎖が炭素原子の連鎖からな
り、かつその主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フ
ッ素重合体である。主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有す
るとは、脂肪族環を構成する炭素原子の1以上が主鎖を
構成する炭素連鎖中の炭素原子であり、かつ脂肪族環を
構成する炭素原子の少なくとも一部にフッ素原子または
フッ素含有基が結合している構造を有することを意味す
る。含フッ素脂肪族環構造としては、含フッ素脂肪族エ
ーテル環構造がさらに好ましい。
【0016】含フッ素重合体の溶融状態における粘度
は、溶融温度200〜300℃において1×102 〜1
×105 Pa・sが好ましい。溶融粘度が高すぎると溶
融紡糸が困難であり、また、溶融粘度が低すぎると保護
被覆を施してケーブル化する際に高温にさらされ軟化
し、光の伝送性能が低下する。
【0017】含フッ素重合体の数平均分子量は1×10
4 〜5×106 が好ましく、5×104 〜1×106
より好ましい。分子量が小さすぎると耐熱性を阻害する
ことがあり、大きすぎると母材の成形または溶融押出が
困難になる。この分子量を固有粘度[η]で表わした場
合は、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)
[以下、「PBTHF」という]中30℃で0.1〜1
dl/gであることが好ましく、特に0.2〜0.5d
l/gであることが好ましい。
【0018】含フッ素脂肪族環構造を有する重合体とし
ては、含フッ素脂肪族環構造を有する単量体(環を構成
する炭素原子と環を構成しない炭素原子間に重合性二重
結合を有する単量体、または環を構成する炭素原子2個
間に重合性二重結合を有する単量体)を重合して得られ
る重合体や、2個以上の重合性二重結合を有する含フッ
素単量体を環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族
環構造を有する重合体が好適である。上記含フッ素脂肪
族環構造を有する単量体は1個の重合性二重結合を有す
る単量体が好ましく、上記環化重合しうる含フッ素単量
体は2個の重合性二重結合を有しかつ含フッ素脂肪族環
構造を有しない単量体が好ましい。なお、以下含フッ素
脂肪族環構造を有する単量体と環化重合しうる含フッ素
単量体以外の共重合性単量体を「他のラジカル重合性単
量体」という。含フッ素重合体の主鎖を構成する炭素原
子は単量体の重合性二重結合の2個の炭素原子から構成
される。したがって、重合性二重結合を1個有する含フ
ッ素脂肪族環構造を有する単量体では、重合性二重結合
を構成する2個の炭素原子の一方または両方の炭素原子
が脂肪族環を構成する原子となる。脂肪族環を有しな
い、かつ2個の重合性二重結合を有する含フッ素単量体
は、一方の重合性二重結合の1個の炭素原子と他方の重
合性二重結合の1個の炭素原子が結合して環を形成す
る。結合した2個の炭素原子とそれらの間にある原子
(ただし、側鎖の原子を除く)によって脂肪族環が形成
され、2個の重合性二重結合の間にエーテル性酸素原子
が存在する場合は含フッ素脂肪族エーテル環構造が形成
される。
【0019】含フッ素脂肪族環構造を有する単量体を重
合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重
合体は、ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジ
オキソール)、ペルフルオロ(4−メチル−2−メチレ
ン−1,3−ジオキソラン)、ペルフルオロ(2−メチ
ル−1,4−ジオキシン)などの含フッ素脂肪族環構造
を有する単量体を単独重合することにより得られる。ま
たこの単量体とC−H結合を含まない他のラジカル重合
性単量体とを共重合させることにより得られた主鎖に含
フッ素脂肪族環構造を有する重合体も用いられる。他の
ラジカル重合性単量体の重合単位の割合が多くなると含
フッ素重合体の光の透過性が低下する場合があるので、
含フッ素重合体としては、含フッ素脂肪族環構造を有す
る単量体の単独重合体やその単量体の重合単位の割合が
70モル%以上の共重合体が好ましい。C−H結合を含
まない他のラジカル重合性単量体としては、テトラフル
オロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ペルフル
オロ(メチルビニルエーテル)などが挙げられる。この
ようなタイプの市販の実質的にC−H結合を有しない非
晶質の含フッ素重合体としては、「テフロン(登録商
標)AF」(デュポン社製)や「ハイフロンAD」(ア
ウシモント社製)などがある。
【0020】また、2個以上の重合性二重結合を有する
含フッ素単量体を環化重合して得られる、主鎖に含フッ
素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−238
111号公報や特開昭63−238115号公報などに
より知られている。すなわち、ペルフルオロ(3−オキ
サ−1,5−ヘキサジエン)やペルフルオロ(3−オキ
サ−1,6−ヘプタジエン)などの単量体を環化重合す
ることにより、またはこのような単量体とテトラフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ペルフルオ
ロ(メチルビニルエーテル)などのC−H結合を含まな
い他のラジカル重合性単量体とを共重合させることによ
り主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られ
る。上記以外の2個以上の重合性二重結合を有する含フ
ッ素単量体としては、ペルフルオロ(4−メチル−3−
オキサ−1,6−ヘプタジエン)、ペルフルオロ(5−
メチル−3−オキサ−1,6−ヘプタジエン)なども好
ましい。他のラジカル重合性単量体の重合単位の割合が
多くなると含フッ素重合体の光の透過性が低下する場合
があるので、含フッ素重合体としては、2個以上の重合
性二重結合を有する含フッ素単量体の単独重合体やその
単量体の重合単位の割合が40モル%以上の共重合体が
好ましい。このようなタイプの市販の実質的にC−H結
合を有しない非晶質の含フッ素重合体としては「サイト
ップ」(旭硝子社製)がある。また、ペルフルオロ
(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの含
フッ素脂肪族環構造を有する単量体とペルフルオロ(3
−オキサ−1,5−ヘキサジエン)、ペルフルオロ(3
−オキサ−1,6−ヘプタジエン)などの2個以上の重
合性二重結合を有する含フッ素単量体とを共重合させる
ことによっても主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含
フッ素重合体が得られる。この場合も組み合わせによっ
ては光の透過性が低下する場合があるので、2個以上の
重合性二重結合を有する含フッ素単量体の重合単位の割
合が30モル%以上の共重合体が好ましい。
【0021】含フッ素重合体(a)、含フッ素重合体
(b)に用いられる含フッ素脂肪族環構造を有する重合
体は、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体の全重合単
位に対して含フッ素脂肪族環構造を有する重合単位を2
0モル%以上、特に40モル%以上含有するものが透明
性、機械的特性などの面から好ましい。
【0022】また、含フッ素脂肪族環構造を有する重合
体はペルフルオロ重合体であることが好ましい。すなわ
ち、炭素原子に結合する水素原子のすべてがフッ素原子
に置換された重合体であることが好ましい。しかし、ペ
ルフルオロ重合体の一部のフッ素原子は塩素原子、重水
素原子などの水素原子以外の原子に置換されていてもよ
い。塩素原子の存在は重合体の屈折率を高める効果を有
することより、塩素原子を有する重合体は特に含フッ素
重合体(a)として使用できる。含フッ素重合体(b)
はクラッド材として用いられるため、含フッ素重合体
(a)との比較において屈折率が0.001以上低いこ
とが必要である。また含フッ素重合体(a)に比較して
含フッ素重合体(b)の光透過性の要求性能の許容性が
大きいことより、含フッ素重合体(b)は少量の水素原
子を有していてもよい。しかし、水素原子の存在は伝送
光の吸収の要因となるおそれがあること、フッ素原子に
比較して水素原子の存在は重合体の屈折率を高めるこ
と、などの理由により、含フッ素重合体(b)としては
実質的に水素原子を有しない重合体が好ましい。また、
たとえば、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体の全重
合単位に対する含フッ素脂肪族環構造を有する重合単位
の割合は、好ましくは20モル%以上で充分使用でき
る。これに対し含フッ素重合体(a)の場合は40モル
%以上が好ましい。たとえば、含フッ素重合体(b)が
含フッ素脂肪族環構造を有する単量体とラジカル重合性
単量体との共重合体の場合、含フッ素重合体(b)中の
含フッ素脂肪族環構造を有する単量体の重合単位の割合
は少なくてもよく、より好ましくは30モル%以上であ
れば充分使用できる。
【0023】本発明における含フッ素重合体(a)、含
フッ素重合体(b)としては、上記の主鎖に含フッ素脂
肪族環構造を有する含フッ素重合体であることが好まし
いが、この含フッ素重合体に限定されるものではない。
たとえば、前記特開平8−5848号公報に記載されて
いる、実質的にC−H結合を有しない、主鎖に含フッ素
脂肪族環構造以外の含フッ素環構造を有する非結晶性の
含フッ素重合体を使用できる。具体的にはたとえば含フ
ッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環構造、含フッ
素芳香族環構造などの含フッ素環構造を主鎖に有する非
結晶性の含フッ素重合体を使用できる。これら重合体の
溶融粘度や数平均分子量は、主鎖に含フッ素脂肪族環構
造を有する含フッ素重合体の前記溶融粘度や数平均分子
量と同等の範囲にあるものが好ましい。
【0024】本発明の光ファイバは、コアおよびクラッ
ドがプラスチック(含フッ素重合体)であるので、石英
製光ファイバのようにコアが折れることなく、また光フ
ァイバの端部のコアが刺さることもなく安全である。ま
た、コアおよびクラッドに含フッ素重合体を用いること
により、光ファイバが透明性、耐熱性、耐湿性、耐候
性、耐薬品性、不燃性および柔軟性を合わせ持ち、該光
ファイバを特に耐薬品性の要求される工場配線、下水道
内配線などに好適に用いることができる。さらに、光フ
ァイバが可撓性、柔軟性などを有し取扱いおよび接続が
容易となり、該光ファイバをオフィスや家庭を結ぶ加入
者系ネットワーク、ビル間や階を結ぶネットワークの構
築に好適に用いることができる。
【0025】本発明のプラスチック光ファイバは、導波
モードが単一モードとなるプラスチック光ファイバであ
る。単一モードとなる条件は規格化周波数Vと呼ばれる
パラメータを用いて(1)式で表される。
【0026】
【数1】 aはコア半径、n1 はコア中心の屈折率、n2 はクラッ
ドの屈折率、λは波長である。本発明のSM型プラスチ
ック光ファイバは含フッ素重合体(a)からなるコア
と、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率が
0.001以上低い含フッ素重合体(b)からなるクラ
ッドを有する。この場合、(1)式を満たすために必要
な(a)および(b)の屈折率n1 およびn2 の関係に
関して、Δn=n1−n2 が0.001≦Δn<0.0
1の範囲であることが望ましい。これより小さいと光を
閉じ込めることができず曲げに対して損失が大きくな
り、一方、大きいとSM条件を満たすためにコア径を非
常に小さくしなければならなくなり光を入射させること
が困難になる。
【0027】プラスチック光ファイバのコア直径および
コアとクラッドの屈折率差を制御し、プラスチック光フ
ァイバの導波モードを単一モードとすることにより、高
帯域で伝送容量が大きく低伝送損失を実現できる。ま
た、導波モードが同一であるためガラス製SM型光ファ
イバとの相互接続が可能となる。本発明のSM型プラス
チック光ファイバの直径は20μm以上が好ましく、5
0μm以上がより好ましい。直径が小さ過ぎると接続等
における取り扱いが困難となりやすく、また導波モード
を単一モードとすることも困難となるおそれがある。直
径の上限は特にはないが、直径が大きくなり過ぎると材
料コストが大きくなり経済性が低下する。経済性等を考
慮すると上限は800μm程度が好ましい。特に好まし
いファイバの直径は100μm〜800μmである。
【0028】本発明のプラスチック光ファイバは、後述
の方法で製造できる。また、本発明のプラスチック光フ
ァイバの用途は、数100m〜数km程度の短距離敷設
用、過酷な使用条件下またはガラスSM型光ファイバと
の接続用(支線)として用いることができ、特に短距離
敷設用に好適に用いられる。
【0029】本発明のSM型プラスチック光ファイバの
製造方法としては、(A)母材を成形してからこれを溶
融紡糸する方法や(B)押出成形機を用いて溶融紡糸す
る方法が採用される。いずれも重合体から直接作成する
方法や単量体を重合させながら成形することも可能であ
る。母材は、含フッ素重合体(b)を円筒状容器の中で
溶融し、前記含フッ素重合体(b)の溶融液の中心軸部
に含フッ素重合体(a)を注入した後に冷却することに
より、製造することができる。また、含フッ素重合体
(b)の中空円筒状物を溶融成形等により作成した後に
含フッ素重合体(a)を挿入することにより、母材を製
造することもできる。さらに、含フッ素重合体(b)の
中空円筒状物は含フッ素重合体(b)となる単量体をバ
ルク重合させて製造することもできる。含フッ素重合体
(b)の中空円筒状物の円筒内部に含フッ素重合体
(a)を挿入する方法としては、溶融状態の含フッ素重
合体(a)を充填する方法、円柱状に成形した含フッ素
重合体(a)を挿入する方法、含フッ素重合体(a)と
なる単量体を充填しその場でバルク重合して含フッ素重
合体(a)とする方法などを使用できる。
【0030】母材を溶融紡糸する方法としては、以下の
方法が採用できる。円筒状の加熱炉に一定速度v1 でこ
の母材を挿入しながら先端より溶融させ形状を糸状に細
くしてゆき一定速度v2 で引き取ることにより所定の外
径のファイバを得る。このときv1 とv2 の関係は元の
母材のコア半径r1 とファイバのコア半径r2 に対して v1 πr1 2=v2 πr2 2 の体積一定の関係から結局
【数2】 となる。従って、母材のコア−クラッド比率によってフ
ァイバのコア−クラッド比も決まるため、コア径を変え
るとクラッド径も変わってしまうので設計の自由度が限
定される。一方、押出成形機を用いて溶融紡糸する方法
ではスクリューの回転数やノズルの大きさを変更するこ
とにより任意のサイズのファイバを製造可能であり、ま
た、連続製造可能なため生産性が良く望ましいが、両者
を組み合わせた方法でもよい。すなわち、母材を押し出
し法により製造した後に熱延伸する方法でもよい。
【0031】
【実施例】以下、具体例をもって本発明を説明するが本
発明はこれら具体例に限定されない。 (合成例1)ペルフルオロ(3−オキサ−1,6−ヘプ
タジエン)[以下「PBVE」という]30g、イオン
交換水150g、メタノール10gおよび重合開始剤で
あるジイソプロピルペルオキシジカーボネート0.15
gを、内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブ
に入れた。系内を3回窒素で置換した後、40℃で22
時間縣濁重合を行った。得られた重合体の末端をフッ素
化して安定化し、 精製して、精製された重合体(以下、
「重合体A」という)を26g得た。重合体Aの固有粘
度[η]は、PBTHF中30℃で0.24dl/gで
あった。示差走査熱分析(以下「DSC」という)によ
り測定した重合体Aのガラス転移温度は108℃であ
り、室温ではタフで透明なガラス状の重合体であった。
また10%熱分解温度は468℃であり、重合体Aのフ
ィルムのアッペ屈折率計により測定した屈折率(以下の
例もすべて同様)は1.342であった。
【0032】(合成例2)PBVE27g、ペルフルオ
ロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)[以下
「PDD」という] 3g、イオン交換水150g、メタ
ノール10gおよびジイソプロピルペルオキシジカーボ
ネート0.15gを、内容積200mlの耐圧ガラス製
オートクレーブに入れた。系内を3回窒素で置換した
後、40℃で22時間縣濁重合を行った。得られた重合
体の末端をフッ素化して安定化し、 精製して、精製され
た重合体(以下、「重合体B」という)を27g得た。
重合体Bの固有粘度[η]は、PBTHF中30℃で
0.25dl/gであった。IRスペクトルの解析から
PDDの重合反応により形成された繰り返し単位(以下
「PDD重合単位」という。以下同様とする)の含量は
10モル%であった。DSCにより測定した重合体Bの
ガラス転移温度は115℃であり、室温ではタフで透明
なガラス状の重合体であった。また10%熱分解温度は
465℃であり、屈折率は1.337であった。
【0033】(合成例3)PBVE20g、テトラフル
オロエチレン(以下「TFE」という)10g、ジクロ
ロペンタフルオロプロパン(以下「R225」という)
30gおよびペルフルオロベンゾイルペルオキシド30
mgを、内容積200mlのステンレス鋼製オートクレ
ーブに入れた。液体窒素中で凍結、真空脱気した後、7
0℃で20時間溶液重合を行った。得られた重合体を精
製して、精製された重合体(以下、「重合体C」とい
う)を25g得た。重合体Cの固有粘度[η]は、PB
THF中30℃で0.27dl/gであった。NMRス
ペクトルの解析からPBVE重合単位:TFE重合単位
のモル比は46:54であった。DSCにより測定した
重合体Cのガラス転移温度は82℃であり、室温ではタ
フで透明なガラス状の重合体であった。また10%熱分
解温度は468℃であり、屈折率は1.338であっ
た。
【0034】(合成例4)PBVE22g、ペルフルオ
ロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラ
ン)[以下「PMMD」という]8g、イオン交換水1
50g、メタノール10gおよびジイソプロピルペルオ
キシジカーボネート0.15gを、内容積200mlの
耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。系内を3回窒素
で置換した後、40℃で22時間縣濁重合を行った。得
られた重合体の末端をフッ素化して安定化し、 精製し
て、精製された重合体(以下、「重合体D」という)を
26.6g得た。重合体Dの固有粘度[η]は、PBT
HF中30℃で0.27dl/gであった。NMRスペ
クトルの解析からPBVE重合単位:PMMD重合単位
のモル比は68:32であった。DSCにより測定した
重合体Dのガラス転移温度は114℃であり、室温では
タフで透明なガラス状の重合体であった。また10%熱
分解温度は447℃であり、屈折率は1.338であっ
た。
【0035】(合成例5)PBVE8g、2,2−ビス
(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソール[以下
「HFDD」という]7g、TFE8g、R225を1
0gおよびペルフルオロベンゾイルペルオキシド50m
gを、内容積200mlのステンレス鋼製オートクレー
ブに入れた。液体窒素中で凍結、真空脱気した後、70
℃で20時間溶液重合を行った。得られた重合体を精製
して、精製された重合体(以下、「重合体E」という)
を4.7g得た。重合体Eの固有粘度[η]は、PBT
HF中30℃で0.24dl/gであった。NMRスペ
クトルの解析からPBVE重合単位:HFDD重合単
位:TFE重合単位のモル比は50:15:35であっ
た。DSCにより測定した重合体Eのガラス転移温度は
80℃であり、室温ではタフで透明なガラス状の重合体
であった。また10%熱分解温度は462℃であり、屈
折率は1.338であった。
【0036】(合成例6)ペルフルオロ(4−メチル−
3−オキサ−1,6−ヘプタジエン)の2gとジイソプ
ロピルペルオキシジカーボネート6.2mgをガラスア
ンプル中に入れ、液体窒素中で凍結、真空脱気後封管し
た。40℃、20時間オーブン中で加熱後、固化した内
容物を取り出して、200℃で1時間乾燥し、重合体の
末端をフッ素化して安定化した。得られた重合体(以
下、重合体Fという)の収率は99%であった。重合体
Fの固有粘度[η]は、PBTHF中30℃で0.27
dl/gであった。屈折率は1.328、また、動的熱
機械分析(DMA)により測定したガラス転移温度は1
24℃であった。
【0037】(実施例1)重合体Bを内径3.3cmの
円筒状ステンレス鋼製容器の内部に入れて溶融させた。
このとき中心部に外径1.1mmのステンレス鋼製棒を
差し込み冷却固化させた。ステンレス鋼製棒を引き抜
き、成形された重合体Bの中空ロッド(25cm)を容
器から取り出した。次に、重合体Aを用いて外径1m
m、長さ25cmの棒を別途作成し、重合体Bの中空ロ
ッドに差し込むことにより重合体A(屈折率1.34
2)をコア、重合体B(屈折率1.337)をクラッド
とする母材を得た。この母材を240℃に加熱した円筒
形電気炉中にv1 =0.57mm/minで片端より送
り込み、v2 =10m/minの速度でファイバを引き
取った。この際、母材のコアとクラッドの隙間を94k
Paのわずかな減圧にしてコアとクラッドを密着させ
た。このようにして得られたファイバの外径は0.25
mmであった。このときコア直径は計算上約8μmとな
り、波長1.3μmの光源に対して規格化周波数V=
2.24であるため単一モードの条件を満たしている。
このファイバの片端から光源として波長1.3μmのレ
ーザーダイオード(以下LDという)を用いて光を入射
し、ニアフィールドパターン(以下「NFP」という)
法により出射光の強度分布を測定することにより、モー
ドフィールド径を測定したところ10μmであった。ま
た、曲げ法によりカットオフ波長を測定したところ1.
25μmであった。またカットバック法により伝送損失
を測定したところ波長1.3μmにおいて20dB/k
mであった。
【0038】(実施例2)重合体Cを内径3.3cmの
円筒状ステンレス鋼製容器の内部に入れて溶融させた。
このとき中心部に外径1.1mmのステンレス鋼製棒を
差し込み冷却固化させた。ステンレス鋼製棒を引き抜
き、成形された重合体Cの中空ロッド(25cm)を容
器から取り出した。次に、重合体Aを用いて外径1m
m、長さ25cmの棒を別途作成し、重合体Cの中空ロ
ッドに差し込むことにより重合体A(屈折率1.34
2)をコア、重合体C(屈折率1.338)をクラッド
とする母材を得た。この母材を230℃に加熱した円筒
形電気炉中にv1 =0.57mm/minで片端より送
り込み、v2 =10m/minの速度でファイバを引き
取った。この際、母材のコアとクラッドの隙間を94k
Paのわずかな減圧にしてコアとクラッドを密着させ
た。このようにして得られたファイバの外径は0.25
mmであった。このときコア直径は計算上約8μmとな
り、波長1.3μmの光源に対して規格化周波数V=
2.00であるため単一モードの条件を満たしている。
このファイバの片端から光源として波長1.3μmのL
Dを用いて光を入射し、NFP法により出射光の強度分
布を測定することにより、モードフィールド径を測定し
たところ10μmであった。また、曲げ法によりカット
オフ波長を測定したところ1.2μmであった。
【0039】(実施例3)スクリュー押出機を用いて2
50〜270℃で重合体A(屈折率1.342)を中心
に、重合体D(屈折率1.338)を周辺部に位置する
ように二重に押し出した。このときダイス出口での押し
出された重合体の外径は20mmで、これを外径0.2
mmまで引き落とすことによりファイバを作成した。こ
のときのファイバの巻き取り速度は12m/minであ
った。このときコア直径は計算上約8μmとなり、波長
1.3μmの光源に対して規格化周波数V=2.00で
あるため単一モードの条件を満たしている。このファイ
バの片端から光源として波長1.3μmのLDを用いて
光を入射し、NFP法により出射光の強度分布を測定す
ることにより、モードフィールド径を測定したところ1
0μmであった。また、曲げ法によりカットオフ波長を
測定したところ1.2μmであった。
【0040】(実施例4)重合体Eを用いて実施例1と
同様な方法により重合体A(屈折率1.342)をコ
ア、重合体E(屈折率1.338)をクラッドとする母
材を得た。この母材を240℃に加熱した円筒形電気炉
中にv1 =0.57mm/minで片端より送り込み、
2 =10m/minの速度でファイバを引き取った。
この際、母材のコアとクラッドの隙間を94kPaのわ
ずかな減圧にしてコアとクラッドを密着させた。このよ
うにして得られたファイバの外径は0.25mmであっ
た。このときコア直径は計算上約8μmとなり、波長
1.3μmの光源に対して規格化周波数V=2.00で
あるため単一モードの条件を満たしている。このファイ
バの片端から光源として波長1.3μmのLDを用いて
光を入射し、NFP法により出射光の強度分布を測定す
ることにより、モードフィールド径を測定したところ1
0μmであった。また、曲げ法によりカットオフ波長を
測定したところ1.2μmであった。
【0041】(実施例5)重合体Fを用いて実施例3と
同様な方法により重合体A(屈折率1.342)をコ
ア、重合体F(屈折率1.328)をクラッドとするフ
ァイバを得た。このファイバの外径は0.5mmであっ
た。このときコア直径は4μmとなり、波長1.3μm
の光源に対して規格化周波数V=1.87であるため単
一モードの条件を満たしている。このファイバの片端か
ら光源として波長1.3μmのLDを用いて光を入射
し、NFP法により出射光の強度分布を測定することに
より、モードフィールド径を測定したところ5μmであ
った。また、曲げ法によりカットオフ波長を測定したと
ころ1.1μmであった。
【0042】(実施例6)アウジモント社製のフッ素重
合体ハイフロンADを用いて実施例1と同様な方法によ
り重合体F(屈折率1.328)をコア、ハイフロンA
D(屈折率1.325)をクラッドとする母材を得た。
この母材を250℃に加熱した円筒形電気炉中にv1
0.57mm/minで片端より送り込み、v2 =10
m/minの速度でファイバを引き取った。この際、母
材のコアとクラッドの隙間を94kPaのわずかな減圧
にしてコアとクラッドを密着させた。このようにして得
られたファイバの外径は0.25mmであった。このと
きコア直径は計算上約8μmとなり、波長1.3μmの
光源に対して規格化周波数V=1.72であるため単一
モードの条件を満たしている。このファイバの片端から
光源として波長1.3μmのLDを用いて光を入射し、
NFP法により出射光の強度分布を測定することによ
り、モードフィールド径を測定したところ10μmであ
った。また、曲げ法によりカットオフ波長を測定したと
ころ1.0μmであった。
【0043】(実施例7)ハイフロンADとデュポン社
のテフロン(登録商標)AFを用いて実施例3と同様な
方法によりハイフロンAD(屈折率1.325)をコ
ア、テフロン(登録商標)AF(屈折率1.31)をク
ラッドとするファイバを得た。このファイバの外径は
0.3mmであった。このときコア直径は4μmとな
り、波長1.3μmの光源に対して規格化周波数V=
1.92であるため単一モードの条件を満たしている。
このファイバの片端から光源として波長1.3μmのL
Dを用いて光を入射し、NFP法により出射光の強度分
布を測定することにより、モードフィールド径を測定し
たところ5μmであった。また、曲げ法によりカットオ
フ波長を測定したところ1.2μmであった。
【0044】
【発明の効果】本発明により、取扱いが容易かつ安全
(光ファイバが折れることなく、また刺さることもな
い)で、接続コストが低く、数100m〜数km程度の
短距離敷設が可能な、高帯域で伝送容量が大きく低伝送
損失のSM型プラスチック光ファイバおよびその製造方
法を提供できる。また、本発明により、ガラス製SM型
光ファイバとの相互接続可能なプラスチック光ファイバ
およびその製造方法を提供できる。また、本発明によ
り、非晶質含フッ素材料、特に含フッ素脂肪族環構造を
有する重合体を用いることにより、材料分散が、ガラス
およびアクリルよりも小さくなり、より高帯域のプラス
チック光ファイバおよびその製造方法を提供できる。さ
らに本発明により、透明性、耐熱性、耐湿性、耐候性、
耐薬品性、不燃性および柔軟性を合わせ持ち、特に耐薬
品性の要求される工場配線、下水道内配線などに好適な
プラスチック光ファイバおよびその製造方法を提供でき
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コアが実質的にC−H結合を有しない非結
    晶性の含フッ素重合体(a)からなり、クラッドが含フ
    ッ素重合体(a)との比較において屈折率が0.001
    以上低い含フッ素重合体(b)からなる、導波モードが
    単一モードであるプラスチック光ファイバ。
  2. 【請求項2】含フッ素重合体(a)の屈折率をn1 、含
    フッ素重合体(b)の屈折率をn2としたとき、n1
    2 との関係が0.001≦n1 −n2 <0.01であ
    る、請求項1に記載のプラスチック光ファイバ。
  3. 【請求項3】プラスチック光ファイバの外径が100μ
    m〜800μmである、請求項1または2に記載のプラ
    スチック光ファイバ。
  4. 【請求項4】含フッ素重合体(b)が、実質的にC−H
    結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体である、請求
    項1〜3のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ。
  5. 【請求項5】前記含フッ素重合体(b)が、実質的にC
    −H結合を有しない、かつ、主鎖に含フッ素脂肪族環構
    造を有する含フッ素重合体である、請求項1〜4のいず
    れかに記載のプラスチック光ファイバ。
  6. 【請求項6】前記含フッ素重合体(a)が、主鎖に含フ
    ッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体である、請求
    項1〜5のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ。
  7. 【請求項7】前記含フッ素重合体(a)および(b)が
    いずれも、実質的にC−H結合を有しない、かつ、主鎖
    に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体であ
    る、請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック光フ
    ァイバ。
  8. 【請求項8】前記含フッ素重合体(b)を円筒状容器の
    中で溶融し、前記含フッ素重合体(b)の溶融液の中心
    軸部に前記含フッ素重合体(a)を注入した後に冷却す
    ることにより、または前記含フッ素重合体(b)の中空
    円筒状物を作成した後に前記含フッ素重合体(a)を挿
    入することにより母材を成形し、この母材をさらに溶融
    紡糸することにより得られる請求項1〜7のいずれかに
    記載のプラスチック光ファイバの製造方法。
  9. 【請求項9】前記含フッ素重合体(a)を中心部に、前
    記含フッ素重合体(b)を周囲に同心円状に配置される
    ように押出成形により溶融紡糸されて得られる請求項1
    〜7のいずれかに記載のプラスチック光ファイバの製造
    方法。
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