JPWO2002084346A1 - 光導波路 - Google Patents

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淳 渡壁
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順一 田柳
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Abstract

耐熱性が良好で、伝搬損失が少ない光導波路の提供。基板上に設けられた光導波路であって、そのコア部およびクラッド部の材料がそれぞれトリアジン環を有する架橋した含フッ素ポリマーで構成された光導波路。

Description

<技術分野>
本発明は、トリアジン環含有フルオロポリマーを用いた光導波路に関する。
<背景技術>
光導波路は近年の情報伝達量、伝達速度向上に対応するべく検討されており、光導波路材料も種々の構造のものが検討されている。例えばアクリレート系ポリマーや、ポリカーボネート、含フッ素ポリイミドなどの透明性に優れる材料が検討されているが、一層の伝搬損失の低い材料が望まれている。
特開平4−190202号公報には、光導波路材料として非晶質含フッ素重合体を用いることによって、伝搬損失を少なくでき、吸湿率を低下でき、配向複屈折に従う光の散乱を抑制できることが記載されている。しかし、含フッ素重合体は線状重合体であり、耐熱性の面ではさらに改良の余地がある。
本発明は、上記した従来技術の問題を解消し、含フッ素重合体の優れた特性を犠牲にすることなく、耐熱性に優れかつ伝搬損失の小さい光導波路を提供することを目的とする。
<発明の開示>
本発明は、基板上に設けられた、光が伝搬するコア部とコア部の周りに形成されたクラッド部とを有する光導波路であって、コア部またはクラッド部の材料がトリアジン環を有する架橋した含フッ素ポリマーであることを特徴とする光導波路、および、基板上に設けられた、光が伝搬するコア部とコア部の周りに形成されたクラッド部とを有する光導波路であって、コア部およびクラッド部の材料がそれぞれトリアジン環を有する架橋した含フッ素ポリマーであり、かつコア部がクラッド部より高屈折率であることを特徴とする光導波路、である。
本発明の光導波路としては、特に後者の光導波路が好ましい。その場合、コア部がクラッド部より高屈折率とするためには、コア部の含フッ素ポリマーがクラッド部の含フッ素ポリマーよりも高屈折率のポリマーを用いることが好ましい。含フッ素ポリマーの屈折率を変える手段としては、トリアジン環密度を変える(トリアジン環密度が高いほど高屈折率)、フッ素原子以外のハロゲン原子または水素原子を含ませる(フッ素原子以外のハロゲン原子または水素原子が多い程高屈折率)、などがある。
また、トリアジン環を有する架橋した含フッ素ポリマーとしては、重合性不飽和基を2以上有する含フッ素トリアジン化合物を重合して得られる含フッ素ポリマー、およびシアノ基を有するモノマー単位を含むオリゴマーを熱架橋して得られる含フッ素ポリマーがあり、特に後者の含フッ素ポリマーが好ましい。
<発明を実施するための最良の形態>
本発明において光導波路とは、石英ガラス基板やシリコン基板などの半導体上に形成された光機能装置の基本構成要素であり、各種の光部品を構成できるものである。
光導波路は、光が伝搬するコア部とコア部の周りに形成されたクラッド部からなる構造を有する。光がコア部を伝搬するためには、コア部の材料の屈折率はクラッド部の材料の屈折率よりも高い必要がある。伝搬光は、導波路内に閉じ込められ、コア内を伝搬する。伝搬光は外場(外部からの信号または近接するコア部)により制御することが可能である。光導波路は、その機能により光変調器、光スイッチ、波長選択装置、光集積回路などに分類され、異なる導波路を種々組み合わせることも可能である。
光導波路は、通常、基板に接したクラッド部とそのクラッド内のコア部とから構成されている。この光導波路は、通常、基板上にクラッド部となる層を形成し、この層の上にコア部となる層を形成し、コア部となる層の一部をエッチング等により除去して光が伝搬する部分(すなわちコア部)を形成し、このコア部上(コア部が形成されていない部分はクラッド部となる層上)にさらにクラッド部となる層を形成する方法で形成される。この方法で形成された上下の層が一体でクラッド部となり、コア部はこの上下の層に囲まれた構成となる。
本発明におけるトリアジン環を有する架橋した含フッ素ポリマー(以下、含フッ素ポリマー(Q)という)は、分子内にトリアジン環を含有しかつ少なくとも2つの重合性不飽和基を有する含フッ素化合物を付加重合して得られる硬化物(以下、含フッ素ポリマー(Q−1)という)や、シアノ基含有含フッ素オリゴマーのシアノ基を3量化してトリアジン環を形成することにより得られる硬化物(以下、含フッ素ポリマー(Q−2)という)が好適である。以下、この付加重合や3量化を架橋ともいい、架橋により架橋したポリマーとすることを硬化ともいう。
含フッ素ポリマー(Q)は、炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されたポリマーであり、水素原子とフッ素原子の合計に対して40%以上(好ましくは60%以上、特に80%以上)がフッ素原子であるポリマーが好ましい。また、水素原子の一部はフッ素原子以外のハロゲン原子(塩素原子や臭素原子)に置換されていてもよく、そのハロゲン原子としてはポリマーの熱的安定性や化学的安定性の面から特に塩素原子が好ましい。
特に好ましい含フッ素ポリマー(Q)としては、水素原子の全てがフッ素原子に置換された含フッ素ポリマー(以下、パーフルオロポリマーという)と水素原子の全てがフッ素原子と塩素原子に置換された(ただし、塩素原子の数はフッ素原子と塩素原子の合計に対して30%以下が好ましい)含フッ素ポリマー(以下、パーハロフルオロポリマーという)が好ましい。このようなパーフルオロポリマーやパーハロフルオロポリマーは特に伝搬損失の低い導波路を得るための材料として好ましい。
含フッ素ポリマー(Q)は、炭素原子とフッ素原子および上記のように任意にフッ素原子以外のハロゲン原子や水素原子を有する。加えて、窒素原子(トリアジン環の窒素原子)を有し、さらに任意に酸素原子を有していてもよい。さらに、トリアジン環の窒素原子以外の窒素原子やこれら以外の種類の原子を有していてもよいが、通常はそのような原子は含まないポリマーであることが好ましい。
含フッ素ポリマー(Q)は公知のものを使用できる。含フッ素ポリマー(Q)は、例えば、特開平5−339247号公報、特開平6−340640号公報、特開平6−340710号公報、特開平7−268031号公報、特開平11−102905号公報などに記載されている。
含フッ素ポリマー(Q)のうち含フッ素ポリマー(Q−1)は、例えば以下の含フッ素化合物(以下トリアジン環含有モノマーという)を付加重合することにより得られる。またトリアジン環含有モノマーの部分重合物を原料として用い、これを最終的に重合して含フッ素ポリマー(Q−1)を得ることもできる。
Figure 2002084346
含フッ素ポリマー(Q)のうち含フッ素ポリマー(Q−2)は、例えばシアノ基含有含フッ素オリゴマーのシアノ基を3量化することにより得られる。シアノ基含有含フッ素オリゴマーとしては、シアノ基と重合性不飽和基を有する含フッ素化合物(以下、シアノ基含有含フッ素モノマーという)を付加重合して得られるホモオリゴマー、シアノ基含有含フッ素モノマー2種以上を付加重合して得られるコオリゴマー、シアノ基含有含フッ素モノマーと他の共重合性モノマーとを付加重合して得られるコオリゴマーなどがある。
また、シアノ基に変換しうる官能基(以下、前駆体基という)と重合性不飽和基を有する含フッ素化合物(以下、前駆体基含有含フッ素モノマーという)を有する含フッ素モノマーをシアノ基含有含フッ素モノマーの代わりに用いて上記のようなホモオリゴマーやコオリゴマーを製造し、その後得られたポリマー中の前駆体基をシアノ基に変換してシアノ基含有含フッ素オリゴマーを製造することもできる。
シアノ基含有含フッ素オリゴマーは以下の式1または式2で表されるモノマー単位を有するオリゴマーが好ましい。
Figure 2002084346
式1、式2においてAは−OR−または−R−で表される2価の基を表し、nは0または1を表す。R、Rはそれぞれエーテル性酸素原子を炭素原子間に有していてもよいポリフルオロアルキレン基を表す。このポリフルオロアルキレン基は2以上のフッ素原子を有し、フッ素原子以外のハロゲン原子や水素原子を有していてもよい。ポリフルオロアルキレン基の炭素数は1〜15が適当であり、2〜12が好ましい。ポリフルオロアルキレン基はフッ素原子以外のハロゲン原子や水素原子を有していてもよい。また、エーテル性酸素原子はポリフルオロアルキレン基の炭素原子間に存在することができ、その酸素原子の数は炭素原子4個に対し1個から炭素原子1個に対し1個の割合であることが好ましい。
、Rとしては、水素原子とフッ素原子の合計に対して50%以上、特に70%以上がフッ素原子であり、フッ素原子以外に塩素原子または水素原子を有していてもよくかつエーテル性酸素原子を有していてもよい炭素数2〜12のポリフルオロアルキレン基である。特に、エーテル性酸素原子を有していてもよいパーフルオロアルキレン基、または、エーテル性酸素原子を有していてもよいパーハロポリフルオロアルキレン基(ただし、フッ素原子以外のハロゲン原子は塩素原子であり、フッ素原子と塩素原子の総数に対するフッ素原子の数は50%以上(特に70%以上が好ましい)であるもの)であって、炭素数2〜12、エーテル性酸素原子が存在する場合は炭素原子4個に対して1個から炭素原子2個に対して1個の割合であるもの、が好ましい。なお、nは1が好ましい。
式1および式2で表されるモノマー単位を有するシアノ基含有含フッ素オリゴマーは、下記式3および式4で表されるシアノ基含有含フッ素モノマーを、必要により他のモノマーとともに、重合して得られる。また、下記式5および式6で表される前駆体基含有含フッ素モノマーを、必要により他のモノマーとともに、重合し、その後オリゴマー中の前駆体基をシアノ基に変換して得られる。下記式3〜6において、A、nは前記のA、nと同じものを表し、Bは前駆体基を表す。
CF=CF−(A)−CN ・・・式3
CH=CF−(A)−CN ・・・式4
CF=CF−(A)−B ・・・式5
CH=CF−(A)−B ・・・式6
前駆体基としては、−COOH、−COX(ただし、Xはハロゲン原子を表す)、−COOR(ただし、Rはハロゲン原子を有していてもよい炭素数4以下のアルキル基を表す)、−CONHなどのカルボニル基を有する1価の基が好ましい。これらの前駆体基は、例えば−COXや−COORの場合はNHと反応させて−CONHに変換し、−CONH基はトリフルオロ酢酸無水物、五酸化リンなどの脱水剤と反応させて−CNに変換できる。このような前駆体基のシアノ基への変換方法の詳細は、例えば特開平11−102905等に記載されている。
式3、式4で表されるシアノ基含有含フッ素モノマーとしては、例えば以下の化合物がある。また、式5、式6で表される前駆体基含有含フッ素モノマーとしては、例えば以下の化合物のシアノ基が前記前駆体基である化合物がある。
CF=CFO(CFCN
CF=CF(OCFCF(CF))q+1CN
CF=CF(OCFCF(CF))O(CFCN
CF=CF(OCFCF(CFCl))OCFCF(CF)CN
CF=CF(OCFCF(CFCl))O(CFCN
CF=CFO(CFOCF(CF)CN
CF=CFCN
CF=CF(CFCN
CF=CF(CFCF(CF))OCFCF(CF)CN
CF=CF(CFCF(CF))O(CFCN
CF=CF(CFCFCl)OCFCF(CF)CN
CF=CF(CFCFCl)O(CFCN
CF=CF(CFOCF(CF)CN
CH=CFCFO(CF(CF)CFO)q+1CF(CF)CN
[ただし、pは2〜12の整数、qは0〜4の整数、rは1または2の整数、sは1〜4の整数、tは1〜4の整数、uは1または2、vは1〜4の整数、および、wは2〜5の整数、を表す。]。
式3〜式6で表される含フッ素モノマーやそのシアノ基の代わりに前駆体基を有する含フッ素モノマーと共重合させうるモノマーとしては、式3〜式6で表される含フッ素モノマー以外の含フッ素モノマーが好ましい。コオリゴマーにおける式1および式2で表されるモノマー単位の全モノマー単位に対する割合は、特に限定されるものではないが、10モル%以上が適当であり、20モル%以上が好ましい。特に好ましい割合は30モル%以上である。この割合が低い場合は含フッ素ポリマー(Q−2)の架橋密度が低下(トリアジン環の含有量が低下)する。
含フッ素ポリマー(Q−2)の架橋密度が高いほどそのポリマーのガラス転移温度が高くなる。含フッ素ポリマー(Q−2)のガラス転移温度は、50℃以上、より好ましくは75℃以上、さらに好ましくは100℃以上であることが、得られる光導波路特性の使用温度域での安定性の点から好ましい。なお、含フッ素ポリマー(Q−1)を得る場合も前記のようなトリアジン環含有モノマーの硬化(付加重合による架橋)の際に他のモノマーと共重合させて硬化させることもでき、その共重合させるモノマーとしても含フッ素モノマーが好ましい。
シアノ基含有含フッ素オリゴマーにおけるシアノ基含有モノマー単位の数は平均して1分子中に3個以上、特に4個以上が好ましい。またその上限は500個以下が好ましい。シアノ基含有含フッ素オリゴマーにおけるシアノ基含有モノマー単位の好ましい数は平均して1分子中に3〜100個、より好ましくは4〜50個、特に好ましくは5〜50個である。また、このオリゴマーにおける全モノマー単位の数は500個以下が好ましく、100個以下がより好ましい。この数が多すぎるとシアノ基含有含フッ素オリゴマーの溶剤に対する溶解性が低下し、架橋が困難になりやすい。
上記他の含フッ素モノマーとしては、シアノ基や前駆体基を有するモノマーと共重合しうる含フッ素モノマーであれば限定されないが、以下の含フッ素モノマーが好ましい。テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレン、下記含フッ素ビニルエーテル類[xは1〜12の整数、yは1〜50の整数。]などが挙げられる。
F(CFOCF=CF
CFCFCFO(CF(CF)CFO)CF=CF
さらに他の含フッ素モノマーとしては、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などの環に重合性不飽和基を有するパーフルオロ環状モノマー、パーフルオロ(2−メチリデン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)などの環の炭素原子と環外の炭素原子間に重合性不飽和基を有するパーフルオロ環状モノマー、パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)やパーフルオロ(アリルビニルエーテル)などの環化重合しうるポリフルオロジエン系モノマーなどがある。
シアノ基含有含フッ素オリゴマーのシアノ基を3量化しトリアジン環を形成して含フッ素ポリマー(Q−2)にする場合、シアノ基含有含フッ素オリゴマーを単に加熱することによりシアノ基を3量化することができるが、さらに速やかに3量化反応を促進するために触媒を使用することが好ましい。また、シアノ基にアンモニアを作用させてシアノ基の1部または全部を一旦、−C(=NH)−NH基に変換し、その後脱アンモニア反応と同時に3量化反応させてトリアジン環を形成する方法を用いることもできる。この方法は、単にシアノ基をそのまま3量化する方法よりも3量化反応速度が促進される。
シアノ基の3量化触媒としてはアミン類、アミジン類、イミドイルアミジン構造を有する化合物類、酸類、テトラフェニルスズ、カルボン酸の遷移金属塩類および過酸化物などから選ばれる1種以上を用いうる。また、アンモニアまたはアミン系化合物の活性水素の一部または全てを他の官能基で保護したブロックドアミン化合物を触媒としうる。
3量化触媒の使用量は、シアノ基含有含フッ素オリゴマー100質量部に対して、0.01〜30質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましく、0.5〜10質量部がさらに好ましい。
アミン類としては、脂肪族アミン類、脂肪環を有するアミン類および芳香環を有するアミン類などから選ばれる1種以上が使用できる。また、1級アミン類、2級アミン類および3級アミン類から選ばれる1種以上が使用できる。触媒活性がより高いことから1級アミン類および2級アミン類から選ばれる1種以上が好ましく、1級アミン類がさらに好ましい。硬化物の耐熱性を高める点では芳香族環を有するアミン類が好ましく、触媒活性が高い点では脂肪族アミン類が好ましい。
また、光導波路の伝搬損失を低くするためには、沸点の低いアミン化合物を用いることが硬化と同時および/または硬化後の熱処理により残存するアミン化合物を除去することが容易になるため好ましい。シアノ基含有含フッ素オリゴマーとの相溶性を高める点では、2−(フルオロアルキル)エチルアミン、3−(フルオロアルキル)プロピルアミン、4−(フルオロアルキル)アニリン、3−(フルオロアルキル)アニリンなどのフッ素系アミン類の1種以上を使用してもよい。
アミン類、アミジン類、イミドイルアミジン構造を有する化合物類、ブロックドアミン化合物、酸類、テトラフェニルスズ、カルボン酸の遷移金属塩類、過酸化物などの3量化触媒の具体例としては、例えば特開平11−102905号公報に記載されている3量化触媒がある。
シアノ基含有含フッ素オリゴマーはそれ以外のシアノ基含有化合物と併用し、それらの混合物をシアノ基の3量化反応により硬化させて硬化物を得ることもできる。このシアノ基含有化合物としては、シアノ基含有含フッ素オリゴマー以外の1〜2個のシアノ基を有する含フッ素化合物が好ましい。好ましい含フッ素化合物は1〜2個のシアノ基を有するペルフルオロアルカンやペルフルオロエーテルである。このようなシアノ基含有化合物を併用する場合、その使用量はシアノ基含有含フッ素オリゴマー100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、1〜70質量部がより好ましく、5〜50質量部がさらに好ましい。
シアノ基含有含フッ素オリゴマーは通常光導波路を形成する場所(すなわち基板上)で架橋して含フッ素ポリマー(Q)とされる。しかしこれに限られず、あらかじめシアノ基含有含フッ素オリゴマーの部分架橋物を形成した後この部分架橋物を光導波路を形成する場所で更に架橋して含フッ素ポリマー(Q)としてもよい。この部分架橋物は溶媒に溶解しうるものまたは熱などの外部エネルギーで加工しうるものである等のコア部やクラッド部の形成に支障を生じないものである必要がある。
本発明の光導波路において、そのコア部およびクラッド部のいずれか少なくとも一方の材料は含フッ素ポリマー(Q)からなる。コア部の材料が含フッ素ポリマー(Q)である場合クラッド部の材料はそれよりも屈折率の低い任意の材料を用いうる。また、クラッド部の材料が含フッ素ポリマー(Q)である場合コア部の材料はそれよりも屈折率の高い任意の材料を用いうる。いずれの場合も含フッ素ポリマー(Q)以外の材料としては含フッ素ポリマーが好ましい。特に、溶剤に可溶な非晶質のパーフルオロポリマーやパーハロポリフルオロポリマーが好ましい。
具体的には、例えば、前記の環に重合性不飽和基を有するパーフルオロ環状モノマーのホモポリマーやコポリマー、環の炭素原子と環外の炭素原子間に重合性不飽和基を有するパーフルオロ環状モノマーのホモポリマーやコポリマー、環化重合しうるポリフルオロジエン系モノマーの環化重合したホモポリマーやコポリマーがある。特に、特開2000−81519号公報に記載された光導波路の材料が好ましい。また、含フッ素ポリマー(Q)以外の含フッ素ポリマーの屈折率を調整するために種々の添加剤を配合しうる。例えば、含フッ素ポリマーに屈折率の高い化合物を配合して屈折率の高い材料としうる。
より好ましい本発明の光導波路は、そのコア部およびクラッド部の材料がいずれも含フッ素ポリマー(Q)からなる光導波路である。この光導波路はコア/クラッド間の界面の親和性が高く、界面不整が生じにくくなる。コア部の材料とクラッド部の材料は屈折率が異なる必要があることより、含フッ素ポリマー(Q)からなるそれぞれの材料は屈折率を違える必要がある。屈折率の制御方法については、特に制限はないが、例えば、下記の方法が挙げられる。
(制御法1)含フッ素ポリマー(Q)のトリアジン環密度を制御する。トリアジン環密度が高いほど高屈折率である。例えば、シアノ基含有量の異なる2種のシアノ基含有含フッ素オリゴマーを用い、シアノ基含有量の高いシアノ基含有含フッ素オリゴマーから得られる含フッ素ポリマー(Q−2)をコア材料とし、シアノ基含有量の低いシアノ基含有含フッ素オリゴマーから得られる含フッ素ポリマー(Q−2)をクラッド材料として光導波路を形成する。
(制御法2)含フッ素ポリマー(Q)の塩素原子、臭素原子、水素原子の含有量を制御する。これら原子の含有量が高いほど高屈折率である。例えば、塩素原子を含むシアノ基含有含フッ素オリゴマーから得られる含フッ素ポリマー(Q−2)をコア材料とし、塩素原子を含まない(臭素原子や水素原子も含まない)シアノ基含有含フッ素オリゴマーから得られる含フッ素ポリマー(Q−2)をクラッド材料として光導波路を形成する。
(制御法3)含フッ素ポリマー(Q)の密度を制御する。高密度であるほど屈折率が高い。例えば、前記パーフルオロ環状モノマーや環化重合しうるジエン系モノマーを共重合したシアノ基含有含フッ素オリゴマーから得られる含フッ素ポリマー(Q−2)はそれらモノマーのモノマー単位を含まないシアノ基含有含フッ素オリゴマーから得られる含フッ素ポリマー(Q−2)よりも低密度である。したがって、これら2種の含フッ素ポリマー(Q−2)の高密度の方をコア材料とし、低密度の方をクラッド材料として光導波路を形成する。
(制御法4)含フッ素ポリマー(Q)に屈折率の異なる化合物(以下ドーパントという)を配合する。例えば、含フッ素ポリマー(Q)よりも屈折率の高いドーパントを配合した混合物をコア材料とし、ドーパントを配合していない含フッ素ポリマー(Q)をクラッド材料として光導波路を形成する。
上記制御法は2つ以上を併用することもできる。例えば、塩素を含有しかつシアノ基含有量の高いシアノ基含有含フッ素オリゴマーから得られる含フッ素ポリマー(Q−2)をコア材料とし、塩素原子を含まず(臭素原子や水素原子も含まない)シアノ基含有量の低いシアノ基含有含フッ素オリゴマーから得られる含フッ素ポリマー(Q−2)をクラッド材料として光導波路を形成することができる。
上記制御法4におけるドーパントとしては、含フッ素ポリマー(Q−2)の透明性を阻害することが少なく、かつ光導波路を通る光の吸収が少ないドーパントが好ましい。このようなドーパントとしては、含フッ素ポリマー(Q−2)に対する溶解性が高くかつ炭素原子に結合した水素原子を含まない含フッ素化合物や微粒子状金属酸化物が好ましい。このドーパントは含フッ素ポリマー(Q−2)よりも高屈折率であることが好ましく、そのためベンゼン環などの芳香環や塩素原子や臭素原子などのフッ素原子以外のハロゲン原子を有する含フッ素化合物が好ましい。このようなドーパントとしては、含フッ素ポリマーを用いた光学材料(例えば光ファイバー)に用いられる公知のドーパントを用いうる。例えば、特開平8−5848号公報、特開平11−167030号公報、特開2000−81519号公報などに記載されているドーパントを用いうる。
また微粒子状金属酸化物としては2以上の加水分解性基を有する金属化合物を含フッ素ポリマー(Q−2)中で加水分解させることにより生成する微粒子状金属酸化物が好ましい。この加水分解性金属化合物の金属原子としてはSi、Ti、Zr、Hf、Thなどが好ましく、加水分解性基としてはアルコキシ基、アルキルアミノ基などの加水分解性基が好ましい。加水分解性金属化合物は2以下の非加水分解性有機基を有していてもよい。この非加水分解性有機基は金属原子と直接結合する炭素原子を有する有機基が好ましく、特にアルキル基、ポリフルオロアルキル基、アミノアルキル基、エポキシアルキル基などが好ましい。また、微粒子状金属酸化物は上記加水分解性金属化合物を予め部分縮合した初期縮合物を用いて形成してもよい。具体的な加水分解性金属化合物としては、例えば、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、2−(パーフルオロアルキル)エチルトリアルコキシシラン、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシジルコニウムなどがある。
光導波路は、コア部の幅、コア部の高さおよび隣り合うコア部の間隔がそれぞれ通常0.1μm〜数十μmであり、きわめて小さいことから、光導波路作製上の加熱処理でコア部内のドーパントがクラッド部内に拡散し、コア部とクラッド部との屈折率差が充分得られないおそれがある。このおそれがある場合には、ドーパントを含フッ素ポリマー(Q)と化学的に結合させることが好ましい。
例えば、含フッ素ポリマー(Q−1)となりうるトリアジン環含有モノマーと共重合性の不飽和基を有する化合物をドーパントとして用い、トリアジン環含有モノマーとこのモノマーを共重合させて含フッ素ポリマー(Q−1)を形成しうる。また、例えば、シアノ基を含有するドーパントを用い、シアノ基含有含フッ素オリゴマーとともに3量化反応させて硬化し含フッ素ポリマー(Q−2)を形成しうる。
さらに、トリアジン環含有モノマーやシアノ基含有含フッ素オリゴマーに官能基を導入しておき、この官能基と結合しうる官能基を有するドーパントを用いて同様にドーパントを含フッ素ポリマー(Q)と化学的に結合させうる。
基板上に光導波路を形成する方法としては、通常基板上にクラッド部となる材料の層(1)を形成した後その層(1)上にコア部となる材料の層(2)を形成し、次いで層(2)の一部をエッチングで除去してコア部を形成し、エッチング後に層(2)上にクラッド部となる材料の層(3)を形成する方法が採用される。各層は、前記のような硬化性物質が液状であればそのまま塗工し、硬化性物質の層としうる。しかし通常は硬化性物質を溶媒に溶解して所望の粘度に調整した溶液を用い、その溶液を塗工した後溶媒を除去して硬化性物質の層を形成する。その後硬化性物質を硬化することにより硬化性物質の硬化物である材料の層が形成される。溶媒の除去と硬化を連続して行ってもよい。
溶液の粘度の調整は硬化性物質の濃度の調整、溶液中の硬化性物質の部分架橋などによって行いうる。塗工後の溶媒の除去は通常加熱による溶媒の蒸発除去で行うが、減圧による除去も行いうる。塗工方法としては、スピンコート法、ディッピング法、ポッティング法、ダイコート法、スプレーコート法、カーテンコート法などが採用され、特に、スピンコート法が好ましい。
上記各層の材料の硬化による形成の際、通常上層は下層の硬化性物質を充分硬化させた後形成させる。この方法は層間の界面の平坦性、界面不整を抑制する上で好ましい。しかし場合によっては、下層の硬化性物質が部分硬化状態で上層を形成することもできる。この際、下層はその上に塗工される溶液の溶媒に容易に溶解しない程度に硬化されていることが好ましい。この方法では層間の密着性を向上しうる。本発明においてはトリアジン環含有モノマーやシアノ基含有含フッ素オリゴマーなどの硬化性物質を使用することにより、層の塗り重ねの際に上層を形成するための溶媒や熱による下層の影響が少なく、これにより光導波路形成が容易となり、また良好な光導波路が得られる。
塗工用溶液におけるトリアジン環含有モノマーやシアノ基含有含フッ素オリゴマーの濃度は、特に限定されないが、0.1〜80質量%が適当であり、1〜50質量%が好ましい。溶媒としては、トリアジン環含有モノマーやシアノ基含有含フッ素オリゴマーを溶解しうるものである限り特に限定されないが、それらが含フッ素化合物であることより、フッ素系溶媒が高い溶解性を有することからより好ましい。溶媒の沸点は20〜350℃が適当であり、40〜300℃が好ましい。また溶媒は2種以上の溶媒の混合溶媒であってもよい。
溶媒としては、パーフルオロベンゼンなどのポリフルオロ芳香族炭化水素、パーフルオロトリブチルアミンなどのポリフルオロトリアルキルアミン、ジクロロペンタフルオロプロパン、1H−パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン)、(パーフルオロオクチル)エチレンなどのポリフルオロ脂肪族炭化水素、パーフルオロデカリンなどのポリフルオロ脂環族炭化水素、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)などのポリフルオロ環状エーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノールや2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのポリフルオロアルコール、メチルパーフルオロブチルエーテルやエチルパーフルオロオクチルエーテルなどのアルキルポリフルオロアルキルエーテルなどが挙げられる。
本発明の光導波路は、コア材料やクラッド材料に3次元的に架橋した含フッ素ポリマーを用いることにより、熱に対して安定な機械特性、光特性を有する。また、基板とクラッド部との密着性を高めうる。また、コア部とクラッド部のいずれにも3次元的に架橋した含フッ素ポリマーを用いた場合は、両部界面の密着性が高くなり、界面不整が生じ難くなる。
本発明の光導波路のコア部やクラッド部には種々の機能性化合物を配合でき、それによって光導波路に種々の機能を付加できる。例えば、蛍光発光性の機能性有機色素(例えば、光増幅機能を有するローダミン系色素)を配合できる。このような機能性化合物はクラッド材料やコア材料中に固定されていることが好ましい。上記トリアジン環を有する3次元的に架橋した含フッ素ポリマーはトリアジン環を含有することによりこの機能性化合物の固定に有効である。
本発明の光導波路を用いたデバイスの一例をあげると、例えば方向性結合器、光変調器、光スイッチ、波長選択装置、光集積回路などがある。本発明における含フッ素ポリマーは、屈折率を1.4以上に制御できるため、特に極短距離にて光を90度曲げることが可能である45度反射構造が採用可能である。よって、光デバイスをプリント配線板などに実装する際に使用される光表面実装技術(内田、升田:光表面実装技術/光SMT、電子情報通信学会1990秋期全国大会予稿分冊4,C−189)等へ応用が可能であり、これらを応用した基板は、高速光LAN、加入者系光通信、光交換情報処理といった、高速電子回路部品と光信号伝搬系を併用するシステム、機器内において光電子混載集積回路を搭載したパッケージやプリント配線板と工学的及び電気的な接続を可能とする光電子プリント等に応用可能である。本発明の光導波路および導波路型光デバイスをこれらの用途に用いた場合、損失値の低いより高性能の基板が形成可能である。
本発明における含フッ素ポリマーは、架橋構造を有していることから、ガラス転移温度(Tg)が高い。高Tgであることと、低吸水性であることから耐環境性の高い高信頼性のシステムを構築できる。
一般的に、位相速度の等しい2本の光導波路を近接して配置すると、一方の光導波路を伝搬する導波光は次第に他方の光導波路に移行する。このような基本構成からなる素子を方向性結合器という。本発明の光導波路を用いて作成した方向性結合器は、前記基板と同様に低損失性から非常に低い結合損失値を示し、含フッ素ポリマーが低吸水性で、高Tgであるという特性から非常に高い信頼性を示す。また、この方向性結合器を多段あるいは並列に組み合わせて使用する光スイッチや波長選択装置、光変調器等の導波路型光デバイスにおいても同様に優れた特性が発揮される。中でも、近年の波長分割多重(WDM)方式の通信システムの主要部品として用いられる波長選択装置(例えばAWG(Arrayed−Waveguide Grating)など)においては、低複屈折性は波長分割精度を向上させるためには必須であり、本発明の光導波路を用いた場合、高い波長精度を得ることができる。また、トリアジン構造のモル比を変える事により、大きな屈折率差をかせぐことが可能であるため、小型化と高集積化が可能である。
一方、近年注目されているプラスチック光導波路の応用例として大きな屈折率の温度依存性を生かした導波路型光デバイスとして熱光学スイッチ(以下、TOスイッチと記す。)がある。石英系の場合は熱光学スイッチでも位相差を利用するマッハツェンダー(MZ)型が一般的であるが、ポリマー系の場合大きな熱光学定数を利用することにより簡易なデジタルスイッチが可能である。本発明の光導波路からなるデジタルスイッチの場合も、単純な分岐構造のみで構成可能であることから小型化、高集積化が可能であり、導波路部品の大量生産、低コスト化において非常に有用な導波路型光デバイスとなる。併せて本発明における含フッ素ポリマーがもつ低複屈折性、低吸水性、高Tg等の特性は、TOスイッチの高性能化・高信頼性化にも大きく寄与できる。
実施例
以下にトリアジン環含有モノマーやシアノ基含有含フッ素オリゴマーの合成例およびそれら材料を用いた光導波路の製造例を挙げるが、本発明はこれらの例に限定されない。使用した原料等の略号は以下の通りである。
DIPDC:ジイソプロピルパーオキシジカーボネート
PBPO:パーフルオロブタノイルパーオキシド
MPOH:メチルパーフルオロ(5−オキサ−6−ヘプテノエート)[CF=CFOCFCFCFCOOCH
PPVE:パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)[CF=CFOCFCFCF
CTFE:クロロトリフルオロエチレン
PDD:パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)
225cb:1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン
PFP:2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール
MTBE:t−ブチルメチルエーテル
PFO:パーフルオロ(n−オクタン)
MPFBE:メチル(パーフルオロ−n−ブチル)エーテル
OTA:n−オクチルアミン。
例1(合成例1)
内容積100ccのオートクレーブにMPOH61g(0.2モル)とDIPDC4gを添加し、液体窒素で冷却して脱気後、60℃で10時間反応させた。反応液から減圧下で低沸分を留去し真空乾燥することにより、MPOHの単独重合体(13量体)を45g得た。次に、−COOCH基を特開平11−102905号記載の実施例と同様の方法でアンモニアと反応させてアミド基に変換し、次いで、トリフルオロ酢酸無水物/ピリジンを作用させてアミド基をシアノ基に変換し、シアノ基含有含フッ素オリゴマーを得た。
例2(合成例2)
合成例1のMPOH61gの代わりに、MPOH31g(0.1モル)とPPVE27g(0.1モル)の混合物を用いる以外は全く同様の方法により、重合モル比MPOH:PPVE=1:1の共重合体(重合度10)を得た。次にこの重合体の−COOCH基を合成例1と同じ方法でシアノ基に変換し、シアノ基含有含フッ素オリゴマーを得た。
例3(溶液調製例1)
合成例1で得られたシアノ基含有含フッ素オリゴマー10gとOTA0.3gを混合した後、PFO10gを添加し均一な溶液とした後、0.5μm孔径のPTFEメンブランフィルターで濾過し、オリゴマー溶液1を調製した。
例4(溶液調製例2)
合成例2で得られたシアノ基含有含フッ素オリゴマー10gとOTA0.3gを混合した後、PFO10gを添加し均一な溶液とした後、0.5μm孔径のPTFEメンブランフィルターで濾過し、オリゴマー溶液2を調製した。
例5(合成例3)
200ccオートクレーブ中にMPOH25g(0.08モル)とCTFE2g(0.02モル)、DIPDC2g(0.01モル)をオートクレーブに仕込み60℃10時間加熱撹拌を行い、この間CTFEとMPOHを投入量が等モルになりかつ、系内の重合圧が一定になるように連続的にフィードを行い、重合モル比MPOH:CTFE=1:1の共重合体(重合度20)を得た。得られた重合体の−COOCH基を合成例1と同じ方法でシアノ基に変換し、シアノ基含有含フッ素オリゴマーを得た。
例6(合成例4)
内容積100ccのオートクレーブにMPOH31g(0.1モル)とPPVE27g(0.1モル)とPBPOの5質量%溶液(溶媒:225cb)17gを添加し、液体窒素で冷却して脱気後、40℃で5時間反応させた。反応液から減圧下で低沸分を留去し真空乾燥することにより、重合モル比MPOH:PPVE=1:1の共重合体(重合度7)を得た。次に、−COOCH基を合成例1と同じ方法でシアノ基に変換し、シアノ基含有含フッ素オリゴマーを得た。
例7(溶液調製例3)
合成例3で得られたシアノ基含有含フッ素オリゴマー10gとパーフルオロカルボン酸亜鉛[(C15COO)Zn]0.3gをMTBE10gに溶解した後、さらにMPFBE30gを添加し、溶液3を調製した。
例8(溶液調製例4)
合成例4で得られたシアノ基含有含フッ素オリゴマーを225cbに30質量%濃度となるように溶解し、ここにシアノ基が消失し、アミジン基に変換するまでアンモニアをバブリングで吹き込んだ。反応終了後225cbおよび残存アンモニアを室温減圧条件で除去し、得られたポリマーを再度PFPに50重量%となるように溶解した後、0.5μm孔径のPTFEメンブランフィルターで濾過し、ポリマー溶液4を調製した。
例9(合成例5)
内容積100ccのオートクレーブにMPOH62g(0.2モル)とPBPOの5質量%溶液(溶媒:225cb)17gを添加し、液体窒素で冷却して脱気後、40℃で5時間反応させた。反応液から減圧下で低沸分を留去し真空乾燥することにより、MPOHの単独重合体(重合度7)を得た。次に、−COOCH基を合成例1と同じ方法でシアノ基に変換し、シアノ基含有含フッ素オリゴマーを得た。
例10(合成例6)
合成例1のMPOH61gの代わりに、MPOH18g(0.06モル)とPDD34g(0.14モル)の混合物を用いる以外は全く同様の方法により、重合モル比MPOH:PDD=1:1の共重合体(重合度25)を得た。次に、−COOCH基を合成例1と同じ方法でシアノ基に変換し、シアノ基含有含フッ素オリゴマーを得た。
例11(溶液調製例5)
合成例5で得られたオリゴマーを用いる他は溶液調製例4と全く同じ方法、同じ組成で溶液5を調製した。
例12(溶液調製例6)
合成例6で得られたオリゴマーを用いる他は溶液調製例4と全く同じ方法、同じ組成で溶液6を調製した。
例13(実施例1)
シリコン基板上にスピンコート法で溶液2を塗工し、温度80℃で30分、100℃で15分、150℃で15分、300℃で60分間加熱して10μm厚のクラッド部(下部クラッド部)を形成し、溶液2塗布基板を得た。溶液2塗布基板をプレッシャークッカー試験機にて加圧加熱した後、JIS K5400、6.14に規定する方法に従い碁盤目テストを行った。その結果、100時間後の残数は100/100であった。
碁盤目テストに供した以外の溶液2の塗布基板上に溶液1をスピンコートし、温度80℃で30分、100℃で15分、150℃で15分、300℃で60分間加熱して、5μm厚のコア部を形成した。次いでレジスト塗布、プリベーク、露光、現像、アフターベークを行いパターニングされたレジスト層を得た。レジスト層に保護されていないコア部をドライエッチングにより除去した。残ったレジストをウエットエッチングにて除去し、この上に溶液2を用いて前記下部クラッド部形成と同様にしてクラッド部(上部クラッド部)を形成し光導波路を得た。
この光導波路において、クラッド部、コア部の屈折率は、それぞれ1.36、1.385であった。この光導波路に、半導体レーザの光源を用いて光導波路の伝搬損失を測定したところ、波長650nmの光で0.4dB/cm以下、波長1300nmの光で0.5dB/cm、波長1550nmの光で0.6dB/cmであり、可視光から紫外光までの光を良好に伝達できる光導波路であった。
また、この導波路を150℃、24時間加熱後再度光導波路としての性能を測定したところ、性能の変化がほとんど無かった。
例14、15(実施例2、3)
実施例1と全く同様の方法で、溶液3〜6を用いて表1の通りの導波路を作成した。この導波路の150℃、24時間加熱後の導波路としての性能変化を測定したが、性能変化はほとんど観察されなかった。
Figure 2002084346
<産業上の利用可能性>
本発明の光導波路は、紫外光から近赤外光までの光をきわめて低損失に伝搬でき、かつ基板との密着性もきわめて強い。また、耐熱性の高いポリマーで構成されていることより光導波路の耐熱性はきわめて高く、また光導波路作製上の加熱処理に際してポリマーの安定性が高い。

Claims (5)

  1. 基板上に設けられた、光が伝搬するコア部とコア部の周りに形成されたクラッド部とを有する光導波路であって、コア部またはクラッド部の材料がトリアジン環を有する架橋した含フッ素ポリマーであることを特徴とする光導波路。
  2. 基板上に設けられた、光が伝搬するコア部とコア部の周りに形成されたクラッド部とを有する光導波路であって、コア部およびクラッド部の材料がそれぞれトリアジン環を有する架橋した含フッ素ポリマーであり、かつコア部がクラッド部より高屈折率であることを特徴とする光導波路。
  3. コア部の含フッ素ポリマーが、クラッド部の含フッ素ポリマーに比較して、トリアジン環密度が高いことにより高屈折率の含フッ素ポリマーである、請求項2に記載の光導波路。
  4. コア部の含フッ素ポリマーがフッ素原子以外のハロゲン原子または水素原子を含み、クラッド部の含フッ素ポリマーがフッ素原子以外のハロゲン原子および水素原子のいずれも含まないことにより、コア部の含フッ素ポリマーがクラッド部の含フッ素ポリマーより高屈折率である、請求項2に記載の光導波路。
  5. トリアジン環を有する架橋した含フッ素ポリマーが、シアノ基を有するモノマー単位を含むオリゴマーを熱架橋して得られる含フッ素ポリマーである、請求項1、2、3または4に記載の光導波路。
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