JP3463318B2 - 新規な架橋パーフルオロポリマーおよびその製造方法 - Google Patents

新規な架橋パーフルオロポリマーおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度に架橋された新
規なパーフルオロポリマーおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】パーフルオロポリマーは優れた耐熱
性、耐薬品性や、低屈折率、低誘電率という特徴を有し
ているため、構造材料から電子材料に至るまで広い分野
で用いられている。しかし、一般に用いられているポリ
テトラフルオロエチレンやテトラフルオロエチレン
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体は、架
されていないため、高温で柔らかく変形しやすい短所
がある。
【0003】架橋部位を含めた全体がパーフルオロ構造
である架橋ポリマーの例としては、パーフルオロジニト
リルのポリマー(米国特許3,317,484号)や
パーフルオロジビニルエーテルのホモポリマーまたは
ポリマー(米国特許第3,310,610号)が知られ
ている。しかし、いずれの場合にも用いられる化合物
揮発性が高いため、重合や成形が難しい。
【0004】特に架橋密度が高く、高温での弾性率
いパーフルオロポリマーを得るためには、架橋点間の
分子量を小さくする必要がある。そのため、用いる化合
物の分子量が小さくなり、取扱いが一層難しくなった
、発泡による欠陥も生じやすくなる。そこで、前記両
特許明細書とも、パーフルオロジニトリルまたはパーフ
ルオロジビニルエーテルを初期に少しだけ重合してプレ
ポリマー化する反応が記載されている一般にプレポ
リマー化反応と後段の架橋でメカニズムが異なる場合に
は、両者でメカニズムが同じ場合に比べて、架橋の反応
制御が容易であり、品質の安定した架橋ポリマーを得る
ことができる。また、両者でメカニズムが異なる場合に
は、必要に応じて後段の架橋の前にプレポリマーの精製
工程を入れることも容易になる。
【0005】パーフルオロジニトリルやパーフルオロ
ビニルエーテルの場合には分子中の2つの官能基が
じであ、ゲル化ないように特にプレポリマー化条
に注意を払う必要がある。特に、パーフルオロビニル
キシ基の場合には、温度や酸素、湿気等の環境に敏感で
あるため2段で重合するのは好ましくない。
【0006】シアノ基を有するパーフルオロビニルエー
テルをテトラフルオロエチレン、パーフルオロメチル
ビニルエーテルなどのパーフルオロモノマーと共重合
て、フッ素ゴムの架橋部位としたが、米国特許第
4,281,092号に記載されている。しかし、フッ
素ゴム中のシアノ基を有するパーフルオロビニルエーテ
単位の含有量は1モル%以下である。すなわち、実施
例では、シアノ基の全てが3量化してトリアジン環を形
成した場合でも、架橋部位のトリアジン環の密度は、た
かだか0.011〜0.024モル/kgの範囲にある
と計算され、本発明のように高密度にシアノ基を導入し
て架橋した例は報告されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はシアノ基
ビニルオキシ基を有するパーフルオロ化合物中のシアノ
基の3量化反応とビニルオキシ基の重合との両方を行う
ことにより、高密度に架橋されたパーフルオロポリマー
を新規に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明は、1(R1
炭素数1〜15のパーフルオロアルキレン基(ただし、
パーフルオロアルキレン基の炭素原子間に酸素原子を含
んでいてもよい。)である。)で示されるパーフルオロ
化合物シアノ基の3量化反応(トリアジン環形成
)とラジカル発生源存在下で該パーフルオロ化合物の
ビニルオキシ基の重合との両方を行って得られる架橋パ
ーフルオロポリマーであって、トリアジン環の密度が
0.85モル/kg以上であることを特徴とする架橋パ
ーフルオロポリマーである。 CF2 =CFOR1 CN・・・式1
【0009】 本発明における式1で示されるパーフルオ
ロ化合物(以下、式1の化合物といい、他も同様にい
う。)としては、式1の構造を有する公知の任意の化合
を使用できる
【0010】例えば、式4、式5、式6、式7、式8の
化合物を使用できる。
【0011】
【化1】
【0012】式7、式8の化合物は、式5、式6の化合
物の合成原料であるヘキサフルオロプロピレンオキシド
の代わりに3−クロロペンタフルオロプロピレンオキシ
ドを用いることにより合成される。
【0013】式1の化合物から本発明の架橋パーフルオ
ロポリマーを得るには、式1の化合物のシアノ基の3
反応を行ってトリス(ビニルオキシ)化合物を生成さ
せ、次いで該トリス(ビニルオキシ)化合物のビニルオ
キシ基の前記重合を行う方法と、式1の化合物のビニル
オキシ基の重合を行ってプレポリマーを生成させ、次い
で該プレポリマーのシアノ基三量化反応を行う方法が
ある。
【0014】式1の化合物のシアノ基の3量化反応を行
ってトリス(ビニルオキシ)化合物すなわち式9の化合
物に変える際の触媒としては、周期表の11(1B)、
2(2A)、12(2B)、3(3A)、4(4A)、
5(5A)および8(8)族から選ばれるいずれかの金
属、酸化銀(Ag2 O)、アンモニア、シアノ基にアン
モニアが付加したアミジン構造やイミドイルアミジン構
造を有する化合物、亜鉛コバルト、マンガンなどの遷
移金属の塩が用いられる。 なお、式9において、Rfは
炭素数1〜15のパーフルオロアルキレン基(ただし、
パーフルオロアルキレン基の炭素原子間に酸素原子を含
んでいてもよい。)である。
【0015】
【化2】
【0016】触媒の具体例としては、ビスマス、銅、
鉛、錫、タリウム、カドミウム、バリウム、アンモニ
ア、パーフルオロアルキルアミジン、ビスパーフルオロ
アルキルイミドイルアミジン、酸化銀、パーフルオロオ
クタン酸亜鉛(II)などが挙げられ、好ましい触媒
は、パーフルオロアルン酸塩である。触媒の好ましい
使用量は、式1の化合物に対して0.01〜30重量%
である。 反応温度を25〜170℃とすると、式1の化
合物のビニルオキシ基を保護せずにそのまま反応を行う
ことができる。
【0017】反応溶媒は特に必要ないが、式1の化合
物、触媒および式1の化合物と触媒との反応生成物と反
応しない任意の溶媒を使用できる。
【0018】適当な溶媒としては、四塩化炭素、1,
1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン
(CFC−113)、1,3−ジクロロ−1,1,2,
2,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225c
b)、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタ
フルオロプロパン(HCFC−225ca)等のハロゲ
ン化炭化水素溶媒、フルオロベンゼン、ニトロベンゼ
ン、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、酢酸エチル、
酢酸ブチル、モノグライム、ジグライム、トリグライ
ム、テトラグライム、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテルなど挙げられる。以上は単に例示的なもので、
本発明にはその他広範な種類の溶媒を使用できる。
【0019】式9の化合物は、式1の化合物のビニル
キシ基の二重結合に臭素または塩素を付加した化合物を
生成させ、次いで該化合物のシアノ基の3量化反応を行
ってトリアジン環を有する化合物を生成させた後、亜鉛
などを用いて脱臭素または脱塩素反応を行って合成して
もよい。この場合には、トリアジン環形成反応を170
℃よりもさらに高い温度(例えば170〜450℃)で
行うことができる。
【0020】式9の化合物のビニルオキシ基を重合して
架橋させるためには、ラジカル発生源の存在下で加熱す
。使用するラジカル発生源としては、ビス(フルオロ
アシル)パーオキシド類、ビス(クロロフルオロアシ
ル)パーオキシド類、ジアルキルパーオキシジカーボネ
ート類、ジアシルパーオキシド類、パーオキシエステル
類、アゾ化合物類、過硫酸塩類、NF3 、CF3 NF
2 、CF3 C(NF2 )=C(NF2 )CF3 などが例
示される。
【0021】加熱は、ラジカル発生源が分解して10時
間で半減する温度よりも20℃低い温度から400℃
の間で行われる。好ましくは、ラジカル発生源が分解
して10時間で半減する温度よりも10℃低い温度から
式9の化合物の沸点までの間で350℃よりも低い温度
で行われる。
【0022】架橋を精密に制御し、安定した物性の架橋
パーフルオロポリマーを得るために、上述の温度範囲内
、一旦低い温度で加熱し次いでより高い温度で加熱
てもよい。また、光重合開始剤を用いて、可視光や紫外
線などの光を照射しながら架橋することもできる。架橋
と同時に成形体を得るためには、架橋が無溶媒で行われ
るのが好ましいが、ラジカル発生源の希釈溶媒などを少
含んでいてもよい。
【0023】ラジカル発生源の添加量は通常、式9の
化合物100重量部に対して0.01〜10重量部であ
る。少なすぎると架橋が充分に進行せず、多すぎると耐
熱性が低下したり、発泡など成形体に良くない影響が出
てくることがある。架橋時に次に示すようなビニルオキ
基を1個または2個有する化合物を添加して架橋させ
ることもできる。なお、次に示すうちの末尾の化合物に
おいて、R 3 は炭素数1〜15のパーフルオロアルキル
基(ただし、パーフルオロアルキル基の炭素原子間に酸
素原子を含んでいてもよい。)であり、R 4 は炭素数1
〜15のパーフルオロアルキレン基(ただし、パーフル
オロアルキレン基の炭素原子間に酸素原子を含んでいて
もよい。)である。
【0024】
【化3】
【0025】本発明の架橋フルオロポリマーを得るに
は、式1の化合物のビニルオキシ基の重合を先に行って
プレポリマーを生成させた後、該プレポリマーのシアノ
基の量化反応を行ってもよい。この場合には、重合を
阻害しない重合溶媒を使用できる。重合溶媒としては、
パーフルオロヘキサン、CFC−113、HCFC−2
25ca、HCFC−225cbなどが例示できる。
【0026】重合通常ラジカル発生源が分解して1
0時間で半減する温度よりも10℃低い温度から100
までの間で行われる。シアノ基の量化反応による
通常無溶媒で25〜450℃、好ましくは100
〜350℃の温度範囲で行われる。架橋は、例えばシア
ノ基を1個または2個有する他のフッ素化合物、好まし
くはシアノ基を1個または2個有するパーフルオロアル
カンまたはパーフルオロエーテルの存在下で行ってもよ
い。媒などのその他の条件は、式1の化合物のシアノ
基の量化反応を行場合と同様である。
【0027】また、プレポリマーをシアノ基の量化
応で架橋する場合には、プレポリマーは式1の化合物
を直接重合して得たものである必要はない。すなわち、
−COOR基や−CONH 2 基のようなシアノ基の前
駆体となる基Xを有する式2の化合物重合を行っ
後、基Xを変換してシアノ基を有するプレポリマーを得
てもよい
【0028】CF 2 =CFOR 2 X・・・式2 なお、式2において、2 は炭素数1〜15のパーフル
オロアルキレン基(ただし、パーフルオロアルキレン基
の炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよい。)であ
る。また、Xは−COOR基(ここでRはアルキル
基)、−CONH 2 基などの、シアノ基の前駆体となる
基、である。 この場合には、−COOR基はアンモニ
アと反応させることにより−CONH 2 基に変換され、
−CONH 2 基は例えば五酸化リンや無水トリフルオ
ロ酢酸/ピリジンを作用させることによりシアノ基に変
換される。
【0029】
【実施例】例12,4,6−トリス(パーフルオロ
−4−オキサ−5−ヘキセニル)−1,3,5−トリア
ジンの合成例] 500cm3 オートクレーブにパーフルオロ−5−
オキサ−6−ヘプテニトリル300gと銅粉9.0g
を仕込み、液体窒素で冷却して脱気後、150℃で3日
間反応させた。冷却後、反応液をデカンテーションして
分離した。蒸留2,4,6−トリス(パーフルオロ
−4−オキサ−5−ヘキセニル)−1,3,5−トリア
ジン145gを単離した。沸点109〜114℃/4m
mHg。赤外吸収スペクトルには、二重結合とトリアジ
ン環による吸収がそれぞれ1840cm-1と1556c
-1に見られた。
【0030】
【化4】
【0031】元素分析、実測値C26.30%;F6
2.70%;N5.22% (計算値C26.39%;F62.62%;N5.13
%)
【0032】例22,4,6−トリス(パーフルオ
ロ−4−オキサ−5−ヘキセニル)−1,3,5−トリ
アジンの重合例] 2,4,6−トリス(パーフルオロ−4−オキサ−5−
ヘキセニル)−1,3,5−トリアジン1.0gとジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート30mgを内径2
mmのガラス管に仕込み、45℃で24時間、70℃で
30分、90℃で30分加熱した後、さらに250℃で
30分加熱した。
【0033】得られたポリマーの引張り弾性率は25
℃では1.6×1010dyn/cm2 、200℃では
5.1×109 dyn/cm2 であった。引張り弾性率
は温度が上昇するにつれて徐々に小さくなるが、250
℃以下では明瞭なガラス転移認められなかった。ただ
し、tanδ測定で検出されたガラス転移温度は約15
0℃であった。赤外吸収スペクトルには1560cm-1
にトリアジン環による強い吸収が見られ、シアノ基によ
る吸収は認められなかった。この架橋ポリマー中のトリ
アジン環の密度は1.2モル/kgと計算される。
【0034】例3パーフルオロ−5−オキサ−6−
ヘプテン酸メチルCF 2 =CFOCF 2 CF 2 CF 2
OOCH 3 の単独重合例1 内容積200cm3 のオートクレーブにパーフルオロ
−5−オキサ−6−ヘプテン酸メチル30.6gとパー
フルオロブタノイルパーオキシドの5重量%溶液(溶媒
CFC−113)170gを入れ、液体窒素で冷却して
脱気後、40℃で5時間反応させた。反応液から減圧下
で低沸分を留去し真空乾燥することにより、パーフルオ
ロ−5−オキサ−6−ヘプテン酸メチルのプレポリマー
(3.4量体)18gを得た。
【0035】例4 ドライアイス冷却器、撹拌器、ガス導入口を備えた10
0cm3 4つ口フラスコに例3のパーフルオロ−5−
オキサ−6−ヘプテン酸メチルのプレポリマー15.8
gとエーテル30cm3 を入れ、氷水で冷却しながらア
ンモニアガス2.6gを導入、室温に戻して一晩撹拌
した。少量の反応液をKBr板上にキャスト、乾燥し
た。赤外吸収スペクトルには、エステル結合の吸収が
全に消失し、1740cm-1−CONH 2 基による強
い吸収が見られた。
【0036】真空ポンプを用いて溶媒を留去し、60℃
で真空乾燥した後、CFC−113を90g、ピリジン
を16.4g添加し無水トリフルオロ酢酸21.7g
を滴下後、4時間加熱還流した。反応液を氷水に注ぎ、
CFC−113でプレポリマーを抽出エバポレーター
で溶媒を留去した後真空乾燥した。赤外吸収スペクト
ルには2260cm-1にシアノ基による強い吸収が見
られた。
【0037】得られたプレポリマーは、側鎖のエステル
結合のシアノ基への転化率が90%19F−NMR)で
あった。該プレポリマーにアジポニトリルとアンモニ
アから合成たジアミジンを3重量%添加し150℃
で16時間加熱した結果、硬いポリマーが得られた。
ガラス転移温度は91℃であった。赤外吸収スペクト
は、シアノ基の吸収が消失しトリアジン環による強
い吸収が見られた。この架橋ポリマー中のトリアジン環
の密度は1.1モル/kgと計算される。
【0038】例5パーフルオロ−5−オキサ−6−
ヘプテン酸メチルの単独重合例2 内容積200cm3 のオートクレーブにパーフルオロ
−5−オキサ−6−ヘプテン酸メチル200gとジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート0.8gを添加し、
液体窒素で冷却して脱気後、40℃で62時間重合し
た。重合液に多量のヘキサンを添加してプレポリマーを
沈澱させ、ヘキサンで洗浄を繰り返した。得られた
ポリマーの分子量は4000であった。
【0039】例6 で得たパーフルオロ−5−オキサ−6−ヘプテン酸
メチルのプレポリマー30.6gにメタノール60g
と29%アンモニア水溶液7gを添加し、エバポレータ
ーで溶媒を留去した後真空乾燥した。反応後のプレポ
リマーの赤外吸収スペクトルには、エステル結合の吸収
消失し、1740cm-1−CONH 2 基による強い
吸収が現れ、−CONH 2 基を有するプレポリマーが得
られた。
【0040】得られた−CONH 2 基を有するプレポリ
マーにCFC−113を100g、無水トリフルオロ酢
42g、ピリジンを16g添加し、室温でしばらく
撹拌した。反応液を氷に注ぎ、CFC−113で抽出す
ることにより、−CONH 2 基がシアノ基に変換された
プレポリマーを得た。赤外吸収スペクトルには、−CO
NH 2 基の吸収が消失し、2260cm-1にシアノ基に
よる強い吸収が観測された。
【0041】該プレポリマーに1重量%のパーフルオロ
オクタン酸亜鉛を添加し、溶媒のメタノール中で混合
し、溶媒を留去した後真空乾燥した。該混合物を15
0℃で1時間、さらに300℃で1時間熱プレスし、剛
性のあるフィルムを得た。赤外吸収スペクトルには
リアジン環の強い吸収が見られ、シアノ基の吸収はほと
ど認められなかった。この架橋ポリマー中のトリアジ
ン環の密度は1.2モル/kgと計算される。
【0042】例7 内容積200cm3 のオートクレーブにパーフルオロ−
4,7−ジオキサ−5−メチル−8−ノネンニトリル3
5gとパーフルオロブタノイルパーオキシドの5%溶液
(溶媒CFC−113)153gを入れ、液体窒素で冷
却して脱気後、20℃で60時間重合した。重合液から
減圧下で低沸分を留去し真空乾燥することにより、粘稠
なパーフルオロ−4,7−ジオキサ−5−メチル−8−
ノネンニトリルのプレポリマーを15g得た。
【0043】このプレポリマーパーフルオロ−2,
5−ジメチル−3,6−ジオキサノナンニトリルとアン
モニアから合成たアミジンを3重量%添加し、200
℃で16時間、さらに250℃で16時間加熱した
果、透明性があり硬い樹脂状のポリマーが得られた。赤
外吸収スペクトルにはトリアジン環の強い吸収が見ら
れ、シアノ基の吸収はほとんど認められなかった。この
架橋ポリマー中のトリアジン環の密度は0.85モル/
kgと計算される。
【0044】
【発明の効果】式1の化合物から得られる本発明の架橋
パーフルオロポリマーは、耐熱性や耐薬品性に優れるう
え、低屈折率、低誘電率である。また、架橋が容易であ
るだけでなく、例えば例2のように、フッ素含有量が大
きく高温でも高い弾性率を有する樹脂である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1(R1 は炭素数1〜15のパーフルオ
    ロアルキレン基(ただし、パーフルオロアルキレン基の
    炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよい。)であ
    る。)で示されるパーフルオロ化合物シアノ基の3量
    化反応(トリアジン環形成反応)とラジカル発生源存在
    下で該パーフルオロ化合物のビニルオキシ基の重合と
    両方を行って得られる架橋パーフルオロポリマーであっ
    て、トリアジン環の密度が0.85モル/kg以上であ
    ることを特徴とする架橋パーフルオロポリマー CF2 =CFOR1 CN・・・式1
  2. 【請求項2】シアノ基の前記3量化反応(トリアジン環
    形成反応)を行ってトリス(ビニルオキシ)化合物を生
    成させ、次いで該トリス(ビニルオキシ)化合物のビニ
    オキシ基の前記重合を行う請求項1記載架橋パーフ
    ルオロポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】ニルオキシ基の前記重合を行ってプレポ
    リマーを生成させ、次いで該プレポリマーのシアノ基
    前記3量化反応(トリアジン環形成反応)を行う請求項
    記載架橋パーフルオロポリマーの製造方法。
  4. 【請求項4】2(R2 は炭素数1〜15のパーフルオ
    ロアルキレン基(ただし、パーフルオロアルキレン基の
    炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよい。)、Xはシ
    アノ基の前駆体となる基、である。)で示されるパーフ
    ルオロ化合物ビニルオキシの前記重合を行ってプレ
    ポリマーを生成させ、次いで該プレポリマーの基Xをシ
    アノ基に変換し、次いで該シアノ基の前記3量化反応
    (トリアジン環形成反応)を行う請求項1記載架橋
    ーフルオロポリマーの製造方法。 CF2 =CFOR2・・・式2
  5. 【請求項5】式3(R2炭素数1〜15のパーフルオ
    ロアルキレン基(ただし、パーフル オロアルキレン基の
    炭素原子間に酸素原子を含んでいてもよい。)、Rはア
    ルキル基、である。)で示される化合物のビニルオキシ
    基の前記重合を行ってプレポリマーを生成させ、次いで
    該プレポリマーの−COOR基を−CONH2 基に変換
    し、次いで該−CONH2 基をシアノ基に変換し、次い
    で該シアノ基の前記3量化反応(トリアジン環形成反
    応)を行う請求項1記載架橋パーフルオロポリマー
    製造方法。 CF2 =CFOR2 COOR・・・式3
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