JP3323245B2 - 含フッ素化合物およびその製造方法 - Google Patents

含フッ素化合物およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な含フッ素単量体
およびその製造方法、さらにはその共重合体やその共重
合体の架橋方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明のCF2=CFO(CF2CF(CF3)O)nCF2CF=C
FCF3(n=1〜3)は文献未載の新規化合物であり、反
応性の異なる二種類の二重結合を有する。反応性の異な
る二種類の二重結合を有する類似化合物としては、CF2=
CFOCF2CF=CF2、CF2=CFOCF2CF2CF=CF2が知られてい
た。また、反応性が同じ二重結合を二個以上有する化合
としては、例えばCF2=CFO(CF2)nOCF=CF2、CF2=CF(C
F2)nCF=CF2なども知られていた。しかし、含フッ素重合
中に二重結合からなる架橋部位を導入するという点で
は、前者は環化重合してしまい共重合体中の残存二重結
合は少なく、後者のうちジビニルエーテル化合物は重合
中にゲル化が生じ後者のうち非ビニルエーテル系ジエ
ン単量体は重合性が低いという欠点があった。また特開
平1−143844にはCF2=CFO(CF2CF(CF3)O)nCF2CF2C
F=CF2 なる化合物の合成が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が有していた前述の欠点を解決するための含フッ素
単量体、その共重合体とその架橋方法および該共重合
エポキシ化する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、第
一に、下記式(1)(nは1〜3の整数)で表される新
規含フッ素化合物を提供する CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)nCF2CF=CFCF3 式(1) 第二に、下記式(2)(nは1〜3の整数)で表される
含フッ素化合物をフッ素アニオン源の存在下で異性化さ
せることを特徴とする式(1)で表される含フッ素化合
物の製造方法を提供する。 CF 2 =CFO(CF 2 CF(CF 3 )O) n CF 2 CF 2 CF=CF 2 式(2) 第三に、式(1)で表される含フッ素化合物と他の単量
をラジカル共重合した含フッ素共重合体を提供す
第四に、式(1)で表される含フッ素化合物と他の
単量体をラジカル共重合することを特徴とする側鎖部
に二重結合を有する含フッ素共重合体の製造方法を提供
する第五に、側鎖部に二重結合を有する上記の含フッ
素共重合体に放射線処理を行うことを特徴とする含フッ
素共重合体の架橋方法を提供する第六に、側鎖部に二
重結合を有する上記の含フッ素共重合体を酸素ガスの存
在下で100〜400℃に加熱することを特徴とするエ
ポキシ基を有する共重合体の製造方法を提供する。
【0005】本発明に用いられる式(2)で表される含
フッ素化合物は、例えば次のように合成できる(特開平
1−143844参照)。
【0006】すなわち、塩化ヨウ素とクロロトリフルオ
エチレンを低温下反応させた後、ラジカル開始剤の存
在下にテトラフルオロエチレンを反応させ、発煙硫酸等
で酸化する。さらにフッ化セシウム等存在下ヘキサフル
オロプロピレンオキシドを低温下反応させ、熱分解によ
りビニルエーテルを生成せしめ、金属亜鉛等の脱ハロゲ
ン化剤を用いて脱塩素反応することによって式(2)
表される含フッ素化合物を得ることができる。
【0007】
【化1】
【0008】本発明の式(1)で表される含フッ素化合
物は式(2)で表される含フッ素化合物をフッ素アニオ
ン源の存在下極性溶媒中で異性化することによって合成
できる。触媒に用いられる含フッ素アニオン源としては
アルカリ金属のフッ化物やフッ化アンモニウムが用いら
れ、添加量はモル比で原料の0.001〜10倍、好ま
しくは0.005〜0.5倍である。用いられる極性溶
媒としては、例えばアセトニトリル、1,4−ジオキサ
ン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジメ
チルスルホキシド、テトラヒドロフラン等が挙げられ
る。反応温度は−50℃〜150℃、好ましくは0℃
〜100℃である。
【0009】本発明の式(1)で表される含フッ素化合
物は種々の他の単量体と共重合させることにより、共重
合体に架橋部位として側鎖に二重結合を導入できる。
共重合する他の単量体は特に限定されないが、テトラフ
ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ(アリ
ルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブテニルビニルエ
ーテル)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−
ジオキソール)、クロロトリフルオロエチレン、トリフ
ルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フルオロエチレ
ン、(パーフルオロアルキル)エチレン等のフッ素系
量体が好ましく挙げられる。これらフッ素系単量体と共
重合させることにより、耐熱性や耐薬品性に優れた架橋
可能な含フッ素共重合体を得ることができる。
【0010】重合方法としてはラジカル重合が用いられ
る。すなわち、重合方法としては、ラジカル的に進行す
るものであれば手段は何ら制限されないが、バルク重
合、溶液重合、懸濁重合、または乳化重合を採用でき
る。本発明で使用する重合開始剤としては遊離ラジカル
重合開始剤が好ましく、例えば、ビス(フルオロアシ
ル)パーオキシド類、ビス(クロロフルオロアシル)パ
ーオキシド類、ジアルキルパーオキシジカーボネート
類、ジアシルパーオキシド類、パーオキシエステル類、
アゾビス化合物類、過硫酸塩類などが挙げられる。
【0011】重合媒体としては、溶液重合ではフロン1
1(CFCl3 )、フロン113(CF2ClCFCl2)などのフロ
ン類、tert−ブタノールなどが挙げられ、懸濁重
合、乳化重合では水または前述のような溶媒と水との混
合媒体が用いられる。重合温度は0〜100℃の範囲
から選択できる。重合圧力は使用する単量体によって異
なるが、例えばテトラフルオロエチレンとの共重合では
ゲージ圧0.5〜30kg/cm2 Gの範囲から選択で
きる。
【0012】このようにして得られた含フッ素共重合体
は側鎖に反応性の高い二重結合を有するので、電子
線、紫外線、γ線等の放射線により架橋させることが
る。紫外線架橋の場合には必要に応じて光重合開始剤
を添加してもよい。放射線処理の手法は、含フッ素共重
合体による電線被覆の分野において有用であり、電子線
照射が好ましく用いられる。
【0013】架橋は側鎖に導入された二重結合の環化
付加反応(四員環の形成)や重合、オリゴメリゼーショ
ンによって進行すると考えられる。
【0014】二重結合は空気中高温では反応性が高いの
で、架橋させた共重合体中に二重結合が残存している場
合には、空気中で熱処理することにより物性を安定化さ
せることもできる。
【0015】また、ガス状ハロゲン、例えばフッ素ガス
架橋物を処理することにより未反応の二重結合を安定
化させることもできる。フッ素ガスは必要に応じて窒素
ガス等の不活性ガスで希釈して用いてもよい。
【0016】本発明の含フッ素共重合体において、式
(1)で表される含フッ素化合物に基づく重合単位を全
重合単位に対して0.01モル%以上の割合で含有する
ものが好ましい。この重合単位の割合が少なぎると本
発明の目的である架橋物を得ることが難しくなる。ま
た、上限は特に定されないが40モル%も含有してい
れば分である。
【0017】また、残部は他の単量体に基づく重合単位
であるが、フッ素系単量体に基づく重合単位が60〜9
9.99モル%であることが耐薬品性、耐熱性に優れた
含フッ素共重合体またはその架橋物が得られることから
好ましい。
【0018】また、本発明において、含フッ素共重合体
の分子量は特に限定され、室温で液状のものから、室
温で固体であるが高温で溶融流動性を示す程度のもの
や、室温および高温において流動性を示さない高分子量
体まで適用できる。低分子量体はゴムの原料として使用
でき、室温で固体であるが高温で溶融流動性を示すもの
は成形性の優れた熱可塑性の成形材料を提供し、放射線
処理により架橋される。また、室温で液状の低分子量体
は、それ自体で塗料用として使用できる。
【0019】本発明は、共重合組成の選択によりゴムか
ら樹脂まで幅広く適用できる。架橋されたゴムを作成す
るには、従来知られている重合組成に本発明式(1)
で表される含フッ素化合物を適当量添加して共重合し、
次いで放射線処理等で架橋させることができる。例えば
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合
単位を10〜40モル%、式(1)で表される含フッ素
化合物に基づく重合単 を0.01〜20モル%含有
し、残部がテトラフルオロエチレンに基づく重合単位で
ある三元共重合体を架橋させることにより弾性体を得る
ことができる。
【0020】一方、樹脂の分野では、組成、分子量の選
択により熱可塑性の共重合体調製でき、放射線処理に
より架橋させると、溶融流動性を示さない架橋した樹脂
を得ることができる。
【0021】そして、ゴム、樹脂のいずれにおいても
単量体として完全フッ素置換の単量体を選択すれば、
パーフルオロ共重合体である架橋性共重合体およびその
架橋物を合成できる。ただし、ここでパーフルオロ共重
合体とは共重合体中に含まれる炭素原子と酸素原子を除
いた全ての原子数に対するフッ素原子数の割合が95%
以上である共重合体を指すものとする。このようなパー
フルオロ共重合体分に架橋させると非常に優れた耐
熱性および耐薬品性を有する架橋パーフルオロ共重合体
が得られる。
【0022】特に、式(1)で表される含フッ素化合物
とテトラフルオロエチレンとの共重合体であってそれぞ
れに基づく重合単位を0.01〜40モル%、99.9
9〜60モル%の割合で含有する共重合体の場合には、
その架橋体はバランスのとれた機械的物性および各種薬
品に対する耐性等が得られる。この場合、未架橋状態の
含フッ素共重合体が常温において固体であり、高温で流
動性を示す程度の分子量を有することが好ましい。常温
で固体でないものは成形作業時、輸送時等の取扱いが煩
雑になり、好ましくない。また、高温で流動性を示さな
いものは成形作業性に劣り、また、架橋体にしたときに
期待どおりの機械的強度が達成されないこともある。溶
融成形するうえで好ましい分子量は、成形条件にも依存
するが、容量流速(実施例に示す方法に従って測定)
が、5〜50kg重の荷重を用いて20〜300℃の間
のある温度において0.1〜1000mm3 /秒となる
値である。
【0023】さらに、式(1)で表される含フッ素化合
物に基づく重合単位が0.5〜30モル%であることが
好ましい。この重合単位の量が少なぎると、架橋物
得られるが、機械的物性の向上が分に達成されないこ
とがある。また、この重合単位の量が多すぎると、共重
合反応が遅くなったり、取扱いの容易な高分子量体を得
るのが困難になったりするため好ましくない。
【0024】本発明の共重合体は側鎖部の非末端部
二重結合を有するが、酸素ガスを用いた酸化により側鎖
にエポキシを有する共重合体に変換できる。例えば空
気中、100〜400℃、好ましくは150〜350℃
に加熱することにより容易に空気酸化でエポキシを導
入でき、これも架橋部位として利用できる。側鎖部の非
末端部分に二重結合を有する含フッ素共重合体は、パー
オキシ化合物よりなる化学架橋剤、多アリル化合物より
なる架橋促進剤を配合することにより架橋可能となる。
このような例は特開昭56−70009に記載されてい
る。すなわち、CF 2 =CFOCF=CFCF 3 とテトラフルオロエチ
レン/プロピレン、またはテトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンとの共重合
体は側鎖部の非末端部分に二重結合を有しており、パー
オキシ化合物よりなる化学架橋剤、多アリル化合物より
なる架橋促進剤を配合することにより加硫可能となる。
また架橋部位として二重結合を有しているので、γ線、
電子線、紫外線等の放射線による架橋や、テトラゾニウ
ム塩、ビスアジド化合物等の二官能性化合物の添加によ
る光架橋も可能となる。 本発明の含フッ素共重合体は側
鎖部の非末端部分に二重結合を有するが、酸化により側
鎖部にエポキシ基を有する共重合体に変換できる。した
がって、フッ化セシウム、フッ化カリウム等のフッ素ア
ニオン源の存在下で異性化すればカルボニル基に変換で
きる。カルボニル基に変換されるとヘキサフルオロアセ
トンのようにラジカル反応性を有し、ラジカル付加反応
やラジカル共重合に供することができる。またパーフル
オロ化合物におけるカルボニル基は1級アミンとの反応
によりシッフ塩基を生成させることができる。この他に
もパーフルオロ化合物におけるカルボニル基については
数々のイオン的な反応が知られており、反応により種々
の官能基を側鎖部に導入できる。
【0025】
【実施例】実施例1 CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CF=CF2の266g、フッ化カ
リウム(KF)の3.5g、モレキュラーシーブで乾燥
したアセトニトリルの133gを還流冷却器を備えた5
00cm3 の四つ口フラスコに添加し、分に撹拌しな
がら7時間還流した。放冷後、分液ロートを用いて下層
を採取し、常圧で蒸留(沸点124.5℃)することに
よりCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF=CFCF3 78.4gを得
た。19F−NMRとガスクロマトグラフの分析によると
trans体とcis体の比は9:1であった。
【0026】元素分析実測値F68.41%;C2
4.36%(計算値F68.45%;C24.34%)
【0027】
【化2】
【0028】19F−NMR(δppm,CFCl3 基準) F1 :−113,F 2 :−122,F 3 :−136,F
4 :−85,F 5 :−146,F6 :−80,F7 :−
70,F 8 :−158,F 9 :−159,F10:−69
【0029】カップリング定数(Hz) J(F 1 −F 2 =84,J(F 1 −F 2 =113,
(F 2 −F 3 =65,J(F 8 −F 9 =140
【0030】
【化3】
【0031】19F−NMR(δppm,CFCl3 基準) F1 :−113,F2 :−122,F3 :−136,F
4 :−85,F5 :−146,F6 :−80,F7 :−
68,F8 :−141,F9 :−142,F10:−66
【0032】カップリング定数(Hz) J(F 1 −F 2 =84,J(F 1 −F 3 =113,
(F 2 −F 3 =65
【0033】実施例2 100cm3 のオートクレーブにCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF
2CF=CFCF3(以下、PGBV2と略す)を24.4g、フ
ロン113を20.6g、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネートを45mg仕込み、液体窒素で冷却して脱
気したのち40℃にてテトラフルオロエチレンを逐次添
加しつつ圧力を7kg/cm2 に保持した。21時間反
応したのち四塩化炭素で3回再沈を繰り返し60℃で真
空乾燥をして共重合体5.0gを得た。赤外吸収スペク
トルには1725cm-1に内部オレフィンの吸収が観測
された。得られた共重合体の容量流速を高化式フローテ
スタ(島津製作所製)にて、200℃、荷重30kg重
で1mmφ、長さ2mmのダイを用いて測定したとこ
ろ、容量流速は30mm3 /秒であった。NMRで共重
合体の組成を調べたところPGBV2に基づく重合単位
の割合は14モル%であった。
【0034】実施例3 100cm3 のオートクレーブにパーフルオロプロピ
ルビニルエーテルを1.66g、PGBV2を1.3
8g、フロン113を117.3g、メタノール45m
g、パーフルオロブタノイルパーオキシド5%溶液(溶
媒フロン113)4.0gを添加し、25℃でテトラフ
ルオロエチレンを逐次添加しつつ圧力を2kg/cm2
に保持した。2.5時間反応したのちn−ヘキサンで3
回再沈を繰り返し、60℃で真空乾燥をして共重合体
9.6gを得た。得られた共重合体の容量流速を350
℃で実施例2と同様にして測定したところ、9mm3
秒であった。
【0035】実施例4 実施例2で得られた共重合体を空気中250℃で16時
間熱処理し、220℃でプレスして得られたフィルムの
赤外吸収スペクトルには1725cm-1の二重結合の吸
収が消失し、新たに1500cm-1に二重結合の空気酸
化により生成したエポキシ基の強い吸収が観測された。
【0036】実施例5 実施例2で得られた共重合体を熱プレスでフィルム化
し、電子線を照射した。50Mrad、100Mrad
照射したフィルムについて動的粘弾性を測定したとこ
ろ、いずれの場合も150〜250℃の領域で弾性率変
化が小さく架橋していることが明らかになった。その
ときの弾性率は、およそ1×108 dyn/cm2 であ
った。
【0037】実施例6 100cm3 のオートクレーブにPGBV2を4.52
g、フロン113を95.5g、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート100mg、メタノール200mg
を添加し、40℃でテトラフルオロエチレンを逐次添加
しつつ圧力を3kg/cm2 Gに保持した。9.5時間
反応したのちn−ヘキサンで3回再沈を繰り返し60℃
で真空乾燥をして含フッ素共重合体7.5gを得た。得
られた共重合体の容量流速を300℃で実施例2と同様
にして測定したところ172mm3 /秒であった。この
共重合体を熱プレスでフィルム化し、弾性率を測定し
た。室温弾性率は6×109 dyn/cm2 、200℃
における弾性率は5×108dyn/cm2 であった。
電子線を50Mrad照射した後の弾性率は1×109
dyn/cm2 であった。
【0038】実施例7 100cm3 のオートクレーブにPGBV2を6.65
g、フロン113を194g、パーフルオロブタノイル
パーオキシド5%溶液(溶媒フロン113)6.5g、
メタノール72mgを添加し、25℃でテトラフルオロ
エチレンを逐次添加しつつ圧力を2kg/cm2 Gに保
持した。2.5時間反応したのちn−ヘキサンで3回再
沈を繰り返し60℃で真空乾燥をして含フッ素共重合体
15.7gを得た。得られた共重合体の容量流速を34
0℃と360℃で実施例2と同様にして測定したところ
それぞれ1.2mm3 /秒、9.9mm3 /秒であっ
た。この共重合体を熱プレスでフィルム化し、弾性率を
測定した。室温弾性率は5×109 dyn/cm2 、2
00℃における弾性率は5×109 dyn/cm2 であ
った。電子線を50Mrad照射した後の200℃弾性
率は1.1×109 dyn/cm2 であった。
【0039】比較例1 PGBV2の代わりにそれと等モルのCF2=CFO(CF2)5OCF
=CF2を用いたほかは実施例2と同様にして共重合体を合
成した。この共重合体について、20、100、20
0、300℃にて実施例2と同様にして測定した容量流
速はいずれも0mm3 /秒であった。
【0040】比較例2 PGBV2の代わりにそれと等モルのCF2=CFO(CF2)5OCF
=CF2を用いたほかは実施例3と同様にして共重合体を合
成した。この共重合体は、比較例2と同様に溶融流動性
を示さなかった。
【0041】
【発明の効果】式(1)で表される含フッ素化合物は、
側鎖部に二重結合を有する含フッ素共重合体を与える単
量体として有用である。この含フッ素共重合体は架橋性
を有し、放射線処理により架橋できる。また、酸化によ
り側鎖部に二重結合をエポキシ基に変換できる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)(ただし、nは1〜3の整
    数)で表される含フッ素化合物。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)nCF2CF=CFCF3 式(1)
  2. 【請求項2】下記式(2)(ただし、nは1〜3の整
    )で表される含フッ素化合物をフッ素アニオン源の存
    在下で異性化させることを特徴とする請求項1に記載の
    含フッ素化合物の製造方法。CF 2 =CFO(CF 2 CF(CF 3 )O) n CF 2 CF 2 CF=CF 2 式(2)
  3. 【請求項3】請求項1に記載の含フッ素化合物と他の単
    量体をラジカル共重合した含フッ素共重合体
  4. 【請求項4】請求項1に記載の含フッ素化合物と他の単
    量体とラジカル共重合することを特徴とする側鎖部に
    二重結合を有する含フッ素共重合体の製造方法
  5. 【請求項5】請求項4に記載の製造方法で得られた含フ
    ッ素共重合体に放射線処理を行うことを特徴とする含フ
    ッ素共重合体の架橋方法。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の製造方法で得られた含フ
    ッ素共重合体を酸素ガスの存在下で100〜400℃に
    加熱することを特徴とするエポキシ基を有する含フッ素
    共重合体の製造方法。
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