JP4230218B2 - 硬質貴金属合金部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、装飾部材、歯科部材、電子部材等に好適な硬質貴金属合金部材およびその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、貴金属材料として金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)等が知られており、これらは装飾部材、歯科部材、電子部材等種々の分野で使用されている。
しかしながら、これらの貴金属材料は、これらの用途に用いる場合に、硬度やヤング率等の機械的性質や耐食性等の耐久性が必ずしも十分とは言えない。また、作業性が悪いという問題もある。
一方、近年、装飾品の分野ではホワイトゴールド(Ni−Cu−Au合金)が注目されているが、未だ硬さが十分とはいえない。また、色調が悪く、しかも耐食性が不足しておりそのままでは美的価値を維持することができないため、メッキ等を行って商品化しているのが現状である。さらに、ロー付け等の加熱処理によっても硬度の低下が避けられない。さらにまた、作業性も悪い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、機械的性質に優れた硬質貴金属合金部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
また、機械的性質のみならず、耐食性にも優れた硬質貴金属合金部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
さらに、これらに加えて、良好な色調を有する硬質貴金属合金部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
さらにまた、これらに加えて、作業性が良好な硬質貴金属合金部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの観点によれば、Auを37.50〜98.45重量%、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
本発明の他の観点によれば、Auを37.50〜98.45重量%、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が150Hv以上、ヤング率が6000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0005】
本発明のさらに他の観点によれば、Auを37.50〜98.45重量%、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、Auを37.50〜98.45重量%、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が150Hv以上、ヤング率が6000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0006】
本発明のさらに他の観点によれば、Ptを85.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば Ptを85.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が8000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0007】
本発明のさらに他の観点によれば、Ptを85.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、Ptを85.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が8000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0008】
本発明のさらに他の観点によれば、Agを80.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、Agを80.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が150Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0009】
本発明のさらに他の観点によれば、Agを80.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、Agを80.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が150Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0010】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0011】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が150Hv以上、ヤング率が8000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0012】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0013】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
本発明の他の形態によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0014】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0015】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上あることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上あることを特徴とする硬質貴金属合金が提供される。
【0016】
本発明のさらに他の観点によれば、Auを37.50〜98.45重量%、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が130Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。
【0017】
本発明のさらに他の観点によれば、Auを37.50〜98.45重量%、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、合金成分および不可避不純物からなる貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が150Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0018】
本発明のさらに他の観点によれば、Auを37.50〜98.45重量%、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が130Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0020】
本発明のさらに他の観点によれば、Auを37.50〜98.45重量%、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が150Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0021】
本発明のさらに他の観点によれば、Ptを85.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0022】
本発明のさらに他の観点によれば、Ptを85.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が150Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0023】
本発明のさらに他の観点によれば、Ptを85.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0024】
本発明のさらに他の観点によれば、Ptを85.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が150Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0025】
本発明のさらに他の観点によれば、Agを80.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が130Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0026】
本発明のさらに他の観点によれば、Agを80.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が150Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0027】
本発明のさらに他の観点によれば、Agを80.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が130Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0028】
本発明のさらに他の観点によれば、Agを80.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が150Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0029】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0030】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が150Hv以上、ヤング率が8000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0031】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0032】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が150Hv以上、ヤング率が8000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0033】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0034】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0035】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0036】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から 選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0037】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0038】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0039】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その後、その素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0040】
本発明のさらに他の観点によれば、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、その素材に対して溶体化処理を施す工程と、その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法が提供される。
【0041】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態に係る硬質貴金属合金部材は、金Au含有量が37.50〜98.45重量%であり、ガドリニウムGd単独の、あるいはガドリニウムGdと、Gd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、アルミニウムAlおよびボロンBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とで構成された硬質化添加剤を合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有させた金合金で構成される。
【0042】
このように金Au含有量を37.50〜98.45重量%とし、ガドリニウムGdを単独、または他の元素と複合化してなる硬質化添加剤を適量添加することにより、加工を加えない鋳造合金であっても130Hv以上という高い硬度が得られるとともに、6000kg/mm2でという今までにない高いヤング率を得ることができる。
【0043】
Gdは、体積占有率等を考慮すると最も有効な硬質化元素であり、耐熱性の向上硬化も高い。そして、特に、Gdを添加することにより極めて高いヤング率を確保可能なことを見出した。また、このようにGdは硬度やヤング率の向上効果が大きいため、添加量は少量でよく、基合金の色調を変化させずに良好な色調を得ることができる。
【0044】
硬質化添加剤としての効果はGd単独でも発揮されるが、Gd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、アルミニウムAlおよびボロンBからなる群から選択される少なくとも1種の元素と複合添加することにより相乗効果によってより優れた特性を得ることができる。
【0045】
ここで、アルカリ土類元素の中ではCaが好ましい。また、硬質化添加剤としてガドリニウムGdとシリコンSiとを用いる場合に、Gd量はGdおよびSiの合計量の50重量%以下であることが好ましく、ガドリニウムGdとアルミニウムAlとを用いる場合に、Gd量はGdおよびAlの合計量の10重量%以上であることが好ましい。
【0046】
硬質化添加剤の量を50ppm以上15000ppm未満の範囲としたのは、50ppm未満であればその硬質化効果が有効に発揮されず、15000ppm以上の場合にはAuとしての特徴を確保することが難しいからである。
【0047】
また、対象とする金合金としては、Au含有量が37.50〜98.45重量%と金品位で9K(カラット)以上の合金であれば特に制限されず通常のものであれば適用可能である。例えば、AuにPt、PdおよびAgのうちの1種以上を含むものが挙げられ、18K合金としては、75%Auに、PtおよびPdを含むものや、AgおよびPdを含むもの等が挙げられ、9Kとしては38%AuにAg、Pt、およびPdを含むもの等を挙げることができる。これらは合金成分として基本的に銅等の耐食性が多少劣る元素が含まれていないため、特に良好な耐食性を示す。もちろん、ホワイトゴールド(Ni−Cu−Au合金)等の貴金属以外の合金元素を含む金合金であってもよい。また、上記硬質化添加剤以外の成分も通常金合金に用いられているものであればどのようなものでもよく特に制限されない。つまり、上記硬質化添加剤は、既存のどのような金合金に対しても有効である。
【0048】
次に、上記特性の合金部材の製造方法について説明する。
まず、鋳造合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その後所定温度で時効処理を施す。
次に、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、この加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す。
この際の溶体化処理温度および時効処理温度は合金の種類によっても異なるが、溶体化処理温度は600〜2500℃、時効処理温度は150〜600℃とすることが可能である。
【0049】
このように溶体化処理および時効処理を行うことにより、主にGdの作用および他の添加元素との相乗作用によって著しく硬化し、加工を加えない鋳造合金の場合でも硬度を130Hv以上、組成および条件を適切に選択すれば150Hv以上と従来よりも極めて大きな値とすることが可能であり、加工合金の場合には加工率50%以上で150Hv以上、加工率90%以上で180Hv以上、高いものでは200Hv以上の値を得ることが可能である。なお、この際の加工率は任意の値とすることが可能であるが、99.0%まで、さらには99.6%までの範囲が好ましい。
【0050】
また、新たな知見として、このように硬度が高いのに加え、ヤング率が6000kg/mm2以上と大きな値となることが把握された。また、処理条件を最適化することにより、7000kg/mm2以上、さらには8000kg/mm2という極めて大きな値を得ることができる。
【0051】
すなわち、本発明によれば、金純度によらず高硬度および高ヤング率を兼備した合金部材を得ることができる。従来の24Kの金合金はヤング率が高々4000kg/mm2程度であり、18Kでは高々5800kg/mm2程度であったが、本実施形態では、18Kの金合金でも6000kg/mm2以上、さらには7000kg/mm2以上と高い値が得られ、組成および条件を最適化することにより、8000kg/mm2以上と不純物をほとんど含まない99.99%Auレベルのヤング率を得ることができる。99.99%Auはヤング率は高いものの硬度が50Hv以下と低く、本発明が意図している装飾部材、歯科部材、電子部材等の用途に適用することは困難であるが、本実施形態の合金部材は上述したように高硬度および高ヤング率を兼備しているのでこれらの用途に適したものとなる。
【0052】
また、このような高硬度および高ヤング率は金Au含有量が98.5重量%以上、特には99.45重量%以上の高純度金合金部材においても得ることができ、本実施形態では、金Au含有量が98.5重量%以上であり、ガドリニウムGd単独の、あるいはガドリニウムGdと、Gd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、アルミニウムAlおよびボロンBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とで構成された硬質化添加剤を合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有させた高純度金合金からなり、加工を施さない鋳造合金であって、硬度が130Hv以上、ヤング率が5000kg/mm2である合金部材、および加工合金であって硬度が150Hv以上、ヤング率が5000kg/mm2である合金部材をも対象とする。この98.5重量%以上の高純度金合金部材においても、上述の条件と同様の条件で製造することができ、また、条件を最適化することにより、6000kg/mm2以上、さらには7000kg/mm2以上のヤング率を得ることができるし、硬度についても180Hv、さらには200Hv以上の高い値を得ることができる。
【0053】
金純度37.5〜98.45重量%の場合、98.5%以上の場合のいずれも、このような高硬度および高ヤング率を得るための特に好ましい製造条件は、溶体化処理温度600〜1000℃、時効処理温度150〜500℃である。
【0054】
次に、本発明の第2から第5の実施形態について説明する。
本発明の第2の実施形態に係る硬質貴金属合金部材は、プラチニウムPt含有量が85.0重量%であり、ガドリニウムGd単独の、あるいはガドリニウムGdと、Gd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、アルミニウムAlおよびボロンBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とで構成された硬質化添加剤を合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有させたプラチニウム合金で構成される。
【0055】
本発明の第3の実施形態に係る硬質貴金属合金部材は、銀Ag含有量が80.0重量%以上であり、ガドリニウムGd単独の、あるいはガドリニウムGdと、Gd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、アルミニウムAlおよびボロンBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とで構成された硬質化添加剤を合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有させた銀合金で構成される。
【0056】
本発明の第4の実施形態に係る硬質貴金属合金部材は、金Au、銀Ag、プラチニウムPt、パラジウムPd、ロジウムRh、ルテニウムRu、およびオスミウムOsからなる貴金属元素群から選択される2種以上の元素で構成された貴金属合金に、ガドリニウムGd単独の、あるいはガドリニウムGdと、Gd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、アルミニウムAlおよびボロンBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とで構成された硬質化添加剤を合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有させてなる。
本発明の第5の実施形態に係る硬質貴金属合金部材は、金Au、銀Ag、プラチニウムPt、パラジウムPd、ロジウムRh、ルテニウムRu、およびオスミウムOsからなる群から選択される少なくとも1種の元素と、銅Cu、ニッケルNi、アルミニウムAl、亜鉛Zn、およびFeからなる群から選択される少なくとも1種の元素とで構成された貴金属合金に、ガドリニウムGd単独の、あるいはガドリニウムGdと、Gd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、アルミニウムAlおよびボロンBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とで構成された硬質化添加剤を合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有させてなる。
【0057】
これら実施形態の場合にも、アルカリ土類元素の中ではCaが好ましい。また、硬質化添加剤としてガドリニウムGdとシリコンSiとを用いる場合に、Gd量はGdおよびSiの合計量の50重量%以下であることが好ましく、ガドリニウムGdとアルミニウムAlとを用いる場合に、Gd量はGdおよびAlの合計量の10重量%以上であることが好ましい。
【0058】
これら第2から第5の実施形態に適用される合金は特に限定されるものではないが、第2の実施形態のプラチニウムPt合金としては、Pt−Pd、Pt−Pd−Cuが例示され、第3の実施形態の銀Ag合金としては、Ag−Cu−Znが例示され、第4の実施形態の貴金属合金としては、Au−Pd−Ag、Au−Pt−Pd−Ag、Ag−Pdが例示され、第5の実施形態の貴金属合金としては、Au−Pt−Pd−Cu−Zn、Ag−Pd−Cu−Zn系合金等が例示される。第4および第5の実施形態では、第1から第3の実施形態と重複する合金も含まれるが、各貴金属元素が第1から第3の実施形態よりも低いものも含まれる。また、上記硬質化添加剤以外の成分も通常の貴金属合金に用いられているものであればどのようなものでもよく特に制限されない。つまり、上記硬質化添加剤は、既存のどのような貴金属合金に対しても有効である。
【0059】
これら第2から第5の実施形態に係る合金部材を製造する際にも第1の実施形態と同様である。すなわち、鋳造合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その後所定温度で時効処理を施す。また、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、この加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す。この際の溶体化処理温度および時効処理温度は第1の実施形態と同様、溶体化処理温度は600〜2500℃、時効処理温度は150〜600℃とすることが可能である。特に好ましい条件は、溶体化処理温度:500〜1600℃、時効処理温度:150〜500℃である。また、加工の際の加工率は任意であるが、その好ましい範囲は第1の実施形態と同様である。
【0060】
上記第2の実施形態のプラチニウム合金からなる貴金属合金部材は、ガドリニウムGdを単独、または他の元素と複合してなる硬質化添加剤を適量添加し、上述のような処理を施すことにより、加工を加えない鋳造合金で120Hv以上という今までにない高い値を得ることができる。また、加工合金の場合には加工率50%程度で150Hv以上、加工率90%以上では170Hv以上の値を得ることが可能である。プラチニウム合金はもともとヤング率は高いが、硬度が低いという欠点があり、本発明が意図する用途に適用することが困難であるか、Cu等の元素を添加することにより適用することができても、その硬度が必ずしも十分とは言えないばかりか、Cu等により耐食性や色調に問題が生じる。これに対して、本発明では、上述のように高硬度にすることができ、しかも8000kg/mm2以上という高いヤング率を維持するができる。また、組成や製造条件を調整することにより、高硬度を維持しつつヤング率を10000kg/mm2以上、さらには15000kg/mm2以上、20000kg/mm2以上という極めて高い値とすることができる。
【0061】
上記第3の実施形態〜第5の実施形態の金合金部材においても、ガドリニウムGdを単独、または他の元素と複合してなる硬質化添加剤を適量添加し、上述のような処理を施すことにより、鋳造合金の場合でも130Hv以上と従来よりも著しく高い硬度を得ることが可能であり、加工合金の場合には加工率50%程度で150Hv以上、加工率90%以上で180Hv以上の値を得ることが可能である。また、7000kg/mm2以上という高いヤング率を得ることができ、高硬度と高ヤング率とを兼備した合金部材を得ることができる。組成および製造条件を最適化することにより、ヤング率を8000kg/mm2以上、さらには10000kg/mm2以上という極めて高い値とすることができ、硬度も200Hvという極めて高い値とすることができる。
【0062】
次に、本発明の第6から第8の実施形態について説明する。
本発明の第6の実施形態に係る硬質貴金属合金部材は、プラチニウムPt含有量が99.45重量%であり、ガドリニウムGd単独の、あるいはガドリニウムGdと、Gd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、アルミニウムAlおよびボロンBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とで構成された硬質化添加剤を合計で50ppm以上5000ppm未満の範囲で含有させた高純度プラチニウム合金で構成される。
【0063】
本発明の第7の実施形態に係る硬質貴金属合金部材は、パラジウムPd含有量が99.45重量%であり、ガドリニウムGd単独の、あるいはガドリニウムGdと、Gd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、アルミニウムAlおよびボロンBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とで構成された硬質化添加剤を合計で50ppm以上5000ppm未満の範囲で含有させた高純度パラジウム合金で構成される。
【0064】
本発明の第8の実施形態に係る硬質貴金属合金部材は、銀Ag含有量が99.45重量%であり、ガドリニウムGd単独の、あるいはガドリニウムGdと、Gd以外の希土類元素、アルカリ土類元素、シリコンSi、アルミニウムAlおよびボロンBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とで構成された硬質化添加剤を合計で50ppm以上5000ppm未満の範囲で含有させた高純度銀合金で構成される。
【0065】
これら第6から第8の実施形態のように、高純度のプラチニウム合金、パラジウム合金、銀合金の場合にも、第2から第5の実施形態の合金部材の場合と同様、ガドリニウムGdを単独、または他の元素と複合してなる硬質化添加剤を適量添加することにより、高硬度と高ヤング率とを兼備した合金部材を得ることができることを見出した。
【0066】
これら実施形態の場合にも、アルカリ土類元素の中ではCaが好ましい。また、硬質化添加剤としてガドリニウムGdとシリコンSiとを用いる場合に、Gd量はGdおよびSiの合計量の50重量%以下であることが好ましく、ガドリニウムGdとアルミニウムAlとを用いる場合に、Gd量はGdおよびAlの合計量の10重量%以上であることが好ましい。
【0067】
これら第6から第8の実施形態に適用される合金は特に限定されるものではなく、上記硬質化添加剤以外の成分も通常これら合金で含有されているを用いることができる。上記硬質化添加剤以外の成分としては、Cu、Ni、Znが例示される。
【0068】
これら第6から第8の実施形態に係る合金部材を製造する際にも第1から第5の実施形態と同様である。すなわち、鋳造合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その後所定温度で時効処理を施す。また、加工合金の場合には、上記組成の合金素材を鋳造し、その素材に対して所定温度に加熱後急冷する溶体化処理を施し、その素材を所定形状に加工し、この加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す。この際の溶体化処理温度および時効処理温度は第1の実施形態と同様、溶体化処理温度は600〜2500℃、時効処理温度は150〜600℃とすることが可能である。特に好ましい条件は、溶体化処理温度:500〜1600℃、時効処理温度:150〜500℃である。また、加工の際の加工率は任意であるが、その好ましい範囲は第1の実施形態と同様である。
【0069】
上記第6の実施形態のプラチニウム合金からなる貴金属合金部材は、ガドリニウムGdを単独、または他の元素と複合してなる硬質化添加剤を適量添加し、上述のような処理を施すことにより、第2の実施形態と同様、加工を施さない鋳造合金では120Hv以上、加工率50%以上の加工合金では150Hv以上、加工率90%以上では170Hv、高いものでは180Hv以上という今までにない高い硬度が得られるとともに、8000kg/mm2以上という高いヤング率を得ることができる。また、組成や製造条件により、高硬度を維持しつつ、10000kg/mm2以上というさらに高いヤング率を得ることができ、組成や製造条件を最適化することにより15000kg/mm2以上、さらには20000kg/mm2以上という極めて高いヤング率を得ることができる。
【0070】
上記第7の実施形態〜第8の実施形態の金合金部材においても、ガドリニウムGdを単独、または他の元素と複合してなる硬質化添加剤を適量添加し、上述のような処理を施すことにより、鋳造合金の場合でも120Hv以上と従来よりも著しく高い硬度を得ることが可能であり、加工合金の場合には加工率50%程度で140Hv以上、加工率90%以上で150Hv以上、高いものでは170Hv以上の値を得ることが可能である。またヤング率も7000kg/mm2以上と高く、組成および製造条件を最適化することにより、8000kg/mm2以上、さらには10000kg/mm2以上という極めて高いヤング率とすることができる。
【0071】
従来の高純度のプラチニウム合金、パラジウム合金、銀合金は、90%以上の加工を加えてもビッカス硬度が100Hv程度と低く、本発明が意図しているような分野への適用は困難であり、ある程度満足する硬度を得るためには、CuやZn等の元素を5〜10%添加して低純度のものにさせざるを得ず、耐食性や色調等を犠牲にせざるを得なかったが、本発明によれば、高純度であっても上述のような高硬度と高ヤング率を兼備した貴金属合金部材を得ることができる。
【0072】
以上のように、本発明では種々の貴金属合金に対し、Gd単独のまたはGdを主構成要素とする硬質化添加剤を微量添加することにより、高い高度および高いヤング率を得ることができる。また、上記硬質化添加剤は機械的特性を向上させるための量が少なくてよく、Gd等は占有体積も小さいため、色調に悪影響を及ぼすこともない。したがって、良好な色調を得ることができる。また、このようにGdが色調に影響を及ぼさないので、他の元素を積極的に添加することにより所望の色彩を有するカラーゴールドが得られる可能性がある。さらに、上述のように上記硬質化添加剤が微量でよいため、電気特性の低下が小さく、良好な電気特性を得ることができる。また、Gdは分散もよく、したがって本発明の合金部材は加工性および作業性も良好である。さらに、硬度およびヤング率を上昇させるために添加したGdは耐食性を低下させることがなく、良好な耐食性を有する合金部材を得ることができる。
【0073】
実施例
以下、本発明の実施例について説明する。
純度99.995重量%の電解金を用いて、表1に示す組成の24K、22K、20K、14K、9K相当の金合金を溶製した。加工品については、まず、連続鋳造機で8mmφのワイヤーに連続鋳造し、その後、連続鋳造した素材を800℃で1時間保持後急冷という条件で溶体化処理し、溝ロールとダイスで種々の加工率で加工した。時効処理は、加工の前または加工の後に250℃で3時間の条件で行った。
また、キャスト品については、加圧式および回転式を用いて大気中で鋳造を行った後、同様の条件で溶体化処理および時効処理を行った。
これらについて色調を評価し、さらにビッカス硬度、破断強度およびヤング率を測定した。また、耐食性も評価した。その結果を表2に示す。
なお、表1の実施例1〜8(9は参考例)は本発明の範囲内であり、比較例1〜3は従来合金である。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
表2からわかるように、実施例1〜3ではキャスト品でも150Hv以上と従来品である比較例1〜3よりも硬度が高く、加工品ではさらに高い硬度が得られた。そして加工率90%では硬度が180Hv以上となり、高いものでは200Hv以上のものが確認された。18Kの金合金における加工率と硬度との関係を図1に示し、金含有量が異なる金合金での加工率と硬度との関係を図2に示す。
実施例1〜8(9は参考例)はヤング値が8000kg/mm2以上とも従来品である比較例1〜3に比べて著しく高く、本発明に基づいた実施例1〜3は、硬度が上昇してもヤング率が低下しないことが確認された。
【0076】
また、硬質化添加剤の添加量が0.45重量%以下と微量でも要求する硬度およびヤング率が得られ、また、なましなしで加工率99.6%まで行ったが問題が生じず、加工性が良好であることが確認された。
また、実施例1〜8(9は参考例)では、破断強度および耐食性も十分であり、ロー付けによって硬度はほとんど低下しなかった。
さらに、金含有量が98.5重量%以上である高純度金合金を用いた実施例9においても、硬度が鋳造合金で130Hv以上、加工率90%以上の加工合金で150Hv以上およびヤング率8000kg/mm2以上という高い値が得られることが確認された。また色調も良好であった。
【0077】
さらに添加元素を選定し、黄色、赤、ピンク、白、灰色、青、緑、紫の21K、22Kのカラーゴールド合金を試作したところ、所望の色調のものが得られた。
次に、純度99.995重量%の各貴金属を用いて表3に示す組成の貴金属合金を溶製した。加工品については、上記実施例の場合と同様、まず、連続鋳造機で8mmφのワイヤーに連続鋳造し、その後、連続鋳造した素材を800℃で1時間保持後急冷という条件で溶体化処理し、溝ロールとダイスで種々の加工率で加工した。時効処理は、加工の前または加工の後に250℃で3時間の条件で行った。
【0078】
また、キャスト品については、加圧式および回転式を用いて大気中で鋳造を行った後、同様の条件で溶体化処理および時効処理を行った。
これらについて色調を評価し、さらにビッカス硬度、破断強度およびヤング率を測定した。また、耐食性も評価した。その結果を表4に示す。
なお、表3の実施例11〜21は本発明の範囲内であり、比較例11〜13は従来合金である。
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
表4からわかるように、本発明の範囲内である貴金属合金である実施例11〜21は、組成によって値は異なるが、硬度およびヤング率とも高く、耐食性および色調にも優れ、同様のグレードの合金よりも優れた特性を有していた。特に、プラチニウム合金からなる合金部材は、高硬度でありながら、プラチニウムの高いヤング率を維持しており、ほぼ10000kg/mm2以上の高い値を示し、組成によっては20000kg/mm2以上のものも得られた。また、図3に示すように加工率が高いものではビッカス硬度で200Hvを超えるものも存在した。
【0081】
本発明の硬質貴金属部材は、硬度が高くかつ耐食性が良好であるため、耐久性に優れている。また、ヤング率が高くバネ性があり、高硬度でありながら脆さがない。そして、このような優れた機械的特性を有するため、軽量化および薄形化が可能である。さらに、良好な色調を有している。さらにまた、加工性が良好で作業性が良い。
【0082】
本発明の硬質貴金属部材は、このような特性を有するため、ネックレス、ブレスレット、ペンダント、イヤリング等の宝飾品に適している。また、高硬度であり、かつ高ヤング率に伴うバネ性を有するため、時計バンド、めがねフレーム、留め金等の日用品や繊維等にも適している。また、このような高硬度および高ヤング率特性を生かして、楽器、お鈴等に適用すれば、良好な音が得られる。さらに、ボンディングワイヤー、リードフレーム、コネクター等の電子部品、クラッド材、自動車部品のスパークプラグ材、歯科部材等にも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】18K金相当の金合金における加工率と硬さとの関係を示す図。
【図2】9K〜22K相当の金合金における加工率と硬さとの関係を示す図。
【図3】金以外の貴金属基合金における加工率と硬さとの関係を示す図。
Claims (49)
- Auを37.50〜98.45重量%、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Auを37.50〜98.45重量%、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が150Hv以上、ヤング率が6000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Auを37.50〜98.45重量%、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Auを37.50〜98.45重量%、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が150Hv以上、ヤング率が6000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Ptを85.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Ptを85.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が8000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Ptを85.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。
ことを特徴とする硬質貴金属合金。 - Ptを85.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が8000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Agを80.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Agを80.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が150Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Agを80.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が130Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Agを80.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が150Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金 属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が150Hv以上、ヤング率が8000kg/mm以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が150Hv以上、ヤング率が8000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上であることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が鋳造合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上あることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金であって、
該硬質貴金属合金が50%以上の加工が施された加工合金からなり、溶体化処理および時効処理が施されることにより、硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm 2 以上あることを特徴とする硬質貴金属合金。 - Auを37.50〜98.45重量%、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が130Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Auを37.50〜98.45重量%、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、合金成分および不可避不純物からなる貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が150Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Auを37.50〜98.45重量%、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が130Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Auを37.50〜98.45重量%、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、PtおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびAgおよびCu、またはPtおよびPdおよびCuおよびZn、またはPtおよびAg、PtおよびPdおよびZn、PtおよびPdおよびAg、またはPd、またはAgおよびCu、またはPtおよびCu、のいずれか、ならびに、不可避不純物からなる貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が150Hv以上、ヤング率が6000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Ptを85.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Ptを85.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が150Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Ptを85.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Ptを85.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、Pd、またはPdおよびCu、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が150Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Agを80.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が130Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Agを80.0重量%以上、Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が150Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Agを80.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が130Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Agを80.0重量%以上、Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部が、合金元素としての、CuおよびZn、ならびに、不可避不純物からなる硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が150Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が150Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が120Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPtおよび不可避不純物からなり、Pt含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が150Hv以上、ヤング率が8000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がPdおよび不可避不純物からなり、Pd含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が120Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdを50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その後、その素材に対して時効処理を施す工程と
を有し、
硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - Gdと、Ca、Si、AlおよびBからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを合計で50ppm以上15000ppm未満の範囲で含有し、残部がAgおよび不可避不純物からなり、Ag含有量が99.45重量%以上の硬質貴金属合金で構成された素材を鋳造する工程と、
その素材に対して溶体化処理を施す工程と、
その素材を50%以上の加工率で所定形状に加工する工程と、
前記加工の前または後で前記素材に対して時効処理を施す工程とを有し、
硬度が140Hv以上、ヤング率が7000kg/mm2以上の硬質貴金属合金部材を得ることを特徴とする硬質貴金属合金部材の製造方法。 - 請求項25〜48のいずれかの方法において、溶体化処理温度が600〜2500℃、時効処理温度が150〜600℃である硬質貴金属合金部材の製造方法。
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