JP5079555B2 - 装飾部品 - Google Patents

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本発明は、Ptを含有するPt合金装飾部品に関するものである。
ピアス、イヤリング、指輪、ブレスレットなどの装飾部品にはAu、Ag、Pd、Ptなどの軟質貴金属材料が使用されているが、使用中のキズ発生などによる外観品質の低下が大きな問題として指摘されている。これは主に、軟質貴金属材料自身の表面硬度がビッカ−ス硬度でHv=100程度の低硬度であることに起因するものであり、解決を目指して種々の硬化処理が試みられている。
軟質貴金属材料の硬化方法には、軟質貴金属材料表面に被膜を被覆形成する方法と軟質貴金属材料自身を硬化する方法がある。
軟質貴金属材料表面に被膜を被覆形成する方法には、湿式メッキ、イオンプレ−ティングなどの手法があげられる。特に装飾部品では、貴金属元素であるRhメッキ、Pdメッキ、Auメッキなどが広く行われているが、いずれのメッキ被膜も軟らかく使用中のキズが解消するまでには至っていない。またイオンプレ−ティングではPt膜、Rh膜などを被覆形成する手法があげられるが、これらPt膜、Rh膜などのイオンプレ−ティング被膜もメッキ被膜と同様に軟らかく、また密着性に難点があり剥離が発生しやすいという欠点があり、いずれも膜剥離問題に対しては完全に解決するまでには至っていない。
軟質貴金属材料自身を硬化する方法としては貴金属元素に、他の金属元素を添加し合金化させ貴金属材料自身を硬化させる方法があるが、Auの場合ではCu、Agを添加した18K、24Kなどの合金でもビッカ−ス硬度はさほど上昇しない。また、Ptに対してはPdを添加し合金化させているが、ビッカ−ス硬度はほとんど変化がない。従って、使用中に発生するキズが解消するまでには至っていないのが現状である。
白金(Pt)99.7重量%以上で、且つホウ素(B)を0.3重量%以下の割合で含むこと特徴とする装身具用高純度白金や、Ptの含有量が99重量%以上であって、添加元素としてBと、Mg、Zr、Thの中から選ばれる1種類又は2種類以上の元素と、を含有しており、前記添加元素の含有量が合計で0.0001重量%以上1重量%以下であることを特徴とする装身具用高純度白金合金が提案されている(例えば特許文献1または特許文献2参照)が提案されている。
これらは、ホールマーク(独立行政法人造幣局の検定刻印)であるPt1000が刻印される純白金に関するもので、Pt1000とはPtの含有量が99.7重量%以上で、0.3重量%までPt以外の元素の含有が公差として認められている純白金を達成することを目的としている。筆者らが追試験を行ったところ、B添加量が0.2重量%を越えると、ビッカース硬度はHv180以上となり硬度が上昇することが認められるが、一方でPt固有の金属光沢がなくなり鏡面性も消失する。すなわちPt固有の外観品質が大きく低下し、高級感や品位が大幅に低下することが明らかとなった。
特許第2923932号公報(請求項1) 特許第3100864号公報(請求項3)
本発明の目的は、Pt固有の金属光沢を有し鏡面性能が高く、使用中に傷が発生しない高硬度の装飾部品で、特にPtを含む装飾部品を提供することにある。
本発明において上記課題を解決するために種々検討した結果、まず98.0重量%以上のPdに2.0重量%以下のBを添加して溶解させPd中にBが均一に分散したPd−B合金を作製した後に、95.0重量%以上のPtに5.0重量%以下のPd−B合金を添加し溶解させてPt中にBが均一に分散したPt合金、あるいはPtに0.5重量%以下のPd−B合金と1.0重量%未満のNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素を添加し溶解させて、Pt中にBとNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素が均一に分散したPt合金とさせることによりPt固有の金属光沢を失わずに鏡面性を維持した状態で耐衝撃によるキズが発生しない高硬度のPt合金が達成される。
具体的には、まず98.0重量%のPdに2.0重量%のB、または98.5重量%のPdに1.5重量%のB、または99.0重量%のPdに1.0重量%のB、または99.5重量%のPdに0.5重量%のBを添加し溶解させPd中にBが均一に分散した4組成のPd−B合金を作製した後に、95.0重量%のPt、または96.0重量%のPt、または97.0重量%のPt、または98.0重量%のPt、または99.0重量%のPtにこれら4組成のPd−B合金を添加し溶解させてPt中にBが均一に分散したPt合金とさせるか、99.0重量%のPtにNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素と、これら4組成のPd−B合金とを添加し溶解させてPt中にBとNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素が均一に分散したPt合金とさせる。Ptの含有量が95.0重量%以上で、かつ5.0重量%以下のPdおよびBを含有する合金、またはPtの含有量が99.0重量%以上で、かつ1.0重量%未満のNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素とPd−B合金を含有する合金であるが、Pt固有の金属光沢を失わずに鏡面性が確保するためには、Bの含有量が0.03重量%以下であることが好ましい。
Pt合金装飾部品の作製方法であるが、アーク溶解炉にPt、Pd−B合金、およびNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素を配置しArガスを導入した雰囲気中で溶解させ合金化させるもので、この手法で作製したPt合金をPt合金装飾部品母材とする。このPt合金装飾品母材からピアス、イヤリング、指輪、ブレスレットなど各種Pt合金装飾部品を作製するが、その作製法はPt合金装飾部品母材を圧延した後に機械的に所望の装飾部品形状に加工するか、Pt合金装飾部品母材を粉砕し、Arガス雰囲気中の高周波溶解炉で溶解させ、内部が所望の装飾部品形状に加工された各種鋳型に鋳込んで作製するなど各種の作製法が採用可能である。
(作用)
Pt合金の特徴はいずれも酸やアルカリに対して長時間の浸漬でも腐蝕が全く発生せず、機械的強度が高いことである。PtにPd−B合金を添加し溶解させてPt中にBが均一に分散したPt合金装飾部品母材、あるいはPtにPd−B合金とNb、Ta、Ti、Zrのうちから少なくとも1種類以上の元素を添加し溶解させて、Pt中にBとNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素が均一に分散したPt合金装飾部品母材は、Pt固有の金属光沢を失わずに鏡面性が確保される。Pt合金装飾部品母材からピアス、イヤリング、指輪、ブレスレットなどの任意形状に作製した装飾部品はPt合金の結晶性に関係なくPt固有の金属光沢を失わずに鏡面性が確保されPt固有の金属光沢を有し鏡面性能が高く、使用中に傷が発生しない高硬度のPt合金装飾部品が達成されるのである。
以上述べてきたように本発明によれば、Ptに他の元素を添加させ合金化させることにより、PtにPd−B合金を添加し溶解させてPt中にBが均一に分散したPt合金装飾部品母材、あるいはPtにPd−B合金とNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素を添加し溶解させて、Pt中にBとNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素が均一に分散したPt合金装飾部品母材は、Pt固有の金属光沢を失わずに鏡面性を維持した状態で耐衝撃によるキズが発生しない高硬度の品質が達成される。さらにPt合金装飾部品母材から作製した任意形状のピアス、イヤリング、指輪、ブレスレットなどはPt固有の金属光沢を失わずに鏡面性を維持した状態で、衝撃によるキズが発生せず、腐蝕が発生しない高硬度で高耐蝕性の品質が達成されるのである。
アーク溶解炉にPtとPd−B合金とNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素を配置し、Arガスを導入した雰囲気中で溶解させてPt合金装飾部品母材を作製した後に、このPt合金装飾部品母材を圧延した後に機械的にピアス、イヤリング、指輪、ブレスレットなど各種Pt合金装飾部品を作製するか、またはPt合金装飾部品母材を粉砕しArガス雰囲気中の高周波溶解炉で溶解させ、内部が所望の装飾部品形状に加工された各種鋳型に鋳込んでピアス、イヤリング、指輪、ブレスレットなど各種装飾部品を作製した。
(第1の実施形態)
まず、アーク溶解炉に任意重量のPdとBを配置して真空排気した後にArガスを導入した減圧雰囲気中でアーク溶解させてPd中にBが均一に分散したPd−B合金を作製した。次に、任意重量のPtとこのPd−B合金をアーク溶解炉に配置して真空排気した後にArガスを導入した減圧雰囲気中でアーク溶解させてPt中にBが均一に分散したPt合金装飾部品母材を作製した。充分冷却した後にアーク溶解炉から取り出して圧延装置にかけて、このPt合金装飾部品母材を平板形状に圧延し、さらに機械的加工を施し各種装飾部品形状に加工した。
(実施例1−11)
Pd−B合金として 98.0重量%のPdに2.0重量%のB、または98.5重量%のPdに1.5重量%のB、または99.0重量%のPdに1.0重量%のB、または99.5重量%のPdに0.5重量%のBを添加した溶解させPd中にBが均一に分散した4組成のPd−B合金を作製した。次に、95.0重量%のPt、または96.0重量%のPt、または97.0重量%のPt、または98.0重量%のPt、または99.0重量%のPtにこれら4組成のPd−B合金を添加し溶解させてPt中にBが均一に分散したPt合金装飾部品母材を作製した。このときにPtの含有量が95.0重量%以上で、かつBの含有量が0.03重量%以下となるようにPtとPd−B合金の重量を調整した。各種組成のPt合金装飾部品母材を圧延装置で任意の厚みの平板に圧延した後に、プレス加工と絞り成型加工を複数回実施し任意サイズの指輪を作製した。
(比較例1−6)
本発明の実施形態の比較例1−6としてPtの含有量が95.0重量%で、かつBの含有量が0.04重量%以上となるように、Pd−B合金の重量を調整して6組成のPt合金装飾部品母材を作製した。さらに、実施例1−11と同一工程を経て任意サイズの指輪を作製した。
第1の実施形態である実施例1−11、比較例1−6で得られた指輪の硬度試験、耐蝕性試験、光沢目視試験の結果及び装飾性能総合評価結果を表1に示す。
Pt合金装飾部品母材の組成はEPMA(X線マイクロアナリシス)分析を行い特定し
た。硬度試験はマイクロビッカース硬度計により測定し負荷荷重5mNでビッカース硬度Hv=200以上を合格とした。耐蝕性試験はCASS試験溶液に48時間浸漬を行い腐蝕が全く発生しないものを合格とした。光沢目視試験は金属光沢の有無を外観目視により判定し金属光沢が認められるものを合格、金属光沢が認められないものを不合格とした。硬度試験、耐蝕性試験、光沢目視試験のいずれの試験とも装飾部品である指輪まで加工した後に実施した。これら3項目の評価試験全てに合格したものを装飾性能総合評価で合格とした。
Figure 0005079555
表1に示すように、Ptの含有量が95.0重量%以上で、5.0重量%以下のPdおよびBを含有し、かつBの含有量が0.03重量%以下となるように重量を調整して各種組成とした実施例1−10の全てが、硬度試験ではビッカ−ス硬度がHv=200以上で合格、耐蝕性試験でもCASS試験後に腐蝕は発生せず合格、光沢目視試験では金属光沢
が認められ合格であった。従って装飾性能総合評価結果では実施例1−11の全てが合格であった。
これらに対し、Ptの含有量が95.0重量%以上で5.0重量%以下のPdおよびBを含有し、かつBの含有量が0.04重量%以上となるように重量を調整して各種組成としたPt合金装飾部品母材から作製した指輪では、硬度試験ではビッカ−ス硬度がHv=200以上で合格、耐蝕性試験でもCASS試験後に腐蝕は発生せず合格であったが、光沢目視試験では金属光沢が認められずに不合格であった。従って装飾性能総合評価結果では比較例1−6の全てが不合格であった。
Ptに対しPdは全率固溶元素であるためPdの含有量は任意で構わないが、Ptの持つ固有の光沢と鏡面性品質を保つためにはPtに均一に分散させるBの含有量は0.03重量%以下にする必要がある。すなわち、Pt中に均一に分散させるBの含有量が0.03重量%以下である場合にはPt合金装飾部品母材から作製された装飾品は光沢と鏡面性を有するが、Bの含有量が0.04重量%を越えるとPt合金装飾部品母材から作製された装飾品ではPtの持つ固有の光沢と鏡面性が消失するのである。従って、Pt合金装飾部品母材から作製した装飾品においては、Bの含有量に光沢と鏡面性に関しての臨界的な意義を有するのである。従って、Ptの含有量が95.0重量%以上で、5.0重量%以下のPdおよびBを含有し、かつBの含有量が0.03重量%以下であることが好ましい。
PdにBを均一に分散させるためには、まずPd−B合金を作製する必要がありPdに対するBの固溶限界が、98.0重量%のPdに対しBが2.0重量%であることから98.0重量%のPdに2.0重量%のB、または98.5重量%のPdに1.5重量%のB、または99.0重量%のPdに1.0重量%のB、または99.5重量%のPdに0.5重量%のBを添加し溶解させPd中にBが均一に分散した4組成のPd−B合金を作製し、ついで任意重量のPtこれら4組成のPd−B合金を添加し溶解させてPt中にBが均一に分散したPt合金を作製している。Ptに対するPdの含有量は任意で構わないと前段で述べたが、Pd−B合金を作製した後に、Bの含有量が0.03重量%以下となるようにPtとPd−B合金の含有組み合わせを調べると、Ptの最低含有量は95.0重量%以上となり、このときにPtに添加可能なPd−B合金は99.5重量%のPdに0.5重量%のBを添加し溶解させたものしかない。またPtの含有量を94.0重量%以下とすると、予め作製した4組成のPd−B合金ではBの添加量が0.03重量%以下とはならない。従って、Ptに対するPdとBの含有量を5.0重量%以下と規定したのは、この点を考慮したためである。従って、PtにPdとBが均一に分散したPd−B合金を添加し溶解させたPt合金装飾部品母材から作製した装飾品においてBの含有量を0.03重量%以下に保つためには、Ptの含有量が95.0重量%以上で、5.0重量%以下のPdおよびBを含有するという数値に必然性があるのである。
(第2の実施形態)
第1の実施形態と同様に、アーク溶解炉に任意重量のPdとBを配置して真空排気した後にArガスを導入した減圧雰囲気中でアーク溶解させてPd中にBが均一に分散したPd−B合金を作製し、次いで99.0重量%以上のPt、Pd−B合金、Nb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素をアーク溶解炉に配置して真空排気した後にArガスを導入した減圧雰囲気中でアーク溶解させてPt中にBとNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素が均一に分散したPt合金装飾部品母材を作製した。充分冷却した後にアーク溶解炉から取り出して圧延装置にかけて、このPt合金装飾部品母材を平板形状に圧延し、さらに機械的加工を施し各種装飾部品形状に加工した。
(実施例12−37)
Pd−B合金として 98.0重量%のPdに2.0重量%のB、または98.5重量%のPdに1.5重量%のB、または99.0重量%のPdに1.0重量%のB、または99.5重量%のPdに0.5重量%のBを添加した溶解させPd中にBが均一に分散した4組成のPd−B合金を作製した。次に、99.0重量%のPtに、1.0重量%の未満Nb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素と、これら4組成のPd−B合金を添加し溶解させてPt中にBとNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素が均一に分散したPt合金装飾部品母材を作製した。このときにPtの含有量が99.0重量%以上で、1.0重量%未満のNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素と、かつBの含有量が0.03重量%以下となるようにPd−B合金の重量を調整した。各種組成のPt合金装飾部品母材を圧延装置で任意の厚みの平板に圧延した後に、プレス加工と絞り成型加工を複数回実施し任意サイズの指輪を作製した。
(比較例7−10)
本発明の実施形態の比較例7−10として98.5重量%のPtに、1.0重量%のNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素と、98.0重量%のPdに2.0重量%のB、または98.5重量%のPdに1.5重量%のB、または99.0重量%のPdに1.0重量%のB、または99.5重量%のPdに0.5重量%のBを添加した溶解させPd中にBが均一に分散したPd−B合金を0.5重量%添加して4組成のPt合金装飾部品母材を作製した。さらに、実施例12−37と同一工程を経て任意サイズの指輪を作製した。
第2の実施形態である実施例12−37、比較例7−10で得られた指輪の硬度試験、耐蝕性試験、光沢目視試験の結果及び装飾性能総合評価結果を表2および表3に示す。Pt合金装飾部品母材の組成はEPMA(X線マイクロアナリシス)分析を行い特定した。硬度試験、耐蝕性試験、光沢目視試験および装飾性能総合評価は全て第1の実施形態で評価した評価基準と全く同一の評価基準を採用した。
Figure 0005079555
Figure 0005079555
表2および表3に示すように、Ptの含有量が99.0重量%以上で1.0重量%未満のNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素と、かつBの含有量が0.0
3重量%以下となるようにPd−B合金の重量を調整して各種組成とした実施例12−37の全てが、硬度試験ではビッカ−ス硬度がHv=200以上で合格、耐蝕性試験でもCASS試験後に腐蝕は発生せず合格、光沢目視試験では金属光沢が認められ合格であった。従って装飾性能総合評価結果では実施例12−37の全てが合格であった。
これらに、対し比較例7−10では硬度試験ではビッカ−ス硬度がHv=200以上で合格、耐蝕性試験でもCASS試験後に腐蝕は発生せず合格であったが、光沢目視試験では金属光沢が認められずに不合格であった。従って装飾性能総合評価結果では比較例7−10の全てが不合格であった。
すなわち、Ptに含有されるNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素の含有量が重要でNb、Ta、TiまたはZrはPtに対して全率固溶ではないため、Nb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素とBを均一に分散させることが可能な限界値が存在しNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素の場合には、1.0重量%未満であればPt中に均一に分散可能であるが、1.0重量%を越えると均一に分散できなくなり部分的にNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素が偏析するようになりPt固有の光沢が消失し非鏡面状態となってしまう。Pt合金装飾部品母材から作製した装飾品においては、Nb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素の含有量に光沢と鏡面性に関しての臨界的な意義を有するのである。従って、Ptの含有量が99.0重量%以上で、かつ1.0重量%以下のPdおよびBとNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素を含有すること、さらに好ましくはNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素の含有量が1.0重量%未満であることが好ましい。
またBの含有量であるが、第1の実施形態と同様にPt中に均一に分散させPtの持つ固有の光沢と鏡面性を両立させるためには、Bの含有量にも臨界的な意義を有し第1の実施形態と同様にBの含有量が0.03重量%以下であることが好ましい。ただし本実施形態では、予め、Pd−B合金として 98.0重量%のPdに2.0重量%のB、または98.5重量%のPdに1.5重量%のB、または99.0重量%のPdに1.0重量%のB、または99.5重量%のPdに0.5重量%のBを添加した溶解させPd中にBが均一に分散した4組成のPd−B合金を作製してから、99.0重量%のPtに、1.0重量%の未満のNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素と、これら4組成のPd−B合金を添加し溶解させてPt中にBとNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素が均一に分散したPt合金装飾部品母材を作製するため、理論計算上からは、Bの含有量は0.02重量%未満となるはずである。

Claims (1)

  1. Ptの含有量が99.0重量%以上で、1.0重量%以下のPd、BおよびNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素のみからなり、前記Bの含有量が0.03重量%以下であり、前記Pt中に1.0重量%未満のNb、Ta、TiまたはZrのうちから1種類以上の元素を含有する装飾部品。
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