JP2923932B2 - 装身具用高純度白金及び装身具用高純度白金の製造方法 - Google Patents
装身具用高純度白金及び装身具用高純度白金の製造方法Info
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び装身具用高純度白金の製造方法に関し、特に指輪やネ
ックレス等の装身具の材料として使用され、ホールマー
ク(大蔵省造幣局の検定刻印)“Pt1000”の認定
基準に合致してなる装身具用高純度白金及び装身具用高
純度白金の製造方法に関する。
クレス等の装身具においては、その材料として“Pt9
00”のホールマークのものが知られており、現在、市
場に流通している白金製の装身具の多くは“Pt90
0”である。この“Pt900”の刻印のあるものは、
所謂「パラジウム割り」と呼ばれる白金合金が主流であ
り、10重量%のパラジウム(Pd)と90重量%の白
金(Pt)からなる。このように、装身具の材料に白金
合金を用いるのは、極めて純度の高い白金は非常に柔ら
かく傷つき易いだけでなく柔らか過ぎるが故にその加工
性が極めて悪いからであり、パラジウム等を混ぜて合金
化することにより適度な加工性と機械的性質(硬さ)を
もたせることができるからである。
品位をより高め、“Pt900”との差別化を図らんが
ために、市場においては“Pt1000”なるホールマ
ークの刻印された装身具が求められており、既にその開
発が始まっている。この“Pt1000”の白金におい
ては、最大1000分の3、即ち0.3重量%までの他
元素(白金以外の元素)の混入が公差として認められて
おり、この基準を満たす白金、即ち99.7重量%以上
を白金元素で占める白金(大蔵省造幣局のホールマーク
の分類では“純白金”とされている。)にのみ“Pt1
000”の刻印が付与される。
白金”の開発は盛んであり、例えば、その詳細は不明で
あるが、特殊な金属を超微量添加し加工法を工夫するこ
とにより、従来の白金合金と同等の硬度を有する“純白
金”が得られたとの報告もされている。
性能を具備した“Pt1000”ハード材の装身具の製
造及び市場への本格的な供給は十分になされていないの
が実状であり、未だ開発途中であるといわざるを得ない
が、十分な性能を具備した“Pt1000”ハード材の
実用化に対する市場の要求は強く、それに応えるべく急
ピッチでの開発が望まれている。
で、その目的とするところは、実用上十分な硬さを有
し、且つホールマーク“Pt1000”の取得が可能な
指輪等の装身具用高純度白金及び装身具用高純度白金の
製造方法を提供することにある。
に、本発明者は、ホールマーク“Pt1000”の取得
が可能な白金材料を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、
白金に混入させる微量元素として、比較的軽元素であ
り、且つ硬化要因の一つと考えられる固溶強化及び硬度
の高いPt3 Bなる金属間化合物の生成が期待されるホ
ウ素(B)が有効であることを見い出し、本発明を完成
させるに至った。
は、請求項1に記載した発明のように、白金99.7重
量%以上で、且つホウ素を0.3重量%以下の割合で含
むことを特徴とする。
製造方法は、請求項2に記載した発明のように、白金9
9.7重量%以上で、且つホウ素の含有量が0.000
1重量%以上0.3重量%以下である白金インゴット
を、非酸化性雰囲気で所定の熱処理温度で熱処理するこ
とを特徴とする。
の発明において、上記熱処理温度が、700℃以上11
00℃以下の温度であることを特徴とする。
001重量%以上0.25重量%以下である。
0.0025重量%以上0.2重量%以下である。
くは0.0025重量%以上0.05重量%未満であ
る。
下であるのは、“Pt1000”のホールマークの認定
基準に基づいている。即ち、その認定基準によれば、上
述したように、白金元素の占める割合が99.7重量%
以上でなければならず、許容される白金以外の元素の混
入量は最大0.3重量%であるからである。
0℃以下の温度であるのは、700℃よりも低くなる
と、熱処理に長時間を要し、実用上、生産性が低下する
からであり、1100℃を超えると結晶粒が粗大化し、
加工特性が劣化し始めるからである。
は、例えば圧力が10−1Torr以下、好ましくは1
0−2Torr以下の真空雰囲気、N2ガスやArガス
等の不活性ガス雰囲気、或はH2ガス等の還元性雰囲気
などである。
の総量(白金地金及びホウ素に存する不可避不純物を含
む。)が、0.3重量%以下であれば、ホウ素のみでも
よいし、ホウ素と1種または2種以上の他の元素との組
合せであってもよいのはいうまでもない。
001重量%以上0.25重量%以下であるのは以下の
理由による。即ち、本発明者等の実験によれば、ホウ素
の含有量が0.0001重量%以上であれば、一般に市
場にて入手可能な白金地金(純度:99.95重量%以
上)よりも硬度が増すことが確認されているからであ
る。一方、上記上限値については、その入手可能な白金
地金には最大0.05重量%の不可避不純物が含まれて
いるため、実際の製造においてこの純度の白金地金を
“Pt1000”の装身具の出発材料として用いる場合
に、ホウ素の含有量が0.25重量%よりも多いと、白
金以外の元素の総含有量が0.3重量%を超えてしま
い、“Pt1000”の認定基準から逸脱するおそれが
あるからである。
025重量%以上0.2重量%以下であるのは以下の理
由による。即ち、本発明者等の実験によれば、ホウ素の
含有量が0.0025重量%以上であれば、装身具用の
白金として優れた硬さを有することがわかったからであ
る。一方、ホウ素の含有量が0.2重量%以下であるの
は、実際の生産ラインにおける製造のばらつき等の許容
量を最大0.05重量%と見積ると、その最大ばらつき
量と上記白金地金における不可避不純物の含有量とを合
わせてもなお、“Pt1000”の上記認定基準を満た
す必要があるからである。
0.0025重量%以上0.05重量%末満であるのは
以下の理由による。即ち、上記下限値については上述し
た通りであるが、ホウ素の含有量が0.05重量%末満
であるのは、それよりもホウ素の含有量が増えると、指
輪等の宝飾品における鏡面仕上げ方法の一つであるダイ
ヤカット法による仕上面に傷等のくもりが生じてしまう
からである。
上で、且つホウ素0.3重量%以下であり、またホウ素
の含有量が好ましくは0.0001重量%以上0.25
重量%以下、より好ましくは0.0025重量%以上
0.2重量%以下、さらにより好ましくは0.0025
重量%以上0.05重量%未満であるため、“Pt10
00”のホールマークの認定基準を満たすとともに、ホ
ウ素の白金中への固溶強化やPt3 Bの生成、或はその
他の種々の要因により硬度が上昇する。その硬さは、ホ
ウ素の含有量が0.0001重量%程度であっても白金
地金よりも硬く、0.0025重量%以上であれば装身
具用の白金として優れた硬さとなる。
以上であれば、ダイヤカット法を除くバレル仕上げ法や
バフ研磨法等による鏡面仕上げが可能であり、また、そ
れ以外にも梨地仕上げやローレット仕上げ等の各種表面
仕上げが可能である。さらに、ホウ素の含有量が0.0
5重量%以上の白金は、プレス加工やキャストなどのよ
うにダイヤカット仕上げを行なわない装身具用として好
適である。
れば、バレル仕上げ法やバフ研磨法等による鏡面仕上げ
が可能であるのは勿論であるが、ダイヤカット法による
鏡面仕上げも可能であり、さらに、プレス加工やキャス
トなどにも適用可能である。
気圧は比較的低く、その蒸気圧曲線(特性)は白金の蒸
気圧曲線(特性)に非常に近似しているため、一旦製造
した“Pt1000”材やその材料で作った装身具等を
再溶解しても、成分変動が少なく、再び装身具等を造形
した場合に安定した品質が得られる。
げ、本発明の特徴とするところを明らかとする。なお、
実施例及び従来例並びに比較例においては、その硬度
を、ビッカース硬度計を用い、試験荷重200g(1.
96N)、保持時間20秒の条件で測定した。
いる純度99.95重量%の白金地金196.00gと
純度99.99重量%のホウ素4.00gをアーク溶解
炉内に設置し、炉内をアルゴン雰囲気に保ちながら溶解
を行った。このアーク溶解を表裏2回ずつ計4回繰り返
し行って合金化し、2重量%B−98重量%Ptの母合
金を得た。
上記白金地金(99.95重量%Pt)1800.00
gを高周波溶解炉内に設置し、炉内をアルゴン雰囲気に
保ちながら溶解を行い、厚さ16mmのインゴットケース
に鋳込んで、0.2重量%B−Ptに相当する棒状のイ
ンゴットを得た。そして、このインゴットに一般的な熱
処理、塑性加工や切削加工などを加えて、甲丸状のリン
グを作製した。
180Hv(平均値)であった。また、作製したリング
の一部を切断し、ICP発光分析(inductively couple
d plasma atomic emission spectrometry)により定量
分析を行ったところ、ホウ素の含有量は0.18重量%
であった。そして、残りは白金と不可避不純物であり、
白金の含有量は、99.7重量%以上という“Pt10
00”の認定基準を満たしており、大蔵省造幣局の品位
検定において“Pt1000”のホールマークを取得す
ることができた。
の、加工率0%、20%、50%、80%における硬度
を測定した。その結果を図1に示す。
られた母合金100.00gと上記白金地金(99.9
5重量%Pt)1900.00gを、上記実施例1と同
様に溶解して鋳込み、0.1重量%B−Ptに相当する
インゴットを得た。そして、このインゴットを用いて上
記実施例1と同様に甲丸状のリングを作製した。
均値)であった。また、ICP発光分析による定量分析
の結果、ホウ素の含有量は0.09重量%であり、上記
実施例1と同様に、“Pt1000”のホールマークを
取得することができた。
られた母合金250.00gと上記白金地金(99.9
5重量%Pt)1750.00gを、上記実施例1と同
様に溶解して鋳込み、0.25重量%B−Ptに相当す
るインゴットを得た。そして、このインゴットを用いて
上記実施例1と同様に甲丸状のリングを作製した。
均値)であった。また、ICP発光分析による定量分析
の結果、ホウ素の含有量は0.23重量%であり、上記
実施例1と同様に、“Pt1000”のホールマークを
取得することができた。
られた母合金50.00gと上記白金地金(99.95
重量%Pt)1950.00gを、上記実施例1と同様
に溶解して鋳込み、0.05重量%B−Ptに相当する
インゴットを得た。そして、このインゴットを用いて上
記実施例1と同様に甲丸状のリングを作製した。
均値)であった。また、ICP発光分析による定量分析
の結果、ホウ素の含有量は0.05重量%であり、上記
実施例1と同様に、“Pt1000”のホールマークを
取得することができた。
いても、夫々、得られたインゴットを圧延した際の、加
工率0%、20%、50%、80%における硬度を測定
した。その結果を図1に示す。
に一般に流通している10重量%Pd−90重量%Pt
からなる“Pt900”について、加工率と硬度の関係
を求めた。その結果を併せて図1に示す。
施例において出発材料として用いた白金地金(99.9
5重量%Pt)について、加工率と硬度の関係を求め
た。その結果も併せて図1に示す。
においても、ホウ素の添加により、全加工率の範囲(0
〜80%)において比較例1の白金地金よりも硬度が上
昇していることがわかる。特に、ホウ素の添加量が0.
1重量%の場合には、全加工率の範囲(0〜80%)に
おいて従来例に挙げた“Pt900”の白金合金と同等
の硬度を有しており、実用上十分な硬度が得られること
がわかる。また、ホウ素の添加量が0.2重量%、或は
0.25重量%の場合には、“Pt900”の白金合金
よりも硬く、極めて優れた硬度が得られることがわか
る。
99.98重量%の白金地金と純度99.5重量%のホ
ウ素(クリスタルボロン)を、ホウ素の配合量が1.2
0重量%でかつ150gの母合金が得られるように配合
し、それをアーク溶解炉内に設置し、炉内をアルゴン雰
囲気に保ちながら溶解を行った。このアーク溶解を表裏
4回ずつ計8回繰り返し行って合金化し、ボタン状の母
合金インゴットを得た。得られた母合金インゴットの硬
度は268Hv(平均値)であった。また、その母合金
インゴットについて、クルクミン吸光光度法により定量
分析を行ったところ、ホウ素の含有量は1.16重量%
であり、白金の濃度はホウ素及び不可避不純物の濃度に
基づいた差数法により求めると98.82重量%であっ
た。
Ptの母合金と上記白金地金(99.98重量%Pt)
を、ホウ素の配合量が0.001重量%でかつ総量で3
00gとなるように配合してアーク溶解炉内に設置し、
炉内をアルゴン雰囲気に保ちながら溶解を行った。この
アーク溶解を表裏4回ずつ計8回繰り返し行って板状の
インゴットを得た。このインゴットの硬度は70Hv
(平均値)であり、またクルクミン吸光光度法による定
量分析の結果、表1に示すように、ホウ素の含有量(分
析値)は0.0001重量%であった。従って、残りは
白金と不可避不純物であり、白金の含有量が99.7重
量%以上という“Pt1000”の認定基準を満たして
いるので、このインゴットを用い、後述する熱処理、塑
性加工や切削加工などを加えて作製した甲丸状のリング
は大蔵省造幣局の品位検定において“Pt1000”の
ホールマークを取得することができた。
1重量%B−Ptのインゴットを加熱炉内に設置し、1
0-2Torr以下の真空雰囲気において800℃の処理温度
で所要時間5時間の熱処理を行なった。熱処理温度から
の冷却は炉冷とした。その熱処理後のインゴットの硬度
は66Hv(平均値)であった。そして、そのインゴッ
トを圧延し、加工率と硬度の関係を調べた。加工率70
%の時の硬度は、表1に示すように、119Hv(平均
値)であった。なお、特に表記しないが、加工率30%
及び50%の時の硬度も測定したが、加工率が大きくな
るに連れて硬度も漸次増大する傾向であった。
ゴットについて、上述した加工率と硬度の関係を調べた
後に、単結晶ダイヤモンドによる切削性、即ちダイヤカ
ット性の試験を行なった。その結果、表1に○印で示す
ように、傷等によるくもりのない良好な鏡面状態のダイ
ヤカット面(切削面)が得られた。
6重量%B−98.82重量%Ptの母合金と上記白金
地金(99.98重量%Pt)とから、上記実施例5と
同様にして、ホウ素の配合量が0.01重量%のインゴ
ット300gを得た。このインゴットの硬度は142H
v(平均値)であり、またクルクミン吸光光度法による
ホウ素の定量分析値は、表1に示すように、0.002
5重量%であった。従って、このインゴットを用いて作
製した甲丸状のリングも、大蔵省造幣局の品位検定にお
いて“Pt1000”のホールマークを取得することが
できた。また、このインゴットについて、上記実施例5
と同様に、10-2Torr以下の真空雰囲気において800
℃で5時間の熱処理をしたところ、硬度は75Hv(平
均値)であった。そして、30%、50%及び70%の
加工率における硬度を調べたところ、加工率の増大とと
もに硬度も漸次増大する傾向であり、加工率70%の時
の硬度は、表1に示すように、174Hv(平均値)で
あった。さらに、ダイヤカット性の試験の結果、表1に
○印で示すように、良好な鏡面が得られた。
6重量%B−98.82重量%Ptの母合金と上記白金
地金(99.98重量%Pt)とから、上記実施例5と
同様にして、ホウ素の配合量が0.03重量%のインゴ
ット500gを得た。このインゴットの硬度は147H
v(平均値)であり、またクルクミン吸光光度法による
ホウ素の定量分析値は、表1に示すように、0.011
重量%であった。従って、このインゴットを用いて作製
した甲丸状のリングも、大蔵省造幣局の品位検定におい
て“Pt1000”のホールマークを取得することがで
きた。また、このインゴットについて、上記実施例5と
同様に、10-2Torr以下の真空雰囲気において800℃
で5時間の熱処理をしたところ、硬度は88Hv(平均
値)であった。加工率70%の時の硬度は、表1に示す
ように、167Hv(平均値)であった。さらに、ダイ
ヤカット性の試験の結果、表1に○印で示すように、良
好な鏡面が得られた。
6重量%B−98.82重量%Ptの母合金と上記白金
地金(99.98重量%Pt)とから、上記実施例5と
同様にして、ホウ素の配合量が0.05重量%のインゴ
ット300gを得た。このインゴットの硬度は155H
v(平均値)であった。定量分析を行なわなかったが、
このインゴットを用いて作製した甲丸状のリングも、大
蔵省造幣局の品位検定において“Pt1000”のホー
ルマークを取得することができた。また、このインゴッ
トについて、上記実施例5と同様に、10-2Torr以下の
真空雰囲気において800℃で5時間の熱処理をしたと
ころ、硬度は98Hv(平均値)であった。そして、3
0%、50%及び70%の加工率における硬度を調べた
ところ、加工率の増大とともに硬度も漸次増大する傾向
であり、加工率70%の時の硬度は、表1に示すよう
に、177Hv(平均値)であった。さらに、ダイヤカ
ット性の試験の結果、表1に△印で示すように、ダイヤ
カット面に多少のくもりが発生していた。
6重量%B−98.82重量%Ptの母合金と上記白金
地金(99.98重量%Pt)とから、上記実施例5と
同様にして、ホウ素の配合量が0.07重量%のインゴ
ット500gを得た。定量分析を行なわなかったが、こ
のインゴットを用いて作製した甲丸状のリングも、大蔵
省造幣局の品位検定において“Pt1000”のホール
マークを取得することができた。また、このインゴット
について、上記実施例5と同様に、10-2Torr以下の真
空雰囲気において800℃で5時間の熱処理をしたとこ
ろ、硬度は104Hv(平均値)であった。そして、3
0%、50%及び70%の加工率における硬度を調べた
ところ、加工率の増大とともに硬度も漸次増大する傾向
であり、加工率70%の時の硬度は、表1に示すよう
に、181Hv(平均値)であった。さらに、ダイヤカ
ット性の試験の結果、表1に×印で示すように、ダイヤ
カット面全体が傷等によりくもっていて鏡面でなかっ
た。
16重量%B−98.82重量%Ptの母合金と上記白
金地金(99.98重量%Pt)とから、上記実施例5
と同様にして、ホウ素の配合量が0.09重量%のイン
ゴット300gを得た。定量分析を行なわなかったが、
このインゴットを用いて作製した甲丸状のリングも、大
蔵省造幣局の品位検定において“Pt1000”のホー
ルマークを取得することができた。また、このインゴッ
トについて、上記実施例5と同様に、10-2Torr以下の
真空雰囲気において800℃で5時間の熱処理をしたと
ころ、硬度は96Hv(平均値)であった。加工率70
%の時の硬度は、表1に示すように、178Hv(平均
値)であった。さらに、ダイヤカット性の試験の結果、
表1に×印で示すように、鏡面でなかった。
16重量%B−98.82重量%Ptの母合金と上記白
金地金(99.98重量%Pt)とから、上記実施例5
と同様にして、ホウ素の配合量が0.10重量%のイン
ゴット100gを得た。クルクミン吸光光度法によるホ
ウ素の定量分析値は、表1に示すように、0.059重
量%であった。従って、このインゴットを用いて作製し
た甲丸状のリングも、大蔵省造幣局の品位検定において
“Pt1000”のホールマークを取得することができ
た。また、このインゴットについて、上記実施例5と同
様に、10-2Torr以下の真空雰囲気において800℃で
5時間の熱処理をしたところ、硬度は101Hv(平均
値)であった。加工率70%の時の硬度は、表1に示す
ように、173Hv(平均値)であった。さらに、ダイ
ヤカット性の試験の結果、表1に×印で示すように、鏡
面でなかった。
16重量%B−98.82重量%Ptの母合金と上記白
金地金(99.98重量%Pt)とから、上記実施例5
と同様にして、ホウ素の配合量が0.20重量%のイン
ゴット100gを得た。クルクミン吸光光度法によるホ
ウ素の定量分析値は、表1に示すように、0.111重
量%であった。従って、このインゴットを用いて作製し
た甲丸状のリングも、大蔵省造幣局の品位検定において
“Pt1000”のホールマークを取得することができ
た。また、このインゴットについて、上記実施例5と同
様に、10-2Torr以下の真空雰囲気において800℃で
5時間の熱処理をしたところ、硬度は99Hv(平均
値)であった。加工率70%の時の硬度は、表1に示す
ように、176Hv(平均値)であった。さらに、ダイ
ヤカット性の試験の結果、表1に×印で示すように、鏡
面でなかった。
9.95重量%Pt)、即ちホウ素の配合量が0重量%
のものについて、上記実施例5と同様にして、クルクミ
ン吸光光度法によるホウ素の定量分析を行ない、また1
0-2Torr以下の真空雰囲気において800℃で5時間の
熱処理後の硬度及び加工率70%の時の硬度を測定し
た。さらにダイヤカット性の試験も行なった。その結果
を表1に併せて示す。
例においても、ホウ素の添加により、比較例2の白金地
金よりも硬度が上昇していることがわかる。その硬度増
大は実施例5の0.0001重量%のように極微量のホ
ウ素を添加し、非酸化性雰囲気で熱処理することにより
得られたので、その硬度増大の要因については明らかで
ないが、この0.0001重量%のホウ素量よりも少な
くても故意にホウ素を添加し、非酸化性雰囲気で熱処理
すれば硬度が増大すると推測される。
上になると、ダイヤカット性に劣る(装身具用高純度白
金としての他の特性については良好である。)ので、プ
レス加工やキャストなどのようにダイヤカット仕上げを
行なわない装身具用の材料として好適である。表面の仕
上げとしては、ダイヤカット法を除くバレル仕上げ法や
バフ研磨法等による鏡面仕上げが可能であり、また、そ
れ以外にも梨地仕上げやローレット仕上げ等の各種表面
仕上げが可能である。ホウ素の含有量が0.05重量%
未満であれば、ダイヤカット性に優れるので、バレル仕
上げ法やバフ研磨法等による鏡面仕上げや梨地仕上げや
ローレット仕上げ等の各種表面仕上げに好適であるのは
勿論であるが、特にダイヤカット法による鏡面仕上げを
行なう装身具用材料として好適である。
“Pt900”と同等以上の硬度を有し、且つ“Pt1
000”の認定の取得が可能であるという効果があり、
“Pt900”の認定品に代わり、実用上十分な硬さを
有し、且つホールマーク“Pt1000”の取得が可能
な装身具用高純度白金として極めて高い価値を有してい
る。また、非酸化性雰囲気におけるホウ素の蒸気圧は比
較的低く、その蒸気圧曲線(特性)は白金の蒸気圧曲線
(特性)に非常に近似しているため、一旦製造した“P
t1000”材やその材料で作った装身具等を再溶解し
ても、成分変動が少なく、再び装身具等を造形した場合
に安定した品質が得られる。
示す特性図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 白金99.7重量%以上で、且つホウ素
を0.3重量%以下の割合で含むことを特徴とする装身
具用高純度白金。 - 【請求項2】 白金99.7重量%以上で、且つホウ素
の含有量が0.0001重量%以上0.3重量%以下で
ある白金インゴットを、非酸化性雰囲気で所定の熱処理
温度で熱処理することを特徴とする装身具用高純度白金
の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の装身具用高純度白金の製
造方法において、上記熱処理温度が700℃以上110
0℃以下の温度であることを特徴とする装身具用高純度
白金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23565094A JP2923932B2 (ja) | 1993-09-30 | 1994-09-29 | 装身具用高純度白金及び装身具用高純度白金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-244931 | 1993-09-30 | ||
JP24493193 | 1993-09-30 | ||
JP23565094A JP2923932B2 (ja) | 1993-09-30 | 1994-09-29 | 装身具用高純度白金及び装身具用高純度白金の製造方法 |
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