JPH0813060A - 時効硬化性金合金 - Google Patents

時効硬化性金合金

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JPH0813060A
JPH0813060A JP16614594A JP16614594A JPH0813060A JP H0813060 A JPH0813060 A JP H0813060A JP 16614594 A JP16614594 A JP 16614594A JP 16614594 A JP16614594 A JP 16614594A JP H0813060 A JPH0813060 A JP H0813060A
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郁夫 石黒
Maki Otsu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、高硬度、高強度が得られるA
u が75重量%(18K)近傍でありながら、スタンダ
ード18K金合金と同色の黄金色が得られる金合金を提
供することにある。 【構成】本発明は、時効硬化性金合金を、Au を基と
し、Cu を15.0〜19.0%、Ag を4.0〜10.0%、
Al および/又はMg を0.3〜1.0%の割合で含む構成
とした。また、時効硬化性金合金を、Au を基とし、C
u を15.0〜19.0%、Ag を4.0〜10.0%、Al お
よび/又はMg を0.3〜1.0%、Zn を0.3〜2.0%の
割合で含む構成とした。さらに、前記時効硬化性金合金
の残部に、Ru および/又はCo を0.1〜1.0%の割合
で含ませる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は時効硬化性金合金に関
し、特に、高硬度、高弾性を有する装飾用および工業用
製品等の分野に係わる時効硬化性金合金に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術と問題点】装身具類はいわゆる軽簿短小の形
態が望まれる場合が多い。そして、このような製品は、
製造工程中には特に機械加工性に優れており、かつ、製
品となったときには高硬度、高強度であることが要求さ
れている。従来、リング,ピアス等に用いられている金
合金のうち、スタンダード18Kと称されているもの
(比較例9、Au 75.0%(以下%は重量%)、Ag 1
2.5%、Cu 12.5%)は軟質であるため機械的強度が
不足し、特に薄肉の装身具部品等は潰れや変形が発生し
たり、バネ強さに欠ける場合が多かった。そのため、硬
質かつ機械的強度のある金色系の18K金合金(比較例
10および比較例11;特公昭49−48813号等)
が提案され使用されている。また、いくつかの部品を組
合わせてなる装身具製品の場合は、それぞれ同色が要求
され、特にスタンダード18K金合金の色が要望されて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の硬質、かつ機械的強度のある金色系18K金合金(比
較例10)は、スタンダード18Kと同じ黄金色が得ら
れないので、やむを得ずその表面に金メッキ処理を施し
て用いていたが、この金メッキ処理はコストアップにな
るとともに、キズや摩滅等により下地の色が露呈し著し
く製品の品位を低下せしめる原因となっていた。また、
比較例11はスタンダード18Kと同じ黄金色が得られ
なかった。したがって、現状では、加工性に富み高硬
度、高強度の特性を具備し、かつ、スタンダード18K
金合金と同色が得られる金合金はなく、その開発が当業
者にとって大きな課題であった。
【0004】本発明はかかる状況に鑑み、高硬度、高強
度が得られるAu が75重量%(18K)近傍でありな
がら、スタンダード18K金合金と同色の黄金色が得ら
れる金合金を提供することを目的とするものである。
【0005】
【発明が解決するための手段】本発明者等は、かかる目
的を達成するものとして機械的加工性に富み、かつ、製
品の高硬度、高強度が得られる時効硬化性合金に着目
し、時効硬化性に優れ、かつ、スタンダード18K金合
金と同じ黄金色が得られる金合金を開発すべく、合金成
分、合金組成等の研究を重ねた結果、それらの要求をす
べて満たす新規な時効硬化性金合金を開発するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明に係わる時効硬化性金合
金は、Au を基とし、Cu を15.0〜19.0%、Ag を
4.0〜10.0%、Al および/又はMg を0.3〜1.0%
の割合で含むものである。また、本発明に係わる時効硬
化性金合金は、Au を基とし、Cu を15.0〜19.0
%、Ag を4.0〜10.0%、Al および/又はMg を
0.3〜1.0%、Zn を0.3〜2.0%の割合で含むもので
ある。さらに、本発明に係わる前記時効硬化性金合金
は、その残部にRu および/又はCo を0.1〜1.0%の
割合で含ませてもよい。
【0007】本発明のCu含有量が15〜19%である
のは、時効硬化の発現を高めるためであり、Cuの含有
量が多いほうが時効硬化の発現はそれだけ高くなるが、
その含有量が19%を越すと機械的加工性が悪くなると
ともに、色調が赤金色となってスタンダ−ド18Kの色
と離れて所望の色が得られなくなり、また、含有量が1
5%に満たないと時効硬化の発現が小さいため所望の高
硬度、高強度が得られなくなる。
【0008】Agはスタンダード18K金合金の審美観
に富む優美な色の保持に最適な元素であり、約12.5
%で黄金色となるが、Cuを12.5%より増量すると
Agが減って黄金色は得られず赤金色を呈するようにな
るが、Agの減少分に代わってAgとともにAlおよび
/又はMgを0.3〜1.0%を添加すると、スタンダ
−ド18K金合金と同色の黄金色が得られる。その含有
量が1%を越すと緑系の黄金色となって加工性も低下す
る傾向となり、含有量が0.3%に満たないと赤金色と
なってスタンダード18K金合金と同色にならない。A
lおよび/又はMgが0.3〜1.0%の範囲ならばス
タンダード18K金合金と同色が得られ、かつ、加工性
に富むようになる。また、Al,MgのいずれもAuお
よびCuとの結晶構造の相互作用により硬度および強度
向上に効果がある。Agの含有量は、審美観に富む優美
な色感を得るためには出来るだけ多いことが望ましい
が、その含有量が10%を越すと高硬度、高強度が得ら
れず、また、含有量が4%に満たないと優美な黄金色が
得られない。
【0009】Znは本発明の黄金色化作用を助けるもの
である。Znは時効硬化にも若干効果があるが、その含
有量が2%を越すと機械的強度が斬減する傾向があり、
0.3%に満たないと色の改善効果、時効硬化の発現等に
効果が乏しくなる。
【0010】本発明の金合金の残部に、微量のRu,C
oを含ませると、結晶が微細となり、かつ機械的強度が
向上する。しかし、その含有量が1%を越すと色、機械
加工性等に悪影響をもたらし、また、0.1%未満では微
細化の発現に対し無効となる。
【0011】
【作用】本発明に係わる金合金は、前述のように時効硬
化作用を有するCu 、黄金色化作用を有するAg 、黄金
色化作用および高硬度・高強度・易加工性を有するA
l,Mg、黄金色化作用、時効硬化作用を有するZn、
高強度を有するRu ,Coの含有量を適正化することに
より、18K以上のものでも、高硬度・高強度で機械加
工性の良い金合金でありながら、スタンダ−ド18Kと
同色の審美観に富む優美な色感が得られるようになっ
た。
【0012】
【発明の実施例】次に、本発明の金合金を表1に掲げた
実施例(1〜8)および比較例(9〜11)に基づき明
らかにする。なお、比較例9はスタンダード18K金合
金であり、比較例10は高硬度、高強度の金色系18K
金合金として装身具部材に用いられている公知の75A
u−20Cu−5Agの金合金であり、色は赤金色であ
るため機械加工後、金メッキ処理を施して用いるもので
ある。また、比較例11も高硬度、高強度の金色系18
K金合金(特公昭49−48813)で装身具部材に用
いられているものである。
【0013】
【表1】
【0014】各実施例および各比較例の金合金は、表1
に示す各配合組成で配合し、それをすべて高周波誘導加
熱炉を用いてAr雰囲気中で溶解したものであり、溶解
には黒鉛ルツボを使用し、鋳造は黒鉛鋳型を用いた。こ
うして得たそれぞれのインゴットを冷間圧延と焼鈍(7
20℃×20min→水中急冷)を繰り返して厚さ0.3
mmの各板片を作成した。尚、最終圧延の圧延率を60%
とした後、アルゴン雰囲気中で時効硬化処理(300℃
×60min)を行った。なお、比較例11のみは時効
硬化処理条件をこの金合金の最良の条件である200℃
×60minとした。
【0015】得られた各実施例および各比較例の板片に
ついて、それぞれ硬さ、抗張力、ヤング率、色、機械加
工性の測定又は評価を行なった。その結果を表1に示
す。硬さは、耐キズ性、機械的強度の目安として重視さ
れる特性で、所望する装身具等の製品の硬さは少なくと
も270Hv 以上が望ましく、ビッカ−ス硬度計で測定
した。また、抗張力およびヤング率は、機械的加工性、
製品の強度等を表し得る特性であり、抗張力は少なくと
も100Kg /mm2 以上、ヤング率は少なくとも900
0Kg /mm2 以上が望ましく、抗張力は引張試験機で、
ヤング率は両持ばりに一定の荷重を加えることにより撓
みを生じさせ、そのときの「応力−歪み」より求める方
式のヤング率測定機でそれぞれ測定した。
【0016】各特性値を表1で較べると、実施例(1〜
8)の硬さは比較例9(スタンダ−ド18K金合金)に
較べて26〜30%高く、比較例10,11とほぼ同等
である。実施例(1〜8)の抗張力は比較例9に較べて
17〜20%高く、比較例10,11とほぼ同等であ
り、実施例(1〜8)のヤング率も比較例9に較べて
9.4〜18%高く、比較例10,11とほぼ同等であ
る。
【0017】色の測定および評価は、スペクトロ・カラ
−メ−タ(NF902;日本電色工業株式会社製)を用
いてL* * * ダイヤグラムを作成した。その結果を
図1に示し、各実施例および比較例10,11を比較例
9(スタンダ−ド18K金合金)と比較して評価を行な
った。図1に見られるように、実施例(1〜8)の金合
金は比較例9のスタンダード18K金合金と比較する
と、色相は全く同じで彩度が極く僅か低かったが、この
程度の微差は肉眼での識別が難しく同色であるといえ
る。 比較例10および11の金合金の色相、彩度は、
ともに比較例9のスタンダード18K金合金とは異なっ
た赤金色および淡赤金色を示すものであった。機械加工
性は厚さ60μの薄肉ピアスキャッチを自動機で試作し
たときの材料の変形、割れ等による歩留状況から判定し
たものであり、実施例(1〜8)はいずれも良好であっ
たが、比較例(9〜11)はやや不良であった。
【0018】
【発明の効果】本発明の金合金は、18K近傍でありな
がら、スタンダード18K金合金に較べて高硬度、高強
度となるため、軽薄短小で強度が要求される装身具およ
びその部材、又は工業用部材等に好適に使用できるよう
になった。また、高硬度、高強度でありながら、色がス
タンダード18K金合金と同じ黄金色となることから、
装身具製品においてスタンダード18K金合金の部材と
組合わせて使用しても色違いを生ずることがなく、製品
の品位を高めることができるようになった。その結果、
装身具・その他の分野において従来の18K金合金では
不可能とされて来た軽薄短小化のデザイン設計が可能と
なるため、該製品の高機能化、低コスト化、省資源等の
効果が期待できる。また、さらに機械加工性が良好であ
るため、製品の歩留が良く生産性向上が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例をスペクトロ・カ
ラ−メ−タで測定し作成したL** * ダイヤグラム
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Au を基とし、Cu を15.0〜19.0重量
    %、Ag を4.0〜10.0重量%、Al および/又はMg
    を0.3〜1.0重量%の割合で含むことを特徴とする時効
    硬化性金合金。
  2. 【請求項2】Au を基とし、Cu を15.0〜19.0重量
    %、Ag を4.0〜10.0重量%、Al および/又はMg
    を0.3〜1.0重量%、Zn を0.3〜2.0重量%の割合で
    含むことを特徴とする時効硬化性金合金。
  3. 【請求項3】残部が、Ru および/又はCo を0.1〜
    1.0重量%の割合で含むことを特徴とする請求項1又は
    2記載の時効硬化性金合金。
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