JP3294431B2 - 酸化物分散銀基複合材の製造方法 - Google Patents

酸化物分散銀基複合材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温強度が必要とされ
る部材に用いる酸化物分散銀基複合材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化物粉末、例えばAl、Ti、
Mg、Sr、Y、Smの酸化物粉末やそれらの複合酸化
物は焼結しにくく、焼結しても脆く、そのまま塑性加工
できないものであった。その為、Ag等のテープ、管に
て被覆し、加工を行なう方法があるが、焼結温度が高い
ので、軟化した外被Agとの加工性の違い過ぎにより、
塑性加工がうまくいかなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、焼結
体の焼結処理の後でも焼結体との一体加工に追従できる
外被材として用いることのできる酸化物分散銀基複合材
を製造する方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の焼結体外被用酸化物分散銀基複合材の製造方
法の1つは、銀に、Ti、Zr、Mg、Al、Sr、Y
及びSmの内の少なくとも1種を合計で 0.005〜 1.0wt
%添加した固溶体合金を作り、次にパイプ又はテープに
押出し加工し、然る後酸化することを特徴とするもので
ある。この製造方法に於いて、押出し加工と酸化の順序
は、酸化、押し加工と逆の順序でも良い。本発明の焼結
体外被用酸化物分散銀基複合材の製造方法の他の1つ
は、銀に、Ti、Zr、Mg、Al、Sr、Y及びSm
の内の少なくとも1種を合計で 0.005〜 1.0wt%添加し
た合金粉末を作り、次に圧縮成形し、次いで酸化焼結
し、然る後押出し圧縮、スェージング、穴明けを行なう
ことを特徴とするものである。この製造方法に於いて、
圧縮成形と酸化焼結の順序は、酸化焼結、圧縮成形と逆
の順序でも良い。本発明の焼結体外被用酸化物分散銀基
複合材の製造方法のさらに他の1つは、銀に、Ti、Z
r、Mg、Al、Sr、Y及びSmの内の少なくとも1
種を合計で 0.005〜 1.0wt%添加した合金を作り、次に
この合金を押出、伸線加工して線材を作り、次いでこの
線材を定尺に切断してチップとし、次にこのチップを酸
化し、然る後圧縮、焼結を繰り返して押出し加工するこ
とを特徴とするものである。本発明の焼結体外被用酸化
物分散銀基複合材の製造方法に於いて、銀に、Ti、Z
r、Mg、Al、Sr、Y及びSmの内の少なくとも1
種を合計で 0.005〜1.0wt%添加する理由は、外被材と
しての高温強度を高くするためで、 0.005wt%未満では
その効果が無く、またアトマイズ法により合金粉末を作
る際、 1.0wt%を越えるとセラミックノイズにくっつ
き、うまくアトマイズできず、合金粉末の場合焼結しに
くく、合金の場合塑性加工しにくくなるからである。
【0005】
【作用】本発明の酸化物分散銀基複合材の製造方法によ
れば、銀に、Ti、Zr、Mg、Al、Sr、Y及びS
mの内の少なくとも1種が合計で 0.005〜 1.0wt%が酸
化された酸化物が分散して、外被材として高温強度が高
く、特に高温での引張強さ、耐力に優れ、その上機械的
強度も高い酸化物分散銀基複合材を得ることができる。
従って、この酸化物分散銀基複合材を、焼結しにくい又
は焼結しても脆く加工困難な材料よりなる芯材の外被材
として用いることができ、しかも高温で前記芯材と一体
に加工することができ、その際外被材は軟化したり、変
形したりすることが極めて少ない。
【0006】
【実施例】本発明の酸化物分散銀基複合材の製造方法の
1つの実施例について説明する。下記の表1の左欄に示
す実施例1〜4の成分組成の固溶体合金の径 110mm、長
さ200mmのインゴットを作り、次に面削後押出し加工、
引抜き加工を行なって最終的に内径4mm、外径6mmのパ
イプとなし、然る後 750℃、3気圧で16時間酸化して、
酸化物分散銀基複合材を得た。次に本発明の酸化物分散
銀基複合材の製造方法の他の1つの実施例について説明
する。下記の表1の左欄に示す実施例5〜8の成分組成
の合金粉末をN2 雰囲気でアトマイズ法により作り、80
℃真空中で乾燥した後 100メッシュ以下に分級し、次に
50トンで圧縮成形し、次いで大気中、 800℃で7時間か
けて酸化焼結し、然る後押出し圧縮して直径 100mmの棒
材となし、さらに面削、スェージング、穴明けを行なっ
て、内径4mm、外径6mmのパイプとなして酸化物分散銀
基複合材を得た。次いで本発明の酸化物分散銀基複合材
の製造方法のさらに他の1つの実施例について説明す
る。下記の表1の左欄に示す実施例9〜12の成分組成の
合金を作り、次にこの合金を押出、伸線加工して直径2
mmの線材を作り、次いでこの線材を長さ2mmに切断して
チップとし、次いでこのチップを 750℃、5気圧で24時
間かけて酸化し、 280トンで圧縮成形し、然る後大気中
850℃で4時間かけて焼結し、 450トンで圧縮すること
を3回繰り返した後、 650℃、 180Kg/cm2で熱間圧縮
し、押出加工して内径4mm、外径6mmのパイプとなして
酸化物分散銀基複合材を得た。こうして得た実施例1〜
12の酸化物分散銀基複合材と従来外被材として使われて
きたAgとの引張り強さ、伸び率、硬さ、 0.2%耐力
(伸び過ぎないように芯材に追従できる6Kgf/mm2 以上
の力)を大気中 850℃、2時間焼鈍後、室温で測定した
処、下記の表1の右欄に示すような結果を得た。
【0007】
【表1】
【0008】上記の表1の右欄の結果で明らかなように
実施例1〜12の酸化物分散銀基複合材は、従来外被材と
して使われてきたAgに比べ、引張り強さ、伸び率、硬
さ、0.2%耐力が優れていることが判る。
【0009】
【発明の効果】以上の通り本発明の酸化物分散銀基複合
材の製造方法によれば、引張り強さ、伸び率、硬さ、
0.2%耐力等機械的強度に優れ、焼結しにくい又は焼結
しても脆く加工困難な材料よりなる芯材の外被材として
用いることができ、しかも高温で前記芯材と一体に加工
することができ、その際軟化したり、変形したりするこ
とが極めて少ない酸化物分散銀基複合材を得ることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 32/00 C22C 32/00 A (56)参考文献 特開 昭63−427(JP,A) 特開 昭50−29419(JP,A) 特開 平1−298125(JP,A) 特開 昭57−70243(JP,A) 特開 昭52−127416(JP,A) 特開 平2−55269(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/10 C22C 5/06 C22C 32/00 B22F 3/14 B22F 3/15 B22F 3/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀に、Ti、Zr、Mg、Al、Sr、
    Y及びSmの内の少なくとも1種を合計で 0.005〜 1.0
    wt%添加した固溶体合金を作り、次にパイプ又はテープ
    に押出加工し、然る後酸化することを特徴とする焼結体
    外被用酸化物分散銀基複合材の製造方法。
  2. 【請求項2】 銀に、Ti、Zr、Mg、Al、Sr、
    Y及びSmの内の少なくとも1種を合計で 0.005〜 1.0
    wt%添加した固溶体合金を作り、次に酸化し、次いでパ
    イプ又はテープに押出加工することを特徴とする焼結体
    外被用酸化物分散銀基複合材の製造方法。
  3. 【請求項3】 銀に、Ti、Zr、Mg、Al、Sr、
    Y及びSmの内の少なくとも1種を合計で 0.005〜 1.0
    wt%添加した合金粉末を作り、次に圧縮成形し、次いで
    酸化焼結し、然る後押出し圧縮、スェージング、穴明け
    を行なうことを特徴とする焼結体外被用酸化物分散銀基
    複合材の製造方法。
  4. 【請求項4】 銀に、Ti、Zr、Mg、Al、Sr、
    Y及びSmの内の少なくとも1種を合計で 0.005〜 1.0
    wt%添加した合金粉末を作り、次に酸化焼結し、次いで
    圧縮成形し、然る後押出し圧縮、スェージング、穴明け
    を行なうことを特徴とする焼結体外被用酸化物分散銀基
    複合材の製造方法。
  5. 【請求項5】 銀に、Ti、Zr、Mg、Al、Sr、
    Y及びSmの内の少なくとも1種を合計で 0.005〜 1.0
    wt%添加した合金を作り、次にこの合金を押出、伸線加
    工して線材を作り、次いでこの線材を定尺に切断してチ
    ップとし、次にこのチップを酸化し、然る後圧縮、焼結
    を繰り返して押出加工することを特徴とする焼結体外被
    酸化物分散銀基複合材の製造方法。
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EP1219717A1 (de) * 2000-12-20 2002-07-03 Allgemeine Gold- Und Silberscheideanstalt Ag Silberlegierung
JP2006206963A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Kansai Pipe Kogyo Kk アルミナ分散強化銀棒材およびその製造方法、電気接点材料ならびに電気自動車用リレー

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