JP2670119B2 - 電気接点材料の製造方法 - Google Patents
電気接点材料の製造方法Info
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Manufacture Of Switches (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、主に中負荷電流域で用いられるリレー、ス
イッチ等に組み込む銀酸化物系電気接点材料を製造する
方法に関する。
イッチ等に組み込む銀酸化物系電気接点材料を製造する
方法に関する。
（従来の技術） 銀を基材とする合金を笹吹き、アトマイズ、又は切削
加工などの手段により得た合金粒或いは小片を内部酸化
し、これを圧縮、焼結して銀酸化物系電気接点材料を作
ることが、従来より行われている。
加工などの手段により得た合金粒或いは小片を内部酸化
し、これを圧縮、焼結して銀酸化物系電気接点材料を作
ることが、従来より行われている。
（発明が解決しようとする課題） ところで、上記の合金粒或いは小片を内部酸化した場
合、酸化開始時に合金中への酸素の侵入速さが速い為、
酸化物粒子が微細に析出し、中心部にはこれに比較して
大きな粒径の酸化物粒子が析出する。このような合金粒
或いは小片を、圧縮、焼結した場合には、合金粒或いは
小片の表面部の変形抵抗が大きく、焼結性を阻害する要
因となっている。従って、このような焼結体を用いて、
押出、引抜き加工を行った後、接点形状に成形加工する
と、加工割れが生じ易くなる傾向があった。また圧縮の
際の変形抵抗を減少する為、酸化物粒子を粗大に析出さ
せると、接点性能、特に耐溶着性が劣化する傾向があっ
た。
合、酸化開始時に合金中への酸素の侵入速さが速い為、
酸化物粒子が微細に析出し、中心部にはこれに比較して
大きな粒径の酸化物粒子が析出する。このような合金粒
或いは小片を、圧縮、焼結した場合には、合金粒或いは
小片の表面部の変形抵抗が大きく、焼結性を阻害する要
因となっている。従って、このような焼結体を用いて、
押出、引抜き加工を行った後、接点形状に成形加工する
と、加工割れが生じ易くなる傾向があった。また圧縮の
際の変形抵抗を減少する為、酸化物粒子を粗大に析出さ
せると、接点性能、特に耐溶着性が劣化する傾向があっ
た。
この為、焼結性を阻害する要因となっている合金粒或
いは小片の表面部の変形抵抗を減少させるべく、酸化後
に銀めっきを施したり、酸、アルカリ、塩等の化学薬品
を用いることにより表面の酸化物を溶出させたりして、
合金粒或いは小片の表面に銀相を形成することが考えら
れる。
いは小片の表面部の変形抵抗を減少させるべく、酸化後
に銀めっきを施したり、酸、アルカリ、塩等の化学薬品
を用いることにより表面の酸化物を溶出させたりして、
合金粒或いは小片の表面に銀相を形成することが考えら
れる。
しかし前者の方法は、めっき処理工程が増える上に銀
の分析値がばらつき、銀付目が一定しないという問題が
あった。また後者の方法は、表面の酸化物が溶出するだ
けで圧縮時の変形抵抗を減じるには至らなかった。
の分析値がばらつき、銀付目が一定しないという問題が
あった。また後者の方法は、表面の酸化物が溶出するだ
けで圧縮時の変形抵抗を減じるには至らなかった。
そこで本発明は、銀合金粒子を内部酸化する際、極め
て初期段階に於ける酸化温度と圧力を変化させることに
より、銀合金粒子の表面部の変形抵抗を減少し、焼結性
を向上させることのできる電気接点材料の製造方法を提
供しようとするものである。
て初期段階に於ける酸化温度と圧力を変化させることに
より、銀合金粒子の表面部の変形抵抗を減少し、焼結性
を向上させることのできる電気接点材料の製造方法を提
供しようとするものである。
（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するための本発明の電気接点材料の製
造方法は、銀合金の笹吹を高温低圧で短時間内部酸化し
た後、続く内部酸化をそれより低温高圧でかつ長時間内
部酸化する等の方法により、表面より20〜500μｍまで
の部分に、それより内部に分散する酸化物粒子と比較し
て、1.5倍以上の粒子径の酸化物を分散させた内部組織
を作り、然る後この内部酸化組織の笹吹を圧縮、焼結す
ることを特徴とするものである。
造方法は、銀合金の笹吹を高温低圧で短時間内部酸化し
た後、続く内部酸化をそれより低温高圧でかつ長時間内
部酸化する等の方法により、表面より20〜500μｍまで
の部分に、それより内部に分散する酸化物粒子と比較し
て、1.5倍以上の粒子径の酸化物を分散させた内部組織
を作り、然る後この内部酸化組織の笹吹を圧縮、焼結す
ることを特徴とするものである。
（作用） このように本発明の電気接点材料の製造方法は銀合金
の笹吹を内部酸化するに於いて、極めて初期段階で酸化
温度と圧力を変化させて表面層20〜500μｍの範囲内に
分散する酸化物粒子を粗大化させるので、その後圧縮を
行った際、変形抵抗が少なく、焼結性に優れるものであ
る。従って、焼結後、押出、引抜き加工を行い、さらに
接点形状に成形加工しても、加工割れが生じないもので
ある。
の笹吹を内部酸化するに於いて、極めて初期段階で酸化
温度と圧力を変化させて表面層20〜500μｍの範囲内に
分散する酸化物粒子を粗大化させるので、その後圧縮を
行った際、変形抵抗が少なく、焼結性に優れるものであ
る。従って、焼結後、押出、引抜き加工を行い、さらに
接点形状に成形加工しても、加工割れが生じないもので
ある。
尚、粗大化粒子の分散する範囲を銀合金粒子の表面よ
り20〜500μｍまでとした理由は、20μｍ未満では圧縮
時の変形抵抗が十分減少せず、500μｍを超えると耐溶
着性にばらつきが生じるからである。
り20〜500μｍまでとした理由は、20μｍ未満では圧縮
時の変形抵抗が十分減少せず、500μｍを超えると耐溶
着性にばらつきが生じるからである。
（実施例） 本発明の電気接点材料の製造方法の一実施例を説明す
ると、Ag−Cd11wt％合金の粒径0.1〜2mmの笹吹1kgを直
径50mm、長さ65mmの円柱状に成形した後、800℃、0.1気
圧で大気中60分酸化処理し、さらに酸素圧９気圧中で60
0℃、50時間酸化を行い、粒子表面より約50μｍまでの
部分に２〜５μｍの酸化物（CdO）粒子を析出させ、そ
れより内部にサブミクロンの酸化物（CdO）粒子を分散
させたAg−CdO12wt％の成形体を得た。そしてこの成形
体を2ton/cm2で圧縮後、850℃、４時間焼結を行い、引
き続き5ton/cm2、10ton/cm2で圧縮後、850℃、４時間焼
結し、直径50mm、長さ51mmの成形体を得た。次いでこの
成形体を熱間にて押出し、直径6mmの線材とした後、直
径2.35mmまで引抜き加工した。
ると、Ag−Cd11wt％合金の粒径0.1〜2mmの笹吹1kgを直
径50mm、長さ65mmの円柱状に成形した後、800℃、0.1気
圧で大気中60分酸化処理し、さらに酸素圧９気圧中で60
0℃、50時間酸化を行い、粒子表面より約50μｍまでの
部分に２〜５μｍの酸化物（CdO）粒子を析出させ、そ
れより内部にサブミクロンの酸化物（CdO）粒子を分散
させたAg−CdO12wt％の成形体を得た。そしてこの成形
体を2ton/cm2で圧縮後、850℃、４時間焼結を行い、引
き続き5ton/cm2、10ton/cm2で圧縮後、850℃、４時間焼
結し、直径50mm、長さ51mmの成形体を得た。次いでこの
成形体を熱間にて押出し、直径6mmの線材とした後、直
径2.35mmまで引抜き加工した。
こうして得た線材をヘッダー加工し、頭部径5mm、頭
部厚1mm、脚部径2.4mm、脚部長さ2.5mmのリベット型電
気接点及び頭部径4mm、頭部厚1.1mm、脚部径2.5mm、脚
部長さ1.6mmのリベット型電気接点を得た。
部厚1mm、脚部径2.4mm、脚部長さ2.5mmのリベット型電
気接点及び頭部径4mm、頭部厚1.1mm、脚部径2.5mm、脚
部長さ1.6mmのリベット型電気接点を得た。
一方、従来例として、上記実施例と同じAg−Cd11wt％
合金の笹吹を800℃、0.1気圧中、50時間酸化したもの
（従来例１）及び600℃、９気圧中、50時間酸化したも
の（従来例２）を夫々５％硫酸中で笹吹表面の酸化物を
溶かし、銀色を呈するまで浸漬した後、水洗、乾燥し
た。これを実施例と同様の方法にて圧縮、焼結、押出、
引抜き加工を行って実施例と同一寸法の２種類の線材を
得た。
合金の笹吹を800℃、0.1気圧中、50時間酸化したもの
（従来例１）及び600℃、９気圧中、50時間酸化したも
の（従来例２）を夫々５％硫酸中で笹吹表面の酸化物を
溶かし、銀色を呈するまで浸漬した後、水洗、乾燥し
た。これを実施例と同様の方法にて圧縮、焼結、押出、
引抜き加工を行って実施例と同一寸法の２種類の線材を
得た。
こうして得た２種類の線材をヘッダー加工して、実施
例と同一寸法の各２種計４種のリベット型電気接点を得
た。
例と同一寸法の各２種計４種のリベット型電気接点を得
た。
然して上記実施例及び従来例のリベット型電気接点各
千個中の表面割れを検査し、またこれらのリベット型電
気接点を100V、40−10（Ａ）交流条件で試験した処、下
記の表に示すような結果を得た。
千個中の表面割れを検査し、またこれらのリベット型電
気接点を100V、40−10（Ａ）交流条件で試験した処、下
記の表に示すような結果を得た。
上記の表で明らかなように実施例では接点割れが少な
く、寿命も満足する値を示しているが、従来例１では接
点割れが少ないが、寿命が短く、また従来例２では寿命
は満足する値を示しているが、接点割れが多く、製品歩
留りが低いものである。
く、寿命も満足する値を示しているが、従来例１では接
点割れが少ないが、寿命が短く、また従来例２では寿命
は満足する値を示しているが、接点割れが多く、製品歩
留りが低いものである。
（発明の効果） 以上の説明で判るように本発明の電気接点材料の製造
方法は、銀合金の笹吹を内部酸化するに於いて、極めて
初期の段階で酸化温度と圧力を変化させて表面層20〜50
0μｍの範囲内に分散させるので、その後圧縮を行った
際、変形抵抗が少なく、焼結性に優れる。従って、焼結
後、押出、引抜き加工を行い、さらに接点形状に成形加
工しても加工割れが生じないという効果がある。
方法は、銀合金の笹吹を内部酸化するに於いて、極めて
初期の段階で酸化温度と圧力を変化させて表面層20〜50
0μｍの範囲内に分散させるので、その後圧縮を行った
際、変形抵抗が少なく、焼結性に優れる。従って、焼結
後、押出、引抜き加工を行い、さらに接点形状に成形加
工しても加工割れが生じないという効果がある。
Claims (1)
- 【請求項１】銀合金の笹吹を内部酸化して、表面より20
〜500μｍまでの部分に、それより内部に分散する酸化
物粒子と比較して1.5倍以上の粒子径の酸化物粒子を分
散させた内部組織を作り、然る後この内部酸化組織を有
する笹吹を圧縮、焼結することを特徴とする電気接点材
料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63312758A JP2670119B2 (ja) | 1988-12-10 | 1988-12-10 | 電気接点材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63312758A JP2670119B2 (ja) | 1988-12-10 | 1988-12-10 | 電気接点材料の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02159327A JPH02159327A (ja) | 1990-06-19 |
| JP2670119B2 true JP2670119B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=18033070
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63312758A Expired - Fee Related JP2670119B2 (ja) | 1988-12-10 | 1988-12-10 | 電気接点材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2670119B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102925738B (zh) * | 2012-11-07 | 2015-01-07 | 福达合金材料股份有限公司 | 一种银氧化锡材料的制备方法 |
-
1988
- 1988-12-10 JP JP63312758A patent/JP2670119B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02159327A (ja) | 1990-06-19 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |