JP4228399B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ機、アレパチ、アレンジボール、スロットルマシン等の遊技機に係り、詳しくは図柄表示器に変動表示される図柄列が予め定められた特別図柄で停止されることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるようにした遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技盤に設けられた始動入賞領域を遊技球が通過すると、図柄表示器に表示されている左・中・右の各図柄列の変動を開始させ、所定時間経過後にそれらの変動を左図柄列、右図柄列、中図柄列の順に停止させるとともに、図柄の組合わせが予め定めた大当り図柄の組合わせであると、そのことに基づいて、遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させるようにしたパチンコ機が広く採用されている。このタイプのパチンコ機では、各図柄列の図柄の組合わせが大当り図柄の組合わせとなる前にリーチ遊技状態となる。リーチ遊技状態では、中図柄列を除く左・右両図柄列の図柄の組合わせが大当り図柄の組合わせの一部を構成する。そして、所定時間経過後に停止した中図柄列の図柄がリーチ遊技状態の図柄と同じであると、大当り図柄の組合わせが成立する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のパチンコ機において、各図柄列を構成する複数の図柄の種類や配列は図柄列毎に予め定められていた。したがって、左図柄列が停止した後に、常に同じ組合わせの図柄群からなる右図柄列及び中図柄列が変動し続け、同右図柄列が停止した後に中図柄列が変動し続けることとなり、変化に乏しかった。このため、遊技者は左図柄列の変動停止後、変動し続ける右図柄列を見ながらリーチ遊技状態となるのを期待したり、リーチ遊技状態となった後、変動し続ける中図柄列を見ながら大当り遊技状態の発生を期待することになるものの、その発生に対する期待感は常に同じであった。この点において従来のパチンコ機には改善の余地があった。
【0004】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、大当り遊技状態等の特別遊技状態の発生に対する期待感を変化に富んだものにし、遊技者に与える遊技上の興趣を十分に高めることのできる遊技機の提供を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の第1の発明は、複数種類の図柄からなる少なくとも1つの図柄列を表示するための図柄表示器と、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を検出する遊技状況検出手段と、前記遊技状況検出手段による遊技状況が第1の条件を満たすと、前記図柄表示器を制御して図柄列の図柄を変動表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段による図柄列が予め定められた特別図柄で停止されることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを具備した遊技機において、前記特別遊技状態発生手段による特別遊技状態の発生前に前記遊技状況検出手段による遊技状況が第2の条件を満たすと、前記表示制御手段による図柄列での少なくとも一部の図柄を別の図柄に変更するための図柄変更手段を設けている。また、請求項6に記載の第6の発明は、第1の発明の図柄変更手段に代えて表示禁止手段を設け、請求項7に記載の第7の発明は、同図柄変更手段に代えて図柄追加手段を設けている。表示禁止手段は、特別遊技状態発生手段による特別遊技状態の発生前に遊技状況検出手段による遊技状況が第2の条件を満たすと、表示制御手段による図柄列での少なくとも一部の図柄の表示を禁止するものである。図柄追加手段は、特別遊技状態発生手段による特別遊技状態の発生前に遊技状況検出手段による遊技状況が第2の条件を満たすと、表示制御手段による図柄列に別の図柄を加えるものである。
【0006】
上記第1、第6及び第7のいずれの発明においても、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況が遊技状況検出手段によって検出される。検出された遊技状況が第1の条件を満たしていると、表示制御手段により図柄表示器が制御され、図柄列の図柄が変動表示させられる。この図柄列が予め定められた特別図柄で停止されることに基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態が特別遊技状態発生手段によって発生させられる。
【0007】
そして、第1の発明では、特別遊技状態の発生前に遊技状況が第2の条件を満たすと、図柄表示器で表示されている図柄列の少なくとも一部の図柄が図柄変更手段によって別の図柄に変更される。すなわち、第2の条件が成立すると、図柄表示器には通常時と異なる図柄が変動表示される。また、第6の発明では、図柄表示器で変動表示されている図柄列の図柄の少なくとも一部が、表示禁止手段によって表示されなくなる。図柄表示器には通常時よりも少ない数の図柄よりなる図柄列が変動表示される。さらに、第7の発明では、図柄表示器で変動表示されている図柄列に別の図柄が加えられる。図柄表示器には通常時よりも多い数の図柄よりなる図柄列が変動表示される。
【0008】
請求項2に記載の第2の発明は、第1の発明の構成に加え、図柄列が、遊技者に有利な特別遊技状態を確定するための特別遊技確定図柄列を含み、前記図柄変更手段は前記特別遊技状態発生手段による特別遊技状態の発生前に変動している特別遊技確定図柄列の少なくとも一部の図柄を別の図柄に変更するものである。
【0009】
上記第2の発明によると、特別遊技状態の発生前に遊技状況が第2の条件を満たすと、特別遊技状態の発生前に変動している、遊技者に有利な特別遊技状態を確定するための特別遊技確定図柄列の少なくとも一部の図柄が、図柄変更手段によって別の図柄に変更される。
【0010】
請求項3に記載の第3の発明は、第2の発明の構成に加え、前記図柄変更手段は、前記特別遊技確定図柄列中の特別図柄とは別の図柄の少なくとも一部を特別図柄に変更するものである。
【0011】
上記第3の発明によると、特別遊技確定図柄列において特別図柄とは別の図柄の少なくとも一部が特別図柄に変更される。このため、図柄表示器には、特別図柄の占める割合が通常時よりも高められた特別遊技確定図柄列が変動表示される。
【0012】
請求項4に記載の第4の発明は、第3の発明における前記特別遊技確定図柄列が特別図柄の候補となる複数種類の当り図柄を少なくとも具備しており、前記図柄変更手段はこれらの当り図柄群を前記図柄変更の対象とするものである。
【0013】
上記第4の発明によると、特別遊技確定図柄列において、特別図柄になる可能性を有する当り図柄群のうち特別図柄とは異なる図柄の少なくとも一部が特別図柄に変更される。このため、図柄表示器には、特別図柄の占める割合が通常時よりも高められた特別遊技確定図柄列が変動表示される。
【0014】
請求項5に記載の第5の発明は、第1の発明の構成に加え、図柄列が、遊技者に有利な特別遊技状態を確定するための特別遊技確定図柄列と、その特別遊技状態に先立ち発生するリーチ遊技状態を確定するためのリーチ遊技確定図柄列とを含み、前記図柄変更手段は特別遊技状態発生手段によるリーチ遊技状態の発生前に変動しているリーチ遊技確定図柄列の少なくとも一部の図柄を別の図柄に変更するものである。
【0015】
上記第5の発明によると、特別遊技状態の発生前に遊技状況が第2の条件を満たすと、その特別遊技状態に先立つ、リーチ遊技状態の発生前に変動しているリーチ遊技確定図柄列の少なくとも一部の図柄が、図柄変更手段によって別の図柄に変更される。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
以下、第1乃至第4の発明の遊技機をパチンコ機に具体化した第一実施形態を、図1乃至図9にしたがって説明する。
【0017】
図1に示すように、パチンコ機1の遊技盤2には略円環状をなす誘導レール3が設けられており、この誘導レール3によって遊技盤2上に遊技領域4が区画形成されている。誘導レール3は、遊技者のハンドル操作に対応して発射装置(図示略)から発射された遊技球20を遊技領域4上部に導くためのものである。遊技領域4の互いに離間した位置には複数の入賞口が設けられ、遊技領域4の下端部には1つのアウト口5が設けられている。遊技領域4の上部に導かれた遊技球20は、落下する途中でこれらの入賞口及びアウト口5のいずれかに入る。入賞口は6つの普通入賞口6,7,8,9,10,11と、1つの始動口12と、1つの特定入賞口13と、1つの大入賞口14とからなる。これらの入賞口6乃至14は、遊技盤2の裏側の賞球払出し装置(図示略)に接続されている。賞球払出し装置は、普通入賞口6,9及び始動口12に遊技球20が入賞すると、1回の入賞につき7個の賞球を払出し、普通入賞口7,8,10,11、特定入賞口13及び大入賞口14に遊技球20が入賞すると、1回の入賞につき15個の賞球を払出す。
【0018】
始動口12は遊技球20の通路(図示略)を備えている。この通路の入口は始動口12の上端部において開口している。通路の途中には、玉受け15aを有する回転体15が配設されている。回転体15には電動モータ(図示略)が駆動連結されており、この電動モータにより回転体15が常時一定速度で回転させられる。この構成によると、玉受け15aが通路の入口と対向していないときに遊技球20が同入口に入り込むと、遊技球20はその位置で待機させられる。遊技球20は、回転体15の回転にともない玉受け15aが入口に対向したとき、その玉受け15aに入り込む。そして、遊技球20は回転体15の回転により下方へ搬送され、玉受け15aが最下位置に至ったところで開放される。開放された遊技球20は遊技盤2を通り前記賞球払出し装置へ導かれる。
【0019】
特定入賞口13は遊技球20の通路(図示略)を複数備えている。これら通路の入口には、横長の板材よりなるシャッタ16が軸により支持されている。シャッタ16には特定入賞口用ソレノイド17が駆動連結されている。同ソレノイド17はコイルと、そのコイルの励磁及び消磁によって往復動させられるプランジャとを有する。ソレノイド17は、プランジャの往復動によりシャッタ16を作動させて特定入賞口13を開放及び閉鎖する。
【0020】
特定入賞口13における1つの通路の途中には、特別装置作動領域18及び停留装置19が設けられている。停留装置19の機能は、特定入賞口13の通路の開放時に入賞した遊技球20を1個だけ停留させておき、シャッタ16による同通路の閉鎖時から所定時間(例えば2秒)が経過した後に、停留を解除することである。そのために停留装置19は、特別装置作動領域18を遮断して遊技球20を同作動領域18の前に停留させる停留位置と、特別装置作動領域18を開放して遊技球20の停留を解除する解除位置(停留位置よりも若干右よりの位置)との間で往復動する。停留装置19は、通常時には通電されずに停留位置に保持される。停留装置19は、特定入賞口13の通路閉鎖から2秒が経過した場合にのみ通電されて瞬間的に解除位置へ変位し、その後、停留位置に復帰する。停留を解除された遊技球20は、特別装置作動領域18を通過して特別装置を作動させる。
【0021】
大入賞口14は遊技球20の通路(図示略)を備えている。通路の入口は大入賞口14の上端部において開口している。通路の入口の左右には羽根21,21が支持され、それらに大入賞口用ソレノイド22が駆動連結されている。ソレノイド22はコイルと、そのコイルの励磁及び消磁によって往復動させられるプランジャとを有する。両羽根21,21は、プランジャの往復動によりを作動させられて通路の入口を開放及び閉鎖する。
【0022】
遊技盤2の略中央部分には、始動入賞領域として作動ゲート23が設けられている。遊技盤2において、作動ゲート23の上方には普通図柄表示装置24が組込まれている。同装置24は、複数種類の画像情報を表示するための図柄表示器25を備えている。これらの画像情報の中には、複数の図柄列、より詳しくは、図柄表示器25の画面46の左側部分に表示される左図柄列26と、右側部分に表示される右図柄列28と、左右両図柄列26,28の間に表示される中図柄列27とに関する画像情報が含まれている。
【0023】
左・中・右の各図柄列26,27,28は、図2(a),(b),(c)に示すように、それぞれ10個の当り図柄29よりなる当り図柄群と、10個の外れ図柄30よりなる外れ図柄群とによって構成されている。各図柄列26乃至28における当り図柄29及び外れ図柄30は交互に配置されている。各当り図柄29は後述する特別図柄の候補となるものであり、風船の絵と、その表面に付された「0」乃至「9」の数字とから構成されている。また、外れ図柄30はいずれも風車の絵によって構成されている。そして、図柄表示器25には、各図柄列26,27,28の一部の図柄(3つ程度の図柄)が表示される。
【0024】
遊技球20が作動ゲート23を通過すると、図柄表示器25に表示される左図柄列26の図柄は、その通過後から図2(a)に示す順で変化(変動)させられる。この図柄の変動は作動ゲート通過からT1秒経過後に停止させられる。また、遊技球20が作動ゲート23を通過すると、図柄表示器25に表示される右図柄列28の図柄は、その通過後から図2(c)に示す順で変動させられる。この図柄の変動は、作動ゲート通過からT2秒(>T1)経過後に停止させられる。さらに、遊技球20が作動ゲート23を通過すると、図柄表示器25に表示される中図柄列27の図柄は、その通過後から図2(b)に示す順で変動させられる。この図柄の変動は、作動ゲート通過からT3秒(>T2)経過後に停止させられる。このように3つの図柄列26乃至28は、左図柄列26、右図柄列28、中図柄列27の順に変動を停止させられる。
【0025】
全ての図柄列26,27,28の変動が停止させられたとき、図柄表示器25に表示されている図柄の組合わせが、予め定められた大当り図柄の組合わせ(特定表示結果、以下単に「大当り図柄の組合わせ」という)となる場合がある。ここでの大当り図柄の組合わせとは、当りラインL1,L2,L3,L4,L5上において、各図柄列26,27,28の当り図柄29が同じ図柄で並んでいるときの組合わせである。大当り図柄の組合わせには、図3において※※※で示すように、同じ当り図柄29が図柄表示器25の上段に並ぶ場合(図3(a))、中段に並ぶ場合(図3(b))、下段に並ぶ場合(図3(c))、右下がりに並ぶ場合(図3(d))、及び左下がりに並ぶ場合(図3(e))の5種類がある。なお、大当り図柄の組合わせを構成する図柄は特別図柄に相当する。
【0026】
上記大当り図柄の組合わせが成立すると、3回の権利を受ける資格が与えられる。この権利は遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態の到来、具体的にはより多くの賞球を獲得すること、を保証するものであり、ここでの1回の権利は、大入賞口14の開放及び閉鎖のサイクルを16回(ラウンド)繰返すことである。大入賞口14は、以下の2つの条件(a),(b)のいずれかが先に満たされるまで開放される。条件(a)は大入賞口14に遊技球20が10個入賞することであり、条件(b)は大入賞口14の開放開始から9.5秒が経過することである。これらの詳細については後述する。
【0027】
なお、前述した3種類の図柄列26乃至28において、最後に変動を停止する中図柄列27は、遊技者に有利な大当り遊技状態を確定するための特別遊技確定図柄列に相当する。また、中図柄列27の前に変動を停止する右図柄列28は、大当り遊技状態に先立ち発生するリーチ遊技状態を確定するためのリーチ遊技確定図柄列に相当する。リーチ遊技状態では、中図柄列27を除く左右両図柄列26,28の当り図柄29,29が前記当りラインL1乃至L5上において同じ図柄で停止する。
【0028】
遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を検出するために、図1に示すように遊技盤2には作動ゲート用スイッチ31、特別装置用スイッチ32、始動口用スイッチ33及びカウントスイッチ34がそれぞれ取付けられている。作動ゲート用スイッチ31は遊技球20の作動ゲート23での通過を検出する。特別装置用スイッチ32は遊技球20の特別装置作動領域18での通過を検出し、始動口用スイッチ33は遊技球20の始動口12への入賞を検出し、カウントスイッチ34は遊技球20の大入賞口14への入賞を検出する。
【0029】
前記スイッチ31乃至34の検出結果に基づき図柄表示器25、特定入賞口用ソレノイド17、停留装置19及び大入賞口用ソレノイド22を駆動制御するために、パチンコ機1には制御装置35が設けられている。図4に示すように、制御装置35は中央処理装置(CPU)36、読出し専用メモリ(ROM)37、ランダムアクセスメモリ(RAM)38、入力ポート39及び出力ポート40を備えており、これらは互いにバス41によって接続されている。ROM37は制御プログラム、画像情報データ、初期データ等を予め記憶している。CPU36は前記制御プログラム等にしたがって各種演算処理を実行する。RAM38はCPU36による演算結果、例えば後述するカウンタC、フラグF及び乱数カウンタの各値を一時的に記憶する。
【0030】
前述した各種スイッチ31乃至34は入力ポート39に接続され、両ソレノイド17,22、停留装置19及び図柄表示器25は出力ポート40に接続されている。そして、各種スイッチ31乃至34の各検出信号は入力ポート39に入力される。CPU36は入力された信号に応答し、出力ポート40を介してソレノイド17,22、停留装置19及び図柄表示器25をそれぞれ駆動制御する。
【0031】
次に、前記のように構成された第一実施形態の作用及び効果について説明する。図5乃至図7のフローチャートはCPU36によって実行されるメインルーチンを示し、パチンコ機1への電源投入後、繰返し実行される。このルーチンの各処理はカウンタC、フラグF及び乱数カウンタに基づいて実行される。カウンタCは、次回の制御ルーチンの開始時に残っている権利の回数をカウントするためのものであり、「2」,「1」,「0」の値を順に採る。フラグFは確率モードを判別するためのものであり、低確率モードのとき「0」に設定され、高確率モードになると「1」に切替えられる。フラグFが「1」に設定されると、別のルーチン(図示略)により、図柄表示器25において図柄が大当りの組合わせとなる確率がフラグFが「0」のときよりも高められ、大当り図柄の組合わせが成立しやすくなる。乱数カウンタは、リーチ遊技状態となったときに図柄を変更するタイミングであるかどうかを決定する等のためのものであり、例えば「0」乃至「300」の整数を採る。この乱数カウンタは、パチンコ機1の作動中は所定時間(例えば2ms)が経過する毎に「1」ずつ加算動作を行い、「300」になるとカウント値を「0」に戻す。
【0032】
なお、これらのカウンタC、フラグF及び乱数カウンタは、いずれもパチンコ機1の電源スイッチ(図示略)がオン操作されたときに実行されるイニシャルルーチン(図示略)で初期化される。カウンタC及びフラグFの初期値はともに「0」である。
【0033】
さて、遊技者による遊技が開始されると、CPU36は図5のステップ100において、遊技状況が第1の条件を満たしているかどうかを判定する。詳しくは、作動ゲート用スイッチ31の検出信号に基づき、遊技球20が作動ゲート23を通過したか否かを判定する。この判定条件が満たされていないとメインルーチンを終了する。同条件が満たされていると、ステップ101において、そのときの乱数カウンタの値を獲得(記憶)する。また、ステップ105において、全図柄列26乃至28で図柄を変動させるための信号を図柄表示器25に出力する。この信号に応じて図柄表示器25では、それまで停止していた全図柄列26乃至28の図柄変動が開始される。図柄表示器25に表示されている各図柄列26乃至28の一部の図柄が時間の経過にしたがい変化する。その結果、遊技者には、左・中・右の図柄列26乃至28の各々があたかも回転しているように見える。
【0034】
次に、CPU36はステップ110において、図柄変動が開始されてからT1秒が経過したか否かを判定する。この判定条件が満たされていないとステップ110の処理を繰返し、満たされているとステップ115において、左図柄列26での図柄変動を停止させるための信号を図柄表示器25に出力する。この信号に応じて、例えば図8に示すように、図柄表示器25の左側部上段には「8」の付された当り図柄29が表示され、中段には外れ図柄30が表示され、下段には「7」の付された当り図柄29が表示される。なお、このときには中図柄列27及び右図柄列28での図柄は変動し続ける。
【0035】
CPU36は図5のステップ120において、図柄変動が開始されてからT2秒(>T1秒)が経過したか否かを判定する。この判定条件が満たされていないとステップ120の処理を繰返し、満たされているとステップ125において、右図柄列28での図柄変動を停止させるための信号を図柄表示器25に出力する。この信号に応じて、例えば図8に示すように、図柄表示器25の右側部上段には「6」の付された当り図柄29が表示され、中段には外れ図柄30が表示され、下段には「7」の付された当り図柄29が表示される。この下段に表示された当り図柄29は、左図柄列26の下段に表示された当り図柄29と同じである。なお、このときには中図柄列27での図柄は変動し続ける。
【0036】
CPU36は図5のステップ130において、図柄表示器25に表示されている図柄の組合わせがリーチ遊技状態での組合わせと同一であるか否か、すなわち、左右両図柄列26,28の当り図柄29,29が前述した5種類の当りラインの少なくとも1つにおいて同じ図柄で停止しているか否かを判定する。この判定条件が満たされているとステップ131へ移行し、第2の条件が満たされているか否かを判定する。具体的には、前記ステップ101で獲得した乱数が、予め定められた図柄変更乱数であるか否かを判定する。図柄変更乱数は、「0」乃至「300」のうちの1つ以上の数字である。ステップ131の判定条件が満たされていると、ステップ135において、中図柄列27中の当り図柄群のうち、リーチ遊技状態と同じ図柄の前後の当り図柄29,29を、その図柄と同じ当り図柄29,29に変更するための信号を図柄表示器25に出力し、ステップ140へ移行する。
【0037】
例えば、図8では、左図柄列26における下段の図柄と右図柄列28における下段の図柄とが、同じ当り図柄29(「7」の付された当り図柄)であることから、前記ステップ130ではリーチ遊技状態であると判定される。リーチ遊技状態では、中図柄列27がリーチ遊技状態での図柄と同じ図柄で停止さえすれば、大当り図柄の組合わせとなることから、この最後の図柄列がリーチ遊技状態での図柄と同じ図柄で停止することが遊技者によって期待される。ここで、前述のように「7」でリーチ遊技状態となっていることから、ステップ135においては、図9に示すように、「7」の付された当り図柄29の前の当り図柄(「8」)29と、後ろの当り図柄(「6」)29とがともに、「7」の付された当り図柄29に変更される(図9の一点鎖線参照)。したがって、中図柄列27の図柄変動時には、リーチ遊技状態と同じ図柄である、「7」の付された当り図柄29が3回連続して表示されることになる。
【0038】
なお、前記ステップ130の判定条件が満たされていない(リーチ遊技状態でない)場合、またはステップ130の判定条件が満たされているもののステップ131の判定条件が満たされていない(獲得した乱数が図柄変更乱数でない)場合には、CPU36は前記ステップ135の処理を行わずに、ステップ140へ移行する。
【0039】
ステップ140では、CPU36は、図柄変動が開始されてからT3秒(>T2秒)が経過したか否かを判定する。この判定条件が満たされていないとステップ140の処理を繰返し、満たされていると図6のステップ145において、中図柄列27での図柄変動を停止させるための信号を図柄表示器25に出力する。すると、最後まで変動していた中図柄列27もその変動を停止する。つまり、全部の図柄列26乃至28の図柄変動が止められる。
【0040】
CPU36はステップ150において、図柄表示器25に表示されている図柄の組合わせが大当りの組合わせであるか否か、すなわち、左・中・右の図柄列26乃至28の当り図柄29,29,29が前述した5種類の当りラインL1乃至L5の少なくとも1つにおいて同じ図柄で停止しているか否かを判定する。この判定条件が満たされていないとメインルーチンを終了し、満たされているとステップ155以降の処理を実行する。
【0041】
ステップ155では、CPU36はカウンタCの値が「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされている(C=0)と、ステップ160でカウンタCの値を「2」に設定してステップ170へ移行する。これに対し、ステップ155の判定条件が満たされていない(C≠0)と、大当り図柄の組合わせにともない発生した権利が未だ1回分または2回分残っていると判断し、ステップ165でカウンタCを「1」減算して、ステップ170へ移行する。ステップ170ではフラグFを「1」にして高確率モードを設定する。
【0042】
次に、CPU36はステップ175において、特定入賞口用ソレノイド17を励磁させる。すると、同ソレノイド17によってシャッタ16が略水平状態にされ、特定入賞口13の通路入口が開放させられる。この開放により、遊技球20の特定入賞口13への入賞が可能となる。このとき、特別装置作動領域18は停留装置19によって遮断されている。このため、遊技球20が開放中の特定入賞口13に入賞した場合、前記作動領域18を通過することはできないが、そのうちの1つの遊技球20は同作動領域18の前に停留可能である。ステップ185において、特定入賞口13の開放開始から所定時間(5.9秒)が経過したか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと、ステップ175の処理を繰返す。
【0043】
これに対し、特定入賞口13の開放開始から5.9秒が経過してステップ185の判定条件が満たされていると、CPU36はステップ190において特定入賞口用ソレノイド17を消磁させる。すると、同ソレノイド17によってシャッタ16が略垂直状態にされ、特定入賞口13が閉鎖される。そして、ステップ195において特定入賞口13の閉鎖から所定時間(例えば2.0秒)が経過したか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと、ステップ195の処理を繰返す。同判定条件が満たされていると、ステップ200において、停留装置19に対し、これを作動させるための信号を出力する。この信号に応じて停留装置19が特別装置作動領域18を開放する。遊技球20を停止させておくものがなくなるので、仮に、それ以前に特別装置作動領域18の前に遊技球20が停留させられていれば、その停留を解除された遊技球20は同作動領域18を通過することが可能となる。
【0044】
次に、CPU36は図7のステップ205において、特別装置用スイッチ32の検出信号に基づき、遊技球20が特別装置作動領域18を通過したか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと、すなわち、遊技球20がもともと特定入賞口13に入賞していない、または入賞したものの特別装置作動領域18以外の通路を通過した、のいずれかであるとメインルーチンを終了する。一方、ステップ205の判定条件が満たされていると、ステップ210で特別装置を作動させる。この作動により1回分の権利獲得が保証される。そして、ステップ215でフラグFを「1」から「0」に切替え、確率モードを高確率モードから低確率モードにする。
【0045】
CPU36はステップ220において、始動口用スイッチ33の検出信号に基づき、遊技球20が始動口12に入賞したか否かを判定する。すなわち、特別装置が作動している期間に、遊技球20が始動口12の入口に入り込み、一定速度で回転している回転体15によって下方へ運ばれた後、始動口用スイッチ33の近傍を通過したか否かを判定する。この判定条件が満たされないと、特別装置が作動しているにもかかわらず遊技球20が始動口12に入賞していないと判断し、ステップ220の処理を繰返す。これに対し、ステップ220の判定条件が満たされると、ステップ225において大入賞口用ソレノイド22を励磁させる。すると、同ソレノイド22によって左右両羽根21,21が開放させられ、大入賞口14の実質的な開口面積が拡大されて、遊技球20が入賞しやすくなる。
【0046】
大入賞口14の開放後、CPU36はステップ230において、カウントスイッチ34の検出結果に基づき、遊技球20が大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。この判定条件が満たされていなければ、ステップ235において大入賞口14の開放開始から所定時間(例えば9.5秒)が経過したか否かを判定する。この判定条件が満たされていなければ、ステップ230,235の処理を繰返す。その結果、大入賞口14の開放開始後に10個の遊技球20が入賞するか、開放開始後に9.5秒が経過するかしない限りは、同大入賞口14が開放され続ける。
【0047】
ステップ230,235のいずれかの判定条件が満たされていると、CPU36はステップ240において大入賞口用ソレノイド22を消磁させる。すると、それまで開放させられていた左右両羽根21,21が閉鎖させられ、大入賞口14が通常の状態に戻される。その後、ステップ245において、遊技球20の始動口12への入賞が始動口用スイッチ33によって16回検出されたか否かを判定する。この判定条件が満たされていなければ、前述したステップ220乃至245の各処理を繰返す。したがって、一旦特別装置が作動させられる(権利が保証される)と、遊技球20が始動口12に16回入賞するまでは、大入賞口14が開放及び閉鎖のサイクルを繰返すこととなる。
【0048】
そして、遊技球20が始動口12に16回入賞してステップ245の判定条件が満たされると、すなわち1回分の権利が消費されると、CPU36はステップ250で特別装置の作動を停止させる。その後、ステップ255において、カウンタCの値が「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていれば(C=0)、3回の権利が全て消費されていると判断し、ステップ260においてフラグFを「0」に設定してメインルーチンを終了する。また、ステップ255の判定条件が満たされていないと(C≠0)、権利が未だ2回分または1回分残っていると判断し、ステップ265においてフラグFを「1」に設定してメインルーチンを終了する。したがって、このように権利が残っている場合、次回の制御ルーチンが高確率モードで開始されることとなる。
【0049】
前記メインルーチンによると、図柄表示器25に表示されている図柄が大当り図柄の組合わせとなって特別装置が作動するまでの期間において、フラグFが「1」に設定される。また、特別装置の1回目の作動終了から2回目の作動開始までの期間と、2回目の作動終了から3回目の作動開始までの期間とにおいてフラグFが「1」に設定される。これらの期間には、大当りとなる確率が高められる。すなわち、権利が残っていると、図柄列26乃至28が変動停止したときの図柄の組合わせが通常時よりも大当り図柄の組合わせとなりやすくなる。前記以外の期間ではフラグFが「0」に設定され、大当り図柄の組合わせとなる確率が下げられる。
【0050】
第一実施形態では、上述した作動ゲート用スイッチ31と、上記メインルーチンでのCPU36によるステップ100の処理と、同じくステップ131の処理とによって遊技状況検出手段が構成されている。また、メインルーチンにおいて、CPU36によるステップ100,105の処理は表示制御手段に相当し、ステップ150乃至265の処理は特別遊技状態発生手段に相当し、ステップ135の処理は図柄変更手段に相当する。
【0051】
このように第一実施形態によれば、所定の図柄列(右図柄列28)での図柄変動が停止させられると、図柄表示器25において、その次に図柄変動が停止される予定の中図柄列27の表示箇所には、通常時と異なる図柄列が変動表示される。ここでは、リーチ遊技状態成立後に変動し続けている中図柄列27の一部の図柄が、別の図柄に変更されて表示される。そのため、リーチ遊技状態成立後の図柄変更に気付いた遊技者に、その次に変動を停止する予定の図柄列において、通常時とは異なる図柄が停止し、大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待を抱かせることができる。
【0052】
このように第一実施形態によれば、図柄変更乱数が獲得された状態でリーチ遊技状態になると、図柄変動中の中図柄列27における一部の図柄が別の図柄に変更される。ここでは、「6」の付された当り図柄29と、「8」の付された当り図柄29とがともに「7」の付された当り図柄29に変更される。図柄表示器25には、通常のリーチ遊技状態時に見られる中図柄列とは異なる中図柄列27が変動表示される。すなわち、通常のリーチ遊技状態のとき中図柄列27では、・・・、「6」の付された当り図柄29、外れ図柄30、「7」の付された当り図柄29、外れ図柄30、「8」の付された当り図柄29・・・の順で図柄が変動表示されるのに対し、図柄変更後の中図柄列27では、・・・、「7」の付された当り図柄29、外れ図柄30、「7」の付された当り図柄29、外れ図柄30、「7」の付された当り図柄29、外れ図柄30、・・・の順で図柄が変動表示される。このように図柄変更後の中図柄列27では、全図柄中、「7」の付された当り図柄29(リーチ遊技状態と同じ図柄)の占める割合が通常時よりも高くなっている。このため、遊技者に対し、大当り遊技状態が通常時よりも発生しやすいかもしれないと感じさせることができる。大当り遊技状態の発生に対する期待感を高め、遊技者に与える遊技上の興趣を十分に高めることができる。
【0053】
特に、図柄変更の対象となる図柄列が中図柄列27(特別遊技確定図柄列)であるので、大当り遊技状態発生前のリーチ遊技状態中に、その大当り遊技状態の発生度合が通常時とは異なるかもしれないことを遊技者に気付かせることができる。このため、リーチ遊技状態発生から大当り遊技状態発生までの比較的短い期間で一気に遊技者の大当り遊技状態発生に関する期待感を高めることができる。
【0054】
また、中図柄列27においてリーチ遊技状態と同じ図柄(「7」の付された当り図柄29)とは異なる図柄が図柄変更の対象とされている。中図柄列27の全図柄のうち、大当り遊技状態の発生に寄与する、もともと「7」の付されていた当り図柄29はそのまま残され、大当り遊技状態の発生に寄与しない図柄の一部がリーチ遊技状態と同じ図柄に変更される。もともと「7」の付されていた当り図柄29が残される分、変更を要する図柄の数が少なくてすむ。できるだけ少ない数の図柄変更を行うだけで、中図柄列27においてリーチ遊技状態と同じ図柄の占める割合を通常のリーチ遊技状態時よりも高くできる。換言すると、リーチ遊技状態と同じ図柄の占める割合を効率よく高めることが可能となる。
【0055】
さらに、中図柄列27において、リーチ遊技状態と同じ図柄となる可能性を有する当り図柄群が図柄変更の対象とされている。しかも、既述したようにリーチ遊技状態とは異なる図柄が同一の図柄に変更されている。この変更により、中図柄列27の全図柄においてリーチ遊技状態と同じ図柄の占める割合が高くなる。このため、大当り遊技状態の発生に関する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。加えて、外れ図柄30を間に挟んでリーチ遊技状態と同じ図柄が3回続けて表示されることも、リーチ遊技状態と同じ図柄の占める割合が高くなっていることを遊技者の視覚に強く印象付けうえで効果がある。
【0056】
(第二実施形態)
次に、第1乃至第3の発明を具体化した第二実施形態を図10及び図11にしたがって説明する。第二実施形態は、CPU36によるメインルーチンの内容の一部(ステップ135)が第一実施形態と異なっている。その相違点について以下に説明する。なお、メインルーチン以外の、パチンコ機1や制御装置35の構成は第一実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0057】
CPU36は、図10におけるステップ130,131の判定条件がともに満たされているとステップ135Aへ移行する。ステップ135Aにおいて、中図柄列27中の全ての外れ図柄30を、リーチ遊技状態と同じ図柄に変更するための信号を図柄表示器25に出力する。例えば、前述した図8に示すように、左図柄列26における下段の図柄と右図柄列28における下段の図柄とが、いずれも「7」の付された当り図柄29であるリーチ遊技状態の場合には、図11において一点鎖線で囲まれた全ての外れ図柄30が「7」の付された当り図柄29に変更される。
【0058】
ステップ135Aの処理を実行した後、CPU36は前述したステップ140以降の処理を実行する。また、ステップ130,131のいずれか一方の判定条件が満たされていない場合には、ステップ135Aの処理を行わずに、ステップ140以降の処理を実行する。
【0059】
前記メインルーチンにおいて、CPU36によるステップ135Aの処理は図柄変更手段に相当する。
【0060】
したがって、第二実施形態は前記第一実施形態と同様の作用及び効果を奏するほか、次に示す特徴を有する。パチンコ機1がリーチ遊技状態になると、図柄表示器25における中図柄列27の表示箇所には、もともとの10個の当り図柄と、リーチ遊技状態と同じ図柄に変更された10個の外れ図柄とが表示される。全部で20個の図柄中、11個の図柄(変更により「7」にされた10個の外れ図柄と、もともと「7」の付された1個の当り図柄)がリーチ遊技状態と同じ図柄となる。全図柄中、リーチ遊技状態と同じ図柄の占める割合が1/2以上となる。したがって、この変更に気付いた遊技者に、中図柄列27がリーチ遊技状態と同じ図柄で停止する可能性が通常時よりも高く、大当り遊技状態がかなり発生しやすいかもしれない、という期待を抱かせることができる。
【0061】
(第三実施形態)
次に、第1乃至第4の発明を具体化した第三実施形態を図12及び図13にしたがって説明する。第三実施形態は、前記第二実施形態と同様に、CPU36によるメインルーチンの内容の一部(ステップ135)が第一実施形態と異なっている。それ以外の箇所は第一実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0062】
CPU36は図12におけるステップ130,131の判定条件がともに満たされているとステップ135Bへ移行する。ステップ135Bにおいて、中図柄列27の当り図柄のうちリーチ遊技状態とは異なる図柄を、そのリーチ遊技状態と同じ図柄に変更するための信号を図柄表示器25に出力する。例えば、前述した図8に示すように、左図柄列26における下段の図柄と右図柄列28における下段の図柄とが、いずれも「7」の付された当り図柄29であるリーチ遊技状態の場合には、図13においてもともと「7」の付された当り図柄29に加え、それ以外の数字(「0」乃至「6」、「8」、「9」)の付された全ての当り図柄29が、一点鎖線で示すように「7」の付された当り図柄29に変更される。
【0063】
そして、ステップ135Bの処理を実行した後、CPU36は前述したステップ140以降の処理を実行する。また、ステップ130,131のいずれか一方の判定条件が満たされていない場合には、ステップ135Bの処理を行わずに、ステップ140以降の処理を実行する。
【0064】
前記メインルーチンにおいて、CPU36によるステップ135Bの処理は図柄変更手段に相当する。
【0065】
したがって、第三実施形態は前記第一実施形態と同様の作用及び効果を奏するほか、次に示す特徴を有する。リーチ遊技状態になると、図柄表示器25における中図柄列27の表示箇所には、リーチ遊技状態と同じ図柄を有する当り図柄群と、外れ図柄群とが表示される。全20図柄中、10個の図柄がリーチ遊技状態と同じ図柄になる。全図柄中、リーチ遊技状態と同じ図柄の占める割合がちょうど1/2となる。したがって、当り図柄29の変更を遊技者に気付かせることにより、中図柄列27がリーチ遊技状態と同じ図柄で停止する可能性が通常時よりも高く、大当り遊技状態が高い確率で発生するかもしれないという期待を抱かせることができる。
【0066】
(第四実施形態)
次に、第1乃至第4の発明を具体化した第四実施形態を図14及び図15にしたがって説明する。第四実施形態は第二実施形態と同様、CPU36によるメインルーチンの内容の一部(ステップ135)が上記第一実施形態と異なっている。それ以外の箇所は第一実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0067】
CPU36は図14におけるステップ130,131の判定条件がともに満たされているとステップ135Cへ移行する。ステップ135Cでは、中図柄列27において、リーチ遊技状態の図柄とは異なる全ての当り図柄29と全ての外れ図柄30とをリーチ遊技状態と同じ図柄に変更するための信号を、図柄表示器25に出力する。その結果、例えば前述した図8に示すように、左図柄列26における下段の図柄と右図柄列28における下段の図柄とが、いずれも「7」の付された当り図柄29であるリーチ遊技状態の場合には、図15においてもともと「7」の付された当り図柄29に加え、それ以外の数字(「0」乃至「6」、「8」、「9」)の付された全ての当り図柄29と、全ての外れ図柄30とが、一点鎖線で示すように「7」の付された当り図柄29に変更される。
【0068】
そして、ステップ135Cの処理を実行した後、CPU36は前述したステップ140以降の処理を実行する。また、ステップ130,131のいずれか一方の判定条件が満たされていない場合には、ステップ135Cの処理を行わずに、ステップ140以降の処理を実行する。
【0069】
前記メインルーチンにおいて、CPU36によるステップ135Cの処理は図柄変更手段に相当する。
【0070】
したがって、第四実施形態は前記第一実施形態と同様の作用及び効果を奏するほか、次に示す特徴を有する。リーチ遊技状態になると、図柄表示器25において、最後に図柄変動が停止させられる予定の中図柄列27の表示箇所には、リーチ遊技状態と同じ図柄中の全ての当り図柄29と、全ての外れ図柄30とが表示される。全20図柄中、全て(20個)の図柄がリーチ遊技状態と同じ図柄となる。全図柄中、リーチ遊技状態と同じ図柄の占める割合がちょうど100%となる。したがって、この図柄変更に気付いた遊技者に、中図柄列27がリーチ遊技状態と同じ図柄で停止する可能性が非常に高く、大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待を抱かせることができる。
【0071】
(第五実施形態)
次に、第6の発明を具体化した第五実施形態を図16及び図17にしたがって説明する。第五実施形態は第二実施形態と同様、CPU36によるメインルーチンの内容の一部(ステップ135)が上記第一実施形態と異なっている。それ以外の箇所は第一実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0072】
CPU36は図16におけるステップ130の判定条件が満たされていると、ステップ131Aへ移行し、前記ステップ101で獲得した乱数が予め定められた図柄表示禁止乱数であるか否かを判定する。図柄表示禁止乱数は前記図柄変更乱数と同様「0」乃至「300」のうちの1つ以上の数字である。ステップ131Aの判定条件が満たされていると、ステップ135Dにおいて、中図柄列27中の全外れ図柄30の表示を禁止するための信号を、図柄表示器25に出力する。その結果、例えば前述した図8に示すように、左図柄列26における下段の図柄と右図柄列28における下段の図柄とが、いずれも「7」の付された当り図柄29であるリーチ遊技状態の場合には、中図柄列27中の全ての外れ図柄30が表示されなくなり、もともとの当り図柄29(「0」乃至「9」の付された10個の当り図柄)のみが表示される。
【0073】
そして、ステップ135Dの処理を実行した後、CPU36は前述したステップ140以降の処理を実行する。また、ステップ130,131のいずれか一方の判定条件が満たされていない場合には、ステップ135Dの処理を行わずに、ステップ140以降の処理を実行する。
【0074】
前記メインルーチンにおいて、CPU36によるステップ135Dの処理は表示禁止手段に相当する。
【0075】
したがって、第五実施形態は前記第一実施形態と同様の作用及び効果を奏するほか、次に示す特徴を有する。リーチ遊技状態になると、図柄表示器25において、最後に図柄変動が停止させられる予定の中図柄列27の表示箇所には、もともとの当り図柄29のみが表示される。表示される図柄が20個から10個に減り、その中の1つがリーチ遊技状態と同じ図柄である。したがって、図柄の表示禁止により外れ図柄30がなくなっていることに気付いた遊技者に、中図柄列27がリーチ遊技状態と同じ図柄で停止する可能性が通常時よりも高く、大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待を抱かせることができる。
【0076】
(第六実施形態)
次に、第7の発明を具体化した第六実施形態を図18及び図19にしたがって説明する。第六実施形態は、第二実施形態と同様、CPU36によるメインルーチンの内容の一部(ステップ135)が上記第一実施形態と異なっている。それ以外の箇所は第一実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0077】
CPU36は図18におけるステップ130の判定条件が満たされているとステップ131Bへ移行し、前記ステップ101で獲得した乱数が予め定められた図柄追加乱数であるか否かを判定する。図柄追加乱数は前記図柄変更乱数と同様「0」乃至「300」のうちの1つ以上の数字である。ステップ131Bの判定条件が満たされていると、ステップ135Eにおいて、中図柄列27中の当り図柄群のうち、リーチ遊技状態と同じ図柄の直前及び直後に、そのリーチ遊技状態と同じ図柄を追加するための信号を図柄表示器25に出力する。ここでの直前とは、リーチ遊技状態と同じ図柄と、その前の外れ図柄30との間を指し、直後とは、リーチ遊技状態と同じ図柄と、その後ろの外れ図柄30との間を指す。その結果、例えば前述した図8に示すように、左図柄列26における下段の図柄と右図柄列28における下段の図柄とが、いずれも「7」の付された当り図柄29であるリーチ遊技状態の場合には、中図柄列27中のもともと「7」の付された当り図柄29の前後に、一点鎖線で示すようにそれぞれ「7」の付された2つの当り図柄29が加えられて表示される。
【0078】
そして、ステップ135Eの処理を実行した後、CPU36は前述したステップ140以降の処理を実行する。また、ステップ130,131のいずれか一方の判定条件が満たされていない場合には、ステップ135Eの処理を行わずに、ステップ140以降の処理を実行する。
【0079】
前記メインルーチンにおいて、CPU36によるステップ135Eの処理は図柄追加手段に相当する。
【0080】
したがって、第六実施形態は前記第一実施形態と同様の作用及び効果を奏するほか、次に示す特徴を有する。リーチ遊技状態になると、図柄表示器25における中図柄列27の表示箇所には、通常時よりも多い数の当り図柄29が表示される。表示される図柄が20個から22個に増え、その中の3つがリーチ遊技状態と同じ図柄である。しかも、これら3つの図柄は連続して表示される。したがって、この図柄増加に気付いた遊技者に、中図柄列27がリーチ遊技状態と同じ図柄で停止する可能性が通常時よりも高く、通常時よりも大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待を抱かせることができる。
【0081】
(第七実施形態)
次に、第1乃至第4、第6及び第7の発明を具体化した第七実施形態を図20及び図21にしたがって説明する。第七実施形態は、前述した左・中・右の3つの図柄列26乃至28とは別に、複数の図柄列に関する画像データや文字データが作成されてROM37に記憶されている点と、CPU36によるメインルーチンの内容の一部(ステップ135)が変更されている点と、複数の図柄列の中から1つを選択するために遊技者によって操作される選択スイッチ(図示略)が設けられている点とが上記第一実施形態と異なっている。これらの相違点について以下に説明する。
【0082】
CPU36は図20におけるステップ130,131の判定条件がともに満たされているとステップ132へ移行する。ステップ132では、ROM37に記憶されている複数の図柄列に関する画像データ及び文字データを読出し、それらの図柄列及び文字列を図柄表示器25にて表示するための信号を出力する。この信号に応じ、図柄表示器25の画面には図21において二点鎖線で示すように複数(図では5つ)の図柄列42a,42b,42c、42d、42eと、そのうちの1つを選択することを促す「図柄を1つ選択して下さい」という文字列43とが表示される。ここでの図柄42a乃至42eは、第一乃至第四実施形態で説明した変更後の図柄列であってもよいし、第五実施形態で説明した表示禁止後の図柄列であってもよいし、第六実施形態で説明した図柄追加後の図柄列であってもよい。
【0083】
次に、CPU36は図20のステップ133において、前記選択スイッチからの信号に基づき、図柄表示器25に表示された複数の図柄列の中から1つが遊技者によって選択されたか否かを判定する。この判定条件が満たされていなければステップ133の処理を繰返し、満たされていればステップ134に移行し、それまで表示されていた中図柄列27を選択された図柄列に変更するための信号を、図柄表示器25に出力する。
【0084】
そして、CPU36はステップ134の処理を実行した後、前述したステップ140以降の処理を実行する。また、ステップ130,131のいずれか一方の判定条件が満たされていない場合には、ステップ132乃至134の処理を行わずに、ステップ140以降の処理を実行する。
【0085】
前記メインルーチンにおいて、CPU36によるステップ131乃至133の処理が遊技状況検出手段に相当し、ステップ134の処理が図柄変更手段に相当する。
【0086】
したがって、第七実施形態は前記第一実施形態と同様の作用及び効果を奏するほか、次に示す特徴を有する。リーチ遊技状態になると、図柄表示器25に中図柄列27の差替えの対象となる図柄列42a乃至42eが複数表示され、そのうちのどれか1つが遊技者によって選択される。そのため、この場合にも最後に変動を停止する中図柄列27が、リーチ遊技状態と同じ図柄で停止する可能性が通常時よりも高く、大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができる。しかも、図柄列42a乃至42eの選択は遊技者に委ねられるので、一層、期待感を高めることができる。
【0087】
(第八実施形態)
次に、第1及び第5乃至第7の発明を具体化した第八実施形態を図22にしたがって説明する。第八実施形態は第二実施形態と同様、CPU36によるメインルーチンの内容の一部が上記第一実施形態と異なっている。それ以外の箇所は第一実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0088】
遊技者によって遊技が開始されると、CPU36はステップ100において、遊技状況が第1の条件を満たしているかどうかを判定する。詳しくは、遊技球20が作動ゲート23を通過したか否かを判定し、この判定条件が満たされていると、ステップ101においてそのときの乱数カウンタのカウント値を獲得(記憶)する。ステップ105において、全図柄列26乃至28での図柄変動を開始させる。ステップ110において、図柄変動が開始されてからT1秒が経過したか否かを判定し、この判定条件が満たされているとステップ115において、左図柄列26での図柄変動を停止させる。ここまでは、第一実施形態と同じである。
【0089】
次に、CPU36はステップ116,117において第2の条件が満たされているか否かを判定する。具体的には、ステップ116において、変動停止後に表示されている図柄が当り図柄29であるか否かを判定する。ステップ117において、前記ステップ101で獲得した乱数が予め定められた図柄変更乱数であるか否かを判定する。ステップ116,117の判定条件がともに満たされていると、ステップ118において、右図柄列28を変更するための信号を図柄表示器25に出力する。この変更の態様としては、例えば以下に示す(a)乃至(f)が挙げられる。(a)第一実施形態と同様に、右図柄列28の当り図柄29のうち、左図柄列26の停止図柄と同じ図柄の直前及び直後の少なくとも一方を、その停止図柄と同じ図柄に変更する。(b)第二実施形態と同様に、少なくとも一部の外れ図柄30を、左図柄列26の停止図柄と同じ図柄に変更する。(c)第三実施形態と同様に、左図柄列26の停止図柄と異なる当り図柄29を、その停止図柄と同じ図柄に変更する。(d)第四実施形態と同様に、左図柄列26の停止図柄とは異なる全ての当り図柄29と全ての外れ図柄30とを、その停止図柄と同じ図柄に変更する。(e)第五実施形態と同様に、全ての外れ図柄30の表示を禁止する。(f)第六実施形態と同様に別の図柄を追加する。
【0090】
CPU36はステップ118の処理を実行すると、ステップ120へ移行する。また、ステップ116,117のいずれか一方の判定条件が満たされていないと、すなわち、変動停止後に表示された図柄が外れ図柄30であるか、または当り図柄29であるものの図柄変更乱数ではないと、ステップ118の処理を行うことなくステップ120へ移行する。
【0091】
ステップ120では、CPU36は図柄変動が開始されてからT2秒(>T1秒)が経過したか否かを判定し、この判定条件が満たされているとステップ125において、右図柄列28での図柄変動を停止させる。次に、ステップ140において、図柄変動が開始されてからT3秒(>T2秒)が経過したか否かを判定する。その後の処理は第一実施形態と同様である。
【0092】
上述した作動ゲート用スイッチ31と、上記メインルーチンでのCPU36によるステップ100の処理と、ステップ116の処理と、ステップ131の処理とによって遊技状況検出手段が構成されている。また、メインルーチンにおいてCPU36によるステップ118の処理が図柄変更手段に相当する。
【0093】
したがって、第八実施形態は前記第一実施形態と同様の作用及び効果を奏するほか、次に示す特徴を有する。リーチ遊技状態を構成する左図柄列26及び右図柄列28のうち、左図柄列26の図柄変動がリーチ遊技状態成立前に停止させられると、図柄表示器25において、その次に図柄変動が停止させられる予定の右図柄列28の表示箇所には、通常時の図柄列とは異なる図柄列が変動表示される。したがって、図柄の変更を気付いた遊技者に、通常時とは異なる図柄が停止する可能性があること、すなわちリーチ遊技状態になり、ゆくゆくは大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待を抱かせることができる。
【0094】
なお、本発明は次に示す別の実施の形態に具体化することができる。
【0095】
(1)本発明は図柄表示器を有する遊技機に適用できる。このような遊技機としては、パチンコ機1以外にも、アレパチ、アレンジボール、スロットルマシン等が挙げられる。例えば、スロットルマシンの場合、メダルの投入、レバー操作等の遊技者の操作に応じて、図柄表示器での図柄列の変動表示が開始されることとなる。
【0096】
(2)各実施形態における図柄表示器25での図柄列の表示形態を種々変更してもよい。例えば、図柄列の数を1つ、2つまたは4つ以上に変更したり、各図柄列を水平方向へ延びるように配置して表示させたりしてもよい。
【0097】
特に、図柄列を1つに変更した場合、遊技球の作動ゲート通過により図柄列での図柄変動が開始され、所定時間経過後にその変動が停止させられる。停止図柄が予め設定された特定図柄であると、そのことに基づき遊技者に有利な大当り遊技状態が発生させられる。このような一連の動作の途中において、大当り遊技状態発生前に第2の条件が満たされると(例えば、図柄変更乱数を獲得した状態で図柄変動開始から若干時間が経過すると)、その図柄列を別の図柄列に差替えたり、図柄を変更したりする。また、図柄変動中、特定のキャラクタが表示されるようにし、その表示がなされたら、図柄列を別の図柄列に差替えたり、図柄を変更したりする。この実施形態によっても、図柄変更に気付いた遊技者に、変動中の図柄列が通常時とは異なる図柄で停止する可能性が通常時よりも高く、大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待感を抱かせることができる。
【0098】
(3)第一実施形態において、当り図柄群のうち、リーチ遊技状態と同じ図柄よりも1つ前の当り図柄29のみを変更してもよいし、1つ後ろの当り図柄29のみを変更してもよい。このようにすれば、リーチ遊技状態と同じ当り図柄が2回続けて変動表示されるので、第一実施形態と同様に、大当り遊技状態の発生に対する期待感を高めることができる。さらに、これに関連して、リーチ遊技状態と同じ図柄よりも前のm個(mは2以上の整数)及び後ろのn個(nは2以上の整数)の少なくとも一方を、そのリーチ遊技状態と同じ図柄に変更してもよい。
【0099】
(4)第二実施形態において、一部の外れ図柄30のみをリーチ遊技状態と同じ図柄に変更してもよい。例えば、第一実施形態や上記(3)と同様に、外れ図柄群のうち、リーチ遊技状態と同じ図柄の前及び後ろの少なくとも一方を、そのリーチ遊技状態と同じ図柄に変更してもよい。
【0100】
(5)第四実施形態において、リーチ遊技状態になったとき、中図柄列27におけるリーチ遊技状態とは異なる当り図柄29の一部と、外れ図柄30の一部とを、リーチ遊技状態と同じ図柄に変更してもよい。
【0101】
(6)第五実施形態において、リーチ遊技状態になったとき、中図柄列27における外れ図柄30の一部のみ表示しないようにしてもよい。
【0102】
(7)第五実施形態において、中図柄列27に代えて、右図柄列28中の一部の図柄が表示されるのを禁止してもよい。このようにすれば、一部の図柄が表示されなくなっていることに気付いた遊技者に、通常時とは異なる図柄が停止する可能性があること、すなわちリーチ遊技状態になり、ゆくゆくは大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待を抱かせることができる。また、第五実施形態において、中図柄列27に加えて右図柄列28中の一部の図柄が表示されるのを禁止してもよい。このようにすれば、リーチ遊技状態成立前の右図柄列28での図柄表示禁止により、遊技者にリーチ遊技状態になり、ゆくゆくは大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待を早い時期から抱かせることができる。そして、それに続くリーチ遊技状態成立後の中図柄列27での図柄表示禁止により、大当り遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を一層高めることができる。
【0103】
(8)第六実施形態において、リーチ遊技状態になったとき、中図柄列27に加える当り図柄29の数を増減してもよい。また、このとき加える位置は第六実施形態に示した箇所以外であってもよい。
【0104】
(9)第六実施形態において、中図柄列27に代えて右図柄列28に別の図柄を加えてもよい。このようにすれば、図柄が増えていることに気付いた遊技者に、通常時とは異なる図柄が停止する可能性があること、すなわちリーチ遊技状態になり、ゆくゆくは大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待を抱かせることができる。また、第六実施形態において、中図柄列27及び右図柄列28の両者に別の図柄を加えてもよい。このようにすれば、リーチ遊技状態成立前の右図柄列28での図柄増加により、遊技者にリーチ遊技状態になり、ゆくゆくは大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待を早い時期から抱かせることができる。そして、それに続くリーチ遊技状態成立後の中図柄列27での図柄増加により、大当り遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を一層高めることができる。
【0105】
(10)第七実施形態において、図柄表示器25に表示されている複数の図柄列のうちの任意の1つを、制御装置35が自動的に選択する構成としてもよい。
【0106】
(11)第一乃至第四実施形態及び第八実施形態において、第2の条件として別の用件を加えてもよい。例えば、第八実施形態では、「左図柄列26の停止図柄が特定の数字の付された当り図柄であること」を追加要件としてもよい。
【0107】
(12)前記第一乃至第六実施形態及び第八実施形態においては、中図柄列27中の図柄を変更、追加及び削除(表示の禁止)したが、第七実施形態と同様な図柄列(42a乃至42eに相当するもの)を予め作成しておき、中図柄列27を、この作成した図柄列に差替えるようにしてもよい。
【0108】
(13)第五実施形態と第六実施形態とを組合わせてもよい。すなわち、パチンコ機1がリーチ遊技状態になると、中図柄列27における外れ図柄30の少なくとも一部の表示を禁止するとともに、同中図柄列27に当り図柄29を加えてもよい。前述した図19を用いて説明すると、例えば、追加された前側の図柄(「7」の付された当り図柄)の直前の外れ図柄30と、後側の図柄直後の外れ図柄30とを表示しないようにする。
【0109】
(14)前記各実施形態では、第三種の遊技機において3回権利が発生するタイプのパチンコ機について説明したが、本発明はそれ以外のタイプのパチンコ機にも具体化できる。例えば、第三種で権利が1回、2回、4回以上発生するタイプや、第一種、第二種のパチンコ機にも具体化できる。また、当り図柄を第1図柄及び第2図柄の2種類の図柄によって構成し、第1図柄で大当りの組合わせとなったときにはじめて大当り遊技状態が発生させられるタイプのパチンコ機にも具体化できる。この場合には、例えば左図柄列28が第1図柄で停止したとき、右図柄列28中の第1図柄の表示される頻度を多くしたり、リーチ遊技状態中に中図柄列中の第1図柄の表示頻度を増やしたりすることが考えられる。
【0110】
(15)第一乃至第七実施形態において、中図柄列27中のリーチ遊技状態と同一の図柄(「7」の数字の付された当り図柄29)や、第八実施形態において右図柄列28中のリーチ遊技状態と同一の図柄に関しても、他の図柄と同様に、図柄変更の対象にしてもよい。例えば、これらの図柄をリーチ遊技状態とは異なる図柄に変更して、図柄列においてリーチ遊技状態と同じ図柄が占める割合を通常時よりも低くする。すると、遊技者に対し、大当り遊技状態が通常時よりも発生しにくいかもしれないと感じさせることが可能となる。このようにしても、大当り遊技状態の発生に対する期待感を変化に富んだものにし、遊技者に与える遊技上の興趣を高めることが可能となる。
【0111】
(16)第一乃至第七実施形態において、中図柄列27を構成する図柄の種類は変更せずに配置順のみを変更してもよい。同様に、第八実施形態において、右図柄列28を構成する図柄の種類は変更せずに配置順のみを変更してもよい。
【0112】
(17)特別遊技状態の内容を、前記各実施形態で説明した大当り遊技状態とは異なる内容に変更してもよい。すなわち、各実施形態では、p(=10)個の遊技球20が入賞するまで大入賞口14を開放させ、その状態を遊技球20がq(=16)回始動口12に入賞するまで継続させているが、ここではこれらのp,qの値を適宜変更したものも特別遊技状態に含むものとする。
【0113】
(18)本発明は、各図柄列26乃至28での図柄変動開始から所定時間経過後に自動的に図柄変動が停止させられるタイプのパチンコ機以外にも、変動停止用のボタンを有し、遊技者によるボタン操作に応じて図柄変動が停止させられるタイプのパチンコ機にも具体化できる。
【0114】
(19)リーチ遊技状態には、前記各実施形態で説明した状態以外にも、複数の図柄列のうち、1つを除くほかの図柄列の図柄の組合わせが大当り図柄の組合わせの一部を構成している状態で、全図柄列の図柄が変動し続けている状態も含まれる。例えば、前記各実施形態において、「7」の数字が付された当り図柄が当りライン上に配列されたときの図柄の組合わせを大当り図柄の組合わせとする。すると、この状態は、左右両図柄列26,28の図柄が当りライン上で揃った状態で変動している、いわゆる全回転リーチと呼ばれるものも、ここでのリーチ遊技状態に含まれる。
【0115】
(20)第一乃至第七実施形態の各々と、第八実施形態とを組合わせてもよい。詳しくは、第1の図柄変更乱数を獲得した状態で左図柄列26での停止図柄が当り図柄であると、右図柄列28の図柄を変更する。その後、右図柄列28での図柄変動が停止させられ、その停止図柄が前記左図柄列26での停止図柄と同一であると、すなわちリーチ遊技状態であると、第2の図柄変更乱数を獲得していれば、最後まで変動している中図柄列27の図柄を変更する。このようにすると、リーチ遊技状態成立前の右柄列28での図柄変更により、遊技者に対し、リーチ遊技状態になり、ゆくゆくは大当り遊技状態が発生するかもしれないという期待を早い時期から抱かせることができる。また、それに続くリーチ遊技状態成立後の中図柄列27での図柄変更により、大当り遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を一層高めることができる。
【0116】
(21)右図柄列28において「図柄の変更」、「図柄の表示禁止」、「図柄の追加」のいずれかを行い、中図柄列27において「図柄の変更」、「図柄の表示禁止」、「図柄の追加」のうち右図柄列28とは異なる処理を行ってもよい。この組合わせとしては、(a)右図柄列28での「図柄の変更」と中図柄列27での「図柄の表示禁止」、(b)右図柄列28での「図柄の変更」と中図柄列27での「図柄の追加」、(c)右図柄列28での「図柄の表示禁止」と中図柄列27での「図柄の変更」、(d)右図柄列28での「図柄の表示禁止」と中図柄列27での「図柄の追加」、(e)右図柄列28での「図柄の追加」と中図柄列27での「図柄の変更」、(f)右図柄列28での「図柄の追加」と中図柄列27での「図柄の表示禁止」が挙げられる。
【0117】
(22)右図柄列28及び中図柄列27の一方では図柄列を変更し、他方では図柄を変更してもよい。
【0118】
(23)本発明は、前記各実施形態とは異なる順で図柄列が停止するタイプの遊技機にも適用できる。
【0119】
【発明の効果】
以上のように第1の発明では、特別遊技状態の発生前に遊技状況が第2の条件を満たすと、通常時とは異なる図柄を有する図柄列が図柄表示器に変動表示される。また、第6の発明では通常時よりも少ない図柄からなる図柄列が変動表示され、第7の発明では通常時よりも多い図柄からなる図柄列が変動表示される。そのため、これらの変化により、特別図柄の占める割合が通常時よりも高くなった図柄列を図柄表示器に表示すれば、遊技者に対し、特別遊技状態が通常時よりも発生しやすいかもしれないと感じさせることが可能となる。これとは逆に、特別図柄の占める割合が通常時よりも低くなった図柄列を図柄表示器に表示すれば、遊技者に対し、特別遊技状態が通常時よりも発生しにくいかもしれないと感じさせることが可能となる。このように第1、第6または第7のいずれの発明によっても、特別遊技状態の発生に対する期待感を変化に富んだものにし、遊技者に与える遊技上の興趣を十分に高めることが可能となる。
【0120】
特に、図柄変更の対象となる図柄列が特別遊技確定図柄列である第2の発明では、特別遊技状態の発生前に、その特別遊技状態の発生度合が通常時とは異なるかもしれないことを遊技者に気付かせることが可能である。このため、第1の発明の効果に加え、特別遊技状態発生までの比較的短い期間で一気に遊技者の特別遊技状態発生に関する期待感を高めることが可能となる。
【0121】
また、図柄変更の対象となる図柄列がリーチ遊技確定図柄列である第5の発明では、特別遊技状態に先立つリーチ遊技状態の発生前に、その特別遊技状態の発生度合が通常時とは異なるかもしれないことを遊技者に気付かせることが可能である。このため、第1の発明の効果に加え、早期に遊技者の特別遊技状態発生に関する期待感を高めること、すなわちリーチ遊技状態になり、ゆくゆくは特別遊技状態が発生するかもしれないという期待を早い時期から抱かせることが可能となる。
【0122】
第3の発明によれば、特別遊技確定図柄列において特別図柄とは別の図柄が図柄変更の対象とされる。特別遊技確定図柄列の全図柄のうち特別遊技状態の発生に寄与する図柄はそのまま残され、特別遊技状態の発生に寄与しない図柄が特別図柄に変更される。このため、第2の発明の効果に加え、前者の図柄が残される分、変更を要する図柄の数が少なくなる。できるだけ少ない数の図柄変更を行うだけで特別遊技確定図柄列中の特別図柄の占める割合を通常時よりも高くできる。すなわち、特別図柄の占める割合を効率よく高めることが可能となる。
【0123】
第4の発明によれば、特別遊技確定図柄列において、特別図柄となる可能性を有する当り図柄群が図柄変更の対象とされる。しかも、当り図柄群のうち、特別図柄とは別の図柄が特別図柄に変更される。この変更により特別遊技確定図柄列において特別図柄の占める割合が高くなる。このため、第3の発明の効果に加え、特別遊技状態の発生に関する遊技者の期待感を効果的に高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1乃至第4の発明を具体化した第一実施形態におけるパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図2】(a)乃至(c)は、図1の遊技盤の図柄表示器に表示される左・中・右の各図柄列を示す説明図である。
【図3】(a)乃至(e)は、図1の遊技盤の図柄表示器に表示される図柄の大当りの組合わせを示す説明図である。
【図4】図1のパチンコ機における制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の制御装置によって実行されるメインルーチンを説明するフローチャートである。
【図6】図5に引続き実行されるメインルーチンを説明するフローチャートである。
【図7】図6に引続き実行されるメインルーチンを説明するフローチャートである。
【図8】図1の遊技盤において、左右の図柄列の図柄がリーチ遊技状態の組合わせとなったときの図柄表示器を示す説明図である。
【図9】図2(b)の中図柄列の図柄の一部を別の図柄に変更したときの状態を示す説明図である。
【図10】第1乃至第3の発明を具体化した第二実施形態において、制御装置によって実行されるメインルーチンの一部を説明するフローチャートである。
【図11】図10の処理により図柄が変更された中図柄列の一例を示す説明図である。
【図12】第1乃至第4の発明を具体化した第三実施形態において、制御装置によって実行されるメインルーチンの一部を説明するフローチャートである。
【図13】図12の処理により図柄が変更された中図柄列の一例を示す説明図である。
【図14】第1乃至第4の発明を具体化した第四実施形態において、制御装置によって実行されるメインルーチンの一部を説明するフローチャートである。
【図15】図14の処理により図柄が変更された中図柄列の一例を示す説明図である。
【図16】第6の発明を具体化した第五実施形態において、制御装置によって実行されるメインルーチンの一部を説明するフローチャートである。
【図17】図16の処理により外れ図柄が表示されなくなった中図柄列の一例を示す説明図である。
【図18】第7の発明を具体化した第六実施形態において、制御装置によって実行されるメインルーチンの一部を説明するフローチャートである。
【図19】図18の処理により図柄が追加された中図柄列の一例を示す説明図である。
【図20】第1乃至第4、第6及び第7の発明を具体化した第七実施形態において、制御装置によって実行されるメインルーチンの一部を説明するフローチャートである。
【図21】図20の処理により複数の図柄列が表示される図柄表示器の表示画面を示す説明図である。
【図22】第1及び第5乃至第7の発明を具体化した第八実施形態において、制御装置によって実行されるメインルーチンの一部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技機としてのパチンコ機
25 図柄表示器
26 左図柄列
27 中図柄列
28 右図柄列
29 当り図柄
31 遊技状況検出手段の一部を構成する作動ゲート用スイッチ
36 遊技状況検出手段、表示制御手段、特別遊技状態発生手段、図柄変更手段、表示禁止手段及び図柄追加手段を構成するCPU
Claims (1)
- 複数種類の図柄からなる複数の図柄列を表示するための図柄表示器と、
始動入賞領域への入賞を検出する遊技状況検出手段と、
前記遊技状況検出手段によって前記始動入賞領域への入賞が検出されると、前記図柄表示器を制御して各図柄列における図柄を変動表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段による複数の図柄列が、予め定められた大当り図柄の組合せで停止した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と
を具備した遊技機において、
最後に変動停止する最終停止図柄列が停止する前に、残りの図柄列を同じ図柄で停止させるリーチ遊技状態を発生可能とし、
遊技者によって操作される選択スイッチと、
前記リーチ遊技状態となった後、前記図柄表示器に複数の選択候補図柄列を表示し、該複数の選択候補図柄列の中から一つの図柄列が前記選択スイッチによって選択されると、前記最終停止図柄列を、選択された前記図柄列に変更する図柄変更手段と
を設けたことを特徴とする遊技機。
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