しかしながら、従来の機種においては、ブランク図柄は、一連の演出中には、常に各列の装飾図柄間に挿入されている状況であった。このため、図柄変動中には、当該ブランク図柄の存在により、特別遊技の移行と関係する装飾図柄が見え辛くなるという問題が発生するに至っている。
そこで、本発明は、有効ライン数を遊技者に認識させることを担保すると共に、図柄変動中に装飾図柄が見え辛くなるという問題が解消される手段を提供することを目的とする。
本発明(1)は、複数の第一識別情報(装飾図柄)と前記第一識別情報間に存在する第二識別情報(ブランク図柄)とにより構成される識別情報列が少なくとも一列存在する状況で、前記少なくとも一列の識別情報列について、可変表示部(装飾図柄表示部14b)において変動表示させた後、前記可変表示部(装飾図柄表示部14b)に形成された一又は複数の有効ライン(5ライン)上に、前記識別情報列の一部を構成する前記第一識別情報(装飾図柄)及び/又は前記第二識別情報(ブランク図柄)を停止表示させるよう制御する表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)と、前記有効ラインのうち少なくとも一つの有効ライン上で、停止表示された前記第一識別情報(装飾図柄)の組み合わせが所定の組み合わせの場合、遊技者にとって有利な特別遊技に移行し得る特別遊技移行決定手段(特別遊技移行決定手段110)とを備えたパチンコ遊技機において、
前記識別情報列は、前記第二識別情報(ブランク図柄)を含まない態様である特殊識別情報列を有し、
前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)が、前記識別情報列が変動表示状態にある場合には、前記特殊識別情報列を変動表示し、前記第二識別情報(ブランク図柄)を非表示状態にし、前記識別情報列が停止表示状態にある場合には、前記第二識別情報(ブランク図柄)を表示すべき位置を把握した上で、前記特殊識別情報列に前記第二識別情報(ブランク図柄)を追加表示し得るよう構成されており、ここで、停止表示状態にある前記識別情報列における、前記第一識別情報(装飾図柄)間に存在する前記第二識別情報の個数がランダムであることを特徴とするパチンコ遊技機である。
本発明(2)は、前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)が、前記識別情報列のいずれかが変動表示状態にある場合には、前記識別情報列におけるすべての前記第二識別情報(ブランク図柄)を非表示状態にし、前記識別情報列のすべてが停止表示状態となった場合には、前記第二識別情報(ブランク図柄)を表示状態にするように制御し得る、前記発明(1)のパチンコ遊技機である。
本発明(3)は、前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)が、前記識別情報列における第二識別情報(ブランク図柄)を非表示状態とする場合には、第二識別情報非表示コマンドを送信し、前記識別情報列における第二識別情報(ブランク図柄)を表示状態とする場合には、第二識別情報表示コマンドを送信する第二識別情報表示制御コマンド送信手段(表示制御コマンド送信手段340)を更に有する、前記発明(1)又は(2)のパチンコ遊技機である。
尚、本発明(1)〜(3)に加え、以下の態様を任意に組み合わせてもよい。
態様1−1は、複数の識別情報(装飾図柄とブランク図柄)により構成される識別情報列が複数存在する状況で、前記複数の識別情報列の夫々について、可変表示部(装飾図柄表示部14b)において変動表示させた後、前記可変表示部(装飾図柄表示部14b)に形成された一又は複数の有効ライン上に、前記識別情報列の一部を構成する前記識別情報(装飾図柄とブランク図柄)を停止表示させるよう制御する表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)と、前記有効ライン上で、停止表示された前記識別情報(装飾図柄)の組み合わせが所定の組み合わせの場合、遊技者にとって有利な特別遊技に移行し得る特別遊技移行決定手段(特別遊技移行決定手段110)とを備えたパチンコ遊技機において、
前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)が、前記複数の識別情報列の少なくとも一列が変動表示を終了したか又は変動終了する直前のタイミングで、内部が視認できない可動オブジェクト(トラックオブジェクト)を前記可変表示部(装飾図柄表示部14b)に登場させ、前記可動オブジェクト(トラックオブジェクト)の内部に当該列を構成する前記複数の識別情報(装飾図柄)の一部又は全部を格納した後、前記複数の識別情報(装飾図柄)の一部を前記可動オブジェクト(トラックオブジェクト)から排出して前記有効ライン上に配置する識別情報変更制御を実行することを特徴とするパチンコ遊技機である。
態様1−2は、前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)は、前記識別情報変更制御を実行し、未だ変動表示中の識別情報列の停止表示内容によっては前記所定の組み合わせとなり得るリーチ変動状態に移行させるリーチ変動状態強制構築制御を行う、前記態様1−1のパチンコ遊技機である。
態様1−3は、前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)は、前記可動オブジェクト(トラックオブジェクト)を前記可変表示部(装飾図柄表示部14b)から退場させる際に、前記識別情報変更制御を行う、前記態様1−1又は1−2のパチンコ遊技機である。
態様2−1は、複数の識別情報(装飾図柄とブランク図柄)により構成される識別情報列が複数存在する状況で、前記複数の識別情報列の夫々について、可変表示部(装飾図柄表示部14b)において変動表示させた後、前記可変表示部(装飾図柄表示部14b)に形成された一又は複数の有効ライン(5ライン)上に、前記識別情報列の一部を構成する前記識別情報(装飾図柄とブランク図柄)を停止表示させるよう制御する表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)と、前記有効ライン上で、停止表示された前記識別情報(装飾図柄)の組み合わせが所定の組み合わせの場合、遊技者にとって有利な特別遊技に移行し得る特別遊技移行決定手段(特別遊技移行決定手段110)とを備えたパチンコ遊技機であって、前記変動表示の一態様が、前記識別情報列の少なくとも一列が変動している状態から前記識別情報列の少なくとも一列が仮停止する状態までを一段階とする複数の段階から成る多段階変動表示態様であるパチンコ遊技機において、
前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)は、前記変動態様が前記多段階表示態様の場合、当該多段階表示態様を構成する各段階における仮停止の内容を決定すると共に、所定条件下、最終段階以外の段階において、仮停止した前記識別情報列の少なくとも一列を前記可変表示部(装飾図柄表示部14b)から完全に削除する一方、複数の識別情報により構成される新たな識別情報列を新たな有効ラインを構成するための要素として出現させる有効ライン再構築制御を行い得るように構成されていることを特徴とするパチンコ遊技機である。
態様2−2は、前記所定条件が、いずれかの前記有効ライン上で仮停止した識別情報(装飾図柄やブランク図柄)の組み合わせが所定態様となった場合であり、ここで、前記所定態様は、当該組み合わせを構成する少なくとも一の仮停止した識別情報(装飾図柄やブランク図柄)が、もし当該識別情報(装飾図柄やブランク図柄)以外の所定の識別情報(装飾図柄)であるときには前記所定の組み合わせとなるような態様であり、
前記所定条件を充足した場合、前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)は、前記少なくとも一の仮停止した識別情報(装飾図柄やブランク図柄)が含まれている識別情報列を削除する、前記態様2−1のパチンコ遊技機である。
態様2−3は、前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)は、削除する識別情報列の対面に新たな識別情報列を出現させるように構成されている、前記態様2−1又は2−2のパチンコ遊技機である。
態様2−4は、前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)は、前記複数の識別情報列の画像データの少なくとも一部の領域を反転させることにより前記新たな識別情報列の画像データを生成させる反転画像生成制御を行うと共に、前記複数の識別情報列と前記新たな識別情報列とを相互に逆方向に移動表示制御し得るように構成されている、前記態様2−1〜2−3のいずれか一つのパチンコ遊技機である。
態様2−5は、前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)は、前記識別情報(装飾図柄)として車両オブジェクトを表示すると共に、前記複数の識別情報列を同一方向の車線上で移動させ、前記新たな識別情報列を前記車線の反対車線上で移動させる表示制御を行うよう構成されている、前記態様2−4のパチンコ遊技機である。
態様3−1は、複数の識別情報(装飾図柄やブランク図柄)により構成される識別情報列が少なくとも一列存在する状況で、前記少なくとも一列の識別情報列の夫々について、可変表示部(装飾図柄表示部14b)において変動表示させた後、前記可変表示部(装飾図柄表示部14b)に形成された一又は複数の有効ライン上に、前記識別情報列の一部を構成する前記識別情報(装飾図柄やブランク図柄)を停止表示させるよう制御する表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)と、前記有効ライン上で、停止表示された前記識別情報(装飾図柄)の組み合わせが所定の組み合わせの場合、遊技者にとって有利な特別遊技に移行し得る特別遊技移行決定手段(特別遊技移行決定手段110)とを備えたパチンコ遊技機において、
前記表示制御手段(特別遊技移行決定手段110)が、
実在物体をモチーフとした実在オブジェクトを決定する実在オブジェクト決定手段(実在オブジェクト決定手段323b)と、
当該実在オブジェクトの表示タイミングと表示位置を決定すると共に、当該実在オブジェクトのモチーフとなった実在物体の属性に基づき、当該実在オブジェクトが識別情報(装飾図柄)に対して付与する挙動を決定するための実在オブジェクト詳細内容決定手段(実在オブジェクト詳細内容決定手段323c)と、
前記実在オブジェクト決定手段(実在オブジェクト決定手段323b)及び前記実在オブジェクト詳細内容決定手段(実在オブジェクト詳細内容決定手段323c)による決定内容に従い、前記実在オブジェクトの表示に関連したコマンドを逐次送信するための実在オブジェクト表示制御コマンド送信手段(表示制御コマンド送信手段340)と
を有することを特徴とするパチンコ遊技機である。
態様3−2は、前記実在物体(パイロン、牛、馬糞、雪だるま)が物体の平面方向の移動を遮るものである場合、前記表示制御コマンド送信手段(表示制御コマンド送信手段340)は、当該実在物体(パイロン、牛、馬糞、雪だるま)に係る実在オブジェクト(通行止めオブジェクト、牛オブジェクト、馬糞オブジェクト、雪だるまオブジェクト)の存在に基づき、前記識別情報{車両オブジェクト(装飾図柄)}の左右方向の移動を遮る識別情報強制停止コマンドを送信する、前記態様3−1のパチンコ遊技機である。
態様3−3は、前記実在物体(油、アイスバーン)が物体の平面方向の移動を促進させるものである場合、前記表示制御コマンド送信手段(表示制御コマンド送信手段340)は、当該実在物体(油、アイスバーン)に係る実在オブジェクト(油オブジェクト、アイスバーン)の存在に基づき、前記識別情報{車両オブジェクト(装飾図柄)}を左右方向に再変動させる識別情報再変動表示コマンドを送信する、前記態様3−1のパチンコ遊技機である。
態様3−4は、前記実在物体(マンホール)が物体の鉛直方向の移動を促進させるものである場合、前記表示制御コマンド送信手段(表示制御コマンド送信手段340)は、当該実在物体(マンホール)に係る実在オブジェクト(マンホールオブジェクト)の存在に基づき、前記識別情報を上下方向に再変動させる識別情報再変動表示コマンドを送信する、前記態様3−1のパチンコ遊技機である。
態様3−5は、前記実在物体(トンネル)が物体の少なくとも一部を遮蔽するものである場合、前記表示制御コマンド送信手段(表示制御コマンド送信手段340)は、当該実在物体(トンネル)に係る実在オブジェクト(トンネルオブジェクト)の存在に基づき、前記識別情報(装飾図柄)の少なくとも一部を遮蔽する識別情報遮蔽表示コマンドを送信する、前記態様3−1のパチンコ遊技機である。
態様4−1は、複数の識別情報(装飾図柄やブランク図柄)により構成される識別情報列が複数存在する状況で、前記複数の識別情報列の夫々について、可変表示部(装飾図柄表示部14b)において変動表示させた後、前記可変表示部(装飾図柄表示部14b)に形成された複数の有効ライン上に、前記識別情報列の一部を構成する前記識別情報(装飾図柄やブランク図柄)を停止表示させるよう制御する表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)と、前記有効ラインのうち少なくとも一つの有効ライン上で、停止表示された前記識別情報(装飾図柄)の組み合わせが第一群(確率変動図柄)又は第二群(通常図柄)に属する所定の組み合わせの場合、遊技者にとって有利な特別遊技への移行決定を行い、更に、前記第一群(確率変動図柄)に属する所定の組み合わせの場合には、前記第二群(通常図柄)に属する所定の組み合わせの場合と比較して、遊技者にとってより有利な状況を構築することを決定する特別遊技移行決定手段(特別遊技移行決定手段110)と、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段(特別遊技実行手段140)と備えたパチンコ遊技機において、
前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)が、前記特別遊技中、任意のタイミングで、当該特別遊技移行の契機となった前記所定の組み合わせが前記第一群(確率変動図柄)及び前記第二群(通常図柄)のいずれに属するかを前記所定の組み合わせが形成された有効ラインと関連づけた形で一体的に表示する制御を行い得ることを特徴とするパチンコ遊技機である。
態様4−2は、前記表示制御手段(装飾図柄表示制御手段320)は、夫々が少なくとも第一のパターン及び第二のパターンで点灯することが可能な、3×3に配列された9個のランプ画像から構成される方形ランプ群画像を表示すると共に、前記所定の組み合わせが前記第一群(確率変動図柄)に属する場合には、当該有効ライン上の3個のランプ画像を第一のパターンで点灯し、前記所定の組み合わせが前記第二群(通常図柄)に属する場合には、当該有効ライン上の3個のランプ画像を第二のパターンで点灯するよう制御を行う、前記態様4−1のパチンコ遊技機である。
態様4−3は、前記第一のパターンと前記第二のパターンは、互いに異なる色(赤と青)である、前記態様4−2のパチンコ遊技機である。
本発明(1)によれば、識別情報列が変動状態にある場合には、第二識別情報が非表示状態であるので、識別情報列が変動している際に、特別遊技移行と関係しない第二識別情報の存在により、特別遊技移行と関係する第一識別情報が見え難くなるという問題が解消されるという効果を奏する。また、第二識別情報が表示された際には、当該識別情報列が停止状態にあることが一目瞭然となるので、遊技者に対して識別情報列変動の始まりと終りを告知することが可能になるという効果を奏する。更に、第二識別情報の存在が不都合な変動表示(例えば、識別情報列の拡大表示演出)を行う際、当該第二識別情報に対して上記不都合を解消させる各種制御(第二識別情報を縮小させたり変形させたり行う処理)を行う必要が無くなり、当該制御に際して必要なプログラムが不要となる結果、記憶容量を小さくすることが可能となるという効果を奏する。
本発明(2)によれば、前記識別情報列のすべてが停止表示状態となった場合に、前記第二識別情報(ブランク図柄)を表示するので、最後の識別情報列が停止してからすべての第二識別情報を表示するコマンドを送信する処理を行うだけで済む。したがって、表示コマンド複数の識別情報列の各列が停止する度に、当該停止した列における第二識別情報表示のコマンドを送信するという面倒な制御処理を行う必要が無くなるという効果を奏する。
本発明(3)によれば、第二識別情報非表示コマンドと第二識別情報表示コマンドという二種類のコマンドを送信するだけで、第二識別情報の表示と非表示の制御を行うという極めて簡素化された表示処理を行っているので、複雑な表示・非表示の制御に対応可能という効果を奏する。
その他、上記態様と組み合わせたときに付加される効果を以下に記載する。
態様1−1によれば、識別情報が一旦停止した後に可動オブジェクトが登場するので、遊技者に高い期待感を抱かせると共に、内部が視認できない当該可動オブジェクト内に前記識別情報が格納されるので、一旦停止した識別情報が異なった識別情報に変わる可能性を遊技者に示唆することにより更に遊技者の気持ちを高揚させ、更に、当該可動オブジェクトから何らかの識別情報が排出されるので、排出されるまでの間、遊技者に対して緊張感を与えることが可能となる等、パチンコ遊技機に高い興趣性を付与することができると共に、一旦停止した識別情報を全く異なる識別情報に変更するに際し、遊技者を混乱させることなく、極めて自然に当該変更処理を行うことができるという効果も奏する。
態様1−2によれば、上記効果に加え、リーチ変動状態を遊技者に分かり易い形で構築できると共に、遊技者にとっても当該可動オブジェクトの登場によりリーチ状態となる期待感が高まり、遊技内容に更に深みを付与することができるという効果を奏する。
態様1−3によれば、上記効果に加え、可動オブジェクトの退場タイミングと識別情報変更タイミングを同時に行うことにより、表示制御コマンド数を減少させ得ると共に、遊技者にとってもどのタイミングで識別情報変更がなされるかが明確になり安心感を与えることができるという効果を奏する。
態様2−1によれば、識別情報が一旦仮停止した後に、識別情報列の少なくとも一列が削除され、その代わりに新たな識別情報列が登場するので、遊技者を混乱させることなく有効ライン切替を自然な形に行うことができると共に、有効ラインやリーチを構成する識別情報の組み合わせがドラスティックに変更可能である結果、遊技者に驚きと喜びを与えることができ、その結果、パチンコ遊技機に高い興趣性を付与することができるという効果を奏する。
態様2−2によれば、上記効果に加え、本来的には全くリーチ状態となり得ない配列を、自然な形でリーチ状態に移行させることが可能になるという効果を奏する。
態様2−3によれば、上記効果に加え、削除する識別情報列の対面に新たな識別情報列を出現させるように構成されているので、削除処理と出現処理を、画面をスクロールすることにより同時に行うことが可能になるという効果を奏する。
態様2−4によれば、上記効果に加え、新たな識別情報列の少なくとも一部の画像データを特に記録する必要が無くなるので、情報データ記録手段の容量を小さくすることが可能になるという効果を奏する。更に、識別情報列を横スクロールさせる態様に関しては、反転画像を逆側にスクロールさせる形になるので、自然な形での変動表示を行なうことが可能となるという効果も奏する。
態様2−5によれば、上記効果に加え、実際に存在する自動車や車線をモチーフとしているので、遊技者は、削除処理や出現処理、識別情報列の移動表示について特に説明しなくとも、前記モチーフに基づきこれらを容易に理解することができるので、遊技者にこれらの処理に違和感を持たせなくて済むという効果を奏する。
態様3−1によれば、実在物体をモチーフとして、当該実在物体の属性に基づき識別情報に対して所定の挙動を付与するよう構成されているので、遊技者は、当該実在物体に基づき、当該実在物体に係る実在オブジェクトが識別情報に対してどのような影響を与えるのかを容易に予期することが可能となるので、識別情報の変動中に登場する各種オブジェクトについて特に説明する必要が無くなるという効果に加え、遊技者の経験に矛盾しない形で遊技が進行するので、パチンコ遊技機を全く別世界のものと認識し敬遠している新規遊技者の参入を促進させるという効果も奏する。更に、識別情報の変動中に実在オブジェクトを表示させる場合には、当該実在オブジェクトに基づき、変動当初には予想できない識別情報の変動を引き起こさせることが可能になるという効果も奏する。
態様3−2によれば、遊技者に不自然さを与えない形で、識別情報を強制停止させることが可能になるという効果を奏する。
態様3−3によれば、遊技者に不自然さを与えない形で、識別情報を再変動させることが可能になるという効果を奏する。
態様3−4によれば、遊技者に不自然さを与えない形で、識別情報を変更させることが可能になるという効果を奏する。
態様3−5によれば、遊技者に不自然さを与えない形で、識別情報を部分的に遮蔽させることが可能になるという効果を奏する。
態様4−1によれば、特別遊技中に、当該特別遊技移行の契機となった組み合わせが第一群及び第二群のいずれに属するかの判断と、当該組み合わせが成立した有効ラインの場所を同時に認識することができるという効果と共に、別々に設ける必要が無くなる点で制御を簡素化することができるという効果も奏する。
態様4−2によれば、上記効果に加え、第一のパターンと第二のパターンという複数のパターンを表示可能なランプ画像を用いることにより、有効ライン上のランプ画像をいずれかのパターンで点灯するだけで、いずれの群に属する組み合わせがどの有効ライン上で揃ったかを表示することが可能になるという効果を奏する。更に、遊技状態に応じて有効ラインが変化する場合(例えば、五有効ライン→三有効ラインや一有効ライン)にも、有効ライン数の異なる別の表示画像を準備しなくとも、当該方形ランプ群画像で対応できるので、記憶容量を低下させることが可能になるという効果も奏する。
態様4−3によれば、上記効果に加え、視覚的に相違を認識し易い色を識別ツールとして採用しているので、いずれの群に属する組み合わせがどの有効ライン上で揃ったかを遊技者に確実に認識させることが可能になるという効果を奏する。
まず、本明細書における各用語の意義を明らかにした後、本発明の最良形態について詳述することとする。
「第一識別情報」とは、特別遊技移行に関連する識別情報であれば特に限定されず、内部的に当該識別情報に基づき特別遊技移行を決定する識別情報(例えば特別図柄)や、内部的には特別遊技移行の条件とはされていないが、外部的には特別遊技移行と関連しているよう振舞っている識別情報(例えば装飾図柄)を指す。「第二識別情報」とは、内部的にも外部的にも特別遊技移行に関連しない識別情報であれば特に限定されず、例えばブランク図柄を挙げることができる。更に、「識別情報」とは、視覚的に認識可能なものであれば特に限定されず、例えば、数字、文字、図柄等を挙げることができる。「複数の第一識別情報と前記第一識別情報間に存在する」とは、第一識別情報と第一識別情報の間に常に第二識別情報が存在しているということを意味するのではなく、複数の第一識別情報の間に第二識別情報が規則正しく又はランダムに存在しているということを意味しており、例えば、図45に示す配列はすべて当該概念に包含される。
次に、態様1−1〜1−3に係る用語について説明する。まず、「識別情報」とは、特別遊技移行に関連する識別情報を意味し、更に、特別遊技に関連しない識別情報との組み合わせでもよい。更に、「識別情報」とは、視覚的に認識可能なものであれば特に限定されず、例えば、数字、文字、図柄等を挙げることができる。ここで、「特別遊技移行に関連する識別情報」とは、内部的に当該識別情報に基づき特別遊技移行を決定する識別情報(例えば特別図柄)や、内部的には特別遊技移行の条件とはされていないが、外部的には特別遊技移行と関連しているよう振舞っている識別情報(例えば装飾図柄)を指す。また、「特別遊技移行に関連しない識別情報」とは、例えばブランク図柄を指す。「変動終了する直前のタイミング」とは、通常時の変動速度よりも遅くなる瞬間から停止する直前までを指す。「内部が視認できない」とは、少なくとも内部に入った識別情報の種類が特定できない程度を意味し、部分的に識別情報が視認できる程度を排除しない概念である。
次に、態様2−1〜2−5に係る用語について説明する。まず、「識別情報」とは、特別遊技移行に関連する識別情報を意味し、更に、特別遊技に関連しない識別情報との組み合わせでもよい。更に、「識別情報」とは、視覚的に認識可能なものであれば特に限定されず、例えば、数字、文字、図柄等を挙げることができる。ここで、「特別遊技移行に関連する識別情報」とは、内部的に当該識別情報に基づき特別遊技移行を決定する識別情報(例えば特別図柄)や、内部的には特別遊技移行の条件とはされていないが、外部的には特別遊技移行と関連しているよう振舞っている識別情報(例えば装飾図柄)を指す。また、「特別遊技移行に関連しない識別情報」とは、例えばブランク図柄を指す。「仮停止」とは、停止しているように振舞っているが再度変動する可能性がある状態を指す。尚、仮停止の状態のまま最終的に停止した場合も「仮停止」の概念に包含される。「削除する識別情報列の対面に新たな識別情報列を出現させる」とは、例えば、最上列又は最下列を削除する場合には最下列又は最上列を出現させ、最左列又は最右列を削除する場合には最右列又は最左列を出現させることを意味する。
次に、態様3−1〜3−5に係る用語について説明する。まず、「識別情報」とは、特別遊技移行に関連する識別情報を意味し、更に、特別遊技に関連しない識別情報との組み合わせでもよい。更に、「識別情報」とは、視覚的に認識可能なものであれば特に限定されず、例えば、数字、文字、図柄等を挙げることができる。ここで、「特別遊技移行に関連する識別情報」とは、内部的に当該識別情報に基づき特別遊技移行を決定する識別情報(例えば特別図柄)や、内部的には特別遊技移行の条件とはされていないが、外部的には特別遊技移行と関連しているよう振舞っている識別情報(例えば装飾図柄)を指す。また、「特別遊技移行に関連しない識別情報」とは、例えばブランク図柄を指す。「実在物体」とは、現在又は過去において実在していた物体を意味する。「属性」とは、当該物体が保有する性質を指す。
次に、態様4−1〜4−3に係る用語について説明する。まず、「識別情報」とは、特別遊技移行に関連する識別情報を意味し、更に、特別遊技に関連しない識別情報との組み合わせでもよい。更に、「識別情報」とは、視覚的に認識可能なものであれば特に限定されず、例えば、数字、文字、図柄等を挙げることができる。ここで、「特別遊技移行に関連する識別情報」とは、内部的に当該識別情報に基づき特別遊技移行を決定する識別情報(例えば特別図柄)や、内部的には特別遊技移行の条件とはされていないが、外部的には特別遊技移行と関連しているよう振舞っている識別情報(例えば装飾図柄)を指す。また、「特別遊技移行に関連しない識別情報」とは、例えばブランク図柄を指す。「前記第一群に属する所定の組み合わせの場合には、前記第二群に属する所定の組み合わせの場合と比較して、遊技者にとってより有利な状況を構築する」とは、例えば、第二群が特別遊技終了後に通常遊技状態に戻るのに対して、第一群が特別遊技移行後に確率変動状態(大当たり確率が通常遊技時よりも高い)や時間短縮遊技状態(始動入賞口への入賞頻度が通常遊技時よりも高い)に移行する場合、第二群が特別遊技終了後に時間短縮遊技状態に移行するのに対して、第一群が特別遊技移行後に確率変動状態に移行する場合、第一群に係る特別遊技の方が第二群に係る特別遊技よりも多い出球が期待できる場合等を挙げることができる。「特別遊技中」とは、大入賞口が開放動作を開始してから終了するまで、又は、始動入賞口への入賞に基づく特別遊技の移行抽選が禁止されている状況を指す。
以下、本発明を実施するための最良形態について説明する。尚、本発明の技術的範囲は、以下の最良形態に何ら限定されるものではない。また、以下の最良形態は、従来の第一種に係るパチンコ遊技機に係るものであるが、従来の第二種、第三種、一般電役、普通機、アレンジボール、複合機(例えば、第一種及び第二種)にも適用可能である。更には、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序や各ステップの処理を担う手段名等について、以下の形態に限定されるものではない。
はじめに、第一の最良形態に係るパチンコ遊技機の一例を、図を参照しながら説明する。図1に示すように、該パチンコ遊技機は、外枠に対して前枠が回動可能に固定されている構成を採っている。該前枠には、遊技領域1を有する遊技盤を収容する収容枠が形成されており、この収容枠に遊技盤が保持されている。該遊技盤には、内レール及び外レールにより区画された遊技領域1が形成されており、この遊技領域1に、特別図柄の表示を行う特別遊技表示部14aと装飾図柄の表示等を行う装飾図柄表示部14bとを有するディスプレー(識別情報表示部)14、打球の流入を検知可能なセンサが取り付けられている始動入賞口11、特別遊技中に所定条件で図示しないソレノイドで駆動されて開状態をとり得る大入賞口12、遊技領域へ遊技球を発射する際の発射強度を連続的又は段階的に変化させ得るハンドルを備えた遊技球発射装置10(以下、単にハンドル10という場合がある)、いずれの入賞口にも入賞しなかった打球を遊技領域外に排出するためのアウト口20が設けられている。
図2は、該パチンコ遊技機の背面であり、主制御装置(メイン基盤)100、サブ基盤15、賞球払出機構19(賞球タンク19a、賞球レール19b、賞球払出装置19c)、賞球払出制御手段(賞球制御装置)150などが、前枠裏面(遊技側と反対側)に設けられている。
次に、図3のブロック図を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の各要素について説明する。まず、主制御装置(メイン基盤)100は、各種周辺機器、即ち、始動入賞口11、大入賞口12、ディスプレー(識別情報表示部)14、サブ基盤15及び賞球払出装置18と情報伝達可能に接続されている。更に、ディスプレー14の装飾図柄表示部14bは、サブ基盤15と情報伝達可能に接続されている。尚、ディスプレー14は、特別図柄表示部14aと装飾図柄表示部14bとから成り立っており、前者は主制御装置100により、後者はサブ基盤15により制御される。更に、両者は物理的に別々のディスプレーから構成されている。以下、各要素について詳述する。
まず、主制御装置100は、遊技者に有利な特別遊技状態に移行するか否かの判定を行う特別遊技移行決定手段110と、特別図柄表示部14a上で所定時間特別図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う特別図柄表示制御手段120と、サブ基盤15側で表示制御を行うに際して必要なすべての情報{例えば、停止図柄の属性(例えば、確率変動当たり、通常当たり、外れ)、変動態様に関する情報(例えば、変動時間)、遊技状態の移行に関する情報(例えば、通常遊技、確率変動遊技、時間短縮遊技)}を送信するための情報送信手段130と、大入賞口12を所定条件で開放し続けるという特別遊技を実行するための特別遊技実行手段140と、始動入賞口11等をはじめとする各種入賞口への遊技球の入賞に基づき所定の賞球の払出を行うように賞球払出装置18を制御する賞球払出制御手段150とを有する。ここで、特別遊技移行決定手段110は、始動入賞口11へ遊技球が入賞したか否かを判定する始動入賞口入賞判定手段111と、始動入賞口11への遊技球の入賞に基づき乱数を取得するか否かを判定すると共に判定結果に応じて遊技内容決定乱数(例えば、当選乱数、特別図柄演出内容決定乱数、特別図柄決定乱数等)を取得する乱数取得判定実行手段112と、取得した遊技内容決定乱数に基づく図柄変動が許可されていない場合に当該乱数を記録するための保留情報記録手段113と、遊技内容決定乱数に基づき、特別図柄の停止図柄と変動態様(変動時間等)を決定する図柄内容決定手段114とを有している。また、特別図柄表示制御手段120は、前記図柄内容決定手段114により決定された変動時間を管理するための図柄変動時間管理手段121を更に有している。ここで、図柄変動時間管理手段121は、更にゼロクリア可能なタイマ121a(デクリメントカウンタ)を有している。
次に、主制御装置の周辺機器の内、サブ基盤15について詳述する。ここで、サブ基盤15は、以下で詳述するように、表示制御実行手段200と表示制御指示手段300とから成り立っている。まず、表示制御実行手段200は、基本的には表示制御指示手段300からの指示(コマンド)に基づき、画像処理に関する具体的作業を行う手段である。ここで、表示制御実行手段200は、表示制御指示手段300からの各種画像の表示制御に関するコマンドを受信するための表示制御コマンド受信手段210と、装飾図柄表示部14bに表示される各種画像データが記録されている画像データ記録手段220と、例えば、装飾図柄表示部14bに表示される動画像や静止画像を展開したり、複数の画像データを合成して新たな画像を生成するなどの作業を行うための作業領域(メモリ)230と、「反対車線リーチ」における第三列の装飾図柄列を生成するための反転図柄生成手段240とを有している。ここで、画像データ記録手段220は、装飾図柄に関連する、車オブジェクトデータや数字データを記録するための装飾図柄関連画像データ記録手段221を更に有している。また、作業領域230は、画像データの合成や修正などを行う画像データ編集用作業領域231と、装飾図柄表示部14bに表示される動画像や静止画像を展開するための画像表示用作業領域232とを有している。更に、当該画像表示用作業領域232は、表示エリア232aと非表示エリア232bとを有している。ここで、当該表示エリア232aで展開されている画像(動画像)は、装飾図柄表示部14b上に表示され、他方、当該非表示エリア232bで展開されている画像(動画像)は、装飾図柄表示部14b上には表示されない。但し、表示制御指示手段300からのスクロール指示に基づき、非表示エリア232bの一部が表示エリア232aに変わる結果、当該非表示エリア232bの一部で展開されていた画像(動画像)が装飾図柄表示部14b上で表示されることになると共に、表示エリア232aの一部が非表示エリア232aに変わる結果、当該表示エリア232aの一部で展開されていた画像(動画像)が装飾図柄表示部14b上で表示されなくなる。
次に、表示制御指示手段300について詳述する。表示制御指示手段300は、基本的に、装飾図柄の演出内容等について、表示制御実行手段200側に具体的指示を出すよう機能する。ここで、サブ側表示制御装置300は、主制御装置100側から表示情報(例えば、図柄の属性や変動時間等)を受信するための表示情報受信手段310と、装飾図柄の演出内容について表示制御実行手段200に具体的指示を与えるための装飾図柄表示制御手段320と、特別遊技中の表示内容、特に大当りの属性と有効ラインの表示を行うよう表示制御実行手段200に具体的指示を与えるための特別遊技中表示制御手段330と、表示制御実行手段200側に装飾図柄の演出内容等に関するコマンドを送信するための表示制御コマンド送信手段340とを有する。ここで、特別遊技中表示制御手段330は、後述の図柄情報記録手段322aにアクセスして大当り図柄に関する情報(属性や有効ライン)を取得する大当たり図柄情報取得手段331を更に有している。以下、装飾図柄表示制御手段320について詳述する。
装飾図柄表示制御手段320は、ある保留について変動許可が下りたときに、主制御装置100側からの表示情報に基づき、装飾図柄の停止図柄や変動態様を具体的に決定するための装飾図柄演出決定手段321と、前記装飾図柄演出決定手段321で決定された図柄情報を管理する図柄情報管理手段322と、図柄変動中に実在オブジェクトを表示させるか否か、また、表示させる場合にはどのような実在オブジェクトをどのタイミングでどの位置に設置するか等を決定し実行するための実在オブジェクト判定実行手段323と、装飾図柄演出決定手段321や実在オブジェクト判定実行手段323による決定に基づき、各種コマンドを表示制御実行手段200に送信するタイミングを管理するためのコマンド送信タイミング管理手段324とを有している。
ここで、装飾図柄演出決定手段321は、主制御装置100側からの表示情報に基づき、装飾図柄表示部14bに表示される図柄の停止図柄(確定図柄)を決定するための装飾図柄決定手段321aと、装飾図柄表示部14bに表示される図柄の具体的な変動態様を決定するための装飾図柄変動態様決定手段321bと、装飾図柄表示部14bに表示される停止図柄(確定図柄)における各ブランク図柄の位置情報を取得するためのブランク図柄情報取得手段321cと、前記装飾図柄変動態様決定手段321bで決定された変動態様がリーチ演出である場合、当該リーチ演出を構成する各段階における変動時間及び各段階における停止図柄(一時的な停止図柄や一部の列のみの停止図柄も含む)等を把握するためのリーチ演出詳細内容把握手段321dとを更に有している。
ここで、装飾図柄決定手段321aは、主制御装置100側からの表示情報に基づき、ある有効ライン(後述するように、当該停止図柄配列を決定する時点では、有効ライン自体は未決定)における停止図柄配列を決定するための特定有効ライン上装飾図柄決定手段321a1と、当該停止図柄配列が形成される有効ラインを決定するための特定有効ライン決定手段321a2と、特定有効ラインと当該有効ライン上の停止図柄配列が決定された後、装飾図柄表示部14b上でのすべての停止図柄を決定するための全有効ライン上装飾図柄決定手段321a3とを更に有している。
また、装飾図柄変動態様決定手段321bは、変動時間毎に各種の変動態様が用意されている、具体的な変動態様を決定するために参照される変動態様決定テーブル321b1と、変動態様としてリーチ演出が選択された場合、当該リーチ演出を構成する各段階における停止図柄(一時的な停止図柄や一部の列のみの停止図柄も含む)等を決定するためのリーチ演出詳細内容決定手段321b2とを有している。
また、図柄情報管理手段322は、特定有効ラインの場所、特定有効ライン上の停止図柄及びその属性、変動態様時間、変動態様がリーチ演出である場合には、当該リーチを構成する各段階の開始及び終了時間と各段階における停止図柄(仮停止図柄、確定停止図柄)等を記録するための図柄情報記録手段322aを更に有している。
また、実在オブジェクト判定実行手段323は、現在の演出モード(「街モード」、「田舎モード」、「雪モード」)を確認するための演出モード確認手段323aと、実在オブジェクトを表示させるか否かを決定する実在オブジェクト決定手段323bと、実在オブジェクトを表示させる場合、どのような実在オブジェクトを、どのようなタイミングで表示させるか等を決定するための実在オブジェクト詳細内容決定手段323cと、演出モード毎に、実在オブジェクトの内容と図柄に対する挙動が記録されている実在オブジェクトテーブル323dを更に有している。
また、コマンド送信タイミング管理手段324は、装飾図柄表示部14b上に表示されている各種図柄やオブジェクト等の位置を監視するための図柄位置監視手段324aと、各種コマンドの送信時間を管理するための時間管理手段324bとを有している。ここで、時間管理手段324bは、更にタイマ324b1を有している。
次に、本最良形態に係る処理の流れを説明する。まず、図4は、主制御装置100が行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。図4に示すように、主制御装置100は、第1種特別遊技決定用乱数取得処理300、第1種特別遊技移行決定・特別図柄表示処理400、第1種特別遊技実行処理500、賞球払出処理600の各処理をループして行っている。そして、各処理の条件が成立した際、当該処理を行うこととし、当該条件が不成立の場合には当該処理をスキップしている。各処理の概要を説明する(以下で詳述されている処理を除く)と、賞球払出処理600は、すべての入賞口(始動入賞口、大入賞口等)への入賞を受け、賞球払出制御手段150が、賞球払出装置18を駆動して行う、所定個数の賞球払出処理である。
次に、図5のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る第1種特別遊技決定用乱数取得処理300について説明する。まず、ステップ302で、始動入賞口入賞判定手段111が、始動入賞口11に入賞したか否かを判定する。ステップ302でYesの場合、ステップ304で、乱数取得判定実行手段112は、保留情報記録手段113を参照し、保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ304でYesの場合、ステップ306で、乱数取得判定実行手段112は、遊技内容決定乱数(当選乱数、特別図柄変動態様決定乱数、特別図柄決定乱数等)を取得し、次の処理(第一種特別遊技移行決定・特別図柄表示処理400)に移行する。尚、ステップ302及びステップ304でNoの場合も、次の処理(第一種特別遊技移行決定・特別図柄表示処理400)に移行する。
次に、図6のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る第1種特別遊技決定・特別図柄表示処理400について説明する。まず、ステップ402で、特別遊技移行決定手段110は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する。ステップ402でYesの場合、ステップ404で、図柄内容決定手段114が、当選乱数及び特別図柄決定乱数に基づいて特別図柄に関する停止図柄を決定すると共に、特別図柄変動態様決定乱数に基づいて特別図柄の変動態様を決定する。次に、ステップ406で、情報送信手段130が、ステップ404で決定した特別図柄に関する情報をサブ側に送信する。次に、ステップ408で、図柄変動時間管理手段121が、所定時間(前記図柄内容決定手段114が決定した図柄の変動時間)をタイマ121aにセットする。次に、ステップ410で、特別図柄表示制御手段120は、特別図柄表示部14a上で、前記図柄内容決定手段114により決定された変動態様に従い、特別図柄の変動表示を開始する。そして、ステップ412で、図柄変動時間管理手段121が、前記所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ412でYesの場合、ステップ414で、情報送信手段130が、所定時間に到達した旨のコマンドをサブ側に送信する。次に、ステップ416で、特別図柄表示制御手段120は、特別図柄表示部14a上での特別図柄の変動表示を停止し、前記図柄内容決定手段114により決定された停止図柄を確定停止図柄として表示制御する。次に、ステップ418で、特別遊技移行決定手段110は、特別図柄表示部14a上で停止した特別図柄が特定態様(当たり)であるか否かを判定し、特定態様である場合には、ステップ420で、第1種特別遊技実行フラグをオンにし、次の処理(第1種特別遊技実行処理500)に移行する。尚、ステップ402でNoの場合、ステップ424で、特別遊技移行決定手段110は、特別図柄が変動中であるか否かを判定する。ステップ424でYesの場合、ステップ412に移行する。尚、ステップ412、ステップ418及びステップ424でNoの場合も、次の処理(第1種特別遊技実行処理500)に移行する。
次に、図7のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る第1種特別遊技実行処理500について説明する。まず、ステップ502で、特別遊技実行手段140が、第一種特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ502でYesの場合、ステップ504で、情報送信手段130は、サブ側に特別遊技開始信号を送信する。次に、ステップ505で、特別遊技実行手段140は、第一種特別遊技実行フラグをオフにする。次に、ステップ506で、特別遊技実行手段140は、第一種特別遊技実行継続フラグをオンにし、ステップ510に移行する。他方、ステップ502でNoの場合、ステップ508で、特別遊技実行手段140は、特別遊技実行継続フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ステップ508でYesの場合には、ステップ510に移行する。尚、ステップ508でNoの場合には、特別遊技実行手段140は、特別遊技の許可が下りていないと判定し、次の処理(賞球払出処理600)に移行する。
次に、ステップ510で、特別遊技実行手段140は、ラウンド継続フラグがオンであるか否か、換言すれば、当該ラウンドが途中であるか否かを判定する。ステップ510でYesの場合、即ち、当該ラウンドが途中である場合、以下で詳述するステップ512〜518の処理を行うことなく、ステップ520に移行する。他方、ステップ510でNoの場合、即ち、当該ラウンドの開始直前である場合、まず、ステップ512で、特別遊技実行手段140は、タイマをゼロクリアすると共に所定値(例えば30秒)セットする。次に、ステップ514で、特別遊技実行手段140は、入賞球カウンタをゼロクリアする。そして、ステップ516で、特別遊技実行手段140は、ラウンド数カウンタに1を加算する。尚、ラウンド数カウンタ内に記録されているラウンド数は、特別遊技開始直後(初期値)は0であり、以後ラウンドを重ねていく毎に1ずつインクリメントされる。次に、ステップ518で、特別遊技実行手段140は、ラウンド継続フラグをオンにし、ステップ520に移行する。
次に、ステップ520で、特別遊技実行手段140は、大入賞口12のソレノイドを駆動して大入賞口12を開放する。そして、ステップ522で、特別遊技実行手段140は、入賞球カウンタを参照して当該ラウンドで所定球(例えば10球)の入賞球があったか否かを判定する。ステップ522でYesの場合には、ステップ526に移行する。他方、ステップ522でNoの場合、ステップ524で、特別遊技実行手段140は、タイマを参照して所定時間が経過したか否かを判定する。ステップ524でYesの場合には、ステップ526に移行し、Noの場合には、次の処理(賞球払出処理600)に移行する。
次に、ステップ526で、特別遊技実行手段140は、ソレノイドの駆動を停止して大入賞口12を閉鎖する。そして、ステップ528で、特別遊技実行手段140は、ラウンド継続フラグをオフにする。次に、ステップ530で、特別遊技実行手段140は、ラウンド数カウンタを参照して、当該ラウンドが最終ラウンドか否かを判定する。ステップ530でYesの場合、特別遊技実行手段140は、第一種特別遊技実行継続フラグをオフにし、次の処理(賞球払出処理600)に移行する。尚、ステップ524及びステップ530でNoの場合にも、次の処理(賞球払出処理600)に移行する。
次に、図8のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機におけるサブ基板側で行なわれる装飾図柄表示制御処理1000について詳述する。まず、ステップ1003で、表示情報受信手段310は、特別図柄に関する変動態様情報(例えば、変動時間に関する情報)及び停止図柄情報(例えば、当たり図柄表示をすべきか外れ図柄表示をすべきか、また、当たり図柄表示をすべき場合には確率変動図柄表示をすべきか否か等の情報)をメイン側(主制御装置100側)より受信したか否かを判定する。ステップ1003でYesの場合、ステップ1006で、特定有効ライン上装飾図柄決定手段321a1は、前記変動態様情報と前記停止図柄情報に基づき、特定の有効ライン、即ち、5個の有効ラインの内の任意の一ライン(現段階では未決定)上の停止図柄を決定する。次に、ステップ1009で、特定有効ライン決定手段321a2、前記特定の有効ラインを決定する。次に、ステップ1010で、図柄情報管理手段322は、ステップ1006及びステップ1009で決定された停止図柄及び該停止図柄に基づくその属性(即ち、確率変動図柄か通常図柄か)及び有効ラインに関する情報を図柄情報記録手段322aに記録する。次に、ステップ1012で、全有効ライン上装飾図柄決定手段321a3は、前記停止図柄と前記特定の有効ラインに基づき、全有効ライン上の全停止図柄を決定する。同様に、図柄情報管理手段322は、図柄情報記録手段322aに当該情報を記録する。
ここで、図13を参照しながら、ステップ1003からステップ1012における各処理を具体例と共に詳述する。尚、図中、最右欄に記載の「OK」及び「NG」に関しては、前者は、その左隣に記載の有効ラインを採ることが許容されることを意味し、後者は、その左隣に記載の有効ラインを採ることが許容されないことを意味する。まず、メインからの停止図柄情報が「当たり(確率変動)」であった場合、特定有効ライン上装飾図柄決定手段321a1は、特別遊技終了後に確率変動となる当たり図柄配列(例えば、「111」、「333」、「555」、「777」、「999」)からいずれか一つを選択する。本例では、「777」が選択されている。次に、特定有効ライン決定手段321a2は、当該「777」を5個の有効ライン(左ライン、右ライン、中央ライン、右上がりライン、右下がりライン)の内、どの有効ライン(特定の有効ライン)上に配置するかを決定する。例えば、図13では「中央ライン」と「右下がりライン」を選択した場合が示されている。そして、特定の有効ラインを決定した後、全有効ライン上装飾図柄決定手段321a3が、すべての有効ライン上の図柄を決定する。例えば、「中央ライン」が特定有効ラインであり、「777」が停止図柄である場合には、全有効ライン上の全停止図柄は「A」で示されるものとなる。また、同じ停止図柄であっても特定有効ラインが異なると、全有効ライン上の全停止図柄は異なったものとなり、例えば、「右下がりライン」が特定有効ラインであり、「777」が停止図柄である場合には、「B」で示されるものとなる。次に、メインからの停止図柄情報が「当たり(通常)」であった場合、特定有効ライン上装飾図柄決定手段321a1は、特別遊技終了後に通常状態となる当たり図柄配列(例えば、「000」、「222」、「444」、「666」、「888」)からいずれか一つを選択する。本例では、「222」が選択されている。そして、特定有効ラインが「左ライン」である場合には、全有効ライン上の全停止図柄はCで示されるものとなり、「右上がりライン」である場合には、全有効ライン上の全停止図柄はDで示されるものとなる。次に、メインからの停止図柄情報が「外れ」であった場合、特定有効ライン上装飾図柄決定手段321a1は、外れ図柄となるような組み合わせを決定する。本例では、「232」が選択されている。次に、特定有効ライン決定手段321a2は、当該「232」をいずれの有効ライン(特定の有効ライン)上に配置するかを決定する。ところで、外れ図柄の組み合わせによると、当該特定の有効ライン上で「232」と外れとなる組み合わせが表示されていても、別の有効ライン上で当たりとなる組み合わせが配列する可能性がある。例えば、「232」を右ラインや右上がりラインに配置すると、全有効ライン上の全停止図柄はEやFで示されるものとなり問題とならないが、右下がりラインに配置した場合には、全有効ライン上の全停止図柄はGとなり、右上がりラインに「333」が形成されてしまう結果となる。そこで、特定有効ライン決定手段321a2は、特定有効ライン以外の有効ラインで当たり図柄配列とならないような有効ラインを選択する。また、別の例として、特定有効ライン上装飾図柄決定手段321a1が、「B6B」(ここで、Bはブランクを意味する)を選択した場合には、全有効ライン上装飾図柄決定手段321a3が、例えば、HやIで示すような、特定有効ライン以外の有効ラインで当たり図柄配列とならないような図柄を選択し、Jで示すような、特別有効ライン以外の有効ライン(中央ライン)で当り図柄となるような図柄を送信しないようにする。
図8のフローチャートに戻ると、ステップ1015で、ブランク図柄情報取得手段321cは、全有効ライン上の全ブランク図柄の位置情報を取得し、図柄情報管理手段322は、図柄情報記録手段322aに当該情報を記録する。次に、ステップ1016で、装飾図柄変動態様決定手段321bは、ステップ1006で受信した変動態様情報等に基づき、変動態様決定テーブル321b1を参照し、変動時間がメイン側から指定された変動時間と同一の変動態様群の中から一つの変動態様を選択し、図柄情報管理手段322は、図柄情報記録手段322aに当該情報を記録する。次に、ステップ1018で、リーチ演出詳細内容決定手段321b2は、当該変動態様がリーチ態様であるか否かを判定する。そして、ステップ1018でYesの場合、ステップ1021で、リーチ演出詳細内容把握手段321dは、図柄情報記録手段322を参照して、選択された当該リーチ態様を構成する一又は複数の各段階における、停止図柄及び停止位置並びに当該段階の開始時間及び終了時間といった、当該リーチ演出の詳細を把握し、当該情報を重ねて図柄情報記録手段322aに記録する。
ここで、図14を参照しながら、ステップ1018における「一又は複数の段階」の概念について例示的に説明する。まず、図中の「一段階」の項目では、すべての装飾図柄列が変動を開始した後(ア−1)、等間隔の時間をおいて順番に又は同時に、すべての装飾図柄列が停止する態様(ア−2)が示されている。次に、図中の「二段階(1)」の項目では、すべての装飾図柄列が変動を開始した後(イ−1)、第一の装飾図柄列及び第二の装飾図柄列が、等間隔の時間をおいて順番に又は同時に停止した後(イ−2)、第三の装飾図柄列がそれよりも長い時間変動して停止する態様(イ−3)が示されている。ここで、第一段階とは、(イ−1)〜(イ−2)までを、第二段階とは、(イ−2)〜(イ−3)までを指す。次に、図中の「二段階(2)」の項目では、すべての装飾図柄列が変動を開始した後(ウ−1)、第一の装飾図柄列〜第三の装飾図柄列が、等間隔の時間をおいて順番に又は同時に停止した後(ウ−2)、第一の装飾図柄列が再変動を開始し(ウ−3)、所定時間経過後に停止する態様(ウ−4)が示されている。ここで、第一段階とは、(ウ−1)〜(ウ−2)までを、第二段階とは、(ウ−3)〜(ウ−4)までを指す。
図8のフローチャートに戻ると、ステップ1024で、表示制御コマンド送信手段340は、図柄情報記録手段322を参照して、決定した変動態様の実行コマンドを表示制御実行手段200側に送信する。尚、当該表示制御実行手段200側では、この実行コマンドを受けて、すべての装飾図柄列の変動表示を開始し、当該決定に従った変動表示(演出)を行なうこととなる。そして、ステップ1027で、表示制御コマンド送信手段340は、図柄情報記録手段322を参照して、ブランク非表示コマンドを送信する。尚、当該表示制御実行手段200側では、このブランク非表示コマンドを受けて、ブランクが含まれない装飾図柄列の変動表示を行なうこととなる。次に、ステップ1100で、後述の実在オブジェクト実行処理を行う。次に、ステップ1030で、装飾図柄表示制御手段320は、前記変動態様として「トラックリーチ」が選択されているか否かを判定する。ステップ1030でYesの場合には、ステップ1200で、後述のトラックリーチ演出制御処理を行う。そして、ステップ1033で、装飾図柄表示制御手段320は、前記変動態様として「反対車線リーチ」が選択されているか否かを判定する。ステップ1033でYesの場合には、ステップ1300で、後述の反対車線リーチ演出制御処理を行い、ステップ1036に移行する。
次に、ステップ1036で、表示情報受信手段310は、メイン側から所定時間(変動態様の終了時間)が到達した旨のコマンド(図6のステップ414参照)を受信したか否かを判定する。ステップ1036でYesの場合、ステップ1039で、表示制御コマンド送信手段340は、前記全停止図柄、即ち、すべての有効ライン上のすべての確定停止図柄を表示する旨のコマンドを表示制御実行手段200に送信する。尚、当該コマンドを受信した表示制御実行手段200は、ステップ1027でのブランク図柄非表示コマンドが未だ有効な状態であるので、全有効ライン上に配置すべき停止図柄の内、ブランク図柄を除く装飾図柄のみを装飾図柄表示部14b上で表示することになる。次に、ステップ1042で、表示制御コマンド送信手段340は、図柄情報記録手段322を参照して、当該位置にブランク図柄を表示する旨のコマンドを表示制御実行手段200に送信する。尚、当該コマンドを受信した表示制御実行手段200は、ブランク図柄表示が許可されている状況となったので、非表示状態であったブランク図柄を装飾図柄表示部14b上に表示し、その結果、全有効ライン上の全確定停止図柄が表示されることになる。次に、ステップ1043で、図柄情報管理手段322は、図柄情報記録手段322aを参照することにより、当該停止図柄は当たりか否かを判定し、ステップ1043でNoの場合には、ステップ1044で、図柄情報管理手段322は、図柄情報記録手段322aの図柄情報データをクリアし、次の処理に移行する。尚、ステップ1003でNoの場合及びステップ1043でYesの場合にも次の処理に移行する。また、ステップ1018でNoの場合にはステップ1024に移行し、ステップ1030でNoの場合にはステップ1033に移行し、ステップ1036でNoの場合にはステップ1043に移行する。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機のサブ基盤側で行われる実在オブジェクト実行処理1100について詳述する。まず、ステップ1103で、実在オブジェクト判定実行手段323は、実在オブジェクトテーブル323dを参照しながら、図柄情報記録手段322の記録情報に基づき、実在オブジェクトを表示するか否かを判定する。
尚、どのような場合に実在オブジェクト表示許可を出すかに関しては、本最良形態においては、当該処理に先立ち、ステップ1012、ステップ1016及びステップ1021で、「全停止図柄」、「変動態様」及び「各段階における停止図柄と停止位置」を予め決定しているので、実在オブジェクトを配置して図柄に対して何らかの挙動を付与した結果、これらの何れかでも達成不能になる場合には、実在オブジェクトの表示許可を出さないように構成されている。例えば、決定された変動態様が変動時間が10秒であるものである状況において、当該オブジェクトを配置した結果、図柄配列の停止時間が更に15秒延びるような場合には、当該実在オブジェクトの配置を行わない。但し、実在オブジェクトを配置しても図柄に対して何らの挙動も付与しない場合には、当該オブジェクトの配置を行っても問題は生じない。尚、本最良形態においては、変動態様がリーチ態様である場合、遊技者に期待感を抱かせるために、実在オブジェクトの表示許可を多く出すように構成されている。
次に、ステップ1106で、演出モード確認手段323aは、現在の演出モード(街モード、田舎モード、雪モード)を確認する。そして、ステップ1109で、実在オブジェクト決定手段323bは、実在オブジェクトテーブル323dを参照して、現在の演出モードに応じた実在オブジェクトを決定すると共に、実在オブジェクト詳細内容決定手段323cは、例えば、「全停止図柄」、「変動態様」又は「各段階における停止図柄と停止位置」等に基づき、当該実在オブジェクトの位置と配置タイミングを決定する。
ここで、図15に実在オブジェクトテーブル323dを示す。本最良形態に係るパチンコ遊技機においては、「街モード」、「田舎モード」及び「雪モード」という三つのモードが存在し、所定のタイミングでモード移行するように構成されている(例えば、ある変動態様がリーチ状態であった場合、当該変動態様がモード移行の契機となり、次の保留に係る変動状態でモード移行が実行される)。例えば、街モードの場合、「マンホール」、「水溜り」、「パイロン」、「油」、「トンネル」という五つの実在オブジェクトが用意されている。そして、「マンホール」は、当該マンホールの位置で図柄が停止した場合、マンホールの蓋が外れ、当該図柄が落下するといった挙動を付与する。その結果、新たな図柄がマンホールの中から登場し、例えばリーチ態様となったり大当りとなる。また、「水溜り」や「油」は、当該水溜りや当該油の位置で図柄が停止しかかった場合、当該図柄がすべり、再変動を開始させるといった挙動を付与する。尚、再変動の程度は、例えば次のコマで停止するといった小さいものから、十数コマ以上変動するといった大きいものまでを含む。「パイロン」は、当該パイロンの位置に図柄が到達した場合、当該図柄はこれ以上進行できないので強制的に停止するといった挙動を付与する。「トンネル」は、当該トンネル内に図柄が進入した場合、一部を遮蔽するという挙動を付与する。田舎モードの場合、「牛」、「馬糞」という二つの実在オブジェクトが用意されている。そして、「牛」は、当該牛の位置に図柄が到達した場合、当該図柄はこれ以上進行できないので強制的に停止するといった挙動を付与する。また、「馬糞」は、当該馬糞の位置を図柄が通過する場合、当該馬糞の存在により当該図柄が減速されるといった挙動を付与する。更に、雪モードは、「アイスバーン」、「雪だるま」という二つの実在オブジェクトが用意されている。そして、「アイスバーン」は、当該アイスバーンの位置で図柄が停止しかかった場合、当該図柄がすべり、再変動を開始させるといった挙動を付与する。尚、再変動の程度は、例えば次のコマで停止するといった小さいものから、十数コマ以上変動するといった大きいものまでを含む。また、「雪だるま」は、当該雪だるまの位置に図柄が到達した場合、当該図柄はこれ以上進行できないので強制的に停止するといった挙動を付与する。
図9のフローチャートに戻ると、ステップ1112で、実在オブジェクト判定実行手段323は、ステップ1109で決定した実在オブジェクトの配置タイミング(配置時間)に到達したか否かを、タイマ324b1を参照して判定する。ステップ1112でYesの場合、ステップ1115で、表示制御コマンド送信手段340は、ステップ1109での決定に従い、当該実在オブジェクトを所定位置に配置するコマンドを表示制御実行手段200に送信する。次に、ステップ1118で、図柄位置監視手段324aは、当該実在オブジェクトの位置に装飾図柄が到達したか否かを判定する。具体的には、図柄位置監視手段324aは、当該実在オブジェクトが配置された場所を通過する図柄列に着目し、当該図柄列を構成する装飾図柄の夫々の位置データ(又は時間データ)を取得し、当該位置データが当該実在オブジェクトの位置データと同じであるか否か(又は時間データの場合には当該オブジェクトに到達する時間に達したか否か)を判定する。
ステップ1118でYesの場合、ステップ1119で、実在オブジェクト判定実行手段323は、当該実在オブジェクトの位置に到達した装飾図柄に対し、当該実在オブジェクトの挙動を付与してもよいか否かを判定する。即ち、例えば、「マンホール」の実在オブジェクトの場合、マンホール上に停止したことを条件としてマンホールに落下する挙動を示すものである。したがって、単にマンホール上をある装飾図柄が通過した場合(この場合も、当該装飾図柄の位置データは実在オブジェクトの位置データと一瞬同じになる)には、当該装飾図柄に挙動を付与せず、マンホール上に停止した場合に限り、マンホールの挙動を付与するというものである。
ステップ1119でYesの場合、ステップ1121で、表示制御コマンド送信手段340は、当該実在オブジェクトに対応したコマンドを表示制御実行手段200に送信し、次の処理(ステップ1030)に移行する。因みに、当該コマンドを受信した表示制御実行手段200は、当該実在オブジェクトに対応した挙動を、当該実在オブジェクトの位置に現在存在する装飾図柄に対して付与した表示を装飾図柄表示部14b上で行うことになる。尚、ステップ1103、ステップ1112、ステップ1118及びステップ1119でNoの場合には、次の処理(ステップ1030)に移行する。
次に、図10のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機のサブ基盤側で行われるトラックリーチ演出制御処理1200について詳述する。まず、ステップ1203で、リーチ演出詳細内容決定手段321b2が、実在オブジェクトテーブル323dを参照しながら、当該トラックオブジェクトを当該リーチ演出の何段階目に登場させるか等を考慮した上で、トラックオブジェクトの登場時間と退場時間を決定する。そして、ステップ1206で、時間管理手段324bが、タイマ324b1を参照して、前記登場時間に到達したか否かを判定する。ステップ1206でYesの場合、ステップ1209で、表示制御コマンド送信手段340は、トラックオブジェクト登場コマンドを表示制御実行手段200に送信する。因みに、表示制御実行手段200側では、当該コマンドを受け、画面左からバックしながら登場する演出を装飾図柄表示部14b上で行うことになる。次に、ステップ1212で、図柄位置監視手段324aは、トラックオブジェクトの位置に何らかの装飾図柄が到達したか否かを判定する。具体的に説明すると、トラックオブジェクトは、バックしながら画面左から右に移動し(画面右端まで到達すると停止する)、他方、当該トラックオブジェクトが登場するライン上の図柄列は、画面右から左に移動するという状況下、両者がかち合うタイミングを監視している。そして、ステップ1212でYesの場合、ステップ1215で、表示制御コマンド送信手段340は、トラックオブジェクト内に当該装飾図柄を搬入表示するコマンドを表示制御実行手段200に送信する。因みに、装飾図柄表示部14b上では、当該コマンドを受け、当該トラックオブジェクトとかち合った装飾図柄は、当該装飾図柄の移動(及び場合により当該トラックオブジェクトの移動)につれて、当該トラックオブジェクト内に搬入されることになる。次に、ステップ1218で、時間管理手段324bが、ステップ1203で決定した退場時間に到達したか否かを判定する。そして、ステップ1218でYesの場合には、ステップ1221で、表示制御コマンド送信手段340は、トラックオブジェクト退場コマンドを表示制御実行手段200に送信する。因みに、装飾図柄表示部14b上では、当該コマンドを受け、トラックオブジェクトを画面右端から左に走行させる演出を行うことになる。そして、ステップ1224で、表示制御コマンド送信手段340は、実在オブジェクトテーブル323dを参照しながら、ステップ1021で決定した当該段階での停止図柄と停止位置となるよう、当該トラックオブジェクトの退場に伴い当該トラックオブジェクト内から当該停止図柄を搬出し、かつ、搬出された当該停止図柄を当該停止位置に配置するコマンドを表示制御実行手段200に送信し、次の処理(ステップ1033)に移行する。尚、ステップ1206、ステップ1212及びステップ1218でNoの場合にも、次の処理(ステップ1033)に移行する。
次に、図11のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機のサブ基盤側で行われる反対車線リーチ演出制御処理1300について詳述する。まず、ステップ1303で、時間管理手段324bが、反対車線リーチ演出を行うタイミングに到達したか否か、換言すれば、ステップ1021で決定された当該段階の開始時間に到達したか否かを判定する。尚、当該タイミングにおいては、装飾図柄表示部14b上では、第一列〜第三列はいずれも停止しており、ある有効ライン上では、第二列と第三列に停止した装飾図柄が同一であり、第一列に停止した装飾図柄のみが異なる状態となっている。ステップ1303でYesの場合、ステップ1306で、表示制御コマンド送信手段340は、反転図柄の生成コマンドを表示制御実行手段200に送信し、これを受けて、反転図柄生成手段240は、図柄画像データ記録手段220中に記録されている右向きの車オブジェクトデータを画像データ編集用作業領域230上で左向きに反転させる処理を行う。続いて、ステップ1309で、反転図柄生成手段240は、当該反転した車オブジェクトデータと、同じく図柄画像データ記録手段220中に記録されている数字画像データとを画像データ編集用作業領域230上で合成し、反転装飾図柄画像列を構築する。次に、ステップ1312で、表示制御コマンド送信手段340は、画像表示用作業領域232の非表示エリア232bで当該反転装飾図柄列の変動を開始するコマンドを、表示制御実行手段200に送信する。尚、この状態においては、画像表示作業領域230上では、当該反転装飾図柄画像列は変動している(データ更新されている)が、装飾図柄表示部14b上では、その変動態様が見えない状況である。次に、ステップ1315で、表示制御コマンド送信手段340は、第一列を非表示エリア232bにシフトさせると共に、当該反転装飾図柄列を表示エリア232aにシフトさせる垂直スクロールコマンドを表示制御実行手段200に送信し、次の処理(ステップ1036)に移行する。尚、ステップ1303でNoの場合も、次の処理(ステップ1036)に移行する。
次に、図12のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機のサブ基盤側で行われる特別遊技中大当たり図柄表示処理1400について詳述する。まず、ステップ1403で、表示情報受信手段310は、主制御装置100側から特別遊技開始信号(図7のステップ503参照)を受信したか否かを判定する。ステップ1403でYesの場合、ステップ1406で、大当たり図柄情報取得手段331は、図柄情報記録手段322aに記録されている大当たり図柄と有効ラインに関する情報を取得し、次に、ステップ1409で、特別遊技中表示制御手段330は、当該大当たり図柄は確率変動図柄か否かを、取得した図柄の属性情報に基づいて判定する。そして、ステップ1409でYesの場合には、ステップ1412で、特別遊技中表示制御手段330が、有効ラインを赤色に点灯させるコマンドをセットした後、表示制御コマンド送信手段340が、当該コマンドを送信し、次の処理に移行する。他方、ステップ1409でNoの場合には、ステップ1415で、特別遊技中表示制御手段330が、有効ラインを青色に点灯させるコマンドをセットした後、表示制御コマンド送信手段340が、当該コマンドを送信し、次の処理に移行する。尚、ステップ1403でNoの場合にも、次の処理に移行する。
次に、図1及び図16〜図49を参照しながら、本最良形態に係るパチンコ遊技機の作用について説明する。まず、図1に示すように、遊技者が、ハンドル10を時計回りに回転させると当該回転角度に応じて遊技球が遊技領域1に発射される。そして、遊技球が始動入賞口11に入賞した場合、所定条件下で、画像表示装置14の装飾図柄表示部14上で、当該入賞に基づき装飾図柄の変動が開始する。図16は、第一列の装飾図柄列(上段)、第二列の装飾図柄列(中段)及び第三列の装飾図柄列(下段)のいずれもが、右から左へ変動している状態を示している。尚、本図には明示されていないが、これらの装飾図柄列は、いずれもブランク図柄が存在しない、装飾図柄のみからなる列である。以下、このような状況から、実在オブジェクトが登場した場合、トラックリーチに移行する場合、反対車線リーチに移行する場合を順に説明する。
まず、実在オブジェクトが登場した場合を説明する。はじめに、図17及び図18を参照しながら、「街モード」において登場する実在オブジェクトの一例を説明する。図17は、第一列の装飾図柄列が停止(「7」が一番左に停止)した後、第二列の装飾図柄列の一図柄「7」が中央で停止しようとしている状態を示している。しかしながら、第二列中央には「水溜りオブジェクト」が存在しているので、図18に示すように、当該図柄「7」は滑り、そして一番左に停止する。この結果、第一列の「7」と第二列の「7」が左ラインに揃い、第三列が長い時間変動する「リーチ態様」となる。更に、図19及び図20を参照しながら、「街モード」において登場する実在オブジェクトの別の例を説明する。図19は、第一列〜第三列の装飾図柄列の変動中に、第一列の変動を遮るように「パイロンオブジェクト」が登場した状態を示している。そして、図20に示すように、第一列の装飾図柄列の変動が遮られ、パイロンの手前で、当該装飾図柄列を構成する一図柄「7」が強制停止する。更に、図21〜図23を参照しながら、「街モード」において登場する実在オブジェクトの更なる一例を説明する。図21は、第一列〜第三列の装飾図柄列がすべて一旦停止した状態を示している。しかしながら、斜めの二列の有効ラインのすべてに「マンホールオブジェクト」が存在しているので、図22に示すように、当該「マンホールオブジェクト」の蓋が取れ、当該マンホールオブジェクトの上に存在する装飾図柄が落下し、図23に示すような確定停止図柄が表示される。更に、図24を参照しながら、「街モード」において登場する実在オブジェクトの更なる一例を説明する。尚、図24は、実際の演出画面の流れを連続的に示したものであり、実際にディスプレーに表示される画像は、四角(図24中のX)で囲った部分だけである。そして、当該四角画面が時間の経過と共に左にスクロールすると共に、装飾図柄列自体も左に移動している。そこで本図を説明すると、まず、演出初期の「街モード」において、画面左にトンネルが登場し(図中のX)、変動している装飾図柄列がトンネル内に入り(図中のY)、当該装飾図柄列がトンネルから出た後に「雪モード」に移行する(図中のZ)。このように、トンネルオブジェクトは、装飾図柄を構成する装飾図柄の一部を消し去るという挙動を付与すると共に、モード切替を演出内で自然な形で行い得るアイテムである。次に、図25及び図26を参照しながら、「雪モード」において登場する実在オブジェクトを説明する。図25は、第一列の装飾図柄列が停止(「7」が一番左に停止)した後、第二列の装飾図柄列の一図柄「7」が中央で停止しようとしている状態を示している。しかしながら、第二列中央には「アイスバーンオブジェクト」が存在しているので、図26に示すように、当該図柄「7」は滑り、そして一番左に停止する。この結果、第一列の「7」と第二列の「7」が左ラインに揃い、第三列が長い時間変動する「リーチ態様」となる。
次に、トラックリーチに移行する場合を説明する。まず、図27に示すように、第一列の装飾図柄列を構成する一装飾図柄「7」が右から左に移動している状況で、トラックオブジェクトが当該列の左からバックで登場する。次に、図28に示すように、トラックオブジェクト内に当該装飾図柄「7」が搬入され、図29に示すように、右端付近までバックし停止する。その後、図30に示すように、トラックオブジェクトは前進すると共に、一装飾図柄「4」を排出し、排出された当該図柄は右端で停止する。更に、図31に示すように、一装飾図柄「3」も排出し、排出された当該図柄は左端で停止する。その結果、図32に示すように、第一列の左右の有効ライン上に装飾図柄「3」及び「4」が配置されることになる。
次に、反対車線リーチに移行する場合を説明する。まず、図33は、第一列の装飾図柄列及び第二列の装飾図柄列が順に停止する(第一列の左に「7」、第二列の中に「2」)が、この際いずれの有効ライン上にも同一図柄が揃っていないので、リーチ演出をせずに第三列の装飾図柄列が停止した(第三列の中に「2」)状態を示したものである。ここで、図33より、第二列の図柄「2」と第三列の図柄「2」は、いずれも中央の有効ライン上に揃っている状況であることが分かる。このような状況下、図24に示すように、画面が下にスクロールし、第一列が画面の外に出ると共に、反対車線をモチーフにした、変動中の装飾図柄列からなる第四列が登場し、リーチ演出を開始する。ここで、第四列の装飾図柄列は、数字が車オブジェクトに搭載されたものであり、車オブジェクトの向きと進行方向が第一列〜第三列と逆である点を除き、基本構成は同一である。そして、図35は、所定時間リーチ変動をした後、中央の有効ライン上に揃った状態を示したものである。
次に、上記リーチ態様を含めすべての変動態様が終了した後の停止図柄表示(確定表示)について、実在オブジェクトが登場した場合と反対車線リーチに移行する場合を例にとり、順に説明する。尚、本最良形態で挙げた例では、トラックリーチは二段階リーチの最初の段階での演出であり、当該リーチにより最終的な停止図柄表示がなされる訳ではないので、この項目では説明を省略する。まず、図21〜図23並びに図36及び図37を参照しながら、実在オブジェクトが登場した場合の停止図柄表示(確定表示)を説明する。上記でも参照した図21は、第一列〜第三列の停止装飾図柄の下に「マンホールオブジェクト」が存在する状況を示している。そして、上述のように、図22に示すような挙動を当該装飾図柄に与え、その後、図22を経て図23で示す状況になる。ここで、図23の図柄表示が、最終的な停止図柄表示である。ところで、この段階までは、装飾図柄と装飾図柄の間にブランク図柄は存在しないが、図23のように最終的な停止図柄表示がされた後、図36に示すように、ブランク図柄が有効ライン上の装飾図柄が存在しない位置に配置される。これにより遊技者は、当該停止図柄が確定したことを認識することができる。ところで、図21に示した状況において、実在オブジェクトが登場した場合でも、実在オブジェクト発動条件を満足していないときには、その後の図22の状況に移行せず、そのまま停止図柄として確定する場合がある。この際は、図37に示すように、ブランク図柄が、有効ライン上の装飾図柄が存在しない位置に配置される。これにより遊技者は、マンホールオブジェクトによる挙動付与が発動せず、当該停止図柄が確定したことを認識することができる。
次に、図33〜図35及び図38を参照しながら、反対車線リーチにおける停止図柄表示(確定表示)を説明する。上記でも参照した図33は、第一列の装飾図柄列及び第二列の装飾図柄列が順に停止する(第一列の左に「7」、第二列の中に「2」)が、この際いずれの有効ライン上にも同一図柄が揃っていないので、リーチ演出をせずに第三列の装飾図柄列が停止した(第三列の中に「2」)状態を示したものである。そして、上述のように、図34に示すような反対車線リーチに移行し、図35で示す状況になる。ここで、図35の図柄表示が、最終的な停止図柄表示である。ところで、この段階までは、装飾図柄と装飾図柄の間にブランク図柄は存在しないが、図35のように最終的な停止図柄表示がされた後、図38に示すように、ブランク図柄が有効ライン上の装飾図柄が存在しない位置に配置される。これにより遊技者は、当該停止図柄が確定したことを認識することができる。ところで、図33に示した状況において、第二列と第三列の装飾図柄が同一有効ライン上で同一図柄となった場合であっても、反対車線リーチ演出が選択されていないときには、その後の図34の状況に移行せず、そのまま停止図柄として確定する場合がある。この際は、図39に示すように、ブランク図柄が、有効ライン上の装飾図柄が存在しない位置に配置される。これにより遊技者は、反対車線リーチに移行せず、当該停止図柄が確定したことを認識することができる。
ここで、図40のタイミングチャートを参照しながら、ブランク図柄を表示するタイミングについて説明する。まず、当該図において、一段目の「装飾図柄変動」は、三列の装飾図柄列が変動を開始してすべての装飾図柄列が停止するまでの図柄変動状態にあることを示している。また、「停止図柄表示」は、すべての装飾図柄列が停止している状態、換言すれば、確定図柄表示を行っている状態にあることを意味している。次に、「ブランク図柄表示A」、「ブランク図柄表示B」及び「ブランク図柄表示C」は、ブランク図柄が表示されている状態にあることを意味している。逆にいえば、この状態にない場合は、ブランク図柄が表示されていないことを意味している。尚、「ブランク図柄表示B」及び「ブランク図柄表示C」に関しては、本最良形態の変更例に該当するので後述することとする。そこで、本図(ブランク図柄表示Aのみ)を説明すると、装飾図柄変動中は一切のブランク図柄も表示されない。そして、停止図柄表示(確定表示)の間だけ、ブランク図柄が表示される。このような構成とすることにより、図柄変動終了時点と図柄変動開始時点を遊技者は明確に認識することが可能となる。
次に、図36、図38、図41及び図42を参照しながら、特別遊技中の大当り図柄表示における作用について説明する。前記図柄変動の結果として、いずれかの有効ライン上に所定の装飾図柄配列が形成された場合(例えば「777」)、特別遊技に移行する。特別遊技に移行すると、大入賞口12が開放し、それに合わせて装飾図柄表示部14b上では、図41及び図42に示すように、前記所定の装飾図柄配列の属性(確率変動図柄であるか通常図柄であるか)及び前記有効ラインが、一体的に表示される。ここで、図41は、図36(「777」という確率変動の大当り図柄)の結果として特別遊技に移行した場合の表示例である。ここで、黒丸は赤色点灯状態を、点線の丸は非点灯状態を示している。このように、右下がりの有効ライン上で確率変動図柄が揃ったことが明確に表示される。他方、図42は、図38(「222」という通常確率変動の大当り図柄)の結果として特別遊技に移行した場合の表示例である。ここで、白丸は青色点灯状態を、点線の丸は非点灯状態を示している。このように、中央の有効ライン上で通常図柄が揃ったことが明確に表示される。
次に、本最良形態の変更例を挙げる。まず、図40のタイミングチャートを参照しながら、ブランク図柄表示タイミングの変更例を説明する。ここで、「ブランク図柄表示B」及び「ブランク図柄表示C」が変更例である。まず、ブランク図柄表示Bの態様から説明すると、当該態様においては、停止図柄表示(確定表示)の途中からブランク図柄表示が開始され、次の装飾図柄変動の初期段階まで当該表示が継続される。このような構成とすることにより、遊技者は停止図柄が確定したことを明確に認識することができると共に、停止図柄表示と次の図柄変動にまたがってブランク図柄が存在しているので、演出に継続性乃至は一体性をもたせることが可能となる。次に、ブランク図柄表示Cの態様を説明すると、当該態様においては、装飾図柄変動の初期段階にブランク図柄が表示される。このような構成とすることにより、遊技者は次の図柄変動に移行したこと、即ち、前回の停止図柄が確定したことを認識することができる。
更なる変更態様として、すべての装飾図柄列の変動が終了した後にブランク図柄を表示させるのではなく、各装飾図柄列毎に、当該図柄列の停止が確定又は仮停止した段階で、当該列に関してのみブランク図柄を表示させる態様であってもよい。図43及び図44を参照しながら説明すると、まず、図43に示すように、第一列の装飾図柄列の構成図柄である「6」及び「7」が、左右の有効ライン上に停止する。そして、図44に示すように、第二列及び第三列が変動している状況で、第一列の中央の有効ライン上にブランク図柄を配置する。このような構成とすることにより、遊技者は、当該列の図柄は確定又は仮停止したことを認識することができる。
更なる変更態様として、装飾図柄列の配列を挙げる。まず、図45の(A−1)は、本最良形態の通常時の第一列と第二列の図柄配列を示しており、また、(A−2)は、本最良形態の通常時の第三列の図柄配列を示しており、更に、(A−3)は、本最良形態の「反対車線リーチ」時の第三列の図柄配列を示している。このように、装飾図柄とブランク図柄が交互に配置されている。次に、図45の(B)及び(C)が、本最良形態の変更例である。まず、(B)は、装飾図柄と装飾図柄の間に二個のブランク図柄が存在している例である。そして、図46及び図47に、当該配列の例の場合の具体的な停止例を示す。図46に示すように、装飾図柄間に二個のブランク図柄が存在している都合上、各列が変動して停止するまで、各列(第一列〜第三列)では一つの装飾図柄しか表示されない(当該図では、右下がりの有効ライン上にのみ装飾図柄「7」が表示されている)。そして、図47に示すように、変動終了後、装飾図柄が存在していない有効ライン上にブランク図柄が配置される。また、(C)は、装飾図柄と装飾図柄の配列がランダムである例である。そして、図48及び図49に、当該配列の例の場合の具体的な停止例を示す。図48は、変動終了直後の図柄配列状況を示しており、図49は、変動終了後、装飾図柄が存在していない有効ライン上にブランク図柄が配置された状況を示したものである。
更に、本最良形態においては、装飾図柄の全停止図柄配列(全有効ライン上の停止図柄)を決定するに際して、まず特定の組み合わせ(装飾図柄の組み合わせ)を決定した後に、当該特定の組み合わせが形成される有効ラインを決定する構成としたが、当該形態に限られず、どのように特定の組み合わせや有効ライン等を決定してもよい。例えば、変動態様としてリーチ態様が選択されていない場合、第一列から第三列を適当に(又は規則正しく)停止させてもよい。この場合、第一列を停止させ、次に第二列を停止させる際、そのまま停止させた場合にはリーチ態様となるような場合には、第二列の停止位置を一コマずらして停止させるように構成してもよい。
更に、実在オブジェクトが識別情報に付与する挙動についても、当該実在オブジェクトのモチーフである実在物体の属性に基づき矛盾するものでなければ、本最良形態で示した挙動以外のものであってもよい。例えば、マンホールオブジェクトに関しては、マンホールの蓋が外れ、その下に識別情報が落下して新たな識別情報(又は落下したものと同じ識別情報)が登場する構成としたが、例えば、マンホール下から水が吹き上げてきて、当該吹き上げにより、マンホールとその上に乗った識別情報が上方に吹き飛ばされ、やがて上方から新たな識別情報(又は落下したものと同じ識別情報)が落下してくるような構成としてもよい。