JP4644937B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、識別情報を変動表示しうる可変表示装置を備えた遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、可変表示装置を備えた遊技機が知られている。可変表示装置には、図柄が表示され、該表示部上において様々な演出が行われる。遊技者が注目する演出の代表例としては、リーチ演出が挙げられる。リーチ演出は、原則としてリーチ状態が発生する毎に行われるものであり、各機種毎に複数種類設定されている。そして、リーチ演出が行われる場合には、そのときどきに応じたリーチパターンが選択され、当該選択されたリーチパターンに基づく演出が行われる。
【0003】
近年、リーチ演出をより面白くするための工夫が製造者側によりなされており、遊技者は、リーチ演出の好みに応じて遊技機を選択して遊技を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来では、1回のリーチ状態の発生につき1回のリーチ演出しか行われず、このときに実行されるリーチ演出が遊技者にとって好みのものである場合もあれば、そうでない場合もある。そして、実行されたリーチ演出が遊技斜にとって好みのものであれば、遊技者は当該リーチ演出をじっくりと堪能したいであろうし、好みのものでない場合には、遊技者は次のリーチ状態が発生するまで好みの演出を堪能することができず、その間待たなければならない。
【0005】
また、上述したように、リーチパターンに種々の趣向を凝らすことにより、遊技者の期待度を高めようとする風潮があるのも事実である。しかしながら、演出内容自体を種々設定するだけでは、期待度を高めるのにも自ずと限界がある。そこで、今までにはない、演出手法の出現が望まれ、期待度を高める工夫をすることで興趣の向上を図ることが求められているのが実状である。
【0006】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、識別情報を変動表示しうる可変表示装置を備えた遊技機において、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
【0008】
手段1.識別情報を変動表示可能な可変表示装置と、前記識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、少なくとも前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示される前段階において、リーチ状態を発生させるリーチ状態発生手段と、前記リーチ状態中に所定の演出を行うリーチ演出手段とを具備し、かつ、前記リーチ演出手段は、所定の条件が成立することに基づき一度のリーチ状態の発生につき複数回の演出を行うよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0009】
手段1によれば、可変表示装置において識別情報が変動表示され、識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、特別遊技状態発生手段によって遊技者に有利な特別遊技状態が発生させられる。少なくとも識別情報が特定表示態様となって確定停止表示される前段階において、リーチ状態発生手段によってリーチ状態が発生させられ、リーチ状態中に、リーチ演出手段によって所定の演出が行われる。そして、リーチ演出手段は、所定の条件が成立することに基づき一度のリーチ状態の発生につき複数回の演出が行われる。このように、一度のリーチ状態の発生につき複数回のリーチ演出が行われるため、例えば一度目に実行されるリーチ演出が遊技者にとって好みのものでなかったとしても、次のリーチ演出が遊技者にとって好みのものであるというチャンスが生じる。また、一度目に実行されるリーチ演出が遊技者にとって好みのものである場合に、次に同じ演出が行われた場合にはそのリーチ演出を複数回堪能することもありうる。その結果、遊技者が好みのリーチ演出を堪能する機会が増大する。また、例えば一度目に実行されるリーチ演出によって、特別遊技状態の発生導出に結びつかなかったとしても、次のリーチ演出によって特別遊技状態の発生が導出される機会が残っており、遊技者にとっての期待度がその分高められることとなる。その結果、今までにはない興趣の向上を図ることができる。
【0010】
手段2.前記リーチ演出手段により行われる複数回の演出は、それぞれ異なる内容により構成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0011】
手段2によれば、さらに、複数回の演出は、それぞれ異なる内容により構成されているため、遊技者はより多種類のリーチ演出を堪能することができ、面白味が増すとともに、遊技に幅を持たせることができる。
【0012】
手段3.前記リーチ演出手段は、1の演出を終えた時点で前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示されないことが明確となった以後に、次の演出を行うものであることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
【0013】
手段3によれば、1の演出が終わった時点で当該演出では特別遊技状態の発生が導出されないことが明確となった以後に、次の演出が行われる。このため、1度のリーチ状態の発生であたかも2度のリーチ状態が発生したかのような印象を抱きうる。このため、より一層飛躍的な興趣の向上を図ることができる。
【0014】
手段4.識別情報を変動表示可能な可変表示装置と、前記識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、少なくとも前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示される前段階において、リーチ状態を発生させるリーチ状態発生手段と、前記リーチ状態中に所定の演出を行うリーチ演出手段とを具備し、かつ、前記リーチ演出手段は、所定の条件が成立することに基づき一度のリーチ状態の発生につき第1の演出を行い、該第1の演出を終えた時点で前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示されないことが明確となった以後に、第1の演出の内容と異なる内容の第2の演出を行うものであり、前記第1の演出を終えた時点で前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示されることが明確となる場合には、前記第2の演出を行わないよう構成したことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
【0015】
手段4によれば、可変表示装置において識別情報が変動表示され、識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、特別遊技状態発生手段によって遊技者に有利な特別遊技状態が発生させられる。少なくとも識別情報が特定表示態様となって確定停止表示される前段階において、リーチ状態発生手段によってリーチ状態が発生させられ、リーチ状態中に、リーチ演出手段によって所定の演出が行われる。そして、リーチ演出手段では、所定の条件が成立することに基づき一度のリーチ状態の発生につき第1の演出が行い、該第1の演出を終えた時点で第1の演出では特別遊技状態の発生が導出されないことが明確となった以後に、第1の演出の内容と異なる内容の第2の演出が行われる。このため、例えば第1の演出が遊技者にとって好みのものでなかったとしても、次の第2の演出が遊技者にとって好みのものであるというチャンスが生じる。その結果、遊技者がリーチ演出を堪能する機会が増大する。また、例えば第1の演出によって、特別遊技状態の発生導出に結びつかなかったとしても、次の第2の演出によって特別遊技状態の発生が導出される機会が残っており、遊技者にとっての期待度がその分高められることとなる。その結果、今までにはない興趣の向上を図ることができる。しかも、第1の演出を終えた時点で識別情報が特定表示態様となって確定停止表示されることが明確となる場合には、第2の演出が行われないため、無駄な演出が行われることによる煩わしさが払拭される。
【0016】
手段5.識別情報を変動表示可能な可変表示装置と、前記識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、少なくとも前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示される前段階において、リーチ状態を発生させるリーチ状態発生手段と、前記リーチ状態中に所定の演出を行うリーチ演出手段とを具備し、かつ、前記リーチ演出手段は、所定の条件が成立することに基づき一度のリーチ状態の発生につき第1の演出を行い、該第1の演出を終えた時点で前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示されないことが明確となった以後に、第1の演出の内容と同じ内容の第2の演出を行うものであり、前記第1の演出を終えた時点で前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示されることが明確となる場合には、前記第2の演出を行わないよう構成したことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
【0017】
手段5によれば、可変表示装置において識別情報が変動表示され、識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、特別遊技状態発生手段によって遊技者に有利な特別遊技状態が発生させられる。少なくとも識別情報が特定表示態様となって確定停止表示される前段階において、リーチ状態発生手段によってリーチ状態が発生させられ、リーチ状態中に、リーチ演出手段によって所定の演出が行われる。そして、リーチ演出手段では、所定の条件が成立することに基づき一度のリーチ状態の発生につき第1の演出が行い、該第1の演出を終えた時点で第1の演出では特別遊技状態の発生が導出されないことが明確となった以後に、第1の演出の内容と同じ内容の第2の演出が行われる。このため、例えば第1の演出が遊技者にとって好みのものであった場合には、、次の第2の演出も遊技者にとって好みのものであり、好みの演出を複数回堪能することができるというチャンスが生じる。その結果、遊技者がリーチ演出を堪能する機会が増大する。また、例えば第1の演出によって、特別遊技状態の発生導出に結びつかなかったとしても、次の第2の演出によって特別遊技状態の発生が導出される機会が残っており、遊技者にとっての期待度がその分高められることとなる。その結果、今までにはない興趣の向上を図ることができる。しかも、第1の演出を終えた時点で識別情報が特定表示態様となって確定停止表示されることが明確となる場合には、第2の演出が行われないため、無駄な演出が行われることによる煩わしさが払拭される。
【0018】
手段6.前記複数回の演出のうち、初回目の演出よりも最終回目の演出の方が、前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示される期待度が高く設定されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
【0019】
手段6によれば、最終回目の演出の方が特別遊技状態発生に関する期待度が増すため、初回目の演出で特別遊技状態の発生が導出されなかったとしても、期待度が著しく減じられてしまうことがない。
【0020】
手段7.識別情報を変動表示可能な可変表示装置と、前記識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、少なくとも前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示される前段階において、リーチ状態を発生させるリーチ状態発生手段と、前記リーチ状態中に所定の演出を行うリーチ演出手段とを具備し、前記リーチ状態発生手段は、互いに異なる複数種類の識別情報について一度にリーチ状態を発生可能であり、かつ、前記リーチ演出手段は、前記リーチ状態の発生した複数種類の識別情報に対応させて複数回の演出を行うよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0021】
手段7によれば、可変表示装置において識別情報が変動表示され、識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、特別遊技状態発生手段によって遊技者に有利な特別遊技状態が発生させられる。少なくとも識別情報が特定表示態様となって確定停止表示される前段階において、リーチ状態発生手段によってリーチ状態が発生させられ、リーチ状態中に、リーチ演出手段によって所定の演出が行われる。さて、リーチ状態発生手段により、互いに異なる複数種類の識別情報について一度にリーチ状態が発生させられる場合があり、リーチ演出手段では、リーチ状態の発生した複数種類の識別情報に対応させて複数回の演出が行われる。このように、一度のリーチ状態の発生につき複数回のリーチ演出が行われるため、例えば一度目に実行されるリーチ演出が遊技者にとって好みのものでなかったとしても、次のリーチ演出が遊技者にとって好みのものであるというチャンスが生じる。また、一度目に実行されるリーチ演出が遊技者にとって好みのものであった場合に、次に同じ内容のリーチ演出が行われた場合には、そのリーチ演出を複数回堪能することができる。その結果、遊技者がリーチ演出を堪能する機会が増大する。また、互いに異なる複数種類の識別情報について一度にリーチ状態が発生させられた場合には、リーチ状態の発生したそれぞれの識別情報に対応させて複数回の演出が行われる。したがって、例えば所定の識別情報に対応するリーチ演出によって特別遊技状態の発生導出に結びつかなかったとしても、別の識別情報に対応するリーチ演出によって特別遊技状態の発生が導出される機会が残っており、遊技者にとっての期待度がその分高められることとなる。その結果、今までにはない興趣の向上を図ることができる。なお、手段7において、「リーチ状態発生時とリーチ演出時とで識別情報の表示領域を変更すること」としてもよい。
【0022】
手段8.識別情報を変動表示可能な可変表示装置と、前記識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、少なくとも前記識別情報が特定表示態様となって特定ライン上に確定停止表示される前段階において、リーチ状態を発生させるリーチ状態発生手段と、前記リーチ状態中に所定の演出を行うリーチ演出手段とを具備し、前記リーチ状態発生手段は、複数の特定ラインについて一度にリーチ状態を発生可能であり、かつ、前記リーチ演出手段は、前記リーチ状態の発生した複数の特定ラインに対応させて複数回の演出を行うよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0023】
手段8によれば、可変表示装置において識別情報が変動表示され、識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、特別遊技状態発生手段によって遊技者に有利な特別遊技状態が発生させられる。少なくとも識別情報が特定表示態様となって特定ライン上に確定停止表示される前段階において、リーチ状態発生手段によってリーチ状態が発生させられ、リーチ状態中に、リーチ演出手段によって所定の演出が行われる。さて、リーチ状態発生手段により、複数の特定ラインについて一度にリーチ状態が発生させられる場合があり、リーチ演出手段では、リーチ状態の発生した複数の特定ラインに対応させて複数回の演出が行われる。このように、一度のリーチ状態の発生につき各ラインに対応した複数回のリーチ演出が行われるため、例えば一度目に実行されるリーチ演出が遊技者にとって好みのものでなかったとしても、次のリーチ演出が遊技者にとって好みのものであるというチャンスが生じる。また、一度目に実行されるリーチ演出が遊技者にとって好みのものであった場合に、次に同じ内容のリーチ演出が行われた場合には、そのリーチ演出を複数回堪能することができる。その結果、遊技者がリーチ演出を堪能する機会が増大する。また、複数の特定ラインについて一度にリーチ状態が発生させられた場合には、リーチ状態の発生したそれぞれの特定ラインに対応させて複数回の演出が行われる。したがって、例えば所定の特定ラインに対応するリーチ演出によって特別遊技状態の発生導出に結びつかなかったとしても、別の特定ラインに対応するリーチ演出によって特別遊技状態の発生が導出される機会が残っており、遊技者にとっての期待度がその分高められることとなる。その結果、今までにはない興趣の向上を図ることができる。なお、手段8において、「リーチ状態発生時とリーチ演出時とで特定ラインの配置を変更すること」としてもよい。
【0024】
手段9.識別情報を変動表示可能な可変表示装置と、前記識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、少なくとも前記識別情報が特定表示態様となって特定ライン上に確定停止表示される前段階において、リーチ状態を発生させるリーチ状態発生手段と、前記リーチ状態中に所定の演出を行うリーチ演出手段とを具備し、前記リーチ状態発生手段は、複数の特定ラインの互いに異なる複数種類の識別情報について一度にリーチ状態を発生可能であり、かつ、前記リーチ演出手段は、前記リーチ状態の発生した複数種類の識別情報に対応させて複数回の演出を行うよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0025】
手段9によれば、可変表示装置において識別情報が変動表示され、識別情報が特定表示態様となって最終的に確定停止表示されることを必要条件に、特別遊技状態発生手段によって遊技者に有利な特別遊技状態が発生させられる。少なくとも識別情報が特定表示態様となって特定ライン上に確定停止表示される前段階において、リーチ状態発生手段によってリーチ状態が発生させられ、リーチ状態中に、リーチ演出手段によって所定の演出が行われる。さて、リーチ状態発生手段により、複数の特定ラインの互いに異なる複数種類の識別情報について一度にリーチ状態が発生させられる場合があり、リーチ演出手段では、リーチ状態の発生した複数種類の識別情報に対応させて複数回の演出が行われる。このように、一度のリーチ状態の発生につき各ラインに対応した複数回のリーチ演出が行われるため、例えば一度目に実行されるリーチ演出が遊技者にとって好みのものでなかったとしても、次のリーチ演出が遊技者にとって好みのものであるというチャンスが生じる。また、一度目に実行されるリーチ演出が遊技者にとって好みのものであった場合に、次に同じ内容のリーチ演出が行われた場合には、そのリーチ演出を複数回堪能することができる。その結果、遊技者がリーチ演出を堪能する機会が増大する。また、複数の特定ラインの複数種類の識別情報について一度にリーチ状態が発生させられた場合には、リーチ状態の発生したそれぞれの識別情報に対応させて複数回の演出が行われる。したがって、例えば所定の識別情報に対応するリーチ演出によって特別遊技状態の発生導出に結びつかなかったとしても、別の識別情報に対応するリーチ演出によって特別遊技状態の発生が導出される機会が残っており、遊技者にとっての期待度がその分高められることとなる。その結果、今までにはない興趣の向上を図ることができる。なお、手段9において、「リーチ状態発生時とリーチ演出時とで識別情報の表示領域を変更して特定ラインの配置を変更すること」としてもよい。
【0026】
手段10.前記リーチ演出手段により行われる複数回の演出は、それぞれ異なる内容により構成されていることを特徴とする手段6乃至8のいずれかに記載の遊技機。
【0027】
手段10によれば、さらに、複数回の演出は、それぞれ異なる内容により構成されているため、遊技者はより多種類のリーチ演出を堪能することができ、面白味が増すとともに、遊技に幅を持たせることができる。
【0028】
手段11.前記リーチ演出手段は、1の演出を終えた時点で前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示されないことが一旦明確となった以後に、次の演出を行うものであることを特徴とする手段7乃至10のいずれかに記載の遊技機。
【0029】
手段11によれば、1の演出が終わった時点で当該演出では特別遊技状態の発生が導出されないことが明確となった以後に、次の演出が行われる。このため、1度のリーチ状態の発生であたかも2度のリーチ状態が発生したかのような印象を抱きうる。このため、より一層飛躍的な興趣の向上を図ることができる。
【0030】
手段12.前記1の演出を終えた時点で前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示されることが明確となる場合には、前記次の演出を行わないよう構成したことを特徴とする手段11に記載の遊技機。
【0031】
手段12によれば、1の演出を終えた時点で特別遊技状態の発生の導出が明確となる場合には、次の演出が行われないため、無駄な演出が行われることによる煩わしさが払拭される。
【0032】
手段13.前記1の演出を終えた時点で前記識別情報が特定表示態様となって確定停止表示されることが明確となる場合であっても、前記次の演出を実行するよう構成したことを特徴とする手段11に記載の遊技機。
【0033】
手段13によれば、1の演出を終えた時点で特別遊技状態の発生の導出が明確となる場合であっても、次の演出が実行される。このため、演出を存分に堪能することができるとともに、遊技者にとってさらに有利な状態の発生(例えば遊技者にとっての価値が倍になったり、次回の遊技において確率変動モード等の特別遊技モードが付与されたりすること)を期待することができ、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【0034】
手段14.前記リーチ演出手段は、1の演出を行うに際し、既に停止された識別情報のうち、少なくとも一旦当該演出とは直接関係のない識別情報を矮小化させるようにしたことを特徴とする手段7乃至13のいずれかに記載の遊技機。。
【0035】
手段14によれば、リーチ演出手段により、1の演出が行われるに際し、既に停止された識別情報のうち、少なくとも一旦当該演出とは直接関係のない識別情報が矮小化させられる。このため、当該演出そのもの、或いは、演出に関係のある識別情報を引き立たせることが可能となり、演出等を遊技者にわかりやすくすることができる。
【0036】
手段15.前記矮小化は、縮小表示を含むことを特徴とする手段14に記載の遊技機。
【0037】
手段15によれば、1の演出が行われるに際し、既に停止された識別情報のうち、少なくとも一旦当該演出とは直接関係のない識別情報が縮小表示させられるため、上記手段14に記載の作用効果がより確実に奏される。なお、「縮小表示」に代えて、「消去すること」としてもよい。また、「縮小表示」に代えて、或いは加えて、「濃度を薄くすること」としてもよい。さらに、「目立たない領域(例えば端縁側)へ移動表示すること」としてもよい。
【0038】
手段16.前記リーチ演出手段は、1の演出を行うに際し、既に停止された識別情報のうち、少なくとも一旦当該演出に関係する識別情報を強調させるようにしたことを特徴とする手段7乃至15のいずれかに記載の遊技機。
【0039】
手段16によれば、1の演出が行われるに際し、既に停止された識別情報のうち、少なくとも一旦当該演出に関係する識別情報が強調させられる。このため、当該演出に関係のある識別情報を引き立たせることが可能となり、演出等を遊技者にわかりやすくし、面白くすることができる。
【0040】
手段17.前記強調は、拡大表示を含むことを特徴とする手段16に記載の遊技機。
【0041】
手段17によれば、1の演出が行われるに際し、既に停止された識別情報のうち、少なくとも一旦当該演出に関係する識別情報が拡大表示されるため、上記手段16に記載の作用効果がより確実に奏される。なお、「拡大表示」に代えて、或いは加えて、「濃度を濃くすること」としてもよい。さらに、「目立つ領域(例えば中央部)へ移動表示すること」としてもよい。
【0042】
手段18.前記特別遊技状態発生に際して或いはそれ以後に際しての遊技者にとっての価値を、確定停止表示された識別情報の種類に応じて異ならせるとともに、互いに異なる複数種類の識別情報について一度にリーチ状態が発生させられた場合には、遊技者にとっての価値の低い識別情報に対応する演出から先に行うよう構成したことを特徴とする手段7乃至17のいずれかに記載の遊技機。
【0043】
手段18によれば、特別遊技状態発生に際して或いはそれ以後に際しての遊技者にとっての価値が、確定停止表示された識別情報の種類に応じて異なる。このため、遊技者は、より価値の高い識別情報で確定停止表示されることを望む。そして、互いに異なる複数種類の識別情報について一度にリーチ状態が発生させられた場合には、遊技者にとっての価値の低い識別情報に対応する演出から先に行われる。このため、遊技者にとっての期待感、楽しみが後段の演出に集中しやすくなり、該後段の演出におけるわくわく感を飛躍的に高めることができる。
【0044】
手段19.前記可変表示装置は、複数の識別情報列において複数の識別情報を変動表示可能であり、前記リーチ状態は、少なくとも1の識別情報列において識別情報が停止し、かつ、1の最終停止識別情報列において識別情報が未だ変動中の状態を含むものであって、さらに、前記リーチ演出手段は、前記1の最終停止識別情報列について複数回の演出を行うものであることを特徴とする手段1乃至18のいずれかに記載の遊技機。
【0045】
手段19によれば、可変表示装置では、複数の識別情報列において複数の識別情報が変動表示される。また、少なくとも1の識別情報列において識別情報が停止し、かつ、1の最終停止識別情報列において識別情報が未だ変動中の状態においてリーチ状態が発生しうる。さて、本手段では、リーチ演出手段により、共通する1の最終停止識別情報列について複数回の演出が行われる。このため、それぞれ別の識別情報列について演出が行われる場合に比べて、識別情報列を余分に設ける必要がない。
【0046】
手段20.手段1乃至19のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ遊技機であること。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作ハンドルを備えていてそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として可変表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されることが挙げられる。また、特別遊技状態発生時には遊技領域内の所定の位置に配置された可変入賞装置が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへの書き込み等も含む)が付与されることが挙げられる。
【0047】
手段21.手段1乃至19のいずれかにおいて、遊技機は回胴式遊技機であること。ここで、回胴式遊技機の構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えた回胴式遊技機」となる。なお、回胴式遊技機にあっては、前記リール等を具備する可変表示手段を可変表示装置として捉えてもよいし、前記リールとは別途設けられ、前記識別情報に対応する(疑似的な対応であってもよい)識別情報を表示可能な表示装置(例えば液晶表示装置)をここにいう可変表示装置として捉えてもよい。なお、この場合、可変表示装置は、遊技機本体を画定する本体ボックス内に設置される。
【0048】
手段22.手段1乃至19のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であること。中でも、前記融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。なお、かかる遊技機にあっては、前記リール等を具備する可変表示手段を可変表示装置として捉えてもよいし、前記リールとは別途設けられ、前記識別情報に対応する(疑似的な対応であってもよい)識別情報を表示可能な表示装置(例えば液晶表示装置)をここにいう可変表示装置として捉えてもよい。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下に、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を具体化した一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0050】
図1に示すように、パチンコ機1は、外枠2と、その前部に設けられた前面枠3とを備えている。前面枠3は外枠2の一側部にて開閉可能に装着されている。前面枠3の前面側には、ガラス扉枠4が開閉自在に設けられているとともに、ガラス扉枠4の下側において遊技球B(図2参照)を貯留するための上皿5が、上皿5の下方位置において同じく遊技球Bを貯留するための下皿6がそれぞれ設けられている。
【0051】
前面枠3の前面側の下皿6側方には操作手段としてのハンドル7が設けられており、ハンドル7は図示しない遊技球発射装置に連結されている。また、前面枠3の後側(ガラス扉枠4の奥、外枠2の内側)には、遊技盤8(図2参照)が着脱可能に装着されており、前記遊技球発射装置はこの遊技盤8の上部に向けて遊技球Bを発射する。なお、該遊技球発射装置は、発射制御基板140(図3参照)により制御される。
【0052】
さらに、前面枠3内部(上皿5の側方)には、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を音声にて報知するためのスピーカ9が埋設されている。なお、スピーカ9は、音声制御基板130(図3参照)により制御される。
【0053】
さて、図2に示すように、遊技盤8には、内レール10a及び外レール10bが設けられており、前記遊技球発射装置によって発射された遊技球Bは内レール10a及び外レール10bに沿って遊技盤8の上部に案内される。
【0054】
遊技盤8の下部には、作動口11及び大入賞口12が設けられている。作動口11は遊技球B用の通路を備えるとともに、その通路入口には羽根13が開閉可能に支持されている。大入賞口12の奥にはシーソー14が設けられているとともに、その右側にはVゾーン15が、左側には入賞通路16がそれぞれ設けられている(左右逆でもよい)。つまり、大入賞口12に遊技球Bが入賞した場合、この遊技球Bはシーソー14によってVゾーン15又は入賞通路16のどちらかへ転がるように振り分けられ、Vゾーン15又は入賞通路16のどちらかを通って導出されるような構成となっている。
【0055】
大入賞口12の前部には、大入賞口12を開閉するシャッタ17が設けられている。シャッタ17は大入賞口12の側部に設けられた大入賞口用ソレノイド18により作動させられる。詳しくは、大入賞口ソレノイド18が励磁状態となることにより、シャッタ17が略水平に傾き、大入賞口12が開かれる。また、大入賞口ソレノイド18が非励磁状態となることにより、シャッタ17が略垂直状態となり、大入賞口12は閉鎖されるようになっている。
【0056】
さらに、大入賞口12の一側部には、シーソー用ソレノイド19が設けられている。通常、シーソー用ソレノイド19は非励磁状態となっており、この状態におけるシーソー14はVゾーン15の方へ傾いた状態となっている。つまり、遊技球BがVゾーン15を通過していくような傾きとなっている。また、シーソー用ソレノイド19が励磁状態となることにより、シーソー14は遊技球Bを入賞通路16に通過させるような傾きとなる。なお、本実施の形態では、シャッタ17の開状態において遊技球Bが1つでもVゾーン15を通過した場合には、シーソー用ソレノイド19が励磁状態となり、シャッタ17が閉じられた場合には、シーソー用ソレノイド19が非励磁状態となるように構成されている。
【0057】
遊技盤8の中央部分には、可変表示装置としての特別図柄表示装置20が組込まれている。特別図柄表示装置20は、液晶ディスプレイ(LCD)よりなる表示部20aを備えており、複数の図柄列を表示可能とする。本実施の形態において、これらの図柄列としては左図柄列21、中図柄列22及び右図柄列23の3つの図柄列(識別情報列)が挙げられる(図5(a)参照)。しかし、3つの図柄列に限らず、それ以外の数の図柄列が表示されることとしてもよい。
【0058】
さらに、特別図柄表示装置20の表示部20aでは、遊技球Bの作動口11への入賞に基づいて、各図柄列21〜23の図柄変動表示(本実施の形態においては、スクロール変動表示)が行われるような構成となっている。また、この変動表示中に新たな遊技球Bが作動口11に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施の形態では保留最大回数が4回に設定されている。しかし、保留最大回数は、これに限られるものではない。
【0059】
表示部20aの上方には、前述したような図柄の変動表示の保留回数を示す発光ダイオード(LED)からなる保留ランプ24a,24b,24c,24dが組み込まれている。保留ランプ24a〜24dの数は、前述した保留最大回数と同じ(この場合4個)となっている。保留ランプ24a〜24dは、変動表示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表示の実行に伴い消灯させられる。
【0060】
特別図柄表示装置20の上部には、普通図柄表示装置31が併設されている。普通図柄表示装置31は、発光ダイオード(LED)よりなる4つの保留ランプ32と、普通図柄表示部たるLEDよりなる7セグ表示部33とを有している。また、特別図柄表示装置20の左右両側方には、一対の通過ゲート34が配設されており、同通過ゲート34を遊技球Bが通過すると普通図柄表示装置31が作動するような構成となっている。本実施の形態における普通図柄表示装置31は、「0」から「9」までの数字を可変表示して7セグ表示部33にセグメント表示させる。その数字が所定値(本実施の形態では「7」)で停止した場合に、作動口11の羽根13を所定秒数開放させるようになっている。普通図柄表示装置31は、遊技球Bの通過ゲート34の通過回数を4回まで記憶することができ、保留ランプ32でその保留数を表示する。従って、4つの保留ランプ32が点灯している状態で、遊技球Bが通過ゲート34を通過してもカウントされないようになっている。また、保留ランプ32が点灯している限り、遊技球Bが通過ゲート34を通過しなくとも保留数に応じた回数だけ普通図柄表示装置31は作動するようになっている。
【0061】
さらに、パチンコ機1の複数箇所には、遊技効果を高めるための他の図示しない各種演出用ランプや電飾部材が取付けられている。これらの演出用ランプや電飾部材等(以下単に「ランプ」と称する)の点灯状態(消灯、点灯、点滅等)は、遊技の進行に応じて適宜変えられるようになっている。なお、これらランプは、ランプ制御基板120(図3参照)により制御される。
【0062】
また、遊技盤8には、遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機1の遊技状態を検出するためのスルースイッチ40、作動口用スイッチ41、Vゾーン用スイッチ42及びカウントスイッチ43等がそれぞれ取付けられている。スルースイッチ40は、遊技球Bの通過ゲート34の通過を検出するものであり、作動口用スイッチ41は、遊技球Bの作動口11への入賞を検出するものであり、Vゾーン用スイッチ42は、遊技球Bの大入賞口12のうちのVゾーン15への入賞を検出するものであり、カウントスイッチ43は、遊技球Bの大入賞口12への入賞を検出するものである。
【0063】
さて、本実施の形態では、各スイッチ40〜43の検出結果に基づき、各ソレノイド18,19、特別図柄表示装置20(表示部20a)、各保留ランプ24a〜24d、スピーカ9、普通図柄表示装置31(保留ランプ32及び7セグ表示部33)、羽根13等をそれぞれ駆動制御するため制御装置(主基板)50が設けられている。
【0064】
主基板50は、主たる制御を司るためのものであって、読み出し専用メモリ(ROM)、リーチ状態発生手段、特別遊技状態発生手段等を構成する中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMはCPUによる演算結果を図柄乱数バッファ、図柄乱数エリア、停止図柄エリア等に一時的に記憶する。なお、主基板50はパチンコ機1の裏側の図示しない基板ボックス内に封印された状態で装着されている。
【0065】
また、RAMは、後述する特別遊技状態としての大当たり状態の発生を決定するための乱数カウンタをも備えている。この乱数カウンタは、乱数更新処理により、所定(例えば「0」〜「299」)の範囲で、例えば2ms毎に、1カウントずつ更新される。本実施の形態では、遊技球Bが作動口11に入賞し、それが作動口用スイッチ41にて検出されたときに(保留最大回数時は除く)、前記乱数カウンタの値が所定値、例えば「7」であった場合に、大当たり状態が発生させられるようになっている。
【0066】
上記CPU、ROM及びRAMは、バスラインを介して互いに接続されている。図3のブロック図に示すように、バスラインは、主基板50のインターフェイス50aにも接続されており、インターフェイス50aは、コネクタ及びケーブル等を介して表示制御基板110のインターフェイス61や他の装置と接続されている。また、インターフェイス50aは、コネクタ及びケーブル等を介して作動口スイッチ41等の各種センサに接続されている。すなわち、主基板50は、作動口スイッチ41等からインターフェイス50aを介して入賞信号等を入力するとともに、インターフェイス50aを介して表示制御基板110や他の入出力装置(他の制御基板を含む)へ制御データ等の各種動作コマンドを出力し、各ソレノイド等の各種アクチュエータ及び各制御基板を制御する。
【0067】
さて、本実施の形態では、特別図柄表示装置20の表示部20aにおける各種表示制御は、主たる制御を行う主基板50ではなく、主として特別図柄表示装置20の表示制御基板110において行われるように構成されている。なお、表示制御基板110は、特別図柄表示装置20に組み込まれた状態となっている。
【0068】
さらに、本実施の形態においては、各種(演出用の)ランプの点灯、点滅制御については、主としてランプ制御基板120において行われ、スピーカ9から発せられる音声の制御については、主として音声制御基板130において行われる。また、前記遊技球発射装置における遊技球Bの発射制御についても、主基板50ではなく、発射制御基板140において行われるような構成となっている。
【0069】
ここで、主として本実施の形態における表示制御を行う表示制御基板110の電気的構成について、図3のブロック図に従って説明する。同図に示すように、表示制御基板110は、主基板50から送られてくるコマンドを順次受信するインターフェイス61と、プログラムROM62に記憶された制御プログラム及び各種の情報に基づいて、各種遊技状態(通常変動やリーチ演出や大当たり報知等)において表示される表示画像の画面構成情報を生成するリーチ演出手段を構成するCPU63と、CPU63での処理結果等を一時的に記憶するワークRAM64と、CPU63で生成された画面構成情報を記憶するビデオRAM65と、ビデオRAM65に記憶された画面構成情報に基づいて画像データROM66から画像データを取り出し、そのデータを画面構成情報に書き込むことにより各種遊技状態における表示画像を生成するVDP67とを備えている。そして、生成された表示画像は表示部(液晶ディスプレイ)20aへ出力される。
【0070】
インターフェイス61は、主基板50から送信されてくるコマンド(指令)を受信する。また、それらのコマンドは、CPU63によってワークRAM64に設けられたコマンドバッファ領域64aに記憶される。
【0071】
CPU63は、プログラムROM62に記憶された制御プログラムに従って動作する。具体的には、前記コマンドを監視して、該コマンドに応じたタスクを生成し、ワークRAM64に記憶する。そのタスクを実行することで、ワークRAM64内に各種遊技状態(通常変動やリーチ演出や大当たり報知等)において表示される表示画像の画面構成情報を生成し、この画面構成情報をビデオRAM65に書き込む。なお、画面構成情報は、表示部(液晶ディスプレイ)20aの垂直操作信号(VSYNC)ごとに生成される。
【0072】
ワークRAM64には、主基板50からのコマンドを記憶するための前記コマンドバッファ領域64aをはじめ、生成されたタスクが記憶されるタスクバッファ領域64bや、画像構成情報(通常変動時やリーチ状態時の図柄画像の指示や、その配置位置や表示優先順位等)を一括してビデオRAM65に書き込むために各種情報が記憶されるスプライトチェーン領域64cが設定される。
【0073】
ビデオRAM65は、前記画像構成情報を記憶するとともに、VDP67で生成される表示画像のデータを記憶するメモリである。ビデオRAM65には、表示部20aに表示される一画面分の表示画像のデータを記憶する記憶領域である第1フレームメモリ65aと第2フレームメモリ65bが設けられており、CPU63が生成した画像構成情報並びにVDP67で生成される表示画像のデータを交互に記憶することができるような構成となっている。
【0074】
画像データROM66は、表示部20aに表示される図柄や背景画像等の各種画像データを記憶するメモリである。前記画像データには、図柄や背景画像等の例えば形状、サイズ、模様、配色、色調等を定めた図柄や背景画像等を生成するために必要な各種情報が含まれている。
【0075】
VDP67は、表示画像の画像生成処理を行う画像データプロセッサである。つまり、VDP67は、ビデオRAM65に記憶された画像構成情報に基づいて、画像データROM66に記憶されている画像データを読み出し、前記画像データに含まれる情報を前記画像構成情報に書き込むことにより、表示部20aに表示可能な表示画像を生成する。そして、生成した表示画像を表示部20aに出力する。
【0076】
さらに詳しくは、図4に示すように、VDP67は、CPU63から送られてくる各種コマンドやデータを受信するインターフェイス67aと、インターフェイス67aから送られる各種コマンドやデータに基づいてビデオRAM65に記憶された画像構成情報を読み出し、該画像構成情報に基づいて表示画像を生成する画像生成部67bと、表示画像のカラー情報を格納するパレットRAM67cとから構成されている。
【0077】
インターフェイス67aから各種コマンドやデータを受け取った画像生成部67bは、ビデオRAM65の第1フレームメモリ65a又は第2フレームメモリ65bに記憶された画像構成情報を読み出す。その画像構成情報に基づいて画像データROM66から画像データを読み出し、前記画像データに含まれる各種情報を該画像構成情報に書き込む。同時に、前記画像データに対応するカラー情報をパレットRAM67cから取得し、前記画像構成情報に書き込む。これにより、カラー情報に基づく配色を施した表示画像が生成される。
【0078】
同時に、画像生成部67bは、前記書き込みが行われていない第1フレームメモリ65a又は第2フレームメモリ65bに記憶されている表示画像のデータを読み出し、表示部(液晶ディスプレイ)20aに出力する。この際、表示画像のデータはRGB信号で出力され、このRGB信号に基づいて、色調(色、彩度、輝度、コントラストなど)等が制御されて表示部(液晶ディスプレイ)20aに表示される。また、表示画像のデータが出力され、何もデータが記憶されていない第1フレームメモリ65a又は第2フレームメモリ65bには、新たな画像構成情報が書き込まれる。なお、画像生成部67bにおいて生成される表示画像は、図柄及び背景画像用等の複数のレイヤによって構成されており、これらを重ね合わせ、1画面分の表示画像として生成している。
【0079】
パレットRAM67cは、複数種類のカラー情報を設定した複数種類のカラーパレットを保持しており、画像データに含まれるカラー情報に応じたカラーパレットを画像生成部67bに与えるものである。ここで、カラーパレットを与えるとは、例えば、パレットRAM67cに格納されたカラーパレットの格納アドレスを画像生成部67bに与えることを意味している。なお、カラー情報は、原色例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の基本色情報を組み合わせた配合割合等によって、定められているものである。
【0080】
ここで、特別図柄表示装置20の表示部20aにおいて、遊技状態中等に表示される表示画像の構成について具体的に説明するとともに、その表示態様を基に大当たり状態、リーチ状態、外れ状態等についても説明する。
【0081】
図6(a)に示すように、特別図柄表示装置20の表示部20aには、図示しない背景画像が表示され、その前面に位置するように、各図柄列21〜23が表示されるようになっている。各図柄列21〜23は、図5,6に示すように、それぞれ複数種類かつ複数個の識別情報としての図柄70A〜70H及び外れ図柄70Iによって構成されている。外れ図柄70Iを除く各図柄70A〜70Hは、それぞれ「1」〜「8」の数字によって構成されている(勿論、各種絵柄、各種文字、或いは、数字や文字に各種絵柄が組合わさったものを図柄として使用してもよい)。これらの図柄70A〜70Hは、左、中図柄列21,22については昇順に、右図柄列23については降順にそれぞれ配列されている。これらの図柄70A〜70Hは、特別遊技図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のいずれかになりうる(これらについては後述する)。
【0082】
また、外れ図柄70Iは「星印」のマークによって構成されており、前記図柄70A〜70H間に配置される。さらに、当該外れ図柄70Kは、その名のとおり、大当たり図柄になることはなく、外れ図柄にのみなりうる。
【0083】
各々の図柄列21〜23においては、表示される図柄70A〜70H,70Iが、上から下方向へと移動するかのごとく表示される。なお、各図柄列21〜23において、図柄70A〜70Iの配列順序をランダムに変更し変動表示させたり、図柄70A〜70Iの数を適宜増減させたり、1つの図柄列例えば左図柄列21に同じ図柄例えば図柄70Aを複数個表示したり、図柄70A〜70Iの変動表示態様例えばスクロール変動表示や差換変動表示等を適宜変更したりしてもよい。
【0084】
さて、図6(a)に示すように、上述したように変動表示される各図柄列21〜23の各図柄70A〜70Iは、所定時間経過後、表示部20aの大当たりラインL1〜L5上に停止表示される。このとき、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から1つが選択された上で、前記大当たりラインL1〜L5上に停止表示される。なお、停止図柄とは、各図柄列21〜23が図柄変動を停止したときに確定表示される図柄である。また、本実施の形態では、図柄変動は、左図柄列21、右図柄列23、中図柄列22の順に停止させられる。
【0085】
次に、遊技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態について説明する。図6(b),(c)は、表示部20aにおける大当たり状態発生時の画面を示す図である。なお、同図においても便宜上、背景画像を省略している。同図に示すように、大当たり図柄は、通常遊技状態からリーチ遊技状態(リーチ状態)を経た後、遊技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるための図柄である。詳しくは、全ての図柄列21〜23の変動が停止させられたとき、表示されている図柄70A〜70Hの組合せが、予め定められた大当たりの組合せ、すなわち、同一種類の図柄70A〜70Hが大当たりラインL1〜L5に沿って並んでいるときの同図柄70A〜70Hの組合せとなる場合がある。この組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」である。
【0086】
本実施の形態では、上中下の横ラインL1,L2,L3及び斜めの2本のラインL4,L5によって大当たりラインL1〜L5が構成されている(5ラインと称される)。大当たりの組合せが成立すると、特別電動役物が作動し(大入賞口4が開かれ)、遊技者にとって有利な大当たり状態の到来、すなわち、より多くの景品球を獲得することが可能となる。(例えば図6(b)では中央の横ラインL1において「7」「7」「7」の図柄70Gが揃って停止表示されており、図6(c)では斜めのラインL5において「5」「5」「5」の図柄70Eが揃って停止表示されている)。
【0087】
本実施の形態では、一旦大当たり状態が発生すると、大入賞口12の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口12への10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口12が閉鎖される。この大入賞口12の開閉のサイクルが遊技球BのVゾーン15への入賞を最大で所定回数(例えば16回:16ラウンド)繰り返されることとなる。
【0088】
また、リーチ状態とは、大当たり直前の状態をいう(もちろん大当たり状態に至らない場合もある)。図7に示すように、リーチ状態には、右図柄列23の図柄変動が、大当たりライン上において左図柄列21の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。
【0089】
上記のリーチ状態には、中図柄列22の図柄変動が、最終的に左・右両図柄列21,23の停止図柄と同一種類の図柄(大当たり図柄)で停止して大当たり状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄(これを「外れリーチ図柄」という)で停止して、大当たり状態とならないもの(以下、「外れリーチ状態」という)が含まれる。さらには、中図柄列22の図柄変動が一旦停止した後(停止しなくてもよい)、全図柄列(或いは一部の図柄列)が変動し、その後全図柄列21〜23の図柄70A〜70Hが停止するような場合(再変動リーチ、全回転リーチとも称される)も含まれる。
【0090】
上記リーチ状態において、リーチパターンとしては、中図柄列22の図柄70A〜70Hが単にスクロールする「ノーマルリーチ」の外に、種々のリーチパターンが設定されている。これらリーチパターンのうち、「ノーマルリーチ」以外のリーチパターンは、いわゆる「スーパーリーチ」と称されるものである。「スーパーリーチ」の動作が開始された場合には、「ノーマルリーチ」の場合に比べて、大当たり状態が発生する期待値(大当たり期待値)が高くなるようになっている。また、「スーパーリーチ」においても、各リーチパターンによって大当たり期待値が異なったものとなっていることとしてもよい。また、「スーパーリーチ」よりも大当たり期待値の高い「スペシャルリーチ」や「プレミアムリーチ」と称されるリーチパターンを用意することとしてもよい。
【0091】
また、本実施の形態では、5ラインを採用している都合上、リーチ状態が発生する場合の態様として、次の2つの態様を挙げることができる。第1には、図7(a)に示すように、上中下のいずれか1つの大当たりライン(横ライン)L1〜L3でリーチ状態が発生する場合(図では中の大当たりラインL2でリーチ状態が発生した状態が示されている:以下、このような態様を「シングルリーチ」と称する)である。第2には、図7(b)に示すように、斜めの2本の大当たりライン(クロスライン)L4,L5でリーチ状態が発生する場合(以下、この態様を「ツインリーチ」と称する)である。
【0092】
ツインリーチにてリーチ状態となった場合には、2つの種類の図柄(図では「4」の図柄70Dと「5」の図柄70E)について大当たり図柄となる(大当たり状態が発生する)可能性がある。この点で、1つの図柄についてしか大当たり状態の発生を期待できないシングルリーチの場合に比べて、本来的には遊技者にとっての期待感が高められるはずである。しかし、従来では中図柄列22が外れ図柄で停止してしまえば、大当たり状態が発生せず、折角ツインリーチを設定した意義が没却されてしまうおそれがある。これに対し、本実施の形態では、ツインリーチが発生した場合には、独特の表示制御が行われるようになっている。
【0093】
次に、上記のように構成されたパチンコ機1における各制御部の作用及び効果について説明する。
【0094】
まず、作動口用スイッチ41からの検出信号に基づき、遊技球Bが作動口11へ入賞した旨が主基板50によって認識された場合の制御処理について説明する。
【0095】
主基板50が遊技球Bが作動口11へ入賞した旨を検出した場合、そのことに基づいて、主基板50は、対応する保留ランプ24a〜24d(例えば、それまで2つの保留ランプ24a及び24bの2つの保留ランプが点灯されていた場合には3つ目の保留ランプ24c)を点灯させ、保留カウンタの値を「1」ずつインクリメントする。但し、保留ランプ24a〜24dが全て点灯している場合は除かれる。
【0096】
また、主基板50は、内部乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、外れリーチ図柄カウンタ、外れ図柄カウンタ等の各カウンタの値を各乱数エリアに格納する。そして、所定のタイミングにおいて対応する保留ランプ24a〜24dを消灯させるとともに、保留カウンタの値をデクリメントし、各エリア等に格納されたデータに基づき図柄変動を実行する。
【0097】
このとき、主基板50は、当該変動に際し、指令としてのコマンドを特別図柄表示装置20の表示制御基板110をはじめ、ランプ制御基板120、音声制御基板130等へと出力(送信)する。さて、当該コマンドには、(1)変動開始から所定時間後に図柄70A〜70Iを確定表示させる旨の時間情報及び各リーチパターンに代表される変動パターンからなるパターン情報、並びに、(2)いかなる図柄70A〜70Iで確定表示させるかという図柄情報が含まれる。ここで、図柄情報としては、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄が含まれ、これらは、上述した内部乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、外れリーチ図柄カウンタ、外れ図柄カウンタ等に基づいて決定されるものである。
【0098】
本実施の形態における上記コマンドは、2バイト構成からなっており、順次連続的に表示制御基板110等へと送信される。2バイト構成からなるコマンドのうち、先頭の1バイト目は、これからいかなる情報が送信されてくるかというキーワード情報によって構成されている。また、後半の1バイトは、具体的な指示内容に該当するパターンコード等の内容情報によって構成されている。
【0099】
例えば、本実施の形態において、まず最初に送信されるコマンドはパターン情報である。この場合、1バイト目は、これからパターン情報(時間情報及び変動パターンを示唆する)が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、「00」、「01」等のパターンコード情報により構成されている。ここで、「00」、「01」等のパターンコード情報は、図柄の変動時間を例えば「10秒」とする、或いは、「30秒」とするといった内容を示唆する時間情報と、どのような変動パターン(又は変動パターン群のうちいずれか)を実行するといった変動パターンを示唆する情報とからなる。
【0100】
続いて送信されるのは図柄情報である。すなわち、本実施の形態のように左→右→中の順に3つの図柄列21〜23の図柄が確定させられる場合においては、まず、パターン情報に続いて2番目に送信されるコマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから左図柄列21の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。また、3番目に送信されるコマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから右図柄列23の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。併せて、4番目に送信されるコマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから中図柄列22の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。このように、確定図柄に関する3つの表示情報がたて続けに送信される。すなわち、1回の図柄変動に際して、2バイト構成からなるデータが1バイトずつ送信されることにより、合計8(1×2+3×2)回のデータ送信が行われることとなる。
【0101】
なお、上記実施の形態では、左、右、中の各図柄列21〜23に対応した図柄情報が送信されることとなっているが、例えば8つの図柄を確定表示させる必要がある場合には、1×2+8×2=18回のデータ送信が行われるといった具合に、図柄数を適宜変更した場合であっても適用することができる。
【0102】
なお、本実施の形態では、コマンド(一群のコマンド)が、表示制御基板110に対してのみならず、ランプ制御基板120、音声制御基板130にも同期して出力されるようになっている(厳密な意味で全く同時でなくてよい)。勿論、このときに出力されるコマンドは、表示制御基板110に出力されるコマンドに対応したものであることが望ましい(場合によっては対応していなくてもよい)。これに対し、図柄変動に関する一群のコマンド(1回の図柄変動に際して送られてくるデータ群)を受信した表示制御基板110は、特別図柄表示装置20の表示部20aで表示する表示画像を順次生成する。
【0103】
さらに、表示制御基板110は、当該コマンドに基づき図柄変動を開始するとともに、変動停止に至るまでの間、前記変動パターンに基づく種々の演出を行う。当該演出としては、例えばリーチ演出が主として挙げられる。
【0104】
すなわち、上記コマンドのうち、パターン情報に基づき、表示制御基板110のCPU63は、テーブルを参酌して、上述した各変動パターンの中から所定のパターンを選択決定するとともに、当該決定したパターンに基づく演出を、変動開始から確定表示までの間、別途設定された時間データの秒数分だけ実行する。さらにその後、主基板50側のCPUは、自身が有するタイマに基づき、前記所定時間に応じたタイミングで、表示制御基板110に対し、確定コマンドを出力する。
【0105】
一方、表示制御基板110のCPU63は前記一旦停止からさらに所定時間後において(時間情報に基づく変動を完了した時点で)、前記図柄情報に応じた図柄を確定停止表示させる。このとき、結果的に前記出力された確定コマンドに同期して、図柄が確定表示させられることとなる。同様に、ランプ制御基板120、音声制御基板130の各CPUも、前記タイミングにおいて、ランプ演出、音声演出を確定停止させる。
【0106】
なお、本実施の形態では、変動パターンに関し、リーチ演出以外の演出に関しても、上記と同様に変動パターン情報に盛り込まれた上で制御が行われる。リーチ演出以外の演出としては、すべり変動、再変動、リーチ予告、スーパーリーチ予告、大当たり予告等の演出が挙げられる。ここで、「予告」とあるのは、演出によって、所定の遊技状態が発生しやすくなることを示唆可能であればよい、或いは、演出によって所定の遊技状態の発生率に影響が生じるという趣旨であって、所定の遊技状態が発生しない場合があっても差し支えない(示唆)。このように、本実施の形態では、主基板50によって主たる制御が司られ、該主基板50からのコマンドに基づいて、表示制御基板110等によって表示制御等が司られることとなっている。これにより、主基板50の負担軽減が図られている。
【0107】
さて、次には、主基板50から表示制御基板110へと出力されるコマンドが、所定のコマンド(ここでは、変動パターンからなるパターン情報が前述した「ツインリーチ」での「スーパーリーチ」を実行するべき旨の内容を含んだコマンド)であった場合に、表示制御基板110側で実行される処理内容について説明する。すなわち、図8は表示制御基板110によって実行される「ツインリーチ処理ルーチン」を示すフローチャートである。なお、処理がこのルーチンに移行した時点においては、図7(b)に示すように、クロスラインL4,L5上でツインリーチ状態が発生しているものとする。
【0108】
処理がこのルーチンに移行すると、表示制御基板のCPU63は、ステップS101において、図9(a)に示すように、右図柄列23において既に停止(或いは疑似停止)されている図柄70A〜70Hを移動させる。そして、図9(b)に示すように、図柄70A〜70Hの上下配置を逆転させる(ここでは、「4」の図柄70Dと「5」の図柄70Eとを逆に配置する)。これにより、それまでクロスラインでリーチ状態が発生していたのが、横方向に平行に延びるライン上にリーチ状態が発生したかのような印象を遊技者は抱くこととなる。
【0109】
なお、このとき、リーチ状態となった図柄70A〜70Hを識別しやすくするために外れ図柄70Iを消去することとしてもよい。
【0110】
次に、ステップS102において、図9(c)に示すように、リーチ状態の発生している2種類の図柄のうち、一方の図柄(ここでは「4」の図柄70D)を拡大表示するとともに、他方の図柄(ここでは「5」の図柄70E)を縮小表示する。これにより、これから行われる演出については、一方の図柄(ここでは「4」の図柄70D)について強調され、他方の図柄(ここでは「5」の図柄70E)について矮小化される。そして、これからまず、前記一方の図柄についてのリーチ演出が行われるということが遊技者に伝えられることとなる。
【0111】
さらに、続くステップS103において、表示制御基板のCPU63は、表示部20a上において、第1のスーパーリーチの演出を行う。ここで行われる第1のスーパーリーチの演出内容については、特に限定されるものではない。すなわち、図9(c)に示すように、左右図柄列21,23においてリーチ図柄をそのまま表示したまま、中図柄列22の図柄をスクロール表示してもよいし、コマ送り表示してもよい。また、別途キャラクタを表示したりしてもよい。さらには、前記リーチ図柄を消去して、表示部20a全体を使って、派手な演出を行うこととしてもよい。
【0112】
そして、ステップS104においては、例えば図10(a)に示すように、所定時間経過後、中図柄列22の図柄を停止させる。また、次のステップS105においては、前記中図柄列22の図柄停止に際し、各図柄列21〜23の図柄が同一直線上に揃っているか否かを判定する。そして、肯定判定された場合には、大当たり状態を発生させるべく、本ルーチンを一旦終了する。これにより、大当たり状態発生といった観点からは無駄な演出が省略されることとなる。これに対し、否定判定された場合には、一方のリーチ図柄(ここでは「4」の図柄70D)では大当たり状態が発生しなかったものの、引き続いて他方のリーチ図柄(ここでは「5」の図柄70E)についてのリーチ演出を行うべく、ステップS106へ移行する。
【0113】
なお、上記例では、前記一方の図柄が揃った場合には、これ以降の処理を行わないこととしているが、揃った場合であっても、これ以降の処理を行うこととしてもよい。この場合には、次に記すような作用効果が奏される。すなわち、大当たり図柄の種類によって、遊技者にとっての価値を異ならせているような場合(例えば偶数の図柄70B,70D,70F,70Hで大当たり状態が発生した場合には大当たり状態終了後次回の遊技モードが通常モードとなり、奇数の図柄70A,70C,70E,70Gで大当たり状態が発生した場合には大当たり状態終了後次回の遊技モードが確率変動モード或いは時間短縮モードとなるような場合等)、大当たり状態発生が確定した上で、再度確変モード等の価値の高いモードの付与される図柄で大当たり状態が発生することを期待することができる。したがって、上記一方の図柄が揃った場合においても以降の処理を続行することで、遊技者は、余裕をもって次の演出を堪能することができ、面白味が一層高められるのである。
【0114】
さて、ステップS106へ移行した場合、CPU63は、図10(b)に示すように、リーチ状態の発生している2種類の図柄のうち、他方の図柄(ここでは「5」の図柄70E)を拡大表示するとともに、前記外れた一方の図柄(ここでは「4」の図柄70D)を縮小表示する。これにより、これから行われる演出については、他方の図柄について強調され、既に外れとなった一方の図柄について矮小化される。これにより、今後他方の図柄についてのリーチ演出が行われるということが遊技者に伝えられることとなる。
【0115】
さらに、続くステップS107において、CPU63は、図10(c)に示すように、一旦停止した中図柄列22の図柄70A〜70Hを再度変動表示させる。さらに、CPU63は、表示部20a上において、第2のスーパーリーチの演出を行う。ここで行われる第2のスーパーリーチの演出内容については、特に限定されるものではないが、前記第1のスーパーリーチの演出内容と異なっているのが好ましい。
【0116】
そして、CPU63は、所定時間経過後、中図柄列22の図柄を停止させるべく、その後の処理を一旦終了する。
【0117】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、クロスラインでのツインリーチが発生させられた場合、CPU63により、リーチ状態の発生した2種類の図柄70A〜70Hに対応させて2回の演出が行われる。このように、一度のリーチ状態の発生につき複数回のリーチ演出が行われるため、例えば一度目に実行されるリーチ演出が遊技者にとって好みのものでなかったとしても、次のリーチ演出が遊技者にとって好みのものであるというチャンスが生じる。その結果、遊技者がリーチ演出を堪能する機会が増大する。
【0118】
また、一度目のリーチ演出によって大当たり状態が発生しなかったとしても、別の図柄(別の大当たりライン)に対応する二度目のリーチ演出によって大当たり状態の発生が導出される機会が残っており、遊技者にとっての期待度がその分高められることとなる。その結果、今までにはない興趣の向上を図ることができる。特に、本実施の形態のように2つの大当たりラインでリーチ状態が発生した場合、少なくとも見かけ上大当たりの期待感が高められるわけであるが、従来では、この場合中図柄列(最終停止図柄列)において外れ図柄が停止してしまった時点で大当たりに対する期待感が水泡と化してしまい、折角複数ラインでのリーチ発生を設定した意義が没却されてしまっていた。これに対し、複数ラインでのリーチ状態が発生した場合には、遊技者に対し、該リーチ状態に応じた期待感を持たせることができる。かかる意味で、飛躍的な興趣の向上を図ることができるといえる。
【0119】
さらに、ツインリーチが発生した場合に行われる複数回の演出は、それぞれ異なる内容により構成されているため、遊技者はより多種類のリーチ演出を堪能することができ、面白味が増すとともに、遊技に幅を持たせることができる。
【0120】
併せて、一度目の演出が行われるに際し、既に停止されたリーチ図柄のうち、少なくとも一旦当該リーチ演出とは直接関係のない図柄が目立たなくさせられるとともに、リーチ演出に関係のある図柄が強調される。このため、当該演出そのもの、或いは、演出に関係のある図柄を引き立たせることが可能となり、演出等を遊技者にわかりやすくすることができる。
【0121】
加えて、本実施の形態では、ツインリーチが発生した場合、中図柄列22という共通の図柄列について、それぞれリーチ演出が行われる。このため、別途図柄列を設ける必要がない。
【0122】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0123】
(a)上記実施の形態では、複数種類の図柄について一度にリーチ状態が発生した場合について具体化したが、同種類の図柄について複数ラインでリーチ状態が発生する場合に、各リーチラインに対応して複数回のリーチ演出を行うこととしてもよい。
【0124】
(b)また、同一ライン上に異なる図柄が左、右図柄列が停止した場合に、強引にリーチ状態を発生させ、それぞれの図柄につき複数回の演出を行うこととしてもよい。この場合、例えば左図柄列と右図柄列の一旦停止図柄が全く異なっている場合であって、この後、両図柄列の図柄70A〜70Hを移動表示させ、上記実施の形態と同様、水平方向に2つの図柄につきリーチ状態を発生させることが考えられる。
【0125】
(c)上記実施の形態では、当該リーチ演出とは直接関係のない図柄が縮小表示されることとなっていたが、別に縮小表示を行わなくてもよい。また、縮小表示に代えて、消去することとしてもよい。さらに、縮小表示に代えて、或いは加えて、濃度を薄くすることとしてもよい。さらにまた、目立たない領域(例えば「表示部の端部側」)へ移動表示することとしてもよい。
【0126】
(d)上記実施の形態では、当該リーチ演出と関係のある図柄が拡大表示されることとなっていたが、別に拡大表示を行わなくてもよい。また、拡大表示に代えて、或いは加えて、濃度を濃くすることとしてもよい。さらに、目立つ領域(例えば「表示部の略中央部」)へ移動表示することとしてもよい。
【0127】
(e)上記実施の形態のような5ラインタイプのものでなくてもよい。例えば、いわゆる2ラインタイプ(例えば上下の横方向の大当たりラインがあるもの)や、3ラインタイプ(例えば上中下の横方向の大当たりラインがあるもの)のパチンコ機であってもよい。
【0128】
(f)各演出が行われるに際し、音及び光による表現態様を異ならせてもよい。
【0129】
(i)上記実施の形態では、遊技者にとっての価値の低い図柄でリーチ状態となっている方から演出を行い、結果を導出することとしたが、予め定められた方(例えば上部側)の方から一義的にリーチ状態の結果を導出するようにしてもよい。また、ランダムに導出してもよい。
【0130】
(j)特別図柄表示装置13としては、上述した液晶ディスプレイ以外にも、CRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示菅、ドラム等を用いてもよい。
【0131】
(k)上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等にも適用できる。例えば、大当たり図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、表示部のないパチンコ機(例えば大羽根等の変動入賞装置やクルーンといった役物が搭載されているタイプや、いわゆる多くのチューリップが搭載されているタイプ等)にも応用できる。また、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0132】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、遊技球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく、所定量の遊技球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して或いは所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の遊技球が払い出されるものである。
【0133】
(l)上記実施の形態では、図柄列として、左・中・右の3つの図柄列21,22,23を採用したが、2つ以下、或いは4つ以上の図柄列により構成してもよい。また、停止順序も上記実施の形態のものに何ら限定されるものではない。
【0134】
(m)ツインリーチ状態が発生することを遊技者に予告する予告手段を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
【図2】主として遊技盤を示すパチンコ機の正面図である。
【図3】表示制御基板等の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】VDP等の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】表示部に表示される図柄の一例を紹介するための模式図である。
【図6】(a)は表示部における図柄の表示態様の一例を示す模式図であり、(b),(c)は大当たり状態発生時の図柄の表示態様の一例を示す模式図である。
【図7】(a)は横ラインでのリーチ状態発生時の表示部の状態を示す模式図であり、(b)はクロスラインでのリーチ状態発生時の表示部の状態を示す模式図である。
【図8】表示制御基板のCPUにより実行される「ツインリーチ処理ルーチン」を示すフローチャートである。
【図9】(a)〜(c)はツインリーチにおける表示部の表示態様を示す図である。
【図10】(a)〜(c)はツインリーチにおける表示部の表示態様を示す図であって、図9の続きを示す図である。
【符号の説明】
1…パチンコ機、8…遊技盤、11…作動口、12…大入賞口、20…可変表示装置としての特別図柄表示装置、20a…表示部、21…左図柄列、22…中図柄列、23…右図柄列、50…特別遊技状態発生手段、リーチ状態発生手段を構成しうる主基板、63…リーチ演出手段を構成しうるCPU、110…表示制御基板、120…ランプ制御基板、130…音声制御基板、B…遊技球。
Claims (2)
- 遊技球が入球可能な作動口と、
前記作動口への遊技球の入球を検出可能な入球検出手段と、
前記入球検出手段により前記作動口への遊技球の入球が検出されることに基づき、表示部において図柄の変動表示及び停止表示を行う可変表示装置と、
第1の状態と、当該第1の状態と比較して遊技球の入球しやすい第2の状態とで切換可能な可変入賞装置とを備え、
前記入球検出手段により前記作動口への遊技球の入球が検出されることに基づき、抽選を行い、その抽選結果が特定の条件を満たす場合に、前記表示部の所定の有効ライン上に特定の図柄の組み合わせである当たり図柄を停止表示し、第1の状態とされていた前記可変入賞装置を第2の状態とし、その後第1の状態とする特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記図柄の変動表示は、複数の図柄表示列において複数の図柄を変動させることにより実行されるとともに、
少なくとも前記当たり図柄が停止表示される前段階においては、前記有効ライン上に所定のリーチ図柄を停止表示した上で未だ変動表示中の図柄に関し所定のリーチ演出表示が行われるよう構成し、
前記有効ラインとして、複数の有効ラインが設定されており、
前記有効ラインのうち、第1の有効ライン及び第2の有効ラインを含む複数の有効ライン上に、それぞれ所定のリーチ図柄が停止表示された場合に、
前記第2の有効ライン上に停止表示されているリーチ図柄を縮小表示する処理と、
前記第1の有効ライン上に停止表示されているリーチ図柄に関し、第1リーチ演出表示を行う第1リーチ演出表示処理と、
前記第1リーチ演出表示の結果導出が終了した後に、前記第2の有効ライン上に縮小表示されていたリーチ図柄を拡大表示する処理と、
前記第2の有効ライン上に停止表示されているリーチ図柄に関し、第2リーチ演出表示を行う第2リーチ演出表示処理と
を実行する手段を備えることを特徴とする遊技機。 - 前記第1リーチ演出表示の結果導出として、当たり図柄が停止表示されなかった場合に、結果導出が終了した後に、前記第2の有効ライン上に縮小表示されていたリーチ図柄を拡大表示する処理と、前記第2の有効ライン上に停止表示されているリーチ図柄に関し、第2リーチ演出表示を行う第2リーチ演出表示処理とが実行されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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