JP4227935B2 - 温感部材 - Google Patents

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Description

本発明は、温感部材に関する。温感部材とは、人が表面に触れた場合に冷たさや熱さをより感じにくい部材である。
所定形状の繊維強化プラスチック(FRP)製品は、ハンドレイアップ(HLU)法、スプレーアップ(SPU)法、シートモールディングコンパウンド(SMC)法、バルクモールディングコンパウンド(BMC)法、注型(キャスト)成形法、プリフォームマッチドダイ(PFMD)法、コールドプレス(CP)法、レジントランスファーモールディング(RTM)法、バキュームアシストレジントランスファーモールディング(VARTM)法、レジンインフュージョン(RIMP)法、オートクレーブ(AC)法、フィラメントワインディング(FW)法、引抜成形法、真空バッグ(VB)法、遠心成形(CC)法、回転成形(RM)法、加圧バッグ(PB)法等の製造方法によって製造される。例えば、ユニットバスルームを構成する一般的な浴室用防水パンはFRP製品の一つであり、これはSMC法によって製造されるのが一般的である。こうして得られる防水パン等のFRP製品は軽量性、高強度性等の優れた特質を発揮する。
しかし、この種のFRP製品は、冬場にそれが日陰にあり、人がその表面に触れた場合には冷たさを感じやすく、夏場にそれが日なたにあり、人がその表面に触れた場合には熱さを感じやすいという不具合がある。このため、一般的な防水パンに対しては、その表面に発泡ポリウレタンフォーム等からなるバスマットを設けることがよく行われている。こうすることにより、バスマットの無数の気孔が熱の移動を阻害するため、冷感を生じ難いという温感効果を生じる。なお、ベランダ、バルコニー等の床材をこれらと同様の構成とすれば、熱感を生じ難いという温感効果も生じると考えられる。ところが、こうして温感効果を得ようとすれば、発泡ポリウレタンフォーム等からなる別体のマットをわざわざ表面に設けなければならず、使用者に面倒な作業を強いてしまう。
この点、特許文献1には、FRP製であるとともに、無数の気孔を有する断熱部を有する防水パンが開示されている。この防水パンにおいては、断熱部が一体になっているため、使用者が面倒を感じることなく、温感効果を享受することが可能になる。また、この防水パンは、FRP製であることから、軽量性、高強度性等の優れた特質も発揮する。
一方、便座においては、発泡プラスチックからなるもの(特許文献2)、合成樹脂製の基部と、この基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有して構成された断熱部とからなるもの(特許文献3)が提案されている。また、そのような断熱部の表面に織布、発泡エラストマー状高分子材料等の表皮材をさらに設けた便座も提案されている(特許文献4、5)。これらの便座においても、無数の気孔を有する発泡プラスチックや断熱部が便座そのものであったり、便座と一体になっているため、使用者が面倒を感じることなく、温感効果を享受することが可能になる。
また、特許文献6には、素地に多孔質粒を混合して焼結させた温感部材が提案されている。この温感部材は、素地が多孔質の状態でセラミックス製の基部となるため、その多孔質の基部が熱伝導率を低下させ、上記と同様の温感効果を生じると考えられる。
他方、特許文献7には、FRP製の基部と、この基部の表面に一体に設けられ、シラスバルーンを有して構成された保温層と、この保温層の表面に一体に設けられたゲルコート層とからなるFRP製品が開示されている。このFRP製品はシラスバルーンが内部に気孔を有し、各気孔が熱の移動を阻害するため、保温効果を発揮すると考えられる。
実開平5−57223号公報 特開昭56−143122号公報 特開昭60−232120号公報 特開2000−152895号公報 特開2001−245823号公報 特開平10−82164号公報 特開2000−167940号公報
しかし、上記特許文献1開示の防水パンは、断熱部が厚さ方向の中間に設けられたり、裏側に設けられているだけであり、人が直接触れる表面で温感効果を十分に発揮することができない。
一方、上記特許文献2〜5開示の便座等は、全体が発泡プラスチックで構成されたり、基部が単に合成樹脂で構成されているにすぎないため、このままの構成では、軽量性の面では満足できるかもしれないが、強度に懸念を生じてしまう。
また、上記特許文献6開示の温感部材は、基部がセラミックス製であるため、温感効果及び強度や耐薬品性等の面では満足できるかもしれないが、軽量化に難点のある温感部材になってしまう。
他方、上記特許文献7開示のFRP製品は、HLU法やSPU法で製造されるものであることから、ゲルコート層が必須になっており、しかもそのゲルコート層が0.2〜0.5mmの厚みを有している。これは、型表面にゲルコート層を塗布する時、その塗布厚さを0.2mm未満にできないからである。このため、このFRP製品は、表面で温感効果を十分に発揮することができない。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、軽量性、高強度性等の優れた特質を維持しつつ、使用者が簡易に効果的な温感効果を享受できる温感部材を得ることを解決すべき課題としている。
本発明の温感部材は、繊維強化プラスチック製の基部と、該基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有して構成された断熱部と、該断熱部の表面に一体に設けられ、薄い部分の厚みが0.15mm未満の保護層とからなり、
前記保護層は表面が粗面化され、
前記保護層は、無数の中実の粒状物質と、各該粒状物質を覆いながら表面に突出させて繋ぎとめるマトリックスとからなることを特徴とする。
本発明の温感部材は、人が直接触れる表面の断熱部が無数の気孔を有しており、各気孔が熱の移動を阻害する。このため、例えば、冬場において人が表面に触れた場合に冷たさをより感じにくい。また、夏場において、人が表面に触れた場合に熱さをより感じにくい。すなわち、本発明の温感部材は効果的な温感効果を発揮する。
発明者らの知見によれば、体感される温感効果は、温感部材の熱伝導率よりもむしろその熱流束(単位時間・単位面積当たりの熱の移動量)と相関関係がある。例えば、医療分野においては、人の感覚は熱流束によって評価されている。
また、本発明の温感部材は、繊維強化プラスチック製の基部と、該基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有して構成された断熱部と、該断熱部の表面に一体に設けられ、薄い部分の厚みが0.15mm未満の保護層とからなる。
本発明の温感部材は、人が保護層を介して触れる表面の断熱部が無数の気孔を有しており、各気孔が熱の移動を阻害する。この際、保護層は薄い部分の厚みが0.15mm未満であるため、熱流束が小さく、効果的な温感効果を発揮する。
また、本発明の温感部材はその際に電気やガス等のエネルギーを消費することはないため、ランニングコストも生じない。
さらに、本発明の温感部材においては、断熱部が一体になっているため、使用者が面倒を感じることなく、温感効果を享受することが可能になる。また、本発明の温感部材は基部が繊維強化プラスチック製であることから、軽量性、高強度性等の優れた特質も発揮する。
したがって、本発明の温感部材によれば、軽量性、高強度性等の優れた特質を維持しつつ、使用者が簡易に効果的な温感効果を享受することができる。
基部は一般的な繊維強化プラスチック(FRP)製のものである。
断熱部は、基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有して構成されている。本発明の温感部材のように断熱部が表面に剥き出しになっている場合、断熱部の表面を粗面化すれば、粗面化によってできる凹凸の凹部と人の肌との間に空気が存在しやすく、温感効果が高まる。また、断熱部の粗面によって、温感部材の表面を滑りにくくすることができる。断熱部をハニカム状にすることも可能である。
本発明の温感部材では、断熱部の表面に保護層が一体に設けられている。断熱部の気孔が表面に開いているとそこに汚れが蓄積するおそれがあるが、保護層はその気孔が表面に開くことを防止する。特に、断熱部の無数の気孔を後述する気孔体によって形成している場合にこの効果が大きい。内部に気孔をもつ気孔体を用いている場合、断熱部から露出している気孔体は使用によって割れてしまうこともあり、保護層がその割れを防止することができる。気孔体を含む断熱部用塗料を基部の表面に塗布した場合、気孔体が凸状に表面に突出しやすいことから、特にこの効果が顕著である。また、保護層は顔料を含むことにより意匠性を高めることができる。
保護層は薄い部分の厚みが0.15mm未満である。発明者らの試験結果によれば、保護層は、薄い部分の厚みが0.15mmを超えると、保護層自体が大量の熱を吸収するため、熱流束が大きく、効果的な温感効果を発揮できない。保護層は薄い部分の厚みが0.1mm未満であることがより好ましい。
保護層は、表面が粗面化されている。保護層の表面を粗面化すれば、粗面化によってできる凹凸の凹部と人の肌との間に空気が存在しやすく、温感効果が高まる。また、保護層の粗面によって、温感部材の表面を滑りにくくすることができる。
保護層の表面を粗面化するためには、保護層は、無数の粒状物質と、各粒状物質を覆いながら表面に突出させて繋ぎとめるマトリックスとからなることができる。
粒状物質は中空ではなく、芯の詰まった中実のものである。これにより温感部材の表面の強度を確保することができる。この粒状物質としては、ナイロン、ウレタン、フェノール等の有機系のものの他、二酸化ケイ素、アルミナ等の無機系のものを採用することができる。粒状物質は、真球状であることが好ましいが、コスト面を考えれば、真球状でないものでもよい。
マトリックスは、断熱部と一体をなし、各粒状物質を覆いながら表面に突出させて繋ぎとめる。マトリックスが各粒状物質を覆っているため、マトリックスが親水性であれば、保護層が親水性になる。
マトリックスとしては、アクリルウレタン、アクリル、ウレタン、エポキシ等の合成樹脂を採用することができる。親水性のマトリックスを採用することが好ましい。本発明の温感部材の製造方法においては、硬化してマトリックスとなるマトリックス原料を用いる。
断熱部の表面に保護層を一体に設けるためには、基部及び断熱部を成形後、成形体に保護層用塗料をスプレー等によって塗布する手段を採用することができる。保護層は、スプレー塗布によって形成されることにより薄く形成され、好ましいものとなる。なお、基部及び断熱部又は断熱部とともに保護層用のシートを成形する手段も採用することができる。但し、厚さ0.15mm以下のシートを準備することは困難であることから、スプレーによって保護層を形成することが好ましい。
断熱部は強化用繊維を含むことが好ましい。これにより温感部材の強度をより高くすることができる。そして、プレス成形によって温感部材を製造するのであれば、保護層の有無にかかわらず、強化用繊維によって温感部材の表面性状が損なわれることはない。
気孔内は、空気等の気体が充満していてもよく、真空であってもよい。気孔内に空気が存在していることが好ましい。気孔内に空気が存在している断熱部は製造が容易であり、製造コストの低廉化を実現できる。
また、気孔は、連続気孔であってもよいが、独立気孔であることが好ましい。断熱部の表面に保護層がない場合、連続気孔の断熱部は、表面から浸水等を生じ、汚れ易い。これに対し、断熱部の表面に保護層がない場合であっても、独立気孔は、表面に開口せずに内部が閉じ込められていることから、大きな温感効果が得られやすい。また、この場合、独立気孔の断熱部は、表面からの浸水をより確実に防止することができ、汚れにくい。断熱部の表面に保護層がある場合には、連続気孔による不具合は解消される。断熱部はそのような独立気孔が密に存在していることが好ましく、特に最密に存在していることが好ましい。独立気孔の密度が高い程、温感効果が高くなる。
断熱部の気孔は、無数の気孔体の内部のものを含み得る。気孔体とは、内部に気孔をもつ粒子又は繊維をいう。気孔体の内部の気孔によって断熱部の気孔を確保すれば、断熱部中の気孔体の量によって気孔量を確実に確保することができることから、温感部材の温感効果が安定する。
また、断熱部の気孔は、各気孔体間のものを含み得る。各気孔体が互いの間に気孔を有しておれば、断熱部の気孔率が上がり、温感部材はより優れた温感効果を奏することができる。
気孔体としては、中空粒子、中空繊維及び多孔質粒子の少なくとも1種を採用することができる。すなわち、中空粒子のみを採用する場合と、中空繊維のみを採用する場合と、多孔質粒子のみを採用する場合と、中空粒子及び中空繊維を採用する場合と、中空繊維及び多孔質粒子を採用する場合と、中空粒子及び多孔質粒子を採用する場合と、中空粒子、中空繊維及び多孔質粒子を採用する場合とがある。
中空粒子とは、非吸水性の球状又は略球状の殻内に密閉された中空部をもつ粒子である。中空粒子の中空部によって断熱部の気孔を確保すれば、その気孔は独立気孔となる。中空部内は、空気等の気体が充満していてもよく、真空であってもよい。無機系の中空粒子であってもよく、有機系の中空粒子であってもよい。無機系の中空粒子としては、平均粒径が数10μm程度のガラスバルーン、シリカバルーン、石英ガラスバルーン、フライアッシュ、シラスバルーン、アルミナバルーン等を採用することができる。有機系の中空粒子としては、平均粒径が数10μm程度のウレタンバルーン、フェノールバルーン、ポリアミドバルーン等を採用することができる。
中空繊維とは、非吸水性の筒状の殻内に両端が開放された中空部をもつ繊維である。中空繊維の中空部によって断熱部の気孔を確保しても、その気孔は個々には連続せず、やはり独立気孔となる。中空部内は、空気等の気体が充満していてもよく、真空であってもよい。無機系の中空繊維であってもよく、有機系の中空繊維であってもよい。無機系の中空繊維としては、直径が数10μm程度の中空ガラス繊維、中空シリカ繊維、中空石英ガラス繊維等を採用することができる。有機系の中空繊維としては、直径が数10μm程度の中空ポリエステル繊維、中空アクリル繊維等を採用することができる。
多孔質粒子とは、それ自体が多孔質の材料で構成された粒子である。多孔質によって形成される気孔は、密閉されたものであってもよく、開放されたものであってもよい。無機系の多孔質粒子であってもよく、有機系の多孔質粒子であってもよい。無機系の多孔質粒子としては、微細に発泡したセラミックスの粉砕物、珪藻土、シリカゲル、軽石粉等を採用することができる。有機系の多孔質粒子としては、微細に発泡した樹脂の粉砕物等を採用することができる。また、特開2002−285695号公報等に開示されたものでもよい。
本発明の温感部材は、浴室用防水パン、浴槽、壁パネル、天井パネル、カウンター、ベランダやバルコニーやリビング等の床材、手摺、椅子、便座、樹脂タイル等に具体化可能である。ユニットバスルームを構成する防水パンのうち、洗い場部分に本発明を適用することが特に効果的である。人が裸足でその上に居るとしても、温感効果によってここちよく過ごすことが可能になる。
発明者らの試験結果によれば、温感部材を5°Cに維持した場合、33°Cの物体、例えば足裏との間におけるその温感部材の熱流束のピークが6500W/m2以下であれば、その温感部材は十分な温感効果を発揮する。また、温感部材を23°Cに維持した場合、33°Cの物体、例えば足裏との間におけるその温感部材の熱流束のピークが3000W/m2以下であれば、その温感部材は十分な温感効果を発揮する。
本発明の温感部材は以下の本発明の製造方法によって製造可能である。
本発明の製造方法は、繊維強化プラスチック製の基部を得る基部成形工程と、
無数の気孔を有して構成された断熱部を得る断熱部成形工程と、
該基部の表面に該断熱部を位置させ、繊維強化プラスチック製の基部と、該基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有して構成された断熱部とからなる温感部材を得る完成工程とを備えていることを特徴とする。
基部成形工程では、FRP製の基部を得る。この基部成形工程としては、ハンドレイアップ(HLU)法、スプレーアップ(SPU)法、シートモールディングコンパウンド(SMC)法、バルクモールディングコンパウンド(BMC)法、注型(キャスト)成形法、プリフォームマッチドダイ(PFMD)法、コールドプレス(CP)法、レジントランスファーモールディング(RTM)法、バキュームアシストレジントランスファーモールディング(VARTM)法、レジンインフュージョン(RIMP)法、オートクレーブ(AC)法、フィラメントワインディング(FW)法、引抜成形法、真空バッグ(VB)法、遠心成形(CC)法、回転成形(RM)法、加圧バッグ(PB)法等を採用することができる。これにより所定形状の基部が得られる。
断熱部成形工程では、無数の気孔を有して構成された断熱部を得る。この断熱部成形工程としては、多孔質の有機系又は無機系断熱部を製造する方法、無数の中空粒子等を含む有機系又は無機系断熱部を製造する方法等を採用することができる。例えば、多孔質の有機系断熱部を製造する方法としては、樹脂を発泡させた状態で硬化させる方法を採用することができる。また、無数の中空粒子等を含む有機系断熱部を製造する方法としては、中空粒子等を含む樹脂を硬化させる方法を採用することができる。これにより所定形状の断熱部が得られる。
完成工程では、基部の表面に断熱部を位置させ、FRP製の基部と、この基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有して構成された断熱部とからなる温感部材を得る。基部と断熱部とを別々に得る場合には、基部と断熱部とを一体とする。これにより所定形状の温感部材が得られる。
また、本発明の製造方法は、内部に気孔をもつ無数の気孔体を含む断熱部用シートモールディングコンパウンドと、強化用繊維を含む基部用シートモールディングコンパウンドとをプレス型内に設け、該断熱部用シートモールディングコンパウンド及び該基部用シートモールディングコンパウンドを加熱しつつプレス成形することにより、繊維強化プラスチック製の基部と、該基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有して構成された断熱部とからなる温感部材を得ることを特徴とする。この製造方法によっても本発明の温感部材を製造することができる。
さらに、本発明の製造方法は、内部に気孔をもつ無数の気孔体を含む断熱部用ゲルコート液を成形型上に塗布し、該成形型上に第1断熱部を成形する第1工程と、
内部に気孔をもつ無数の気孔体を含む断熱部用パテを該第1断熱部上に塗布し、該第1断熱部と一体の第2断熱部を成形する第2工程と、
基部用樹脂を強化用繊維とともに該第2断熱部上に塗布し、繊維強化プラスチック製の基部と、該基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有して構成された該第1断熱部及び該第2断熱部の断熱部とからなる温感部材を得る第3工程とを備えていることを特徴とする。この製造方法によっても本発明の温感部材を製造することができる。
上記の製造方法によって得られた温感部材の表面に薄い部分の厚みが0.15mm未満の保護層を一体に設けることにより、繊維強化プラスチック製の基部と、この基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有して構成された断熱部と、この断熱部の表面に一体に設けられ、薄い部分の厚みが0.15mm未満の保護層とからなる本発明の温感部材を得ることができる。
なお、内部に気孔をもつ無数の気孔体を含む断熱部用塗料を基部の表面に塗布することもできる。これにより製造が容易になって製造コストの低廉化を実現できる。断熱部用塗料の塗布方法としては、公知のスプレー式、スクリーン式、浸漬式等を採用することができる。断熱部を点在させる場合には、スプレーによって断熱部用塗料を細かく点在させる方法、滴下によって断熱部用塗料を粗く点在させる方法、マスキングして断熱部用塗料を点在させる方法等を採用することができる。また、気孔体を散在させる方法として、気孔体を含まない塗料を塗布した後、気孔体を振り掛けることも可能である。
気孔体を用いて得られる温感部材は、人が直接又は保護層を介して触れる表面の断熱部に気孔体が含まれており、この気孔体の気孔が熱の移動を阻害する。このため、この温感部材は効果的な温感効果を発揮する。特に、製造時に気孔体が塗料中を浮上して断熱部の表面側に集合して含まれやすく、気孔体を大量に使用しなくても、効果的な温感効果が得られる。また、こうして得られる温感部材は、断熱部の表面側に気孔体が集合して存在しやすく、保護層がない温感部材においては、これらが凸状に表面側に突出して表面が滑り難いものとなる。この効果はこの温感部材を防水パンの洗い場に用いた場合に特に有効である。特に、中空粒子のみを採用して得られる温感部材は、中空粒子の中空部が常に閉気孔であるため、表面からの浸水をより確実に防止することができ、汚れにくい。
また、本発明の製造方法において、断熱部成形工程は、内部に気孔をもつ無数の気孔体を含む断熱部用シートモールディングコンパウンド(SMC)をプレス型に設け、断熱部用SMCを加熱しつつプレス成形することが好ましい。これにより従来のSMC法と同様に本発明の温感部材を製造することができる。
発明者らの試験結果によれば、気孔体を塗料やSMC中に含ませる場合には、その塗料やSMCの固形分100重量部に対し、気孔体が10質量部以上含まれることにより温感効果が顕著である。塗料やSMCの固形分100重量部に対し、気孔体が20〜60質量%含まれることが特に好ましい。
プレス型に強化用繊維を含む基部用SMCを設け、基部用SMCを加熱しつつプレス成形することにより、断熱部成形工程とともに基部成形工程及び完成工程を行うことが好ましい。この場合、基部成形工程、断熱部成形工程及び完成工程を同時に行うことができ、製造方法が極めて容易になって製造コスト低廉化を実現できる。
断熱部用ゲルコート液及び断熱部用パテを用いることによりハンドレイアップ法又はスプレーアップ法により本発明の温感部材を製造すれば、少数多品種の製品を比較的簡易に製造することができる。
本発明の温感部材は、それ自体が防水パン等に成形されてもよく、不定形の板状又はタイル状に成形されて既設の防水パン等上に貼着されてもよい。温感部材を予め防水パン等に成形する場合には、既設の防水パン等に替えてこの温感部材からなる防水パン等を施工することにより、温感効果の享受が可能になる。他方、温感部材を不定形の板状又はタイル状に成形する場合には、この温感部材を既設の防水パン等のFRP製品上に貼着することにより、簡易に温感効果を享受することが可能になる。新築の住宅等においては、前者の施工方法が便宜であり、住宅等のリフォームにおいては、後者の施工方法が便宜である。
温感部材を不定形の板状に成形する場合には、所定形状に切断して既設のFRP製品上に貼着すればよい。この場合、リフォームの現場においてその温感部材を切断することは困難であるため、浴室用防水パンの洗い場等の大きさを採寸し、本発明の温感部材をその洗い場等の大きさに工場内で裁断しておくことが好ましい。この場合、排水口等の位置も工場内で切り抜いておくことが好ましい。
また、板状の温感部材をリフォームの現場で容易に切断できるように、温感部材の肉厚を薄くする凹溝を形成しておくこともできる。この凹溝は基部に形成されていることが好ましい。
温感部材をタイル状に成形する場合には、その温感部材を整列させて既設のFRP製品上に貼着すればよい。運搬の容易性のためにはタイル状の温感部材が便宜である。
本発明の断熱部用シートは、本発明の温感部材の断熱部を貼着によって構成することを特徴とする。この断熱部用シートは無数の気孔を有して構成され得る。また、この断熱部用シートは、無数の気孔を有して構成された断熱部と、この断熱部の表面に一体に設けられ、薄い部分の厚みが0.15mm未満の保護層とからなり得る。これらの断熱部用シートは上記断熱部成形工程等によって製造可能である。断熱部用シートは不定形の板状若しくはシート状又はタイル状に製造され得る。この断熱部用シートを既設の防水パン等のFRP製品上に貼着することにより、簡易に温感効果を享受することが可能になる。住宅等のリフォームにおいてはこれが便宜である。
本発明の浴室用防水パンの改修方法は、既設の浴室用防水パン上に本発明の断熱部用シートを貼着することを特徴とする。これにより、既設の防水パンをリフォームにより本発明の温感部材としての防水パンに容易に変更することができる。断熱部用シートを不定形の板状又はシート状に成形する場合には、所定形状に切断して既設の防水パン上に貼着すればよい。板状又はシート状の断熱部用シートをリフォームの現場で容易に切断できるように、断熱部用シートの肉厚を薄くする凹溝を形成しておくこともできる。この凹溝は基部側であることが好ましい。断熱部用シートをタイル状に成形する場合には、その断熱部用シートを整列させて既設の防水パン上に貼着すればよい。運搬の容易性のためには、タイル状の断熱部用シート又は可撓性のある断熱部用シートが便宜である。
断熱部用シートを不定形の板状又はシート状に成形する場合、リフォームの現場においてその断熱部用シートを切断することは困難であるため、浴室用防水パンの洗い場の大きさを採寸し、本発明の断熱部用シートをその洗い場の大きさに工場内で裁断しておくことが好ましい。この場合、排水口の位置も工場内で切り抜いておくことが好ましい。
温感部材や断熱部用シートを貼着するための接着剤としては、弾性を有するウレタン系、シリコーン系等のものが好ましい。これにより既設のFRP製品の凹みや撓みに温感部材や断熱部用シートを追従させることができる。温感部材や断熱部用シートの縁部にはシリコーンゴム等のコーキング剤を設けることもできる。
以下、本発明を具体化した参考例、実施例1〜12等を図面を参照しつつ説明する。
(参考例)
参考例では、温感部材として、以下の製造方法により、浴室用防水パンを製造する。まず、図1に示すように、SMC法による基部成形工程S10において、基部用SMC製造工程S11を行い、図2に示す基部用SMC10を得る。基部用SMC10の調合を表1に示す。なお、充填剤としては、炭酸カルシウムの他、水酸化アルミニウム、フリット粉末等を採用することもできる。
下型1a及び上型1bからなるプレス型1を用意し、このプレス型1のキャビティ2内に複数枚の基部用SMC10を設ける。なお、下型1a及び上型1bにはそれぞれキャビティ2内に突出する押出ピン1c、1dが設けられている。
そして、図1に示す基部成形工程S10において、プレス成形工程S12を行う。この際、図3に示すように、上型1bを下型1aに向けて下降することにより、各基部用SMC10を80〜150°Cの温度で加熱しつつ、5〜150kgfの加圧力でプレス成形する。この状態で2〜7分間保持した後、図4に示すように、型開きを行う。そして、押出ピン1c、1dによりFRP製の基部5を押す。こうして、図5に示すように、厚さが6mmの基部5を得る。
一方、中空粒子として、最小粒径5μm、最大粒径100μm及び平均粒径40μmの市販のガラスバルーン7(図7参照)を用意する。このガラスバルーン7を高耐候性シリコーン樹脂塗料中に5体積%添加し、断熱部用塗料を得る。そして、基部5の表面を上方にし、図1に示す断熱部成形工程及び完成工程S20において、図6に示すように、基部5の表面側に断熱部用塗料をスプレーにより60μm又は440μmで塗布する。この後、断熱部用塗料6を乾燥させ、図7に示すように、断熱部6とする。この際、ガラスバルーンは、非吸水性の球状又は略球状の殻7b内に空気を充満させて密閉された中空部7aをもっているため、ガラスバルーン7が高耐候性シリコーン樹脂塗料内を浮く方向に移動し、断熱部6には人が触れる表面側にガラスバルーン7が存在することとなる。こうして、断熱部成形工程及び完成工程S20を同時に行うことができ、製造が容易になって製造コストの低廉化を実現できる。
この状態で防水パンとする。この防水パンは、FRP製の基部5と、この基部5の表面に一体に設けられた断熱部6とからなる。断熱部6は、ガラスバルーン7が殻7b内に空気を充満させた中空部7aをもつため、それらの中空部7aが無数の気孔7aを構成している。各気孔7aは独立気孔である。また、各ガラスバルーン7間にも気孔13が存在する。
この防水パンでは、人が直接触れる表面の断熱部6が無数の気孔7a、13を有しており、各気孔7a、13が熱の移動を阻害する。このため、この防水パンは、冬場において人が表面に触れた場合に冷たさを感じにくく、効果的な温感効果を発揮する。特に、この防水パンは、断熱部6の気孔7aが表面に開口しない独立気孔であるため、大きな温感効果が得られやすい。また、この防水パンは、製造時にガラスバルーン7が高耐候性シリコーン樹脂塗料中を浮上して断熱部6の表面に集合して含まれやすく、ガラスバルーン7を大量に使用しなくても、効果的な温感効果が得られる。また、この防水パンはその際に電気やガス等のエネルギーを消費することはないため、ランニングコストも生じない。
また、この防水パンは、断熱部6の表面側にガラスバルーン7が集合して存在しやすく、これらが凸状に表面に突出して表面が滑り難いものとなっている。このため、この防水パンは使用者にとって安全であるという効果も奏する。また、気孔7aが独立気孔の断熱部6は、表面からの浸水をより確実に防止することができ、汚れにくい。
また、この防水パンにおいては断熱部6が一体になっているため、使用者は従来のようなバスマットを設ける必要性がなく、面倒さを感じない。また、この防水パンは、基部5がFRP製であることから、軽量性、高強度性等の優れた特質も発揮する。
したがって、この防水パンによれば、軽量性、高強度性等の優れた特質を維持しつつ、使用者が簡易に効果的な温感効果を享受することができる。
(実施例1)
実施例では、参考例の防水パンを用意するとともに、公知のウレタン塗料を保護層用塗料として用意する。そして、参考例の防水パンの断熱部6の表面に保護層用塗料をスプレーによって塗布し、図8に示すように、20〜100μmの厚さの非透水性の保護層9を形成する。
こうして得られた防水パンは、FRP製の基部5と、この基部5の表面に一体に設けられた断熱部6と、断熱部6の表面に一体に設けられた保護層9とからなる。防水パンの断面写真を図9に示す。保護層9の表面は断熱部6の表面に存在するガラスバルーン7によって粗面化されている。
この防水パンは、人が保護層9を介して触れる表面の断熱部6が無数の気孔7a、13を有しており、各気孔7a、13が熱の移動を阻害する。この際、保護層9は全体が20〜100μmであるため、熱流束が小さい。また、保護層9が粗面化されているため、凹部と人の肌との間に空気が存在しやすい。このため、この防水パンは優れた温感効果を発揮する。
また、この防水パンは、断熱部6の表面に保護層9が一体に設けられているため、ガラスバルーン7が使用によって割れることを保護層9が防止し、汚れが蓄積することを防止している。また、保護層9の粗面によって、防水パンの表面を滑りにくくすることができる。他の作用効果は参考例と同様である。
(実施例2)
実施例では、ガラスバルーン7を高耐候性シリコーン樹脂塗料中に40体積%添加し、断熱部用塗料を得る。他の条件は実施例と同様である。こうして、図10に示す防水パンを得る。
この防水パンでは、断熱部用塗料中のガラスバルーン7の割合が多いため、断熱部6は独立気孔の気孔7aが密に存在している。このため、この防水パンは実施例のものよりも温感効果が高い。他の作用効果は実施例と同様である。
(実施例3)
実施例では、多孔質粒子として珪藻土12を用意し、高耐候性シリコーン樹脂塗料中にガラスバルーン7を2.5体積%及び珪藻土12を2.5体積%添加し、断熱部用塗料を得る。他の条件は実施例と同様である。こうして、図11に示す防水パンを得る。
こうして得られる防水パンの断熱部6は、ガラスバルーン7が殻7b内に空気を充満させた中空部7aをもつとともに、珪藻土12も内部に微細な気孔12aをもつため、これらの中空部7a及び気孔12aが無数の気孔7a、12aを構成している。このため、この防水パンにおいても、実施例1〜と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例4)
実施例では、ガラスバルーン7に代え、外径2μm、最小長さ5μm、最大長さ50μm及び平均長さ30μmの市販の中空ポリエステル繊維8を用いる。他の条件は実施例と同様である。こうして、図12に示す防水パンを得る。
こうして得られる防水パンの断熱部6は、中空ポリエステル繊維8が内部に空気を充満させた中空部8aをもつため、それらの中空部8aが無数の気孔8aを構成している。各気孔8aは独立気孔である。このため、この防水パンも実施例のものと同様の作用効果を奏することができる。
(実施例5)
実施例では、図13に示すように、SMC法による基部成形工程、断熱部成形工程及び完成工程S30を行う。まず、表1に示す調合により、基部用SMC製造工程S31を行い、図14に示す基部用SMC10を得る。
また、図13に示すように、表1に示す調合により、断熱部用SMC製造工程S32を行い、図14に示す断熱部用SMC11を得る。
そして、プレス型1のキャビティ2内において、完成品としての防水パンの表面を構成するように1枚又は複数枚の断熱部用SMC11を設ける。この後、それらの断熱部用SMC11上にさらに複数枚の基部用SMC10を設ける。次いで、実施例と同様、図15に示すように、図13に示すプレス成形工程S33を行う。他の条件は実施例と同様である。こうして、図16に示す防水パンを得る。
こうして得られた防水パンは、FRP製の基部5と、この基部5の表面に一体に設けられた断熱部6とを有する。断熱部6は、ガラスバルーン7が殻7b内に空気を充満させた中空部7aをもつため、それらの中空部7aが無数の気孔7aを構成している。各気孔7aは独立気孔である。
このため、この防水パンも実施例のものと同様の作用効果を奏することができる。また、この防水パンでは、プレス成形工程S33により断熱部6を形成していることからガラスバルーン7が表面に突出していない。このため、この防水パンでは、保護層9を省略しても、ガラスバルーン7が割れ難い。
また、この防水パンは、断熱部6が強化用繊維を含むため、強度がより高まっている。そして、プレス成形によって防水パンを製造しているため、強化用繊維によって防水パンの表面性状は損なわれない。
さらに、この製造方法では、基部成形工程、断熱部成形工程及び完成工程S30を同時に行うことができ、製造方法が極めて容易になって製造コストの低廉化を実現できる。
(実施例6)
実施例では、実施例のガラスバルーン7に代え、実施例の中空ポリエステル繊維8を用いる。他の条件は実施例と同様である。こうして、図17に示す防水パンを得る。こうして得られる防水パンにおいても実施例のものと同様の作用効果を奏することができる。
(実施例7)
実施例では、実施例の断熱部6の表面に実施例の保護層9を形成する。他の条件は実施例と同様である。こうして、図18に示す防水パンを得る。不織布に未硬化のウレタンを含浸させた保護層用のシートを予め用意し、この保護シートを図14に示すプレス型1の下型1a上に被せておくことも可能である。こうして得られる防水パンでは、保護層9によりガラスバルーン7がより一層割れ難く、汚れ難くなっている。他の作用効果は実施例と同様である。
(実施例8)
実施例では、実施例のガラスバルーン7に代え、実施例の中空ポリエステル繊維8を用いる。他の条件は実施例と同様である。こうして、図19に示す防水パンを得る。こうして得られる防水パンにおいても実施例のものと同様の作用効果を奏することができる。
(実施例9)
実施例では、図20に示すように、SMC法による基部成形工程S40において、基部用SMC製造工程S41及びプレス成形工程S42を行い、図5に示す基部5を得る。また、図20に示すように、SMC法による断熱部成形工程S50において、断熱部用SMC製造工程S51及びプレス成形工程S52を行い、図6に示す断熱部6を得る。そして、この断熱部6の表面に実施例と同様に保護層9を形成する。
そして、図20に示すように、完成工程S60において、基部5の表面に断熱部6の裏面側を接着し、図8に示す防水パンを得る。他の条件は実施例と同様である。こうして得られる防水パンにおいても実施例のものと同様の作用効果を奏することができる。
(実施例10)
実施例10では、実施例の防水パンを用意するとともに、マトリックス原料として親水性アクリルウレタン塗料と、粒状物質として、JISZ8801に基づく公称目開き125μmの金属製網ふるいの網下かつ公称目開き90μmの金属製網ふるいの網上のナイロンパウダ18とを用意する。なお、ナイロンパウダ18は必ずしも真球状ではない。親水性アクリルウレタン塗料はアクリルウレタン2液タイプの原液を溶剤であるシンナーによって希釈したものであり、これは加熱によって硬化する。親水性アクリルウレタン塗料は透明であっても、有色であってもよい。
親水性アクリルウレタン塗料100質量部に対してナイロンパウダ18を25重量部を添加して保護層用塗料を調製する。そして、この保護層用塗料を実施例の防水パンの断熱部6の表面にスプレーによって塗布し、親水性アクリルウレタン塗料を硬化させる。こうして、保護層9を形成し、防水パンが得られる。
この防水パンの保護層9は、図21及び図22に示すように、無数のナイロンパウダ18と、親水性アクリルウレタン塗料が硬化することにより断熱部6と一体をなし、各ナイロンパウダ18を覆いながら表面に突出させて繋ぎとめるマトリックス9aとからなる。マトリックス9aの厚み(ナイロンパウダ18によって突出していない箇所)は、60〜70μmであり、ナイロンパウダ18の平均粒径の52〜61%である。また、保護層9は、900〜2000個/cm2の割合でナイロンパウダ18が突出している。
こうして得られた防水パンでは、保護層9は、無数のナイロンパウダ18と、各ナイロンパウダ18を覆いながら表面に突出させて繋ぎとめるマトリックス9aとからなる。保護層9の表面はナイロンパウダ18によって粗面化されている。このため、この防水パンは、粗面化によってできる凹凸の凹部と人の肌との間に空気が存在しやすく、温感効果が高まっている。また、保護層9の粗面によって、防水パンの表面を滑りにくくすることができる。そして、保護層9のナイロンパウダ18が公称目開き125μmのふるいの網下かつ公称目開き90μmのふるいの網上の範囲内のものであるため、上記温感効果を維持できるのである。
また、この防水パンは、保護層9が900〜2000個/cm2の割合でナイロンパウダ18を突出させているため、滑り難い特性を表面に有しているとともに、人との接触面積が小さくて温感効果が向上している。また、この防水パンによれば、接触時に痛みを生じることもない。
また、マトリックス9aの厚みが60〜70μmと薄いため、保護層9の吸収する熱量がわずかであるため、熱流束の増大を抑制することができる。また、こうであるため、保護層用塗料を1回スプレーすることによって保護層9を形成することができ、優れた生産性により、この点でも安価な製造コストも実現している。
さらに、この防水パンは、マトリックス9aが親水性であるため、表面に残る水が広がりやすく、早期に乾燥することとなる。このため、防水パンの性能が水によって阻害された状態から早期に回復することができる。他の作用効果は実施例と同様である。
(実施例11)
実施例11では、以下の製造方法により温感部材としてのユニットバスの防水パンを製造する。
まず、図23に示すように、第1工程S30において、断熱部用ゲルコート液を得る。この断熱部用ゲルコート液の調合を表2に示す。中空粒子としては、参考例のガラスバルーン7を用いる。但し、ここで用いられるガラスバルーン7は耐圧強度がさほど高くないものでもよい。なお、発明者らの試験結果によれば、吹き付け可能にガラスバルーン7を多くする場合、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対してガラスバルーン7を20質量部添加した断熱部用ゲルコートを採用できる。
図24(A)に示すように、この断熱部用ゲルコート液を成形型70上にスプレーによって吹き付けて塗布し、成形型70上に厚みが0.3〜0.5mmの第1断熱部61を成形する。第1断熱部61の厚みを0.3〜0.5mmとしたのは、表面性能確保のために最低限必要だからである。
この後、図23に示すように、第2工程S40において、断熱部用ゲルコート液で用いたガラスバルーン7を用い、断熱部用パテを得る。この断熱部用パテの調合も表2に示す。なお、発明者らの試験結果によれば、刷毛塗り又はこて塗り可能にガラスバルーン7を多くする場合、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対してガラスバルーン7を20〜40質量部添加した断熱部用パテを採用できる。
図24(B)に示すように、この断熱部用パテを第1断熱部61上に刷毛塗り又はこて塗りによって塗布し、成形型70上に第1断熱部61と一体の第2断熱部62を厚みが2±0.5mmで成形する。第2断熱部62の厚みを2±0.5mmとしたのは参考例、実施例1〜10と同様の理由による。
さらに、図23に示すように、第3工程S50において、通常のハンドレイ・スプレーアップ法で用いる基部用樹脂を得る。この基部用樹脂の調合も表2に示す。
図24(C)に示すように、一定量のグラスファイバー(1inch)を散布しながら基部用樹脂を第2断熱部62上にスプレーによって塗布し、成形型70上に第1断熱部61及び第2断熱部62と一体の基部5を厚みが2mm以上で成形する。基部5の厚みを2mm以上としたのは、成形品の要求強度を満足させる理由による。なお、基部5の成形は、基部用樹脂をスプレーすることの他、予めシート状にしておいた基部用樹脂を積層するハンドレイアップ法や、第2断熱部62の上にキャビティを保つメス型を被せ、そのキャビティ内に基部用樹脂を充填するキャスティング法等を採用することもできる。
そして、図25に示すように、中間体6を成形型70から脱型する。中間体6は第1断熱部61、第2断熱部62及び基部5からなる。基部5はFRP製であり、基部5の表面側には、無数のガラスバルーン7の中空部7a及び各ガラスバルーン7間等に存在する気泡による無数の気孔7a、13を有して構成された第1断熱部61及び第2断熱部62からなる断熱部60が一体に設けられている。
また、図23に示すように、第4工程S60において、実施例10と同様の保護層用塗料を調製し、この保護層用塗料を中間体6の表面にスプレーによって塗布し、親水性アクリルウレタン塗料を硬化させる。こうして、図26に示すように、薄い部分の厚みが0.15mm未満の保護層9を形成し、防水パンが得られる。こうして得られた防水パンにおいても、実施例1〜10と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記実施例1〜11の温感部材は防水パンであることから、温感効果は冬場の冷感の回避として発揮されるが、本発明の温感部材をベランダやバルコニーの床タイル等に適用した場合には、温感効果が夏場の熱感の回避として発揮されることはいうまでもない。
図27に示すように、以上の温感部材である防水パン55は、壁パネル56a〜56c、浴槽57、カウンタ58、シャワー装置59a、水栓59b等とともにユニットバスルームを構成する。このように、図28に示すように、温感部材を予め防水パン55に成形する場合には、既設の防水パン等に替えてこれらの防水パン55を施工することにより、温感効果の享受が可能になる。新築の住宅等においては、この施工方法が便宜である。
他方、図29に示すように、以上の温感部材を用いて既設の防水パン66を改修することも可能である。すなわち、温感部材65を不定形の板状に成形する場合には、温感部材65を所定形状に切断して既設の防水パン66上に貼着することができる。この際、防水パン66の洗い場の大きさを採寸し、温感部材65をその洗い場の大きさに工場内で裁断しておく。この場合、排水口等の位置も工場内で切り抜いておく。基部5の裏面に凹溝5aを凹設することも可能である。また、接着剤67として、弾性を有するウレタン系、シリコーン系等のものを用いる。これにより、既設の防水パン66を交換する必要なく、簡易に温感効果を享受することが可能になる。また、弾性を有する接着剤67を採用していることから、既設の防水パン66の凹みや撓みに温感部材65を追従させることができる。住宅等のリフォームにおいては、この施工方法が便宜である。
(実施例12)
実施例12では、図20に示すように、SMC法による断熱部成形工程S50において、断熱部用SMC製造工程S51及びプレス成形工程S52を行う。
得られたものを図30に示す厚さ2mmの断熱部用シート68とする。この断熱部用シート68の構成は上記温感部材の断熱部6、60と同様である。また、得られたものの表面に実施例10と同様の保護層9を形成し、断熱部用シート68とする。この断熱部用シート68は、上記温感部材の断熱部6、60と同様の断熱部と、この断熱部の表面に一体に設けられ、薄い部分の厚みが0.15mm未満の保護層9とからなる。
これらの断熱部用シート68を用いて既設の防水パン66を改修することも可能である。すなわち、断熱部用シート68を不定形の板状に成形する場合には、断熱部用シート68を所定形状に切断して既設の防水パン66上に貼着することができる。この際、防水パン66の洗い場の大きさを採寸し、断熱部用シート68をその洗い場の大きさに工場内で裁断しておく。この場合、排水口等の位置も工場内で切り抜いておく。断熱部用シート68の裏面に凹溝68aを凹設することも可能である。また、接着剤67として、弾性を有するウレタン系、シリコーン系等のものを用いる。これにより、既設の防水パン66を交換する必要なく、簡易に温感効果を享受することが可能になる。また、弾性を有する接着剤67を採用していることから、既設の防水パン66の凹みや撓みに断熱部用シート68を追従させることができる。住宅等のリフォームにおいては、この施工方法が便宜である。
上記のように、温感部材65や断熱部用シート68を既設の防水パン66上に貼着する場合、温感部材65や断熱部用シート68を1枚物とすれば、継ぎ目がなく、優れた美観を呈することができる。しかし、この場合には運搬が困難になり、搬送コストが嵩むおそれがある。このため、温感部材65や断熱部用シート68は複数個に分割された状態で既設の防水パン66上に貼着されることが好ましい。これにより、運搬が容易になり、搬送コストの低廉化を実現できる。例えば、図31に示すように、温感部材65や断熱部用シート68を川の字に3分割し、これらを既設の防水パン66上に貼着することができる。また、図32に示すように、温感部材65や断熱部用シート68を田の字に4分割し、これらを既設の防水パン66上に貼着することもできる。なお、図31及び図32に示す例は、温感部材65や断熱部用シート68が複数枚のタイルを有するような保護層9を示している。各タイルに相当するように、温感部材65や断熱部用シート68を100mm×100mm等のタイル状に成形する場合には、それらの温感部材65や断熱部用シート68を整列させて既設の防水パン66上に貼着すればよい。
また、図33に示すように、既設の防水パン66の中央部分において、複数枚に分割された温感部材65や断熱部用シート68の縁部には、シリコーンゴム等のコーキング剤69を設けることもできる。一方、図34に示すように、既設の防水パン66の縁部が壁パネル56a等や浴槽57のエプロン57aと直角に接続されている場合には、温感部材65や断熱部用シート68を壁パネル56a等やエプロン57aを当接させることができる。他方、図35に示すように、既設の防水パン66の縁部が壁パネル56a等や浴槽57のエプロン57aと湾曲しながら接続されている場合には、温感部材65や断熱部用シート68の縁部と壁パネル56a等やエプロン57aとの間にコーキング剤69を設けることが好ましい。これらにより、温感部材65や断熱部用シート68の厚みによる段差を解消し、美観の向上と水溜まりの防止とを実現することができる。
(評価試験1)
上記温感効果を以下の評価試験1により確認した。まず、図36に示すように、防水パンに人が足を乗せることを考慮し、荷重体20を用意する。この荷重体20は、質量5kgの荷重本体20aと、この荷重本体20aの裏面に一体に形成された厚みが5mmのウレタンフォームからなるシート20bとからなる。また、測定板21を用意する。この測定板21は、50mm×50mm×10mmのシリコーン板と、このシリコーン板の裏面から1mm内部に埋め込んだ熱電対とからなる。さらに、支持板22を用意する。この支持板22は厚みが10mmのウレタンフォームからなる。
一方、実施例と同様、炭酸カルシウムのみを充填剤とした試験例1、炭酸カルシウムとガラスバルーン7との質量比が2:1の充填剤とした試験例2、炭酸カルシウムとガラスバルーン7との質量比が1:1の充填剤とした試験例3、炭酸カルシウムとガラスバルーン7との質量比が1:2の充填剤とした試験例4及びガラスバルーン7のみを充填剤とした試験例5の試験片Tを得る。各試験片Tの大きさは任意ではあるが、試験の便宜のために一応100mm×100mmとする。
そして、各試験片Tを冷蔵庫内で5°Cに12時間以上保持する。この後、25±1°Cの室内において、各支持板22を敷き、その上に試験片Tを載せ、その上に恒温槽内で37±1°Cに保持した荷重体20及び測定板21を載せる。
測定板21の熱電対による温度を擬似足温度(°C)として測定し、各試験片Tに測定板21を接触させた直後からの接触時間(sec)と擬似足温度(°C)との関係を求める。結果を図37に示す。
また、図37の各曲線の線形近似式を求め、それらの傾きを耐冷感指数(いかに冷たく感じるかの指数)とする。充填剤に占めるガラスバルーン7の混合比率(%)と耐冷感性との関係を求める。結果を図38に示す。
図37及び図38より、試験片2〜5は、試験片1に比べ、温感効果を有することがわかる。また、ガラスバルーン7の量が多くなれば、より温感効果が優れることがわかる。
(評価試験2)
また、上記温感効果を以下の評価試験2により確認した。まず、実施例と同様、以下の試験例6〜8の試験片を製造する。
試験例6の試験片は基部用SMC10のみからなるものである。一方、試験例7の試験片は基部用SMC10及び断熱部用SMC11からなるものである。試験例8の試験片は試験例7の試験片上に保護層用塗料を塗布したものである。
図39に示すように、これら試験例6〜8の試験片Tを恒温槽(40%Rh)に12時間以上保持し、各試験片上に熱流束センサ(「VETELL CORPORATION」BF−04(25×25mm))30を載置する。熱流束センサ30は図示しないアンプ((有)インタークロス製「intercross-200」)を介してパソコン31に接続されている。パソコン31にはデータ処理ソフト((有)インタークロス製「データアクディションシステムintercross-310D」)がインストールされている。
一方、板状の擬似足(50×50×20mm)32を用意する。この擬似足32は、シリコーンゴム製型取り用RTVゴム(信越化学工業(株)製信越シリコーン「KE−12」)に硬化剤(信越化学工業(株)製「CAT−RM」)を重量比100:1で混合し、成形したものである。この擬似足32を温度35°Cの恒温水によって33.0±0.3°Cまで暖める。
各試験片T上の熱流束センサ30上に擬似足32を載置し、さらに擬似足32上に4kgの荷重33を載置し、0.1秒毎に熱流束(W/m2)を測定する。
常温の室内において、各試験片Tを5°Cに維持して行った結果を図40及び図41に示し、各試験片Tを23°Cに維持して行った結果を図42及び図43に示す。図41及び図43は、ピークの積分値(J/m2)と3秒間の積分値とを示す。
各試験片Tを5°Cに維持した場合、33°Cの物体との間における熱流束は、図40及び図41に示される。通常のFRP製品と同様の試験例6の試験片Tのその熱流束はピークが6500W/m2を超えている。また、この試験例6の試験片Tのその熱流束の3秒間の積分値は12000J/m2を超えている。
これに対し、実施例の防水パンと同様の試験例7、8の試験片Tのその熱流束はピークが6500W/m2以下である。また、これら試験例7、8の試験片Tのその熱流束の3秒間の積分値は12000J/m2以下である。
また、各試験片を23°Cに維持した場合、33°Cの物体との間における熱流束は、図42及び図43に示される。通常のFRP製品と同様の試験例6の試験片Tのその熱流束はピークが3000W/m2を超えている。また、この試験例6の試験片Tのその熱流束の3秒間の積分値は5000J/m2を超えている。
これに対し、実施例の防水パンと同様の試験例7、8の試験片Tのその熱流束はピークが3000W/m2以下である。また、これら試験例7、8の試験片Tのその熱流束の3秒間の積分値は5000J/m2以下である。
したがって、試験例7、8の試験片Tは、試験例6の試験片Tよりも、熱流束が小さく、十分な温感効果を発揮していることがわかる。このため、試験例7、8の試験片Tと同様の防水パンは、足裏から奪われる熱が少ないため、光熱費を生じることなく、浴室に入った時の冷たさを緩和することがわかる。
(評価試験3)
評価試験2で製造した試験例6及び試験例8の試験片を用意し、両試験片を5°Cに維持した後、被験者の左足を試験例8の試験片、右足を試験例6の試験片に15秒間接する。この時の両足裏の温度分布をサーモグラフで測定した。被験者は成人である。
この結果、右足の試験片に接した部分は22°C、左足のその部分は24°Cであった。つまり、15秒後には、両足裏に2°Cの温度差が生じた。
また、被験者の足裏の皮膚の低下温度の経時変化を比較した。結果を図44に示す。図44に示すように、試験例8の試験片は、試験例6の試験片よりも、足裏の皮膚温度低下が緩やかであり、時間が長い程、試験例8の試験片と試験例6の試験片とで皮膚温度に開きを生じることがわかる。そして、試験例8の試験片は、試験例6の試験片よりも、足裏から逃げる熱を約25%低減できることがわかる。
(評価試験4)
評価試験2で製造した試験例6及び試験例8の試験片を用意し、両試験片を5°Cに維持した後、被験者の血圧変動を比較した。被験者は65歳以上の8人の成人である。8人の平均を図45に示す。
図45に示すように、接した直後の血圧上昇は、試験例8の試験片では25mmHgであったのに対し、試験例6の試験片では35mmHgであり、試験例8の試験片は、試験例6の試験片に比べ、10mmHg血圧上昇が低く、約30%血圧上昇を低減できることがわかる。このため、試験例8の試験片と同様の防水パンによれば、高齢者の血圧変動を低減でき、より快適な入浴を実現することができる。
本発明は、浴室用防水パン、浴槽、壁パネル、天井パネル、カウンター、ベランダやバルコニー等の床材等に利用可能である。
参考例、実施例1に係る浴室用防水パンの製造方法を示す工程図である。 参考例、実施例1に係るプレス型等を示す断面図である。 参考例、実施例1に係るプレス型等を示す断面図である。 参考例、実施例1に係るプレス型等を示す断面図である。 参考例、実施例1に係る基部の断面図である。 参考例、実施例1に係り、保護層形成前の浴室用防水パンの断面図である。 参考例に係る浴室用防水パンの要部拡大断面図である。 実施例に係る浴室用防水パンの要部拡大断面図である。 実施例に係り、浴室用防水パンの断面を示す200倍の顕微鏡写真である。 実施例に係る浴室用防水パンの要部拡大断面図である。 実施例に係る浴室用防水パンの要部拡大断面図である。 実施例に係る浴室用防水パンの要部拡大断面図である。 実施例5〜8に係る浴室用防水パンの製造方法を示す工程図である。 実施例5〜8に係るプレス型等を示す断面図である。 実施例5〜8に係るプレス型等を示す断面図である。 実施例に係る浴室用防水パンの要部拡大断面図である。 実施例に係る浴室用防水パンの要部拡大断面図である。 実施例に係る浴室用防水パンの要部拡大断面図である。 実施例に係る浴室用防水パンの要部拡大断面図である。 実施例9、12に係る浴室用防水パン又は断熱部用シートの製造方法を示す工程図である。 実施例10の浴室用防水パンの模式拡大断面図である。 実施例10の浴室用防水パンの模式拡大断面図である。 実施例11の浴室用防水パンの製造方法を示すフローチャートである。 実施例11の浴室用防水パンの製造方法に係り、成形型等の模式断面図である。 実施例11の浴室用防水パンの製造方法に係り、中間体の模式拡大断面図である。 実施例11の浴室用防水パンの模式拡大断面図である。 参考例、実施例1〜11の浴室用防水パンを用いたユニットバスルームの斜視図である。 参考例、実施例1〜11の浴室用防水パンの斜視図である。 参考例、実施例1〜11の温感部材と既設の浴室用防水パンとの断面図である。 実施例12の断熱部用シートと既設の浴室用防水パンとの断面図である。 浴室用防水パンの改修方法を示す斜視図である。 浴室用防水パンの改修方法を示す斜視図である。 浴室用防水パンの改修方法を示す断面図である。 浴室用防水パンの改修方法を示す断面図である。 浴室用防水パンの改修方法を示す断面図である。 評価試験1の方法を示す模式断面図である。 接触時間と擬似足温度との関係を示すグラフである。 ガラスバルーンの混合比率と耐冷感性との関係を示すグラフである。 評価試験2の方法を示す模式断面図である。 評価試験2において、各試験片を5°Cに維持して行った場合、熱流束の平均値における経時変化を示すグラフである。 評価試験2において、各試験片を5°Cに維持して行った場合、3秒後の積分値の平均値を示すグラフである。 評価試験2において、各試験片を23°Cに維持して行った場合、熱流束の平均値における経時変化を示すグラフである。 評価試験2において、各試験片を23°Cに維持して行った場合、3秒後の積分値の平均値を示すグラフである。 評価試験3において、試験例6及び試験例8の試験片を5°Cに維持して行った場合、足裏の皮膚の低下温度の経時変化を示すグラフである。 評価試験4において、試験例6及び試験例8の試験片を5°Cに維持して行った場合、血圧変動を示すグラフである。
符号の説明
5…基部
6、14、15…断熱部
7a、8a、12a…気孔
9…保護層
18…粒状物質(ナイロンパウダ)
9a…マトリックス
7、8、12…気孔体(7…ガラスバルーン、8…中空ポリエステル繊維、12…珪藻土)
S10、S30、S40…基部成形工程
S20、S30、S50…断熱部成形工程
S20、S30、S60…完成工程
1…プレス型
11…断熱部用シートモールディングコンパウンド
10…基部用シートモールディングコンパウンド
68…断熱部用シート
66…既設の浴室用防水パン

Claims (8)

  1. 繊維強化プラスチック製の基部と、該基部の表面に一体に設けられ、無数の気孔を有して構成された断熱部と、該断熱部の表面に一体に設けられ、薄い部分の厚みが0.15mm未満の保護層とからなり、
    前記保護層は表面が粗面化され、
    前記保護層は、無数の中実の粒状物質と、各該粒状物質を覆いながら表面に突出させて繋ぎとめるマトリックスとからなることを特徴とする温感部材。
  2. 前記保護層はスプレー塗布によって形成されていることを特徴とする請求項記載の温感部材。
  3. 前記断熱部は強化用繊維を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の温感部材。
  4. 前記気孔内には空気が存在していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の温感部材。
  5. 前記気孔は独立気孔であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の温感部材。
  6. 前記気孔は、無数の気孔体の内部のものを含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の温感部材。
  7. 前記気孔は、各前記気孔体間のものを含むことを特徴とする請求項記載の温感部材。
  8. 前記気孔体は、中空粒子、中空繊維及び多孔質粒子の少なくとも1種であることを特徴とする請求項6又は7記載の温感部材。
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